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特開2023-148346表皮材、軸部材ユニットおよび表皮材の巻付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148346
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】表皮材、軸部材ユニットおよび表皮材の巻付け方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/22 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B29C63/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056308
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛正
(72)【発明者】
【氏名】那須 将樹
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AA45
4F211AD15
4F211AE03
4F211AG03
4F211AG14
4F211AG20
4F211SA01
4F211SC01
4F211SD10
4F211SG08
4F211SN19
(57)【要約】
【課題】見栄えが向上した表皮材、表皮材を備える軸部材ユニット、および、表皮材の巻付け方法を提供する。
【解決手段】リング部12の少なくとも一部の領域に、前記リング部12の周方向に沿って巻付けられる表皮材30であって、発泡樹脂またはエラストマーが型成形された状態で、前記リング部12の軸方向と直交する平面の断面形状がC字形状またはU字形状に形成されるとともに、パーティングライン36が外面に形成されており、前記リング部12に巻付けられた状態で前記パーティングライン36が前記リング部12と対向する面に配置されている、表皮材30。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材の少なくとも一部の領域に、前記軸部材の周方向に沿って巻付けられる表皮材であって、
発泡樹脂またはエラストマーが型成形された状態で、前記軸部材の軸方向と直交する平面の断面形状がC字形状またはU字形状に形成されるとともに、パーティングラインが外面に形成されており、
前記軸部材に巻付けられた状態で前記パーティングラインが前記軸部材と対向する面に配置されている、表皮材。
【請求項2】
型成形された状態で少なくとも一部の外面に導電性部材が固定されている、請求項1に記載の表皮材。
【請求項3】
型成形された状態で、外面の少なくとも一部が平面状に形成されるとともに、前記導電性部材が取り付けられる座面が形成されている、請求項2に記載の表皮材。
【請求項4】
前記導電性部材は、型成形におけるインサート部材である、請求項2に記載の表皮材。
【請求項5】
型成形された状態で外面に突出する係合凸部を備え、前記軸部材に巻付けられた状態で前記係合凸部が前記軸部材に係合する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表皮材。
【請求項6】
前記係合凸部は、前記C字形状または前記U字形状の開口端部となる一対の端部の少なくとも一方に形成されている、請求項5に記載の表皮材。
【請求項7】
型成形された状態で、前記係合凸部は、前記一対の端部において、少なくとも前記軸方向に沿って延在し、且つ、外方に突出する一対の鍔部として構成されており、
前記一対の鍔部は、前記軸部材に巻付けられた状態で、前記軸部材に向かって突出する形状とされる、請求項6に記載の表皮材。
【請求項8】
型成形された状態で、前記C字形状または前記U字形状の開口端部と異なる位置に、外面から突出する補強リブを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の表皮材。
【請求項9】
型成形された状態で、前記C字形状または前記U字形状の開口端部と異なる位置に、外面から外方に突出する位置決め突出部を備え、
前記軸部材に巻付けられる前の状態において、前記位置決め突出部が前記軸部材と係合することにより前記軸部材に対して位置決めされる、請求項1~8のいずれか一項に記載の表皮材。
【請求項10】
前記軸部材は、三次元曲面を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の表皮材。
【請求項11】
前記軸部材は円環状の部材である、請求項1~10のいずれか一項に記載の表皮材。
【請求項12】
軸部材の少なくとも一部の領域に、前記軸部材の周方向に沿って巻付けられる表皮材であって、
前記軸部材の軸方向と直交する平面の断面形状が、C字形状またはU字形状に形成されており、
パーティングラインが内面に形成されている、表皮材。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の表皮材と、
前記表皮材が外面に巻付けられた前記軸部材と、を備えた軸部材ユニット。
【請求項14】
発泡樹脂またはエラストマーを型成形することにより、断面形状がC字形状またはU字形状に構成されるとともに、外面にパーティングラインを有する表皮材を形成する成形工程と、
前記表皮材の内面と外面とを反転させて軸部材の外面に巻付ける巻付け工程と、を備える、表皮材の巻付け方法。
【請求項15】
型成形された状態の前記表皮材の外面、または前記軸部材の外面に接着剤を塗布する塗布工程を備え、
前記塗布工程の後に前記巻付け工程を実行する、請求項14に記載の表皮材の巻付け方法。
【請求項16】
前記巻付け工程は、型成形された状態の前記表皮材の外面の一部を前記軸部材の外面に接触させ、続いて、前記表皮材の内面と外面とを反転させて前記軸部材の外面に巻付ける、請求項14または15に記載の表皮材の巻付け方法。
【請求項17】
前記成形工程は、型成形におけるインサート部材として導電性部材を位置決めした状態で前記表皮材を成形する、請求項14~16のいずれか一項に記載の表皮材の巻付け方法。
【請求項18】
型成形された状態の前記表皮材の外面に導電性部材を固定する固定工程を備え、
前記固定工程の後に前記巻付け工程を実行する、請求項14~16のいずれか一項に記載の表皮材の巻付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮材、軸部材ユニットおよび表皮材の巻付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ステアリングホイールの表皮部を、金型内で発泡する樹脂で形成した技術が記載されている。金型内に芯金を配置し、金型内に原料を注入して発泡させることにより、芯金を埋設した表皮部を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-268652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記の技術によれば、表皮部の外面には、金型の合わせ面の内側と対向する部分に、パーティングラインが形成される。このため、表皮部の見栄えが低下するという課題があった。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、見栄えが向上した表皮材、表皮材を備える軸部材ユニット、および、表皮材の巻付け方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
軸部材の少なくとも一部の領域に、前記軸部材の周方向に沿って巻付けられる表皮材であって、
発泡樹脂またはエラストマーが型成形された状態で、前記軸部材の軸方向と直交する平面の断面形状がC字形状またはU字形状に形成されるとともに、パーティングラインが外面に形成されており、
前記軸部材に巻付けられた状態で前記パーティングラインが前記軸部材と対向する面に配置されている、表皮材にある。
【0007】
本発明の他の態様は、軸部材の少なくとも一部の領域に、前記軸部材の周方向に沿って巻付けられる表皮材であって、
前記軸部材の軸方向の断面形状が、C字形状またはU字形状に形成されており、
パーティングラインが内面に形成されている、表皮材にある。
【0008】
本発明の他の態様は、上記の表皮材と、
前記表皮材が外面に巻付けられた前記軸部材と、を備えた軸部材ユニットにある。
【0009】
また、本発明の他の態様は、発泡樹脂またはエラストマーを型成形することにより、断面形状がC字形状またはU字形状に構成されるとともに、外面にパーティングラインを有する表皮材を形成する成形工程と、
前記表皮材の内面と外面とを反転させて軸部材の外面に巻付ける巻付け工程と、を備える、表皮材の巻付け方法にある。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成によれば、表皮材がリング部に巻付けられた状態で、パーティングラインが外面に露出しないので、表皮材の見栄えが良くなる。
【0011】
以上より、見栄えが向上した表皮材、表皮材を用いた軸部材ユニットおよび表皮材の巻付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係るステアリングを示す正面図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】実施形態1の導電性部材を示す平面図である。
図4図4のIV-IV線断面図である。
図5】実施形態1の表皮材を成形するための金型を示す断面図である。
図6】実施形態1の表皮材を示す平面図である。
図7】実施形態1の表皮材を図6の矢線Aから見た側面図である。
図8図6のVIII-VIII線断面図である。
図9】実施形態1の表皮材に導電性部材が取り付けられた状態を示す、図6のVIII-VIII線に相当する断面図である。
図10】実施形態1において、表皮材のリング部への巻付け工程を示すフローチャートである。
図11】実施形態1において、表皮材の位置決め突出部と、リング部の位置決め孔とを対向配置させた状態を示す断面図である。
図12】実施形態1において、表皮材の位置決め突出部が、リング部の位置決め孔内に嵌入された状態を示す断面図である。
図13】実施形態2の表皮材を成形するための金型内に、導電性部材が取り付けられた状態を示す断面図である。
図14】実施形態2の表皮材を示す、図6のVIII-VIII線に相当する断面図である。
図15】実施形態3の表皮材を示す、図6のVIII-VIII線に相当する断面図である。
図16】実施形態4の表皮材を示す、図6のVIII-VIII線に相当する断面図である。
図17】実施形態4の表皮材がリング部に巻き付けられた状態を示す、図1のII-II線に相当する断面図である。
図18】実施形態5の表皮材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
実施形態1に係る表皮材30は、ステアリング10(軸部材ユニットの一例)に巻き付けられて使用される。
【0014】
1.ステアリング10の構造
ステアリング10の構造について図1図2を参照して説明する。ステアリング10は、図1に示すように、コア部11と、リング部12と、コア部11とリング部12とを連結する複数の連結部13,13,13とを備える。リング部12が、人間の手が接触したことを検出するセンサの機能を有する。
【0015】
図1に示すように、リング部12は、中心軸線が凸状曲線となる軸部材とされる。本形態のリング部12は、円形リング形状に形成されている。本形態では、円形リング状が凸状曲線の一例とされている。リング部12の曲率中心から遠い側の面は、リング部12の外周面14とされ、リング部12の曲率中心から近い側の面はリング部12の内周面15とされる。ただし、リング部12は、円形に限られず、任意の形状に形成することができる。
【0016】
図2に示すように、リング部12の外面には、導電性部材20と、表皮材30とが取り付けられている。リング部12は、図示しない芯材の外周が樹脂で覆われて形成されている。リング部12を構成する樹脂は、例えば、発泡樹脂またはエラストマー樹脂により成形されている。リング部12の軸直角断面は円形状に形成されている。従って、リング部12の表面は、全面に亘って、単一平面ではなく、三次元曲面を有している。ここで、リング部の軸直角断面形状は、円形状に限られることなく、楕円形状、卵形状、多角形状等、任意の形状とすることができる。
【0017】
リング部12の曲率中心から近い側の内周面15には、全周に亘って、溝部12aが形成されている。溝部12a内には、後述する一対の鍔部33が嵌入した状態で固定されている。鍔部33は係合凸部の一例である。
【0018】
リング部12の曲率中心から遠い側の外周面14には、位置決め孔12bが形成されている。位置決め孔12bの断面形状は特に限定されず、円形状、楕円形状、多角形状等、任意の形状を採用しうる。本形態では、位置決め孔12bの断面形状は四角形状に形成されている。位置決め孔12b内には、後述する位置決め突出部34が嵌入するようになっている。
【0019】
リング部12の外面には、表皮材30が巻き付けられている。表皮材30は、リング部12の全周(図2における周方向全周)に亘って被覆する。表皮材30は、例えば、発泡樹脂またはエラストマー樹脂により成形されている。リング部12に巻き付けられた状態で、表皮材30の外面は、意匠面を構成する。表皮材30については後に詳細に説明する。
【0020】
リング部12の外面に巻き付けられた状態で、表皮材30の内面には、導電性部材20が固定されている。導電性部材20は、表皮材30の内面に、接着、熱融着等の公知の手法により接合されている。導電性部材20は、表皮材30の内面であって、リング部12の曲率中心から遠い側の外周面14に沿って、リング部12の全周に亘って取り付けられている。ただし、導電性部材20は省略してもよい。
【0021】
2.導電性部材20の全体構成
本形態の導電性部材20の全体構成について、図3および図4を参照して説明する。図3および図4は、説明を容易にするために、厚みを誇張して図示している。導電性部材20は、少なくとも、エラストマー層24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを備える。
【0022】
図3に示すように、エラストマー層24は、長尺の平面状に形成されている。ただし、エラストマー層24は、可撓性を有し、かつ、伸縮可能に構成されることにより、任意の形状とすることができる。
【0023】
第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性を有する可撓性のシート状に形成されている。ただし、第一電極層25aおよび第二電極層25bはシート状でなくてもよく、複数のエラストマー層24と一体に形成されることにより、導電性部材20全体がシート状に形成される構成としてもよい。
【0024】
エラストマー層24は、例えばエラストマーを主成分として含んで形成されている。従って、エラストマー層24は、柔軟である。つまり、エラストマー層24は、可撓性を有し、かつ、面方向に伸長可能に構成されている。エラストマー層24は、例えば、熱可塑性材料、特に熱可塑性エラストマーを主成分として含んで形成されている。エラストマー層24は、熱可塑性エラストマー自身により形成されるようにしても良いし、熱可塑性エラストマーを素材として加熱することによって架橋されたエラストマーを主成分として形成されるようにしても良い。さらに、エラストマー層24は、反応硬化性エラストマー、熱硬化性エラストマーを主成分として構成されるようにしても良い。
【0025】
また、エラストマー層24は、熱可塑性エラストマー以外のゴム、樹脂や他の材料などを含んでいても良い。例えば、エラストマー層24がエチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)などのゴムを含む場合には、エラストマー層24の柔軟性が向上する。エラストマー層24の柔軟性を向上させるという観点から、エラストマー層24に可塑剤などの柔軟性付与成分を含有させてもよい。
【0026】
さらに、エラストマー層24は、熱伝導性の良好な材料が好適である。そこで、エラストマー層24は、熱伝導率の高い熱可塑性エラストマーを用いるようにしても良いし、熱伝導率を高めることができるフィラーを含有させるようにしても良い。
【0027】
第一電極層25aはエラストマー層24の第一面、すなわちエラストマー層24の表面(図4の上面)に配置されており、第二電極層25bはエラストマー層24の第二面、すなわちエラストマー層24の裏面(図4の下面)に配置されている。第一電極層25aと、第二電極層25bとは、エラストマー層24を介して対向する位置に配置されている(図3参照)。第一電極層25aと、第二電極層25bとは、実質的に同一形状に形成されている。実質的に同一とは、同一である場合を含むとともに、同一でない場合であっても同一と認定しる場合も含む。
【0028】
第一電極層25aおよび第二電極層25bは、検出用電極を構成する。第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性を有する。さらに、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、柔軟である。つまり、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、可撓性を有し、かつ、面方向に伸長可能に構成されている。第一電極層25aおよび第二電極層25bは、例えば、導電性布、導電性エラストマー、金属箔などにより形成されている。
【0029】
図4においては、第一電極層25aおよび第二電極層25bが導電性布である場合を図示する。第一電極層25aおよび第二電極層25bが導電性布により形成される場合について詳細に説明する。導電性布は、導電性繊維により形成された織物または不織布である。ここで、導電性繊維は、柔軟性を有する繊維の表面を導電性材料により被覆することにより形成される。導電性繊維は、例えば、ポリエチレンなどの樹脂繊維の表面に、銅やニッケルなどをメッキすることにより形成される。
【0030】
この場合、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、エラストマー層24自身の融着(熱融着)によりエラストマー層24に接合される。さらに、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、布であるため、複数の貫通孔を有する。従って、エラストマー層24の一部分が、第一電極層25aおよび第二電極層25bの貫通孔に入り込む。つまり、第一電極層25aおよび第二電極層25bの少なくとも一部は、エラストマー層24に埋設された状態となる。
【0031】
第一電極層25aおよび第二電極層25bが導電性エラストマーにより形成される場合について詳細に説明する。この場合、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、エラストマーを母材とし、導電性フィラーを含有させることにより形成されている。第一電極層25aおよび第二電極層25bの母材であるエラストマーは、エラストマー層24と主成分を同種とするとよい。特に、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、熱可塑性エラストマーにより形成されるようにするとよい。
【0032】
ただし、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、エラストマー層24の軟化点よりも高い軟化点を有する材料により形成されている。これは、エラストマー層24自身の融着(熱融着)によりエラストマー層24に第一電極層25aおよび第二電極層25bを接合する際に、エラストマー層24を第一電極層25aおよび第二電極層25bよりも先に軟化させるためである。その結果、エラストマー層24の厚みを所望の厚みとすることができる。
【0033】
ここで、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、エラストマー層24自身の融着(熱融着)によりエラストマー層24に接合される。さらには、第一電極層25aおよび第二電極層25bがエラストマーを表層に位置するように形成されている場合には、第一電極層25aおよび第二電極層25b自身の融着(熱融着)により、第一電極層25aおよび第二電極層25bとエラストマー層24とが接合される。つまり、第一電極層25aおよび第二電極層25bとエラストマー層24とは、相互の融着によって接合される。なお、第一電極層25aおよび第二電極層25bとエラストマー層24とは、いずれか一方のみの融着によって接合されるようにしても良い。
【0034】
第一電極層25aおよび第二電極層25bが金属箔により形成される場合について詳細に説明する。金属箔は、導電性布と同様に、複数の貫通孔を有するのが好適である。従って、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、可撓性を有し、貫通孔の変形に伴い面方向への伸長を可能とする。金属箔は、導通可能な金属材料であればよく、例えば、銅箔、アルミニウム箔などを適用できる。さらに、第一電極層25aおよび第二電極層25bは、導電性布である場合と同様に、エラストマー層24自身の融着(熱融着)によりに接合される。
【0035】
ただし、第一電極層25a及び第二電極層25bは、エラストマー層24の第一面に、面方向に沿って並列して配置されていてもよい。
【0036】
導電性部材20は、エラストマー層24の第二面に、ヒータ線またはシールド線が配置される構成としてもよい。また、導電性部材20は、エラストマー層24の第二面に、ヒータ線とシールド線とを兼ねるヒータ兼シールド線が配置される構成としてもよい。また、エラストマー層24の第一面または第二面に、ヒータ線、シールド線またはヒータ兼シールド線が配置される構成としてもよい。
【0037】
図3に示すように、導電性部材20には、後述する表皮材30の位置決め突出部34が貫通される貫通孔26が、エラストマー層24、第一電極層25aおよび第二電極層25bを貫通して形成されている。
【0038】
3.表皮材30
次に、表皮材30について、図5図9を参照して説明する。図5に示されるように、表皮材30は、金型41,42,43,44内に溶融した樹脂が注入された後に、冷却、固化されることにより形成される。
【0039】
金型41,42,43,44は、図5の下側に位置して下方に凹んだ第一凹部41aを有する第一金型41と、図5の上側に位置して上方に凹んだ第二凹部42aを有する第二金型42と、第一金型41の第一凹部41aと第二金型42の第二凹部42aとの間の空間内に位置する軸金型43と、軸金型43の側方に位置して図5における左右方向にスライド可能なスライド金型44と、を有する。ただし、第一金型41と第二金型42の相対的な位置関係は特に限定されず、第一金型41と第二金型42とが左右方向に並ぶ配置されていてもよい。
【0040】
第一金型41の第一凹部41aの断面は半円形状をなしており、第二金型42の第二凹部42aの断面は半円形状をなしている。また、軸金型43の軸直角断面は円形状をなしている。軸金型43の外面と、第一金型41の第一凹部41aおよび第二金型42の第二凹部42aの内面との間には隙間が形成されている。
【0041】
図5に示すように、射出成型時には、スライド金型44の右端部は、軸金型43の左側面に接触した状態になっている。スライド金型44の右端部寄りの部分は、第一金型41および第二金型42との間に隙間が形成されている。
【0042】
溶融した樹脂が、第一金型41、第二金型42、軸金型43およびスライド金型44の間に形成された隙間内に注入された後、冷却、固化されることにより、表皮材30が形成される。
【0043】
図6および図7に示すように、表皮材30は、本体部31と、座面32と、一対の鍔部33と、位置決め突出部34と、を備える。本体部31は、図6の紙面に直交する方向から見て、略C字形状に形成されている。略C字形状の開口部分は切欠部35とされる。本体部31の外面には、全周に亘って、平坦な座面32が形成されている。座面32には、導電性部材20が固定されるようになっている(図9参照)。
【0044】
図7に示すように、座面32の外面には、パーティングライン36が形成されている。パーティングライン36は、表皮材30のうち、図5において第一金型41と第二金型42との合わせ面に対応する位置に形成されている。パーティングライン36は、座面32の外面の全周に亘って形成されている。ただし、座面32は省略してもよく、その場合には、パーティングライン36は本体部31の外面に形成されていてもよい。
【0045】
図8に示すように、リング部12の軸方向と直交する本体部31の断面形状は、C字形状をなしている。C字形状とは、C字形状である場合を含むとともに、C字形状でない場合であっても実質的にC字形状と認定しうる場合も含む。本体部31のうち、C字形状の開口端部となる一対の端部には、リング部12の軸方向に沿って延在し、且つ一対の端部から外方に突出する一対の鍔部33(係合凸部の一例)が形成されている。鍔部33の、本体部31からの突出寸法は、全周に亘って一定に形成されている。ただし、鍔部33の、本体部31からの突出寸法は、部位によって異なるように形成されてもよい。
【0046】
鍔部33は、リング部12に巻き付けられたときに、リング部12に形成された溝部12a内に嵌入する。リング部12の溝部12aの深さ寸法は、鍔部33の、本体部31からの突出高さ寸法と、同じかまたはやや大きく形成されている。鍔部33は、溝部12a内に注入された接着剤により固定される。これにより、表皮材30が開き方向に変形することが抑制される。
【0047】
表皮材30のうち、上記した切欠部35と反対側に位置する外面には、外方に突出する位置決め突出部34が形成されている。位置決め突出部34の断面形状は特に限定されず、円形状、楕円形状、多角形状等、任意の形状を採用しうる。本形態の位置決め突出部34の断面形状は四角形状に形成されている。位置決め突出部34はパーティングライン36の直上に形成されており、位置決め突出部34にもパーティングライン36が形成されている。ただし、位置決め突出部34は、本体部31のうちパーティングライン36が形成されていない部分に形成されていてもよい。
【0048】
位置決め突出部34は、後述する接触工程において、リング部12に形成された位置決め孔12b内に嵌入するように構成されている。リング部12の位置決め孔12bの深さ寸法は、位置決め突出部34の、座面32からの突出高さ寸法と同じかまたはやや大きく形成されている。
【0049】
本体部31の内面は、平滑な曲面でもよいし、また、シボ、ディンプル等、種々の模様が形成されていてもよい。本形態によれば、本体部31の内面に種々の模様を形成できるので、複数の模様を組み合わせることができる。例えば、複数のシボの柄を1つの本体部31の内面に形成することが可能となる。
【0050】
4.表皮材30の巻き付け方法
続いて、導電性部材20が固定された表皮材30を、ステアリング10のリング部12に巻き付ける方法の一例について、図2図5および図8図12説明する。なお、表皮材30の巻き付け方法については以下の記載に限定されない。
【0051】
まず、図5に示すように、表皮材30を射出成型することにより、所定の形状に形成する(図10、成形工程S1)。金型41,42,43,44内に注入された樹脂が固化した後、表皮材30を型から外す(図8参照)。
【0052】
次に、図9に示すように、表皮材30の外面に平面状に形成された座面32に、シート状の導電性部材20を接合して固定する(図10、固定工程S2)。このとき、表皮材30の位置決め突出部34が、導電性部材20の貫通孔26に貫通される。座面32と導電性部材20とは、接着剤によって接着してもよいし、また、座面32及び導電性部材20の一方又は双方を熱融着させてもよい。
【0053】
導電性部材20が固定された表皮材30の外面に接着剤を塗布する。また、リング部12の外面に接着剤を塗布する(図10、塗布工程S3)。リング部12の位置決め孔12bおよび溝部12aの内部にも接着剤を注入する。
【0054】
図11に示すように、表皮材30とリング部12とを、表皮材30の位置決め突出部34と、リング部12の位置決め孔12bと、が対向する位置に配置する。
【0055】
図12に示すように、表皮材30の位置決め突出部34を、リング部12の位置決め孔12b内に挿入して、位置決め突出部34の外面と位置決め孔12bの内面とを接触させる(図10、接触工程S4)。これにより、表皮材30とリング部12との相対的な位置決めがなされる。
【0056】
続いて、図12の矢線Bで示すように、表皮材30を反転させる。これにより、導電性部材20が固定された表皮材30が、リング部12の外面に巻付けられる(図10、巻付け工程S5)。すなわち、表皮材30を、リング部12の軸直角方向についての周方向に沿って、リング部12の外面に巻付ける。表皮材30の一対の鍔部33を、リング部12の溝部12a内に嵌入させる。すると、図2に示すように、溝部12a内に注入された接着剤と、一対の鍔部33に塗布された接着剤と、により、一対の鍔部33が溝部12a内に固定される。これにより、表皮材30が図12の矢線と反対方向に復帰変形して開いてしまうことが抑制される。
【0057】
なお、表皮材30は、リング部12の曲率中心について周方向に延伸される。これにより、表皮材30の切欠部35を構成していた表皮材30の端部同士が互いに当接する。これにより、リング部12が全周に亘って表皮材30に覆われる。この結果、表皮材30によってリング部12が保護されるので、消毒液、油等の薬剤がリング部12と接触することが抑制される。この結果、導電性部材20に対する耐薬品性能の要求値を低くすることができるので、表皮材30の製造コストを低減させることができる。
【0058】
表皮材30がリング部12に巻き付けられると、成形終了時に表皮材30の外面だった領域は、表皮材30の内側に位置するようになり、リング部12の外面と対向する配置となる。同様に、成形時に表皮材30の内面だった領域は、表皮材30の外側に位置するようになる。
【0059】
リング部12に巻き付けられた状態で、表皮材30に形成されたパーティングライン36は、表皮材30の内側に位置している。つまり、表皮材30の外面にはパーティングライン36が露出していない。
【0060】
その後、接着剤が硬化することにより、表皮材30とリング部12とが固定される。これにより、表皮材30の、リング部12への巻付け工程が終了する。その後、リング部に連結部13およびコア部11が取り付けられることによりステアリング10が完成する。
【0061】
5.効果
続いて、本形態の効果について以下に説明する。本形態に係る表皮材30は、ステアリング10のリング部12に、リング部12の周方向に沿って巻付けられる。表皮材30は、発泡樹脂またはエラストマーが型成形された状態で、リング部12の軸方向と直交する平面の断面形状がC字形状に形成されるとともに、パーティングライン36が外面に形成されている。パーティングライン36は、表皮材30がリング部12に巻付けられた状態でパーティングライン36がリング部12の外面と対向する面に配置されている。
【0062】
これにより、表皮材30がリング部12に巻付けられた状態で、パーティングライン36が外面に露出しないので、表皮材30の見栄えが良くなる。また、型成形状態における内面に任意の形状を形成することができるので、表皮材30の成形の自由度が向上する。さらに、型成形状態における内面に任意の模様を形成することができるので、表皮材30の製造コストを低減させることができる。
【0063】
本形態において、表皮材30は、型成形された状態で少なくとも一部の外面に導電性部材20が固定されている。これにより、表皮材30に固定された導電性部材20を、静電型トランスデューサまたはヒータとして利用できる。
【0064】
本形態に係る表皮材30は、型成形された状態で、外面の少なくとも一部が平面状に形成されるとともに、導電性部材20が取り付けられる座面32が形成されている。座面32が平面状に形成されていることにより、導電性部材20を容易に取り付けることができる。導電性部材20がシート状に形成されている場合には、特に有効である。
【0065】
本形態に係る表皮材30は、型成形された状態で外面に鍔部33を備える。表皮材30がリング部12に巻付けられた状態で鍔部33はリング部12に形成された溝部12aに係合する。リング部12に巻付けられた状態で、鍔部33がリング部12の溝部12aに係合することにより、リング部12と表皮材30とを位置決めすることができる。
【0066】
本形態においては、鍔部33は、C字形状の開口端部となる一対の端部の双方に形成されている。
【0067】
本形態においては、鍔部33は、型成形された状態で、C字形状の一対の端部において、少なくとも軸方向に沿って延在し、且つ、外方に突出する一対の鍔部33として構成されている。一対の鍔部33は、リング部12に巻付けられた状態で、リング部12に向かって突出する形状とされる。表皮材30がリング部12に巻付けられた状態で、一対の鍔部33がリング部12の溝部12aと係合する。これにより、C字形状をなす開口端部を、リング部12に対して鍔部33を介して係合させることができるので、表皮材30の一対の端部がリング部12から離れる方向に開き変形することを抑制できる。
【0068】
本形態に係る表皮材30は、型成形された状態で、C字形状の開口端部と異なる位置に、外面から外方に突出する位置決め突出部34を備え、リング部12に巻付けられる前の状態において、位置決め突出部34がリング部12に形成された位置決め孔12bと係合することにより表皮材30がリング部12に対して位置決めされる。表皮材30がリング部12に巻付けられる前の状態において、位置決め突出部34とリング部12の位置決め孔12bとを係合させることにより、表皮材30をリング部12に位置決めすることができる。これにより、表皮材30をリング部12に巻付ける作業の効率を向上させることができる。
【0069】
本形態のリング部12は、三次元曲面を有する。三次元曲面は、平面を単純に曲げるだけでは形成できない。このような三次元曲面を有するリング部12に本形態の表皮材30を適用することは有効である。
【0070】
本形態のリング部12は円環状の部材である。円環状の部材の表面は、上記した三次元曲面となっている。従って、本形態のように、ステアリング10等の円環状の部材に表皮材30を適用することができる。
【0071】
本形態は、上記した表皮材30と、表皮材30が外面に巻付けられたリング部12と、を備えたステアリング10である。本形態によれば、表皮材30をリング部12に適用したステアリング10の見栄えを向上させることができる。
【0072】
本形態に係る表皮材30の巻付け方法は、発泡樹脂またはエラストマーを型成形することにより、断面形状がC字形状に構成されるとともに、外面にパーティングライン36を有する表皮材30を形成する成形工程と、表皮材30の内面と外面とを反転させてリング部12の外面に巻付ける巻付け工程と、を備える。表皮材30がリング部12に巻付けられた状態では、パーティングライン36が内側に位置しているので表皮材30の見栄えが向上する。
【0073】
本形態に係る表皮材30の巻付け方法は、型成形された状態の表皮材30の外面またはリング部12の外面に接着剤を塗布する塗布工程を備え、塗布工程の後に巻付け工程を実行する。本形態によれば、リング部12に表皮材30を巻付けた後に表皮材30を縫製する場合に比べて、製造工程を簡素化できる。また、接着剤を、表皮材30の外面またはリング部12の外面に塗布すればよいので、作業効率を向上させることができる。
【0074】
本形態に係る表皮材30の巻付け方法においては、巻付け工程は、型成形された状態の表皮材30の外面の一部をリング部12の外面に接触させ、続いて、表皮材30の内面と外面とを反転させてリング部12の外面に巻付ける。表皮材30の外面の一部をリング部12の外面に接触させることにより、表皮材30を、リング部12に対して位置決めすることができる。このように、表皮材30とリング部12とを位置決めした後に、表皮材30をリング部12に巻き付けることができるので、表皮材30の巻付け作業の効率を向上させることができる。
【0075】
本形態に係る表皮材30の巻付け工程は、型成形された状態の表皮材30の外面に導電性部材20を固定する固定工程を備え、固定工程の後に巻付け工程を実行する。これにより、C字形状の表皮材30の内面に導電性部材20を固定する場合に比べて、表皮材30と導電性部材20との固定工程の効率を向上させることができる。
【0076】
(実施形態2)
続いて、実施形態2の表皮材50について図13図14を参照して説明する。図13に示すように、第一金型51の内面には、第一導電性部材52が取り付けられる第一取付け凹部53が形成されている。また、第二金型54の内面には、第二導電性部材55が取り付けられる第二取付け凹部56が形成されている。第一導電性部材52および第二導電性部材55は導電性部材の一例である。
【0077】
図13に示すように、第一導電性部材52は第一取付け凹部53内において、公知の係合手段により第一金型51に対して位置決めされた状態で保持されている。同様に、第二導電性部材55は第二取付け凹部56内において、公知の係合手段により第二金型54に対して位置決めされた状態で保持されている。第一導電性部材52および第二導電性部材55は、第一金型51と第二金型54とが型開きされたときに、それぞれ、第一金型51および第二金型54から容易に外れる構成となっている。
【0078】
第一金型51、第二金型54、軸金型43およびスライド金型44の隙間に樹脂が注入された後、固化される。すると、第一導電性部材52および第二導電性部材55は固化した樹脂と一体化される。これにより、表皮材50と、第一導電性部材52および第二導電性部材55とを型成形工程において一体化することができる。ただし、第一金型51および第二金型54に取り付けられる導電性部材の個数は、1つまたは3つ以上でもよい。その後、第一金型51および第二金型54が型開きされて表皮材50が取り出される。
【0079】
図14に示すように、型成形された表皮材50の外面には、第一導電性部材52および第二導電性部材55が固定されている。第一導電性部材52および第二導電性部材55の一部は、表皮材50の内部に埋設されている。また、第一導電性部材52および第二導電性部材55の一部は、表皮材50の一部と一体化していてもよい。
【0080】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
本形態においては、第一導電性部材52および第二導電性部材55の一部は、型成形におけるインサート部材である。また、本形態に係る表皮材50の巻付け工程においては、成形工程は、型成形におけるインサート部材として第一導電性部材52および第二導電性部材55の一部を位置決めした状態で表皮材50を成形する。これにより、表皮材50を型成形する際に、導電性部材20を一体化できるので、製造工程を効率化することができる。
【0082】
(実施形態3)
続いて、実施形態3について図15を参照して説明する。本形態に係る表皮材60は、軸直角断面がU字形状をなしている。U字形状の開口部の一対の端部には、外方に突出する鍔部33が形成されている。
【0083】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0084】
(実施形態4)
次に、実施形態4について図16図17を参照して説明する。図16に示すように、本形態に係る表皮材70は、C字形状の開口端部と異なる位置に、外面から外方に突出する補強リブ71を有する。本形態の表皮材70は、2つの補強リブ71を有する。補強リブ71は、それぞれ、表皮材70のうち、C字形状の開口端部と、位置決め突出部34との間の領域に形成されている。補強リブ71は、軸方向に沿って形成されている。補強リブ71の、表皮材70の外面からの突出寸法は、軸方向に沿って一定に形成されている。補強リブ71により、表皮材70の強度を向上させることができる。ただし、補強リブ71の個数は、1つまたは3つ以上であってもよい。また、補強リブ71は、軸方向と交差する方向に沿って形成されていてもよい。また、補強リブ71の、表皮材70の外面からの突出寸法も特に限定されず、軸方向に沿って変化する構成としてもよい。
【0085】
図17に示すように、リング部72に巻き付けられた状態で、表皮材70の補強リブ71は、リング部72の外面に形成された逃げ溝73内に嵌入するようになっている。逃げ溝73の深さ寸法は、補強リブ71の表皮材70の外面からの突出寸法と同じかまたは大きく形成されている。補強リブ71が逃げ溝73内に嵌入することにより、表皮材70が、リング部72の周方向に沿って移動することが抑制されるようになっている。
【0086】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0087】
(実施形態5)
次に、実施形態5について図18を参照して説明する。本形態に係る表皮材80は、成形された状態の表皮材80が、反転された状態となっている。すなわち、表皮材80はC字形状に形成されており、このC字形状の内面に、パーティングライン36が形成されている。表皮材80の内面には、C字形状の開口端部と反対側の位置に、平面形状をなす座面32が形成されている。また、C字形状の一対の開口端部には、内方に突出する一対の鍔部33が形成されている。
【0088】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0089】
本形態に係る表皮材80は、軸方向と直交する平面の断面形状がC字形に形成されており、パーティングライン36が内面に形成されている。ただし、表皮材80の断面形状は、U字形状であってもよい。
【0090】
リング部12の外面と、表皮材80の内面とが対向するようにしてリング部12に表皮材80を取り付けることにより、パーティングライン36が外面に露出しないので、表皮材80の見栄えを向上させることができる。
【0091】
本明細書で開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
【0092】
ステアリング10のリング部の形状は円環状に限られない。例えば、ステアリング10のリング部は、略D字形状に形成されていてもよく、また、四角形状に形成されていてもよく、任意の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0093】
10 ステアリング
12、72 リング部
20 導電性部材
30、50,60,70,80 表皮材
36 パーティングライン
S1 成形工程
S5 巻付け工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18