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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148371
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20231005BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20231005BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G08B25/04 E
G08B25/00 510E
H04M11/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056349
(22)【出願日】2022-03-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沙魚川 久史
(72)【発明者】
【氏名】山田 明弥
(72)【発明者】
【氏名】松本 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】松尾 達樹
【テーマコード(参考)】
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C087AA10
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD23
5C087DD24
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF23
5C087GG46
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5K201BA03
5K201CB13
5K201CC09
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
5K201ED09
5K201EF10
(57)【要約】
【課題】監視対象の状態に関するユーザへの通知に際し、通知内容のセキュリティ性を確保しつつユーザの利便性の低下を防ぐこと。
【解決手段】情報処理システムは、ユーザに携帯される非装着型の携帯端末と、当該ユーザに携帯される装着型のウェアラブル端末と、少なくとも当該携帯端末と通信可能であり、監視対象の状態を監視する情報処理装置と、を有する。上記情報処理装置は、上記監視対象の状態に関する通知情報を送信する。上記携帯端末は、受信した上記通知情報に含まれる第三者への露出が制限された機微情報を除いて、上記通知情報に応じたメッセージを表示する。上記ウェアラブル端末は、受信した上記通知情報に含まれる上記機微情報を含めて、上記通知情報に応じたメッセージを表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯される非装着型の携帯端末と、当該ユーザに携帯される装着型のウェアラブル端末と、少なくとも当該携帯端末と通信可能であり、監視対象の状態を監視する情報処理装置と、を具備する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、前記監視対象の状態に関する通知情報を送信し、
前記携帯端末は、受信した前記通知情報に含まれる第三者への露出が制限された機微情報を除いて、前記通知情報に応じたメッセージを表示し、
前記ウェアラブル端末は、受信した前記通知情報に含まれる前記機微情報を含めて、前記通知情報に応じたメッセージを表示する
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムであって、
前記ウェアラブル端末は、当該ウェアラブル端末の装着状態を検知する検知手段をさらに有し、当該検知手段が前記ウェアラブル端末が装着されていることを検知したペアリング状態である場合に、前記機微情報を含めて前記メッセージを表示する
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムであって、
前記ペアリング状態は、前記ウェアラブル端末が前記ユーザに装着され、且つ、前記ユーザによる所定の認証が成された場合であって、当該装着が継続している状態であり、
前記ウェアラブル端末は、前記ペアリング状態である間、前記機微情報を含めた前記メッセージを表示可能とする
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記携帯端末は、前記機微情報を除いたメッセージとして、前記機微情報を抽象化した内容を示す概要情報を表示し、
前記ウェアラブル端末は、前記機微情報を含むメッセージとして、前記機微情報の具体的な内容を示す詳細情報を表示する
情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、対象者の見守り又は当該対象者が所在する監視対象エリアの侵入監視を行う監視装置であり、
前記機微情報は、前記対象者のプライバシーに関わる情報又は前記監視対象エリアのセキュリティに関わる情報である
情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムであって、
前記監視装置は、複数の警備モードに基づいて前記監視対象エリアの侵入監視を行い、
前記機微情報は、切り替え後の前記警備モードに関する情報であり、
前記携帯端末は、前記機微情報を除いたメッセージとして、前記切り替え後の警備モードを示さずに前記警備モードが切り替えられたことを示し、
前記ウェアラブル端末は、前記機微情報を含むメッセージとして、前記切り替え後の警備モードを示す
情報処理システム。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載の情報処理システムであって、
前記携帯端末は、前記通知情報が緊急性の高い情報である場合、前記機微情報を含めて前記メッセージを表示する
情報処理システム。
【請求項8】
請求項2又は3に記載の情報処理システムであって、
前記携帯端末は、前記通知情報が緊急性の高い情報である場合であって、前記ウェアラブル端末と当該携帯端末がペアリング状態でなない場合には、前記機微情報を含めて前記メッセージを表示する
情報処理システム。
【請求項9】
ユーザに所持される携帯端末に、
監視対象の状態を監視する情報処理装置から前記監視対象の状態に関する通知情報を受信するステップと、
前記通知情報に含まれる第三者への露出が制限された機微情報を除いた当該通知情報に応じたメッセージを表示するステップと、
前記ユーザに装着されるウェアラブル端末へ、前記機微情報を含めて前記通知情報を送信し当該通知情報に応じたメッセージを表示させるステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物件への侵入を監視する警備システムや物件に居る利用者の状態を見守る見守りシステム等の情報処理システム及び当該システムに用いられる携帯端末のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが自宅等の警備対象と離れた位置から携帯端末を用いて警備モードの遠隔切り替え操作を行うことが可能なシステムが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、スマートフォン等の携帯端末にインストールされた警備アプリケーションを利用して、携帯端末からの警備装置への遠隔セット/解除操作を可能とし、また、警備装置によるモード切替結果を取得して携帯端末に表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-137673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、携帯端末は常に利用者が所持しているとは限らず、第三者のいる環境で机の上などに置かれている場合もある。上記特許文献1等の従来技術においては、物件の警備状態(警備モードが解除モードなど)や、物件に居る利用者の現状態(外出/帰宅、寝室でお休み中など)を、複数の利用者が所持する携帯端末に通知するとき、切り替わった警備モードなども通知表示してしまうと、第三者に見られてしまい、セキュリティ状況が露呈してしまう。
【0006】
一方、通知情報を秘匿して表示すると、ユーザは詳細な情報を確認するために専用のアプリケーションを起動等しなければならず、通知内容をすぐに確認・把握することができない。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、監視対象の状態に関するユーザへの通知に際し、通知内容のセキュリティ性を確保しつつユーザの利便性の低下を防ぐことが可能な警備システム、携帯端末及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、ユーザに携帯される非装着型の携帯端末と、当該ユーザに携帯される装着型のウェアラブル端末と、少なくとも当該携帯端末と通信可能であり、監視対象の状態を監視する情報処理装置と、を有する。上記情報処理装置は、上記監視対象の状態に関する通知情報を送信する。上記携帯端末は、受信した上記通知情報に含まれる第三者への露出が制限された機微情報を除いて、前記通知情報に応じたメッセージを表示する。上記ウェアラブル端末は、受信した上記通知情報に含まれる上記制限情報を含めて、上記通知情報に応じたメッセージを表示する。
【0009】
これにより情報処理システムは、第三者に画面を見られるおそれがある携帯端末には機微情報を除いたメッセージを表示する一方で、第三者に画面を見られるおそれがほぼ無いウェアラブル端末には機微情報を含むメッセージを表示することで、ユーザへの通知内容のセキュリティ性を確保しつつユーザの利便性の低下を防ぐことができる。上記通知情報は、情報処理装置から携帯端末に送信され、ウェアラブル端末へ転送されてもよいし、情報処理装置から携帯端末とウェアラブル端末へ、各端末向けの情報が直接送信されてもよい。上記各メッセージは、ロック画面(画面消灯時に電源キーを押すと表示される画面)上に表示されるものであってもよい。
【0010】
上記ウェアラブル端末は、当該ウェアラブル端末の装着状態を検知する検知手段をさらに有し、当該検知手段が上記ウェアラブル端末が装着されていることを検知したペアリング状態である場合に、上記機微情報を含めて上記メッセージを表示してもよい。
【0011】
これにより、ウェアラブル端末がユーザに装着されていない状態で機微情報が表示され第三者にその内容を見られてしまうのを防ぐことができる。
【0012】
上記ペアリング状態は、上記ウェアラブル端末が上記ユーザに装着され、且つ、上記ユーザによる所定の認証が成された場合であって当該装着が継続している状態であってもよい。この場合上記ウェアラブル端末は、上記ペアリング状態である間、上記機微情報を含めた上記メッセージを表示可能としてもよい。
【0013】
これにより、第三者が当該ウェアラブル端末を装着した状態で機微情報が表示され第三者にその内容を見られてしまうのを防ぐことができる。所定の認証とは、例えば所定のパスコードやパスワードの入力操作、所定のジェスチャの入力操作、画面に顔を向ける顔認証操作、指紋センサをタップする指紋認証操作、脈拍センサによる脈拍検知等である。
【0014】
上記携帯端末は、上記機微情報を除いたメッセージとして、上記機微情報を抽象化した内容を示す概要情報を表示し、上記ウェアラブル端末は、上記機微情報を含むメッセージとして、上記機微情報の具体的な内容を示す詳細情報を表示してもよい。
【0015】
これにより、携帯端末のメッセージ表示により、セキュリティ性を確保しながらユーザに通知の概要は把握させることができ、ウェアラブル端末のメッセージ表示により通知の具体的な内容を安全に把握させることができる。
【0016】
上記情報処理装置は、対象者の見守り又は当該対象者が所在する監視対象エリアの侵入監視を行う監視装置であってもよい。この場合上記機微情報は、上記対象者のプライバシーにかかわる情報又は上記監視対象エリアのセキュリティに関わる情報であってもよい。
【0017】
これにより、例えば警備が解除された、対象者が外出したといったセキュリティに関わる機微情報を第三者に見られてしまうのを防ぐことができる。ここで対象者とは、携帯端末及びウェアラブル端末の利用者であってもよいし、当該利用者の親等、利用者以外の被見守り者であってもよい。
【0018】
上記監視装置は、複数の警備モードに基づいて上記監視対象エリアの侵入監視を行ってもよい。この場合上記機微情報は、切り替え後の上記警備モードに関する情報であってもよく、上記携帯端末は、上記機微情報を除いたメッセージとして、上記切り替え後の警備モードを示さずに前記警備モードが切り替えられたことを示し、上記ウェアラブル端末は、上記機微情報を含むメッセージとして、上記切り替え後の警備モードを示してもよい。
【0019】
これにより、携帯端末のメッセージにより警備モードの解除等の機微情報を第三者に見られることなく警備モードが切り替えられた事実はユーザに把握させることができ、ウェアラブル端末のメッセージにより切り替え後の警備モードをユーザに安全に把握させることができる。
【0020】
上記携帯端末は、上記通知情報が緊急性の高い情報である場合、上記機微情報を含めて上記メッセージを表示してもよい。
【0021】
これにより、緊急時においては携帯端末にもウェアラブル端末にも同一内容を通知することで通知内容のセキュリティ性よりも緊急対応を優先することができる。
【0022】
上記携帯端末は、上記通知情報が緊急性の高い情報である場合であって、上記ウェアラブル端末と当該携帯端末がペアリング状態でない場合には、上記機微情報を含めて上記メッセージを表示してもよい。
【0023】
これにより、緊急時においてウェアラブル端末と携帯端末がペアリングされていない場合にはユーザがウェアラブル端末への通知を閲覧できない可能性があるため携帯端末にも同一の通知を表示することでユーザの利便性を高めることができる。
【0024】
本発明の他の形態に係るプログラムは、ユーザに所持される携帯端末に、
監視対象の状態を監視する情報処理装置から上記監視対象の状態に関する通知情報を受信するステップと、
上記通知情報に含まれる第三者への露出が制限された機微情報を除いた当該通知情報に応じたメッセージを表示するステップと、
上記ユーザに装着されるウェアラブル端末へ、上記機微情報を含めて上記通知情報を送信し当該通知情報に応じたメッセージを表示させるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、監視対象の状態に関するユーザへの通知に際し、通知内容のセキュリティ性を確保しつつユーザの利便性の低下を防ぐことができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る警備システムの構成を示した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る警備装置のハードウェア構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態に係るスマートフォンのハードウェア構成を示した図である。
図4】本発明の一実施形態に係る警備システムによる通知処理の流れを示したシーケンス図である。
図5】本発明の一実施形態に係る警備システムにおけるスマートフォン及びウェアラブル端末の通知画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0028】
[システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る警備システムの構成を示した図である。
【0029】
同図に示すように、この警備システムは、警備装置100と、スマートフォン200と、ウェアラブル端末300と、警備センタのセンタサーバ400とを有する。
【0030】
警備装置100は、例えば住宅や事業所等の監視区域(警備対象)に設置され、監視区域の異常を監視し、検知した異常を警備センタへ通報する。詳細は後述するが、警備装置100は、複数の警備モード(例えば、外出警戒モード、在宅警戒モード、部分セットモード、在宅モード等)によって監視区域を警備している。
【0031】
スマートフォン200は、上記監視区域の住宅の居住者が所持する携帯端末であり、例えばLTE(Long Term Evolution)、3G、Wi-Fi等のモバイルネットワークと接続可能である。警備対象の建物に複数人のユーザが居住または入居している場合、スマートフォン200は警備対象毎に複数存在し得る。なお、スマートフォン200はユーザに装着されず携帯される非装着型の携帯端末であればよく、例えば、携帯端末機、パーソナルコンピューター、及びタブレット端末などでもよい。
【0032】
当該スマートフォン200は、上記警備装置100との通信により、上記警備モードを切替可能である。スマートフォン200は、同図に示すように、監視区域内である家屋内に存在する場合もあれば、例えばユーザが勤務しているオフィス内等の監視区域外に存在する場合もある。
【0033】
スマートフォン200は、監視区域内に存在する場合には、上記モバイルネットワークの他、BLE(Bluetooth Low Energy)やWi-Fi等の近距離無線通信によっても警備装置100と通信可能である。当該警備モードの切替操作は、スマートフォン200にインストールされた、警備モード情報その他の警備情報を提供するアプリケーション(以下、「警備アプリケーション」と称する)上で入力される。
【0034】
ウェアラブル端末300は、上記スマートフォン200のユーザの身体の一部に装着可能な機器であり、例えばスマートウォッチ、リストバンド、スマートリング(プロジェクション機能付き)、スマートグラス等である。ウェアラブル端末300はユーザに装着されて携行される装着型のデバイスであればよく、上記の例に限られない。ウェアラブル端末300は、主にユーザが上記警備モードの切替操作を入力したり、警備モードに関する通知情報を閲覧したりするために用いられる。
【0035】
上記スマートフォン200は、当該ウェアラブル端末300とペアリングされており、各種条件判断を行ったうえで、ウェアラブル端末300への通知、画面制御(警備モードの切替操作を入力可能な画面の表示等)を行う。
【0036】
ウェアラブル端末300は、上記ウェアラブル端末300とペアリングされており、ユーザへの着脱が検知されるとロック状態(操作受付不可状態)となり、ユーザは所定の解除操作を行うことでウェアラブル端末300を操作可能となる。所定の解除操作とは、例えば所定のパスコードやパスワードの入力操作、スワイプ等の画面操作、所定のジェスチャの入力操作、画面に顔を向ける顔認証操作、指紋センサをタップする指紋認証操作、またはペアリング先のスマートフォン200での解除操作等である。
【0037】
またウェアラブル端末300は、そのユーザによる装着状態において、上記ロック状態が解除されると、その後、当該装着状態が継続されている間は、ユーザの本人認証がされた状態として再度のロック解除操作を不要として操作を行うことができる。装着状態は、例えば、ウェアラブル端末300に搭載している脈拍センサによる脈拍検知の有無により判定可能である。なお、ペアリングとはスマートフォン200とウェアラブル端末300が無線接続された状態、無線接続されて装着された状態又は無線接続されて装着され、さらに所定の解除操作された(本人認証がされた)状態のいずれかを指す。
【0038】
したがって、スマートフォン200によってウェアラブル端末300に警備モードの切替操作を入力可能な画面(以下、単に切替画面とも称する)が表示された場合には、ユーザは、改めてウェアラブル端末300のロック解除を行う手間なく、本人確認がされた(セキュリティも担保された)状態で警備モードの切替操作を行うことができる。また、スマートフォン200がロック状態の場合であっても、スマートフォンのロック解除操作を行うことなく、ウェアラブル端末300を用いて切替操作を行うことができる。
【0039】
センタサーバ400は、警備会社が運営する警備センタに設置されるサーバであり、インターネットを介して警備装置100及びスマートフォン200と通信可能である。警備センタには、管制員が常駐しており、警備装置100から異常通報を受信すると、警備装置100の警備対象への警備員の派遣等の必要な措置が取られる。
【0040】
またセンタサーバ400は、監視区域である建物の所在地等の情報や、当該建物に居住または入居している警備契約先のユーザに関する情報等を記憶している。例えばセンタサーバ400は、監視区域である建物に居住または入居する各ユーザのスマートフォン200と警備装置100とをペアリングし、それらを監視区域毎にグループ化した情報を、認証用に記憶している。またセンタサーバ400は、上記認証カードについても、上記スマートフォン200と同様にペアリングしグループ化した情報を記憶している。
【0041】
上記警備モードの切替えは、同図の(1)~(8)のような流れで実行される。すなわち、(1)スマートフォン200が、ウェアラブル端末300による警備モード切替操作に基づいて、モバイルネットワークを介してセンタサーバ400へ警備モード切替を要求すると、(2)センタサーバ400が、スマートフォン200(が属するグループ)を認証し、認証に通った場合、当該警備モード切替要求を警備装置100へ転送することで、(3)警備装置100へ警備モード切替を要求する。すると、(4)警備装置100は、当該警備モード切替要求を受けて警備モードを切替え、(5)当該警備モードの切替完了をセンタサーバ400へ通知する。
【0042】
そして、(6)センタサーバ400が、当該通知を受けて、インターネット上のプッシュ通知用のAPI(例えば、Apple Push Notification Service(APNS)やFirebase Cloud Messaging (FCM))へ、モード切替完了をプッシュ通知するように要求する。(7)当該要求を受け、APIがスマートフォン200へ上記モード切替完了をプッシュ通知し、(8)スマートフォン200が当該プッシュ通知を受信してモード切替完了をウェアラブル端末300に表示する。
【0043】
当該説明のとおり、警備モードの切替処理において、センタサーバ400は、警備装置100とスマートフォン200との通信を仲介(及び認証)しているのみであるため、本実施形態では、実際にはセンタサーバ400によって仲介される通信も、あえて当該仲介処理については省略し、警備装置100とスマートフォン200との通信として説明する場合もある。
【0044】
本実施形態では、ユーザ端末200は、上記警備装置100(センタサーバ400)から受信したプッシュ通知の通知情報を当該スマートフォン200上で表示するとともにウェアラブル端末300に表示させる際に、スマートフォン200上では通知情報のうち監視対象エリアのセキュリティに関わる機微情報を除いた概要情報(機微情報を抽象化した内容を示す概要情報)を表示する概要表示(非秘匿表示)を行い、ウェアラブル端末300上では当該機微情報を含めた詳細情報(機微情報の具体的な内容を示す詳細情報)を表示する詳細表示(非秘匿表示)を行う。当該表示処理の詳細については後述する。なお、監視エリアのセキュリティに関わる機微情報とは、例えば、警備対象の現在のセキュリティ情報が分かる切り替わり後の警備モードに関する情報や、警備対象の警備モード切替設定した操作者の情報など、監視エリアのセキュリティに関わる一部の情報である。
【0045】
[警備装置の構成]
図2は、上記警備装置100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、警備装置100は、主装置101と、各種のセンサ10及び12等によって構成される。
【0046】
侵入監視センサ10は、扉や窓等の開閉を検知するセンサ、熱源としての人体が発する熱を検知するセンサ、人体により赤外線が遮られたことを検知するセンサ等の、侵入者を検出するためのセンサである。この侵入監視センサは、監視区域である建物の外周エリアに設置されたものと、その他のエリアに設置されたものとに大別される。さらに、建物の外周エリアに設置された侵入監視センサは、出入り口エリアに設置されたものと、それ以外のものとに区別される。火災センサ12は、火災発生に伴う熱や煙を検知するセンサである。
【0047】
主装置101は、制御部110、通報部130、報知部140、表示部150、操作部160、並びに通信インタフェース(I/F)170で構成される。
【0048】
通報部130は、異常が発生した場合に、上記警備センタへ通信回線を介して通報する。報知部140は、各種報知音を発生させる。表示部150は、LED(Light Emitting Diode)、液晶表示器等で構成され、それぞれ、主装置上、主装置外での各種表示を行う。
【0049】
通信I/F170は、各種センサやと有線又は無線で通信するためのインタフェースである。また通信I/F170は、警備モードの切替に関する遠隔操作部としてのスマートフォン200と無線通信を行うインタフェースとしても機能する。
【0050】
操作部160は、例えば操作ボタンやタッチパネル等で構成され、上記警備モードの切替操作等のユーザ操作を受け付ける。操作部160がタッチパネルである場合、操作部160は、上記表示部150と一体となり得る。
【0051】
また操作部160は、ユーザが侵入者に襲われたときや身体の異常を感じたときに操作する非常通報ボタンや、ユーザが間違えて異常を発生させてしまった場合にその異常をキャンセルするためのキャンセル操作ボタン等、警備モードの切替操作以外に用いるボタンも有する。
【0052】
制御部110は、プロセッサ、メモリ等により構成され、警備装置の稼動を制御する部分であり、機能的には、モード記憶手段112、監視制御情報記憶手段114、侵入監視センサ検知時処理手段116、モード制御手段118等を実現する。モード記憶手段112は、各警備モードを、それらの識別情報と共に記憶し、それらのうち現在設定されている警備モードに関する情報を例えばモード識別情報等により記憶する。監視制御情報記憶手段114は、各種センサの設置エリア、アドレスコード等を記憶し、警備モードと監視状態とする各種センサとの対応を記憶する。侵入監視センサ検知時処理手段116は、ある侵入監視センサが検知したときに、モード記憶手段112に記憶された現在の警備モードと監視制御情報記憶手段114に記憶された内容とに基づいて、異常判定を行って異常信号を出力する処理や報知音を決定して出力する処理等を実行する。モード制御手段118は、操作部160及びスマートフォン200によるユーザからのモード切替操作に基づいて、上記警備モードの設定(切替)処理を実行する。モード制御手段118は、警備モードを変更したとき、切替先の警備モードを現在の警備モードとしてモード記憶手段112に記憶させる。
【0053】
また図示しないが、主装置101は、警備装置100とペアリングされグループ設定された複数のスマートフォン200及び上記認証カード、並びにそれらの各ユーザの識別情報(ユーザ名、ユーザID等)に関するグループ設定情報も記憶している。
【0054】
[警備モードの種別]
ここで、上記警備装置100が有する警備モードの種別について説明する。本実施形態では、警備装置100は、警備モードとして、外出警戒モード(無人監視モード)、在宅警戒モード(有人監視モード)、部分セットモード、警戒解除(在宅)モードを有する。
【0055】
上記火災センサ12による監視及び非常通報は、警備モードによらず行われる。これらによる異常発生は、別の警報音にて報知される。一方、上記侵入監視センサ10による監視は、警備モードに応じて異なる。
【0056】
外出警戒モードは、警備対象の建物のユーザ全員が警備対象から離れ、無人になる(外出する)場合に設定されるモードである。このモードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、警備対象に設置された全ての侵入監視センサ10によって行われる。
【0057】
在宅警戒モードは、警備対象内にユーザがいる(有人である)場合において、外部からの侵入を監視したい場合に利用されるモードであり、特に、就寝時に利用される。当該モードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、全ての侵入監視センサ10のうち、窓、玄関扉、庭などの建物の外周エリアに設置された侵入監視センサ10のみによって行われる。
【0058】
部分セットモードは、例えば監視区域である建物の1階にしかユーザがおらず、2階を監視したい場合など、警備対象を部分的に警戒する場合に利用されるモードである。このモードでは、上記侵入監視センサ10による監視は、警備対象の部分に存在する侵入監視センサ10のみによって行われる。なお、当該部分セットモードは、上記在宅警戒モードの一形態として存在し得る。
【0059】
警戒解除モードは、ユーザが在宅時に窓などを開放して過ごす場合に利用されるモードである。このモードでは、侵入監視センサ10による監視は行われない。
【0060】
[スマートフォンの構成]
図3は、上記スマートフォン200の構成を示した図である。同図に示すように、スマートフォン200は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、入出力インタフェース25、及び、これらを互いに接続するバス24を備える。
【0061】
CPU21は、必要に応じてRAM23等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらスマートフォン200の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM22は、CPU21に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0062】
入出力インタフェース25には、表示部26、操作受付部27、記憶部28、通信部29等が接続される。
【0063】
表示部26は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
【0064】
操作受付部27は、例えば、タッチパネル、ボタン、キー、その他の入力装置である。操作受付部27がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部26と一体となり得る。
【0065】
記憶部28は、例えばフラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)やその他の固体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリである。当該記憶部28には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0066】
特に本実施形態では、記憶部28は、スマートフォン200が、上記ウェアラブル端末300及び警備装置100と連動して警備モード切替処理を実行するための上記警備アプリケーションその他のプログラムを記憶している。当該警備アプリケーションは、警備装置100に現在設定されている警備モードに関する情報や、スマートフォン200及びウェアラブル端末300が表示する警備モードの切替が行われた操作に関する情報を表示する警備モードの切替画面(プッシュ通知画面)その他の画面の表示に必要なデータ(文字情報や画像情報)、スマートフォン200の位置に応じて当該切替操作の可否を判断するための設定情報等、及び、スマートフォン200が監視区域内外のいずれに存在するかを判断するための住宅の位置情報(例えば住宅の中心位置を示す緯度・経度情報)も記憶している。
【0067】
通信部29は、例えば上記LTE、BLE、Wi-Fi等の無線通信用の各種モジュールであり、モバイルネットワーク、近距離無線通信ネットワーク、及びインターネットを介した上記警備装置100及びセンタサーバ400との間の通信処理を担う。また通信部29のうち、BLE、Wi-Fi等の無線通信モジュールは、スマートフォン200とウェアラブル端末300との通信を担う。
【0068】
また通信部29は、当該スマートフォン200の位置情報を取得する上記位置取得手段としても機能する。位置情報の取得には、例えばGPS(Global Positioning System)や携帯電話用の基地局等を利用した測位手法が用いられる。これに代えて、例えば監視区域内(住宅内)の警備装置100との上記近距離無線通信や特定小電力無線通信を用いて、スマートフォン200が警備装置100と通信圏内に存在している場合にはスマートフォン200は監視区域内に存在し、通信圏外であれば監視区域外に存在すると判断されてもよい。また、必要に応じてGPSや近距離無線通信等の複数の測位手段が組み合わされて、より正確なスマートフォン200の位置が検出されてもよい。
【0069】
図示しないが、ウェアラブル端末300の基本的なハードウェア構成もスマートフォン200のハードウェア構成と同様である。
【0070】
監視区域において現在設定されている警備モードの状態は、警備装置100において警備モードの切替が行われるごとに警備装置100からスマートフォン200の警備アプリケーションに通知され、当該警備アプリケーションによって最新の警備モードの状態として記憶される。これに代えて、当該警備モードの状態がセンタサーバ400に記憶され、警備アプリケーションがユーザの外出/帰宅を検知したタイミングでセンタサーバ400から警備アプリケーションが取得してもよい。また、警備モードの情報に警備モードの切替操作者の情報が紐づけられて記憶されてもよい。
【0071】
[警備システムの動作]
次に、以上のように構成された警備システムの動作について説明する。当該動作は、スマートフォン200のCPU21や通信部29等のハードウェアと、記憶部28に記憶されたソフトウェア(警備アプリケーション)との協働により実行される。以下の説明では、便宜上、スマートフォン200の警備アプリケーションまたはCPU21を動作主体とする。
【0072】
図4は、上記警備システムによる警備モード切替時のスマートフォン200及びウェアラブル端末300への通知処理の流れを示したシーケンス図である。また図5は、スマートフォン200の通知画面(同図(A))及びウェアラブル端末300の通知画面(同図(B))の例を示した図である。
【0073】
図4に示すように、ウェアラブル端末300のCPUは、ユーザによる警備モードの切替操作を入力すると(ステップ41)、警備モード切替要求をスマートフォン200へ送信する(ステップ42)。当該警備モード切替要求は、切替後の警備モードを識別するモード識別情報を含む。
【0074】
なお当該切替操作の入力の前提として、ウェアラブル端末300は、上述したように、ユーザへの装着が上記センサ等で検知されるとロック状態となり、ユーザが所定の解除操作を行うことでウェアラブル端末300を操作可能となり、その後、当該装着状態が継続されている間は、ユーザの本人認証がされた状態として再度のロック解除操作を不要として操作を行うことができる。すなわち、上記警備モード切替要求は、ウェアラブル端末300のユーザへの装着が検知され、かつ、所定の認証処理が実行された場合に送信されるものである。
【0075】
続いてスマートフォン200のCPU21は、当該警備モード切替要求を受信すると、それを警備装置100へ送信する(ステップ43)。なお、スマートフォン200により警備モード切替操作がされた場合は、ウェアラブル端末300の処理は介さずスマートフォン200は警備モード切替要求を警備装置100へ送信する。
【0076】
続いて警備装置100は、当該警備モード切替要求を受信すると、当該要求に応じて現在の警備モードを上記要求に含まれるモード識別情報に対応する警備モードへ切り替える(ステップ44)。なお、警備装置100により警備モード切替操作がされた場合は、現在の警備モードを当該切替操作に応じた警備モードに切り替える。
【0077】
続いて警備装置100は、当該警備モードの切り替え完了を示す警備モード切替完了通知(プッシュ通知)を生成し、スマートフォン200へ送信する(ステップ45)。
【0078】
続いてスマートフォン200のCPU21は、上記警備モード切替完了通知を受信すると、スマートフォン200がウェアラブル端末300とペアリング済みか否かを判断する(ステップ46)。
【0079】
ペアリング済みであると判断した場合(ステップ46のYes)、CPU21は、上記警備モード切替完了通知をプッシュ通知としてウェアラブル端末300へ送信する(ステップ46)。すなわちCPU21は、スマートフォン200とウェアラブル端末300とがペアリングしていることを条件に警備モード切替完了通知をウェアラブル端末300に送信して表示させる。
【0080】
当該警備モード切替完了通知を受信したウェアラブル端末300は、当該通知を示すプッシュ通知画面31(第1のプッシュ通知画面)を表示部のロック画面30上(スリープモード時など画面消灯時に電源キーの押下や端末が所定の傾きを検知したときに表示される画面)に表示(非秘匿表示)する。図5(A)に示すように、当該プッシュ通知画面31の表示内容は、例えば、「太郎が解除モードを設定しました。」といったものであり、切替後の警備モード名及び切替操作を行ったユーザ名等の機微情報を含む(機微情報を秘匿しない)ものである。なお操作者名は表示されなくてもよい。
【0081】
なお、上述のように、当該ウェアラブル端末300におけるプッシュ通知画面31の表示は、ウェアラブル端末300が認証済みのユーザに装着されていることが前提となっており、ウェアラブル端末300の取り外しが検出された場合には当該プッシュ通知画面31は表示されない。これにより、ウェアラブル端末300がユーザに装着されていない状態で機微情報が表示され第三者にその内容を見られてしまうのを防ぐことができる。
【0082】
また、ウェアラブル端末300の装着が検知されていても、ユーザの認証が成功していない場合(本人以外のユーザに装着されている場合も含む)にも、上記プッシュ通知画面31は表示されない。これにより第三者が当該ウェアラブル端末300を装着した状態で機微情報が表示され第三者にその内容を見られてしまうのを防ぐことができる。
【0083】
なおCPU21は、警備モード切替完了通知をウェアラブル端末300に送信する前に、改めて、ウェアラブル端末300の装着が検知済みか、及び、ユーザ認証済みかを、ウェアラブル端末300へ問い合わせてもよい。
【0084】
一方、ペアリング済みでないと判断した場合(ステップ46のNo)、CPU21は、ウェアラブル端末300へ警備モード切替完了通知を送信せず、上記警備モード切替完了通知が示す情報のうち、上記機微情報を含まないプッシュ通知画面51(第2のプッシュ通知画面)を表示部26のロック画面50上に表示(秘匿表示)する(ステップ49)。図5(B)に示すように、当該プッシュ通知画面51の表示内容は、例えば、「警備モードが変更されました。」といった、単に警備モード切替の事実のみを通知し、切替後の警備モード名及び切替操作を行ったユーザ名等の機微情報を除外した(秘匿した)ものである。また、ペアリング済みと判断した場合(ステップ46のYes)でも、スマートフォン200は、ウェアラブル端末300へ警備モード切替完了通知を行ったうえで、さらに機微情報を含まないプッシュ通知画面51を表示部26のロック画面50上に表示する(ステップ49)。
【0085】
これにより、例えば警備が解除された、対象者が外出したといったセキュリティに関わる機微情報を第三者に見られてしまうのを防ぐことができる。なお、CPU21は、警備モード切替完了通知について全て秘匿表示するのではなく、切替後の警備モードが特定の警備モード(例えば解除モード等、セキュリティの一部または全部が解除されているモード)である場合に秘匿表示し、それ以外の警備モードである場合には秘匿表示を行わなくてもよい。
【0086】
スマートフォン200は、上記図5(A)に示すような機微情報を含むプッシュ通知画面と、同図(B)に示すような機微情報を含まない(モード切替の事実のみ通知する)プッシュ通知画面について、それぞれのメッセージ内容を、例えばテーブルとして切替後の警備モード(モード識別情報)毎に記憶しておき、上記警備モード切替要求に含まれるモード識別情報に応じたメッセージをプッシュ通知画面に表示する。
【0087】
同図は警備モード切替操作の場合のプッシュ通知の例であるが、これ以外にも、例えば、ユーザが警備セット時間変更操作を行い、警備装置100から警備セット時間変更完了通知を受信した場合、スマートフォン200は、表示部26上で、プッシュ通知として「警備時間が変更になりました」と単に警備時間の変更の事実のみを通知する秘匿表示を行う。一方、ウェアラブル端末300は、例えば「セット時間が11時に変更になりました」、「太郎がセット時間を11時に変更しました」というように、プッシュ通知として、変更後の警備セット時間や変更操作を行ったユーザ名等の機微情報を秘匿せずに表示する。
【0088】
また、警備装置100が監視区域における異常発生を検知した場合、警備装置100はスマートフォン200へ異常発生通知を送信してもよい。当該異常発生通知を受信した場合、スマートフォン200は表示部26上でプッシュ通知として「トラブルが発生しました」と単に異常が発生した事実のみ通知する秘匿表示を行う。一方、ウェアラブル端末300は、例えば「火災、機器トラブル、侵入が発生しました。」というように、プッシュ通知として、発生した異常の種別や場所(設備)等の機微情報を秘匿せずに表示する。
【0089】
また、警備装置100はスマートフォン200の位置情報の変化(監視区域の内外の移動)を基に、家族や同居者等の帰宅/外出を他のユーザのスマートフォン200へ通知してもよい。当該帰宅/外出通知を受信した場合、スマートフォン200は表示部26上でプッシュ通知として「家族に動きがありました」と単に家族に動きがあった事実のみ通知する秘匿表示を行う。一方、ウェアラブル端末300は、例えば「太郎が外出(帰宅)しました」というように、プッシュ通知として、外出/帰宅した家族の名前や外出または帰宅の別といった機微情報を秘匿せずに表示する。
【0090】
なおCPU21は、警備装置100から受信した信号が警備モード切替完了通知以外の信号であると判断した場合、スマートフォン200でも通知内容を秘匿せず表示する。警備装置100から送信される、警備モード切替完了通知以外の通知情報は、お知らせ(アンケート、周辺地域の防犯情報、ニュースなど)など、ユーザの個人情報や警備区域のセキュリティ情報には該当しない情報である。
【0091】
すなわち、スマートフォン200は、受信した機微情報の内容は知らせず当該機微情報の種別を知らせる通知表示を行い、ウェアラブル端末300は、受信した機微情報の内容を知らせる通知表示を行う。
【0092】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、警備システムは、第三者に画面を見られるおそれがあるスマートフォン200には監視対象エリアのセキュリティに関わる機微情報を除いたプッシュ通知画面を表示する一方で、第三者に画面を見られるおそれがほぼ無いウェアラブル端末300には機微情報を含むプッシュ通知画面を表示することで、ユーザへの通知内容のセキュリティ性を確保しつつユーザの利便性の低下を防ぐことができる。
【0093】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0094】
上述の実施形態においては、情報処理装置として警備装置100が適用された警備システムが示された。しかし、情報処理装置は警備装置に限られず、例えば、物件に居る利用者の状態を見守る見守りシステムにおける監視装置であってもよい。この場合、監視装置は、被見守り者(例えば高齢者)の日常活動を検知した場合、当該被見守り者の子や親等の見守り者のスマートフォン200へ当該検知した活動を通知する。この活動通知を受信した場合、スマートフォン200は表示部26上でプッシュ通知として例えば「被見守り者に動きがありました」と単に被見守り者に動きがあった事実のみ通知する秘匿表示を行う。一方、ウェアラブル端末300は、例えば「お母様が起床・就寝・リビング/庭で活動しました」というように、プッシュ通知として、活動した被見守り者の名前(続柄)や活動内容といった機微情報を秘匿せずに表示する。このように、被見守り者のプライバシーに関わる情報を機微情報とする。
【0095】
また情報処理装置は、住宅の設備や電気機器を制御する制御システムにおける制御装置であってもよい。この場合制御装置は、設備や電子機器が操作されたり何らかのトラブルが検知されると当該住宅の居住者のスマートフォン200へ通知する。この通知を受信した場合、スマートフォン200は表示部26上でプッシュ通知として例えば「設備が操作されました」と単に設備が操作された事実のみ通知する秘匿表示を行う。一方、ウェアラブル端末300は、例えば「電気錠が解錠されました」、「エアコンが操作されました」というように、プッシュ通知として、操作された設備や電気機器の名称を秘匿せずに表示する。
【0096】
その他、情報処理装置は、スマートホームにおける各種IoT(Internet of Things)機器に関する通知を行うホームサーバーや、電気・水道・ガス等の使用状況を可視化し使用料制御を行うHEMS(Home Energy Management System)において当該使用状況等に関する通知を行うHEMSサーバ等であってもよく、それらの通知に際して、上記スマートフォン200における秘匿表示、ウェアラブル端末300における非秘匿表示が実行されても構わない。
【0097】
上述の実施形態においては、異常発生情報についても秘匿表示が実行される例が示されたが、通知情報が、異常発生情報や、被見守り者の転倒(転倒して動かない)通知等の緊急性の高い情報である場合には、いち早くユーザに通知する必要があるため、例外として、スマートフォン200においても情報を秘匿せずに表示してもよい。
【0098】
また、スマートフォン200は、通知情報が緊急性の高い情報である場合であって、ウェアラブル端末300とスマートフォン200がペアリングされていない場合に限り、スマートフォン200においても情報を秘匿せずに表示してもよい。
【0099】
上述の実施形態においては、秘匿表示処理及び非秘匿表示処理においてプッシュ通知画面に表示するメッセージの内容をテーブルに記憶する例を示した。これに代えて、センタサーバ400又は警備装置100から送られる警備モード切替完了通知に、スマートフォン200及びウェアラブル端末300のロック画面に表示する通知メッセージの内容に関するメッセージ情報が含まれてもよい。
【0100】
上述の実施形態では、通知情報は、警備装置100からスマートフォン200に送信され、スマートフォン200からウェアラブル端末300へ転送されていた。しかし、警備装置100からスマートフォン200とウェアラブル端末300へ、各端末向けの通知情報が直接送信されてもよい。例えば、スマートフォン200とウェアラブル端末300との距離が離れており、互いに通信できない場合には、スマートフォンを介することなくウェアラブル端末単体でセンタサーバ400と通信できる機能や画面制御などを行うアプリケーションを有している。この場合、警備装置100は、スマートフォン200へ送信する警備モード切替完了通知に秘匿表示用のメッセージを含ませ、ウェアラブル端末300へ送信する警備モード切替完了通知に非秘匿表示用のメッセージを含ませる。
【0101】
上述の実施形態では、スマートフォン200とウェアラブル端末300とで通知情報の表示の態様を変更するに際し、通知情報に機微情報が含まれるか否かが基準とされた。この機微情報は、セキュリティの他、第三者に見られることについて何らかの不都合が発生する可能性がある等の理由により、第三者への露出が制限された情報も含む。この場合、あるユーザにとっては機微情報に該当する情報が、他のユーザにとっては機微情報に該当しない場合もあり得る。各ユーザは、当該制限情報を警備装置100、スマートフォン200またはセンタサーバ400において個別に設定可能であってもよい。
【0102】
上述の実施形態では、警備装置100が監視エリアの侵入監視を行っていた。しかし、警備装置100の機能の少なくとも一部をセンタサーバ400(クラウドなど)が有してもよい。一の例において、センタサーバ400が、モード記憶手段112,監視制御情報記憶手段114、及びモード制御手段118を有し、スマートフォン200や警備装置100で行われたモード切替操作に基づいて、警備対象内の警備モードの設定処理を行い、さらに各種のセンサ10又は12等の検知結果にも基づいて侵入監視等を行ってもよい。
【符号の説明】
【0103】
21…CPU
28…記憶部
29…通信部
31…プッシュ通知画面(第1のプッシュ通知画面)
51…プッシュ通知画面(第2のプッシュ通知画面)
100…警備装置
200…スマートフォン
300…ウェアラブル端末
400…センタサーバ
図1
図2
図3
図4
図5