(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148316
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】紫外線照射装置及び紫外線照射システム
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056264
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】田坂 圭次郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 則雅
(72)【発明者】
【氏名】山崎 誠
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA23
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD03
4C058DD13
4C058DD16
4C058KK02
4C058KK23
(57)【要約】
【課題】汎用性の高い紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、紫外線照射装置1は、床面から1m以内の高さに設けられた取付部に取り付けられる筐体10内に配設され、床面に向かって紫外光を照射する光源部103と、人に関する検知データを取得する検知部102と、検知部102が取得した検知データに基づき光源部103を制御する制御部101と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面から1m以内の高さに設けられた取付部に取り付けられる筐体内に配設され、前記床面に向かって紫外光を照射する光源部と;
人に関する検知データを取得する検知部と;
前記検知部が取得した検知データに基づき前記光源部を制御する制御部と;
を備える紫外線照射装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知データに基づいて前記人の脚部における肌の露出度合いを判断し、
前記肌の露出度合いに応じて前記光源部を制御する
請求項1記載の紫外線照射装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知データに基づいて前記人の接近を判断し、
前記人が前記光源部の光照射範囲に侵入する前から、前記光源部から光が照射されるように前記光源部を制御する
請求項1または2記載の紫外線照射装置。
【請求項4】
紫外線照射装置と;
前記紫外線照射装置に人に関する検知データを送信する検知部と;
を備え、
前記紫外線照射装置は、
床面から1m以内の高さに設けられた取付部に取付けられる筐体内に配設され、前記床面に向かって紫外光を照射する光源部と;
前記検知部が取得した検知データに基づき前記光源部を制御する制御部と;
を含む
紫外線照射システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、紫外線照射装置及び紫外線照射システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、床面を殺菌するために、床面上を走行しながら、床面に紫外線を照射する紫外線照射装置が知られている。しかし、このような紫外線照射装置は、床面上を走行しながら殺菌を行うため、人の歩行の妨げとなる可能性がある。また、このような紫外線照射装置は、床面を殺菌するため、部屋あるいは廊下等の下側領域を殺菌する紫外線照射装置としては汎用性が低いという問題があった。このため、汎用性が高い紫外線照射装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6203029号公報
【特許文献2】特開2012-243658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、汎用性が高い紫外線照射装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、紫外線照射装置は、床面から1m以内の高さに設けられた取付部に取り付けられる筐体内に配設され、床面に向かって紫外光を照射する光源部と、人に関する検知データを取得する検知部と、検知部が取得した検知データに基づき光源部を制御する制御部と、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、汎用性の高い紫外線照射装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る紫外線照射装置の前面側の外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る紫外線照射装置の背面側の外観の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る紫外線照射装置の筐体の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る紫外線照射装置の設置例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の第1変形例に係る紫外線照射装置の筐体の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の第2変形例に係る紫外線照射装置の筐体の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る紫外線照射システムの構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る紫外線照射システムの設置例を示す図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態に係る紫外線照射システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る紫外線照射装置は、壁面に固定して使用できる。また、紫外線照射装置は、人を検知するための検知部を含み、検知部が取得した検知データに基づいて、紫外線の照射を制御することができる。これにより汎用性の高い紫外線照射装置を提供できる。
【0009】
実施形態の紫外線照射装置(1)は、床面から1m以内の高さに設けられた取付部に取り付けられる筐体(10)内に配設され、床面に向かって紫外光を照射する光源部(103)と、人に関する検知データを取得する検知部(102)と、検知部(102)が取得した検知データに基づき光源部(103)を制御する制御部(101)と、を備える。これにより、筐体(10)を壁面の取付部に固定することができる。このため、人の歩行の妨げとならずに紫外線照射装置(1)を使用できる。よって、紫外線照射装置(1)の汎用性を向上できる。また、筐体(10)を床面から1m以内の高さに取り付けることができる。更に、検知データに基づいて光源部(103)を制御することができる。このため、人が紫外光に晒されるリスクを低減できる。よって、紫外線照射装置(1)の安全性を向上できる。
【0010】
実施形態の紫外線照射装置(1)が備える制御部(101)は、検知データに基づいて人の脚部における肌の露出度合いを判断し、肌の露出度合いに応じて光源部(103)を制御する。これにより、肌の露出度合いが高い人が紫外光に晒されるリスクを低減できる。よって、紫外線照射装置(1)の安全性を向上できる。
【0011】
実施形態の紫外線照射装置(1)が備える制御部(101)は、検知データに基づいて人の接近を判断し、人が光源部(103)の光照射範囲に侵入する前から、光源部(103)から光が照射されるように光源部(103)を制御する。これにより、光照射範囲に人が侵入する前に光照射範囲を殺菌できる。よって、紫外線照射装置1の殺菌効果を向上できる。
【0012】
実施形態の紫外線照射システム(1000)は、紫外線照射装置(1)と、紫外線照射装置(1)に人に関する検知データを送信する検知部(1001)とを備える。紫外線照射装置(1)は、床面から1m以内の高さに設けられた取付部に取付けられる筐体(10)内に配設され、床面に向かって紫外光を照射する光源部(103)と、検知部(1001)が取得した検知データに基づき光源部(103)を制御する制御部(101)とを含む。これにより、筐体(10)を壁面の取付部に固定することができる。このため、人の歩行の妨げとならずに紫外線照射装置(1)を使用できる。よって、紫外線照射装置(1)の汎用性を向上できる。また、筐体(10)を床面から1m以内の高さに取り付けることができる。更に、検知データに基づいて光源部(103)を制御することができる。このため、人が紫外光に晒されるリスクを低減できる。よって、紫外線照射装置(1)の安全性を向上できる。
【0013】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
1.第1実施形態
1.1 構成
まず、紫外線照射装置1の構成の一例について説明する。
【0015】
1.1.1 紫外線照射装置の外観構成
まず、
図1及び
図2を参照して、紫外線照射装置1の外観構成の一例について説明する。
図1は、紫外線照射装置1の前面側の外観の一例を示す斜視図である。
図2は、紫外線照射装置1の背面側の外観の一例を示す斜視図である。
【0016】
紫外線照射装置1は、壁面に設けられた取付部に固定して使用される。紫外線照射装置1は、壁面に埋め込まれるように固定されてもよいし、取付部にネジまたはフック等により固定されてもよい。また、紫外線照射装置1は、紫外線照射装置1の背面に設けられたプラグをコンセントの差込口に差し込むことにより固定されてもよい。プラグにより紫外線照射装置1が固定される場合、壁面に設けられたコンセントが取付部に相当する。以下の説明では、紫外線照射装置1は、背面にプラグを有し、プラグをコンセントの差込口に差し込むことにより、壁面に固定される場合について説明する。また、以下の説明では、紫外線照射装置1が壁面に固定されている状態を基準として、紫外線照射装置1の上下(上面及び下面)、左右(側面)、及び前後(前面及び背面)として説明する。
【0017】
図1及び
図2に示すように、紫外線照射装置1は、筐体10、スイッチ11、及びプラグ12を含む。
【0018】
筐体10は、カバー21、ベース22、センサ窓23、照射口24、反射板25、壁部26、光源部窓27、インジケータ28及び29、並びに窪み部30及び31を含む。
【0019】
カバー21及びベース22は、例えば、絶縁性を有する合成樹脂製である。カバー21の背面側及びベース22の前面側は、開口形成されている。筐体10は、カバー21の背面側とベース22の前面側とを組み合わせることにより、構成される。なお、カバー21の前面には、表面を保護するための透明のパネルが設けられてもよい。
【0020】
カバー21の前面上側部分は、平面状に形成されており、中心付近には、筐体10に内蔵されているセンサ用のセンサ窓23が設けられている。なお、センサ窓23の位置、大きさ、形状などは、本実施形態の形状に限定されるものではない。
【0021】
センサは、人感センサ、振動センサ、光センサ、音センサ、画像センサ、温度センサ等、人または人の動きに伴う周囲の状況の変化を感知であるセンサであればよい。センサが画像センサである場合、センサは、カメラを含む。この場合、センサ窓23には、カメラレンズが設けられる。
【0022】
カバー21の前面下側部分には、照射口24が設けられている。筐体10には、光源部が内蔵されている。紫外線照射装置1は、照射口24を介して、光源部が照射した光を紫外線照射装置1の前面斜め下方向に照射する。なお、照射口24は、筐体10の下面に設けられてもよい。この場合は、紫外線照射装置1は、光を下方向に照射する。
【0023】
光源部は、殺菌用の紫外光として、少なくともピーク波長が200nm以上280nm以下の紫外線(UV-C)を照射する。なお、ピーク波長は、光源部が照射する光の分光スペクトルにおいて、最も発光強度が高い波長である。例えば、光源部は、筐体10内において、照射口24より上側に配置される。光源部は、下方向にUV-Cを照射する。
【0024】
照射口24には、反射板25が取り付けられている。反射板25の前面が光の反射面であり、反射板25は、少なくとも光源部が照射する紫外光のピーク波長を反射可能な部材で構成される。反射板25は、光源部が照射する紫外光のスペクトルの全域を反射可能な部材で構成されることが望ましい。光源部から下方向に照射されたUV-Cは、反射板25により、紫外線照射装置1の前面斜め下方向に反射される。反射板25の下辺は、照射口24の下辺に沿って取り付けられている。反射板25の上辺は、照射口24の上辺に対して、ベース22側に湾曲するように取り付けられている。反射板25の形状は、任意である。照射光(UV-C)の照射範囲(以下、「光照射範囲」と表記する)は、反射板25の形状に依存する。なお、紫外線照射装置1がUV-Cを下方向に照射する場合、反射板25は、廃されてもよい。
【0025】
照射口24の上辺と、反射板25の上辺との間には、半円状の壁部26が設けられている。例えば、壁部26は、筐体10の下面と平行に形成される。壁部26の中央付近には、筐体10に内蔵されている光源部から下方向に照射されたUV-Cを通過させるための光源部窓27が開口形成されている。
【0026】
筐体10の上面には、インジケータ28及び29が設けられている。例えば、インジケータ28及び29は、LED(Light Emitting Diode)素子を含む。インジケータ28及び29は、紫外線照射装置1の動作状態に基づいて点灯される。例えば、インジケータ28は、紫外線照射装置1がUV-Cを照射している間、点灯される。また、インジケータ29は、スイッチ11による動作モードの切り換えに応じて点灯される。
図1及び
図2に示す例では、インジケータ28及び29は、筐体10の上面に設けられているが、これに限定されない。インジケータ28及び29は、筐体10の前面、または側面等、人が視認しやすい位置に設けられていればよい。なお、インジケータの個数は任意である。インジケータは、廃されてもよいし、表示する内容に応じて1個または3個以上設けられていてもよい。
【0027】
窪み部30は、筐体10の両側面に設けられている。窪み部30は、コンセントへのプラグ12の抜き差し作業をする際に、指の位置を固定させるために用いられる。窪み部30の形状は任意である。なお、窪み部30は、廃されてもよい。
【0028】
窪み部31は、ベース22の背面側に設けられている。窪み部31は、プラグ12を収納する際に用いられる。
【0029】
スイッチ11は、動作モードの切り換えスイッチである。例えば、紫外線照射装置1は、センサに連動させて紫外線の照射を制御するセンサ連動モードと、センサに連動させずに、UV-Cを常時照射させるセンサ非連動モードとの2つの動作モードを有する。ユーザは、スイッチ11の操作により、センサ連動モードとセンサ非連動モードとを切り換えることができる。例えば、インジケータ29は、センサ連動モードが選択されている場合に点灯される。
図1及び
図2に示す例では、スイッチ11は、筐体10の上面に設けられるが、これに限定されない。スイッチ11は、筐体10の前面、側面、または下面に設けられてもよい。また、
図1及び
図2に示す例では、スイッチ11は、スライド式であるが、押しボタン式であってもよい。また、スイッチ11では、3段階以上の動作モードの切り換えが可能に構成されていてもよい。なお、紫外線照射装置1がセンサ連動モードまたはセンサ非連動モードのいずれか一方を有している場合、スイッチ11は、廃されてもよい。
【0030】
プラグ12は、ベース22の背面に、収納可能に取り付けられている。プラグ12は、可倒式である。プラグ12は、プラグ刃40及び保持部41を含む。
【0031】
2つのプラグ刃40は、コンセントの差込口に差し込まれる金属部分である。保持部41は、2つのプラグ刃40を保持する。例えば、保持部41は、絶縁性を有する合成樹脂製である。プラグ刃40及び保持部41は、プラグ刃40をコンセントの差込口に差し込む場合に、プラグ刃40が筐体10の上面を向いた状態から背面に垂直な方向を向いた状態に倒される。
【0032】
1.1.2 筐体の内部構成
次に、
図3を参照して、筐体10の内部構成について説明する。
図3は、筐体10の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図3に示すように、筐体10内には、点灯回路100、制御部101、検知部102、及び光源部103が設けられている。
【0034】
点灯回路100は、プラグ12を介して、コンセントに電気的に接続される。点灯回路100には、プラグ12を介して、コンセントから商用交流電源を供給される。点灯回路100は、制御部101に接続されている。点灯回路100は、制御部101を介して、光源部103に、光源部103を点灯させるための電力を供給する。
【0035】
制御部101は、光源部103の点灯、すなわち、UV-Cの照射を制御する。制御部101は、検知部102及び光源部103に接続される。また、制御部101は、スイッチ11に接続されている。例えば、制御部101は、センサ非連動モードが選択されている場合、点灯回路100から供給された電力を、そのまま光源部103に供給する。従って、光源部103は、常時点灯状態となる。また、制御部101は、センサ連動モードが選択されている場合、検知部102から受信した検知データに基づいて、光源部103の点灯を制御する。センサ連動モードにおける点灯動作の詳細は後述する。
【0036】
検知部102は、紫外線照射装置1に近づいてきた人または人の動きに伴う周囲の状況の変化を検知する。検知部102は、検知結果として、例えば、センサ窓23を介して検知データを取得する。検知部102は、制御部101に検知データを送信する。換言すると、検知部102は、人に関する検知データを取得し、制御部101に送信する。検知部102は、人感センサ、振動センサ、光センサ、音センサ、画像センサ(カメラ)、温度センサの少なくとも1つを含む。
【0037】
人感センサ及び画像センサは、人を検知する。人感センサは、反射型であってもよいし、焦電型であってもよい。画像センサは、通常のカメラ画像を取得してもよいし、サーモ画像を取得してもよい。振動センサは、人の歩行による振動や、ドアの開閉による振動を検知する。光センサは、照明の点灯や、ドアの開閉等による外部光取り込みに起因する明るさの変化を検知する。音センサは、ドアの開閉音または人の足音等を検知する。振動センサ、光センサ、及び音センサは、人の移動による振動、明るさ、及び音の変化をそれぞれ検知する。このため、検知部102が振動センサ、光センサ、または音センサを含む場合、検知部102は、人が光源部103の光照射範囲に侵入する前から人が紫外線照射装置1に接近していることを検知可能である。
【0038】
光源部103は、UV-Cを照射する。なお、光源部103は、複数の光に対応した複数の光源を含んでいてもよい。光源部103は、筐体10内において、少なくとも下方向(床面)に向かって光を照射するように配置される。光源部103は、LED(Light Emitting Diode)、及びランプ(エキシマランプまたは水銀ランプ)の少なくとも1つを含む。光源部103は、殺菌作用の比較的高い、例えばピーク波長254nmのUV-Cを照射してもよいし、人体への影響が比較的小さい、例えばピーク波長222nmのUV-Cを照射してもよい。以下、殺菌作用の比較的高いUV-Cを限定する場合、「第1のUV-C」と表記する。同様に、人体への影響が比較的小さいUV-Cを限定する場合、「第2のUV-C」と表記する。
【0039】
床面の反射率が高い場所または階段等に紫外線照射装置1を設置する場合、床面で反射したUV-Cが人の上半身の方向へ向かい人の目に入る虞がある。このように人へのUV-Cの影響が懸念される場所では、第2のUV-Cが選択され得る。
【0040】
1.2 センサ連動モードにおける点灯動作の具体例
次に、センサ連動モードにおける点灯動作の具体例について説明する。以下では、5つの動作例について説明する。
【0041】
1.2.1 第1動作例
まず、第1動作例として、紫外線照射装置1が人を検知するとUV-Cの照射を停止させる場合について説明する。この場合、UV-Cは、第1のUV-Cであってもよいし、第2のUV-Cであってもよい。
【0042】
制御部101は、検知部102から受信した検知データに基づいて、紫外線照射装置1への人の接近(センサの検知範囲内における人の有無)を判断する。制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していない(検知範囲内に人がいない)と判断している間、光源部103にUV-Cを照射させる。すなわち、制御部101は、人がいない間、光源部103を点灯させる。他方で、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近している(検知範囲内に人がいる)と判断している間、光源部103にUV-Cを照射させない。すなわち、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近してくると、光源部103を消灯させる。
【0043】
なお、検知部102が振動センサ、光センサ、または音センサを含む場合、制御部101は、人が光照射範囲に侵入する前に第1のUV-Cの照射を停止できる。すなわち、制御部101は、光源部103を消灯させることができる。このように、第1動作例においては、紫外線照射装置1の人体に対する安全性を高めることが可能となり、紫外線照射装置1の汎用性が向上する。
【0044】
1.2.2 第2動作例
次に、第2動作例として、紫外線照射装置1が人を検知するとUV-Cを照射させる場合について説明する。この場合、光源部103は、第2のUV-Cを照射することが好ましい。
【0045】
制御部101は、検知部102から受信した検知データに基づいて紫外線照射装置1への人の接近を判断する。制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していないと判断している間、光源部103に第2のUV-Cを照射させない。すなわち、制御部101は、人がいない間、光源部103を点灯させない。他方で、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していると判断している間、光源部103に第2のUV-Cを照射させる。すなわち、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近してくると、光源部103を点灯させる。
【0046】
なお、検知部102が振動センサ、光センサ、または音センサを含む場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1の光照射範囲に侵入する前から第2のUV-Cの照射を開始できる。このように、第2動作例においては、人が菌を持ち運んできた場合にも早急に殺菌動作を開始することが可能となり、紫外線照射装置1の汎用性が向上する。
【0047】
1.2.3 第3動作例
次に、第3動作例として、制御部101が、人の脚部の肌の露出度合いに基づいて、UV-Cの照射を制御する場合について説明する。検知部102は、人の脚部の肌の露出度合いに関する検知データを取得し得る。ここで、人の脚部は、UV-Cの照射領域内にある足の部分、例えば、太ももより下、膝より下、またはくるぶしより下の部分である。肌の露出度合いとは、脚部全体に対する肌露出の面積比であったり、単に脚部が露出しているか否かであったり、または裸足か否かであったり、を示す指標である。
【0048】
より具体的には、検知部102が画像センサを含む場合、検知部102は、画像データ(カメラ画像またはサーモ画像等)に基づいて、人の脚部の肌の露出度合いに関する検知データを取得し得る。
【0049】
また、検知部102が焦電型の人感センサや温度センサを含む場合、検知部102は、センサ値に基づいて、人の脚部の肌の露出度合いに関する検知データを取得し得る。
【0050】
制御部101は、検知データに基づいて、人の脚部の肌の露出度合いが規定値以上であると判断した場合、UV-Cの照射を停止させる(光源部103を消灯させる)。他方で、検知部102は、検知データに基づいて、肌の露出度合いが規定値未満であると判断した場合、UV-Cの照射を継続させる(光源部103を消灯させない)。また、紫外線照射装置1が、第2のUV-Cを照射可能な場合は、制御部101は、検知データに基づいて、人の脚部の肌の露出度合いが規定値以上であると判断した場合、第2のUV-Cを照射する。このとき、紫外線照射装置1は、第1のUV-Cに代えて第2のUV-Cを照射するように構成されていてもよいし、検知データ取得前から照射していた第2のUV-Cの照射を継続するように構成されていてもよい。
【0051】
また、検知部102が人感センサまたは画像センサと、音センサとを含む場合、検知部102は、人感センサまたは画像センサに基づく検知データと、音センサに基づく検知データとを取得する。制御部101は、2つの検知データに基づいて、人が裸足か否かを判断できる。制御部101は、人が裸足であると判断した場合、人が紫外線照射装置1の光照射範囲に入る前にUV-Cの照射を停止させる。他方で、制御部101は、人が裸足ではないと判断した場合、UV-Cの照射を継続させる。このように、第3動作例においては、人の肌の露出度合いに応じて紫外線照射装置1の動作を柔軟に変更することが可能となり、紫外線照射装置1の汎用性が向上する。
【0052】
1.2.4 第4動作例
次に、第4動作例として、制御部101が、履物の材質に基づいて、UV-Cの照射を制御する場合について説明する。検知部102が画像センサを含む場合、検知部102は、画像データに基づいて、人が現在履いている履物の材質に関する検知データを取得し得る。制御部101は、検知データに基づいて、履物の材質がUV-Cの影響を受けやすい材質(例えば、UV-Cが照射されると退色したり傷んだりしまう材質。樹脂材料や、動物の毛等)であると判断した場合、UV-Cの照射を停止させる。他方で、制御部101は、履物の材質がUV-Cの影響を受けやすい材質ではないと判断した場合、UV-Cの照射を継続させる。このように、第4動作例においては、人の履物の材質に応じて紫外線照射装置1の動作を柔軟に変更することが可能となり、紫外線照射装置1の汎用性が向上する。
【0053】
1.2.5 第5動作例
次に、第5動作例として、制御部101が、人以外の生き物(例えば、犬または猫等)に基づいて、UV-Cの照射を制御する場合について説明する。検知部102が画像センサを含む場合、検知部102は、画像データに基づいて、人以外の生き物に関する検知データを取得し得る。制御部101は、検知データに基づいて、人以外の生き物がいると判断した場合、UV-Cの照射を停止させる。他方で、制御部101は、人以外の生き物がいないと判断した場合、UV-Cの照射を継続させる。このように、第5動作例においては、紫外線照射装置1の人以外の生き物に対する安全性を高めることが可能となり、紫外線照射装置1の汎用性が向上する。
【0054】
1.3 紫外線照射装置の設置例
次に、
図4を参照して、紫外線照射装置1の設置例について説明する。
図4は、紫外線照射装置1の設置例を示す図である。
【0055】
図4に示すように、筐体10は、壁面に設けられたコンセントの差込口にプラグ12を差し込むことにより、固定される。床面から筐体10までの高さをH(m)とすると、高さHは、1m以下であることが好ましい。高さHを1m以下とすることにより、UV-Cが人の上半身に照射されたり、人の目に入ったりするリスクを低減できる。また、高さHを1m以下とすることにより、UV-Cが照射された床面だけでなく、床面近傍の殺菌効果も十分に得られる。例えば、空気より重い埃やウイルスなどは床面近傍に漂っているため、そのような床面近傍に存在する対象物に対しての殺菌効果も十分に得られる。
【0056】
照射光200(UV-C)は、紫外線照射装置1の照射口24から前面斜め下方向に向かって照射される。筐体10が廊下等の対向する壁面との距離が近い場所に設置されている場合、照射光200は、床面及び対向する壁面の下側領域を照射し得る。すなわち、紫外線照射装置1は、床面と、対向する壁面の下側領域を殺菌する。また、照射光200が照射されている空間では、ウイルスや菌の活動が抑制され、殺菌効果が発揮される。
【0057】
1.4 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1を壁面に設けられた取付部に固定できる。更に、紫外線照射装置1は、前面斜め下方向に紫外線(UV-C)を照射できる。これにより、人の歩行の妨げとならずに、床面等の殺菌ができる。よって、汎用性が高い紫外線照射装置を提供できる。
【0058】
更に、本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、裏面にプラグ12を有する。プラグ12を壁面に設けられたコンセントの差込口に差し込むことにより、紫外線照射装置1を、容易に壁面に固定できる。
【0059】
更に、本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、床面から高さ1m以内の取付部(例えば、壁面のコンセント)に固定される。これにより、人の上半身、目等が紫外光(UV-C)に晒されるリスクを低減できる。よって、紫外線照射装置1の安全性を向上できる。
【0060】
更に、本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、検知部102を含む。検知部102と連動させて紫外線照射を制御することにより、人が紫外光に晒されるリスクを低減できる。よって、紫外線照射装置1の安全性を向上できる。
【0061】
更に、本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、人の脚部の肌の露出度合いに応じて、紫外線照射を制御できる。これにより、脚部の肌の露出度合いが高い人が紫外光に晒されるリスクを低減できる。よって、紫外線照射装置1の安全性を向上できる。
【0062】
更に、本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、履物の材質、または人以外の生き物の有無等に応じて、紫外線照射を制御できる。よって、紫外線照射装置1の安全性を向上できる。
【0063】
更に、本実施形態に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、動作モードの切り換えスイッチ11を含む。これにより、紫外線照射装置1は、センサ連動モードとセンサ非連動モードとを選択できる。紫外線照射装置1は、設置環境に応じて動作モードを切り換えることができる。よって、汎用性が高い紫外線照射装置を提供できる。
【0064】
1.5 第1実施形態の変形例
次に、第1実施形態の2つの変形例について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
1.5.1 第1変形例
まず、
図5を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例では、紫外線照射装置1が複数の光源部103を有する場合について説明する。
図5は、筐体10の内部構成の一例を示す図である。
【0066】
図5に示すように、光源部103は、第1光源部103a及び第2光源部103bを含んでいてもよい。第1光源部103aと第2光源部103bとによる光の組み合わせとして2つの例を説明する。
【0067】
例えば、第1光源部103aは、UV-Cを照射し、第2光源部103bは、可視光を照射する。このような組み合わせの場合、可視光は、人にUV-Cが照射されていることを知らせるインジケータとしての役割を担うことができる。可視光がインジケータとしての役割を担う場合、第1光源部103a及び第2光源部103bは、同じタイミングで点灯される。例えば、第1のUV-Cが用いられる場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していないと判断している間、第1のUV-C及び可視光を照射させる。また、第2のUV-Cが用いられる場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していると判断している間、第2のUV-C及び可視光を照射させる。なお、制御部101は、単独で可視光を照射し得る。制御部101は、人の足元を照らす足元灯として、UV-C照射の有無によらず、可視光を常時照射させてもよい。このとき、UV-Cが照射される照射領域は、可視光が照射される照射領域に包含されることが好ましい(2つの照射領域が一致する状態も含む)。
【0068】
例えば、第1光源部103aは、第1のUV-Cを照射し、第2光源部103bは、第2のUV-Cを照射する。このような組み合わせの場合、制御部101は、検知データに基づいて、第1のUV-Cと第2のUV-Cとを切り換える。より具体的には、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していないと判断している間、第1のUV-Cを照射させ、人が紫外線照射装置1に接近していると判断している間、第2のUV-Cを照射させる。また、センサ非連動モードが選択されている場合、制御部101は、第2のUV-Cを常時照射させる。
【0069】
例えば、検知部102が振動センサ、光センサ、または音センサを含む場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1の光照射範囲に侵入する前から第1のUV-Cと第2のUV-Cとを切り換えることができる。
【0070】
なお、紫外線照射装置1は、3つ以上の光源部を有していてもよい。紫外線照射装置1は、第1のUV-C、第2のUV-C、及び可視光をそれぞれ照射する3つの光源部を含んでいてもよい。そして、この形態においては、第1のUV-Cと同じタイミングで点灯する可視光と、第2のUV-Cと同じタイミングで点灯する可視光は、異なる発光色となるように制御されることが好ましい。
【0071】
1.5.2 第2変形例
次に、
図6を参照して、第1実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例では、紫外線照射装置1がタイマを有する場合について説明する。
図6は、筐体10の内部構成の一例を示す図である。
【0072】
図6に示すように、制御部101は、タイマ110を含む。タイマ110は、光源部103の点灯時間(UV-Cの照射時間)の管理に用いられる。
【0073】
例えば、制御部101は、タイマ110によるスケジュール管理を行う。制御部101は、センサ非連動モードにおいて、決められた時間帯(例えば、夜間等の人がいない時間帯)にUV-Cを照射させる。
【0074】
また、制御部101は、検知データとタイマ110とに基づいて、UV-Cの照射時間を制御する。
【0075】
例えば、制御部101は、検知データに基づいて人が紫外線照射装置1に接近していると判断してから、予め設定された時間、UV-Cを照射させる。これにより、紫外線照射装置1は、人がUV-Cに晒される時間を制御できる。
【0076】
また、例えば、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していると判断してから(あるいは、人がいなくなったと判断してから)、予め設定された経過時間後に、UV-Cを照射させる。これにより、紫外線照射装置1は、人がいなくなってから、人が歩いた床面にUV-Cを照射できる。すなわち、紫外線照射装置1は、人が歩いた後の床面を殺菌できる。
【0077】
なお、第2変形例は、第1変形例と組み合わせることができる。
【0078】
1.5.3 変形例に係る効果
第1変形例及び第2変形例に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0079】
更に、第1変形例に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、複数の光源部を含む。例えば、紫外線照射装置1がUV-Cの光源部と可視光の光源部とを含む場合、UV-Cと一緒に可視光を照射することにより、人がUV-Cを認知しやすくできる。また、紫外線照射装置1が、第1のUV-Cの光源部と、第2のUV-Cの光源部とを含む場合、制御部101は、紫外線照射装置1への人の接近の有無の判断に基づいて、第1のUV-Cと、第2のUV-Cとを切り換えることができる。よって、人が紫外光に晒されるリスクを低減でき、紫外線照射装置1の安全性を向上できる。
【0080】
更に、第2変形例に係る構成であれば、紫外線照射装置1は、タイマ110を用いた紫外線照射の時間管理ができる。よって、人が紫外光に晒されるリスクを低減でき、紫外線照射装置1の安全性を向上できる。
【0081】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、紫外線照射システム1000について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0082】
2.1 紫外線照射システムの構成
まず、
図7を参照して、紫外線照射システム1000の構成の一例について説明する。
図7は、紫外線照射システム1000の構成の一例を示す図である。
【0083】
図7に示すように、紫外線照射システム1000は、紫外線照射装置1と、筐体10とは別体で設けられた検知部1001とを含む。
【0084】
本実施形態の紫外線照射装置1は、第1実施形態で説明した紫外線照射装置1から検知部102及びセンサ窓23を廃した構成である。
【0085】
検知部1001は、第1実施形態で説明した検知部102に相当する機能を有する。検知部1001は、人感センサ、振動センサ、光センサ、音センサ、画像センサ(カメラ)、温度センサの少なくとも1つを含む。また、検知部1001は、センサ窓を有する。検知部1001は、紫外線照射装置1と、無線または有線により通信可能に接続される。センサ連動については、第1実施形態と同様の動作を適用可能である。
【0086】
2.2 紫外線照射システムの設置例
次に、
図8を参照して、紫外線照射システム1000の設置例について説明する。
図8は、紫外線照射システム1000の設置例を示す図である。
【0087】
図8に示すように、紫外線照射装置1は、第1実施形態と同様に、筐体10を壁面に設けられたコンセントの差込口にプラグ12を差し込むことにより、固定される。例えば、検知部1001は、紫外線照射装置1が配設される空間の天井に、センサ窓が床面を向くように設置される。
【0088】
なお、検知部1001の設置場所は、天井に限定されない。検知部1001は、壁面または床面に設置されてもよい。例えば、検知部1001が人感センサ、画像センサ、または光センサを含む場合、検知部1001を天井に設置することにより、検知部1001の検知範囲を広げることができる。これにより、検知部1001が人感センサまたは画像センサを含む場合においても、検知部1001は、人が光照射範囲に侵入する前から人が紫外線照射装置1に接近していることを検知できる。また、検知部1001が、振動センサまたは音センサを含む場合、検知部1001を床面に設置することにより、検知部1001の検知能力を向上できる。また、検知部1001は、紫外線照射装置1が配設される空間の出入り口近傍に配設されてもよい。この場合、検知部1001は、紫外線照射装置1が配設される空間の内側、外側のどちら側に配設されてもよい。
【0089】
2.3.本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0090】
更に、本実施形態に係る構成であれば、検知部1001を任意の場所に設定できる。検知部1001の設置場所を最適化することにより、検知部1001の検知範囲及び検知能力を向上できる。
【0091】
なお、第2実施形態は、第1実施形態の第1変形例または第2変形例と組み合わせることができる。これにより、第2実施形態は、第1実施形態の第1変形例または第2変形例と同様の効果が得られる。
【0092】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、光触媒による殺菌効果を有する光触媒パネルを床面に設置する場合について説明する。以下、第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0093】
3.1 紫外線照射装置の構成
図9を参照して、紫外線照射システム1000の構成の一例について説明する。
図9は紫外線照射システム1000の構成一例を示す図である。
【0094】
図9に示すように、紫外線照射システム1000は、紫外線照射装置1及び光触媒パネル1002を含む。
【0095】
紫外線照射装置1は、第1実施形態の第1変形例と同様に、筐体10内に、点灯回路100、制御部101、検知部102、第1光源部103a、及び第2光源部103bを含む。
【0096】
光触媒パネル1002は、照射光200が照射される例えば床面に設置される。
【0097】
光触媒パネル1002は、床材の表面に光触媒材料がコーティングされている。光触媒材料には、例えば酸化チタンや酸化タングステン等の金属酸化物が用いられる。光触媒パネル1002は、光を吸収すると、活性酸素とOHラジカルとを生成し、光触媒パネル1002の表面に付着したウイルスや菌の活動を抑制する。これにより、光触媒パネル1002は、殺菌効果を発揮する。光触媒用の光は、可視光であってもよいし、ピーク波長が3150nm以上400nm以下の紫外線(UV-A)であってもよいし、UV-Cであってもよい。例えば、光触媒が励起された状態の光触媒パネル1002の上を人が歩くと、足裏が殺菌される。
【0098】
第1光源部103aは、殺菌を目的としたUV-C(第1のUV-Cまたは第2のUV-C)を照射する。
【0099】
第2光源部103bは、光触媒励起用の光(可視光、UV-A、またはUV-C)を照射する。なお、第1光源部103aから照射されるUV-Cが光触媒に作用する場合、第2光源部103bは、廃されてもよい。
【0100】
制御部101は、第1光源部103aと第2光源部103bとを、同じタイミングで点灯させてもよいし、異なるタイミングで点灯させてもよい。また、制御部101は、第2光源部103bの光触媒用の光を、常時照射させてもよい。
【0101】
より具体的には、例えば、第1光源部103aが第2のUV-Cを照射する場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していると判断している間、第2のUV-C及び光触媒励起用の光を照射させる。なお、検知部102が振動センサ、光センサ、または音センサを含む場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1の光照射範囲に侵入する前から第2のUV-C及び光触媒励起用の光の照射を開始できる。そのため、人が紫外線照射装置1の光照射範囲内(光触媒パネル1002上)を移動する際は、光触媒が励起された状態となっているため、人の足裏(履物の裏側)を効率良く殺菌することができる。
【0102】
また、例えば、第1光源部103aが第1のUV-Cを照射する場合、制御部101は、人が紫外線照射装置1に接近していないと判断している間、第1のUV-Cを照射させ、人が紫外線照射装置1に接近していると判断している間、光触媒用の光を照射させる。なお、検知部102が振動センサ、光センサ、または音センサを含む場合、制御部101は、人が光照射範囲に侵入する前から第1のUV-Cと光触媒用の光とを切り換えることができる。センサ連動については、第1実施形態と同様の動作を適用可能である。
【0103】
3.2 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0104】
更に、本実施形態に係る構成であれば、床面に光触媒パネル1002を設置できる。光触媒パネル1002の光触媒を励起させることにより、床面の殺菌ができる。更に、光触媒が励起された光触媒パネル1002の上を人が歩くことにより、人の足裏を殺菌できる。よって、紫外線照射装置1による、殺菌効果を向上できる。
【0105】
なお、第3実施形態は、第1実施形態の第2変形例、並びに第2実施形態と組み合わせることができる。例えば、第3実施形態と第1実施形態の第2変形例とを組み合わせた場合、紫外線照射装置1は、タイマ110を含む。紫外線照射装置1は、光触媒パネル1002に光触媒用の光を照射する時間を、タイマ110により管理できる。
【0106】
4.変形例等
例えば、上記実施形態では、スイッチ11が動作モードを切り換えるスイッチである場合について説明したが、これに限定されない。スイッチ11は、紫外線照射装置1の電源スイッチであってもよい。この場合、紫外線照射装置1は、センサ連動モードで動作する。更には、紫外線照射装置1は、切り換えスイッチと電源スイッチとを含んでいてもよい。
【0107】
例えば、上記実施形態では、プラグ12が可倒式である場合について説明したが、これに限定されない。プラグ12のプラグ刃40が筐体10の背面から横方向に突出した状態で固定されていてもよい。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1…紫外線照射装置、10…筐体、11…スイッチ、12…プラグ、21…カバー、22…ベース、23…センサ窓、24…照射口、25…反射板、26…壁部、27…光源部窓、28、29…インジケータ、30…窪み部、40…プラグ刃、41…保持部、100…点灯回路、101…制御部、102、1001…検知部、103…光源部、103a…第1光源部、103b…第2光源部、110…タイマ、200…照射光、1000…紫外線照射システム、1002…光触媒パネル。