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特開2023-148402素材の固着構造、これを備えたカップ体及び素材の固着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148402
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】素材の固着構造、これを備えたカップ体及び素材の固着方法
(51)【国際特許分類】
   A41C 3/12 20060101AFI20231005BHJP
   A41C 3/00 20060101ALI20231005BHJP
   A41C 5/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A41C3/12 A
A41C3/00 A
A41C5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056394
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】306033379
【氏名又は名称】株式会社ワコール
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】永田 紗代
(72)【発明者】
【氏名】吉田 はるか
【テーマコード(参考)】
3B131
【Fターム(参考)】
3B131AB03
3B131BA21
3B131BB01
3B131CA01
3B131CA21
3B131DA08
(57)【要約】
【課題】少なくとも一方が生地から構成される二つの素材を固着する場合に、素材に皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる、素材の固着構造、これを備えたカップ体及び素材の固着方法を提供する。
【解決手段】第一素材3と第二素材5とは、第一素材3の縁部31の延在方向に沿って延在するライン状の固着部7によって互いに固着されている。帯状領域Sには、複数のライン状の固着部が、幅方向WDに間隔をあけて配列されると共に、第一素材の縁部と第一固着部との間において第一素材と第二素材とが固着されない第一非固着領域S1と、第一固着部において第一素材と第二素材とが固着される第一固着領域S2と、第一固着部と第二固着部との間において第一素材と第二素材とが固着されない第二非固着領域S3と、第二固着部において第一素材と第二素材とが固着される第二固着領域S4と、が形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一素材及び第二素材の二つの素材を固着する素材の固着構造であって、
前記第一素材及び前記第二素材の少なくとも一方が伸縮性を有する生地から構成され、
前記第一素材と前記第二素材とは、前記第一素材の縁部の延在方向に沿って延在するライン状の固着部によって互いに固着されており、
前記第一素材の縁部に沿った所定幅を有する帯状領域には、第一固着部と第二固着部とを少なくとも含む二本以上の前記ライン状の固着部が、前記幅方向に間隔をあけて配列されていると共に、前記第一素材の縁部と前記第一固着部との間において前記第一素材と前記第二素材とが固着されない第一非固着領域と、前記第一固着部において前記第一素材と前記第二素材とが固着される第一固着領域と、前記第一固着部と前記第二固着部との間において前記第一素材と前記第二素材とが固着されない第二非固着領域と、前記第二固着部において前記第一素材と前記第二素材とが固着される第二固着領域と、が形成されている、素材の固着構造。
【請求項2】
前記帯状領域の幅方向に対する前記固着部の占有率が7%以上35%以下である、請求項1記載の素材の固着構造。
【請求項3】
前記帯状領域には、2本以上23本以下の前記ライン状の固着部が配置されている、請求項2記載の素材の固着構造。
【請求項4】
前記帯状領域の幅は、4mm以上34mm以下である、請求項2又は3記載の素材の固着構造。
【請求項5】
前記第一素材は、樹脂材料から構成され、前記第二素材は、編地から構成されている、請求項1~4の何れか一項記載の素材の固着構造。
【請求項6】
前記帯状領域は、表面側又は裏面側に膨らむ領域である、請求項4又は5記載の素材の固着構造。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項記載の素材の固着構造を備え、
前記第一素材の厚みと、前記第二素材の厚みとは互いに異なっている、カップ体。
【請求項8】
前記第一素材は、第一面と前記第一面とは反対側の第二面とを有しており、
前記第二素材は、第三面と前記第三面とは反対側の第四面とを有しており、
前記第二素材の第三面は、前記第一素材の前記第一面に設けられた前記帯状領域において前記第一素材に固着されており、
前記第二素材は、前記第一素材の縁部から前記第一素材の前記第二面側に折り曲げられ、前記第一素材の前記第二面と前記第二素材の前記第三面とが互いに対向するように配置されている、請求項7記載のカップ体。
【請求項9】
前記第一素材は、前記第二面側に膨らむような立体形状を有している、請求項8記載のカップ体。
【請求項10】
第一素材及び第二素材の二つの素材を固着する、素材の固着方法であって、
前記第一素材及び前記第二素材の少なくとも一方が伸縮性を有する生地から構成されており、
前記第一素材の縁部及び前記第二素材の縁部の少なくとも一方に沿った所定幅を有する帯状領域に、第一固着部と第二固着部とを少なくとも含む二本以上のライン状の固着部であって、前記帯状領域の延在方向に沿って延在する前記ライン状の固着部を、前記幅方向に間隔をあけて塗布する塗布工程と、
前記第一素材の前記帯状領域と前記第二素材の前記帯状領域とを重ね合わせると共に、前記第一素材と前記第二素材とが互いに近づく方向に加圧して、前記第一素材と前記第二素材とを固着する固着工程と、を含む、素材の固着方法。
【請求項11】
前記固着工程では、前記第一素材の縁部と前記第一固着部との間において前記第一素材と前記第二素材とが固着されない第一非固着領域と、前記第一固着部において前記第一素材と前記第二素材とが固着される第一固着領域と、前記第一固着部と前記第二固着部との間において前記第一素材と前記第二素材とが固着されない第二非固着領域と、前記第二固着部において前記第一素材と前記第二素材とが固着される第二固着領域と、を形成する、請求項10記載の素材の固着方法。
【請求項12】
前記塗布工程において、前記帯状領域の幅方向に対する前記固着部の占有率が7%以上35%以下となるように前記固着部を塗布する、請求項10又は11記載の素材の固着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材の固着構造、これを備えたカップ体及び素材の固着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二枚の素材を接合するための方法として縫着(縫製)が知られている。しかしながら、縫着による接合は、熟練の技術が必要となり、また、近年の熟練者の不足問題から、より簡易に二枚の素材を接合することができる接合方法が求められている。例えば特許文献1には、複数の衣服パーツが接着剤によって無縫製で相互に固着されている、無縫製衣服が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-002326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の接着剤による固着であっても、皺等の発生を抑制しながら互いに固着するのは難しく、特に、素材の形状が互いに異なる場合には、やはり、熟練した技術が要求される。また、素材の特性(例えば伸縮性等)が互いに異なる場合には、上記従来の接着剤による固着であると、互いの特性を生かすことができないことがあるので、素材の選択範囲を狭めてしまう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、少なくとも一方が生地から構成される二つの素材を固着する場合に、素材に皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる、素材の固着構造、これを備えたカップ体及び素材の固着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の素材の固着構造は、第一素材及び第二素材の二つの素材を固着する素材の固着構造であって、第一素材及び第二素材の少なくとも一方が伸縮性を有する生地から構成され、第一素材と第二素材とは、第一素材の縁部の延在方向に沿って延在するライン状の固着部によって互いに固着されており、第一素材の縁部に沿った所定幅を有する帯状領域には、第一固着部と第二固着部とを少なくとも含む二本以上のライン状の固着部が、幅方向に間隔をあけて配列されていると共に、第一素材の縁部と第一固着部との間において第一素材と第二素材とが固着されない第一非固着領域と、第一固着部において第一素材と第二素材とが固着される第一固着領域と、第一固着部と第二固着部との間において第一素材と第二素材とが固着されない第二非固着領域と、第二固着部において第一素材と第二素材とが固着される第二固着領域と、が形成されている。
【0007】
この構成では、第一素材と第二素材とは上記の帯状領域において複数のライン状の固着部によって互いに固着されている。このような帯状領域では、帯状領域に一律全体に固着される固着構造と比べて、自由に伸縮(変形)できる第一非固着領域と第二非固着領域とが存在する。これにより、引っ張られたり曲げられたりする力が第一素材及び第二素材に作用したとしても、第一非固着領域及び第二非固着領域が変形することで、この力に合わせた変形が可能となる。また、この固着構造の構成では、帯状領域の幅方向における両端が固着される第二非固着領域が形成されている。このような第二非固着領域は、単に伸縮が自在というだけでなく、比較的狭い領域の中で伸縮可能な部分と伸縮不可な部分とが存在することで、引っ張られたり曲げられたりする力が第一素材及び第二素材に作用した場合には、第二非固着領域部分の素材に一定の張りを維持しつつ、作用する力に合わせた変形が可能となる。第一素材と第二素材とを貼り合わせるときに、皺が発生しないように素材を伸ばしながら固着、すなわち引っ張ったり曲げたりする力を第一素材及び第二素材に作用させながら固着することになるが、この場合でも第二非固着領域が存在することで一定の張りが維持されるので皺が発生しにくくなる。これらの結果、少なくとも一方が生地から構成される二つの素材を固着する場合に、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0008】
本発明の素材の固着構造では、帯状領域の幅方向に対する固着部の占有率が7%以上35%以下であってもよい。この構成では、複数のライン状の固着部の間に適度な隙間が設けられるので、帯状領域において伸縮性を確保することができ、接着強度も確保することができる。
【0009】
本発明の素材の固着構造では、帯状領域には、2本以上23本以下のライン状の固着部が配置されてもよい。この構成では、伸縮性を確保しながら第一素材及び第二素材との間の接着強度を高めることができる。
【0010】
本発明の素材の固着構造では、帯状領域の幅は、4mm以上34mm以下であってもよい。この構成では、伸縮性を確保しながら第一素材及び第二素材との間の接着強度を高めることができる。
【0011】
本発明の素材の固着構造では、第一素材は、樹脂材料から構成され、第二素材は、編地から構成されてもよい。この構成では、樹脂材料から構成される第一素材に、編地から構成される第二素材を固着する場合であっても、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0012】
本発明の素材の固着構造では、帯状領域は、表面側又は裏面側に膨らむ領域であってもよい。この構成では、スポンジから構成される第一素材と生地から構成される第二素材とが固着される領域が立体的な形状であっても、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0013】
本発明のカップ体は、上記の素材の固着構造を備え、第一素材の厚みと、第二素材の厚みとは互いに異なっていてもよい。この構成では、互いに素材の厚みが異なる二重構造のカップ体であっても、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0014】
本発明のカップ体では、第一素材は、第一面と第一面とは反対側の第二面とを有しており、第二素材は、第三面と第三面とは反対側の第四面とを有しており、第二素材の第三面は、第一素材の第一面に設けられた帯状領域において第一素材に固着されており、第二素材は、第一素材の縁部から第一素材の第二面側に折り曲げられ、第一素材の第二面と第二素材の第三面とが互いに対向するように配置されてもよい。この構成では、第二素材の縁部を覆うことによって二枚の素材の密着性が高まり、外観が良好となる。
【0015】
本発明のカップ体では、第一素材は、第二面側に膨らむような立体形状を有してもよい。立体的な素材に皺なく他の素材を固着する作業は非常に難しいところ、この構成では、立体的な第一素材に第二素材を固着する場合であっても、皺等が発生することを抑制することができる。これにより、外観視に優れるカップ体を形成することができる。
【0016】
本発明の素材の固着方法は、第一素材及び第二素材の二つの素材を固着する、素材の固着方法であって、第一素材及び第二素材の少なくとも一方が伸縮性を有する生地から構成されており、第一素材の縁部及び第二素材の縁部の少なくとも一方に沿った所定幅を有する帯状領域に、第一固着部と第二固着部とを少なくとも含む二本以上のライン状の固着部であって、帯状領域の延在方向に沿って延在するライン状の固着部を、幅方向に間隔をあけて塗布する塗布工程と、第一素材の帯状領域と第二素材の帯状領域とを重ね合わせると共に、第一素材と第二素材とが互いに近づく方向に加圧して、第一素材と第二素材とを固着する固着工程と、を含む。
【0017】
この方法では、第一素材と第二素材とは上記の帯状領域において複数のライン状の固着部によって互いに固着される。このような帯状領域では、帯状領域に一律全体に固着される固着構造と比べて、自由に伸縮(変形)できる非固着領域が存在する。これにより、第一素材と第二素材とに引っ張られたり曲げられたりする力が作用したとしても、非固着領域が変形することで、この力に合わせた変形が可能となる。これらの結果、二つの素材を固着する場合に、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0018】
本発明の素材の固着方法では、固着工程では、第一素材の縁部と第一固着部との間において第一素材と第二素材とが固着されない第一非固着領域と、第一固着部において第一素材と第二素材とが固着される第一固着領域と、第一固着部と第二固着部との間において第一素材と第二素材とが固着されない第二非固着領域と、第二固着部において第一素材と第二素材とが固着される第二固着領域と、を形成してもよい。
【0019】
この固着方法では、第一素材と第二素材とは上記の帯状領域において複数のライン状の固着部によって互いに固着されている。このような帯状領域では、帯状領域に一律全体に固着される固着構造と比べて、自由に伸縮(変形)できる第一非固着領域と第二非固着領域とが存在する。これにより、引っ張られたり曲げられたりする力が第一素材及び第二素材に作用したとしても、第一非固着領域及び第二非固着領域が変形することで、この力に合わせた変形が可能となる。また、この固着方法では、帯状領域の幅方向における両端が固着される第二非固着領域が形成されている。このような第二非固着領域は、単に伸縮が自在というだけでなく、比較的狭い領域の中で伸縮可能な部分と伸縮不可な部分とが存在することで、引っ張られたり曲げられたりする力が第一素材及び第二素材に作用した場合には、第二非固着領域部分の素材に一定の張りを維持しつつ、作用する力に合わせた変形が可能となる。第一素材と第二素材とを貼り合わせるときに、皺が発生しないように素材を伸ばしながら固着、すなわち引っ張ったり曲げたりする力を第一素材及び第二素材に作用させながら固着することになるが、この場合でも本発明の固着方法では第二非固着領域が存在することで一定の張りが維持されるので皺が発生しにくくなる。これらの結果、少なくとも一方が生地から構成される二つの素材を固着する場合に、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0020】
本発明の素材の固着方法では、塗布工程において、帯状領域の幅方向に対する固着部の占有率が7%以上35%以下となるように固着部を塗布してもよい。この方法では、複数のライン状の固着部の間に適度な隙間が設けられるので、第一素材及び第二素材において伸縮性を確保することができ、更に、接着強度も確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、少なくとも一方が生地から構成される二つの素材を固着する場合に、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、一実施形態に係る連結構造を有するカップ体を裏側から見た斜視図である。
図2図2は、図1のカップ体を表側から見た斜視図である。
図3図3は、図1のカップ体の断面図である。
図4図4は、図1の第一素材の固着領域に形成される固着部を示す斜視図である。
図5図5は、図5の固着領域を拡大して示した平面図である。
図6図6は、図6は、カップ体が用いられるブラジャーの一部を示した斜視図である。
図7図7は、固着構造における伸縮の状態を説明する図である。
図8図8(A)は、二本の固着部が形成された固着構造を示した図であり、図8(B)は、一本の固着部が形成された固着構造を示した図である。
図9図9は、固着部の配置態様ごとに素材の伸び率を測定した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して一実施形態に係る固着構造2を含むカップ体1について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
カップ体1は、例えばブラジャー等の下着又は上半身衣類に設けられて、着用者のバストを覆うものである。図1図3に示されるように、本実施形態では、着用者の左のバストを覆うカップ体1を例に挙げて説明する。カップ体1は、例えば二枚の素材(第一素材3及び第二素材5)が互いに固着されてなる椀状の部品である。カップ体1は、形状及び大きさに関し、着用者のバストサイズ(カップサイズ)に適合するように形成されている。カップ体1は、着用者のバストにフィットする立体形状(言い換えれば丸みを帯びた形状)を有する。
【0025】
カップ体1は、第一素材3と、第二素材5と、を備える。第一素材3と第二素材5とは、互いに異なる材料によって形成されていてもよいし、同じ材料によって形成されていてもよい。また、第一素材3と第二素材5とは、互いに厚みが異なっていてもよいし、互いに厚みが同じであってもよい。本実施形態においては、互いに厚みが異なる場合を説明し、第一素材3の厚みは、1.0mm~25.0mmであり、第二素材5の厚み(0.1mm~2.0mm)よりも薄い。また、第二素材5は第一素材3よりも伸縮性が高い。第一素材3は、カップ体1を有する衣類を着用者が着用したときに、人体に接触する側(裏側)の素材である。第二素材5は、第一素材3において着用者に接触する側の面(後段にて詳述する第一面3a)と反対側(表側)の面(後段にて詳述する第二面3b)を覆う素材である。
【0026】
第一素材3の例には、樹脂材料から構成された素材が含まれる。樹脂材料から構成された素材の例には、吹付により生成した不織布(メルトブロー不織布)、一般的な不織布、ウレタンスポンジ、Wラッセル編地(タテ編み)、ダンボールニット(ヨコ編み)等が含まれる。第二素材5の例には、編地から構成された素材が含まれる。編地から構成された素材の例には、編物、織物、レース及び不織布等から形成される生地、樹脂をシート状にしたもの、ウレタン繊維を含む編地等が含まれる。本実施形態では、第一素材3がウレタンスポンジから構成されており、第二素材5がウレタン繊維を含む編地から構成されている場合を例に挙げて、以下説明する。
【0027】
第一素材3は、第一面3aと第二面3bとを有している。第一面3aは、カップ体1を有する衣類を着用者が着用したときに、人体に接触する側の面である。第二面3bは、第一面3aとは反対側の面である。第二素材5は、第三面5aと第四面5bとを有している。第三面5aは、第二素材5が第一素材3に固着されたときに、第一素材3に対向する側の面である。第四面5bは、第三面5aとは反対側の面であり、第一素材3に接触しない側の面である。
【0028】
上述したとおり、カップ体1は、第一素材3と第二素材5とが互いに固着されてなる固着体である。より詳細には、図3に示されるように、カップ体1では、第二素材5の第三面5aは、第一素材3の第一面3aに設けられた帯状領域S(なお、帯状領域Sについては後段に詳述する。)において第一素材3に固着されている。第二素材5は、第一素材3の縁部31から第一素材3の第二面3b側に折り曲げられ、第一素材3の第二面3bと第二素材5の第三面5aとが互いに対向するように配置されている。また、第二素材5は、第一素材3の第二面3bにおいて第一素材3に糸9等によって縫着されている。
【0029】
本実施形態のカップ体は、第一素材3と第二素材5との固着構造2に一つの特徴を有する。以下、第一素材3と第二素材5との固着構造2について、詳細に説明をする。
【0030】
第一素材3と第二素材5とは、第一素材3の縁部31の延在方向に沿って延在する二本のライン状の固着部7,7によって互いに固着されている。ライン状の固着部7は、例えば接着剤によって形成されている。ライン状の固着部7は、第一素材3と第二素材5とが接着剤によって固着されている部分(領域)と言える。
【0031】
ライン状の固着部7を形成する接着剤としては、特に制限されるものではなく、水溶性接着剤又はホットメルト系接着剤等、種々の種類の接着剤を使用できる。水溶性接着剤を用いる場合は、固着しようとする第一素材3及び第二素材5の一方又は両方に塗布し、第一素材3及び第二素材5同士を重ね合わせ接着剤を乾燥、加熱、冷却し、第一素材3及び第二素材5同士を固着することができる。また、ホットメルト系接着剤を用いる場合は、ホットメルト系接着剤を塗布し、第一素材3及び第二素材5で挟持し、固化させることにより、第一素材3及び第二素材5同士を固着させることができる。ホットメルト系接着剤には、乾燥硬化型、反応硬化型、湿気硬化型等の各種接着剤が含まれる。
【0032】
図4及び図5に示されるように、ライン状の固着部7は、第一素材3の縁部31に沿った所定幅Wを有する帯状領域Sに設けられている。なお、図4は、第一素材3から第二素材5を剥がしたときの第一素材3を第一面3a側から見たときの斜視図である。なお、第一素材3と第二素材5とが固着される固着構造2では、ライン状の固着部7は、第二素材5の縁部51に沿った所定幅Wを有する帯状領域Sに設けられているとも言える。本実施形態の帯状領域Sは、第一素材3の第二面(表面)3b側に膨らむ領域である。所定幅Wは、例えば、4mm以上34mm以下である。
【0033】
本実施形態のカップ体1では、第一素材3の上辺31aと測辺31bとに沿って、帯状領域Sが形成されている。すなわち、第一素材3の上辺31aと測辺31bとに固着構造2が用いられている。帯状領域Sには、第一固着部7Aと第二固着部7Bとを少なくとも含む複数のライン状の固着部7が、幅方向WDに間隔をあけて配列されている。ライン状の固着部7同士の間隔は、例えば1.0mm以上10.0mm以下である。本実施形態では、二本の固着部7(第一固着部7A及び第二固着部7B)が形成されている例を挙げて説明するが、帯状領域Sには、2本以上23本以下のライン状の固着部7を配置してもよい。なお、帯状領域Sには、2本以上8本以下のライン状の固着部7を配置することがより好ましい。
【0034】
帯状領域Sには、第一素材3の縁部31と第一固着部7Aとの間において第一素材3と第二素材5とが固着されない第一非固着領域S1と、第一固着部7Aにおいて第一素材3と第二素材5とが固着される第一固着領域S2と、第一固着部7Aと第二固着部7Bとの間において第一素材3と第二素材5とが固着されない第二非固着領域S3と、第二固着部7Bにおいて第一素材3と第二素材5とが固着される第二固着領域S4と、が形成されている。
【0035】
帯状領域Sの幅方向WDに対する固着部7の占有率は、7%以上35%以下であり、より好ましくは、10%以上15%以下である。なお、複数の固着部7の幅W1がほぼ等しく形成されている場合、一般的には占有率が低くなるほど隣り合う固着部7,7同士の間隔が広くなり、占有率が高くなるほど隣り合う固着部7,7同士の間隔が狭くなる。複数の固着部7は、幅方向WDに等間隔で配置されることが好ましいが、等間隔に配置されなくてもよい。
【0036】
固着部7の幅W1は、例えば0.5mm以上2.0mm以下であり、より好ましくは、0.5mm以上1.0mm以下である。ここでいう固着部7の幅W1は、第一素材3と第二素材5とが固着された状態でのサイズであり、例えば、帯状領域Sを縁部31の延在方向に直交する方向(幅方向WD)沿って切断したときに観察できる固着部7のサイズや、第一素材3から第二素材5を剥がしたときの第一素材3又は第二素材5に残る固着部7のサイズを計測することによって得られる値である。
【0037】
上述したカップ体1は、例えば、図6に示されるような、カップ体1を有するブラジャー100として構成することが可能である。なお、図6は、ブラジャー100の外形が仮想線で記載されている。カップ体1は、土台部101の上縁部に、例えば、縫着されることによって接合されている。土台部101の脇端部は、例えばニット等の伸長性を有する素材によって帯状に形成されるバック部(図示せず)に接続される。なお、ここでは、カップ体1を有する衣類としてブラジャーを例示したが、本構成は、カップ付きキャミソール、カップ付きタンクトップ、カップ付きハーフトップ、カップ付きボディスーツ、水着等の他のカップ付き衣類にも適用可能である。
【0038】
上述した固着構造2は下記に示す塗布工程と固着工程とを含む固着方法によって構成される。塗布工程は、第二素材5の縁部51に沿った所定幅Wを有する帯状領域Sに、第二素材5の縁部51の延在方向(帯状領域Sの延在方向)に沿って延在するライン状の固着部7を、幅方向WDに間隔をあけて塗布する。なお、ライン状の固着部7は、第一素材3の縁部31に沿った所定幅Wを有する帯状領域Sに、第一素材3の縁部31の延在方向(帯状領域Sの延在方向)に沿って延在するライン状の固着部7を、幅方向WDに間隔をあけて塗布してもよい。また、ライン状の固着部7は、第一素材3の上記帯状領域Sと第二素材5の上記帯状領域Sとの両方に塗布されてもよい。帯状領域Sには、第一固着部7Aと第二固着部7Bとを少なくとも含む、二本以上のライン状の固着部7が塗布される。第一素材3(第二素材5)への固着部7の塗布は、第一素材3(第二素材5)に対して直接塗布されてもよいし、他の方法で塗布してもよい。
【0039】
固着工程は、第二素材5の一部を、帯状領域Sに重ね合わせると共に、第一素材3と第二素材5とが互いに近づく方向に加圧して、第一素材3と第二素材5とを固着する。固着工程は、例えば、互いに対向する二つのローラの間に、重ね合わせた第一素材3及び第二素材5を送り込み、二つのローラによって加圧することで固着される。これにより、第一素材3と第二素材5との固着体であるカップ体1が形成される。なお、重ね合わせた第一素材3及び第二素材5への加圧は、平板プレス機を用いて行ってもよい。
【0040】
本実施形態の第一素材3と第二素材5との固着構造2では、図5に示されるように、第一素材3と第二素材5とは上記の帯状領域Sにおいて複数のライン状の固着部7(第一固着部7A及び第二固着部7B)によって互いに固着されている。このような帯状領域Sでは、帯状領域Sが一律全体に固着される固着構造と比べて、自由に伸縮(変形)できる第一非固着領域S1と第二非固着領域S3とが存在する。これにより、第一素材3と第二素材5とに引っ張られたり曲げられたりする力が作用したとしても、第一非固着領域S1及び第二非固着領域S3が変形することで、この力に合わせた変形が可能となる。
【0041】
図7を用いて、本実施形態の第一素材3と第二素材5との固着構造2に力が作用したときの変形について説明する。ここでは、便宜的に三本の固着部7が形成されている場合を例に挙げて説明する。図7のA欄には、第一素材3及び第二素材5に対して何の力も作用させない場合の固着構造2の平面状態(図7では便宜的に固着部7のみを示す)と断面状態とが示されている。このときの第一素材3及び第二素材5の状態を便宜的に基準状態と称する。
【0042】
基準状態の第一素材3及び第二素材5を、図7のB欄に示されるように、固着部7の延在方向に沿って引っ張ると、第一非固着領域S1と第二非固着領域S3とが、固着部7の延在方向に沿う方向に伸びるように変形すると共に、固着部7の延在方向に直交する方向(幅方向WD)に縮むように変形する。基準状態の第一素材3及び第二素材5を、図7のC欄に示されるように、固着部7の延在方向に直交する方向(幅方向WD)に沿って引っ張ると、第一非固着領域S1と第二非固着領域S3とが、固着部7の延在方向に直交する方向(幅方向WD)に伸びるように変形すると共に、固着部7の延在方向に沿う方向に縮むように変形する。このように、本実施形態の固着構造2では、第一素材3と第二素材5とに引っ張られたり曲げられたりする力が作用したとしても、第一非固着領域S1及び第二非固着領域S3が変形することで、この力に合わせた変形が可能となる。
【0043】
図8(A)及び図8(B)を用いて、より詳細に説明する。なお、図8(A)及び図8(B)は、第二素材5に固着された固着部7のイメージ図であり、第二素材5の生地を構成する糸と固着部7との配置、大小関係、縮尺比率の詳細を示すものではない。
【0044】
図8(A)に示されるように、第一素材3と第二素材5との固着構造2において、ライン状の固着部7を複数設けると、ライン状の固着部7が第二素材5の生地に固着している第一固着領域S2及び第二固着領域S4は伸縮が制限され、ライン状の固着部7が第二素材5の生地に固着していない第一非固着領域S1及び第二非固着領域S3は伸縮が制限されなくなることが分かる。つまり、ライン状の固着部7によって固着された第二素材5は、帯状領域Sにおいて伸縮が自由な第一非固着領域S1及び第二非固着領域S3が存在することで、第二素材5は、引っ張られたり曲げられたりする力が作用したとしても、この力に合わせた変形が可能となる。この結果、帯状領域Sにおいて、第二素材5に皺が発生することを抑制できる。すなわち、連結体としてのカップ体1は、外観に優れたものとすることができる。
【0045】
また、本実施形態の固着構造2では、帯状領域Sの幅方向WDにおける両端が固着される第二非固着領域S3が形成されている。第二非固着領域S3は、単に伸縮が自在というだけでなく、比較的狭い領域の中で伸縮不可な部分と伸縮可能な部分とが存在することで、引っ張られたり曲げられたりする力が作用した場合には、第二素材5に一定の張りを維持しつつ、作用する力に合わせた変形が可能となる。第一素材3と第二素材5とを貼り合わせるときに、皺が発生しないように第二素材5の生地を伸ばしながら固着するが、本実施形態では第二非固着領域S3があることで一定の張りが維持されるので皺が発生しにくくなる。このため、その作業性を向上させることができ、ひいては熟練者に頼ることなく、皺がなく、第二素材5の生地の特性を有したまま、第一素材3と第二素材5との固着体を製造することが容易となる。
【0046】
一方、図8(B)に示されるように、第一素材3と第二素材5との固着構造において、ライン状の固着部7を一本だけ設けた場合には、第一素材3と第二素材5とが固着される固着領域S12と、第一素材3と第二素材5とが固着されない非固着領域S11とが形成されるものの、帯状領域Sの幅方向WDにおける両端が固着される、上記実施形態のような第二非固着領域S3は形成されない。すなわち、第一素材3と第二素材5との固着構造において、ライン状の固着部7を一本だけ設ける場合には、第二素材5の生地に一定の張りが維持されない。このため、立体的な形状を有する帯状領域Sに皺の発生を抑制しながら第一素材3と第二素材5とを貼り合わせることは特に難しく、熟練が必要とされる。
【0047】
次に、第二素材5の生地に設けられる固着部7の配置の態様によって、第二素材5の生地の伸び率が異なることを下記に示す実験に基づいて確認した。まず、所定幅(25mm)及び所定長さ(100mm)を有する、弾性糸が編み出されたニット生地を試験片Aとして準備した。更に、試験片Aの一方の面に配置されるライン状の固着部7の態様を様々に変化させ、これらの試験片の伸び率について計測した。より詳細には、第一素材3に接着された試験片を剥がしたときにマイクロスコープによって計測される接着剤跡(すなわち固着部7)が下記表1に示される試験片B~Fについて、JIS L 1096 伸び率A法に準拠する測定方法において所定の荷重(1.0kgf、1.5kgf、2.25kgf)を作用させたときの伸び率を測定した。上記試験片Aについても、同様の方法で伸び率を測定した。
【表1】
【0048】
表1でいう固着部間距離とは、隣り合う固着部7の中心線間距離である。固着部間隔とは、隣り合う固着部7同士の固着部7が配置されていない部分の距離である。占有率とは、試験片の幅サイズ(すなわち25mm)に対して、固着部7のトータルサイズ(すなわち固着部7の幅に固着部7の本数を乗じた値)が占める割合である。
【0049】
伸び率を測定した結果を上記表1及び図9に示す。試験片A~試験片Fでは、表1及び図9の占有率に対する伸び率が示すように、占有率が高いほど試験片の伸縮が制限されることが分かった。したがって、第一素材3及び第二素材5に適切な量の固着部7を配置しつつ、複数のライン状の固着部7を配置することで、上記の伸縮性と張りとを実現できることが分かった。
【0050】
また、上記の伸び率に基づいて、一般的に着用時に衣服に作用する荷重(1.5kgf)時の試験片Aの伸び率の基準としたときの試験片B~Fのそれぞれの伸び率の割合(追随率)を算出した。追随率の結果は、上記表1に示されるとおりであり、試験片Cと試験片Dとの間で追随率が急激に上昇することが確認できた。これにより、例えば、固着部7の占有率が35%以下であれば、良好な追随率が確保されることが確認できた。このことは、試験片D~Fの伸び率の数値が図9に示されるように互いに類似しているのに対し、試験片B及び試験片Cでは、試験片D~Fとは異なり高い伸び率を示していることからも明らかである。そして、試験片B及び試験片Cに示される固着部7の配置の態様を採用した第二素材5は、第一素材3に対する追随性が確保されると共に、着用感に対しても優位性が有ることが確認できた。
【0051】
また、試験片Aの一方の面に配置されるライン状の固着部7の占有率が5%と、7%とになるように形成した下記表2に示す試験片G及び試験片Hを準備した。
【表2】
【0052】
次に、所定幅(25mm)及び所定長さ(100mm)を有する、弾性糸の入っていないニット生地をベース片として準備した。そして、これらの試験片A、G、Hのそれぞれとベース片とを固着した複合試験片A、G、Hを作成した。なお、複合試験片のそれぞれは、ローラプレス機により適切な状態に固着した。そして、複合試験片A、G、Hのそれぞれについて、JIS L-1930 (繊維製品の家庭洗濯試験方法)方法C4Nに準じる洗濯試験を行った。JIS L-1930 (繊維製品の家庭洗濯試験方法)方法C4Nに準じた試験を行った結果、複合試験片を構成する生地同士が剥離しなかった場合に「○」(所定の剥離強度が得られた)と評価し、複合試験片を構成する生地同士が剥離した場合に「×」(所定の剥離強度が得られなかった)と評価した。
【表3】
【0053】
上記表3に示されるとおり、固着部7の占有率が低くなり過ぎると試験片とベース片との間で接着力(剥離強度)が得られなくなるところ、固着部7の占有率が7%以上の試験片であれば、十分な接着力が得られることが確認できた。
【0054】
上記実施形態の固着構造2では、帯状領域Sの幅方向WDに対する固着部7の占有率が7%以上35%以下となるように形成されている。したがって、複数のライン状の固着部7の間に適度な隙間(非固着領域)が設けられるので、第一素材3及び第二素材5において伸縮性を確保することができると共に、所定の剥離強度(接着強度)を得ることができる。
【0055】
上記実施形態の固着構造2では、帯状領域Sには、2本以上23本以下のライン状の固着部7が配置されるので、第一素材3及び第二素材5との間の固着性を高めることができる。更に、帯状領域Sの幅方向WD、すなわち第一素材3から第二素材5が剥離する方向に沿うようにライン状の固着部7が配置されているので、剥離強度を高めることができる。なお、剥離強度は、ライン状の固着部7の数に比例して高めることができる。
【0056】
上記実施形態の固着構造2を有するカップ体1では、第二素材5の厚みが第一素材3の厚みよりも薄い場合であっても、皺等が発生することを抑制しつつ、互いの素材の特性が失われることを抑制できる。
【0057】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0058】
上記実施形態では、第一素材3の第一面3aに帯状領域Sが設けられている例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、第一素材3の第二面3bに設けられる帯状領域Sにおいて、第一素材3と、第一素材3の第二面3b側に配置される第二素材5とが固着されてもよい。すなわち、第一素材3の縁部31と第二素材5の縁部51との位置が一致するように、第一素材3と第二素材5とが固着されてもよい。
【0059】
上記実施形態及び変形例では、第一素材3と第二素材5との固着体がカップ体1として用いられる例を挙げて説明したが、インナーウェア、ショーツ、ガードル又は膝サポータ等として用いられてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…カップ体、2…固着構造、3…第一素材、3a…第一面、3b…第二面、5…第二素材、5a…第三面、5b…第四面、7…固着部、7A…第一固着部、7B…第二固着部、31…縁部、S…帯状領域、S1…第一非固着領域、S2…第一固着領域、S3…第二非固着領域、S4…第二固着領域。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9