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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148414
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231005BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20231005BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20231005BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20231005BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20231005BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20231005BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20231005BHJP
   F21W 131/101 20060101ALN20231005BHJP
【FI】
F21S2/00 650
F21V31/00 300
F21V29/15
F21V29/503
F21V29/508
F21V29/70
F21Y115:10
F21Y103:10
F21W131:101
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056410
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】593027716
【氏名又は名称】株式会社エステック
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博之
(72)【発明者】
【氏名】新倉 章裕
(72)【発明者】
【氏名】松尾 竜
(72)【発明者】
【氏名】関 雅英
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014NA03
(57)【要約】
【課題】照明装置であって、洞道内であっても小型化を図ることができ、効率良く放熱して安定して長く使用すること。
【解決手段】透光性を有する透光筒部内に発光部を収容し、透光筒部の両端側を閉塞部で閉塞して形成された筐体を有する照明装置において、閉塞部は、透光筒部の開口端部に外嵌する筒状の端部接続部を有し、端部接続部内には、筐体内部を筐体の延在方向で、発光部を収容する発光領域と隣接領域とに仕切り、且つ、熱伝導性を有する放熱仕切り部が設けられ、放熱仕切り部は、筐体内部を仕切る板状の仕切り部本体と、仕切り部本体の外周部に接続され、且つ、延在方向に延在する筒状の筒状放熱部と、を有し、筒状放熱部は、延在方向に延在する外周面で端部接続部或いは透光筒部の内周面に当接する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する透光筒部内に発光部を収容し、前記透光筒部の両端側を閉塞部で閉塞して形成された筐体を有する照明装置において、
前記閉塞部は、前記透光筒部の開口端部に外嵌する筒状の端部接続部を有し、
前記端部接続部内には、前記筐体内部を前記筐体の延在方向で、前記発光部を収容する発光領域と隣接領域とに仕切り、且つ、熱伝導性を有する放熱仕切り部が設けられ、
前記放熱仕切り部は、
前記筐体内部を仕切る板状の仕切り部本体と、
前記仕切り部本体の外周部に接続され、且つ、前記延在方向に延在する筒状の筒状放熱部と、を有し、
前記筒状放熱部は、前記延在方向に延在する外周面で前記端部接続部或いは前記透光筒部の内周面に当接する、
照明装置。
【請求項2】
前記仕切り部本体と筒状放熱部は一体である、
請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記筒状放熱部は、前記透光筒部と同径の筒体であり、当該筒状放熱部の環状の端部が前記透光筒部の端部に当接した状態で、前記透光筒部の端部とともに前記端部接続部内に内嵌する、
請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記端部接続部は、導電性を有する筒状に形成され、且つ、前記筒状放熱部の外周に当接する補強用筒状放熱部を有する、
請求項3記載の照明装置。
【請求項5】
前記補強用筒状放熱部は、前記端部接続部にインサート成形により一体化されている、
請求項4記載の照明装置。
【請求項6】
前記筒状放熱部は、前記端部接続部に密着して設けられている、
請求項1記載の照明装置。
【請求項7】
筒状放熱部は前記端部接続部にインサート成形により一体化されている、
請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
前記発光部は、前記軸方向に延在し且つ熱伝導性を有するシャーシに固定され、
前記シャーシの両端部のそれぞれに前記仕切り部本体がそれぞれ直交して接触した状態で接合されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に、LED(Light Emitting Diode)を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市部や市街地地中の洞道内という劣悪温度環境下で設置される照明用灯具等において、近年、省エネルギー化及び長寿命化を実現すべく、照明用灯具のLED(Light Emitting Diode)が図られている。
【0003】
LEDを用いた照明用灯具としては、LEDを用いた光源を筒状体中に収容して構成した照明装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、光源がLED化されていることに伴い、電子部品であるLEDやその電源供給モジュールの発熱対策が重要になっている。
【0005】
特許文献1のLED照明灯では、プレス加工された放熱板をランプシェードの内面に密着させて、発生した熱がランプシェードを通り外部へ放出するようにしている。
【0006】
このように、従来のLEDを用いた照明用灯具では、光源による発熱を、光源を囲むランプシェードや側端面を介してケース全体から放熱することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-43558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年では、洞道内に設置する照明用灯具の小型化が望まれている。従来のように、LEDを用いて小型化する照明用灯具では、高温によるLEDの発光効率の低下を防ぐため、LED及び電源の高発熱化に対応する構造が必要となっていた。
【0009】
本発明の目的は、洞道内であっても小型化を図ることができ、効率良く放熱して安定して長く使用できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の照明装置は、
透光性を有する透光筒部内に発光部を収容し、前記透光筒部の両端側を閉塞部で閉塞して形成された筐体を有する照明装置において、
前記閉塞部は、前記透光筒部の開口端部に外嵌する筒状の端部接続部を有し、
前記端部接続部内には、前記筐体内部を前記筐体の延在方向で、前記発光部を収容する発光領域と隣接領域とに仕切り、且つ、熱伝導性を有する放熱仕切り部が設けられ、
前記放熱仕切り部は、
前記筐体内部を仕切る板状の仕切り部本体と、
前記仕切り部本体の外周部に接続され、且つ、前記延在方向に延在する筒状の筒状放熱部と、を有し、
前記筒状放熱部は、前記延在方向に延在する外周面で前記端部接続部或いは前記透光筒部の内周面に当接する構成を採る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洞道内であっても小型化を図ることができ、効率良く放熱して安定して長く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態に係る照明装置の右側面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る照明装置の平面図である。
図3】本発明の実施の形態に係る照明装置の基端部を示す背面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る照明装置の先端部を示す正面図である。
図5図3のB-B線矢視断面図である。
図6】本発明の実施の形態に係る照明装置の基端側においてキャップ部を外した状態を示す図である。
図7図1のA-A線矢視断面図である。
図8】本発明の実施の形態に係る照明装置の光源ユニットを示す斜視図である。
図9図5のX部分を示す拡大断面図である。
図10】本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例1の要部構成の説明に供する縦断面図である。
図11図10のC-C線断面図に対応する断面図である。
図12図10のX1部分を示す拡大断面図である。
図13】本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例2の要部構成の説明に供する縦断面図である。
図14図13のD-D線断面図に対応する断面図である。
図15図13のX2部分を示す拡大断面図である。
図16】本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例3の要部構成の説明に供する縦断面図である。
図17図16のE-E線断面図に対応する断面図である。
図18図16のX3部分を示す拡大断面図である。
図19】本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例4における放熱仕切り部の説明に供する図である。
図20図19のF-F線矢視断面図である。
図21】本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例5における放熱仕切り部の説明に供する図である。
図22図21においてキャップ部を外して外側開口部側からみた放熱仕切り部の取付構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態に係る照明装置では、筐体内の光源を発光するためのケーブルの筐体から導出方向を基端側として説明する。この基端を示す方向と、他の先端(前)、左、右等の方向を示す表現は、照明装置1の各部の構成及び動作を説明するために使用される、絶対的なものでなく相対的なものである。すなわち、照明装置1の各部が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
【0015】
図1図4に示す照明装置1は、ケーブル12を介して外部から供給される電力により、発光する。照明装置1は、例えば、洞道内に、洞道の延在方向に沿って布設されたメインケーブル(図示省略)を所定間隔で分岐させた分岐部に、ケーブル12の端部のモールドレセプタクル13を接続して用いられる。なお、ケーブル12は、モールドレセプタクル13により分岐部に水密で接続される。
【0016】
照明装置1は、光源35及び光源35を駆動する電源モジュール3を収容し、且つ、透光性を有する発光室(発光領域)1aと、発光室1aに隣接して設けられ、発光室1a内温度と異なる室温の閉塞室(隣接する空間領域)1b、1cと、を有している。なお、閉塞室1b、1cは、発光室1aに対して透光筒部6の軸方向、つまり発光室1aの軸方向で隣接する。
【0017】
本実施の形態の照明装置1では、中空の筐体2の内部が、発光室1a(図5参照)と閉塞室1b、1c(図5参照)との複数の空間領域に分割されている。照明装置1は、発光室1aに対して温度差のある閉塞室1b、1c(図5参照)により発光室1a(図5参照)の高温化を防いでいる。本実施の形態では、発光室1aの室温よりも閉塞室1b、1cの室温が低い。また、照明装置1は防浸形であり、例えば、電気機械器具の外郭による保護等級(JISC0920IPX7)を満たす。なお、閉塞室1b、1cに更に隣接して閉塞室が設けられてもよい。透光筒部6の軸方向で発光室1aを挟み2つ以上の閉塞室を設けた構成としても良い。その場合、発光室1aから離れるに従って閉塞室の室温は低くなる。
【0018】
照明装置1の具体的な構成について説明する。
図5図3のB-B線矢視断面図であり、図6は、本発明の実施の形態に係る照明装置の基端側においてキャップ部を外した状態を示す図であり、図7は、図1のA-A線矢視断面図である。また、図8は、本発明の実施の形態に係る照明装置の光源ユニットを示す斜視図である。
【0019】
照明装置1の筐体2は、光源35及び電源モジュール3を収容し、透光性を有する筒状の透光筒部6と、透光筒部6の両端側を閉塞する閉塞部7、8とを有する。本実施の形態では閉塞部7、8は、開口端部接続部72、82及びキャップ部74、84を有する。透光筒部6に開口端部接続部72、82を介してキャップ部74、84を取り付けることで透光筒部6、ひいては、筐体2自体を完全密閉するように構成されている。
【0020】
<電源モジュール3>
電源モジュール3は、ケーブル12及び光源35に接続され、ケーブル12を介して電力が供給されると光源35を駆動して発光させる。
【0021】
電源モジュール3は、光源を発光させるものであればどのように構成されてもよい.本実施の形態では、LEDに直流を供給して発光させる直流電源装置である。
【0022】
電源モジュール3は、シャーシ4の電源取付部42に対して、駆動時に発する熱が電源取付部42を伝導するように固定される。例えば、ビス等の止着部材(図示省略)により止着されている。電源モジュール3はシャーシ4において上面側に配置されている。
【0023】
<光源35>
光源35は、透光筒部6内に収容される発光部を構成する。光源は、電源モジュール3とともに、発光部を構成してもよい。光源35は、本実施の形態では、LEDであり、例えば、白熱電球、或いは、グロースターター式やラピッドスタート式の蛍光灯と比較して消費電力量が小さい発光体である。
光源35は、複数のLEDを有し、シャーシ4の下面側を構成する光源取付部43に固定されている。
【0024】
<シャーシ4>
シャーシ4は、透光筒部6内で発光部を支持する。シャーシ4は、長手方向に延在する長尺のものであり、本実施の形態では、熱を伝導する熱伝導部材により、透光筒部6の軸方向に延在するように形成されている。シャーシ4は、本実施の形態では、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属材料により形成されている。
【0025】
シャーシ4は、電源モジュール3が取り付けられる板状の電源取付部42と、光源35が取り付けられる光源取付部43とを有する。
【0026】
電源取付部42と光源取付部43は、それぞれ熱伝導性を有する長尺の板材を加工して形成され、上下で離間して互いに対向して平行に、長手方向に延在してされている。
電源取付部42と光源取付部43との接合は、例えば、図7及び図8に示すように、板状の電源取付部42に、下面に突設された脚部(スペーサ)44を介して、電源取付部42が吊られるように固定されている。なお、脚部44は、電源取付部42と光源取付部43と同様に、熱伝導性を有する材料により構成されていることが好ましく、これにより光源35側からの発熱を電源取付部42に伝達させることができる。脚部44は、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属材料により形成される。
【0027】
この構成により、シャーシ4に取り付けられた複数の光源35と、電源モジュール3とは、脚部44を介して上下方向で離間して配置されている。
【0028】
電源取付部42は、上面(表面)側に電源モジュール3が固定される。電源取付部42は、透光筒部6に沿って配置され、両端部でそれぞれ接合部46を介して放熱仕切り部5、50に固定されている。すなわち、シャーシ4の両端部には放熱仕切り部5、50が接合されている。
【0029】
接合部46は、熱伝導性を有し、例えば、アルミニウム等の金属材料により形成される。接合部46は、電源取付部42の両端部のそれぞれに積層して面接触して固定される固定面部462と、固定面部462から垂直に屈曲した接合面部464とを有する。接合面部464は、放熱仕切り部5、50に全面的に接触して固定され、これにより、電源取付部42は、放熱仕切り部5、50に面接触した状態で一体的に強固に固定されている。なお、電源取付部42、接合部46及び放熱仕切り部5、50の固定は、溶接、ビス等による締結など、熱伝導可能な接合手段或いは接合部材を介して接合されている。
【0030】
光源取付部43は、取付板部432と、取付板部432の長手方向に沿う一辺から下方に下るように屈曲する傾斜板部434とをそれぞれ有する一対の取付部材を有する。光源取付部43は、例えば、取付板部432と傾斜板部434とを有する略L字形状の断面を有する長尺基板であってもよい。
【0031】
光源取付部43では、一対の取付部材を電源取付部42の下方で、軸方向からみて左右対称に設けている。具体的には、一対の取付板部432、432は電源取付部42と対向する位置で互いに離間して面状に配置されている。これら取付板部432、432の互いに対向するそれぞれの辺部から、傾斜板部434が互いに対向する方向に向かって下るように配置されている。
【0032】
傾斜板部434の裏面(下側の面)に複数の光源35が、長手方向に沿って直線状に所定間隔を空けて配列されている。
【0033】
光源35は、配設された傾斜板部434の裏面から垂直方向に光を照射する。よって、光源35は、一対の取付部材のそれぞれにおいて、シャーシ4の下面において傾斜板部434の傾斜に対応して、斜め下方に向けて放射方向で広がるように照射する。なお、この傾斜板部434の角度或いは光源35の照射角度を調整することによって、光の照射方向を変更できる。
【0034】
<放熱仕切り部5、50>
図9は、図5のX部分を示す拡大断面図である。
図5図9に示す放熱仕切り部5、50は、熱を伝導する熱伝導部材により構成されている。
【0035】
放熱仕切り部5、50は、シャーシ4に熱伝導可能に接合される。放熱仕切り部5、50は、透光筒部6内で電源モジュール3及び光源35の駆動により発する熱を、透光筒部外に放熱する。放熱仕切り部5、50は、シャーシ4からの熱を全面で放熱するともに、外面で接触する閉塞部7、8を介して効率よく放熱する。
【0036】
放熱仕切り部5、50は、透光筒部6の両端部近傍に配置されており、本実施の形態では、開口端部接続部72、82において軸方向内側で開口する内側開口部72a、82aに接合する。放熱仕切り部5、50は、透光筒部6と、開口端部接続部72、82のそれぞれの軸方向内側部分とともに発光室1aを形成している。
【0037】
放熱仕切り部5、50は、内側開口部72a、82a内で、開口端部接続部72、82のそれぞれの内周に密着するように内嵌して配置されている。放熱仕切り部5、50は、開口端部接続部72、82の内径を気密的に閉塞するように固定されている。
【0038】
なお、放熱仕切り部5、50は、図8に示すように、電源モジュール3及び光源35が取り付けられたシャーシ4に接合されることで光源ユニット20を構成している。光源ユニット20は、開口端部接続部72、82が取り付けられた透光筒部6内に挿入するだけで、放熱仕切り部5、50で仕切られた発光室1aを形成することができる。
【0039】
放熱仕切り部5、50は、例えば、アルマイト処理されたアルミニウム等の熱伝導性を有する材料で形成される。放熱仕切り部5、50は、仕切り板本体52と、仕切り板本体52の外周に熱伝導可能に接続される筒状放熱部54と、を有する。
【0040】
仕切り板本体52は、シャーシ4の両端部に連続して固定され、照明装置1内において発光室1aと、発光室1aに対して透光筒部6の軸方向で隣接する閉塞室(空間領域)1b、1cとに分割する。
【0041】
仕切り板本体52は、板状であり、ここでは円盤状部材により形成されているが、これに限らず、矩形板状、多角形状、楕円状等のどのような形状に形成されてもよい。仕切り板本体52は、透光筒部6、ひいては、照明装置1の形状に対応して形成されている。
【0042】
仕切り板本体52は、シャーシ4の両端部のそれぞれに接合部46を介して直交して接合されている。仕切り板本体52はそれぞれの中心軸上にシャーシ4が位置するように接合されている。
仕切り板本体52は、接合部46の接合面部464(図7及び図8参照)を介してシャーシ4からの熱が伝導させる。
【0043】
仕切り板本体52は、閉塞部7、8を構成する開口端部接続部72の固定用の環状リブ726に面接触して止着部材77を介して固定されている。
【0044】
筒状放熱部54は、軸方向で所定の長さを有する筒状であり、外面で他部材に密着して固定され、接続される仕切り板本体52からの熱を他部材に伝導する。他部材は、筒状の開口端部接続部72の内周面であるが、透光筒部6の内周面であってもよい。
筒状放熱部54の外径及び内径の寸法は、図9に示すように透光筒部6と同じ寸法である。筒状放熱部54は、放熱仕切り部5、50では、仕切り板本体52と一体の有底筒状に形成されている。
【0045】
放熱仕切り部5、50は、透光筒部6の端部とともに、開口端部接続部72、82の内側開口部72aに内嵌し、外周の一部(放熱仕切り部では外周全面)が開口端部接続部72、82の内周に当接(密着が好ましい)している。
【0046】
放熱仕切り部5、50は、内側開口部72a、82aを介してシャーシ4側からの熱を伝導して、開口端部接続部72、82の外方に発散させて、シャーシ4、透光筒部6内の温度を下げることができる。
【0047】
なお、放熱仕切り部5と同形状の放熱仕切り部50は、挿通孔(図示省略)を有する。放熱仕切り部50の挿通孔には、電源モジュール3に接続される接続ケーブルが挿通され、接続ケーブルは、ケーブル12(図1及び図2参照)に接続されている。なお、接続ケーブルはケーブル12と同一のケーブルであってもよい。
【0048】
<透光筒部6>
透光筒部6は、光を透過する材料、例えば、透光性を有するガラス或いは樹脂等により形成される筒状体である。本実施の形態では、透光筒部6は、ポリカーボネイト製の筒状体である。また、透光筒部6は半透明で形成され、光源35の出射光の一部を透過し、残りを反射するようにしてもよい。
【0049】
<閉塞部7、8>
閉塞部7、8は、筐体2において、放熱仕切り部5、50とともに透光筒部6を閉塞して密閉して、発光室1aに隣接した内部空間1b、1cを構成している。閉塞部7、8は、絶縁材料により形成されることが好ましい。
【0050】
閉塞部7の有する開口端部接続部72及びキャップ部74と、閉塞部8の有する開口端部接続部82及びキャップ部84とは、ケーブル12が挿通される構造の点が相違し、それ以外では、略同様の形状、略同様の機能を有する。
よって、以下では、主に閉塞部7について説明し、閉塞部8、開口端部接続部82及びキャップ部84の詳細な説明は、閉塞部7の説明をする際に、同名称に、閉塞部8において閉塞部7の構成と対応する構成の符号を付して説明する。
【0051】
閉塞部7、8では、図5及び図9に示すように、開口端部接続部72、82は、透光筒部6の両端部(開口端部)と放熱仕切り部5、50とに取り付けられて、放熱仕切り部5、50とともに透光筒部6の開口端部を閉塞する。なお、キャップ部74、84は、開口端部接続部72、82に取り付けられて、開口端部接続部72、82の閉塞室(内部空間)1b、1cを閉塞する。
【0052】
図5及び図9に示すように、開口端部接続部72、82は、筒状に形成され、透光筒部6の両端部に配置された放熱仕切り部5、50のそれぞれに外嵌した状態で接合される。
【0053】
開口端部接続部72、82は、内側開口部72a、82aで、透光筒部6の両端部及び放熱仕切り部5、50に面接触するように外嵌する。開口端部接続部72、82では、内側開口部72a、82aとは逆側(軸方向で逆側)の外側開口部72b、82bに、外側開口部72b、82bを閉塞するキャップ部74、84が取り付けられている。
【0054】
開口端部接続部72、82には、放熱仕切り部5、50が、軸方向の中間部分に仕切り板本体52を位置させ、開口端部接続部72、82の内面に放熱仕切り部5、50の外面が密着するように、内嵌している。
開口端部接続部72、82は、具体的には、筐体2の軸方向に所定の長さを有し、この長さにより閉塞室1b、1cの空間の大きさを規定する。
【0055】
開口端部接続部72は、筒状体において軸方向の一方側(内側、発光部側)で開口し、内側開口部72aを形成する筒状の筒部側接続部722と、軸方向の他方側(外側)で開口する外側開口部72bを形成する筒状のキャップ部側接続部724とを有する。
【0056】
筒状体の内周面には、筒部側接続部722とキャップ部側接続部724とを筒状体で軸方向に外周部分で仕切る環状リブ726が設けられている。また、開口端部接続部72の筒状体の外周の一部には吊り下げアーム728が突設されている。吊り下げアーム728は、設置箇所に取り付けられた固定板15に固定されている。
【0057】
内側開口部72a、82a内には、放熱仕切り部5、50が、透光筒部6の端部とともに、内嵌した状態で配置される。具体的には、放熱仕切り部5、50の外面と透光筒部6の端部の外面とが全面的に内側開口部72aの内周面に密着している。透光筒部6の端部には、環状の締結環状部材76が外挿されている。締結環状部材76が、弾性防水部94を介して、内側開口部72a、82aの開口部に外嵌されている。これにより、透光筒部6、放熱仕切り部5、50は開口端部接続部72、82に固定されている。なお、弾性防水部94は、弾性変形して防水処理を施す機能を有し、例えば、弾性防水部92とともに、Oリングなどのパッキンであることが好ましい。
【0058】
開口端部接続部82は、上述のように開口端部接続部72と同様に構成され、同様の機能を有する。開口端部接続部82は、筒部側接続部722、キャップ部側接続部724、環状リブ726及び吊り下げアーム728に対応した筒部側接続部、キャップ部側接続部、フランジ部及び吊り下げアーム828を有する(図示省略)。吊り下げアーム828は、吊り下げアーム728とともに、照明装置1を設置個所に吊り下げた状態で固定する。
【0059】
環状リブ726は、開口端部接続部72の筒状の本体部分の内側で内側開口部72aと外側開口部72bとを仕切る。
環状リブ726は、仕切り板本体52に設けられた止着孔に対応する位置に、リブ側止着孔が形成されている。リブ側止着孔と仕切り板本体52の止着孔とに挿入される止着部材77を介して、環状リブ726と仕切り板本体52、つまり、シャーシを含む光源ユニット20と開口端部接続部72とが内嵌した状態で接合されている。なお、止着部材77は導電性を有する部材、例えば、ボルト、ビス等により構成される。
【0060】
環状リブ726は、環状としているが、環状でなくてもよく、軸方向で仕切り板本体52に当接して熱伝導可能に固定されるものであれば、どのような形状でもよい。なお、開口端部接続部82における環状リブの構成及び機能は、開口端部接続部72、82における環状リブ726の構成及び機能と同様である。環状リブ(環状リブ726)は、止着部材77の止着により、放熱仕切り部5、50の筒状放熱部54の外面の少なくとも一部が、閉塞部7、8に密着して、面接触した状態で、固定される。
【0061】
キャップ部側接続部(図では724のみ示す)は、それぞれキャップ部74、84が嵌合することにより密閉されている。図9に示すキャップ部側接続部724は、有底筒状に形成される。キャップ部側接続部724の外周には、キャップ部74の雌ねじ部744と螺合する雄ねじ部が設けられている。キャップ部側接続部724とキャップ部74とは、弾性防水部94を介して螺合することにより絶縁性、防水性を確保して嵌合した状態となっている。なお、弾性防水部92は、弾性防水部94と同様である。
【0062】
キャップ部74、84は、開口端部接続部72、82とともに閉塞部7、8として、透光筒部6を、その両端部で閉塞して密閉する。キャップ部74、84は、開口端部接続部72、82とともに、ABS樹脂等の樹脂材料により形成される。キャップ部74、84は、開口端部接続部72、82とともに、熱伝導性を有する材料で形成されることが好ましい。なお、開口端部接続部72、82を介さずに、透光筒部6の両開口端部に、両開口端部を閉塞するように固定する構成としてもよい。その場合、放熱仕切り部5、50の外面は、キャップ部74、84の内周面に密着して接合される。
【0063】
なお、基端部側のキャップ部84には、中央部にケーブル12が挿通された挿通部14が取り付けられている。挿通部14はナットを介してケーブル12が気密的に挿通されている。すなわち、筐体2にはケーブル12が挿通されているが、筐体2の内部は密閉された状態となっている。
【0064】
吊り下げアーム728、828は、開口端部接続部72、82の外周の一部(具体的には筒状体の外周の上面)から軸方向と直交する方向に突出して設けられている。照明装置1は、固定板15を洞道の天井面に固定した際に、吊り下げアーム728、828を介して天井面から吊り下げられた状態で保持される。吊り下げアーム728、828は、所定の厚みを有する板状に形成される。吊り下げアーム728、828は、開口端部接続部72、82の一部であるので、樹脂製であり絶縁機能を有する。
【0065】
吊り下げアーム728、828は固定板15に吊り下げ金物16を介して固定されている。なお、固定板15は、照明装置1の軸方向と直交するように延在して形成され、照明装置1の全長に対応した長さを有する。固定板15には、長手方向に延在する両側部から垂下して両側板15aが設けられている。
【0066】
吊り下げ金物16は、板金を折り曲げたL字状に形成され、一面部を固定板15に固定することにより、固定板15と一体に設けられている。吊り下げ金物16は、固定板15から垂下する他面部を有し、他面部に吊り下げアーム728、828が固定されている。吊り下げ金物16では、L字状のうちの一面部が、固定板15にスポット溶接等により固定され、他面部が固定板15から垂下するように配設される。この他面部には、吊り下げアーム728、828が、照明装置1の長手方向で密着した状態で固定されている。
【0067】
吊り下げアーム728、828は、ビス等の止着部材18を介して、吊り下げ金物16に止着されている。例えば、吊り下げアーム728、828は、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、吊り下げ金物16の他面部は、貫通孔に対応する位置に、バーリング加工により形成された雌ねじ部を有する。
【0068】
吊り下げアーム728、828の貫通孔に、ビス等の止着部材の軸部を挿入して、止着部材の頭部を表面に係止させ、軸部は、吊り下げアーム728、828の貫通孔を挿通して雌ねじ部に螺合している。これにより、吊り下げアーム728、828は、厚み方向、つまり、照明装置1の軸方向で吊り下げ金物16に止着され、照明装置1を固定板15に固定している。なお、本実施の形態の照明装置(後述する各変形例の照明装置も含む)1、1A、1B、1Cは、バーリング加工された雌ねじ部に、止着部材を螺合して固定板15に吊り下げられた状態で固定されており、ナットを使用しない構造であるが、これに限らない。吊り下げ金物16の他面部に、雌ねじ部に替えて貫通孔を設け、この貫通孔に、吊り下げアーム728、828を挿通する軸部を挿通し、軸部の先端側からナットを螺合する構成としてもよい。これにより、吊り下げアーム728、828と、吊り下げ金物16は止着され、照明装置1、1A、1B、1Cは、固定板15に吊り下げられた状態で固定される。
【0069】
照明装置1において、電源モジュール3に電力を供給して光源35を発光させる。光源35は、照明装置1のシャーシ4の42の下部で中心軸を含む鉛直面を中心に、左右に略45°の角度を向いて照射する。光源35を発光させると、電源モジュール3及び光源35であるLEDは発熱し、この熱はシャーシ4を通してシャーシ4の両端に伝達し、放熱仕切り部5、50に伝導する。
【0070】
照明装置1は、透光性を有する透光筒部6内に電源モジュール3を収容し、透光筒部6の両端側を閉塞部7、8で閉塞して形成された筐体2を有し、筐体2は、筐体2の内部を仕切る放熱仕切り部5(50)を備える。
このように本実施の形態の照明装置1では、中空の筐体2を複数の空間領域に仕切ることにより、発熱元の空間と温度差が発生し、この温度差により熱流を発生させ効率良く外部へ放熱させることができる。
【0071】
放熱仕切り部5(50)は、シャーシ4の両端部に接合された仕切り板本体52で、筐体内部を仕切り、仕切り板本体52の外周に接合された筒状放熱部54の外面が開口端部接続部72、82の内面に当接している。詳細には、開口端部接続部72では、筒部側接続部722の内面と環状リブ726の外周部のとの角部に接触するように配設されている。開口端部接続部82でも同様に放熱仕切り部50に接触している。
【0072】
これにより、光源35の発光によりシャーシ4自体が加熱されると、両端部の接合部46を介して仕切り板本体52に伝達し、仕切り板本体52で放熱するともに、筒状放熱部54で放熱する。筒状放熱部54は開口端部接続部72の筒部側接続部722に密着しているので、その接触面積全体を介して、光源35からの熱が筒部側接続部722から開口端部接続部72に伝達され、開口端部接続部72で放熱される。
【0073】
これにより、光源35による発熱を照明装置1全体で効率良く放熱できる。また、光源35が、熱に弱いLED(80℃以上で劣化が始まることが知られている)であっても、発光室1a内の温度の上昇を容易に防止できる。これにより、洞道内において、且つ、電源モジュール3を用いて電源モジュール3により発光するLEDであっても、安定して発光させて使用できる。
【0074】
照明装置1によれば、発光室1aが、閉塞室1b、1cと仕切られていることに加えて、放熱仕切り部5(50)及び放熱仕切り部5(50)を介して閉塞部7、8で放熱する。これにより、発光室1a内温度の上昇をより効果的に防ぐことができ、洞道における発光室1aの室温を所定の温度以下(例えば、外気40[℃]における発光室1a内温度60[℃]以下)にできる。
【0075】
照明装置1によれば、小型化を図ることができ、効率良く放熱して安定して長く使用できる。
【0076】
<変形例>
以下、照明装置1において、主に放熱仕切り部が異なる構成を照明装置1の変形例として説明する。なお、各変形例の照明装置1A~1Cにおいて、照明装置1と同様な部分には同じ符号を付し、異なる部分を中心にして説明する。
【0077】
<変形例1>
図10は、本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例1の要部構成の説明に供する縦断面図である。図11は、図10のC-C線断面図に対応する断面図であり、同変形例1の照明装置における放熱仕切り部と透光筒部との位置関係を示す図である。また、図12は、図10のX1部分を示す拡大断面図である。
【0078】
図10図12に示す変形例1としての照明装置1Aは、照明装置1と比較して、透光筒部6Aの両端部、放熱仕切り部5A、50A、閉塞部7A、8Aの開口端部接続部72A、82Aの構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0079】
開口端部接続部72A、82Aは、開口端部接続部72、82と同様の機能を有し、開口端部接続部72、82と比較して、内側開口部72a、82a内において、透光筒部6Aと放熱仕切り部5A、50Aの配置構造が異なる。
【0080】
照明装置1Aでは、透光筒部6Aの両端部(図12では端部62)は、閉塞部7A、8Aの開口端部接続部72A、82Aの内側開口部72a、82aに内嵌する。その際、透光筒部6Aの両端部は、それぞれの外周面で筒部側接続部722Aの内周面に当接し、且つ、開口端で環状リブ726Aに当接する。
【0081】
開口端部接続部72A、82Aの内側開口部72a、82aには、放熱仕切り部5A、50Aを内嵌した透光筒部6Aの両端部が内嵌する。具体的には、内側開口部72a、82aにおいて筒部側接続部722Aの内周面に透光筒部6Aの端部の外周面が当接し、透光筒部6A側から筒部側接続部722A側に熱が伝導される。また、透光筒部6Aの内周面に筒状放熱部54Aの外周面が当接し、筒状放熱部54Aから透光筒部6A側に熱が伝導する。
【0082】
また、内側開口部72a、82aにおいて環状リブ726Aの光源側の面に透光筒部6Aの開口端と筒部側接続部722Aの内周面に仕切り板本体52Aの外面とが当接し、相互間の熱伝導が可能となっている。
【0083】
内側開口部72aには、締結環状部材76が、弾性防水部94を介して、内側開口部72aの開口部に外嵌される。また、外側開口部72bは、閉塞部7の開口端部接続部72の外側開口部72bと同様に、キャップ部74の雌ねじ部744がキャップ部側接続部724Aの外周部に弾性防水部92を介して螺合され、キャップ部74により閉塞される。
【0084】
照明装置1Aの放熱仕切り部5A、50Aは、照明装置1Aの放熱仕切り部5、50と同様に、シャーシ4の両端部に接合部46を介して熱伝導可能に接合される。
放熱仕切り部5A、50Aは、仕切り板本体52Aと、仕切り板本体52Aの外周に熱伝導可能に接続される筒状放熱部54Aと、を有し、仕切り板本体52Aの外周から筒状放熱部54Aが突出した有底筒状に形成されている。
【0085】
筒状放熱部54Aが、透光筒部6Aの内に、透光筒部6Aの内側から当接して配置されている。筒状放熱部54Aの外面が透光筒部6Aに面接触することが好ましい。
放熱仕切り部5A、50Aの仕切り板本体52Aは、透光筒部6Aの開口端とともに環状リブ726Aに面接触している。
【0086】
すなわち、放熱仕切り部5A、50Aは、内側開口部72a、82a内に、透光筒部6Aの両端部とともに内嵌し、透光筒部6Aの両端部とともに開口端部接続部72、82のそれぞれの内側面に密着して配置されている。放熱仕切り部5A、50Aは、透光筒部6Aとともに開口端部接続部72A、82Aの内径を気密的に閉塞するように固定されている。
【0087】
この構成により、光源の発熱は、シャーシ4を介して放熱仕切り部5A、50Aに伝達されると、仕切り板本体52A及び筒状放熱部54Aから放熱する。仕切り板本体52Aは、環状リブ726Aに当接(ここでは面接触)し、筒状放熱部54Aの外面は透光筒部6Aに当接している。
【0088】
仕切り板本体52Aに伝導された熱は環状リブ726Aに伝達され、キャップ部側接続部724Aを介して、キャップ部74に伝導される。筒状放熱部54Aに伝導された熱は、透光筒部6Aを介して筒部側接続部722Aと環状リブ726Aに伝導され、開口端部接続部72Aが放熱し、開口端部接続部72A自体及びキャップ部74が放熱する。
このように、閉塞部7、8では、仕切り板本体52Aに加えて、筒状放熱部54Aでも、それぞれに当接する外部部材、例えば開口端部接続部72Aで放熱できる。
【0089】
<変形例2>
図13は、本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例2の要部構成の説明に供する縦断面図であり、図14は、図13のD-D線断面図に対応する断面図であり、図15は、図13のX2部分を示す拡大断面図である。
【0090】
図13図15に示す変形例2としての照明装置1Bは、照明装置1と比較して、透光筒部6Bの両端部、放熱仕切り部5B、50B、閉塞部7B、8Bの開口端部接続部72B、82Bの構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0091】
照明装置1Bが、照明装置1と特に相違点は、有底筒状に構成される放熱仕切り部5B、50Bのうち、周壁部分を構成する筒状放熱部54Bが開口端部接続部72Bに設けられている点である。
【0092】
図13図15に示す照明装置1Bでは、透光筒部6Bの両端部は、放熱仕切り部5B、50Bの仕切り板本体52Bに軸方向で当接して閉塞されている。透光筒部6Bの両端部は、仕切り板本体52Bで閉塞された状態で、閉塞部7B、8Bの開口端部接続部72B、82Bの内側開口部72a、82aに内嵌している。
【0093】
また透光筒部6Bの端部62の外周面が、筒状の筒部側接続部722の内周面に当接して固定されている。なお、開口端部接続部72Bにおいて、外側開口部72b(82b)側の構成と728B側の構成は、開口端部接続部72の外側開口部72b(82b)側の構成と吊り下げアーム728側の構成と同様であるので、同符号を付して説明は省略する。
【0094】
放熱仕切り部5B、50Bは、照明装置1Bの放熱仕切り部5、50と同様に、シャーシ4の両端部に接合部46を介して熱伝導可能に接合される。
放熱仕切り部5B、50Bは、仕切り板本体52Bと、仕切り板本体52Bの外周に熱伝導可能に接合される筒状放熱部54Bと、を有する。
【0095】
仕切り板本体52Bは、環状リブ726Bの開口を塞ぐように、内側開口部72a内に配置されている。仕切り板本体52Bは、環状リブ726Bに面接触して配置されている。
【0096】
仕切り板本体52Bは、内側開口部72aの周壁部分を構成する筒状の筒部側接続部722Bの内周面に、仕切り板本体52Bの外周面が当接するように、内側開口部72aの凹状の底部に配置されている。仕切り板本体52Bの外周部には、内側開口部72aの内周面に内嵌する透光筒部6Bの端部62が突き当てられている。
【0097】
仕切り板本体52Bの外周面に当接する筒状放熱部54Bは、開口端部接続部72内に一部を外部に露出させた状態で埋設され、開口端部接続部72と一体に設けられている。
筒状放熱部54Bは、内周面を内側開口部72aの内周面の一部を構成するように設けられ、内周面が内側開口部72aの内側で露出しており、露出部分で仕切り板本体52Bに接続されている。筒状放熱部54Bと仕切り板本体52Bとは熱伝導可能に接合されてもよいし、溶接されてもよい。
【0098】
筒状放熱部54Bは、熱伝導性を有する例えば金属製であるので、筒状放熱部54Bは、インサート品として開口端部接続部72にインサート成形されている。筒状放熱部54Bの外面は確実に開口端部接続部72に密着した構成となり、開口端部接続部72に熱を伝導して好適に放熱できる。
【0099】
照明装置1Bでは、仕切り板本体52Bは、中実で板状であり、光源35を搭載したシャーシ4の両端部で接合される。仕切り板本体52Bが、筒部側接続部722Bの内側開口部72a内において、筒部側接続部722B内の筒状放熱部54Bに熱伝導可能に接続されている。また、仕切り板本体52Bは、環状リブ726Bに、軸方向で密着し、相互間の熱伝導が自在である。
【0100】
この構成により、光源の発熱は、シャーシ4を介して放熱仕切り部5B、50Bに伝達されると、仕切り板本体52Bと筒状放熱部54Bから放熱する。仕切り板本体52Bは、環状リブ726Bに当接(ここでは面接触)し、筒状放熱部54Bの外面は透光筒部6Bに当接しているので、接触先に熱は伝達される。
【0101】
特に、筒状放熱部54Bに伝導された熱は、筒部側接続部722Bに伝導され、開口端部接続部72B全体で放熱する。閉塞部7B、8Bでは、仕切り板本体52Bに加えて、筒状放熱部54Bでも、それぞれに当接する外部部材、例えば開口端部接続部72Bで放熱できる。
【0102】
<変形例3>
図16は、本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例3の要部構成の説明に供する縦断面図であり、図17は、図16のE-E線断面図に対応する断面図である。また、図18は、図16のX3部分を示す拡大断面図である。
【0103】
図16図18に示す変形例3としての照明装置1Cは、照明装置1と比較して、放熱仕切り部5C、50C、閉塞部7C、8Cの開口端部接続部72C、82Cの構成が異なり、その他の構成は同様である。
【0104】
照明装置1Cが、照明装置1の構成と特に相違する点は、有蓋筒状に構成される放熱仕切り部5C、50Cの筒状放熱部54Cの外周側に筒状放熱部54Cに当接する筒状の補強用筒状放熱部540を有する点である。補強用筒状放熱部540は、開口端部接続部72Cに設けられている。以下、照明装置1Cについて具体的に説明する。
【0105】
図16図18に示す照明装置1Cでは、透光筒部6Cの両端部は、放熱仕切り部5C、50Cとともに、開口端部接続部72C、82Cの内側開口部72a、82aで嵌合している。
【0106】
なお、開口端部接続部72Cにおいて、外側開口部72b(82b)の構成と吊り下げアーム728Cの構成は、照明装置1のものと同様の構成であるので、同符号を付して説明は省略する。
【0107】
放熱仕切り部5C、50Cは、照明装置1の放熱仕切り部5、50と同様に、シャーシ4の両端部に接合部46を介して熱伝導可能に接合される。
【0108】
放熱仕切り部5C、50Cは、放熱仕切り部5、50と同様の構成である有蓋筒部520と、内側開口部72aの周壁部分を構成する筒部側接続部722Cに配置された補強用筒状放熱部540とを有する。
【0109】
有蓋筒部520は、透光筒部6Cの両端開口部を閉塞するよう構成される。筒状放熱部54Cの外径は、透光筒部6Cの周壁部分の外径と同じ外径であり、内径も同径であり、同じ厚さに構成されている。
【0110】
すなわち、有蓋筒部520と透光筒部6Cの両端部とは、開口部どうしを付き合わせた状態で、内側開口部72a(82a)に内嵌している。
【0111】
有蓋筒部520は、照明装置1の放熱仕切り部5、50と同様に構成されており、シャーシ4に固定される円盤状の仕切り板本体52Cと、仕切り板本体52Cの外周に熱伝導可能に接合される筒状放熱部54Cとを一体に有した有蓋筒状に形成されている。
【0112】
仕切り板本体52Cは、環状リブ726Cの開口を塞ぐように、内側開口部72a内に配置され、発光室1aと閉塞室1b、1cとを仕切る。
有蓋筒部520では、蓋部を構成する仕切り板本体52Cが、環状リブ726Cに軸方向で面接触し、熱伝導可能である。
【0113】
また、筒状放熱部54Cの外周面は、筒部側接続部722Cに設けられた補強用筒状放熱部540の内周面に当接している。なお、筒状放熱部54Cの外面と面一の透光筒部6Cの外面は、筒部側接続部722Cの内面に当接する。
【0114】
補強用筒状放熱部540は、開口端部接続部72C内に、内周面を外部に露出させた状態で埋設されており、開口端部接続部72と一体的に設けられている。
【0115】
補強用筒状放熱部540は、開口端部接続部72Cにおいて、筒状の内側開口部72aの周壁部分を構成する筒状の筒部側接続部722Cと同じ内径を有する。
【0116】
補強用筒状放熱部540は、有蓋筒部520の外周面、つまり、筒状放熱部54Cの外周面に当接する。補強用筒状放熱部540は有蓋筒部520の外周面に全面的に面で接触することが望ましい。
【0117】
補強用筒状放熱部540は、導電性を有し、内側開口部72aにおいて有蓋筒部520の筒状放熱部54Cの外周を当接した状態で囲む位置に配設されている。
【0118】
本変形例では、補強用筒状放熱部540は、筒状放熱部54Cと同じ軸方向の長さに形成されており、筒状放熱部54Cの外周面から放射する熱が全面的に伝導される。補強用筒状放熱部540は、効果的にシャーシ4から伝導された熱を、外周面が埋設される筒部側接続部722Cに伝導する。
【0119】
補強用筒状放熱部540と有蓋筒部520は、有蓋筒部520から補強用筒状放熱部540側に熱伝導可能な一体となるように接続されていれば、どのように接続された状態としてもよい。双方は接触による接続状態、溶接等の接合状態、止着部材、接着材を用いた接続状態としてもよい。
【0120】
補強用筒状放熱部540は、金属等の熱伝導性を有する材料からなる。補強用筒状放熱部540は、インサート品として開口端部接続部72にインサート成形されている。この構成により、補強用筒状放熱部540の外面は確実に開口端部接続部72に密着した構成となり、開口端部接続部72に熱を伝導して好適に放熱できる。
【0121】
このように照明装置1Cでは、仕切り板本体52Cは、中実で板状であり、光源35を搭載したシャーシ4の両端部で接合される。
仕切り板本体52Cが、筒部側接続部722Cの内側開口部72a内において、筒部側接続部722C内の筒状放熱部54Cに熱伝導可能に接続されている。また、仕切り板本体52Cは、環状リブ726Cに、軸方向で密着し、相互間の熱伝導が自在である。
【0122】
この構成により、光源の発熱は、シャーシ4を介して放熱仕切り部5C、50Cに伝達されると、有蓋筒部520(仕切り板本体52Cと筒状放熱部54C)、補強用筒状放熱部540から放熱する。仕切り板本体52Cは、環状リブ726Cに当接(ここでは面接触)し、筒状放熱部54Cの外面は透光筒部6Cに当接しているので、接触先に熱は伝達される。
【0123】
特に、筒状放熱部54Cに伝導された熱は、筒部側接続部722Cに伝導され、開口端部接続部72C全体で放熱する。
閉塞部7C、8Cでは、仕切り板本体52Cに加えて、筒状放熱部54Cでも、それぞれに当接する外部部材、例えば開口端部接続部72Cで放熱できる。
【0124】
なお、放熱仕切り部5、5A~5C、50、50A~50Cは、筒状放熱部の外周面が他の閉塞部の内周面に当接し、極力広い領域で接触するものであれば、どのように構成されてもよい。例えば、図19及び図20に示す照明装置の変形例4の放熱仕切り部5Dのように、仕切り板本体52Dの外周縁から垂直に突出して配置される筒状の筒状放熱部を、半径方向に拡縮するように構成してもよい。
【0125】
放熱仕切り部5Dでは、導電性を有し弾性変形可能な材料で形成し、筒状放熱部54Dにおいて周方向に延在する一部に切り欠き544が設けられている。また、放熱仕切り部5Dでは、仕切り板本体52との接続部分に間欠的にスリット546が形成されている。
【0126】
また、筒状放熱部54Dの外径は、開口端部接続部或いは透光筒部等の内嵌対象となる部材の内径と同じ或いは、全面的に外周面で嵌合可能な寸法で形成する。
【0127】
この構成により放熱仕切り部5Dは、仕切り板本体52Dに対して筒状放熱部54Dを半径方向で縮径自在に形成されている。放熱仕切り部5Dは、開口端部接続部(開口端部接続部72等)内に挿入される際には外径が小さくなるように縮径して挿入できる。放熱仕切り部5Dは、開口端部接続部(開口端部接続部72等)内へ挿入して配置した後、筒状放熱部54Dの縮径状態を解放して拡径させて、その外周面を全面的に開口端部接続部の内周面に全面的に当接させることができる。
【0128】
さらに、図21及び図22に示す照明装置の変形例5の放熱仕切り部5Eのように、照明装置1の構成において、仕切り板本体52Eの外周縁から垂直に突出して配置される筒状の筒状放熱部を、仕切り板本体52E半径方向に拡縮するように構成してもよい。
【0129】
図21は、本発明の実施の形態に係る照明装置の変形例6における放熱仕切り部の説明に供する図であり、図22は、図21においてキャップ部を外して外側開口部側のG方向からみた放熱仕切り部の取付構造を示す図である。
【0130】
変形例6の照明装置における放熱仕切り部5Eでは、実施の形態1の仕切り板本体52と同様の仕切り板本体52Eの外周部に、筒状放熱部54Eが、仕切り板本体52Eの厚み方向の両方向で延在するように設けられている。
【0131】
すなわち、筒状放熱部54Eが、仕切り板本体52Eの外周部から、閉塞部7Eの内側開口部72a側に延在する内側放熱部547と、閉塞部7Eの外側開口部72b側に延在する外側放熱部548とを有する。
【0132】
閉塞部7Eの開口端部接続部72Eでは、筒部側接続部722Eとキャップ部側接続部724Eとが同じ内径であり内側開口部72aと外側開口部72bとが面一で連続する内周面を構成している。
【0133】
筒状放熱部54Eの外周面は、開口端部接続部72Eの内周面(具体的には、開口端部接続部72Eの内周面において、内側開口部72aと外側開口部72bとの間の部分)に、極力広い面積で接触するように形成されている。
【0134】
内側放熱部547は、筒状体であり、筒状放熱部52、52A、52C等と同様の構成である。内側放熱部547の外周面が、閉塞部7Eにおいて筒状の筒部側接続部722Eの内周面(図21では開口端部接続部72Eの内周面において、内側開口部72aと外側開口部72bとの間の部分も含む)に当接して閉塞部7に配置される。
【0135】
外側放熱部548は、筒状体の一部に切欠部549を設けた形状である。外側放熱部548は、周方向で切欠部549を空けた間隔で設けられた円弧状壁部を有する。外側放熱部548の外周面は、キャップ部側接続部724Eの内周面に当接する。内側放熱部547及び外側放熱部548のいずれの外面も筒部側接続部722E及びキャップ部側接続部724Eの内周面に全面的に接触することが望ましい。
【0136】
切欠部549内には、開口端部接続部72Eの内周面から内側に突出する取り付けリブ726Eが配置され、この取り付けリブ726に放熱仕切り部5Eの仕切り板本体52Eが止着部材77を介して接合されている。なお、仕切り板本体52Eは取り付けリブ459と面接触で接合され、仕切り板本体52Eから取り付けリブ459に円滑に熱伝導可能となっている。
【0137】
この構成によれば、照明装置の端部の閉塞部7Eにおいて、筒状の開口端部接続部72の内部に、放熱仕切り部5Eと透光筒部6の端部とを配設して、放熱仕切り部5Eの仕切り板本体52Eで内部空間を仕切るように構成されている。
【0138】
放熱仕切り部5Eでは、筒状放熱部54Eが軸方向で、内側開口部72a側と外側開口部72b側とに延在して配置されている。放熱仕切り部5Eは、筒状放熱部54Eの外周面で、内側開口部72aを構成する筒部側接続部722Eの内周面と、外側開口部72bを構成するキャップ部側接続部724Eの内周面とに全面的に接触して配置されている。
【0139】
これにより、開口端部接続部72の内部空間を仕切る仕切り板本体52Eから、軸方向内側の光源側と軸方向外側の双方の開口端部接続部72の内周面を介して外部に放熱でき、より効果的に放熱可能なっており、透光筒部6内の温度を下げることができる。
【0140】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明に係る照明装置は、小型化を図ることができ、効率良く放熱して安定して長く使用できる効果を有し、洞道内に設置される照明装置として有用である。
【符号の説明】
【0142】
1、1A、1B、1C 照明装置
1a 発光室(発光領域)
1b,1c 閉塞室(隣接領域)
2 筐体
3 電源モジュール(発光部)
4 シャーシ
5、5A、5B、5C、5D 熱仕切り部
6、6A、6B、6C 透光筒部
7、7A、7B、7C、8、8A、8B、8C 閉塞部
12 ケーブル
13 モールドレセプタクル
14 挿通部
15 固定板
15a 側板
16 吊り下げ金物
18、77 止着部材
20 光源ユニット
35 光源(発光部)
42 電源取付部
43 光源取付部
44 脚部
46 接合部
50、50A、50B、50C、50D 放熱仕切り部
52、52A、52B、52C、52D 仕切り板本体(仕切り部本体)
54、54A、54B、54C、54D 筒状放熱部
62 端部
72、72A、72B、72C、82、82A、82B、82C 開口端部接続部(端部接続部)
72a、82a 内側開口部
72b、82b 外側開口部
74、84 キャップ部
76 締結環状部材
92、94 弾性防水部
432 取付板部
434 傾斜板部
520 有蓋筒部
540 補強用筒状放熱部
544 切り欠き
546 にスリット
722、722A、722B、722C 筒部側接続部
724、724A キャップ部側接続部
726、726A、726B、726C リブ
728、728A、728B、728C,828、828A、828B、828C 吊り下げアーム
744 雌ねじ部
図1
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