(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148455
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】実装機および基板高さ計測方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20231005BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01B11/02 H
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056479
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】渕上 竜司
【テーマコード(参考)】
2F065
5E353
【Fターム(参考)】
2F065AA24
2F065DD06
2F065FF05
2F065FF09
2F065GG04
2F065JJ05
2F065JJ26
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2F065QQ24
2F065QQ31
5E353CC05
5E353EE03
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5E353GG01
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5E353KK02
5E353KK11
5E353KK25
5E353QQ12
(57)【要約】
【課題】基板高さの計測をより効率化できる。
【解決手段】実装機は、レーザ光が照射された基板上の所定の撮像領域のうち所定の撮像領域より小さい第1の撮像領域を撮像する第1撮像部と、所定の撮像領域内で、かつ、所定の撮像領域より小さく、第1の撮像領域と異なる領域を少なくとも含む第2の撮像領域を撮像する第2撮像部と、第1撮像部および第2撮像部により撮像された撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像からレーザ光の照射位置を検出し、検出された照射位置に基づいて、基板高さを算出する算出部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光が照射された基板上の所定の撮像領域のうち前記所定の撮像領域より小さい第1の撮像領域を撮像する第1撮像部と、
前記所定の撮像領域内で、かつ、前記所定の撮像領域より小さく、前記第1の撮像領域と異なる領域を少なくとも含む第2の撮像領域を撮像する第2撮像部と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部により撮像された撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像から前記レーザ光の照射位置を検出し、検出された前記照射位置に基づいて、前記基板高さを算出する算出部と、を備える、
実装機。
【請求項2】
前記基板高さに基づいて、前記第1撮像部および前記第2撮像部の撮像領域を前記所定の撮像領域よりも小さくしてステレオ撮像するステレオ撮像部と、をさらに備える、
請求項1に記載の実装機。
【請求項3】
前記レーザ光は、前記基板上でライン状に照射され、
前記第1の撮像領域および第2の撮像領域は、略矩形状であり、前記略矩形状の長手方向と前記レーザ光とが非平行である、
請求項1に記載の実装機。
【請求項4】
前記第1の撮像領域および第2の撮像領域は、前記長手方向と前記レーザ光とが略直交する、
請求項3に記載の実装機。
【請求項5】
前記レーザ光は、前記基板上の複数の位置に照射される、
請求項1に記載の実装機。
【請求項6】
前記レーザ光は、前記基板上に所定の間隔で複数の位置に照射される、
請求項1に記載の実装機。
【請求項7】
前記レーザ光は、前記基板上に一直線上に照射され、
前記第1の撮像領域および第2の撮像領域は、略矩形状であり、前記略矩形状の長手方向と前記レーザ光とが非平行である、
請求項1に記載の実装機。
【請求項8】
前記第1の撮像領域および第2の撮像領域は、前記長手方向と前記レーザ光とが略直交する、
請求項7に記載の実装機。
【請求項9】
前記第1の撮像領域および第2の撮像領域は、それぞれ前記所定の撮像領域の半分以下の領域である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の実装機。
【請求項10】
前記第1の撮像領域は、前記所定の撮像領域の半分であり、
前記第2の撮像領域は、前記所定の撮像領域の半分であって、前記第1の撮像領域と異なる領域である、
請求項1に記載の実装機。
【請求項11】
前記第1の撮像領域および第2の撮像領域は、略矩形状であり、前記所定の撮像領域の半分以下であって、かつ、前記略矩形状の長手方向と直交する方向の長さが前記所定の間隔以上の長さである、
請求項6に記載の実装機。
【請求項12】
レーザ光が照射された基板上の所定の撮像領域を撮像する2つのカメラとの間と接続されたコンピュータが実行する基板高さ計測方法であって、
前記所定の撮像領域より小さい第1の撮像領域を撮像し、
前記所定の撮像領域内で、かつ、前記所定の撮像領域より小さく、前記第1の撮像領域と異なる領域を少なくとも含む第2の撮像領域を撮像し、
前記第1の撮像領域および前記第2の撮像領域のそれぞれが撮像された撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像から前記レーザ光の照射位置を検出し、
検出された前記照射位置に基づいて、前記基板高さを算出する、
基板高さ計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実装機および基板高さ計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板の対向領域の基板高さに関する関連情報を取得する実装装置が開示されている。実装装置は、部品を保持し、部品を搬送して基板上に実装する実装ヘッドと、実装ヘッドに保持された部品を撮像する第1撮像部、基板表面のうち保持された部品に対向する対向領域を撮像する第2撮像部、および基板の対向領域の基板高さに関する関連情報を取得する高さ関連情報取得部を有する撮像手段と、第1撮像部と第2撮像部と高さ関連情報取得部との相対位置を維持しつつ、実装ヘッドに保持された部品と対向領域との間の位置であり、第1撮像部および第2撮像部による撮像と高さ関連情報の取得とが可能な撮像位置に撮像手段を移動可能な撮像移動手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、基板高さの計測をより効率化する実装機および基板高さ計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、レーザ光が照射された基板上の所定の撮像領域のうち前記所定の撮像領域より小さい第1の撮像領域を撮像する第1撮像部と、前記所定の撮像領域内で、かつ、前記所定の撮像領域より小さく、前記第1の撮像領域と異なる領域を少なくとも含む第2の撮像領域を撮像する第2撮像部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部により撮像された撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像から前記レーザ光の照射位置を検出し、検出された前記照射位置に基づいて、前記基板高さを算出する算出部と、を備える、実装機を提供する。
【0006】
また、本開示は、レーザ光が照射された基板上の所定の撮像領域を撮像する2つのカメラと接続されたコンピュータが実行する基板高さ計測方法であって、前記所定の撮像領域より小さい第1の撮像領域を撮像し、前記所定の撮像領域内で、かつ、前記所定の撮像領域より小さく、前記第1の撮像領域と異なる領域を少なくとも含む第2の撮像領域を撮像し、前記第1の撮像領域および前記第2の撮像領域のそれぞれが撮像された撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像から前記レーザ光の照射位置を検出し、検出された前記照射位置に基づいて、前記基板高さを算出する、基板高さ計測方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、基板高さの計測をより効率化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る実装システムの内部構成例を示すブロック図
【
図2】実施の形態1に係る実装システムのユースケース例を示す側面図
【
図3】実施の形態1に係る実装システムのユースケース例を示す側面図
【
図4】第1カメラおよび第2カメラのそれぞれの撮像領域例を説明する図
【
図5】実施の形態1に係る実装システムの動作手順例を説明するフローチャート
【
図12】実施の形態1における高さ計測処理の他のユースケース例を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に至る経緯)
特許文献1には、基板上にスポット光源を照射し、基板上に照射されたスポット光を含む対向領域を撮像した画像データに映るスポット光の位置に基づいて、基板高さを計測する実装装置(以降、「実装機」と表記)が開示されている。実装機は、画像データから明度が最も高い画素を抽出することでスポット光の位置を検出し、検出されたスポット光の位置と、事前に実験などにより計測されたスポット光の位置と基板高さとの対応関係とを比較することで、基板高さを計測する。
【0010】
しかし、上述した実装装置は、実装装置により生産される基板,部品の大きさに対応する事前にスポット光の位置と基板高さとの対応関係を示すデータを作成する必要があるため、たいへん手間だった。
【0011】
また、実装機は、対向領域全域を画像処理してスポット光の位置を検出するため、基板に実装される部品数に対応して画像処理時間が増加するため、基板の生産効率の向上が困難だった。
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る実装機および基板高さ計測方法の構成および作用を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
また、以下、各図において、X方向およびY方向は、水平面内で互いに直交する方向である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する高さ方向(上下方向)である。
【0014】
(実施の形態1)
まず、
図1を参照して、実施の形態1に係る実装システム100の内部構成について説明する。
図1が、実施の形態1に係る実装システム100の内部構成例を説明する図である。
【0015】
実装機の一例としての実装システム100は、レーザL1と、カメラC1と、実装機M1と、端末装置P1とを含み、基板W(
図2参照)に部品P(
図2参照)を実装(装着)した実装基板を生産する。なお、
図1に示す実装システム100は、一例であってこれに限定されない。例えば、レーザL1、カメラC1、および実装機M1は、1台の実装機として一体的に構成されてもよい。また、レーザL1、カメラC1、実装機M1および端末装置P1は、1台の実装機として一体的に構成されてもよい。
【0016】
レーザL1は、電源駆動回路11と、メモリ12と、LD(Laser Diode)13と、を含む。
【0017】
電源駆動回路11は、端末装置P1あるいはカメラC1との間でデータ送受信可能に接続される。電源駆動回路11は、端末装置P1のプロセッサ41あるいはカメラC1のFPGA21から送信された制御指令(電気信号)に基づいて、LD13のON/OFF制御、レーザ照射点の位置の制御等を実行する。
【0018】
メモリ12は、例えば電源駆動回路11の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、電源駆動回路11の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、電源駆動回路11により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、電源駆動回路11の動作を規定するプログラムが書き込まれている。メモリ12は、レーザ照射点の位置等を記憶してよい。
【0019】
LD13は、電源駆動回路11により駆動されて、基板W上であって、かつ、カメラC1の撮像領域AR0(
図4参照)内の所定あるいはランダムな位置にレーザ光を照射する。なお、LD13により基板W上に照射される照射点の数は、複数であってもよい。
【0020】
カメラC1は、通信部20と、FPGA21と、第1撮像部24と、第2撮像部25とを含む。
【0021】
通信部20は、端末装置P1との間でデータ送受信可能に接続される。通信部20は、端末装置P1から送信された制御指令(電気信号)をFPGA21に出力する。
【0022】
FPGA21は、メモリ22と協働して、各種の処理および制御を統括的に行う。具体的には、FPGA21は、メモリ22に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより各部の機能を実現する。
【0023】
メモリ22は、例えばFPGA21の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、FPGA21の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、FPGA21により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、FPGA21の動作を規定するプログラムが書き込まれている。
【0024】
なお、FPGA21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)とを用いて構成されてもよい。
【0025】
FPGA21は、カメラC1から送信された2枚の撮像画像のそれぞれを取得する。FPGA21は、第1撮像部24および第2撮像部25により撮像されたそれぞれの撮像画像の画像処理を並列で実行し、2枚の撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像に映るレーザ光の照射点を検出する。FPGA21は、検出された照射点の位置情報を通信部20に出力し、端末装置P1に送信させる。
【0026】
また、FPGA21は、端末装置P1から送信された制御指令に基づいて、基板高さ計測時よりも第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域を撮像領域AR0よりも小さい領域に絞った(小さくした)状態で、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれに同一の撮像領域を撮像(つまり、ステレオ撮像)させる。FPGA21は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれから出力された2枚の撮像画像のそれぞれに基づいて、部品実装前(つまり、
図5に示すステップSt15A)に基板W上のランド等の部品Pの実装位置の3次元形状を取得する。FPGA21は、取得された3次元形状データを端末装置P1に送信することで、基板高さに対応する部品Pの実装位置の変位量の算出を可能にする。
【0027】
また、FPGA21は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれにより撮像された撮像画像に基づいて、部品実装後(つまり、
図5に示すステップSt15B)に基板W上に実装済みの部品P等の3次元形状を取得する。FPGA21は、取得された3次元形状データを端末装置P1に送信することで、部品実装後の基板Wおよび部品Pの検査を可能にする。
【0028】
第1撮像部24は、レンズ241と、イメージセンサ242とを有して構成される。イメージセンサ242は、例えばCCD(Charged-Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。第1撮像部24は、FPGA21による制御に基づいて、撮像領域AR0内の撮像領域AR1(
図4参照)を撮像する。第1撮像部24は、撮像された撮像画像をFPGA21に出力する。
【0029】
なお、ここで撮像領域AR0は、第1撮像部24が撮像可能な撮像領域と、第2撮像部25が撮像可能な撮像領域との重複領域である。
【0030】
第2撮像部25は、レンズ251と、イメージセンサ252とを有して構成される。イメージセンサ252は、例えばCCDあるいはCMOS等の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。第2撮像部25は、FPGA21による制御に基づいて、撮像領域AR0内の撮像領域AR2(
図4参照)を撮像する。第2撮像部25は、撮像された撮像画像をFPGA21に出力する。
【0031】
ステレオ撮像部の一例としての第1撮像部24および第2撮像部25は、FPGA21により制御され、ステレオカメラとしての機能を実現する。第1撮像部24および第2撮像部25は、計測された基板高さと、部品Pの実装位置の変位量とに基づいて、撮像領域AR0よりも小さく、かつ、同一の撮像領域を撮像(つまり、ステレオ撮像)する。
【0032】
実装機M1は、通信部30と、実装制御回路31と、サーボアンプ33と、実装ヘッド34と、ノズル35とを含む。
【0033】
通信部30は、端末装置P1あるいはカメラC1との間でデータ送受信可能に接続される。通信部30は、端末装置P1あるいはカメラC1から送信された制御指令(電気信号)を実装制御回路31に出力する。また、通信部30は、実装制御回路31から出力された部品Pの実装完了等の通知(電気信号)を端末装置P1あるいはカメラC1に送信する。
【0034】
実装制御回路31は、端末装置P1あるいはFPGA21により制御され、メモリ32に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより基板W上への部品Pの実装を実行するための各種機能を実現する。例えば、実装制御回路31は、サーボアンプ33と実装ヘッド34との駆動制御を実行し、基板W上の実装位置への部品Pの搬送,実装等の機能を実現する。
【0035】
メモリ32は、例えば実装制御回路31の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、実装制御回路31の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、実装制御回路31により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、実装制御回路31の動作を規定するプログラムが書き込まれている。メモリ32は、基板Wの生産データを記憶してもよい。
【0036】
なお、ここでいう基板Wの生産データは、基板Wを識別可能な識別情報(例えば、ID,名称,型番等)、基板Wに実装される少なくとも1つの部品の部品データ、部品ごとの実装位置,実装角度等を含む。部品データは、部品Pを識別可能な識別情報(例えば、ID,名称,型番等)、部品Pの大きさ、厚さ等を含む。
【0037】
サーボアンプ33は、実装制御回路31による制御に基づいて、実装ヘッド34と、実装ヘッド34が備える少なくとも1つのノズル35とを駆動させる。サーボアンプ33は、実装ヘッド34の位置,移動速度、ノズル35ごとの回転角度等を検出可能であって、実装ヘッド34の移動と、ノズル35のそれぞれの昇降,回転等を制御する。
【0038】
実装ヘッド34は、少なくとも1つのノズル35を備え、部品Pの供給位置(不図示)から基板W上の実装位置までの間で部品Pを搬送する。なお、本実施の形態1における実装ヘッド34は、ノズル35、LD13、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれを備え、サーボアンプ33による制御指令に基づいて、これらを一体的に移動させる例を示すが、LD13、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれを備える構成でなくてもよい。
【0039】
ノズル35は、サーボアンプ33により制御されて、部品Pを吸着して保持したり、部品Pの実装位置で吸着を解除して、基板W上へ部品Pを実装したりする。
【0040】
端末装置P1は、例えば、PC(Personal Computer)、ノートPC等により実現されて、レーザL1と、カメラC1と、実装機M1との間の同期制御を実行する。端末装置P1は、通信部40と、プロセッサ41と、メモリ42とを含む。
【0041】
通信部40は、レーザL1と、カメラC1と、実装機M1との間でそれぞれ有線通信あるいは無線通信可能に接続されて、データの送受信を実行する。通信部40は、プロセッサ41から出力された制御指令(電気信号)を各装置(レーザL1、カメラC1、あるいは実装機M1)に送信する。通信部40は、各装置から送信された各種データあるいは各種電気信号をプロセッサ41に出力する。
【0042】
算出部の一例としてのプロセッサ41は、例えばCPU、DSPまたはFPGAを用いて構成され、プロセッサ41の各部の動作を制御する。プロセッサ41は、メモリ42と協働して、各種の処理および制御を統括的に行う。具体的には、プロセッサ41は、メモリ42に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各機能を実現する。以下、プロセッサ41により実現される各機能について説明する。
【0043】
なお、実装システム100が端末装置P1を省略した構成である場合、プロセッサ41の処理は、FPGA21により実行されてもよい。また、このような場合、カメラC1のメモリ22は、メモリ42に記憶される各種データあるいは各種情報を記憶し、FPGA21により実行される各種の処理および制御を実行可能にする。
【0044】
プロセッサ41は、レーザL1のLD13によるレーザ光の照射点の位置,照射点の数等の制御指令を生成して、通信部40に出力し、レーザL1の電源駆動回路11に送信させる。これにより、プロセッサ41は、LD13によるレーザ光の照射点の位置,照射点の数等の制御を実行する。
【0045】
プロセッサ41は、カメラC1から送信された照射点の位置情報を取得する。プロセッサ41は、三角測距法を用いて、生産データに含まれる基板高さでのレーザ光の照射点の位置情報と、取得された照射点の位置とに三角測距法を用いて、基板Wの基板高さを算出する。
【0046】
また、プロセッサ41は、算出された基板Wの基板高さと、LD13によるレーザ光の照射点の位置とに基づいて、実装対象である部品PのXY平面上の実装位置の変位量を算出する。プロセッサ41は、算出された実装位置の変位量に基づいて、部品Pの実装位置を補正するとともに、補正後の部品Pの実装位置を含む撮像領域をカメラC1に撮像させる制御指令を生成して、通信部40に出力し、カメラC1の通信部20に送信させる。
【0047】
プロセッサ41は、カメラC1から送信された部品Pの実装位置(例えば、ランドの位置等)、あるいは実装済みの部品Pの実装位置の情報(つまり、実測値の情報)を取得する。プロセッサ41は、三角測距法を用いて、基板Wの生産データに含まれる部品Pの実装位置、あるいは実装済みの部品Pの実装位置と、カメラC1により計測された部品Pの実装位置(例えば、ランドの位置等)、あるいは実装済みの部品Pの実装位置(つまり、実測値)との変位量を算出する。
【0048】
プロセッサ41は、算出された実装位置の変位量に基づいて、実装ヘッド34による部品Pの搬送位置(実装位置)と、ノズル35の昇降高さとを決定する。プロセッサ41は、決定された部品Pの搬送位置(実装位置)と、ノズル35の昇降高さとを含み、基板W上に部品Pを実装させる制御指令を生成して、通信部40に出力し、実装機M1の通信部30に送信させる。
【0049】
また、部品Pの実装後のプロセッサ41は、カメラC1から送信された部品Pの実装位置の変位量に基づいて、基板Wの基板高さに変動があるか否かを判定したり、実装済みの部品Pが実装位置に実装されているか否か等を判定したりする。プロセッサ41は、基板Wの基板高さに変動があると判定した場合、この部品Pから所定距離以内で実装される他の部品の実装において、部品の実装位置の補正を実行したり、実装ヘッド34による部品Pの搬送位置(実装位置)と、ノズル35の昇降高さとを決定したりする。
【0050】
メモリ42は、例えばプロセッサ41の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAMと、プロセッサ41の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROMとを有する。RAMには、プロセッサ41により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、プロセッサ41の動作を規定するプログラムが書き込まれている。メモリ42は、レーザ光の照射点の位置および数に関する情報、第1撮像部24および第2撮像部25の撮像領域AR0,AR1,AR2に関する情報、基板Wの生産データ等を記憶する。
【0051】
次に、
図2~
図4のそれぞれを参照して、レーザL1の照射例およびカメラC1の撮像領域について説明する。
図2は、レーザL1の照射例およびカメラC1の撮像領域例を示す側面図である。
図3は、レーザL1の照射例およびカメラC1の撮像領域例を示す側面図である。
図4は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域AR1,AR2例を説明する図である。
【0052】
第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域は、撮像領域AR0のY軸方向あるいはX軸方向のいずれかの長さ(幅)を半分に分割した領域が設定される。
【0053】
例えば、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域AR1,AR2は、撮像領域AR0のY軸方向における幅LA0を半分に分割した領域である。第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域AR1,AR2は、Y軸方向に幅LA1の撮像領域となる。なお、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域AR1,AR2は、撮像領域AR0のX軸方向における幅を半分に分割した領域であってもよい。また、
図2~
図4に示す第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域AR1,AR2の大きさは、一例であってこれに限定されないことは言うまでもない。
【0054】
実装ヘッド34は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれと、LD13と、ノズル35とを備える。なお、
図2、
図3に示すノズル35は、部品Pの実装前であり、ノズル35の先端に部品Pを吸着保持している。
【0055】
図4に示すLD13、第1撮像部24,第2撮像部25のそれぞれは、LD13と、第1撮像部24,第2撮像部25のそれぞれとの間の距離が、距離Bであって、Y軸方向において距離By、X軸方向においてそれぞれ距離Bx離間して配置される。
【0056】
レーザL1は、端末装置P1あるいはカメラC1のFPGA21により制御されて、LD13により基板W上、かつ、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれが撮像可能な撮像領域AR0内にレーザ光LP0を照射する。
図4に示す例において、レーザ光の照射点LP1は、撮像領域AR1内に位置する。
【0057】
第1撮像部24と第2撮像部25とは、X軸に沿う一直線上(
図4では、X軸方向に沿う一直線上)に並んで配置される。第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれは、FPGA21により制御されて、撮像領域AR0に対してそれぞれ半分の領域(撮像領域AR1,撮像領域AR2)を撮像する。例えば、第1撮像部24は、撮像領域AR0のうち撮像領域AR1を撮像する。第2撮像部25は、撮像領域AR0のうち撮像領域AR2を撮像する。
【0058】
カメラC1のFPGA21は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれにより撮像された2枚の撮像画像の画像処理を並列処理する。これにより、FPGA21は、撮像領域AR0の全域が撮像された撮像画像の画像処理時間を略半分にすることができる。
【0059】
なお、
図4に示すレーザL1、第1撮像部24、および第2撮像部25のそれぞれの配置は、一例であってこれに限定されない。例えば、第1撮像部24と第2撮像部25とは、重複する撮像領域AR0を有する配置であればよい。また、レーザL1は、基板W上の撮像領域AR0にレーザ光を照射可能な位置に配置されていればよい。
【0060】
次に、
図5~
図7のそれぞれを参照して、基板Wの基板高さの計測手順について説明する。
図5は、実施の形態1に係る実装システム100の動作手順例を説明するフローチャートである。
図6は、基板高さ計測例を説明する側面図である。
図7は、基板高さ計測例を説明する上面図である。
【0061】
図5に示すフローチャートにおいて、ステップSt11~ステップSt13の処理を含む「ステップ1」は、部品Pの実装前に実行される基板Wの基板高さを計測する処理である。なお、「ステップ1」の処理は、基板W上に実装されるすべての部品に対して実行されなくてもよい。
【0062】
例えば、端末装置P1のプロセッサ41は、基板高さが算出済み(つまり、実装済み)の部品の実装位置と、次に実装される部品の実装位置との間の距離が所定距離以内であるか否かを判定する。端末装置P1は、実装済みの部品の実装位置と、次に実装される部品の実装位置との間の距離が所定距離以内であると判定した場合、次に実装される部品に対応する基板高さとして、算出済みの基板高さを用いることで、次に実装される部品の実装前処理から「ステップ1」の処理を省略してもよい。
【0063】
また、ステップSt14A~ステップSt15Aの処理を含む「ステップ2」は、部品Pの実装前に実行される部品Pの実装位置を計測する処理である。また、ステップSt14B~ステップSt15Bの処理を含む「ステップ2」は、部品Pの実装後に実行される実装済みの部品Pの実装位置を計測する処理である。
【0064】
レーザL1は、端末装置P1のプロセッサ41から送信された制御指令に基づいて、LD13により基板W上の所定位置にレーザ光を照射する(St11)。
【0065】
カメラC1は、端末装置P1から送信された制御指令に基づいて、2つの撮像部(つまり、第1撮像部24および第2撮像部25)の撮像領域を、それぞれ2つの撮像部の撮像領域AR0全体の半分に絞って撮像する(St12)。具体的に、第1撮像部24は、撮像領域AR0の半分の撮像領域AR1を撮像する。第2撮像部25は、撮像領域AR0の半分の撮像領域AR2を撮像する。
【0066】
なお、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域は、撮像領域AR0の半分に限定されなくてよいし、同一の大きさ(面積)でなくてもよい。例えば、撮像領域AR1および撮像領域AR2のそれぞれの領域は、撮像領域AR0全体の大きさに対して9:1,8:2,7:3,6:4等の任意の割合に設定されてよい。
【0067】
カメラC1は、第1撮像部24により撮像された撮像画像の画像処理と、第2撮像部25により撮像された撮像画像の画像処理とを並列で実行し、いずれかの撮像画像に映る照射点LP1を検出する(St12)。カメラC1は、検出された照射点LP1の水平方向(XY平面上)における位置(X座標,Y座標)を計測する(St12)。カメラC1は、計測された照射点LP1の位置情報を端末装置P1に送信する。
【0068】
端末装置P1は、カメラC1から送信された照射点LP1の位置情報と、生産データに含まれる基板W10の基板高さCz0でのレーザ光の照射点LP1の位置情報とに、三角測距法を用いることで、基板W11の基板Wの基板高さCz1(つまり、実際の基板高さ)を算出する(St13)。
【0069】
ここで、照射点LP1の位置Pt10の位置情報は、実装ヘッド34に対するレーザL1の取付角度と実装ヘッド34の現在の高さとに基づいて算出されてよい。また、算出された基板高さCz1は、第1撮像部24あるいは第2撮像部25のイメージセンサ242,252の受光面の高さZ0(
図6参照)を基準としてよい。
【0070】
端末装置P1は、算出された実際の基板W11の基板高さCz1と、生産データに含まれる基板W10の基板高さCz0(つまり、理想の基板高さ)との差分ΔDdに基づいて、基板高さの変位量ΔCzを算出する。端末装置P1は、基板高さの変位量ΔCzに三角測距法に基づく(数式1)を用いて、基板高さが変位量ΔCzだけ変位した場合の部品Pの実装位置のX方向における変位量ΔDx,Y方向における変位量ΔDyのそれぞれを算出する(St14A)。なお、(数式1)における焦点距離Fは、第1撮像部24および第2撮像部25の焦点距離である。
【0071】
なお、
図7に示す部品Pの位置Pt10は、実際の基板高さCz1における部品Pの実装位置を示す。部品Pの位置Pt11は、生産データに含まれる基板Wの基板高さCz0における部品Pの実装位置を示す。また、変位量ΔDxは、X方向における位置Pt10と位置Pt11との間のX軸方向の変位量(距離)である。変位量ΔDyは、Y方向における位置Pt10と位置Pt11との間のY軸方向の変位量(距離)である。
【0072】
【0073】
端末装置P1は、算出された部品Pの実装位置の変位量ΔDx,変位量ΔDyのそれぞれに基づいて、基板W11の基板高さCz1における部品Pの実装位置を算出する。端末装置P1は、算出された部品Pの実装位置の変位量ΔDx,変位量ΔDyに基づいて、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによりステレオ撮像される撮像領域を撮像領域AR0よりも小さい範囲に絞り込み、絞り込んだ撮像領域の情報と、高速ステレオ撮像を要求する制御指令とを生成する。端末装置P1は、撮像領域の情報と制御指令とを対応付けて、カメラC1に送信する(St15A)。
【0074】
カメラC1は、端末装置P1から送信された撮像領域の情報に基づいて、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域を撮像領域AR0よりも小さい領域に絞り込んで高速ステレオ撮像を実行する(St15A)。カメラC1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによりステレオ撮像された2枚の撮像画像に基づいて、部品実装前の基板W上のランド等の3次元形状を取得する(St15A)。カメラC1は、取得された3次元形状データを端末装置P1に送信する。これにより、カメラC1は、撮像領域を絞り込むことにより、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによりステレオ撮像された2枚の撮像画像の画像処理に要する処理時間を削減できる。
【0075】
端末装置P1は、カメラC1から送信された3次元形状データに基づいて、ノズル35に吸着された部品Pに対する基板W上の部品Pの実装位置(つまり、ノズル35と、基板W上の部品Pの実装位置との間の相対位置)を算出する。端末装置P1は、算出された相対位置に基づいて、基板W上に部品Pを実装するための実装ヘッド34のX,Y,Z軸方向のそれぞれの駆動量を含む制御指令を生成して、実装機M1に送信する。実装機M1は、端末装置P1から送信された制御指令に基づいて、基板W上に部品Pを実装する。
【0076】
また、部品Pの実装後、カメラC1は、ステップSt13の処理で算出された実際の基板高さCz1の情報に三角測距法を用いて、実装済みの部品Pの実装位置(XY位置)の変位量を算出する(St14B)。カメラC1は、実装済みの部品Pの実装位置の変位量に基づいて、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれにより撮像される部品Pの位置(XY座標)を算出する(St14B)。
【0077】
カメラC1は、算出された実装済みの部品Pの位置(XY座標)に基づいて、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域を、撮像領域AR0よりも小さく、かつ、実装済みの部品Pの実装位置を含む撮像領域に絞り込む(St15B)。カメラC1は、撮像領域を絞り込んだ後、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによる高速ステレオ撮像を実行する(St15B)。カメラC1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによりステレオ撮像された2枚の撮像画像に基づいて、基板W上に実装された部品Pの3次元形状を取得する(St15B)。カメラC1は、取得された3次元形状データを端末装置P1に送信する。
【0078】
これにより、カメラC1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによりステレオ撮像された2枚の撮像画像を用いた画像処理に要する処理時間を削減できる。ステップSt15Bにおける画像処理は、実装済み部品Pの位置を計測するための画像処理である。
【0079】
端末装置P1は、カメラC1から送信された3次元形状データに基づいて、基板W上に実装された部品Pの実装位置を算出する。端末装置P1は、算出された実装位置に基づいて、基板Wと、基板W上に実装された部品Pとの検査を実行する。
【0080】
以上により、実施の形態1における実装システム100は、基板高さの計測時において、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれを、撮像領域AR0の半分の撮像領域AR1,AR2にすることで、撮像画像の画像処理に要する時間を略半分に短縮できる。また、実装システム100は、基板高さの変位量に基づく部品Pの実装位置の変位量を算出して撮像領域をさらに絞り込むことで、ステレオ撮像された2枚の撮像画像の画像処理に要する時間を短縮できる。これにより、実装システム100は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率を向上させることができる。
【0081】
なお、
図5の説明において、端末装置P1のプロセッサ41により実行される処理は、カメラC1のFPGA21により実行されてもよい。
【0082】
以下、他のレーザ照射例、実施の形態1の高さ計測処理を用いた他のユースケース例について説明する。
【0083】
図8を参照して、LD13の第2のレーザ照射例について説明する。
図8は、第2のレーザ照射例を説明する図である。
【0084】
第2のレーザ照射例においてLD13は、基板W上の撮像領域AR0を所定方向に横切るライン状のレーザ光を照射する。第2のレーザ照射例において、第1撮像部24の撮像領域AR21と、第2撮像部25の撮像領域AR22とは、撮像領域AR0の半分以下に設定されてよい。これにより、カメラC1は、基板W上に照射されたレーザ光の位置に基づく基板Wの基板高さの計測処理において、画像処理時間をより短縮できる。
【0085】
なお、第2のレーザ照射例における所定方向は、第1撮像部24の撮像領域AR21と、第2撮像部25の撮像領域AR22との長辺に沿う方向(
図8に示す例では、X方向)に非平行な方向である。なお、所定方向は、長辺に略直交する方向(
図8に示す例では、Y方向)であることが望ましいが、これに限定されない。
【0086】
また、第2のレーザ照射例において、カメラC1は、第1撮像部24あるいは第2撮像部25のいずれか一方で撮像された撮像画像のみを用いて、基板高さを計測してもよい。
【0087】
例えば、第1撮像部24の撮像領域AR21と、第2撮像部25の撮像領域AR22とがそれぞれ撮像領域AR0の1/4の大きさである場合、カメラC1は、
図3に示すレーザの照射例と比較して、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれにより撮像された2枚の撮像画像の画像処理時間をさらに半分に短縮できる。
【0088】
図9を参照して、LD13の第3のレーザ照射例について説明する。
図9は、第3のレーザ照射例を説明する図である。
【0089】
第3のレーザ照射例においてLD13は、基板W上の撮像領域AR0内に複数のスポット形状のレーザ光を照射する。なお、
図9に示す例においてLD13により5つのスポット形状のレーザ光を照射する例を示すが、照射点の数は、2つ以上であればよい。第3のレーザ照射例において、第1撮像部24の撮像領域AR31と、第2撮像部25の撮像領域AR32とは、撮像領域AR0の半分以下に設定されてよい。
【0090】
また、第3のレーザ照射例において2つ以上のレーザ光の照射位置は、それぞれランダムに設定されてもよいし、所定位置,所定間隔で照射されるように照射パターンが設定されてもよい。レーザ光の照射位置に照射パターンが設定されている場合、第1撮像部24の撮像領域AR31と、第2撮像部25の撮像領域AR32とのY軸方向における幅LA3は、この照射パターンに基づくY軸方向のレーザ光の照射間隔に基づいて、決定されてよい。
【0091】
例えば、第1撮像部24の撮像領域AR31と、第2撮像部25の撮像領域AR32との幅LA3は、撮像領域AR0のY軸方向における幅LA0の半分以下であって、かつ、Y軸方向における照射点LP31,LP32,LP34,LP35と照射点LP33との間の距離LL3以上に設定されていればよい。これにより、カメラC1は、基板W上に照射されたレーザ光の照射位置に基づく基板Wの基板高さの計測処理において、画像処理時間をより短縮できる。
【0092】
なお、第3のレーザ照射例において、カメラC1は、第1撮像部24により撮像された撮像領域AR31の撮像画像と、第2撮像部25により撮像された撮像領域AR32の撮像画像とにそれぞれ照射点を含む場合、第1撮像部24あるいは第2撮像部25のいずれか一方で撮像された撮像画像のみを用いて、基板高さを計測してもよい。
【0093】
また、第3のレーザ照射例において、カメラC1は、撮像領域AR31の撮像画像および撮像領域AR32の撮像画像に映る複数の照射点の位置における基板高さに基づいて、基板Wの傾きをさらに計測してもよい。
【0094】
図10を参照して、LD13の第4のレーザ照射例について説明する。
図10は、第4のレーザ照射例を説明する図である。
【0095】
第4のレーザ照射例においてLD13は、基板W上の撮像領域AR0をY軸方向に横切る、つまり、第1撮像部24の撮像領域AR41と、第2撮像部25の撮像領域AR42の長辺に略直交する方向に横切るライン状のレーザ光を照射する。第4のレーザ照射例において、第1撮像部24の撮像領域AR41と、第2撮像部25の撮像領域AR42とは、撮像領域AR0の半分以下に設定されてよい。
【0096】
これにより、カメラC1は、基板W上に照射されたレーザ光の位置に基づく基板Wの基板高さの計測処理において、画像処理時間をより短縮できる。
【0097】
また、第4のレーザ照射例において、カメラC1は、第1撮像部24あるいは第2撮像部25のいずれか一方で撮像された撮像画像のみを用いて、基板高さを計測してもよい。
【0098】
図11を参照して、LD13の第5のレーザ照射例について説明する。
図11は、第5のレーザ照射例を説明する図である。
【0099】
第5のレーザ照射例においてLD13は、基板W上の撮像領域AR0内を第1撮像部24の撮像領域AR51と、第2撮像部25の撮像領域AR52の長辺に略直交する方向に横切るように、複数のスポット形状のレーザ光を照射する。第5のレーザ照射例において、第1撮像部24の撮像領域AR51と、第2撮像部25の撮像領域AR52との幅LA5は、Y軸方向において、撮像領域AR0の半分未満、かつ、スポット形状の照射点LP5の照射間隔LL5以上に設定される。
【0100】
これにより、カメラC1は、基板W上に照射された照射点LP5に基づく基板Wの基板高さの計測処理において、画像処理時間をより短縮できる。
【0101】
なお、第5のレーザ照射例において、カメラC1は、第1撮像部24あるいは第2撮像部25のいずれか一方で撮像された撮像画像のみを用いて、基板高さを計測してもよい。
【0102】
また、第5のレーザ照射例において、カメラC1は、撮像領域AR51の撮像画像および撮像領域AR52の撮像画像に映る複数の照射点の位置における基板高さに基づいて、基板Wの傾きをさらに計測してもよい。
【0103】
図12を参照して、他のユースケースについて説明する。
図12は、実施の形態1における高さ計測処理の他のユースケース例を説明する図である。
【0104】
図12に示す他のユースケースにおけるロボットRBは、ロボットハンドを有し、ステージSTG上のワークWk(例えば、食品,部品,荷物等)の仕分け等を実行する。このような場合、実装システム100は、実装機M1の代わりにロボットRBを含んで構成され、レーザL1によりステージSTG上に照射されたレーザ光LP0の照射点を、カメラC1の第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれにより撮像する。実装システム100は、撮像された2枚の撮像画像の画像処理を並列で実行し、ステージSTGのステージ高さを計測する。
【0105】
これにより、実装システム100は、ステージSTG上のワークWkをロボットハンドで掴んで別の場所に移動(搬送)したり、別の場所からステージSTG上にワークWkを移動(搬送)したりできる。
【0106】
以上により、実施の形態1に係る実装機M1は、レーザ光が照射された基板W上の撮像領域AR0(所定の撮像領域の一例)のうち所定の撮像領域より小さい第1の撮像領域を撮像する第1撮像部24と、撮像領域AR0内で、かつ、撮像領域AR0内より小さく、撮像領域AR1(第1の撮像領域の一例)と異なる領域を少なくとも含む撮像領域AR2(第2の撮像領域の一例)を撮像する第2撮像部25と、第1撮像部24および第2撮像部25により撮像された撮像画像のうち少なくとも1つの撮像画像からレーザ光の照射点LP1の位置(照射位置の一例)を検出し、検出された照射点LP1の位置に基づいて、基板高さを算出するプロセッサ41(算出部の一例)と、を備える。なお、ここでいうコンピュータは、端末装置P1、実装機M1、あるいはカメラC1のいずれであってもよい。また、ここでいう2つのカメラは、第1撮像部24と、第2撮像部25とを示す。
【0107】
これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、基板Wの基板高さの計測時において、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれで、撮像領域AR0よりも小さい撮像領域AR1,AR2を撮像することで、撮像画像の画像処理に要する時間をそれぞれの撮像領域AR1,AR2の大きさに対応する時間に短縮できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率を向上させることができる。
【0108】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1は、基板高さに基づいて、第1撮像部24および第2撮像部25の撮像領域(つまり、撮像領域AR1,AR2)をよりも小さくしてステレオ撮像する第1撮像部24および第2撮像部25(ステレオ撮像部の一例)と、をさらに備える。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、算出された基板高さに基づいて、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれによりステレオ撮像される撮像領域を撮像領域AR0よりも小さい領域に絞ることができる。したがって、実装機M1は、ステレオ撮像により撮像された撮像画像の画像処理に要する時間を短縮することができる。したがって、実装機M1は、部品Pの実装位置の算出に要する時間を短縮し、基板Wの生産効率を向上させることができる。
【0109】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、レーザ光は、基板W上でライン状に照射される(
図8、
図10参照)。撮像領域AR21,AR41および撮像領域AR22,AR42は、略矩形状であり、略矩形状の長手方向とレーザ光とが非平行である。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域をより小さくした場合(つまり、撮像領域AR0の半分以下に設定した場合)であっても、いずれかの撮像領域にレーザ光の照射点が含まれるため、この照射点の位置に基づいて、基板高さを計測できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0110】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、撮像領域AR41および撮像領域AR42は、長手方向とレーザ光とが略直交する(
図10参照)。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域をより小さくした場合(つまり、撮像領域AR0の半分以下に設定した場合)であっても、いずれかの撮像領域にレーザ光の照射点が含まれるため、この照射点の位置に基づいて、基板高さを計測できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0111】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、レーザ光は、基板W上の複数の照射の位置(例えば、
図9に示す複数の照射点LP31~LP35のそれぞれの位置,
図10に示す照射点LP5のそれぞれの位置等)に照射される。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域をより小さくした場合(つまり、撮像領域AR0の半分以下に設定した場合)であっても、いずれかの撮像領域にレーザ光の照射点が含まれるため、この照射点の位置に基づいて、基板高さを計測できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0112】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、レーザ光は、基板W上に所定の間隔(例えば、
図9に示す距離LL3,
図10に示す照射間隔LL5等)で複数の位置(例えば、
図9に示す複数の照射点LP31~LP35のそれぞれの位置,
図11に示す照射点LP5のそれぞれの位置等)に照射される。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域をより小さくした場合(つまり、撮像領域AR0の半分以下に設定した場合)であっても、いずれかの撮像領域にレーザ光の照射点が含まれるため、この照射点の位置に基づいて、基板高さを計測できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0113】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、レーザ光は、基板W上に一直線上に照射される(例えば、
図11に示す照射点LP5のそれぞれの位置等)。撮像領域AR51および撮像領域AR52は、略矩形状であり、略矩形状の長手方向とレーザ光とが非平行である。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域をより小さくした場合(つまり、撮像領域AR0の半分以下に設定した場合)であっても、いずれかの撮像領域にレーザ光の照射点が含まれるため、この照射点の位置に基づいて、基板高さを計測できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0114】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、撮像領域AR51および撮像領域AR52は、長手方向とレーザ光とが略直交する(
図11参照)。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域をより小さくした場合(つまり、撮像領域AR0の半分以下に設定した場合)であっても、いずれかの撮像領域にレーザ光の照射点が含まれるため、この照射点の位置に基づいて、基板高さを計測できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0115】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、撮像領域AR1,AR21,AR31,AR41,AR51および撮像領域AR2,AR22,AR32,AR42,AR52は、それぞれ撮像領域AR0の半分以下の領域である(
図8~
図11参照)。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域の大きさを小さくすればするほど、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができ、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0116】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、撮像領域AR1は、撮像領域AR0の半分である。撮像領域AR2は、撮像領域AR0の半分であって、撮像領域AR1と異なる領域である。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれを、撮像領域AR0の半分の撮像領域AR1,AR2を撮像することで、撮像画像の画像処理に要する時間を略半分に短縮できる。したがって、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができるため、基板Wの生産効率を向上させることができる。
【0117】
また、以上により、実施の形態1に係る実装機M1において、撮像領域AR1,AR21,AR31,AR41,AR51および撮像領域AR2,AR22,AR32,AR42,AR52は、略矩形状であり、撮像領域AR0の半分以下であって、かつ、略矩形状の長手方向と直交する方向の長さが所定の間隔(例えば、
図9に示す距離LL3,
図10に示す照射間隔LL5等)以上の長さである。これにより、実施の形態1に係る実装機M1は、第1撮像部24および第2撮像部25のそれぞれの撮像領域のうち少なくとも一方の撮像領域に照射点が含まれる。また、実装機M1は、画像処置に要する時間をそれぞれ短縮することができ、基板Wの生産効率をより向上させることができる。
【0118】
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示は、基板高さの計測をより効率化する実装機および実装方法の提示として有用である。
【符号の説明】
【0120】
12,22,32,42 メモリ
13 LD
21 FPGA
24 第1撮像部
25 第2撮像部
34 実装ヘッド
35 ノズル
100 実装システム
AR0,AR1,AR2,AR21,AR22,AR31,AR32,AR41,AR42,AR51,AR52 撮像領域
LP0 レーザ光
LP1,LP2,LP31,LP32,LP33,LP34,LP35,LP4,LP5 照射点
P 部品
W 基板