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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148424
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/20 20060101AFI20231005BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20231005BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20231005BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20231005BHJP
   C11D 1/38 20060101ALI20231005BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
C11D3/20
C11D3/26
C11D1/94
C11D1/02
C11D1/38
C11D1/66
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056432
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】391021226
【氏名又は名称】株式会社カーメイト
(74)【代理人】
【識別番号】100107939
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100104684
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博
(72)【発明者】
【氏名】伊田 航
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智雄
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC15
4H003DA09
4H003DA11
4H003DA12
4H003DB02
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB12
4H003EB41
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA07
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】汚れ等が付着した車両や自動車等の表面から汚れを除去することができ、かつ、表面を劣化させることのない洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】洗浄剤組成物は、2.5質量%以上、25.0質量%以下のチオグリコール酸アンモニウム、0.15質量%以上、6.0質量%以下の界面活性剤、0.5質量%以上、30.0質量%以下の多価アルコール、および、0.1質量%以上、10.0質量%以下の有機酸および/または無機酸を含有し、pHが2.5以上、6.0未満である。この多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、および、エチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2.5質量%以上、25.0質量%以下のチオグリコール酸アンモニウム、0.15質量%以上、6.0質量%以下の界面活性剤、0.5質量%以上、30.0質量%以下の多価アルコール、および、0.1質量%以上、10.0質量%以下の有機酸および/または無機酸を含有し、pHが2.5以上、6.0未満であることを特徴とする洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記多価アルコールが、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、および、エチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記洗浄剤組成物が、自動車のアルミホイールの洗浄に使用されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の洗浄剤組成物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、特に、自動車、鉄道車両等の洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のボディー、アルミホイール、タイヤ等には、走行中やブレーキを作動した際に、鉄粉、ブレーキダスト、煤塵や土砂等のロードダスト、機械油などが付着し堆積して、頑固な汚れとなる。また、融雪剤等の塩化カルシウム等が付着することもある。これらの頑固な汚れは、通常の洗浄剤では除去しきれない。例えば、特許文献1には、金属酸化物、油脂の汚れを落とすための繊維用洗浄剤であって、pH7.5~8.5の洗浄剤が開示されているが、この洗浄剤は弱アルカリ性であるので、鉄、アルミホイール等の金属には劣化、損傷が生じやすい。また、特許文献2(特開2020-55892号公報)には、pH6.0以上7.0以下の洗浄剤が開示されているが、洗浄効果が不十分である。
【0003】
【特許文献1】特開2002-105491号公報
【特許文献2】特開2020-55892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題点に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明の目的は、汚れ等が付着した自動車、列車などの車両のボディー、アルミホイール、タイヤ等の対象物の表面から汚れを除去することができ、かつ、対象物の表面を劣化させることのない洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の洗浄剤組成物は、2.5質量%以上、25.0質量%以下のチオグリコール酸アンモニウム、0.15質量%以上、6.0質量%以下の界面活性剤、0.5質量%以上、30.0質量%以下の多価アルコール、および、0.1質量%以上、10.0質量%以下の有機酸および/または無機酸を含有し、pHが2.5以上、6.0未満であることを特徴とする。
本発明において、前記多価アルコールは、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、および、エチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
また、本発明において、界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の上記洗浄剤組成物は、自動車のアルミホイールの洗浄に使用されることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、汚れが付着等した表面を傷めたり、白色化させたり等の劣化を生じさせることなく、汚れを除去することができる洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の洗浄剤組成物は、2.5質量%以上、25.0質量%以下のチオグリコール酸アンモニウムと、0.15質量%以上、6.0質量%以下の界面活性剤と、0.5質量%以上、30.0質量%以下の多価アルコールと、0.1質量%以上、10.0質量%以下の有機酸および/または無機酸とを含有し、洗浄剤組成物に含有される成分の含有量は合計で100質量%となるように配合される。また、該洗浄剤組成物は、pHが2.5以上、6.0未満である。
【0008】
本発明の洗浄剤組成物に含有されるチオグリコール酸アンモニウムは、洗浄剤組成物中、2.5質量%以上、25.0質量%以下の範囲で含有され、5.0質量%以上、25.0質量%以下の範囲で含有されることが好ましく、10.0質量%以上、25.0質量%以下の範囲で含有されることが更に好ましい。なお、本発明において、チオグリコール酸アンモニウムは水溶液等で配合することができる。この場合には、チオグリコール酸アンモニウム水溶液の質量%と洗浄剤組成物中の他の成分との合計が100質量%となるように配合して洗浄剤組成物を得ることができる。
【0009】
本発明において、界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物中、0.15質量%以上、6.0質量%以下であり、好ましくは、0.9質量%以上、3.0質量%以下であり、更に好ましくは、1.2質量%以上、1.5質量%以下である。
また、多価アルコールの含有量は、洗浄剤組成物中、0.5質量%以上、30.0質量%以下であり、好ましくは、5.0質量%以上、30.0質量%以下であり、更に好ましくは、10.0質量%以上、30.0質量%以下である。
また、有機酸および/または無機酸の含有量は、洗浄剤組成物中、0.1質量%以上、10.0質量%以下であり、好ましくは、0.5質量%以上、5.0質量%以下であり、更に好ましくは、1.0質量%以上、2.0質量%以下である。
【0010】
本発明に用いられる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
【0011】
本発明に用いられるノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン(エチレン)アルキルフェニルエーテル型ノニオン、ポリオキシアルキレン(エチレン)アルキルエーテル型ノニオン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー型ノニオン、ポリオキシエチレングリコールアルキルエステル型ノニオン、ソルビタン脂肪酸エステル型ノニオン、ショ糖脂肪酸エステル型ノニオン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル型ノニオン、アルキルアミンオキサイド型ノニオン等が挙げられる。
【0012】
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類型アニオン、アルキルベンゼンスルホン酸塩型アニオン、アルキル硫酸エステル塩型アニオン、直鎖2級スルホン酸塩型アニオン、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル型アニオン、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル塩型アニオン、アルファオレフィンスルホン酸塩型アニオン、アルファスルホ脂肪酸エステル塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルフェニルエーテルの酢酸又は酢酸塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルフェニルエーテルのスルホン酸塩型アニオン、ポリオキシエチレンアルキル又はアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩型アニオン等が挙げられる。
【0013】
カチオン系界面活性剤としては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、セトリモニウムクロイド、ステアルトリモニウムクロリド、ベンザルユニウムクロリド等が挙げられる。
【0014】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
【0015】
本発明の洗浄剤組成物に配合される多価アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、エチレングリコール等が挙げられる。本発明においては、多価アルコールとして、グリセリン、プロピレングリコールおよび1,3-ブタンジオールからなる群のうち少なくとも1種類が配合されることが好ましい。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物に配合される有機酸または無機酸としては、リン酸、次亜リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、スルファミン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、シュウ酸、グルコン酸、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリメチルホスホン酸等が挙げられる。本発明においては、有機酸の1種類以上または無機酸の1種類以上、あるいは、有機酸および無機酸がそれぞれ1種類以上含有される。本発明においては、有機酸および/または無機酸として、チオグリコール酸、クエン酸、塩酸および硫酸からなる群のうち少なくとも1種類が配合されることが好ましい。
【0017】
本発明においては、更に、必要に応じて合成香料及び天然香料を単独で、もしくは複数種を適宜に選択配合して使用したり、公知の増粘ゲル化剤であるカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、モンモリロナイト、アルギン酸ソーダ、帯電防止剤や紫外線吸収剤、可塑剤、研磨剤等を配合して使用してもよい。また、イオン交換水、水などを配合してもよい。
【0018】
本発明の洗浄剤組成物は、pHが2.5以上、6未満であり、3.0以上、6未満であることが好ましく、4.0以上、4.5以下であることが更に好ましい。
【0019】
一般的にアルカリ性洗浄剤、あるいは弱アルカリ性洗浄剤は、鉱物油系の汚染または動植物油系の汚染に対してはある程度有効であるが、金属酸化物系の汚染に対しては効力がなく、したがって、これらの汚染が複合している場合には実用的でない。また、酸性洗浄剤では、鉱物油系または動植物油系の汚染を有効に洗浄できない。また、中性洗浄剤は、金属酸化物系の汚染に対して有効でなく、またその他の汚染に対しても実用的であるとはいえない。更に、強アルカリタイプ、強酸タイプの洗浄剤は、汚染を除去することはできても、アルミニウム塗装、あるいはアルミ合金塗装を施した車両に用いると、車両本体がこれらの洗剤で浸食される恐れがある。また、塗料や、本体周辺に設けられているゴム製、プラスチック樹脂製の製品が劣化してしまい、実用的であるとは言えない。
ところが、本発明の洗浄剤組成物はpHが2.5以上、6未満であるので、酸性系の洗浄剤ではあるが、アルミニウム塗装等された車両本体やタイヤホイール等の金属製品、タイヤ本体等のゴム製品やプラスチック製品等を劣化させることなく、ブレーキダストや油汚れなどの汚れを十分に除去できるものであることが分かった。すなわち、通常は、酸性洗浄剤に属する洗浄剤は取り扱い要注意の洗浄剤であるが、本発明者らによって初めて、酸性洗浄剤であっても、種々の汚れを十分に除去できるのみならず、洗浄を施す被対象物の表面を劣化させることのない優れた洗浄剤組成物が見出されたのである。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物は、例えば、チオグリコール酸アンモニウムと、界面活性剤と、多価アルコールと、有機酸および/または無機酸とを、イオン交換水や水などを用いて混合することにより得られる。
【0021】
本発明においては、このようにして形成した洗浄剤組成物を、自動車のボディー、アルミホイール、タイヤ、列車車両等の車輪、ボディー等に塗布等することによって汚れを除去することができる。例えば、スプレー塗布、フローコーティング、ディップ塗布等によって汚れ部分に洗浄剤組成物を塗布しても良いし、洗浄剤組成物を布等に含浸させて汚れ表面を拭っても良いし、洗浄剤組成物の中に汚れが付着した部品等を浸漬しても良い。
【0022】
洗浄される対象物の材料としては、鉄、アルミニウム等の金属、ゴム、樹脂等が挙げられ、また、塗料等で塗装されているものにも使用することができる。例えば自動車用途では、ボディシャンプー、ボディクリーナー、アルミホイールクリーナー、樹脂製ホイールキャップクリーナー、タイヤクリーナー等として使用することができる。また、建築物、屋外設置物等にも使用することができ、建築物外壁、道路標識、看板、門扉等のクリーナーとして使用することもできる。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物を用いれば、自動車、鉄道車両のボディー、アルミホイール等に付着した頑固なブレーキダストや油性汚れ等を、アルミホイール等の表面を劣化させることなく、容易に落とすことができる。また、複合化された汚れも容易に除去することができる。
【実施例0024】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
1)洗浄剤組成物の作製
チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(界面活性剤の濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、増粘剤として商品名「ケルザンAR」(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を0.1質量%と、イオン交換水を65.2質量%とを混合し、25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは5.8であった。なお、洗浄剤組成物の配合量は表1に示す。本発明においては、洗浄剤組成物に配合される各成分の合計が100質量%となるように配合された。
【0026】
2)汚れ除去の評価
評価試験用のアルミ板を作製した。すなわち、アルミ板(7cm×15cm)の表面を中性洗剤で洗浄し、乾燥させた後、イソプロピルアルコール(IPA)で表面を洗浄し脱脂した。汚れモデルとして、粒径150μmの鉄粉(株式会社キシダ化学製)とエンジンオイル5W-40(株式会社カストロール製)とを重量比で2:1の割合で混合したものを作製し、該アルミ板の表面に、該汚れモデルを塗り伸ばした後、直ぐにシャワーで、約0.1gが均一な厚さとなるように、可能な限り除去した。次いで、該アルミ板を乾燥させて重量を秤量し、汚れモデル付着量を求めた。
このアルミ板の汚れモデル付着表面の全面に、得られた洗浄剤組成物を0.8ccのトリガータイプのスプレイヤーで噴射塗布し、3分間そのままの状態を保持して反応させた。その後、流水で洗い流し、乾燥させてアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求めた。なお、使用した洗浄剤組成物の量は10.2gであった。次いで、下記式に基づき、汚れモデル除去量(0.08g)を、汚れモデル付着量(0.13g)で除して汚れモデル除去率(%)を求めたところ、除去率は61.5%であった。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
汚れモデル除去率={(汚れモデル除去量)/(汚れモデル付着量)}×100(%)
【0027】
3)塗装表面の劣化状態の評価
洗浄剤組成物による塗装板の表面の劣化状態を評価した。すなわち、自動車ボディー塗装と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下し、50℃の恒温槽内に静置して1時間放置した。その後、塗装板を常温(25℃)に戻し、流水で洗浄剤組成物を塗布した塗装板表面を洗浄し、乾燥させて表面の劣化状態を目視評価した。評価基準は以下の基準に基づく。得られた評価結果は表1に示す。

評価基準:
A 変化が認められない
B やや変化が認められる(評価試験前と比較しなければ違いが判らないか、あるいは使用上問題なし)
C 変化が認められる(評価試験前と比較しなくても違いが判るか、あるいは使用上問題があり)
D 明らかに変化が認められる(評価試験前と比較しなくても明らかに違いが判るか、あるいは使用不可である)
【0028】
(実施例2)
1)洗浄剤組成物の作製
表1に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を64.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.1であった。
【0029】
2)汚れ除去の評価
実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデルを付着させて汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。次いで、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
【0030】
3)塗装表面の劣化状態の評価
実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0031】
(実施例3)
表1に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を3.0質量%と、イオン交換水62.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄組成物のpHは3.5であった。
【0032】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0033】
(実施例4)
表1に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を5.0質量%と、イオン交換水を60.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは3.3であった。
【0034】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0035】
(実施例5)
表1に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を10.0質量%と、イオン交換水を55.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは2.6であった。
【0036】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0037】
(実施例6)
表1に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を5.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を79.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.1であった。
【0038】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0039】
(実施例7)
表1に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を10.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を74.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.2であった。
【0040】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0041】
(実施例8)
表2に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を30.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を54.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.4であった。
【0042】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0043】
(実施例9)
表2に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を50.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を34.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.4であった。
【0044】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0045】
(実施例10)
表2に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを0.5質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を73.8質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.1であった。
【0046】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表4に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表4に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0047】
(実施例11)
表2に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを30.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を44.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.4であった。
【0048】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0049】
(実施例12)
表2に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を0.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を68.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.2であった。
【0050】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0051】
(実施例13)
表2に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を20.0質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を48.8質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.3であった。
【0052】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0053】
(比較例1)
表3に示すように、五号ケイ酸ナトリウム(東洋珪酸曹達株式会社製)を70.0質量%と、商品名「レオコールSC-120」(ライオン株式会社製)を1.0質量%と、イオン交換水を29.0質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは13.0であった。
【0054】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0055】
(比較例2)
表3に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、イオン交換水を65.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは7.0であった。
【0056】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0057】
(比較例3)
表3に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を1.0質量%と、イオン交換水を74.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは4.1であった。
【0058】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0059】
(比較例4)
表3に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を5.0質量%と、イオン交換水を70.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは3.3であった。
【0060】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0061】
(比較例5)
表3に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を10.0質量%と、イオン交換水を65.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは2.8であった。
【0062】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0063】
(比較例6)
表3に示すように、チオグリコール酸アンモニウム水溶液(濃度50%、佐々木化学株式会社製)を20.0質量%と、ノニオン系界面活性剤として商品名「カデナックスDMC-W」(濃度30%、ライオン株式会社製)を4.5質量%と、グリセリンを10.0質量%と、ケルザンAR(三晶株式会社製)を0.2質量%と、クエン酸を15.0質量%と、イオン交換水を50.3質量%とを混合し、実施例1と同様に25℃の温度条件下で攪拌して洗浄剤組成物を作製した。得られた洗浄剤組成物のpHは2.2であった。
【0064】
次いで、実施例1と同様にして、評価試験用のアルミ板を作製し、汚れモデル付着前のアルミ板の重量を測定した。また、実施例1と同様にして、汚れモデル付着後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル付着量を求めた。その後、得られた洗浄剤組成物を表5に示す使用量で用い、実施例1と同様にして、汚れモデル除去後のアルミ板の重量を測定し、汚れモデル除去量を求め、汚れモデル除去率を求めた。汚れモデルの重量変化を表5に示す。
また、 実施例1と同様にして塗装表面の劣化状態の評価を行った。すなわち、実施例1と同様にして作製した塗装板の表面に、得られた洗浄剤組成物を0.1g滴下した以外は実施例1と同様にして、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
表1~表5から明らかなように、実施例1~13の洗浄剤組成物は、汚れモデルの除去率が50%以上であり、また、表面の劣化状態も使用上許容範囲以上であることが分かった。
一方、比較例1~6の洗浄剤組成物は、除去率または表面の劣化状態のいずれかが劣っており、両方を満足するものではなかった。
なお、クエン酸の代わりにチオグリコール酸を用いて同様の実験を行ったところ、汚れモデルの除去率が50%以上であり、表面の劣化状態の評価はAまたはBの結果が得られることが分かった。