(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148505
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20231005BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20231005BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G09G5/00 530T
G09G5/36 520P
G09G5/00 550C
G09G5/00 550H
G09G5/00 550B
G06F3/14 310A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056569
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岡本 健志朗
(72)【発明者】
【氏名】森本 晋介
【テーマコード(参考)】
5B069
5C182
【Fターム(参考)】
5B069BA10
5B069BB13
5C182AA24
5C182AB02
5C182AB11
5C182BA03
5C182BA04
5C182BC01
5C182BC25
5C182BC26
5C182BC30
5C182CA35
5C182CB44
5C182CC22
5C182DA41
5C182DA52
5C182DA64
5C182DA65
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】表示する画像を変更するときに画像の書き換えに必要な電力量を低く抑えることができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、表示順序決定部15と、表示部11と、画像書き換え部12とを備える。表示順序決定部15は、複数の画像の表示順序を決定する。表示部11は、表示順序決定部15が決定した表示順序で前記複数の画像を順次変更して表示する。画像書き換え部12は、表示部11に表示された画像を次の表示順序の画像に変更する際に、表示部11に表示された画像の少なくとも一部を書き換えることにより、表示部11に表示された画像を次の表示順序の画像に変更する。表示順序決定部15は、前記複数の画像を変更する際に前記画像書き換え部12が必要とする書き換えコストに基づき前記表示順序を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像の表示順序を決定する表示順序決定部と、
前記表示順序決定部が決定した表示順序で前記複数の画像を順次変更して表示する表示部と、
前記表示部に表示された画像を次の表示順序の画像に変更する際に、前記表示部に表示された画像の少なくとも一部を書き換えることにより、前記表示部に表示された画像を次の表示順序の画像に変更する画像書き換え部と、
を備える表示装置であって、
前記表示順序決定部は、前記複数の画像を変更する際に前記画像書き換え部が必要とする書き換えコストに基づき前記表示順序を決定する表示装置。
【請求項2】
前記書き換えコストは、前記画像書き換え部が消費する電力である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記書き換えコストは、前記画像書き換え部が書き換えを行う画像面積または画素数である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示順序決定部は、
複数の表示順序パターンを作成し、前記複数の表示順序パターンの中から前記書き換えコストの総和が最小の表示順序パターンを前記表示順序として選択することにより前記表示順序を決定する、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示順序決定部は、前記複数の画像を前記表示部に表示する順として想定されるすべての表示順序パターンを作成する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示順序決定部は、前記複数の画像を前記表示部に表示する順として想定されるすべての表示順序パターンのうち一部の表示順序のパターンを作成する、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示順序決定部は、
前記表示部に表示順序第1位で表示する第1画像を前記複数の画像から選択し、前記第1画像を最初の画像として、前記複数の画像から前記表示部に表示された画像を次の表示順序の画像に変更して表示する際に前記画像書き換え部が必要とする前記書き換えコストが最小となる画像を次の表示順序の画像として選択する処理を繰り返し実行することにより前記表示順序を決定する、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示順序決定部は、
前記複数の画像全体を複数のグループに分割し、前記複数のグループごとに前記複数の画像を変更して表示する際に前記画像書き換え部が必要とする前記書き換えコストに基づき前記グループ内に含まれる前記複数の画像のグループ内表示順序を決定することにより、前記複数の画像全体における表示順序を決定する、請求項1から請求項7の何れか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像を表示する表示装置が開示されている。特許文献1の表示装置は、画像を表示する画面の少なくとも一部分を書き換えることで、表示されている画像を別の画像に変更して表示する。このような表示装置は、例えば、表示を変更する前後の画像で差異がある箇所のみを書き換えることで、表示の変更に要する時間を短縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の表示装置は、画面を書き換えるときの書き換えコストが考慮されていない。ここで、書き換えコストは、表示装置が画面の書き換えに必要な電力量との間に正の相関関係がある指標である。つまり、特許文献1の表示装置は、画像を変更するときに必要な電力量を考慮して表示の変更をしていない。このため、複数の画像を順次表示する場合は、画像を表示する順序によって、すべての画像を表示したときに必要となる電力量が大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、複数の画像を順次表示し、そのすべての画像を表示するのに必要な電力量を低く抑えることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面によれば、表示装置は、表示順序決定部と、表示部と、画像書き換え部とを備える。表示順序決定部は、複数の画像の表示順序を決定する。表示部は、表示順序決定部が決定した表示順序で前記複数の画像を順次変更して表示する。画像書き換え部は、表示部に表示された画像を次の表示順序の画像に変更する際に、表示部に表示された画像の少なくとも一部を書き換えることにより、表示部に表示された画像を次の表示順序の画像に変更する。表示順序決定部は、前記複数の画像を変更する際に前記画像書き換え部が必要とする書き換えコストに基づき前記表示順序を決定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示する画像を変更するときの書き換えコストに基づき、複数の画像の表示順序を決定することで、すべての画像を表示するのに必要な電力量を低く抑えることができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態1に係る表示装置を概略的に示す図である。
【
図2】変更前後の画像が類似していない例を示す図である。
【
図3】変更前後の画像が類似している例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係る表示装置の処理を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態2に係る表示装置を概略的に示す図である。
【
図6】実施形態2に係る表示装置の処理を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態3に係る表示装置を概略的に示す図である。
【
図8】実施形態3に係る表示装置の処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態4に係る表示装置を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
[実施形態1]
図1から
図3を参照して、実施形態1に係る表示装置100を説明する。
図1は、実施形態1に係る表示装置100を概略的に示す図である。
図2は、変更前後の画像が類似していない例を示す図である。
図3は、変更前後の画像が類似している例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、表示装置100は、ディスプレイ装置1と、サーバー装置2とを備える。ディスプレイ装置1は、画像データなどに基づいて画像を表示する。サーバー装置2は、画像データなどをディスプレイ装置1に無線で送信する。
【0012】
ディスプレイ装置1は、例えば、人通りのある街中などに設置されて、広告などの画像を10インチから30インチ程度の大きさで表示するために使用される。このようなディスプレイ装置1の表示する画像の数は、複数である場合が多い。従って、ディスプレイ装置1は、複数の画像をあらかじめ決められた表示順序に従って表示する。ここで、ディスプレイ装置1は、表示している画像を別の画像に変更するために電力を必要とする。一方で、人通りのある街中では、ディスプレイ装置1に電力を供給するための電源を確保することが難しい場合が多い。従って、ディスプレイ装置1の消費する電力量を低く抑えることができれば、ディスプレイ装置1は、複数の画像を長い期間にわたって表示させ続けることができる。
【0013】
ディスプレイ装置1は、表示部11と、画像書き換え部12と、受信部13と、ディスプレイ側記憶部14と、ディスプレイ側制御部15と、電力供給部16とを有する。表示部11は画像を表示する。画像書き換え部12は、表示部11に表示された画像の少なくとも一部を書き換える。受信部13は、サーバー装置2から画像データなどの情報を受信する。ディスプレイ側記憶部14は、サーバー装置2から受信した画像データなどの情報を記憶する。ディスプレイ側制御部15は、ディスプレイ側記憶部14に記憶された画像データを参照する。また、ディスプレイ側制御部15は、ディスプレイ側記憶部14に記憶された画像データに対応する画像を表示部11が表示するように画像書き換え部12を制御する。電力供給部16は、画像書き換え部12と、受信部13と、ディスプレイ側記憶部14と、ディスプレイ側制御部15とに電力を供給する。
【0014】
電力供給部16は、例えば、電池または太陽光パネルなどである。このような電力供給部16を有する表示装置100は、継続的に電力を供給できる電源等を確保できない場所においても一定期間使用することができるという利点がある。
【0015】
表示部11は、複数の画像を順次変更して表示する。
図1には、表示部11の表示する画像の一例として画像Aを示している。表示部11は、電力を消費することなく画像を表示した状態を一定期間維持する。
【0016】
画像書き換え部12は、電力を消費することで、表示部11に表示された画像の少なくとも一部を書き換える。これにより表示部11に表示された画像を別の画像に変更する。表示部11において、画像書き換え部12が書き換えることのできる部分の面積は、画像書き換え部12の消費する電力量と正の相関関係がある。つまり、表示部11に表示された画像を別の画像に変更するときに書き換えが必要となる部分の面積が大きい程、画像書き換え部12の消費する電力量が大きくなる。このため、変更前後画像の画像が類似している場合の方が、変更前後の画像が類似していない場合よりも、表示部11の画像の書き換えのときの画像面積または画素数が小さいため、画像書き換え部12の消費する電力量が小さくなる。
【0017】
変更前後の画像が類似していない例、および、変更前後の画像が類似している例の違いについて具体的に
図2および
図3を参照して説明する。まず、変更前後の画像が類似していない例を
図2に示す。
【0018】
図2では、変更前の画像を画像Aとし、変更後の画像を画像Bとしている。ここで、画像Bは、画像Aとは類似していない。
図2には、画像Aおよび画像Bの異なる部分を一つの四角枠で囲み、差分ABとして示している。
【0019】
一方、変更前後の画像が類似している例を
図3に示す。
図3では、変更前の画像を画像Aとし、変更後の画像を画像Cとしている。ここで、画像Cは、画像Aと類似している。
図3には、画像Aおよび画像Cの異なる部分を四角枠で囲み、差分ACとして示している。画像Aおよび画像Cは類似しているため、差分ACは、複数の四角枠で囲まれた部分となり、差分ACに含まれるそれぞれの四角枠の面積は、差分ABの四角枠の面積よりも小さい。
【0020】
差分ABおよび差分ACを比較すると、差分ABの四角枠の面積は、差分ACに含まれるすべての四角枠の面積の総和よりも大きい。従って、画像Aの後に画像Cを表示した方が、画像Aの後に画像Bを表示するよりも、画像の書き換えを行う部分の面積が小さく、画像書き換え部12の消費する電力量も小さい。
【0021】
また、
図1に示す表示部11において、画像書き換え部12の書き換える部分の画素数も、画像書き換え部12の消費する電力量と正の相関関係がある。ここで、画素は、画像を構成する最小単位を意味する。画像書き換え部12が書き換えを行う画素数が多い程、画像書き換え部12の消費する電力量が大きくなる。
【0022】
画像書き換え部12により表示部11の表示が変更される関係から、表示部11および画像書き換え部12は、一体構造となっている場合が多い。表示部11および画像書き換え部12が一体構造となっている例としては、電気泳動方式の電子ペーパーなどがある。以降、電気泳動方式の電子ペーパーを単に「電子ペーパー」と称する。
【0023】
電子ペーパーは、画像を表示する画面と、画面に沿って設けられる電極を備える。電子ペーパーの画面および電極は、それぞれ表示部11および画像書き換え部12に相当する。電極が画面上に電界を形成すると、画面に表示された画像において、電界が形成された部分が書き換わり、画面の表示が変更される。そして、電極が電界を形成しなくなった後においても、画面は、電力を消費することなく、変更後の画像を表示した状態を一定期間維持する。
【0024】
上記のような画像を表示する電子ペーパーは、液晶パネルなどとは異なり、僅かな電力量で複数の画像を表示することができる。従って、電子ペーパーは、電源が確保できない街中などにおいても使用できる利点がある。なお、電子ペーパーは、白黒で表示するタイプが主流であるが、RGBのカラーフィルムを用いることにより、白黒以外の色も表現することができるため、人の印象に残るような色彩豊かな広告を表示することもできる。
【0025】
受信部13は、前述のように、画像データなどの情報をサーバー装置2から受信する。受信部13が受信する情報には、画像データの他、画像の表示順序の情報が含まれる。受信部13は、無線通信機であり、例えば、所定の通信プロトコルに従って通信を行うネットワークインターフェースコントローラー(NIC)を含む。所定の通信プロトコルは、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコル・スイート(つまり、インターネット・プロトコル・スイート)である。
【0026】
ディスプレイ側記憶部14は、記憶装置を含み、受信部13が受信した画像データなどの情報、および、コンピュータープログラムを記憶する。具体的には、ディスプレイ側記憶部14は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、および、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。ディスプレイ側記憶部14は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0027】
ディスプレイ側制御部15は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。ディスプレイ側制御部15のプロセッサーは、ディスプレイ側記憶部14の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、画像書き換え部12、および、ディスプレイ側記憶部14を制御する。
【0028】
ディスプレイ側制御部15は、受信部13が画像データを受信した後に、表示部11に表示された画像が、受信部13が受信した画像データに対応する画像となるように画像書き換え部12を制御する。前述のように、画像書き換え部12は、表示部11の表示の少なくとも一部を書き換えることで、表示部11の表示を変更することができる。従って、画像書き換え部12は、表示部11の表示を変更するのに、変更後の画像についての画像データのすべてを必要とせず、変更後の画像データにおいて、変更前後で異なる部分のデータがあれば、表示部11の表示を所望する変更後の画像に変更することができる。よって、ディスプレイ側制御部15は、変更後の画像データにおいて、変更前後で異なる部分の画像データに基づいて、画像書き換え部12を制御する。
【0029】
具体的には、
図1に示す表示部11に画像Aが表示されていた場合、画像書き換え部12が差分AC(
図3参照)に相当する表示部11の部分を書き換えれば、表示部11に画像Cが表示される。このため、ディスプレイ側制御部15は、表示部11の表示において、変更前後で異なる部分のみの書き換えを行うように画像書き換え部12を制御する。結果、表示部11の全体を書き換える場合と比較して、画像書き換え部12の消費する電力量を低く抑えることができる。画像が変更された後は、受信部13が新たに画像データを受信したタイミングで表示部11の表示が順次変更される。
【0030】
なお、上記説明にてディスプレイ装置1は、ディスプレイ側記憶部14の記憶容量が十分に大きい場合、表示部11に表示するすべての画像データ、それら画像データに対応する画像それぞれの表示期間、および、それら画像データに対応する画像の表示順序を含む全画像表示データを受信することができる。当該場合、例えば、受信部13は、全画像表示データを受信する。ディスプレイ側記憶部14は、受信部13が受信した全画像表示データを記憶する。ディスプレイ側制御部15は、ディスプレイ側記憶部14に記憶された全画像データを参照し、表示順序が第1位の画像データに対応する画像を表示部11に表示するように画像書き換え部12を制御する。ディスプレイ側制御部15は、表示順序が第1位の画像データに設定された表示期間が経過した後、表示順序が第2位の画像データに対応する画像を表示部11に表示するように画像書き換え部12を制御する。ディスプレイ側制御部15は、表示順序が第2位以降の画像データについても、それぞれの表示期間が経過した後に、表示部11に表示されている画像よりも表示順序が一つ下位の画像を表示させるように、画像書き換え部12を制御する。
【0031】
サーバー装置2は、例えば、屋内の一室などのディスプレイ装置1から離れた場所に設置されるコンピューターであり、ディスプレイ装置1に画像データなどの情報を無線で送信する。従って、ユーザーは、ディスプレイ装置1に表示させる画像をディスプレイ装置1から離れた場所から選択できるという利点がある。また、屋内の一室であれば、街中などとは異なり電源を確保することが容易であるため、サーバー装置2は、大きな電力量を消費するような演算を行うことができる。ここで演算とは、画像の表示順序の作成、書き換えコストの計算、それらの一時的な記憶、および、書き換えコストの比較を含む一般的にコンピューターが行う計算である。
【0032】
サーバー装置2は、入力部21と、サーバー側記憶部22と、送信部24と、サーバー側制御部23とを有する。入力部21には、表示装置100のユーザーによって、ディスプレイ装置1の表示部11に表示させる画像などのデータが入力される。サーバー側制御部23は、入力部21に入力された画像データをディスプレイ装置1に送信するように、サーバー側記憶部22と、送信部24とを制御する。
【0033】
入力部21は、例えば、情報通信端末に付属するマウスまたはキーボードなどの入力装置である。
【0034】
サーバー側記憶部22は、記憶装置を含み、入力部21に入力された画像データなどの情報およびコンピュータープログラムを記憶する。
図1のサーバー側記憶部22には、画像A、画像B、画像C、画像D、画像Eおよび画像Fの画像データが記憶されている。サーバー側記憶部22は、例えば、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、および、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。サーバー側記憶部22は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
【0035】
サーバー側制御部23は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。サーバー側制御部23のプロセッサーは、サーバー側記憶部22の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、サーバー側記憶部22に記憶された複数の画像の表示順序を決定する。また、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22ならびに送信部24の制御を行う。サーバー側制御部23は、本発明の「表示順序決定部」の一例である。
【0036】
サーバー側制御部23は、複数の画像の表示順序を決定するために、表示部11に表示させる画像の表示順序を作成する。サーバー側制御部23は、作成した画像の表示順序における書き換えコストを計算する。ここで、書き換えコストは、表示部11の表示する画像の書き換えに必要な電力量との間に正の相関関係がある指標であり、表示順序が隣り合う二つの画像データから計算される。
【0037】
サーバー側制御部23は、複数の画像を変更する際に画像書き換え部12が必要とする書き換えコストに基づき、複数の画像の表示順序を決定する。従って、サーバー側制御部23は、画像書き換え部12がすべての画像を表示するのに消費する電力量を低く抑えるように、表示部11に表示させる画像の表示順序を決定することができる。
【0038】
一例として、書き換えコストは、画像書き換え部12が書き換えを行う画像面積または画素数である。つまり、書き換えコストは、表示順序が隣り合う二つの画像において異なる部分の面積または画素数である。従って、書き換えコストが小さくなる程、表示順序が隣り合う二つの画像おいて異なる部分の面積または画素数も小さくなる。結果、サーバー側制御部23は、書き換えコストを低く抑えるように画像の表示順序を決定することで、画像書き換え部12の消費する電力量を低く抑えることができる。
【0039】
書き換えコストの他の例として、書き換えコストは、画像書き換え部12が消費する電力量である。このような書き換えコストであれば、サーバー側制御部23は、画像書き換え部12が消費する電力量を低く抑えるように画像の表示順序を決定することができる。
【0040】
サーバー側制御部23は、複数の表示順序パターンPを作成し、複数の表示順序パターンPの中から書き換えコストの総和が最小の表示順序パターンPを表示順序として選択することにより画像の表示順序を決定する。具体的には、サーバー側制御部23は、作成した複数の表示順序パターンPのそれぞれで、表示順序が隣り合う関係にあるすべての画像についての書き換えコストを計算し、計算した書き換えコストの総和を計算する。サーバー側制御部23は、作成した表示順序パターンPのうち、書き換えコストの総和が最小の表示順序パターンPを選択して、画像の表示順序として決定する。結果、サーバー側制御部23の決定した画像の表示順序に従って表示部11の表示を書き換える画像書き換え部12が消費する電力量は、サーバー側制御部23が作成したすべての画像の表示順序パターンPで最小となる。
【0041】
サーバー側制御部23は、複数の画像を表示部11に表示する順として想定されるすべての表示順序パターンPを作成する。従って、サーバー側制御部23は、複数の画像の表示順序として想定されるすべての表示順序パターンPから、書き換えコストが最小となる表示順序を選択することができる。
【0042】
具体的には、
図1において、サーバー側記憶部22は、画像Aから画像Fまでの6つの画像データを記憶している。画像Aから画像Fまでの6つの画像をランダムに並べたときに想定されるすべての表示順序パターンPは720通りある。サーバー側制御部23は、720通りすべての表示順序パターンPを作成する。
【0043】
サーバー側制御部23が作成した表示順序パターンPには、例えば、表示順序パターンPAおよび表示順序パターンPBを含む。表示順序パターンPAおよび表示順序パターンPBを比較すると、表示順序パターンPBの方が、表示順序パターンPAよりもそれらに含まれるすべての画像データにおいて隣り合う二つの画像の差異が小さい。すなわち、表示順序パターンPAの書き換えコストの総和よりも、表示順序パターンPBの書き換えコストの総和の方が小さい。
【0044】
サーバー側制御部23は、表示順序パターンPAおよび表示順序パターンPB以外の718通りの表示順序パターンPそれぞれの書き換えコストの総和と、表示順序パターンPBの書き換えコストの総和とについても比較する。サーバー側制御部23は、表示順序パターンPBの書き換えコストが720通りすべての表示順序パターンPで最小と判定すれば、表示順序パターンPBを選択し、表示部11に表示させる画像の表示順序として決定する。結果、サーバー側制御部23の決定した画像の表示順序に従って表示部11の表示を書き換える画像書き換え部12が消費する電力量は、想定されるすべての表示順序パターンPで最小となる。
【0045】
また、サーバー側制御部23は、複数の画像を表示部11に表示する順として想定されるすべての表示順序パターンPのうち一部の表示順序のパターンを作成することもできる。具体的には、6つの画像を表示させる場合、表示順序パターンPは720通りある。サーバー側制御部23は、720通りの表示順序パターンPのうち、例えば、10通りを上限として、表示順序パターンPを作成する。結果、サーバー側制御部23の計算量が少なくなり、サーバー側制御部23が表示順序を決定するまでに要する時間を低く抑えることができる。
【0046】
上記のように、サーバー側制御部23は、想定されるすべての表示順序パターンP、または、想定される一部の表示順序パターンPの何れかを選択するが、その何れとするかは、例えば、表示部11に表示させる画像の数に基づいて定められる。具体的には、表示部11に表示させる画像の数が閾値以上の場合、一部の表示順序パターンPを作成する。一方で、表示部11に表示させる画像の数が閾値未満の場合、すべての表示順序パターンPを作成する。表示部11に表示させる画像の数の閾値は、サーバー側制御部23の処理速度などの処理能力に基づいて定められる。
【0047】
サーバー側制御部23は、決定した表示順序に従って、それぞれの画像をディスプレイ装置1の表示部11に表示させるタイミングでディスプレイ装置1の受信部13に送信するように送信部24を制御する。ここで、前述のように、表示部11の表示の変更は、変更後の画像において、変更前後で異なる部分の画像データが有れば足りる。従って、サーバー側制御部23は、変更後の画像データにおいて、変更前後で異なる部分の画像データのみを送付するように、送信部24を制御する。更に、画像の表示順序は、書き換えコストに基づいて決定されている。このため、書き換えコストを低く抑えた表示順序とすれば、画像の変更前後において異なる部分も小さく抑えられる。結果、送信部24が送信する画像データの容量を低く抑えることができる。
【0048】
送信部24は、変更後の画像データにおいて、変更前後で異なる部分の画像データをディスプレイ装置1に送信する。ディスプレイ装置1は、送信部24から当該画像データを受信したタイミングで、変更後の画像を表示する。なお、送信部24は、受信部13と同様の通信機であるため、具体的な説明は省略する。
【0049】
また、上記にてサーバー装置2は、ディスプレイ装置1に画像を表示させるタイミングで、ディスプレイ装置1に表示させる画像に対応する画像データをディスプレイ装置1に送信すると説明した。しかし、ディスプレイ装置1のディスプレイ側記憶部14の記憶容量が、全画像表示データを記憶するのに十分な大きさであれば、サーバー側制御部23は送信部24に対して異なる制御を行うこともできる。
【0050】
ディスプレイ側記憶部14の記憶容量が十分にある場合の一例として、サーバー側制御部23は、前述の全画像表示データを送信するように送信部24を制御してもよい。これにより、全画像表示を受信したディスプレイ装置1は、ディスプレイ側記憶部14に全画像表示データを記憶する。全画像表示データには、画像データ、画像データの表示期間、および画像データの表示順序の情報が含まれている。従って、ディスプレイ側制御部15は、ディスプレイ側記憶部14に記憶されている全画像表示データに基づいて、表示部11に表示させるすべての画像を表示部11に表示させるように画像書き換え部12を制御できる。サーバー側制御部23の制御により、画像書き換え部12が表示部11の表示を順次書き換えることで、表示部11の表示が順次変更される。結果、サーバー装置2は、表示部11に表示を変更させるごとにディスプレイ装置1に画像データなどの情報を送信する必要が無く、サーバー装置2からディスプレイ装置1に情報を送信する回数が減る。従って、サーバー装置2とディスプレイ装置1との間の通信が断続的に切断されるような環境の場所においても、表示装置100を支障なく使用することができる。
【0051】
ディスプレイ側記憶部14の記憶容量が十分にある場合の他の例として、ディスプレイ側記憶部14は、表示部11に表示させる画像に対応する画像データのすべてを、それら画像データの表示順序の情報を除いてあらかじめ記憶しておいてもよい。当該例では、サーバー側制御部23は、画像の表示順序の情報のみを送信するように送信部24を制御する。ディスプレイ側制御部15は、受信部13が受信した画像の表示順序の情報に従って、ディスプレイ側記憶部14に記憶された画像データに対応する画像を表示するように画像書き換え部12を制御する。画像書き換え部12は、受信した表示順序に従って、表示部11の表示を順次書き換える。従って、表示部11の表示が順次変更される。結果、サーバー装置2からディスプレイ装置1に送信する情報が画像の表示順序のみでよく、画像データを送信する場合と比較して送信する情報量が少なくなる。結果、多くの情報量を送信できないような通信環境の場所においても、表示装置100を支障なく使用することができる。
【0052】
次に、
図1および
図4を参照して、実施形態1に係る表示装置100の処理を説明する。
図4は、実施形態1に係る表示装置100の処理を示すフローチャートである。表示装置100の処理は、ステップS1からS12を含む。
【0053】
ステップS1において、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶された画像の数が閾値以上か否かを判定する。
【0054】
次に、ステップS1で肯定判定(Yes)された場合は、処理はステップS2に進む。
【0055】
次に、ステップS2において、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶された複数の画像ついて、すべての表示順序パターンPのうち、一部の表示順序パターンPを作成する。次に、処理は、ステップS3に進む。
【0056】
一方で、ステップS1で否定判定(No)された場合、処理はステップS9に進む。次に、ステップS9において、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶された複数の画像について、すべての表示順序パターンPを作成する。次に、処理は、ステップS3に進む。
【0057】
次に、ステップS3において、サーバー側制御部23は、作成した表示順序パターンPのそれぞれについて、書き換えコストの総和を計算する。
【0058】
次に、ステップS4において、サーバー側制御部23は、作成した表示順序パターンPのうち、書き換えコストの総和が最小となる表示順序パターンPを選択して、画像の表示順序として決定する。なお、サーバー側制御部23は、必ずしも書き換えコストが最小となる表示順序パターンPを選択する必要はなく、種々の条件を参照して、それら条件と適合する書き換えコストとなる表示順序パターンPを選択してもよい。このようにすると、サーバー側制御部23は参照する条件に合わせて柔軟に表示順序パターンPを選択することができる。種々の条件は、例えば、入力部21にユーザーがあらかじめ入力し、サーバー側記憶部22が記憶することで、サーバー側制御部23がサーバー側記憶部22から参照できる。
【0059】
次に、ステップS5において、サーバー側制御部23は、複数の画像のそれぞれについて表示する期間を決定する。画像を表示する期間は、例えば、サーバー側制御部23に実行されるコンピュータープログラムに従って、サーバー側制御部23が決定する。
【0060】
次に、ステップS6において、サーバー側制御部23は、ディスプレイ側記憶部14が全画像表示データのすべてを保存できるか否かを判定する。ディスプレイ側記憶部14が画像データを保存できるか否かの判定は、どのように行なっても良い。例えば、ディスプレイ側記憶部14が全画像表示データを記憶できるとする情報をあらかじめ記憶しておき、サーバー側制御部23が当該情報を参照することで判定できる。ステップS6において、否定判定(No)された場合、すなわち、ディスプレイ側記憶部14が全画像表示データのすべてを記憶できないとサーバー側制御部23が判定した場合、処理は、ステップS7に進む。
【0061】
次に、ステップS7において、サーバー側制御部23は、決定した表示順序に従い画像データを順次送信する。ここで、サーバー側制御部23は、送信した画像データに定められた表示期間が経過するタイミングで、表示順序が一つ下位の画像データを送信する。
【0062】
次に、ステップS8において、ディスプレイ側制御部15は、受信部13がサーバー装置2の送信部24から順次送信された画像データを受信するタイミングで、受信した画像データに対応する画像を表示するように画像書き換え部12を制御する。画像書き換え部12は、表示部11の少なくとも一部の表示を書き換えて、表示部11の表示する画像を受信部13が受信した画像データに対応する画像に変更させる。そして、表示部11に表示されるべきすべての画像が表示されることで処理は終了する。
【0063】
前述のステップS6において肯定判定(Yes)された場合、すなわち、ディスプレイ側記憶部14が全画像表示データのすべてを記憶できるとサーバー側制御部23が判定した場合、処理はステップS10に進む。
【0064】
ステップS10において、サーバー側制御部23は、全画像表示データをディスプレイ装置1に送信するように、送信部24を制御する。
【0065】
次に、ステップS11において、ディスプレイ側制御部15は、受信部13が受信した全画像表示データを記憶するようにディスプレイ側記憶部14を制御する。ディスプレイ側記憶部14は、受信部13が受信した全画像表示データを記憶する。
【0066】
次に、ステップS12において、ディスプレイ側制御部15は、画像の表示順序と、それぞれの画像の表示期間に従って表示部11の表示を変更するように、画像書き換え部12を制御する。従って、表示部11の表示は、それぞれの画像の表示順序と、表示期間とに従って変更される。この後、処理は終了する。
【0067】
[実施形態2]
図5を参照して、実施形態2に係る表示装置200を説明する。
図5は、実施形態2に係る表示装置200を概略的に示す図である。実施形態2に係る表示装置200は、サーバー側制御部23における表示順序パターンPの作成が実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0068】
図5に示すサーバー側制御部23は、表示部11に表示順序第1位で表示させる第1画像V1をサーバー側記憶部22が記憶している複数の画像から選択する。サーバー側制御部23は、第1画像V1を最初の画像として、複数の画像から表示部11に表示された画像を次の表示順序の画像に変更して表示する際に画像書き換え部12が必要とする書き換えコストが最小となる画像を次の表示順序の画像として選択する処理を繰り返し実行することにより表示順序を決定する。
【0069】
具体的には、サーバー側制御部23は、表示順序第1位で表示部11に表示させる第1画像V1を、サーバー側記憶部22が記憶している複数の画像データから任意に選択する。この上で、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22が記憶している第1画像V1以外の複数の画像から表示順序を第2位以降とする画像を選択する。表示順序が第2位の第2画像V2としては、第1画像V1以外でサーバー側記憶部22に記憶されている画像データのうち、第1画像V1との間の書き換えコストが最小となる画像データが選択される。第3位以降に選択される画像データも同様に、表示順序が一つ上位の画像データとの間の書き換えコストが最小となる画像データが選択される。このような選択を表示部11に表示させるすべての画像データで行うことにより、サーバー側制御部23は表示順序パターンP1を作成する。サーバー側制御部23は、作成した一の表示順序パターンPである表示順序パターンP1を画像の表示順序として決定する。結果、サーバー側制御部23は、画像データをランダムに並べて作成できるすべての表示順序パターンPを作成する必要がなく、サーバー側制御部23が表示順序を決定するまでに要する時間を短縮することができる。
【0070】
また、サーバー側制御部23は、一の表示順序パターンP1を作成すると説明したが、複数の表示順序パターンP1を作成してもよい。結果、サーバー側制御部23は、画像データをランダムに並べて作成できる表示順序パターンPの一部を作成する場合、作成した複数の表示順序パターンP1の中に、画像データをランダムに並べて作成できるすべての表示順序パターンPの中で最小の書き換えコストと、同一または同等程度の書き換えコストの表示順序パターンP1が含まれる可能性が高くなる。
【0071】
また、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶された複数の画像データから任意に第1画像V1を選択すると説明した。しかし、サーバー側制御部23の実行するコンピュータープログラムに第1画像V1を選択するルールをあらかじめ記載しておき、サーバー側制御部23は、当該コンピュータープログラムに含まれる第1画像V1を選択するルールに従って、第1画像V1を選択してもよい。
【0072】
次に、
図5および
図6を参照して、実施形態2に係る表示装置200の処理を説明する。
図6は、実施形態2に係る表示装置200の処理を示すフローチャートである。表示装置200の処理は、ステップS100からS111を含む。
【0073】
まず、ステップS100において、サーバー側制御部23は、
図4に示す実施形態1の処理にて説明したステップS1と同様に、サーバー側記憶部22に記憶された画像の数が閾値以上か否かを判定する。ステップS100で肯定判定(Yes)された場合、処理はステップS101に進む。
【0074】
ステップS101において、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶された複数の画像から任意に第1画像V1を選択する。
【0075】
次に、ステップS102において、サーバー側制御部23は、第1画像V1を最初の画像として、サーバー側記憶部22が記憶している第1画像V1以外の複数の画像から表示順序を第2位以降とする画像を書き換えコストに基づいて選択することで、表示順序パターンP1を作成する。
【0076】
次に、ステップS103において、サーバー側制御部23は、作成した表示順序パターンP1を画像の表示順序として決定する。
【0077】
次に、処理は、ステップS104に進む。ステップS104以降の処理は、
図4に示す実施形態1の処理にて説明したステップS5以降の処理と同様であるため、説明は省略する。ここで、ステップS104からステップS111までのそれぞれの処理は、ステップS5からステップS12のそれぞれの処理に対応する。
【0078】
[実施形態3]
図7を参照して、実施形態3に係る表示装置300を説明する。
図7は、実施形態3に係る表示装置300を概略的に示す図である。実施形態3に係る表示装置300は、サーバー側制御部23における表示順序パターンPの作成が実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0079】
図7に示すサーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶している複数の画像全体を複数のグループGに分割する。サーバー側制御部23は、分割した複数のグループGごとに書き換えコストに基づきグループG内に含まれる複数の画像のグループG内表示順序を決定する。これにより複数の画像全体における表示順序を決定する。
【0080】
具体的には、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶している複数の画像データを一の画像データごとに、複数のグループGに任意に振り分ける。サーバー側制御部23は、複数のグループG内で、それぞれのグループGに振り分けられた画像データを書き換えコストに基づき並べる。例えば、複数のグループG内に振り分けられた画像データは、それぞれのグループG内で、書き換えコストの総和が最小となるように並べられる。サーバー側制御部23は、すべてのグループG内で画像データを並べるのに加え、複数あるグループGを任意の順に並べることで一の表示順序パターンPが作成される。結果、サーバー側制御部23は、画像データをランダムに並べて作成できる表示順序パターンPの一部を作成する場合、作成した複数の表示順序パターンPの中に、画像データをランダムに並べて作成できるすべての表示順序パターンPの中で最小の書き換えコストと、同一または同等程度の書き換えコストの表示順序パターンPが含まれる可能性が高くなる。
【0081】
また、サーバー側制御部23は、複数あるグループGを任意の順に並べることで一の表示順序パターンPを作成すると説明した。しかし、複数あるグループGの並びも書き換えコストに基づき決定してもよい。例えば、一のグループGの中で表示順序が最後になる画像と、その他のグループGにおいて表示順序が第1位となる画像との間の書き換えコストに基づき一のグループGの一つ後ろに並べられるグループGを選択してもよい。結果、画像データをランダムに並べて作成できる表示順序パターンPの一部を作成する場合、作成した複数の表示順序パターンPの中に、画像データをランダムに並べて作成できるすべての表示順序パターンPの中で最小の書き換えコストと、同一または同等程度の書き換えコストの表示順序パターンPが含まれる可能性が更に高くなる。
【0082】
次に、
図7および
図8を参照して、実施形態3に係る表示装置300の処理を説明する。
図8は、実施形態3に係る表示装置300の処理を示すフローチャートである。表示装置300の処理は、ステップS200からS212を含む。
【0083】
まず、ステップS200において、サーバー側制御部23は、
図4に示す実施形態1の処理にて説明したステップS1と同様にサーバー側記憶部22に記憶された画像の数が閾値以上か否かを判定する。ステップS200で肯定判定(Yes)された場合、処理はステップS201に進む。
【0084】
次に、ステップS201において、サーバー側制御部23は、サーバー側記憶部22に記憶された複数の画像を複数のグループGに分割する。
【0085】
次に、ステップS202において、サーバー側制御部23は、分割したグループG内、および、グループG間で書き換えコストに基づき表示順序パターンPを作成する。
【0086】
次に、処理は、ステップS203に進む。ステップS203以降の処理は、
図4に示す実施形態1の処理にて説明したステップS3以降の処理と同様であるため、説明は省略する。ここで、ステップS203からステップS212までのそれぞれの処理は、ステップS3からステップS12のそれぞれの処理に対応する。
【0087】
[実施形態4]
図9を参照して、実施形態4に係る表示装置400を説明する。
図9は、実施形態4に係る表示装置400を概略的に示す図である。
図1に示す実施形態1に係る表示装置100、
図5に示す実施形態2に係る表示装置200、および、
図7に示す実施形態3に係る表示装置300では、ディスプレイ装置1と、サーバー装置2とが分かれ、それぞれが異なる機能を発揮していたが、
図9に示す表示装置400では、ディスプレイ装置1(
図1、
図5、および
図7参照)の機能、および、サーバー装置2(
図1、
図5、および
図5参照)の機能とが一体となっている点で実施形態1から実施形態3と主に異なる。以下、実施形態4が実施形態1から実施形態3と異なる点を主に説明する。
【0088】
図9に示すように、実施形態4に係る表示装置400は、表示部11と、画像書き換え部12と、電力供給部16と、記憶部31と、制御部32とを備える。実施形態4に係る表示装置400は、実施形態1に係る表示装置100(
図1参照)、実施形態2に係る表示装置200(
図5参照)、および、実施形態3に係る表示装置300(
図7参照)と同様に、表示部11と、画像書き換え部12とを備える。一方で、実施形態4に係る表示装置400は、電力供給部16が電力を供給する対象が実施形態1から実施形態3と異なる。また、実施形態4に係る表示装置400は、
図1、
図5および
図7において示す実施形態1から実施形態3のディスプレイ側記憶部14の機能、および、サーバー側記憶部22の機能を兼ね備える記憶部31と、実施形態1に係る表示装置100のディスプレイ側制御部15の機能、および、サーバー側制御部23の機能を兼ね備える制御部32とを備える点で、実施形態1から実施形態3と異なる。更に、実施形態4に係る表示装置400は、
図1、
図5、および
図7に示すディスプレイ装置1の機能、および、サーバー装置2の機能が一体となっていることから画像データなどを送受信する必要がないため、受信部13および送信部24を備えていない点でも実施形態1から実施形態3と異なる。
【0089】
実施形態4の電力供給部16は、画像書き換え部12と、記憶部31と、制御部32とに電力を供給する。
【0090】
記憶部31は、全画像表示データを記憶する。また、記憶部31の具体的な構成は、ディスプレイ側記憶部14(
図1、
図5、および
図7参照)またはサーバー側記憶部22(
図1、
図5、および
図7参照)と同様であるため、説明は省略する。
【0091】
制御部32は、前述のサーバー側制御部23(
図1、
図5、および
図7参照)と同様に、表示部11に表示させる複数の画像の表示順序パターンPを作成し、作成した表示順序パターンPから表示部11に表示させる複数の画像の表示順序を選択して決定する。表示順序パターンPの作成、および、表示順序の決定は、実施形態1から実施形態3のサーバー側制御部23(
図1、
図5、および
図7参照)にて説明した内容と同様なので説明は省略する。また、制御部32は、ディスプレイ側制御部15(
図1、
図5、および
図7参照)と同様に画像書き換え部12を制御する。
【0092】
実施形態4の表示装置400は、ディスプレイ装置1(
図1、
図5、および
図7参照)の機能、および、サーバー装置2(
図1、
図5、および
図7参照)の機能が一体となっていることで、設置する機器の個数を一とすることができる。従って、設置する場所が一か所で良いという利点がある。更に、実施形態1から実施形態3と同様に、書き換えコストに基づいて画像の表示順序を決定するため、画像を順次表示するときに消費する電力量を低く抑えることができるという利点も兼ね備える。
【0093】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、表示装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0095】
1 :ディスプレイ装置
2 :サーバー装置
11 :表示部
12 :画像書き換え部
23 :サーバー側制御部
32 :制御部
100 :表示装置
200 :表示装置
300 :表示装置
400 :表示装置