(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148458
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム、情報処理装置、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 3/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G08G3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056487
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】安間 寛文
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】岡本 順敬
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英吉
(72)【発明者】
【氏名】藤吉 正也
(72)【発明者】
【氏名】片岡 誠一
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA25
5H181BB04
5H181CC12
5H181FF05
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL14
5H181MB04
(57)【要約】
【課題】警告が必要な水域を実際に通過することなく警告が必要な水域を判定し、船舶に対して正確に警告を行うための情報処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理方法は、表示ステップ、受付ステップ、タイル設定ステップ、現在地検出ステップ、及び通知ステップを備える。表示ステップは、表示部に水上の地図を表示する。受付ステップは、管理者の操作を受け付ける。タイル設定ステップは、選択されたタイルを特定タイルとして記憶部に設定する。タイルは、表示部に表示された地図において、地図上の領域をメッシュ状に分割したものである。選択されたタイルは、受付ステップで管理者により選択されたタイルである。現在地検出ステップは、現在地を所定の時間間隔で検出する。通知ステップは、船舶が特定タイルに対応する水域に入ると警告を行う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に水上の地図を表示する表示ステップと、
管理者の操作を受け付ける受付ステップと、
前記表示部に表示された前記地図において、前記地図上の領域をメッシュ状に分割したタイルであって、前記受付ステップで前記管理者により選択された前記タイルを特定タイルとして記憶部に設定するタイル設定ステップと、
現在地を所定の時間間隔で検出する現在地検出ステップと、
船舶が前記特定タイルに対応する水域に入ると警告を行う通知ステップと、を備えることを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記タイル設定ステップは、前記受付ステップで前記管理者により囲まれた前記表示部上の領域内の互いに隣接する前記タイルを前記特定タイルとして設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記タイルを形成するメッシュのうち隣接する前記メッシュの間隔は、水域における20m以上40m以下の距離に対応することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記現在地検出ステップで検出された現在地に応じて決定される所定の範囲の前記特定タイルに関する情報である特定タイル情報を取得するタイル情報取得ステップをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記特定タイルに対応する水域は、船舶の進入が禁止された禁止エリア、または船舶が所定速度以下で走行することを求められる徐行エリアを含む、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
地図上の領域をメッシュ状に分割した領域であるタイルにおいて、船舶の走行に注意すべき水域を特定する前記タイルを特定タイルとして管理するサーバと、
船舶に搭載される情報処理装置と、を含む情報処理システムであって、
前記サーバは、
第1記憶部と、
表示部に表示する水上の前記地図を生成する表示生成部と、
前記表示部に表示された前記地図において、管理者の操作を受け付ける受付部を介して前記管理者により選択された前記タイルを前記特定タイルとして前記第1記憶部に設定するタイル設定部と、を備え、
前記情報処理装置は、
現在地を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、
前記特定タイルに関する情報である特定タイル情報を取得するタイル情報取得部と、
取得した前記特定タイル情報を記憶する第2記憶部と、
船舶が前記特定タイルに対応する水域に入ると警告を行う通知部と、を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、前記サーバから取得した前記特定タイル情報を記憶した記録媒体を着脱可能であり、
前記タイル情報取得部は、前記特定タイル情報を前記記録媒体から取得し前記第2記憶部に記憶させる、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
表示部に表示する水上の地図を生成する表示生成部と、
前記表示部に表示された前記地図において、前記地図上の領域をメッシュ状に分割した領域であるタイルであって、管理者の操作を受け付ける受付部を介して前記管理者により選択された前記タイルを特定タイルとして記憶部に設定するタイル設定部と、を備え、
前記特定タイルに関する情報である特定タイル情報は、船舶が前記特定タイルに対応する水域に入ったときに警告を行うために用いられることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
記憶部を備えるコンピュータを、
表示部に表示する水上の地図を生成する表示生成部、及び
前記表示部に表示された前記地図において、前記地図上の領域をメッシュ状に分割した領域であるタイルであって、管理者の操作を受け付ける受付部を介して前記管理者により選択された前記タイルを特定タイルとして前記記憶部に設定するタイル設定部、として機能させ、
前記特定タイルに関する情報である特定タイル情報は、船舶が前記特定タイルに対応する水域に入ったときに警告を行うために用いられることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定海域における小型船舶の実際の航行状況に即して、自船が危険な領域に接近した場合に警告や警報を適切に行えるようにした操船アシストシステムが開示されている。この操船アシストシステムでは、船舶がトリムアップした位置をトリムアップ位置情報として取得し、トリムアップ位置情報に基づいて座標領域毎に危険度を判定して更新・保持する危険度情報更新・保持部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の操船アシストシステムでは、警告や警報を行う座標領域を決めるためには、実際にそれらの海域を船舶が通過する必要があり、船舶が実際に通過したことがない海域への対応が十分ではなかった。
【0005】
本発明の目的は、警告や警報が必要な海域を実際に通過することなく警告等が必要な海域を判定し、船舶に対して正確に警告等を行うための情報処理方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第一態様に係る情報処理方法は、表示ステップ、受付ステップ、タイル設定ステップ、現在地検出ステップ、及び通知ステップを備える。表示ステップは、表示部に水上の地図を表示する。受付ステップは、管理者の操作を受け付ける。タイル設定ステップは、選択されたタイルを特定タイルとして記憶部に設定する。タイルは、表示部に表示された地図において、地図上の領域をメッシュ状に分割したものである。選択されたタイルは、受付ステップで管理者により選択されたタイルである。現在地検出ステップは、現在地を所定の時間間隔で検出する。通知ステップは、船舶が特定タイルに対応する水域に入ると警告を行う。
【0007】
上記第一態様の情報処理方法は、警告が必要な水域を実際に通過することなく警告が必要な水域を判定し、船舶に対して正確に警告を行うことができる。
【0008】
上記第一態様の情報処理方法において、タイル設定ステップは、受付ステップで管理者により囲まれた表示部上の領域内の互いに隣接するタイルを特定タイルとして設定してもよい。この態様によれば、特定タイルの設定を効率的に行うことができる。
【0009】
上記第一態様の情報処理方法では、タイルを形成するメッシュのうち隣接するメッシュの間隔は、水域における20m以上40m以下の距離に対応することが好ましい。この態様によれば、警告の精度及び処理負荷の低減等の点で好ましい。
【0010】
上記第一態様の情報処理装置では、タイル情報取得ステップをさらに備えることが好ましい。タイル情報取得ステップは、特定タイル情報を取得する。特定タイル情報は、特定タイルに関する情報である。取得する特定タイル情報は、現在地検出ステップで検出された現在地に応じて決定される所定の範囲の特定タイル情報である。この態様によれば、最適なサイズで特定タイル情報を取得できるので、情報処理装置の処理負荷及び記憶容量を低減できる。
【0011】
本開示の第二態様に係る情報処理システムは、サーバと情報処理装置とを含む。サーバは、船舶の走行に注意すべき水域を特定するタイルを特定タイルとして管理する。タイルは、地図上の領域をメッシュ状に分割した領域である。情報処理装置は、船舶に搭載される。サーバは、第1記憶部と、表示生成部と、タイル設定部と、を備える。表示生成部は、表示部に表示する水上の地図を生成する。タイル設定部は、表示部に表示された地図において、管理者の操作を受け付ける受付部を介して管理者により選択されたタイルを特定タイルとして第1記憶部に設定する。情報処理装置は、現在地検出部と、タイル情報取得部と、第2記憶部と、通知部と、を備える。現在地検出部は、現在地を所定の時間間隔で検出する。タイル情報取得部は、特定タイル情報を取得する。特定タイル情報は、特定タイルに関する情報である。第2記憶部は、取得した特定タイル情報を記憶する。通知部は、船舶が特定タイルに対応する水域に入ると警告を行う。
【0012】
上記第二態様の情報処理システムは、警告が必要な水域を実際に通過することなく警告が必要な水域を判定し、船舶に対して正確に警告を行うことができる。
【0013】
上記第二態様の情報処理システムで、好ましくは、情報処理装置がサーバから取得した特定タイル情報を記憶した記録媒体を着脱可能とする。タイル情報取得部は、特定タイル情報を記録媒体から取得し第2記憶部に記憶させる。この態様によれば、第2記憶部の記憶容量を低減できる。
【0014】
本開示の第三態様に係る情報処理装置は、表示生成部と、タイル設定部とを備える。表示生成部は、表示部に表示する水上の地図を生成する。タイル設定部は、表示部に表示された地図において、管理者により選択されたタイルを特定タイルとして記憶部に設定する。管理者による選択は、管理者の操作を受け付ける受付部を介して行われる。タイルは、地図上の領域をメッシュ状に分割した領域である。特定タイル情報は、船舶が特定タイルに対応する水域に入ったときに警告を行うために用いられる。特定タイル情報は、特定タイルに関する情報である。
【0015】
本開示の第四態様に係る制御プログラムは、記憶部を備えるコンピュータを、表示生成部、及びタイル設定部として機能させる。表示生成部は、表示部に表示する水上の地図を生成する。タイル設定部は、表示部に表示された地図において、管理者により選択されたタイルを特定タイルとして記憶部に設定する。管理者による選択は、管理者の操作を受け付ける受付部を介して行われる。タイルは、地図上の領域をメッシュ状に分割した領域である。特定タイル情報は、船舶が特定タイルに対応する水域に入ったときに警告を行うために用いられる。特定タイル情報は、特定タイルに関する情報である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態1に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図6】特定タイルの設定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】特定タイルの設定処理を説明する説明図である。
【
図8】特定タイルの設定処理を説明する説明図である。
【
図9】特定タイルの設定処理を説明する説明図である。
【
図10】メッシュ幅について説明する説明図である。
【
図11】メッシュ幅について説明する説明図である。
【
図12】メッシュ幅について説明する説明図である。
【
図13】メッシュ幅について説明する説明図である。
【
図14】マイコンでの警告の処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】モバイル端末での警告の処理の手順を示すフローチャートである。
【
図16】走行軌跡及びアラート履歴の表示処理を説明する説明図である。
【
図17】実施形態2に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図18】モバイル端末及びマイコンを用いた警告の処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下の各実施形態において同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
[実施形態1]
本発明の実施形態1の情報処理システム1は、船舶6が水上を走行する際、進入を禁止されている禁止エリアに進入したとき、又は徐行すべき徐行エリアで船舶6が所定速度以上で走行したときに、警告を行うシステムである。換言すると、情報処理システム1は、船舶が航行に注意すべき水域に進入するなどした場合に警告を行うシステムである。本明細書では、禁止エリア及び徐行エリアをまとめて特定エリアと総称する。なお、禁止エリア及び徐行エリアは、船舶に警告を行うべき領域の例であって、これら以外の領域で警告する態様を採用してもよい。例えば、船舶に搭載されたスピーカーなどから出力される音楽などのオーディオ音量が制限されるオーディオ制限エリアを、船舶に警告を行うべき領域としてもよい。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態1の情報処理システム1は、サーバ2、PC端末3、モバイル端末4、マイコン5、及びECU(Engine Control Unit)61を含む。ECU61は船舶6に搭載され、船舶6のエンジン回転数を検出してマイコン5に出力する。ECU61は、エンジン回転数に代えて船舶6の速度を出力してもよい。サーバ2、PC端末3、モバイル端末4、及びマイコン5は、ネットワークNを介して無線又は有線で互いに通信可能に接続される。なお、情報処理システム1に含まれる各構成は、それぞれが複数であってもよい。
【0020】
PC端末3は、PC(Personal Computer)である。PC端末3は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノート型PC、又はウェアラブルコンピュータであってもよい。
【0021】
モバイル端末4は、船舶6に取り付けられた携帯端末である。モバイル端末4は、船舶6に搭乗する人が保持していてもよい。モバイル端末4は、典型的にはスマートフォンであるが、PC、タブレット、携帯電話、ノート型PC、又はウェアラブルコンピュータなどの情報処理装置である。
【0022】
マイコン5は、船舶6に内蔵された基板に搭載された半導体装置、又は半導体装置と電子部品との組み合わせにより構成される情報処理装置である。マイコン5は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせにより実現される。
【0023】
[サーバの構成]
図2に示すように、サーバ2は、サーバ記憶部21、サーバ制御部22、及びサーバ通信部23を備える。サーバ2は、特定エリアに対応するタイルである特定タイルを管理する。サーバ2は、記憶部を備えるコンピュータである。
【0024】
タイルは、地図上の領域をメッシュ状、すなわち格子状に分割した領域のそれぞれを指す。つまり、タイルは、メッシュにより形成される。タイルは、例えば、ズームレベル及びタイル座標により指定される。ズームレベルは、地図の表示倍率を示す数字で表現される。ズームレベルが1上がると、地図の表示倍率が4倍になり、タイルに対応する実際の領域の縦横の長さがそれぞれ1/2になる。ズームレベル0は、所定の地図投影法で投影した地球地図全体を1枚の正方形タイルで表現したものである。所定の地図投影法は、世界測地系の経緯度が正方形に変換されるよう極域の一部地域を除外した範囲について、メルカトル投影の数式を使って変換する方法である。タイル座標は、東方向をX正方向、南方向をY正方向にとって、「X,Y」の形式で示される。特定タイルに関する情報を、特定タイル情報という。なお、タイルを示す情報は、発明の目的を達成するのに矛盾しない範囲で任意に決定可能である。タイルを示す情報は、所定の演算により、このタイルに対応する緯度及び経度の情報に変換できる。
【0025】
サーバ2により特定タイルとして管理される特定のタイルは、禁止エリア及び徐行エリアの総称である特定エリアに対応するタイルである。禁止エリアは、船舶が進入することを禁止されている水域を指す。徐行エリアは、船舶が走行する際に所定速度以下で走行すること、つまり速度超過で走行しないことを求められる水域を指す。換言すると、特定エリアは、船舶の走行に注意すべき水域である。
【0026】
サーバ記憶部21は、記憶装置によって実現される。この記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、もしくはフラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、磁気ディスク、又は光ディスク等である。
【0027】
サーバ記憶部21は、地図データ、特定タイル情報、走行軌跡情報、及びアラート履歴情報を記憶する。サーバ記憶部21はさらに、サーバ制御部22で実行されることで所定の機能を実現するプログラム、及びその他のデータを記憶する。地図データは、船舶6が走行する水域の地図のデータを含む。走行軌跡情報、及びアラート履歴情報については後述する。
【0028】
サーバ制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等によって実現される。このCPU又はMPU等は、サーバ記憶部21に記憶された各種プログラムを実行することで、それぞれのプログラムに対応して、サーバ制御部22に含まれる表示生成部221、タイル設定部222、タイル情報取得部223、走行軌跡登録部224、走行軌跡取得部225、アラート履歴登録部226、及びアラート履歴取得部227として機能する。
【0029】
表示生成部221は、PC端末3のPC表示部34、又はモバイル端末4のモバイル表示部44に表示するための画像を生成する。この画像は、地図、操作メニュー、及びアイコンなどを含むことがある。この地図は水上の地図を含むが、陸上の地図を含まなくてもよい。本実施形態の情報処理システム1では、サーバ2の表示生成部221がPC表示部34に表示するための画像を生成するが、サーバ2がPC端末3に地図及びタイルを描画するために用いるデータを送信し、PC端末3がPC表示部34に表示するための画像を生成してもよい。同様に、サーバ2の表示生成部221は、モバイル表示部44に表示するための画像を生成するが、モバイル端末4がモバイル表示部44に表示するための画像を生成してもよい。このような表示機能以外にも、各種機能の主体が、サーバ2からPC端末3又はモバイル端末4に置き換えられてもよい。
【0030】
タイル設定部222は、特定エリアを設定するなどの管理を行う管理者がPC端末3のPC入力部35を介して選択したタイルを、特定エリアに対応する特定タイルとしてサーバ記憶部21に設定する。このとき、タイル設定部222は、PC受付部322から受け取った管理者の操作に関する情報に基づいて、管理者が選択したタイルを決定する。サーバ記憶部21では、例えば、各タイルについて、タイルに対応する水域が、禁止エリア、徐行エリア、及び通常エリアのいずれに
対応するかを示す情報が記憶されている。通常エリアは、禁止エリア及び徐行エリアのどちらでもないエリアのことである。又は、サーバ記憶部21では、禁止エリア、及び徐行エリアのそれぞれに対応するタイルが記憶され、これによって通常エリアに対応するタイルを識別可能になっていてもよい。
【0031】
タイル情報取得部223は、必要な特定タイル情報を、サーバ記憶部21から取得する。特定タイル情報は、特定タイルに関する情報である。具体的には、タイル情報取得部223は、他の装置からの要求に応じてサーバ記憶部21から特定タイル情報を取得し、サーバ通信部23によって特定タイル情報を要求した装置に送信する。また、タイル情報取得部223は、他の装置の表示部で地図に加えて特定タイルを表示させるため、サーバ記憶部21から特定タイル情報を取得する。
【0032】
走行軌跡登録部224は、モバイル端末4又はマイコン5から受信した、船舶6が走行した軌跡である走行軌跡を示す走行軌跡情報をサーバ記憶部21に記憶させる。走行軌跡情報は、船舶6が走行した軌跡を、緯度及び経度の位置情報及び時間で示すものである。走行軌跡情報は、対象となる船舶6と関連付けられて記憶される。なお、走行軌跡情報の位置情報は、緯度及び経度を絶対値で示すものであってもよいし、所定位置を基準とする相対座標等で位置を示すものであってもよい。また、走行軌跡情報は、位置情報を直前の位置情報からの差分情報により示されるものであってもよい。
【0033】
走行軌跡取得部225は、サーバ記憶部21から走行軌跡情報を取得する。走行軌跡取得部225は、他の装置からの要求に応じてサーバ記憶部21から走行軌跡情報を取得し、サーバ通信部23によって走行軌跡情報を要求した装置に送信できる。また、走行軌跡取得部225は、取得した走行軌跡情報に基づいて、表示生成部221を介して走行軌跡を表示するための画像を生成する。
【0034】
アラート履歴登録部226は、モバイル端末4又はマイコン5から受信した、警告を行った履歴であるアラート履歴を示すアラート履歴情報をサーバ記憶部21に記憶させる。アラート履歴情報は、禁止エリアに進入した際の警告、及び徐行エリアで速度超過したときの警告を行った場所の位置情報、及び時間を示すものである。このときの位置情報は、例えば緯度及び経度の情報である。アラート履歴情報は、警告を行う対象となった船舶6と関連付けられて記憶される。アラート履歴情報と走行軌跡情報とは互いに関連付けられて記憶されてもよい。この場合、アラート履歴情報が示す位置情報は、走行軌跡情報が示す位置情報の一部であるため、走行軌跡情報に、警告を行ったフラグのようなデータ形式でアラート履歴情報を関連付けて記憶されてもよい。
【0035】
アラート履歴取得部227は、サーバ記憶部21からアラート履歴情報を取得する。アラート履歴取得部227は、他の装置からの要求に応じてサーバ記憶部21からアラート履歴情報を取得し、サーバ通信部23によってアラート履歴情報を要求した装置に送信できる。また、アラート履歴取得部227は、取得したアラート履歴情報に基づいて、表示生成部221を介してアラート履歴を表示するための画像を生成する。
【0036】
サーバ通信部23は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。サーバ通信部23は、ネットワークNと有線又は無線で接続される。サーバ通信部23は、他の装置と間でのデータの送受信を行う。
【0037】
[PC端末の構成]
図3に示すように、PC端末3は、PC記憶部31、PC制御部32、PC通信部33、PC表示部34、及びPC入力部35を備える。本実施形態のPC端末3はPCであるが、主に表示装置及び入力装置として機能するだけで、データの処理はサーバ2によって行われる。なお、このような態様に代えて、サーバ2の代わりにPC端末3がデータの処理等を行う構成としてもよい。この場合、サーバ2のサーバ制御部22が有する機能の少なくとも一部を、PC制御部32が有してもよい。
【0038】
PC記憶部31は、記憶装置によって実現される。この記憶装置は、例えば、RAM、もしくはフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、磁気ディスク、又は光ディスク等である。PC記憶部31は、PC端末3で実行されることで所定の機能を実現するプログラム、及びその他のデータを記憶する。
【0039】
PC制御部32は、例えば、CPU又はMPU等によって実現される。このCPU又はMPU等は、PC記憶部31に記憶された各種プログラムを実行することで、それぞれのプログラムに対応して、PC表示制御部321及びPC受付部322として機能する。
【0040】
PC表示制御部321は、PC表示部34に表示される画像を制御する。PC表示制御部321は、サーバ2から受信した、表示生成部221で生成された画像をPC表示部34に表示する。PC表示制御部321は、PC表示部34に表示される画像を生成してもよい。
【0041】
PC受付部322は、管理者がPC入力部35を介して行った操作を受け付ける。PC受付部322が受け付けた管理者の操作に応じて、PC制御部32は種々の処理を行う。PC制御部32は、PC受付部322が受け付けた管理者の所定の操作に関する情報を、PC通信部33を介してサーバ2に送信できる。PC受付部322は、特定タイルの設定処理を行うとき、管理者がクリックしたPC表示部34の位置に関する情報をサーバ2のタイル設定部222に送信する。サーバ2は、この情報に基づいて、管理者により選択されたタイルを特定できる。
【0042】
PC通信部33は、例えば、NIC等によって実現される。PC通信部33は、ネットワークNと有線又は無線で接続される。PC通信部33は、他の装置と間でのデータの送受信を行う。
【0043】
PC表示部34は、2以上の画素を含み、画像を表示する。PC表示部34は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイ等によって実現される。なお、PC表示部34としてタッチパネルが採用されてもよく、この場合にはPC表示部34とPC入力部35とは一体である。PC表示部34は、例えば、特定タイルを設定するための地図、又は特定タイルを表示し確認するための地図等を表示する。
【0044】
PC入力部35は、管理者による各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、PC入力部35は、キーボード、マウス、又はタッチパネル等によって実現される。
【0045】
[モバイル端末の構成]
図4に示すように、モバイル端末4は、モバイル記憶部41、モバイル制御部42、モバイル通信部43、モバイル表示部44、モバイル入力部45、モバイル通知部46、モバイル速度検出部47、及びモバイル現在地検出部48を備える。モバイル端末4のモバイル記憶部41、モバイル制御部42、モバイル通信部43、モバイル表示部44、及びモバイル入力部45は、PC端末3のPC記憶部31、PC制御部32、PC通信部33、PC表示部34、及びPC入力部35とそれぞれ類似の機能を有する。そのため、以下の説明ではモバイル端末4の各構成についての同様の機能についての説明を省略し、異なる機能を中心に説明を行う。
【0046】
モバイル記憶部41は、モバイル端末4で実行されるプログラムに加え、サーバ2から受信した特定タイルに関する情報を記憶する。
【0047】
モバイル制御部42は、モバイル記憶部41に記憶された各種プログラムを実行することで、モバイル表示制御部421、モバイル受付部422、モバイル通知制御部423、及びモバイルタイル情報取得部424として機能する。
【0048】
モバイル表示制御部421は、モバイル表示部44に表示される画像を制御する。モバイル表示制御部421は、サーバ2の表示生成部221で生成された画像をPC表示部34に表示してもよいが、モバイル表示部44に表示される画像を生成してもよい。このとき、モバイル表示部44に表示する画像を生成するための地図データ等は、サーバ2から取得してもよいが、モバイル記憶部41に記憶された地図データ等を用いてもよい。
【0049】
モバイル通知制御部423は、船舶6が特定タイルに対応する水域に入ったときにモバイル通知部46を制御して警告を行う。
【0050】
具体的には、モバイル通知制御部423は、検出された現在地を、モバイル記憶部41に記憶された特定タイル情報と比較することで、船舶6が特定タイルに対応する水域に進入したことを判定する。この現在地はモバイル現在地検出部48によって検出されるが、マイコン現在地検出部58によって検出された現在地を利用してもよい。このときモバイル通知制御部423は、所定の演算により特定タイル情報を緯度及び経度の情報に変換し、又は現在地情報をタイルを示す情報に変換して、両者を比較する。船舶6が禁止エリアに対応する水域に進入した場合には、モバイル通知制御部423はモバイル通知部46を介して警告音を出力することで警告を行う。また、船舶6が徐行エリアに対応する水域に進入した場合は、モバイル通知制御部423はモバイル速度検出部47で検出された船舶6の速度が、例えば時速10kmなどの所定の速度以上であった場合に、モバイル通知部46を介して警告音を出力して警告を行う。警告音は、船舶6が禁止エリアに進入したときと、船舶6が徐行エリアで所定の速度以上で走行したときとで異なる。モバイル通知制御部423は、モバイル通知部46から出力される音に加え、モバイル表示部44を介して、さらに画像により警告を行ってもよい。又は、モバイル通知制御部423は、音に代えて、モバイル表示部44を介して画像により警告を行ってもよい。さらに、モバイル通知制御部423は、マイコン5のマイコン通知部56を介して音による警告を行ってもよい。
【0051】
モバイルタイル情報取得部424は、モバイル現在地検出部48で検出された現在地に応じて、特定タイル情報を取得する範囲を決定する。例えば、モバイルタイル情報取得部424は、現在地を中心とする、周囲10kmなどの範囲の特定タイル情報を取得する。特定タイル情報を取得する範囲は周囲10kmに限らず、周囲20km、周囲5km、又は周囲1kmなどであってもよい。例えば、モバイルタイル情報取得部424は、現在地が東京湾近傍である場合には東京湾周辺の、現在地が相模湾近傍である場合には相模湾周辺の、特定タイル情報を取得してもよい。
【0052】
モバイルタイル情報取得部424は、サーバ2のサーバ記憶部21からモバイル通信部43を介して特定タイル情報を取得し、モバイル記憶部41に記憶させる。モバイルタイル情報取得部424が特定タイル情報を取得するタイミングは任意に決定可能である。モバイルタイル情報取得部424は、モバイル現在地検出部48が現在地の情報を取得したタイミング、前回特定タイル情報を取得してから所定距離以上を移動したタイミング、所定の時間間隔、又は船舶6のエンジンが起動されたタイミングなどで特定タイル情報を取得する。
【0053】
モバイル通信部43は、船舶6の走行軌跡を示す走行軌跡情報、及び警告を行った履歴を示すアラート履歴情報をサーバ2に送信する。モバイル通信部43が送信する走行軌跡情報は、モバイル現在地検出部48が検出した現在地の情報と、現在地の情報を取得した時間の情報とを組み合わせた情報である。モバイル通信部43が送信するアラート履歴情報は、モバイル通知部46が警告を行ったときの現在地の情報、警告を行った時間の情報、及び警告の種類を示す情報を組み合わせた情報である。
【0054】
モバイル通知部46は、モバイル通知制御部423の制御により、警告音を出力することで警告を行う。モバイル通知部46は、音声出力を行うスピーカーなどで実現される。
【0055】
モバイル速度検出部47は、船舶6の速度を検出する。モバイル速度検出部47は、モバイル現在地検出部48によって検出される現在地に基づいて、船舶6の速度を検出する。モバイル速度検出部47は、マイコン5のマイコン通信部53を介してECU61からエンジン回転数を取得して船舶6の速度を検出してもよい。また、モバイル速度検出部47は、モバイル端末4が有する角速度センサなどによって速度を検出するなど、他の方法で速度を検出してもよい。
【0056】
モバイル現在地検出部48は、船舶6の現在地を検出する。例えば、モバイル現在地検出部48は、GPS(Global Positioning System)センサによりGPS衛星からの電波を受信することで現在地の情報を取得する。現在地は、例えば、緯度及び経度で表される。モバイル現在地検出部48は、GPSセンサにより取得した現在地の情報に加え、モバイル端末4が通信のために接続している基地局などの情報を用いて現在地を検出してもよい。モバイル現在地検出部48は、他の方法で現在地を検出してもよい。
【0057】
モバイル端末4では、現在地周辺の地図及び特定エリアではなく、任意の地点の地図及び特定エリアをモバイル表示部44に表示することができる。このとき、モバイル端末4は、サーバ2の表示生成部221が生成した、管理者が指定した地点の地図及び特定エリアの画像をモバイル表示部44に表示するが、現在地周辺の特定タイル情報を削除することなく保持する。これにより、モバイル端末4で任意の地点の地図等を表示していたとしても、船舶6が特定エリアに進入したときには警告を行うことができる。
【0058】
なお、上記の態様に代えて、サーバ2の代わりにモバイル端末4が各種データの処理等を行う構成としてもよい。この場合、サーバ2のサーバ制御部22が有する機能の少なくとも一部を、モバイル制御部42が有してもよい。
【0059】
[マイコンの構成]
マイコン5は、上述のとおり船舶6に内蔵された基板に搭載された半導体装置等であるため、PC端末3及びモバイル端末4と比較すると、情報処理能力が低く、記憶手段が有する記憶容量が小さい。そのため、マイコン5は、PC端末3及びモバイル端末4と比較して、情報処理の量を少なくし、マイコンメインメモリ59に記憶させるデータ量を少なくするような処理を行っている。
【0060】
図5に示されるように、マイコン5は、記録媒体51、マイコン制御部52、マイコン通信部53、マイコン通知部56、マイコン速度検出部57、マイコン現在地検出部58、及びマイコンメインメモリ59を備える。マイコン5のマイコン制御部52、及びマイコン通信部53は、PC端末3のPC制御部32、及びPC通信部33と類似の機能を有する。マイコン通知部56は、モバイル端末4のモバイル通知部46類似の機能を有する。そのため、以下の説明では各構成についての同様の機能についての説明を省略し、異なる機能を中心に説明を行う。
【0061】
記録媒体51は、マイコン5に着脱可能である。記録媒体51は記憶媒体によって実現される。記録媒体51は、SDカードなどの半導体メモリであるが、光ディスク、又は磁気ディスク等であってもよい。記録媒体51には、予めPC端末3から取得した特定タイル情報が記憶されている。記録媒体51は、通信ではなく、マイコン5から取り外され、PC端末3に実際に接続されることでPC端末3から特定タイル情報を取得する。ただし、記録媒体51が通信によってPC端末3から特定タイル情報を取得することを排除するものではない。記録媒体51は、マイコン制御部52で実行されるプログラムを記憶していてもよい。
【0062】
マイコン制御部52は、図示されない記憶手段、または記録媒体51に記憶された各種プログラムを実行することで、マイコン通知制御部523、及びマイコンタイル情報取得部524として機能する。マイコン通知制御部523、及びマイコンタイル情報取得部524は、マイコン5のハードウェア又はファームウェアなどで実現されてもよい。
【0063】
マイコン通知制御部523は、船舶6が特定タイルに対応する水域に入ったときにマイコン通知部56を制御して警告を行う。
【0064】
具体的には、マイコン通知制御部523は、検出された現在地を、マイコンメインメモリ59に記憶された特定タイル情報と比較することで、船舶6が特定タイルに対応する水域に進入したことを判定する。現在地はマイコン現在地検出部58によって検出されるが、モバイル現在地検出部48によって検出された現在地を利用してもよい。このときマイコン通知制御部523は、所定の演算により特定タイル情報を緯度及び経度の情報に変換し、又は現在地情報をタイルを示す情報に変換して、両者を比較する。船舶6が禁止エリアに対応する水域に進入した場合には、マイコン通知制御部523はマイコン通知部56を介して警告音を出力することで警告を行う。また、船舶6が徐行エリアに対応する水域に進入していた場合は、マイコン通知制御部523はマイコン速度検出部57で検出された船舶6の速度が、例えば時速10kmなどの所定の速度以上であった場合に、マイコン通知部56を介して警告音を出力して警告を行う。警告音は、船舶6が禁止エリアに進入したときと、船舶6が徐行エリアで所定の速度以上で走行したときとで異なる。
【0065】
マイコンタイル情報取得部524は、マイコン現在地検出部58で検出された現在地に応じて、特定タイル情報を取得する範囲を決定する。例えば、マイコンタイル情報取得部524は、現在地を中心とする、周囲10kmなどの範囲の特定タイル情報を取得する。特定タイル情報を取得する範囲は周囲10kmに限らず、周囲20km、周囲5km、又は周囲1kmなどであってもよい。例えば、マイコンタイル情報取得部524は、現在地が東京湾内である場合には東京湾の、現在地が相模湾内である場合には相模湾の、特定タイル情報を取得してもよい。また、マイコンタイル情報取得部524は、現在地が東京湾内またはその近傍である場合には東京湾及びその周辺の、現在地が相模湾内またはその近傍である場合には相模湾及びその周辺の、特定タイル情報を取得してもよい。ただし、マイコンタイル情報取得部524が取得する特定タイル情報を取得する範囲は、モバイルタイル情報取得部424が取得する特定タイル情報を取得する範囲よりも狭いことが好ましい。
【0066】
マイコンタイル情報取得部524は、記録媒体51から特定タイル情報を取得し、マイコンメインメモリ59に記憶させる。マイコンタイル情報取得部524が特定タイル情報を取得するタイミングは任意である。マイコンタイル情報取得部524は、船舶6のエンジンが起動されたタイミングなどで特定タイル情報を取得する。マイコンタイル情報取得部524は、マイコン現在地検出部58が現在地の情報を取得したタイミング、又は所定の時間間隔で特定タイル情報を取得してもよい。ただし、マイコン5の情報処理量を減少させるため、モバイル端末4においてモバイルタイル情報取得部424が取得する頻度よりも少ない頻度で、マイコンタイル情報取得部524が特定タイル情報を取得することが好ましい。
【0067】
マイコン通信部53は、アラート履歴情報をサーバ2に送信する。マイコン通信部53が送信するアラート履歴情報は、マイコン通知部56が警告を行ったときの現在地の情報、警告を行った時間の情報、及び警告の種類を示す情報を組み合わせた情報である。
【0068】
本実施形態の情報処理システム1におけるマイコン通信部53は、通信能力がモバイル通信部43よりも低いものを採用しているため、主にアラート履歴情報をサーバ2に送信するだけであるが、このような態様に限定されるものではない。すなわち、マイコン通信部53は、モバイル通信部43のように、船舶6の走行軌跡を示す走行軌跡情報をサーバ2に送信してもよい。
【0069】
マイコン通知部56は、マイコン通知制御部523の制御により、警告音を出力することで警告を行う。
【0070】
マイコン速度検出部57は、船舶6の速度を検出する。マイコン速度検出部57は、ECU61からエンジン回転数を取得して船舶6の速度を検出する。ECU61から速度の情報を受け取る場合には、マイコン速度検出部57は改めて速度を検出しなくてよい。マイコン速度検出部57は、例えば現在地情報に基づく演算など、別の方法で船舶6の速度を検出してもよい。
【0071】
マイコン現在地検出部58は、船舶6の現在地を検出する。例えば、マイコン現在地検出部58は、GPSセンサによりGPS衛星からの電波を受信することで現在地情報を取得する。マイコン5は、マイコン現在地検出部58を有する代わりに、マイコン通信部53を介した通信により、モバイル端末4から現在地の情報を取得してもよい。また、マイコン現在地検出部58は、他の方法で現在地を検出してもよい。
【0072】
マイコンメインメモリ59は、マイコン5が作動する際に各種データを一時的に記憶する記憶装置である。マイコンメインメモリ59はRAMである。マイコンメインメモリ59は、マイコンタイル情報取得部524が記録媒体51から受信した特定タイル情報を記憶する。
【0073】
[特定タイルの設定処理]
図6のフローチャートに示す特定タイル設定処理は、サーバ2とPC端末3とで行われる。特定タイル設定処理は、特定エリアに対応するタイルを特定するための特定タイル情報をサーバ2のサーバ記憶部21に設定する処理である。
【0074】
まず、ステップS100で、サーバ2の表示生成部221は、PC端末3のPC表示部34で表示する、水上の地図を含む画像を生成する。次に、ステップS110で、PC表示制御部321はPC表示部34にサーバ2から受信した水上の地図を含む画像を表示する。
【0075】
図7は、特定タイルの設定処理の際にPC表示部34に表示される画像を示す。
図7に示されるように、PC表示部34には、地
図341と、地
図341上にメッシュ状に表示されたメッシュ342と、禁止エリアを設定するモードと徐行エリアを設定するモードとを切り替えるメニュー表示343とが表示される。メッシュ342は、地
図341を区切る網目状の線である。地
図341において、陸の領域がハッチングが施されたタイル341a、水域がハッチングのないタイル341bとして表示されている。地
図341上には、地図の画像に、徐行エリアとして設定された領域に対応するタイル344、及び禁止エリアとして設定された領域に対応するタイル345が重畳されて表示される。具体的には、陸の領域であって徐行エリアに設定された領域に対応するタイル344aでは、2つのハッチングが重畳されて表示されている。すなわち、水域のうち、徐行エリアに設定された領域に対応するタイルはタイル344、禁止エリアに設定された領域に対応するタイルはタイル345、徐行エリアでも禁止エリアでもない領域に対応するタイルはタイル341bの態様で表示されている。一方、陸の領域のうち、徐行エリアに設定された領域に対応するタイルはタイル344a、徐行エリアでも禁止エリアでもない領域に対応するタイルはタイル341aの態様で表示されている。
図7には示されていないが、陸の領域のうち、禁止エリアに設定された領域に対応するタイルは、タイル341a及びタイル345の態様を重畳させた態様で表示されることとなる。タイル341a、341b、344、344a、及び345は、実際にはそれぞれ異なる色又は態様でPC表示部34に表示される。管理者がメニュー表示343を操作すると、サーバ2に特定タイルとして設定する対象を、禁止エリアと徐行エリアとで切り替えられる。
【0076】
次に、ステップS120で、PC受付部322は管理者がPC入力部35により行った操作を受け付け、PC通信部33を介して管理者の操作に関する情報をサーバ2に送信する。
【0077】
次に、ステップS130で管理者がタイルを選択する操作を行った場合には、ステップS131で、タイル設定部222は管理者により選択されたタイルを禁止エリア又は徐行エリアに対応する特定タイルとしてサーバ記憶部21に設定する。
【0078】
PC表示部34には、
図8(a)に示すような地
図341がメッシュ342とともに表示される。例えば、管理者がPC入力部35であるマウスを操作すると、管理者の操作に応じてマウスポインタ347が移動し、管理者がマウスをクリックすることで、対象のタイル346が選択される。
図8(b)に示すように、禁止エリア又は徐行エリアに対応する特定タイルとして設定されたタイル346は、PC表示部34上で禁止エリア又は徐行エリアに対応するタイルとして表示される。
【0079】
一方、ステップS140で、管理者がPC表示部34に表示された地
図341上の領域を囲む処理を行った場合には、ステップS141で、タイル設定部222は、管理者により囲まれたPC表示部34上の領域内の互いに隣接するタイルを、禁止エリア又は徐行エリアに対応する特定タイルとしてサーバ記憶部21に設定する。
【0080】
PC表示部34には、
図9(a)に示すような地
図341がメッシュ342とともに表示される。例えば、管理者がPC入力部35のマウスを操作してPC表示部34の地
図341上の範囲を囲む操作を開始すると、マウスポインタのアイコンがペンのアイコン348に変化する。管理者が、
図9(b)に示すようにPC表示部34に表示された地
図341の所望の範囲349の外郭をなぞって囲む操作を行うと、このなぞった軌跡439aが表示される。所望の範囲349の外郭をなぞって囲む操作を完了すると、
図9(c)に示すように、軌跡349aにより囲まれたPC表示部34上の領域に対応する2以上のタイルが選択される。これにより、管理者は、タイルをひとつずつ選択して特定エリアを設定することなく、範囲選択によって、複数のタイルをまとめて特定エリアとして効率的に設定できる。
【0081】
一方、管理者が上記以外の操作を行った場合には、ステップS150で、サーバ2のサーバ制御部22又はPC端末3のPC制御部32は、管理者の操作に応じた処理を実行する。
【0082】
[タイルのメッシュ幅]
本実施形態のタイルは、地図上の領域をメッシュ状に分割したものである。タイルは、ズームレベル及びタイル座標により指定されるが、特に情報処理システム1のマイコン5での情報処理の量を少なくし、マイコンメインメモリ59に記憶させるデータ量を少なくするために最適なズームレベルを採用している。
【0083】
図10及び
図11は、PC端末3のPC表示部34に表示された地図及341及びメッシュ342等を示す。
図10はズームレベル20、
図11はズームレベル21でのPC表示部34での表示を示す。ズームレベル20では、メッシュ幅は約31.1mとなる。メッシュ幅は、タイルを形成するメッシュのうち隣接するメッシュの間隔の実際の水域における距離に対応する。換言すると、メッシュ幅は、タイルに対応する実際の領域の一辺の距離を指す。ズームレベル21ではメッシュ幅は約15.0mとなる。発明者らの実験結果によれば、禁止エリア又は徐行エリアに進入したときの警告の精度、GPSを用いた現在地情報取得時の誤差、及びマイコン5における情報処理の負荷を考慮すると、ズームレベル21よりもズームレベル20の方が適切であった。より具体的には、ズームレベル21及び20のどちらを採用しても警告の精度は十分であったが、ズームレベル21を採用するとマイコン5における情報処理の負荷が大きくなってしまった。
【0084】
図12および
図13は、PC端末3のPC表示部34に表示された地
図341及びメッシュ342等を示す。
図12はズームレベル19、
図13はズームレベル20でのPC表示部34での表示を示す。ズームレベル19では、メッシュ幅が約62.2mとなる。
図13に示すように、表示された水域には徐行エリアに該当しない領域が存在するが、
図12のズームレベル19の表示では、この徐行エリアに該当しない領域を認識できなくなっている。発明者らの実験結果によれば、禁止エリア又は徐行エリアを適切に認識可能にするためには、ズームレベル19よりもズームレベル20が適切であった。
【0085】
本実施形態の情報処理システム1では、メッシュ幅を最適なものとするため、ズームレベル20を採用することが好ましい。このときのメッシュ幅は、約31.1mである。本実施形態の情報処理システム1では、メッシュ幅を20m以上40m以下とすることが好ましく、メッシュ幅を26m以上36m以下とすることがより好ましく、メッシュ幅を28m以上34m以下とすることがさらに好ましく、メッシュ幅を29.5m以上32.7m以下とすることがさらに好ましい。メッシュ幅を上記のようにすることで、マイコンで5での情報処理の負荷を適度に抑えながら、禁止エリア又は徐行エリアに進入したときの警告を十分に実用的な精度で行うことができる。なお、同じズームレベルであっても緯度によってメッシュ幅が変動するため、情報処理システム1では上記のメッシュ幅となるズームレベルを採用することが好ましい。
【0086】
[マイコンでの警告処理]
図14に示すマイコン5での警告の処理において、まずステップS200で、マイコン現在地検出部58は船舶6の現在地を検出する。
【0087】
次に、ステップS210で、マイコンタイル情報取得部524は、マイコン現在地検出部58で検出された現在地に応じて特定タイル情報を取得する範囲を決定し、記録媒体51から特定タイル情報を取得する。
【0088】
次に、ステップS220で、マイコンタイル情報取得部524は、取得した特定タイル情報をマイコンメインメモリ59に記憶させる。
【0089】
次に、ステップS230で、マイコン通知制御部523は、船舶6の現在地の情報と特定タイル情報とを比較する。現在地が禁止エリアであった場合には、ステップS231で、マイコン通知制御部523は、マイコン通知部56を介して、船舶6が禁止エリアに進入したことを警告する。
【0090】
一方、ステップS240で現在地が徐行エリアであり、ステップS250で船舶6が一定以上の速度で走行していた場合には、ステップS251で、マイコン通知制御部523は、マイコン通知部56を介して、船舶6が徐行エリアで速度超過していることを警告する。
【0091】
マイコン5による警告は、一度警告してから一定時間は行わないようにしてもよい。このような態様にすると、船舶6が禁止エリアを走行する必要がある場合などに警告を続けることを抑制することなどができる。一度警告してから次の警告を行うまでのインターバルは、例えば5分にすることが好ましく、1分にすることがさらに好ましい。
【0092】
なお、ステップS210及びS220で行われる特定タイル情報の取得及びマイコンメインメモリ59への記憶は、現在地を取得する度に行うのではなく、前述のような所定のタイミングで行うことが好ましい。
【0093】
[モバイル端末での警告処理]
図15に示すモバイル端末4での警告の処理において、まずステップS300で、モバイル現在地検出部48は船舶6の現在地を検出する。
【0094】
次に、ステップS310で、モバイルタイル情報取得部424は、モバイル現在地検出部48で検出された現在地に応じて特定タイル情報を取得する範囲を決定し、サーバ2のサーバ記憶部21から、モバイル通信部43を介して特定タイル情報を取得する。
【0095】
次に、ステップS320で、モバイルタイル情報取得部424は、特定タイル情報をモバイル記憶部41に記憶させる。
【0096】
次に、ステップS330で、モバイル通知制御部423は、船舶6の現在地の情報と特定タイル情報とを比較する。現在地が禁止エリアであった場合には、ステップS331で、モバイル通知制御部423は、モバイル通知部46を介して、船舶6が禁止エリアに進入したことを警告する。
【0097】
一方、ステップS340で現在地が徐行エリアであり、ステップS350で船舶6が一定以上の速度で走行していた場合には、ステップS351で、モバイル通知制御部423は、モバイル通知部46を介して、船舶6が徐行エリアで速度超過していることを警告する。
【0098】
なお、ステップS310及びS320で行われる特定タイル情報の取得及びモバイル記憶部41への記憶は、現在地を取得する度に行うのではなく、前述のような所定のタイミングで行うことが好ましい。
【0099】
[走行軌跡及びアラート履歴の表示]
図16に示すように、情報処理システム1では、PC端末3のPC表示部34に船舶6の走行軌跡及びアラート履歴を表示できる。船舶6の走行軌跡及びアラート履歴の表示は、PC端末3ではなくモバイル端末4で行ってもよい。
【0100】
管理者がPC端末3のPC入力部35により船舶6の走行軌跡を表示させるよう操作すると、サーバ2の走行軌跡取得部225は、サーバ記憶部21から走行軌跡情報を取得する。さらに、アラート履歴取得部227は、サーバ記憶部21からアラート履歴情報を取得する。表示生成部221は、取得した走行軌跡情報及びアラート履歴、ならびにサーバ記憶部21に記憶された地図データ及び特定タイル情報に基づいて、PC端末3のPC表示部34に表示する画像を生成する。PC端末3は、表示生成部221により生成された画像を取得し、PC表示制御部321の制御によって、
図16に示すような画像がPC表示部34に表示される。
【0101】
図16に示されるように、走行履歴は地図上に線71及び72で表示され、アラート履歴は地図上にアイコン73及び74で表示される。
図16では、便宜上、通常エリアを走行した履歴が点線71で、禁止エリアまたは徐行エリアを走行した履歴が実線72で表示されている。これらの線71及び72の表示態様は任意であり、例えば色分けされて表示されてもよい。
図16では、アラート履歴のうち、禁止エリアへの侵入に関する警告を行った位置がアイコン73で示され、徐行エリア内を速度超過で走行していることへの警告を行った位置がアイコン74で示される。
図16に示されるように、PC表示部34に走行履歴及びアラート履歴を表示する対象の船舶や日時は、管理者によって選択可能である。
【0102】
[実施形態2]
図17に示すように、実施形態2の情報処理システム1Aは、モバイル端末4とマイコン5とが有線又は無線で接続され通信可能である。実施形態2の情報処理システム1Aでは、モバイル端末4とマイコン5とが共同して警告処理を行う。以下に具体的に説明する様に、情報処理システム1Aでは、モバイル端末4で警告を行うことを決定し、マイコン5によって実際の警告を行う。
【0103】
[モバイル端末及びマイコンを用いた警告処理]
図18に示す、モバイル端末4及びマイコン5を用いた警告処理では、まずステップS400で、マイコン現在地検出部58が現在地を検出する。次に、ステップS410で、モバイル端末4のモバイル現在地検出部48が現在地を取得する。ここで、モバイル端末4は、マイコン現在地検出部58によって検出された現在地の情報に基づいて現在地の情報を補正する。ただし、このような現在地の補正は必ずしも行われなくてもよく、その場合にはマイコン現在地検出部58又はモバイル現在地検出部48の一方によって現在地を取得してよい。
【0104】
次に、ステップS420で、モバイルタイル情報取得部424は、検出された現在地に応じて特定タイル情報を取得する範囲を決定し、サーバ2のサーバ記憶部21からモバイル通信部43を介して特定タイル情報を取得する。
【0105】
次に、ステップS430で、モバイルタイル情報取得部424は、サーバ2から取得した特定タイル情報をモバイル記憶部41に記憶させる。
【0106】
次に、ステップS440で、モバイル通知制御部423は、船舶6の現在地の情報と特定タイル情報とを比較する。現在地が禁止エリアであった場合には、ステップS441で、マイコン通知部56を介して、船舶6が禁止エリアに進入したことを警告する。
【0107】
一方、ステップS450で、現在地が徐行エリアであった場合には、ステップS451で、マイコン速度検出部57が船舶6の速度を検出する。次に、ステップS460で船舶6が一定以上の速度で走行していた場合には、ステップS461で、モバイル通知制御部423は、マイコン通知部56を介して、船舶6が徐行エリア内を速度超過で走行していることを警告する。
【0108】
モバイル端末4は、情報処理の能力に優れるが、モバイル通知部46は大音量での音の出力を行うことができない。一方で、マイコン5は、情報処理の能力はモバイル端末4に劣るが、大音量での音の出力を行えるスピーカーをマイコン通知部56として採用できる。そこで、上記のように、警告を行うための情報処理をモバイル端末4で行い、警告を行うための音の出力をマイコン5で行うことで、両者の長所を活かしながら、好ましい態様で警告を行うことができる。
【0109】
なお、ステップS420及びS430で行われる特定タイル情報の取得及びモバイル記憶部41への記憶は、現在地を取得する度に行うのではなく、前述のような所定のタイミングで行うことが好ましい。
【0110】
以上のように上記実施形態の情報処理システム1は、船舶6にとって注意が必要な水域である特定エリアを設定する。情報処理システム1は、PC表示部34と、PC入力部35と、サーバ記憶部21と、現在地検出部であるモバイル現在地検出部48又はマイコン現在地検出部58と、制御部であるモバイル制御部424又はマイコン制御部52とを備える。PC表示部34は、地
図341と、地
図341を区切るメッシュ342とを表示する。PC入力部35は、特定エリアの管理者によって操作される。サーバ記憶部21は、特定タイル情報を記憶する。特定タイル情報は、メッシュ342で区切られた地
図341の一部である2以上のタイルのうち、PC入力部35を介して管理者によって選択されたタイルを示す。モバイル現在地検出部48又はマイコン現在地検出部58は、船舶6の現在地を示す現在地データを所定の時間間隔で取得する。モバイル制御部42又はマイコン制御部52は、現在地データと特定タイル情報とに基づき、特定エリアへの船舶6の進入に対する警告を行うことを決定する。
【0111】
また上記実施形態において、PC表示部34は、水域での20m以上40m以下の長さに対応する間隔でメッシュ342を表示する。
【0112】
また上記実施形態の情報処理システム1は、PC制御部32をさらに備える。PC制御部32は、管理者がPC表示部34をなぞった軌跡439aによって囲まれた選択範囲349内の2以上のタイルを特定タイルに設定してもよい。PC制御部32は、選択範囲349の設定のために管理者によってなぞられたタイルを選択範囲349に含めてもよく、含めなくてもよい。本実施形態において、PC制御部32は、
図9(C)に示すように、管理者の操作によりマウスポインタ347が通過したタイルを、管理者によってなぞられたタイルとして選択範囲349に含める。すなわち、管理者によってなぞられたタイルは、選択範囲349のうち最も外側にあるタイルとなる。
【0113】
また第1実施形態において、サーバ2は、情報処理装置であるモバイル端末4又はマイコン5と通信するサーバ通信部23をさらに備える。サーバ2は、サーバ記憶部21に記憶されている特定タイル情報のうち船舶6の現在地及びその周辺に対応する特定タイル情報をサーバ通信部23を介してモバイル端末4又はマイコン5に送信できる。
【符号の説明】
【0114】
1、1A…情報処理システム
2…サーバ
21…サーバ記憶部
22…サーバ制御部
221…表示生成部
222…タイル設定部
223…タイル情報取得部
3…PC端末
32…PC制御部
322…PC受付部
34…PC表示部
4…モバイル端末
41…モバイル記憶部
42…モバイル制御部
424…モバイルタイル情報取得部
46…モバイル通知部
48…モバイル現在地検出部
5…マイコン
51…記録媒体
52…マイコン制御部
524…マイコンタイル情報取得部
56…マイコン通知部
58…マイコン現在地検出部
59…マイコンメインメモリ
6…船舶