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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148378
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】表示装置及び表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/10 20060101AFI20231005BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20231005BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20231005BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20231005BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20231005BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20231005BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231005BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H05B33/10
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
H05B33/04
H05B33/22 Z
G09F9/30 365
G09F9/30 309
G09F9/00 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056358
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水越 寛文
(72)【発明者】
【氏名】福田 加一
(72)【発明者】
【氏名】竹中 貴史
(72)【発明者】
【氏名】高山 健
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC45
3K107DD21
3K107DD26
3K107DD44X
3K107DD44Y
3K107DD89
3K107DD95
3K107EE21
3K107EE48
3K107FF00
3K107FF13
3K107GG12
5C094AA37
5C094BA03
5C094BA12
5C094BA27
5C094CA19
5C094CA24
5C094DA07
5C094DA13
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB05
5C094FB12
5C094FB15
5C094GB01
5C094JA08
5G435AA14
5G435BB05
5G435CC09
5G435CC12
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】信頼性の低下を抑制する。
【解決手段】一実施形態によれば、表示装置の製造方法は、処理基板を用意し、第1有機層と、第1エッチングストッパー層と、第1封止層と、を含む第1薄膜を形成し、第1副画素に第1薄膜が残留し、第2有機層と、第2エッチングストッパー層と、第2封止層と、を含む第2薄膜を形成し、第2副画素に第2薄膜が残留し、第3有機層と、第3エッチングストッパー層と、第3封止層と、を含む第3薄膜を形成し、第3副画素に第3薄膜が残留する。第1エッチングストッパー層のエッチングレートは第1封止層のエッチングレートより小さく、第2エッチングストッパー層のエッチングレートは第2封止層のエッチングレートより小さく、第3エッチングストッパー層のエッチングレートは第3封止層のエッチングレートより小さく、第1エッチングストッパー層及び第2エッチングストッパー層の各々の厚さは第3エッチングストッパー層の厚さより大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1副画素の第1下電極、第2副画素の第2下電極、及び、第3副画素の第3下電極を形成し、前記第1下電極と重なる第1開口、前記第2下電極と重なる第2開口、及び、前記第3下電極と重なる第3開口を有するリブを形成した処理基板を用意し、
前記第1副画素、前記第2副画素、及び、前記第3副画素に亘る第1発光層を含む第1有機層と、前記リブ及び前記第1有機層の上の第1エッチングストッパー層と、前記第1エッチングストッパー層の上の第1封止層と、を含む第1薄膜を形成し、
前記第2副画素及び前記第3副画素の前記第1薄膜を除去し、前記第1副画素に前記第1薄膜が残留し、
前記第1薄膜を有する前記第1副画素、前記第2副画素、及び、前記第3副画素に亘る第2発光層を含む第2有機層と、前記リブ及び前記第2有機層の上の第2エッチングストッパー層と、前記第2エッチングストッパー層の上の第2封止層と、を含む第2薄膜を形成し、
前記第1副画素及び前記第3副画素の前記第2薄膜を除去し、前記第2副画素に前記第2薄膜が残留し、
前記第1薄膜を有する前記第1副画素、前記第2薄膜を有する前記第2副画素、及び、前記第3副画素に亘る第3発光層を含む第3有機層と、前記リブ及び前記第3有機層の上の第3エッチングストッパー層と、前記第3エッチングストッパー層の上の第3封止層と、を含む第3薄膜を形成し、
前記第1副画素及び前記第2副画素の前記第3薄膜を除去し、前記第3副画素に前記第3薄膜が残留し、
前記第1エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記第1封止層のエッチングレートより小さく、
前記第2エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記第2封止層のエッチングレートより小さく、
前記第3エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記第3封止層のエッチングレートより小さく、
前記第1エッチングストッパー層及び前記第2エッチングストッパー層の各々の厚さは、前記第3エッチングストッパー層の厚さより大きい、表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1エッチングストッパー層の厚さは、前記第2エッチングストッパー層の厚さより大きい、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記第3発光層は、青波長域の光を放つ材料によって形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1発光層は、赤波長域の光を放つ材料によって形成し、
前記第2発光層は、緑波長域の光を放つ材料によって形成し、
前記第3発光層は、青波長域の光を放つ材料によって形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記第1発光層は、緑波長域の光を放つ材料によって形成し、
前記第2発光層は、赤波長域の光を放つ材料によって形成し、
前記第3発光層は、青波長域の光を放つ材料によって形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記処理基板を用意する工程では、さらに、
前記リブの上に位置する下部及び前記下部の上に位置し前記下部の側面から突出した上部を含む隔壁を形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記隔壁の前記下部は、導電材料によって形成する、請求項6に記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1薄膜を形成する工程では、前記第1有機層の上に、前記第1エッチングストッパー層として、前記隔壁の前記下部に接する第1上電極を形成する、請求項7に記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1上電極は、マグネシウム及び銀の合金で形成する、請求項8に記載の表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1薄膜を形成する工程では、
前記第1有機層の上に前記隔壁の前記下部に接する第1上電極を形成し、
前記第1上電極の上に第1透明層を形成し、
前記第1透明層の上に、前記第1エッチングストッパー層として、第1無機層を形成する、請求項7に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1無機層は、フッ化リチウムまたはシリコン酸化物で形成する、請求項10に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記リブ、前記第1封止層、前記第2封止層、及び、前記第3封止層は、シリコン窒化物で形成する、請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
基板と、
前記基板の上方に配置された第1下電極、第2下電極、第3下電極と、
前記第1下電極と重なる第1開口、前記第2下電極と重なる第2開口、及び、前記第3下電極と重なる第3開口を有するリブと、
前記リブの上に配置された下部と、前記下部の上に配置され前記下部の側面から突出した上部と、を有する隔壁と、
前記第1開口において前記第1下電極の上に配置され、第1発光層を含む第1有機層と、
前記リブ及び前記第1有機層の上に配置され、前記隔壁に接する第1エッチングストッパー層と、
前記第1エッチングストッパー層の上に配置され、前記隔壁に接する第1封止層と、
前記第2開口において前記第2下電極の上に配置され、第2発光層を含む第2有機層と、
前記リブ及び前記第2有機層の上に配置され、前記隔壁に接する第2エッチングストッパー層と、
前記第2エッチングストッパー層の上に配置され、前記隔壁に接する第2封止層と、
前記第3開口において前記第3下電極の上に配置され、第3発光層を含む第3有機層と、
前記リブ及び前記第3有機層の上に配置され、前記隔壁に接する第3エッチングストッパー層と、
前記第3エッチングストッパー層の上に配置され、前記隔壁に接する第3封止層と、を備え、
前記第1エッチングストッパー層及び前記第2エッチングストッパー層の各々の厚さは、前記第3エッチングストッパー層の厚さより大きい、表示装置。
【請求項14】
前記第1エッチングストッパー層の厚さは、前記第2エッチングストッパー層の厚さより大きい、請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第3発光層は、青波長域の光を放つ材料によって形成されている、請求項13に記載の表示装置。
【請求項16】
前記第1発光層は、赤波長域の光を放つ材料によって形成され、
前記第2発光層は、緑波長域の光を放つ材料によって形成され、
前記第3発光層は、青波長域の光を放つ材料によって形成されている、請求項13に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1発光層は、緑波長域の光を放つ材料によって形成され、
前記第2発光層は、赤波長域の光を放つ材料によって形成され、
前記第3発光層は、青波長域の光を放つ材料によって形成されている、請求項13に記載の表示装置。
【請求項18】
さらに、前記第1有機層の上に配置された第1上電極と、
前記第1上電極の上に配置された第1透明層と、
前記第1透明層の上に配置された第1無機層と、を備え、
前記第1上電極及び前記第1無機層の少なくとも一方は、前記第1エッチングストッパー層である、請求項13に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1上電極は、マグネシウム及び銀の合金で形成されている、請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1無機層は、フッ化リチウムまたはシリコン酸化物で形成されている、請求項18に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及び表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。この表示素子は、薄膜トランジスタを含む画素回路と、画素回路に接続された下電極と、下電極を覆う有機層と、有機層を覆う上電極と、を備えている。有機層は、発光層の他に、正孔輸送層や電子輸送層などの機能層を含んでいる。
このような表示素子を製造する過程において、信頼性の低下を抑制する技術が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-195677号公報
【特許文献2】特開2004-207217号公報
【特許文献3】特開2008-135325号公報
【特許文献4】特開2009-32673号公報
【特許文献5】特開2010-118191号公報
【特許文献6】国際公開第2018/179308号
【特許文献7】米国特許出願公開第2022/0077251号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な表示装置及び表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、表示装置の製造方法は、
第1副画素の第1下電極、第2副画素の第2下電極、及び、第3副画素の第3下電極を形成し、前記第1下電極と重なる第1開口、前記第2下電極と重なる第2開口、及び、前記第3下電極と重なる第3開口を有するリブを形成した処理基板を用意し、前記第1副画素、前記第2副画素、及び、前記第3副画素に亘る第1発光層を含む第1有機層と、前記リブ及び前記第1有機層の上の第1エッチングストッパー層と、前記第1エッチングストッパー層の上の第1封止層と、を含む第1薄膜を形成し、前記第2副画素及び前記第3副画素の前記第1薄膜を除去し、前記第1副画素に前記第1薄膜が残留し、前記第1薄膜を有する前記第1副画素、前記第2副画素、及び、前記第3副画素に亘る第2発光層を含む第2有機層と、前記リブ及び前記第2有機層の上の第2エッチングストッパー層と、前記第2エッチングストッパー層の上の第2封止層と、を含む第2薄膜を形成し、前記第1副画素及び前記第3副画素の前記第2薄膜を除去し、前記第2副画素に前記第2薄膜が残留し、前記第1薄膜を有する前記第1副画素、前記第2薄膜を有する前記第2副画素、及び、前記第3副画素に亘る第3発光層を含む第3有機層と、前記リブ及び前記第3有機層の上の第3エッチングストッパー層と、前記第3エッチングストッパー層の上の第3封止層と、を含む第3薄膜を形成し、前記第1副画素及び前記第2副画素の前記第3薄膜を除去し、前記第3副画素に前記第3薄膜が残留し、前記第1エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記第1封止層のエッチングレートより小さく、前記第2エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記第2封止層のエッチングレートより小さく、前記第3エッチングストッパー層のエッチングレートは、前記第3封止層のエッチングレートより小さく、前記第1エッチングストッパー層及び前記第2エッチングストッパー層の各々の厚さは、前記第3エッチングストッパー層の厚さより大きい。
【0006】
一実施形態によれば、表示装置は、
基板と、前記基板の上方に配置された第1下電極、第2下電極、第3下電極と、前記第1下電極と重なる第1開口、前記第2下電極と重なる第2開口、及び、前記第3下電極と重なる第3開口を有するリブと、前記リブの上に配置された下部と、前記下部の上に配置され前記下部の側面から突出した上部と、を有する隔壁と、前記第1開口において前記第1下電極の上に配置され、第1発光層を含む第1有機層と、前記リブ及び前記第1有機層の上に配置され、前記隔壁に接する第1エッチングストッパー層と、前記第1エッチングストッパー層の上に配置され、前記隔壁に接する第1封止層と、前記第2開口において前記第2下電極の上に配置され、第2発光層を含む第2有機層と、前記リブ及び前記第2有機層の上に配置され、前記隔壁に接する第2エッチングストッパー層と、前記第2エッチングストッパー層の上に配置され、前記隔壁に接する第2封止層と、前記第3開口において前記第3下電極の上に配置され、第3発光層を含む第3有機層と、前記リブ及び前記第3有機層の上に配置され、前記隔壁に接する第3エッチングストッパー層と、前記第3エッチングストッパー層の上に配置され、前記隔壁に接する第3封止層と、を備え、前記第1エッチングストッパー層及び前記第2エッチングストッパー層の各々の厚さは、前記第3エッチングストッパー層の厚さより大きい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
図2図2は、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す図である。
図3図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
図4図4は、表示素子201乃至203の構成の一例を示す図である。
図5図5は、図4に示したエッチングストッパー層の厚さと発光効率との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。
図6図6は、表示素子201乃至203の構成の他の例を示す図である。
図7図7は、図6に示したエッチングストッパー層の厚さと発光効率との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。
図8図8は、表示装置DSPの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
図9図9は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図10図10は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図11図11は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図12図12は、副画素SP2における第1薄膜31の除去過程を説明するための図である。
図13図13は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図14図14は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図15図15は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図16図16は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図17図17は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
図18図18は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態について図面を参照しながら説明する。
開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載する。X軸に沿った方向を第1方向と称し、Y軸に沿った方向を第2方向と称し、Z軸に沿った方向を第3方向と称する。第3方向Zと平行に各種要素を見ることを平面視という。
【0010】
本実施形態に係る表示装置は、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パーソナルコンピュータ、車載機器、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末等に搭載され得る。
【0011】
図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。
表示装置DSPは、絶縁性の基板10の上に、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周辺の周辺領域SAと、を有している。基板10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
本実施形態においては、平面視における基板10の形状が長方形である。ただし、基板10の平面視における形状は長方形に限らず、正方形、円形あるいは楕円形などの他の形状であってもよい。
【0013】
表示領域DAは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SPを含む。一例では、画素PXは、第1色の副画素SP1、第2色の副画素SP2および第3色の副画素SP3を含む。第1色、第2色、及び、第3色は、互いに異なる色である。なお、画素PXは、副画素SP1,SP2,SP3とともに、あるいは副画素SP1,SP2,SP3のいずれかに代えて、白色などの他の色の副画素SPを含んでもよい。
【0014】
副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動される表示素子20とを備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4とを備えている。画素スイッチ2および駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチング素子である。
【0015】
画素スイッチ2のゲート電極は、走査線GLに接続されている。画素スイッチ2のソース電極およびドレイン電極の一方は信号線SLに接続され、他方は駆動トランジスタ3のゲート電極およびキャパシタ4に接続されている。駆動トランジスタ3において、ソース電極およびドレイン電極の一方は電源線PLおよびキャパシタ4に接続され、他方は表示素子20のアノードに接続されている。
【0016】
なお、画素回路1の構成は図示した例に限らない。例えば、画素回路1は、より多くの薄膜トランジスタおよびキャパシタを備えてもよい。
【0017】
表示素子20は、発光素子としての有機発光ダイオード(OLED)であり、有機EL素子と称する場合がある。
【0018】
図2は、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトの一例を示す図である。
図2の例においては、副画素SP1と副画素SP2が第2方向Yに並んでいる。さらに、副画素SP1,SP2がそれぞれ副画素SP3と第1方向Xに並んでいる。
【0019】
副画素SP1,SP2,SP3がこのようなレイアウトである場合、表示領域DAには、副画素SP1,SP2が第2方向Yに交互に配置された列と、複数の副画素SP3が第2方向Yに繰り返し配置された列とが形成される。これらの列は、第1方向Xに交互に並ぶ。
【0020】
なお、副画素SP1,SP2,SP3のレイアウトは図2の例に限られない。他の一例として、各画素PXにおける副画素SP1,SP2,SP3が第1方向Xに順に並んでいてもよい。
【0021】
表示領域DAには、リブ5および隔壁6が配置されている。リブ5は、副画素SP1,SP2,SP3においてそれぞれ開口AP1,AP2,AP3を有している。
【0022】
隔壁6は、平面視においてリブ5と重なっている。隔壁6は、第1方向Xに延びる複数の第1隔壁6xと、第2方向Yに延びる複数の第2隔壁6yとを有している。複数の第1隔壁6xは、第2方向Yに隣り合う開口AP1,AP2の間、および、第2方向Yに隣り合う2つの開口AP3の間にそれぞれ配置されている。第2隔壁6yは、第1方向Xに隣り合う開口AP1,AP3の間、および、第1方向Xに隣り合う開口AP2,AP3の間にそれぞれ配置されている。
【0023】
図2の例においては、第1隔壁6xおよび第2隔壁6yは、互いに接続されている。これにより、隔壁6は、全体として開口AP1,AP2,AP3を囲う格子状に形成されている。隔壁6は、リブ5と同様に副画素SP1,SP2,SP3において開口を有するということもできる。
【0024】
副画素SP1,SP2,SP3は、表示素子20として、それぞれ表示素子201,202,203を備えている。
副画素SP1は、開口AP1とそれぞれ重なる下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1を備えている。副画素SP2は、開口AP2とそれぞれ重なる下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2を備えている。副画素SP3は、開口AP3とそれぞれ重なる下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3を備えている。
【0025】
図2の例においては、下電極LE1、LE2、LE3の外形は点線で示し、有機層OR1、OR2、OR3、および、上電極UE1、UE2、UE3の外形は一点鎖線で示している。下電極LE1、LE2、LE3のそれぞれの周縁部は、リブ5に重なっている。上電極UE1の外形は有機層OR1の外形とほぼ一致し、上電極UE1及び有機層OR1のそれぞれの周縁部は、隔壁6に重なっている。上電極UE2の外形は有機層OR2の外形とほぼ一致し、上電極UE2及び有機層OR2のそれぞれの周縁部は、隔壁6に重なっている。上電極UE3の外形は有機層OR3の外形とほぼ一致し、上電極UE3及び有機層OR3のそれぞれの周縁部は、隔壁6に重なっている。
【0026】
下電極LE1、上電極UE1および有機層OR1は、副画素SP1の表示素子201を構成する。下電極LE2、上電極UE2および有機層OR2は、副画素SP2の表示素子202を構成する。下電極LE3、上電極UE3および有機層OR3は、副画素SP3の表示素子203を構成する。
【0027】
下電極LE1、LE2、LE3は、例えば、表示素子のアノードに相当する。上電極UE1、UE2、UE3は、表示素子のカソード、あるいは、共通電極に相当する。
【0028】
下電極LE1は、コンタクトホールCH1を通じて副画素SP1の画素回路1(図1参照)に接続されている。下電極LE2は、コンタクトホールCH2を通じて副画素SP2の画素回路1に接続されている。下電極LE3は、コンタクトホールCH3を通じて副画素SP3の画素回路1に接続されている。
【0029】
図2の例においては、開口AP3の面積が開口AP2の面積よりも大きく、開口AP2の面積が開口AP1の面積よりも大きい。換言すると、開口AP3から露出した下電極LE3の面積は開口AP2から露出した下電極LE2の面積よりも大きく、開口AP2から露出した下電極LE2の面積は開口AP1から露出した下電極LE1の面積よりも大きい。
【0030】
図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図である。
上述の基板10の上に回路層11が配置されている。回路層11は、図1に示した画素回路1、走査線GL、信号線SLおよび電源線PLなどの各種回路や配線を含む。回路層11は、絶縁層12により覆われている。絶縁層12は、回路層11により生じる凹凸を平坦化する平坦化膜として機能する。
【0031】
下電極LE1,LE2,LE3は、絶縁層12の上に配置されている。リブ5は、絶縁層12および下電極LE1,LE2,LE3の上に配置されている。下電極LE1,LE2,LE3の端部は、リブ5により覆われている。つまり、下電極LE1,LE2,LE3の端部は、絶縁層12とリブ5との間に配置されている。下電極LE1,LE2,LE3のうち、互いに隣接する下電極の間では、絶縁層12がリブ5により覆われている。
【0032】
隔壁6は、リブ5の上に配置された下部(茎)61と、下部61の上に配置された上部(笠)62と、を含む。図の右側に示した隔壁6の下部61は、開口AP1と開口AP2との間に位置している。図の左側に示した隔壁6の下部61は、開口AP2と開口AP3との間に位置している。上部62は、下部61よりも大きい幅を有している。これにより、図3においては上部62の両端部が下部61の側面よりも突出している。このような隔壁6の形状は、オーバーハング状ということもできる。上部62のうち、下部61よりも突出した部分は、単に突出部と称することがある。
【0033】
図2に示した有機層OR1は、図3に示すように、互いに離間した第1部分OR1aおよび第2部分OR1bを含む。第1部分OR1aは、開口AP1を通じて下電極LE1に接触し、下電極LE1を覆うとともに、リブ5の一部に重なっている。第2部分OR1bは、上部62の上に配置されている。
また、図2に示した上電極UE1は、図3に示すように、互いに離間した第1部分UE1aおよび第2部分UE1bを含む。第1部分UE1aは、下電極LE1と対向するとともに、第1部分OR1aの上に配置されている。さらに、第1部分UE1aは、下部61の側面に接触している。第2部分UE1bは、隔壁6の上方に位置し、第2部分OR1bの上に配置されている。
第1部分OR1a、及び、第1部分UE1aは、上部62よりも下方に位置している。
【0034】
図2に示した有機層OR2は、図3に示すように、互いに離間した第1部分OR2aおよび第2部分OR2bを含む。第1部分OR2aは、開口AP2を通じて下電極LE2に接触し、下電極LE2を覆うとともに、リブ5の一部に重なっている。第2部分OR2bは、上部62の上に配置されている。
また、図2に示した上電極UE2は、図3に示すように、互いに離間した第1部分UE2aおよび第2部分UE2bを含む。第1部分UE2aは、下電極LE2と対向するとともに、第1部分OR2aの上に配置されている。さらに、第1部分UE2aは、下部61の側面に接触している。第2部分UE2bは、隔壁6の上方に位置し、第2部分OR2bの上に配置されている。
第1部分OR2a、及び、第1部分UE2aは、上部62よりも下方に位置している。
【0035】
図2に示した有機層OR3は、図3に示すように、互いに離間した第1部分OR3aおよび第2部分OR3bを含む。第1部分OR3aは、開口AP3を通じて下電極LE3に接触し、下電極LE3を覆うとともに、リブ5の一部に重なっている。第2部分OR3bは、上部62の上に配置されている。
また、図2に示した上電極UE3は、図3に示すように、互いに離間した第1部分UE3aおよび第2部分UE3bを含む。第1部分UE3aは、下電極LE3と対向するとともに、第1部分OR3aの上に配置されている。さらに、第1部分UE3aは、下部61の側面に接触している。第2部分UE3bは、隔壁6の上方に位置し、第2部分OR3bの上に配置されている。
第1部分OR3a、及び、第1部分UE3aは、上部62よりも下方に位置している。
【0036】
図3に示す例では、副画素SP1,SP2,SP3は、有機層OR1,OR2,OR3の発光層が発する光の光学特性を調整するためのキャップ層(光学調整層)CP1、CP2、CP3を含む。
【0037】
キャップ層CP1は、互いに離間した第1部分CP1aおよび第2部分CP1bを含む。第1部分CP1aは、開口AP1に位置し、上部62よりも下方に位置し、第1部分UE1aの上に配置されている。第2部分CP1bは、隔壁6の上方に位置し、第2部分UE1bの上に配置されている。
【0038】
キャップ層CP2は、互いに離間した第1部分CP2aおよび第2部分CP2bを含む。第1部分CP2aは、開口AP2に位置し、上部62よりも下方に位置し、第1部分UE2aの上に配置されている。第2部分CP2bは、隔壁6の上方に位置し、第2部分UE2bの上に配置されている。
【0039】
キャップ層CP3は、互いに離間した第1部分CP3aおよび第2部分CP3bを含む。第1部分CP3aは、開口AP3に位置し、上部62よりも下方に位置し、第1部分UE3aの上に配置されている。第2部分CP3bは、隔壁6の上方に位置し、第2部分UE3bの上に配置されている。
【0040】
副画素SP1,SP2,SP3には、封止層SE1,SE2,SE3がそれぞれ配置されている。
【0041】
封止層SE1は、第1部分CP1a、隔壁6の下部61及び上部62、及び、第2部分CP1bに接し、副画素SP1の各部材を連続的に覆っている。なお、封止層SE1は、隔壁6の上部62の下方(突出部621の下方)に、空隙を有する場合があり得るが、ここでは図示を省略している。
【0042】
封止層SE2は、第1部分CP2a、隔壁6の下部61及び上部62、及び、第2部分CP2bに接し、副画素SP2の各部材を連続的に覆っている。なお、封止層SE2は、隔壁6の上部62の下方(突出部622の下方)に、空隙を有する場合があり得るが、ここでは図示を省略している。
【0043】
封止層SE3は、第1部分CP3a、隔壁6の下部61及び上部62、及び、第2部分CP3bに接し、副画素SP3の各部材を連続的に覆っている。なお、封止層SE3は、隔壁6の上部62の下方(突出部623の下方)に、空隙を有する場合があり得るが、ここでは図示を省略している。
【0044】
封止層SE1,SE2,SE3は、保護層13により覆われている。
【0045】
図3の例においては、副画素SP1,SP2の間の隔壁6上においては、有機層OR1の第2部分OR1bは有機層OR2の第2部分OR2bから離間し、上電極UE1の第2部分UE1bは上電極UE2の第2部分UE2bから離間し、キャップ層CP1の第2部分CP1bはキャップ層CP2の第2部分CP2bから離間し、封止層SE1は封止層SE2から離間している。保護層13は、第2部分OR1bと第2部分OR2bとの間、第2部分UE1bと第2部分UE2bとの間、第2部分CP1bと第2部分CP2bとの間、及び、封止層SE1と封止層SE2との間にそれぞれ配置されている。
【0046】
また、副画素SP2,SP3の間の隔壁6上においては、有機層OR2の第2部分OR2bは有機層OR3の第2部分OR3bから離間し、上電極UE2の第2部分UE2bは上電極UE3の第2部分UE3bから離間し、キャップ層CP2の第2部分CP2bはキャップ層CP3の第2部分CP3bから離間し、封止層SE2は封止層SE3から離間している。保護層13は、第2部分OR2bと第2部分OR3bとの間、第2部分UE2bと第2部分UE3bとの間、第2部分CP2bと第2部分CP3bとの間、及び、封止層SE2と封止層SE3との間にそれぞれ配置されている。
【0047】
絶縁層12は、有機絶縁層である。リブ5、および、封止層SE1,SE2,SE3は、無機絶縁層である。
【0048】
封止層SE1,SE2,SE3は、例えば、同一の無機絶縁材料で形成されている。
リブ5は、無機絶縁材料の一例であるシリコン窒化物(SiNx)で形成されている。なお、リブ5は、他の無機絶縁材料として、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)、または、酸化アルミニウム(Al)のいずれかの単層体として形成されてもよい。また、リブ5は、シリコン窒化物層、シリコン酸化物層、シリコン酸窒化物層、及び、酸化アルミニウム層のうちの少なくとも2つの組合せによる積層体として形成されてもよい。
封止層SE1,SE2,SE3は、無機絶縁材料の一例であるシリコン窒化物(SiNx)で形成されている。なお、封止層SE1,SE2,SE3は、他の無機絶縁材料として、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン酸窒化物(SiON)、または、酸化アルミニウム(Al)のいずれかの単層体として形成されてもよい。また、封止層SE1,SE2,SE3は、シリコン窒化物層、シリコン酸化物層、シリコン酸窒化物層、及び、酸化アルミニウム層のうちの少なくとも2つの組合せによる積層体として形成されてもよい。このため、封止層SE1,SE2,SE3は、リブ5と同一材料で形成される場合があり得る。
【0049】
隔壁6の下部61は、導電材料によって形成され、各上電極の第1部分UE1a,UE2a,UE3aと電気的に接続されている。隔壁6の下部61及び上部62がいずれも導電性を有してもよい。
【0050】
リブ5の厚さは、隔壁6や絶縁層12の厚さに比べて十分に小さい。一例では、リブ5の厚さは、200nm以上かつ400nm以下である。
封止層SE1の厚さ、封止層SE2の厚さ、及び、封止層SE3の厚さは、ほぼ同等である。
隔壁6の下部61の厚さ(リブ5の上面から上部62の下面までの厚さ)は、リブ5の厚さより大きい。
【0051】
下電極LE1,LE2,LE3は、ITOなどの透明導電材料で形成されてもよいし、銀(Ag)などの金属材料と透明導電材料の積層構造を有してもよい。上電極UE1,UE2,UE3は、例えばマグネシウム及び銀の合金(MgAg)などの金属材料で形成されている。上電極UE1,UE2,UE3は、ITOなどの透明導電材料で形成されてもよい。
【0052】
下電極LE1,LE2,LE3の電位が上電極UE1,UE2,UE3の電位よりも相対的に高い場合、下電極LE1,LE2,LE3がアノードに相当し、上電極UE1,UE2,UE3がカソードに相当する。また、上電極UE1,UE2,UE3の電位が下電極LE1,LE2,LE3の電位よりも相対的に高い場合、上電極UE1,UE2,UE3がアノードに相当し、下電極LE1,LE2,LE3がカソードに相当する。
【0053】
有機層OR1,OR2,OR3は、複数の機能層を含む。また、有機層OR1の第1部分OR1aおよび第2部分OR1bは、同一材料で形成した発光層EM1を含む。有機層OR2の第1部分OR2aおよび第2部分OR2bは、同一材料で形成した発光層EM2を含む。発光層EM2は、発光層EM1とは異なる材料で形成されている。有機層OR3の第1部分OR3aおよび第2部分OR3bは、同一材料で形成した発光層EM3を含む。発光層EM3は、発光層EM1及びEM2とは異なる材料で形成されている。
【0054】
発光層EM1を形成する材料、発光層EM2を形成する材料、及び、発光層EM3を形成する材料は、互いに異なる波長域の光を放つ材料である。
すなわち、発光層EM1は、第1波長域の光を放つ材料によって形成されている。また、発光層EM2は、第1波長域とは異なる第2波長域の光を放つ材料によって形成されている。また、発光層EM3は、第1波長域及び第2波長域とは異なる第3波長域の光を放つ材料によって形成されている。
【0055】
キャップ層CP1、CP2、CP3は、例えば、透明な薄膜の多層体によって形成されている。多層体は、薄膜として、無機材料によって形成された薄膜及び有機材料によって形成された薄膜を含んでいてもよい。また、これらの複数の薄膜は、互いに異なる屈折率を有している。多層体を構成する薄膜の材料は、上電極UE1、UE2、UE3の材料とは異なり、また、封止層SE1、SE2、SE3の材料とも異なる。なお、キャップ層CP1、CP2、CP3は、省略してもよい。
【0056】
保護層13は、透明な有機絶縁層である。封止層14は、透明な無機絶縁層であり、保護層13の上に配置されている。封止層14は、例えば、シリコン窒化物(SiNx)で形成されている。オーバーコート層15は、透明な有機絶縁層であり、封止層14の上に配置されている。
【0057】
隔壁6には、共通電圧が供給されている。この共通電圧は、下部61の側面に接触した各上電極の第1部分UE1a,UE2a,UE3aにそれぞれ供給される。下電極LE1,LE2,LE3には、副画素SP1,SP2,SP3がそれぞれ有する画素回路1を通じて画素電圧が供給される。
【0058】
下電極LE1と上電極UE1の間に電位差が形成されると、有機層OR1のうちの第1部分OR1aの発光層EM1が第1波長域の光を放つ。下電極LE2と上電極UE2の間に電位差が形成されると、有機層OR2のうちの第1部分OR2aの発光層EM2が第2波長域の光を放つ。下電極LE3と上電極UE3の間に電位差が形成されると、有機層OR3のうちの第1部分OR3aの発光層EM3が第3波長域の光を放つ。
【0059】
図4は、表示素子201乃至203の構成の一例を示す図である。なお、ここでは、下電極がアノードに相当し、上電極がカソードに相当する場合を例について説明する。
表示素子201は、下電極LE1と上電極UE1との間に有機層OR1を含む。
【0060】
有機層OR1において、正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子ブロッキング層EBLは、下電極LE1と発光層EM1との間に位置している。正孔注入層HILは下電極LE1の上に配置され、正孔輸送層HTLは正孔注入層HILの上に配置され、電子ブロッキング層EBLは正孔輸送層HTLの上に配置され、発光層EM1は電子ブロッキング層EBLの上に配置されている。
また、有機層OR1において、正孔ブロッキング層HBL、電子輸送層ETL、電子注入層EILは、発光層EM1と上電極UE1との間に位置している。正孔ブロッキング層HBLは発光層EM1の上に配置され、電子輸送層ETLは正孔ブロッキング層HBLの上に配置され、電子注入層EILは電子輸送層ETLの上に配置され、上電極UE1は電子注入層EILの上に配置されている。
なお、有機層OR1は、上記した機能層の他に、必要に応じてキャリア発生層などの他の機能層を含んでいてもよいし、上記した機能層の少なくとも1つが省略されてもよい。
【0061】
キャップ層CP1は、透明層TL1及び無機層IL1を含む。透明層TL1は、上電極UE1の上に配置されている。無機層IL1は、透明層TL1の上に配置されている。封止層SE1は、無機層IL1の上に配置されている。
透明層TL1は、例えば有機材料によって形成された有機層であり、また、上電極UE1よりも大きい屈折率を有する高屈折率層である。無機層IL1は、例えば、フッ化リチウム(LiF)またはシリコン酸化物(SiO)によって形成された透明な薄膜であり、透明層TL1よりも小さい屈折率を有する低屈折率層である。
なお、図4に示す例では、キャップ層CP1は、透明層TL1と無機層IL1との2層の積層体であるが、3層以上の積層体であってもよい。キャップ層CP1において、無機層IL1は最上層に位置し、封止層SE1で覆われている。
【0062】
表示素子202は、下電極LE2と上電極UE2との間の有機層OR2が発光層EM1の代わりに発光層EM2を含む点を除いて、表示素子201と同様に構成されている。
キャップ層CP2の透明層TL2は上電極UE2の上に配置され、キャップ層CP2の無機層IL2は封止層SE2で覆われている。
【0063】
表示素子203は、下電極LE3と上電極UE3との間の有機層OR3が発光層EM1の代わりに発光層EM3を含む点を除いて、表示素子201と同様に構成されている。
キャップ層CP3の透明層TL3は上電極UE3の上に配置され、キャップ層CP3の無機層IL3は封止層SE3で覆われている。
【0064】
図4に示した正孔注入層HIL、正孔輸送層HTL、電子ブロッキング層EBL、正孔ブロッキング層HBL、電子輸送層ETL、電子注入層EILなどの各機能層は、表示素子201乃至203に共通に設けられるが、表示素子201乃至203毎に離間しており、また、表示素子201乃至203毎に個別に形成される。上記の機能層の各々の厚さは、表示素子201乃至203毎に異なる場合があり得る。
また、上記した複数の機能層のうちの1つの機能層に着目したとき、表示素子201乃至203のうちの1つ表示素子の機能層が他の2つの表示素子の機能層とは異なる材料で形成される場合があり得るし、表示素子201乃至203のすべての機能層が互いに異なる材料で形成される場合もあり得る。
また、表示素子201乃至203のうちの1つ表示素子の層構成が他の2つの表示素子の層構成とは異なる場合があり得るし、表示素子201乃至203のすべての層構成が互いに異なる場合もあり得る。例えば、1つの機能層に着目したとき、表示素子201乃至203のうちの1つ表示素子がこの機能層を含まない場合があり得るし、表示素子201乃至203のうちの1つ表示素子のみがこの機能層を含む場合もあり得る。また、1つの機能層に着目したとき、表示素子201乃至203のうちの1つ表示素子でこの機能層が多層化されている場合などがあり得る。
【0065】
透明層TL1乃至TL3は、互いに離間しており、それぞれ個別に形成される。このため、透明層TL1乃至TL3のすべてが同一材料で形成される場合があり得るし、透明層TL1乃至TL3のうちの1つの透明層が他の2つの透明層とは異なる材料で形成される場合があり得るし、透明層TL1乃至TL3のすべてが互いに異なる材料で形成される場合があり得る。また、透明層TL1乃至TL3の各々の厚さは、すべてが同一である場合があり得るし、互いに異なる場合があり得る。
【0066】
無機層IL1乃至IL3は、互いに離間しており、それぞれ個別に形成される。このため、無機層IL1乃至IL3のすべてが同一材料で形成される場合があり得るし、無機層IL1乃至IL3のうちの1つの無機層が他の2つの無機層とは異なる材料で形成される場合があり得るし、無機層IL1乃至IL3のすべてが互いに異なる材料で形成される場合があり得る。また、無機層IL1乃至IL3の各々の厚さは、すべてが同一である場合があり得るし、互いに異なる場合があり得る。
【0067】
また、キャップ層CP1乃至CP3のすべての層構成が同一である場合があり得るし、キャップ層CP1乃至CP3のうちの1つキャップ層の層構成が他の2つのキャップ層の層構成とは異なる場合があり得るし、キャップ層CP1乃至CP3のすべての層構成が互いに異なる場合もあり得る。
【0068】
図4に示す例では、表示素子201において、上電極UE1は、封止層SE1をドライエッチングする際のエッチングストッパー層ES11として機能する。表示素子202において、上電極UE2は、封止層SE2をドライエッチングする際のエッチングストッパー層ES12として機能する。表示素子203において、上電極UE3は、封止層SE3をドライエッチングする際のエッチングストッパー層ES13として機能する。
【0069】
エッチングストッパー層ES11と封止層SE1とを同一条件でドライエッチングした際のエッチングレートを比較すると、エッチングストッパー層ES11(あるいは上電極UE1)のエッチングレートは、封止層SE1のエッチングレートより小さい。
例えば、エッチングストッパー層ES11の上に封止層SE1が積層された積層体について、ドライエッチングを行った場合、封止層SE1が除去される一方で、エッチングストッパー層ES11においてエッチングの進行を止めることができる。
同様に、エッチングストッパー層ES12(あるいは上電極UE2)のエッチングレートは、封止層SE2のエッチングレートより小さい。また、エッチングストッパー層ES13(あるいは上電極UE3)のエッチングレートは、封止層SE3のエッチングレートより小さい。
【0070】
エッチングストッパー層ES11乃至ES13は、リブ5とは異なる材料によって形成され、また、封止層SE1,SE2,SE3とは異なる材料によって形成されている。例えば、リブ5、および、封止層SE1,SE2,SE3がシリコン窒化物で形成されているのに対して、エッチングストッパー層ES11乃至ES13は、シリコン窒化物と比較して、ドライエッチングに対して高い耐性を有する材料であるマグネシウム及び銀の合金で形成されている。
【0071】
図4に示す例では、エッチングストッパー層ES11(あるいは上電極UE1)の厚さT11は、エッチングストッパー層ES13(あるいは上電極UE3)の厚さT13より大きい(T11>T13)。エッチングストッパー層ES12(あるいは上電極UE2)の厚さT12は、エッチングストッパー層ES13(あるいは上電極UE3)の厚さT13より大きい(T12>T13)。また、一例では、厚さT11は、T12より大きい(T11>T12)。但し、厚さT12は厚さT11と同等であってもよいし(T12≒T11)、厚さT11が厚さT12より小さい場合もあり得る(T11<T12)。
【0072】
エッチングストッパー層ES11乃至ES13の各々の厚さと表示素子201乃至203の色との関係は、以下の通りである。
最も薄いエッチングストッパー層ES13を有する表示素子203は、第3波長域として青波長域の光を放つように構成される。つまり、発光層EM3は、青波長域の光を放つ材料によって形成される。
厚さT11のエッチングストッパー層ES11を有する表示素子201は、第1波長域として赤波長域の光を放つように構成されている。発光層EM1は、赤波長域の光を放つ材料によって形成される。
厚さT12のエッチングストッパー層ES12を有する表示素子202は、第2波長域として緑波長域の光を放つように構成されている。発光層EM2は、緑波長域の光を放つ材料によって形成される。
【0073】
あるいは、表示素子201が第1波長域として緑波長域の光を放つように構成され、表示素子202が第2波長域として赤波長域の光を放つように構成される場合もあり得る。このとき、発光層EM1は緑波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM2は赤波長域の光を放つ材料によって形成される。
【0074】
図5は、図4に示したエッチングストッパー層の厚さと発光効率との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。
図5に示した各図において、横軸はエッチングストッパー層の厚さであり、縦軸は発光効率である。ここでの発光効率とは、表示素子が放つ光の輝度(cd/m)を電流密度(A/m)で除した値(cd/A)として定義する。なお、縦軸の発光効率は、エッチングストッパー層の厚さが15nmの場合の発光効率を1として正規化した値である。
【0075】
図5の上段は、表示素子201におけるエッチングストッパー層ES11の厚さT11と発光効率との関係のシミュレーション結果を示している。
図5の中段は、表示素子202におけるエッチングストッパー層ES12の厚さT12と発光効率との関係のシミュレーション結果を示している。
図5の下段は、表示素子203におけるエッチングストッパー層ES13の厚さT13と発光効率との関係のシミュレーション結果を示している。
【0076】
CIE表色系の色度図において、表示素子201が放つ赤波長域の光のうち、発光効率を考慮すべき光の色度座標の一例は(x=0.69、y=0.31)である。また、表示素子202が放つ緑波長域の光のうち、発光効率を考慮すべき光の色度座標の一例は(x=0.25、y=0.72)である。また、表示素子203が放つ青波長域の光のうち、発光効率を考慮すべき光の色度座標の一例は(x=0.14、y=0.05)である。
【0077】
そこで、ここでのシミュレーションでは、表示素子201乃至203の各々について上記の色度座標の光の輝度に基づいて発光効率を算出した。
【0078】
表示素子201については、厚さT11が増加するにしたがって発光効率が上昇し、厚さT11が25nm~28nmの範囲で発光効率がピークに達し、その後は、厚さT11が40nm程度まで増加するにしたがって発光効率が低下することが確認された。
表示素子202については、厚さT12が増加するにしたがって発光効率が上昇し、厚さT12が25nm~30nmの範囲で発光効率がピークに達し、その後は、厚さT12が40nm程度まで増加するにしたがって発光効率が低下することが確認された。
表示素子203については、厚さT13が増加するにしたがって発光効率が上昇し、厚さT13が15nm~18nmの範囲で発光効率がピークに達し、その後は、厚さT13が40nm程度まで増加するにしたがって発光効率が低下することが確認された。
【0079】
このようなシミュレーション結果に基づき、厚さT11乃至T13は、発光効率がピークまたはその付近になるように設定される。そして、厚さT11及び厚さT12は、厚さT13よりも大きく設定される。
【0080】
エッチングストッパー層ES11乃至ES13は、互いに離間しており、それぞれ個別に形成される。このため、エッチングストッパー層ES11乃至ES13の各々の厚さは、自在に設定することができ、容易に最適化することができる。
【0081】
図6は、表示素子201乃至203の構成の他の例を示す図である。図6に示す例は、無機層がエッチングストッパー層として機能する例に相当する。
【0082】
すなわち、表示素子201において、無機層IL1は、封止層SE1をドライエッチングする際のエッチングストッパー層ES21として機能する。表示素子202において、無機層IL2は、封止層SE2をドライエッチングする際のエッチングストッパー層ES22として機能する。表示素子203において、無機層IL3は、封止層SE3をドライエッチングする際のエッチングストッパー層ES23として機能する。
【0083】
エッチングストッパー層ES21と封止層SE1とを同一条件でドライエッチングした際のエッチングレートを比較すると、エッチングストッパー層ES21(あるいは無機層IL1)のエッチングレートは、封止層SE1のエッチングレートより小さい。
同様に、エッチングストッパー層ES22(あるいは無機層IL2)のエッチングレートは、封止層SE2のエッチングレートより小さい。また、エッチングストッパー層ES23(あるいは無機層IL3)のエッチングレートは、封止層SE3のエッチングレートより小さい。
【0084】
エッチングストッパー層ES21乃至ES23は、リブ5とは異なる材料によって形成され、また、封止層SE1,SE2,SE3とは異なる材料によって形成されている。例えば、リブ5、および、封止層SE1,SE2,SE3がシリコン窒化物で形成されているのに対して、エッチングストッパー層ES21乃至ES23は、シリコン窒化物と比較して、ドライエッチングに対して高い耐性を有する材料であるフッ化リチウムまたはシリコン酸化物で形成されている。
【0085】
図6に示す例では、エッチングストッパー層ES21(あるいは無機層IL1)の厚さT21は、エッチングストッパー層ES23(あるいは無機層IL3)の厚さT23より大きい(T21>T23)。エッチングストッパー層ES22(あるいは無機層IL2)の厚さT22は、エッチングストッパー層ES23(あるいは無機層IL3)の厚さT23より大きい(T22>T23)。また、一例では、厚さT21は、厚さT22より大きい(T21>T22)。但し、厚さT22は厚さT21と同等であってもよいし(T22≒T21)、厚さT21が厚さT22より小さい場合もあり得る(T21<T22)。
【0086】
エッチングストッパー層ES21乃至ES23の各々の厚さと表示素子201乃至203の色との関係は、以下の通りである。
最も薄いエッチングストッパー層ES23を有する表示素子203は、第3波長域として青波長域の光を放つように構成される。つまり、発光層EM3は、青波長域の光を放つ材料によって形成される。
厚さT21のエッチングストッパー層ES21を有する表示素子201は、第1波長域として赤波長域の光を放つように構成されている。発光層EM1は、赤波長域の光を放つ材料によって形成される。
厚さT22のエッチングストッパー層ES22を有する表示素子202は、第2波長域として緑波長域の光を放つように構成されている。発光層EM2は、緑波長域の光を放つ材料によって形成される。
【0087】
あるいは、表示素子201が第1波長域として緑波長域の光を放つように構成され、表示素子202が第2波長域として赤波長域の光を放つように構成される場合もあり得る。このとき、発光層EM1は緑波長域の光を放つ材料によって形成され、発光層EM2は赤波長域の光を放つ材料によって形成される。
【0088】
図7は、図6に示したエッチングストッパー層の厚さと発光効率との関係のシミュレーション結果の一例を示す図である。
図7に示した各図において、横軸はエッチングストッパー層の厚さであり、縦軸は発光効率である。ここでの発光効率の定義は、図5を参照して説明した通りである。なお、縦軸の発光効率は、エッチングストッパー層の厚さが80nmの場合の発光効率を1として正規化した値である。
【0089】
図7の上段は、表示素子201におけるエッチングストッパー層ES21の厚さT21と発光効率との関係のシミュレーション結果を示している。ここでのシミュレーションでは、表示素子201が放つ赤波長域の光のうち、色度座標(x=0.69、y=0.31)の光の輝度に基づいて発光効率を算出している。
【0090】
図7の中段は、表示素子202におけるエッチングストッパー層ES22の厚さT22と発光効率との関係のシミュレーション結果を示している。ここでのシミュレーションでは、表示素子202が放つ緑波長域の光のうち、色度座標(x=0.25、y=0.72)の光の輝度に基づいて発光効率を算出している。
【0091】
図7の下段は、表示素子203におけるエッチングストッパー層ES23の厚さT23と発光効率との関係のシミュレーション結果を示している。ここでのシミュレーションでは、表示素子203が放つ青波長域の光のうち、色度座標(x=0.14、y=0.05)の光の輝度に基づいて発光効率を算出している。
【0092】
表示素子201については、厚さT21が増加するにしたがって発光効率が上昇し、厚さT21が約140nmのときに発光効率がピークに達し、その後は、厚さT21が250nm程度まで増加するにしたがって発光効率が低下することが確認された。
表示素子202については、厚さT22が増加するにしたがって発光効率が上昇し、厚さT22が約120nmのときに発光効率がピークに達し、その後は、厚さT22が250nm程度まで増加するにしたがって発光効率が低下することが確認された。
表示素子203については、厚さT23が増加するにしたがって発光効率が上昇し、厚さT23が約100nmのときに発光効率がピークに達し、その後は、厚さT23が250nm程度まで増加するにしたがって発光効率が低下することが確認された。
【0093】
このようなシミュレーション結果に基づき、厚さT21乃至T23は、発光効率がピークまたはその付近になるように設定される。そして、厚さT21及び厚さT22は、厚さT23よりも大きく設定される。また、厚さT21は、厚さT22よりも大きく設定される。
【0094】
エッチングストッパー層ES21乃至ES23は、互いに離間しており、それぞれ個別に形成される。このため、エッチングストッパー層ES21乃至ES23の各々の厚さは、自在に設定することができ、容易に最適化することができる。
【0095】
図4及び図5を参照して説明した例では、上電極UE1乃至UE3がエッチングストッパー層として機能し、図6及び図7を参照して説明した例では、キャップ層の無機層IL1乃至IL3がエッチングストッパー層として機能しているが、これらを組み合わせてもよい。
つまり、表示素子201においては、上電極UE1及び無機層IL1の少なくとも一方がエッチングストッパー層として機能し、表示素子202においては、上電極UE2及び無機層IL2の少なくとも一方がエッチングストッパー層として機能し、表示素子203においては、上電極UE3及び無機層IL3の少なくとも一方がエッチングストッパー層として機能するように構成してもよい。
【0096】
次に、表示装置DSPの製造方法の一例について説明する。
【0097】
図8は、表示装置DSPの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。
ここに示す製造方法は、大別して、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3を有する処理基板SUBを用意する工程(ステップST1)と、副画素SP1の表示素子201を形成する工程(ステップST2)と、副画素SP2の表示素子202を形成する工程(ステップST3)と、副画素SP3の表示素子203を形成する工程(ステップST4)と、を含む。
【0098】
表示素子201、202、203を形成する工程の順序に関しては、エッチングストッパー層が厚い表示素子ほど先行して形成することが望ましい。換言すると、エッチングストッパー層が薄い表示素子ほど後に形成することが望ましい。
図4乃至図7を参照して説明したように、表示素子203のエッチングストッパー層(ES13orES23)は、表示素子201のエッチングストッパー層(ES11orES21)よりも薄く、表示素子202のエッチングストッパー層(ES12orES22)よりも薄い。このため、表示素子201及び202は、表示素子203を形成する前に形成される。また、表示素子202のエッチングストッパー層(ES12orES22)が表示素子201のエッチングストッパー層(ES11orES21)よりも薄い場合、表示素子201は、表示素子202を形成する前に形成される。このため、図8に示すような順番で表示素子201乃至203を形成する。
【0099】
ステップST1においては、まず、基板10の上に、副画素SP1の下電極LE1、副画素SP2の下電極LE2、副画素SP3の下電極LE3、リブ5、及び、隔壁6を形成した処理基板SUBを用意する。詳細については後述する。
【0100】
ステップST2においては、まず、処理基板SUBに、発光層EM1を含む第1薄膜31を形成する(ステップST21)。その後、第1薄膜31の上に所定の形状にパターニングされた第1レジスト41を形成する(ステップST22)。その後、第1レジスト41をマスクとしたエッチングにより第1薄膜31の一部を除去する(ステップST23)。その後、第1レジスト41を除去する(ステップST24)。これにより、副画素SP1が形成される。副画素SP1は、所定の形状の第1薄膜31を有する表示素子201を備える。
【0101】
ステップST3においては、まず、処理基板SUBに、発光層EM2を含む第2薄膜32を形成する(ステップST31)。その後、第2薄膜32の上に所定の形状にパターニングされた第2レジスト42を形成する(ステップST32)。その後、第2レジスト42をマスクとしたエッチングにより第2薄膜32の一部を除去する(ステップST33)。その後、第2レジスト42を除去する(ステップST34)。これにより、副画素SP2が形成される。副画素SP2は、所定の形状の第2薄膜32を有する表示素子202を備える。
【0102】
ステップST4においては、まず、処理基板SUBに、発光層EM3を含む第3薄膜33を形成する(ステップST41)。その後、第3薄膜33の上に所定の形状にパターニングされた第3レジスト43を形成する(ステップST42)。その後、第3レジスト43をマスクとしたエッチングにより第3薄膜33の一部を除去する(ステップST43)。その後、第3レジスト43を除去する(ステップST44)。これにより、副画素SP3が形成される。副画素SP3は、所定の形状の第3薄膜33を有する表示素子203を備える。
【0103】
以下、ステップST1及びステップST4について図9乃至図18を参照しながら、上電極がエッチングストッパー層として機能する場合を例にして説明する。
【0104】
まず、ステップST1においては、図9の上段に示すように、処理基板SUBを用意する。処理基板SUBを用意する工程は、基板10の上に回路層11を形成する工程と、回路層11の上に絶縁層12を形成する工程と、絶縁層12の上に、副画素SP1の下電極LE1、副画素SP2の下電極LE2、副画素SP3の下電極LE3を形成する工程と、下電極LE1、LE2、LE3の各々と重なる開口AP1、AP2、AP3を有するリブ5を形成する工程と、リブ5の上に配置された下部61及び下部61の上に配置され下部61の側面から突出した上部62を含む隔壁6を形成する工程と、を含む。図9乃至図11図13乃至図18に示す各断面は、例えば図2中のA-B線に沿う断面に相当する。なお、図10図11図13乃至図18においては、絶縁層12よりも下層の基板10及び回路層11の図示を省略する。
【0105】
続いて、ステップST21においては、図9の下段に示すように、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、第1薄膜31を形成する。第1薄膜31を形成する工程は、処理基板SUBの上に、赤波長域の光を放つ発光層EM1を含む有機層OR1を形成する工程と、有機層OR1の上にエッチングストッパー層として上電極UE1を形成する工程と、上電極UE1の上にキャップ層CP1を形成する工程と、キャップ層CP1の上に封止層SE1を形成する工程と、を含む。
【0106】
有機層OR1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の上にそれぞれ形成されるとともに、隔壁6の上にも形成されている。有機層OR1のうち、上部62の上に形成された部分は、各下電極の上に形成された部分から離間している。
【0107】
上電極UE1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、有機層OR1の上にそれぞれ形成され、リブ5を覆い、隔壁6の下部61に接している。また、上電極UE1は、上部62の直上において、有機層OR1の上にも形成されている。上電極UE1のうち、上部62の直上に形成された部分は、各下電極の直上に形成された部分から離間している。上電極UE1は、厚さT11を有している。
【0108】
キャップ層CP1は、図示を省略する透明層TL1及び無機層IL1を含む。キャップ層CP1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、上電極UE1の上にそれぞれ形成されるとともに、上部62の直上において、上電極UE1の上にも形成されている。キャップ層CP1のうち、上部62の直上に形成された部分は、各下電極の直上に形成された部分から離間している。
【0109】
封止層SE1は、キャップ層CP1、及び、隔壁6を覆うように形成されている。つまり、封止層SE1は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、キャップ層CP1の上にそれぞれ形成されるとともに、上部62の直上において、キャップ層CP1の上にも形成されている。封止層SE1において、上部62の直上に形成された部分は、各下電極の直上に形成された部分と繋がっている。
【0110】
続いて、ステップST22においては、図10の上段に示すように、封止層SE1の上の全面に亘って第1レジスト41を塗布する。その後、図10の下段に示すように、第1レジスト41をパターニングする。第1レジスト41は、副画素SP1の第1薄膜31を覆い、副画素SP2及び副画素SP3の第1薄膜31を露出する。つまり、第1レジスト41は、下電極LE1の直上に配置されている。また、第1レジスト41は、副画素SP1から隔壁6の上方に延出している。副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上において、第1レジスト41は、副画素SP1側(図の右側)に配置され、副画素SP2側(図の左側)では封止層SE1を露出している。また、第1レジスト41は、副画素SP2及び副画素SP3において、封止層SE1を露出している。
【0111】
続いて、ステップST23においては、図11に示すように、第1レジスト41をマスクとしてエッチングを行い、第1レジスト41から露出した副画素SP2及び副画素SP3の第1薄膜31を除去し、副画素SP1に第1薄膜31が残留する。これにより、副画素SP2において下電極LE2が露出し、また、下電極LE2を囲むリブ5が露出する。また、副画素SP3において下電極LE3が露出し、また、下電極LE3を囲むリブ5が露出する。また、副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6において、副画素SP2側が露出する。また、副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6が露出する。
【0112】
図12は、副画素SP2における第1薄膜31の除去過程を説明するための図である。下電極LE2の上の第1薄膜31の断面が図の左から右に向かって除去順に並んでいる。
まず、第1レジスト41をマスクとして利用し、ドライエッチングを行い、第1レジスト41から露出した封止層SE1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ウエットエッチングを行い、封止層SE1から露出したキャップ層CP1の無機層IL1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ドライエッチングを行い、無機層IL1から露出したキャップ層CP1の透明層TL1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ウエットエッチングを行い、透明層TL1から露出した上電極UE1を除去する。
その後、第1レジスト41をマスクとして利用し、ドライエッチングを行い、上電極UE1から露出した有機層OR1を除去し、下電極LE2を露出する。
同様に、副画素SP3における封止層SE1、キャップ層CP1、上電極UE1、及び、有機層OR1も除去される。
【0113】
図10の下段に示したように、封止層SE1のエッチングを行う前には、副画素SP2及びSP3において、リブ5と封止層SE1との間の上電極UE1は、隔壁6と有機層OR1との間でリブ5を覆っている。このため、封止層SE1は、リブ5に接することがない。上電極UE1は、エッチングストッパー層として機能し、上電極UE1のエッチングレートは、封止層SE1のエッチングレートより小さい。このため、封止層SE1のドライエッチングに際して、封止層SE1が完全に除去された後に、上電極UE1でドライエッチングの進行を止めることができる。これにより、封止層SE1のドライエッチングに際して、リブ5は、ほとんどダメージを受けることがない。また、リブ5を絶縁層12まで貫通する不所望な孔(水分浸入経路)の形成が抑制される。さらには、不所望な水分の影響による下電極の変色や、腐食による有機EL素子の滅点化などの不具合が抑制される。
したがって、信頼性の低下を抑制することができる。
【0114】
続いて、ステップST24においては、図13に示すように、第1レジスト41を除去する。これにより、副画素SP1の封止層SE1が露出する。これらのステップST21乃至ST24を経て、副画素SP1において、表示素子201が形成される。表示素子201は、下電極LE1、発光層EM1を含む有機層OR1、上電極UE1、及び、キャップ層CP1によって構成される。また、表示素子201は、封止層SE1によって覆われている。
副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上には、発光層EM1を含む有機層OR1、上電極UE1、キャップ層CP1、及び、封止層SE1の積層体が形成される。また、隔壁6のうち、副画素SP1の側の部分は、封止層SE1で覆われる。
【0115】
続いて、ステップST31においては、図14の上段に示すように、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、第2薄膜32を形成する。第2薄膜32は、副画素SP1において第1薄膜31を覆う。第2薄膜32を形成する工程は、処理基板SUBの上に、緑波長域の光を放つ発光層EM2を含む有機層OR2を形成する工程と、有機層OR2の上に上電極UE2を形成する工程と、上電極UE2の上にキャップ層CP2を形成する工程と、キャップ層CP2の上に封止層SE2を形成する工程と、を含む。
【0116】
有機層OR2は、下電極LE2及び下電極LE3の上にそれぞれ形成されるとともに、副画素SP1の封止層SE1の上にも形成されている。また、有機層OR2は、隔壁6の上にも形成されている。有機層OR2のうち、隔壁6の上に形成された部分は、下電極LE2の直上に形成された部分及び下電極LE3の直上に形成された部分から離間している。
【0117】
上電極UE2は、有機層OR2の上に形成されている。下電極LE2及び下電極LE3の直上にそれぞれ形成された上電極UE2は、リブ5を覆い、隔壁6の下部61に接している。また、上電極UE2は、隔壁6の直上において、有機層OR2の上にも形成されている。上電極UE2は、厚さT12を有している。厚さT12は、厚さT11と同等、あるいは、厚さT11より小さい。
【0118】
キャップ層CP2は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、上電極UE2の上にそれぞれ形成されるとともに、隔壁6の直上において、上電極UE2の上にも形成されている。
【0119】
封止層SE2は、キャップ層CP2、及び、隔壁6を覆うように形成されている。つまり、封止層SE2は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、キャップ層CP2の上にそれぞれ形成されるとともに、隔壁6の直上において、キャップ層CP2の上にも形成されている。
【0120】
続いて、ステップST32においては、図14の下段に示すように、封止層SE2の上の全面に亘って第2レジスト42を塗布する。その後、図15の上段に示すように、第2レジスト42をパターニングする。第2レジスト42は、副画素SP2の第2薄膜32を覆い、副画素SP1及び副画素SP3の第2薄膜32を露出している。つまり、第2レジスト42は、下電極LE2の直上に配置されている。また、第2レジスト42は、副画素SP2から隔壁6の上方に延出している。また、第2レジスト42は、副画素SP1及び副画素SP3において、封止層SE2を露出している。
【0121】
続いて、ステップST33においては、図15の下段に示すように、第2レジスト42をマスクとしてエッチングを行い、第2レジスト42から露出した副画素SP1及び副画素SP3の第2薄膜32を除去し、副画素SP2に第2薄膜32が残留する。これにより、副画素SP1の封止層SE1が露出するとともに、副画素SP3において下電極LE3が露出し、また、下電極LE3を囲むリブ5も露出する。
【0122】
副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上において、第1薄膜31と第2薄膜32とが分離されている。つまり、隔壁6の上に残留した封止層SE2、キャップ層CP2、上電極UE2、及び、有機層OR2は、隔壁6の上に残留した封止層SE1、キャップ層CP1、上電極UE1、及び、有機層OR1から離間している。また、副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6上において隔壁6の副画素SP3側が露出する。
【0123】
図15の上段に示したように、封止層SE2のエッチングを行う前には、副画素SP3において、リブ5と封止層SE2との間の上電極UE2は、隔壁6と有機層OR2との間でリブ5を覆っている。このため、封止層SE2は、リブ5に接することがない。上電極UE2は、エッチングストッパー層として機能し、上電極UE2のエッチングレートは、封止層SE2のエッチングレートより小さい。このため、封止層SE2のドライエッチングに際して、封止層SE2が完全に除去された後に、上電極UE2でドライエッチングの進行を止めることができる。これにより、封止層SE2のドライエッチングに際して、リブ5は、ほとんどダメージを受けることがない。したがって、信頼性の低下を抑制することができる。
【0124】
続いて、ステップST34においては、図16の上段に示すように、第2レジスト42を除去する。これにより、副画素SP2の封止層SE2が露出する。これらのステップST31乃至ST34を経て、副画素SP2において、表示素子202が形成される。表示素子202は、下電極LE2、発光層EM2を含む有機層OR2、上電極UE2、及び、キャップ層CP2によって構成される。また、表示素子202は、封止層SE2によって覆われている。
【0125】
副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上、及び、副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6上には、発光層EM2を含む有機層OR2、上電極UE2、キャップ層CP2、及び、封止層SE2の積層体が形成される。また、隔壁6のうち、副画素SP2の側の部分は、封止層SE2で覆われる。
【0126】
続いて、ステップST41においては、図16の下段に示すように、副画素SP1、副画素SP2、及び、副画素SP3に亘って、第3薄膜33を形成する。第3薄膜33は、副画素SP1において第1薄膜31を覆うとともに、副画素SP2において第2薄膜32を覆う。第3薄膜33を形成する工程は、処理基板SUBの上に、青波長域の光を放つ発光層EM3を含む有機層OR3を形成する工程と、有機層OR3の上に上電極UE3を形成する工程と、上電極UE3の上にキャップ層CP3を形成する工程と、キャップ層CP3の上に封止層SE3を形成する工程と、を含む。
【0127】
有機層OR3は、下電極LE3の上に形成されるとともに、副画素SP1の封止層SE1の上にも形成され、また、副画素SP2の封止層SE2の上にも形成されている。また、有機層OR3は、隔壁6の上にも形成されている。副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上においては、有機層OR3は、第1薄膜31及び第2薄膜32を覆っている。有機層OR3のうち、副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6の上に形成された部分は、下電極LE3の直上に形成された部分から離間している。
【0128】
上電極UE3は、有機層OR3の上に形成されている。下電極LE3の直上に形成された上電極UE3は、リブ5を覆い、隔壁6の下部61に接している。また、上電極UE3は、隔壁6の直上において、有機層OR3の上にも形成されている。上電極UE3は、厚さT13を有している。厚さT13は、厚さT11及びT12よりも小さい。
【0129】
キャップ層CP3は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、上電極UE3の上にそれぞれ形成されるとともに、隔壁6の直上において、上電極UE3の上に形成されている。
【0130】
封止層SE3は、キャップ層CP3、及び、隔壁6を覆うように形成されている。つまり、封止層SE3は、下電極LE1、下電極LE2、及び、下電極LE3の直上において、キャップ層CP3の上にそれぞれ形成されるとともに、上部62の直上において、キャップ層CP3の上にも形成されている。
【0131】
続いて、ステップST42においては、図17の上段に示すように、封止層SE3の上の全面に亘って第3レジスト43を塗布する。その後、図17の下段に示すように、第3レジスト43をパターニングする。第3レジスト43は、副画素SP3の第3薄膜33を覆い、副画素SP1及び副画素SP2の第3薄膜33を露出している。つまり、第3レジスト43は、下電極LE3の直上に配置されている。また、第3レジスト43は、副画素SP3から隔壁6の上方に延出している。また、第3レジスト43は、副画素SP1及び副画素SP2において、封止層SE3を露出している。
【0132】
続いて、ステップST43においては、図18の上段に示すように、第3レジスト43をマスクとしてエッチングを行い、第3レジスト43から露出した副画素SP1及び副画素SP2の第3薄膜33を除去し、副画素SP3に第3薄膜33が残留する。これにより、副画素SP1の封止層SE1が露出するとともに、副画素SP2の封止層SE2が露出する。
【0133】
また、副画素SP1と副画素SP2との間の隔壁6上において、第3薄膜33を除去し、第1薄膜31の一部及び第2薄膜32の一部が露出する。
また、副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6上において、第2薄膜32と第3薄膜33とが分離されている。つまり、隔壁6の上に残留した封止層SE3、キャップ層CP3、上電極UE3、及び、有機層OR3は、隔壁6の上に残留した封止層SE2、キャップ層CP2、上電極UE2、及び、有機層OR2から離間している。
【0134】
続いて、ステップST44においては、図18の下段に示すように、第3レジスト43を除去する。これにより、副画素SP3の封止層SE3が露出する。これらのステップST41乃至ST44を経て、副画素SP3において、表示素子203が形成される。表示素子203は、下電極LE3、発光層EM3を含む有機層OR3、上電極UE3、及び、キャップ層CP3によって構成される。また、表示素子203は、封止層SE3によって覆われている。
副画素SP2と副画素SP3との間の隔壁6上には、発光層EM3を含む有機層OR3、上電極UE3、キャップ層CP3、及び、封止層SE3の積層体が形成される。
【0135】
以上の工程により、副画素SP1には表示素子201が形成され、副画素SP2には表示素子202が形成され、副画素SP3には表示素子203が形成される。
【0136】
なお、上記の工程のうち、ステップST21の第1薄膜31を形成する工程では発光層EM1が緑波長域の光を放つ材料で形成され、また、ステップST31の第2薄膜32を形成する工程では、発光層EM2が赤波長域の光を放つ材料で形成される場合もあり得る。
【0137】
上記の例において、副画素SP1が第1副画素に相当し、開口AP1が第1開口に相当し、下電極LE1が第1下電極に相当し、有機層OR1が第1有機層に相当し、発光層EM1が第1発光層に相当し、上電極UE1が第1上電極に相当し、キャップ層CP1が第1キャップ層に相当し、透明層TL1が第1透明層に相当し、無機層IL1が第1無機層に相当し、封止層SE1が第1封止層に相当する。また、上電極UE1及び無機層IL1の少なくとも一方が第1エッチングストッパー層として機能する。
また、副画素SP2が第2副画素に相当し、開口AP2が第2開口に相当し、下電極LE2が第2下電極に相当し、有機層OR2が第2有機層に相当し、発光層EM2が第2発光層に相当し、上電極UE2が第2上電極に相当し、キャップ層CP2が第2キャップ層に相当し、封止層SE2が第2封止層に相当する。また、上電極UE2及び無機層IL2の少なくとも一方が第2エッチングストッパー層として機能する。
また、副画素SP3が第3副画素に相当し、開口AP3が第3開口に相当し、下電極LE3が第3下電極に相当し、有機層OR3が第3有機層に相当し、発光層EM3が第3発光層に相当し、上電極UE3が第3上電極に相当し、キャップ層CP3が第3キャップ層に相当し、封止層SE3が第3封止層に相当する。また、上電極UE3及び無機層IL3の少なくとも一方が第3エッチングストッパー層として機能する。
【0138】
以上説明したように、本実施形態によれば、信頼性の低下を抑制し、製造歩留まりを向上することが可能な表示装置及びその製造方法を提供することができる。
【0139】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に属する。
【0140】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0141】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0142】
DSP…表示装置
10…基板 12…絶縁層
5…リブ AP1、AP2、AP3…開口
6…隔壁 61…下部 62…上部
PX…画素 SP1,SP2,SP3…副画素
201,202,203…表示素子(有機EL素子)
LE1,LE2,LE3…下電極(アノード)
UE1,UE2,UE3…上電極(カソード)
ES11,ES12,ES13…エッチングストッパー層
OR1,OR2,OR3…有機層
CP1,CP2,CP3…キャップ層
TL1,TL2,TL3…透明層
IL1,IL2,IL3…無機層
ES21,ES22,ES23…エッチングストッパー層
SE1,SE2,SE3…封止層
31…第1薄膜 32…第2薄膜 33…第3薄膜
41…第1レジスト 42…第2レジスト 43…第3レジスト
図1
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