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特開2023-148615情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148615
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、機械学習方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20231005BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/304 643A
H01L21/304 644B
H01L21/304 644C
H01L21/304 648G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056744
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】武渕 健一
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 賢一郎
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA03
5F157AB48
5F157AB62
5F157AB72
5F157AB90
5F157AB91
5F157AB92
5F157BA03
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA14
5F157BA31
5F157BA41
5F157BB11
5F157BB37
5F157BB43
5F157BB66
5F157BG13
5F157CB13
5F157CB14
5F157CB15
5F157CB22
5F157CC03
5F157CF42
5F157CF44
5F157DC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基板処理装置の動作状態に応じて洗浄具の状態を適切に予測する情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法及び機械学習方法を提供する。
【解決手段】基板処理システムにおいて、情報処理装置5は、基板を保持する基板保持部、基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄具を回転可能に支持し洗浄具を基板に接触させて基板を洗浄する基板洗浄部及び洗浄具を洗浄具洗浄流体で洗浄する洗浄具洗浄部を備える基板処理装置が動作したときの動作状態として、基板保持部状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報及び洗浄具洗浄部状態情報を含む動作状態情報を取得する情報取得部500と、動作状態情報と洗浄具状態情報との相関関係を機械学習により学習させた学習モデルに、情報取得部が取得した動作状態情報を入力することで、当該動作状態情報に対する洗浄具状態情報を予測する状態予測部501と、を備える。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄
具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄する
基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える基板
処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部状態
情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の状態
を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態情報
を含む動作状態情報を取得する情報取得部と、
前記動作状態情報と、当該動作状態情報が示す前記動作状態にて前記基板処理装置が動
作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報との相関関係を機械学習により学習
させた学習モデルに、前記情報取得部により取得された前記動作状態情報を入力すること
で、当該動作状態情報に対する前記洗浄具状態情報を予測する状態予測部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記基板洗浄部は、
前記基板の被洗浄面に平行な第1の回転軸周り又は前記被洗浄面に垂直な第2の回転
軸周りに前記洗浄具を回転させる洗浄具回転機構部と、
前記洗浄具と前記被洗浄面との相対位置を移動させる洗浄具移動機構部とを備え、
前記動作状態情報に含まれる前記基板洗浄部状態情報は、
前記洗浄具回転機構部の回転数、
前記洗浄具回転機構部の回転トルク、
前記洗浄具移動機構部の位置座標、
前記洗浄具移動機構部の移動速度、
前記洗浄具移動機構部の移動トルク、
前記洗浄具を前記基板に接触させるときの押付荷重、及び、
前記洗浄具のコンディションの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記動作状態情報に含まれる前記洗浄具洗浄部状態情報は、
前記洗浄具回転機構部の回転数、
前記洗浄具回転機構部の回転トルク、
前記洗浄具移動機構部の位置座標、
前記洗浄具移動機構部の移動速度、
前記洗浄具移動機構部の移動トルク、
前記洗浄具を洗浄具洗浄板に接触させるときの押付荷重、
前記洗浄具洗浄流体の流量、
前記洗浄具洗浄流体の圧力、及び、
前記洗浄具洗浄流体の清浄度の少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記基板保持部は、
前記基板の被洗浄面に垂直な第3の回転軸周りに前記基板を回転させる基板回転機構
部と、
前記基板の側縁部を保持する基板保持機構部とを備え、
前記動作状態情報に含まれる前記基板保持部状態情報は、
前記基板保持機構部が前記基板を保持するときの保持点数、
前記基板保持機構部が前記基板を保持するときの保持圧力、
前記基板回転機構部の回転数、
前記基板回転機構部の回転トルク、及び、
前記基板保持機構部のコンディションの少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動作状態情報に含まれる前記洗浄流体供給部状態情報は、
前記基板洗浄流体の流量、
前記基板洗浄流体の圧力、
前記基板洗浄流体の滴下位置、
前記基板洗浄流体の温度、及び、
前記基板洗浄流体の濃度の少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動作状態情報は、
前記洗浄具にて前記基板を洗浄する空間の環境を示す装置内環境情報をさらに含み、
前記動作状態情報に含まれる前記装置内環境情報は、
前記空間の温度
前記空間の湿度、
前記空間の気圧、
前記空間の気流、
前記空間の酸素濃度、及び
前記空間の音の少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記洗浄具状態情報は、
前記洗浄具のコンディションを示すコンディション情報であり、
前記コンディション情報は、
前記洗浄具の重さ、
前記洗浄具の含水率、
前記洗浄具の硬度、及び、
前記洗浄具の清浄度の少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記洗浄具状態情報は、
前記洗浄具の余寿命を示す余寿命情報、及び、
前記洗浄具の洗浄品質を示す洗浄品質情報の少なくとも1つを含む、
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置であって、
前記プロセッサは、
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗
浄具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄す
る基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える基
板処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部状
態情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の状
態を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態情
報を含む動作状態情報を取得する情報取得処理と、
前記情報取得処理にて前記動作状態情報を取得すると、当該動作状態情報が示す前記
動作状態にて前記基板処理装置が動作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報
を推論する推論処理と、を実行する、
推論装置。
【請求項10】
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄
具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄する
基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える基板
処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部状態
情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の状態
を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態情報
を含む動作状態情報と、当該動作状態情報が示す前記動作状態にて前記基板処理装置が動
作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報とで構成される学習用データを複数
組記憶する学習用データ記憶部と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記動作状態情報と前記洗
浄具状態情報との相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習部と、
前記機械学習部により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを記憶する学習済みモ
デル記憶部と、を備える、
機械学習装置。
【請求項11】
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄
具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄する
基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える基板
処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部状態
情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の状態
を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態情報
を含む動作状態情報を取得する情報取得工程と、
前記動作状態情報と、当該動作状態情報が示す前記動作状態にて前記基板処理装置が動
作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報との相関関係を機械学習により学習
させた学習モデルに、前記情報取得工程により取得された前記動作状態情報を入力するこ
とで、当該動作状態情報に対する前記洗浄具状態情報を予測する状態予測工程と、を備え
る、
情報処理方法。
【請求項12】
メモリと、プロセッサとを備える推論装置により実行される推論方法であって、
前記プロセッサは、
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、
洗浄具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄
する基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える
基板処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部
状態情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の
状態を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態
情報を含む動作状態情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程にて前記動作状態情報を取得すると、当該動作状態情報が示す前記
動作状態にて前記基板処理装置が動作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報
を推論する推論工程と、を実行する、
推論方法。
【請求項13】
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄
具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄する
基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える基板
処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部状態
情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の状態
を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態情報
を含む動作状態情報と、当該動作状態情報が示す前記動作状態にて前記基板処理装置が動
作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報とで構成される学習用データを学習
用データ記憶部に複数組記憶する学習用データ記憶工程と、
複数組の前記学習用データを学習モデルに入力することで、前記動作状態情報と前記洗
浄具状態情報との相関関係を前記学習モデルに学習させる機械学習工程と、
前記機械学習工程により前記相関関係を学習させた前記学習モデルを学習済みモデル記
憶部に記憶する学習済みモデル記憶工程と、を備える、
機械学習方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論方法、及び、
機械学習方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ等の基板に対して各種の処理を行う基板処理装置の1つとして、化学機械
研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)処理を
行う基板処理装置が知られている。基板処理装置では、例えば、研磨パッドを有する研磨
テーブルを回転させつつ、液体供給ノズルから研磨パッドに研磨液(スラリー)を供給し
た状態で、トップリングと呼ばれる研磨ヘッドにより基板を研磨パッドに押し付けること
で、基板は化学的かつ機械的に研磨される。そして、研磨後の基板に付着した研磨屑等の
異物を除去するため、研磨後の基板に基板洗浄流体を供給しながら洗浄具を接触させてス
クラブ洗浄し、さらに基板を乾燥することで、一連の処理が終了し、次の基板の処理に移
行する。
【0003】
上記のような一連の処理が繰り返し行われると、洗浄具の摩耗や汚染が徐々に進行する
ため、洗浄具の交換が必要になるが、洗浄具の交換時期は、例えば、洗浄具の累積使用回
数や累積使用時間により管理されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-242092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、洗浄具の累積使用回数や累積使用時間は、カウンタや計時部により洗
浄具が基板に接触している回数や時間を累積することで求められる。しかしながら、洗浄
具の状態は、洗浄具が基板に接触しているときの基板処理装置の動作状態に応じて変動す
るだけでなく、洗浄具が基板に接触していない場合、例えば、洗浄具を洗浄具洗浄流体に
て洗浄(セルフクリーニング)するときの基板処理装置の動作状態に応じても変動するた
め、累積使用回数や累積使用時間による管理だけでは洗浄具の状態を詳細に把握すること
ができない。
【0006】
一方、洗浄部を用いて基板を洗浄するために、基板処理装置が備える各部(例えば、基
板を保持する基板保持部、基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄具を基板
に接触させて基板を洗浄する基板洗浄部、及び、洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗
浄具洗浄部)の動作状態は、洗浄具の状態に影響を与える要素であるが、洗浄具に対して
複雑かつ相互に作用する。そのため、各動作状態が、洗浄具の状態にどのような影響を与
えるのかを的確に解析することは困難である。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、基板処理装置の動作状態に応じて洗浄具の状態を適切に
予測することを可能とする情報処理装置、推論装置、機械学習装置、情報処理方法、推論
方法、及び、機械学習方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、
基板を保持する基板保持部、前記基板に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部、洗浄
具を回転可能に支持するとともに前記洗浄具を前記基板に接触させて前記基板を洗浄する
基板洗浄部、及び、前記洗浄具を洗浄具洗浄流体にて洗浄する洗浄具洗浄部を備える基板
処理装置が動作したときの動作状態として、前記基板保持部の状態を示す基板保持部状態
情報、前記洗浄流体供給部の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、前記基板洗浄部の状態
を示す基板洗浄部状態情報、及び、前記洗浄具洗浄部の状態を示す洗浄具洗浄部状態情報
を含む動作状態情報を取得する情報取得部と、
前記動作状態情報と、当該動作状態情報が示す前記動作状態にて前記基板処理装置が動
作したときの前記洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報との相関関係を機械学習により学習
させた学習モデルに、前記情報取得部により取得された前記動作状態情報を入力すること
で、当該動作状態情報に対する前記洗浄具状態情報を予測する状態予測部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理装置によれば、基板保持部状態情報、洗浄流体供給部状
態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部状態情報を含む動作状態情報が学習モ
デルに入力されることで、当該動作状態情報に対する洗浄具状態情報が予測されるので、
基板処理装置の動作状態に応じて洗浄具の状態を適切に予測することができる。
【0010】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにさ
れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】基板処理システム1の一例を示す全体構成図である。
図2】基板処理装置2の一例を示す平面図である。
図3】第1乃至第4の研磨部22A~22Dの一例を示す斜視図である。
図4】第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24Bの一例を示す斜視図である。
図5】第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dの一例を示す斜視図である。
図6】第1及び第2の乾燥部24E、24Fの一例を示す斜視図である。
図7】基板処理装置2の一例を示すブロック図である。
図8】コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
図9】データベース装置3により管理される生産履歴情報30の一例を示すデータ構成図である。
図10】データベース装置3により管理される洗浄試験情報31の一例を示すデータ構成図である。
図11】第1の実施形態に係る機械学習装置4の一例を示すブロック図である。
図12】第1の学習モデル10A及び第1の学習用データ11Aの一例を示す図である。
図13】機械学習装置4による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
図14】第1の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。
図15】第1の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示す機能説明図である。
図16】情報処理装置5による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
図17】第2の実施形態に係る機械学習装置4aの一例を示すブロック図である。
図18】第2の学習モデル10B及び第2の学習用データ11Bの一例を示す図である。
図19】第2の実施形態に係る情報処理装置5aとして機能する情報処理装置5aの一例を示すブロック図である。
図20】第2の実施形態に係る情報処理装置5aの一例を示す機能説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、
本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説
明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術による
ものとする。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、基板処理システム1の一例を示す全体構成図である。本実施形態に係る基板処
理システム1は、半導体ウェハ等の基板(以下、「ウェハ」という)Wを研磨パッドに押
し付けることでウェハWの表面を平坦に研磨する化学機械研磨処理(以下、「研磨処理」
という)、研磨処理後のウェハWを洗浄具に接触させることでウェハWの表面を洗浄する
洗浄処理等を含む一連の基板処理を管理するシステムとして機能する。
【0014】
基板処理システム1は、その主要な構成として、基板処理装置2と、データベース装置
3と、機械学習装置4と、情報処理装置5と、ユーザ端末装置6とを備える。各装置2~
6は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ(後述の図8参照)で構成されるとともに、
有線又は無線のネットワーク7に接続されて、各種のデータ(図1には一部のデータの送
受信を破線の矢印にて図示)を相互に送受信可能に構成される。なお、各装置2~6の数
やネットワーク7の接続構成は、図1の例に限られず、適宜変更してもよい。
【0015】
基板処理装置2は、複数のユニットで構成されて、1又は複数のウェハWに対する一連
の基板処理として、例えば、ロ―ド、研磨、洗浄、乾燥、膜厚測定、アンロード等の各処
理をそれぞれ行う装置である。その際、基板処理装置2は、各ユニットにそれぞれ設定さ
れた複数の装置パラメータからなる装置設定情報265と、研磨処理、洗浄処理、乾燥処
理の動作状態等を定める基板レシピ情報266とを参照しつつ、各ユニットの動作を制御
する。
【0016】
基板処理装置2は、各ユニットの動作に応じて、各種のレポートRをデータベース装置
3、ユーザ端末装置6等に送信する。各種のレポートRには、例えば、基板処理が行われ
たときの対象となるウェハWを特定する工程情報、各処理が行われたときの各ユニットの
状態を示す装置状態情報、基板処理装置2にて検出されたイベント情報、基板処理装置2
に対するユーザ(オペレータ、生産管理者、保守管理者等)の操作情報等が含まれる。
【0017】
データベース装置3は、本生産用の洗浄具を用いて基板処理が行われたときの履歴に関
する生産履歴情報30と、試験用の洗浄具を用いて洗浄処理の試験(以下、「洗浄試験」
という)が行われたときの履歴に関する洗浄試験情報31とを管理する装置である。なお
、データベース装置3には、上記の他に、装置設定情報265や基板レシピ情報266が
記憶されていてもよく、その場合には、基板処理装置2がこれらの情報を参照するように
してもよい。
【0018】
データベース装置3は、基板処理装置2が本生産用の洗浄具を用いて基板処理を行った
ときに、基板処理装置2から各種のレポートRを随時受信し、生産履歴情報30に登録す
ることで、生産履歴情報30には、基板処理に関するレポートRが蓄積される。
【0019】
データベース装置3は、基板処理装置2が試験用の洗浄具を用いて洗浄試験を行ったと
きに、基板処理装置2から各種のレポートR(装置状態情報を少なくとも含む)を随時受
信し、洗浄試験情報31に登録するとともに、その洗浄試験の試験結果を対応付けて登録
することで、洗浄試験情報31には、洗浄試験に関するレポートR及び試験結果が蓄積さ
れる。洗浄試験は、本生産用の基板処理装置2で行われてもよいし、基板処理装置2と同
様の洗浄処理を再現可能な試験用の洗浄試験装置(不図示)で行われてもよい。試験用の
洗浄具や洗浄試験装置には、洗浄具のコンディションとして、例えば、洗浄具の重さ、含
水率、硬度、及び、清浄度を測定するための各種の洗浄具測定機器(不図示)が設けられ
、洗浄具測定機器の測定値が、試験結果として洗浄試験情報31に登録される。
【0020】
機械学習装置4は、機械学習の学習フェーズの主体として動作し、例えば、データベー
ス装置3から洗浄試験情報31の一部を第1の学習用データ11Aとして取得し、情報処
理装置5にて用いられる第1の学習モデル10Aを機械学習により生成する。学習済みの
第1の学習モデル10Aは、ネットワーク7や記録媒体等を介して情報処理装置5に提供
される。
【0021】
情報処理装置5は、機械学習の推論フェーズの主体として動作し、機械学習装置4によ
り生成された第1の学習モデル10Aを用いて、基板処理装置2による洗浄処理が本生産
用の洗浄具を用いて行われたときに、その洗浄具の状態を予測し、その予測した結果であ
る洗浄具状態情報をデータベース装置3、ユーザ端末装置6等に送信する。情報処理装置
5が洗浄具状態情報を予測するタイミングとしては、洗浄処理が行われた後(事後予測処
理)でもよいし、洗浄処理が行われている最中(リアルタイム予測処理)でもよいし、洗
浄処理が行われる前(事前予測処理)でもよい。
【0022】
ユーザ端末装置6は、ユーザが使用する端末装置であり、据置型の装置でもよいし、携
帯型の装置でもよい。ユーザ端末装置6は、例えば、アプリケーションプログラム、ウェ
ブブラウザ等の表示画面を介して各種の入力操作を受け付けるとともに、表示画面を介し
て各種の情報(例えば、イベントの通知、洗浄具状態情報、生産履歴情報30、洗浄試験
情報31等)を表示する。
【0023】
(基板処理装置2)
図2は、基板処理装置2の一例を示す平面図である。基板処理装置2は、平面視で略矩
形状のハウジング20の内部に、ロード/アンロードユニット21と、研磨ユニット22
と、基板搬送ユニット23と、仕上げユニット24と、膜厚測定ユニット25と、制御ユ
ニット26とを備えて構成される。ロード/アンロードユニット21と、研磨ユニット2
2、基板搬送ユニット23及び仕上げユニット24との間は、第1の隔壁200Aにより
区画され、基板搬送ユニット23と仕上げユニット24との間は、第2の隔壁200Bに
より区画されている。
【0024】
(ロード/アンロードユニット)
ロード/アンロードユニット21は、多数のウェハWを上下方向に収納可能なウェハカ
セット(FOUP等)が載置される第1乃至第4のフロントロード部210A~210D
と、ウェハカセットに収納されたウェハWの収納方向(上下方向)に沿って上下移動可能
な搬送ロボット211と、第1乃至第4のフロントロード部210A~210Dの並び方
向(ハウジング20の短手方向)に沿って搬送ロボット211を移動させる水平移動機構
部212とを備える。
【0025】
搬送ロボット211は、第1乃至第4のフロントロード部210A~210Dの各々に
載置されたウェハカセット、基板搬送ユニット23(具体的に、後述のリフタ232)、
仕上げユニット24(具体的に、後述の第1及び第2の乾燥部24E、24F)、及び、
膜厚測定ユニット25に対してアクセス可能に構成され、それらの間でウェハWを受け渡
すための上下二段のハンド(不図示)を備える。下側ハンドは、処理前のウェハWを受け
渡すときに使用され、上側ハンドは、処理後のウェハWを受け渡すときに使用される。基
板搬送ユニット23や仕上げユニット24に対するウェハWの受け渡しの際には、第1の
隔壁200Aに設けられたシャッタ(不図示)が開閉される。
【0026】
(研磨ユニット)
研磨ユニット22は、ウェハWの研磨処理(平坦化)をそれぞれ行う第1乃至第4の研
磨部22A~22Dを備える。第1乃至第4の研磨部22A~22Dは、ハウジング20
の長手方向に沿って並べられて配置される。
【0027】
図3は、第1乃至第4の研磨部22A~22Dの一例を示す斜視図である。第1乃至第
4の研磨部22A~22Dの基本的な構成や機能は共通する。
【0028】
第1乃至第4の研磨部22A~22Dの各々は、研磨面を有する研磨パッド2200を
回転可能に支持する研磨テーブル220と、ウェハWを保持し、かつウェハWを研磨テー
ブル220上の研磨パッド2200に押圧しながら研磨するためのトップリング(研磨ヘ
ッド)221と、研磨パッド2200に研磨流体を供給する研磨流体供給ノズル222と
、ドレッサディスク2230を回転可能に支持するとともにドレッサディスク2230を
研磨パッド2200の研磨面に接触させて研磨パッド2200をドレッシングするドレッ
サ223と、研磨パッド2200に洗浄流体を噴射するアトマイザ224とを備える。
【0029】
研磨テーブル220は、研磨テーブルシャフト220aにより支持されて、その軸心周
りに研磨テーブル220を回転駆動させる回転移動機構部220bと、研磨パッド220
0の表面温度を調節する温調機構部220cとを備える。
【0030】
トップリング221は、上下方向に移動可能なトップリングシャフト221aに支持さ
れて、その軸心周りにトップリング221を回転駆動させる回転移動機構部221cと、
トップリング221を上下方向に移動させる上下移動機構部221dと、支持シャフト2
21bを旋回中心にしてトップリング221を旋回(揺動)移動させる揺動移動機構部2
21eとを備える。
【0031】
研磨流体供給ノズル222は、支持シャフト222aに支持されて、支持シャフト22
2aを旋回中心にして研磨流体供給ノズル222を旋回移動させる揺動移動機構部222
bと、研磨流体の流量を調節する流量調節部222cと、研磨流体の温度を調節する温調
機構部222dとを備える。研磨流体は、研磨液(スラリー)又は純水であり、さらに、
薬液を含むものでもよいし、研磨液に分散剤を添加したものでもよい。
【0032】
ドレッサ223は、上下方向に移動可能なドレッサシャフト223aに支持されて、そ
の軸心周りにドレッサ223を回転駆動させる回転移動機構部223cと、ドレッサ22
3を上下方向に移動させる上下移動機構部223dと、支持シャフト223bを旋回中心
にしてドレッサ223を旋回移動させる揺動移動機構部223eとを備える。
【0033】
アトマイザ224は、支持シャフト224aに支持されて、支持シャフト224aを旋
回中心にしてアトマイザ224を旋回移動させる揺動移動機構部224bと、洗浄流体の
流量を調節する流量調節部224cとを備える。洗浄流体は、液体(例えば、純水)と気
体(例えば、窒素ガス)の混合流体又は液体(例えば、純水)である。
【0034】
ウェハWは、トップリング221の下面に吸着保持されて、研磨テーブル220上の所
定の研磨位置に移動された後、研磨流体供給ノズル222から研磨流体が供給された研磨
パッド2200の研磨面に対してトップリング221により押圧されることで研磨される
【0035】
(基板搬送ユニット)
基板搬送ユニット23は、図2に示すように、第1乃至第4の研磨部22A~22Dの
並び方向(ハウジング20の長手方向)に沿って水平移動可能な第1及び第2のリニアト
ランスポータ230A、230Bと、第1及び第2のリニアトランスポータ230A、2
30Bの間に配置されたスイングトランスポータ231と、ロード/アンロードユニット
21側に配置されたリフタ232と、仕上げユニット24側に配置されたウェハWの仮置
き台233とを備える。
【0036】
第1のリニアトランスポータ230Aは、第1及び第2の研磨部22A、22Bに隣接
して配置されて、4つの搬送位置(ロード/アンロードユニット21側から順に第1乃至
第4の搬送位置TP1~TP4とする)の間でウェハWを搬送する機構である。第2の搬
送位置TP2は、第1の研磨部22Aに対してウェハWを受け渡す位置であり、第3の搬
送位置TP3は、第2の研磨部22Bに対してウェハWを受け渡す位置である。
【0037】
第2のリニアトランスポータ230Bは、第3及び第4の研磨部22C、22Dに隣接
して配置されて、3つの搬送位置(ロード/アンロードユニット21側から順に第5乃至
第7の搬送位置TP5~TP7とする)の間でウェハWを搬送する機構である。第6の搬
送位置TP6は、第3の研磨部22Cに対してウェハWを受け渡す位置であり、第7の搬
送位置TP7は、第4の研磨部22Dに対してウェハWを受け渡す位置である。
【0038】
スイングトランスポータ231は、第4及び第5の搬送位置TP4、TP5に隣接して
配置されるとともに、第4及び第5の搬送位置TP4、TP5の間を移動可能なハンドを
有する。スイングトランスポータ231は、第1及び第2のリニアトランスポータ230
A、230Bの間でウェハWを受け渡すとともに、仮置き台233にウェハWを仮置きす
る機構である。リフタ232は、第1の搬送位置TP1に隣接して配置されて、ロード/
アンロードユニット21の搬送ロボット211との間でウェハWを受け渡す機構である。
ウェハWの受け渡しの際、第1の隔壁200Aに設けられたシャッタ(不図示)が開閉さ
れる。
【0039】
(仕上げユニット)
仕上げユニット24は、図2に示すように、ロールスポンジ2400を用いた基板洗浄
装置として、上下二段に配置された第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24B
と、ペンスポンジ2401を用いた基板洗浄装置として、上下二段に配置された第1及び
第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dと、洗浄後のウェハWを乾燥させる基板乾燥装
置として、上下二段に配置された第1及び第2の乾燥部24E、24Fと、ウェハWを搬
送する第1及び第2の搬送部24G、24Hとを備える。なお、ロールスポンジ洗浄部2
4A、24B、ペンスポンジ洗浄部24C、24D、乾燥部24E、24F、及び、搬送
部24G、24Hの数や配置は、図2の例に限られず、適宜変更してもよく、例えば、ロ
ールスポンジ洗浄部24A、24Bとペンスポンジ洗浄部24C、24Dの位置を入れ替
えてもよい。
【0040】
仕上げユニット24の各部24A~24Hは、それぞれが区画された状態で第1及び第
2のリニアトランスポータ230A、230Bに沿って、例えば、第1及び第2のロール
スポンジ洗浄部24A、24B、第1の搬送部24G、第1及び第2のペンスポンジ洗浄
部24C、24D、第2の搬送部24H、及び、第1及び第2の乾燥部24E、24Fの
順(ロード/アンロードユニット21から遠い順)に配置される。仕上げユニット24は
、研磨処理後のウェハWに対して、第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24B
のいずれか又は両方による一次洗浄処理、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、2
4Dのいずれか又は両方による二次洗浄処理、及び、第1及び第2の乾燥部24E、24
Fのいずれか又は両方による乾燥処理を順に行う。なお、仕上げユニット24の各部24
A~24Hによる処理の順序は適宜変更してもよいし、処理の一部を省略してもよく、例
えば、ロールスポンジ洗浄部24A、24Bによる洗浄処理を省略して、ペンスポンジ洗
浄部24C、24Dによる洗浄処理から開始してもよい。また、仕上げユニット24は、
ロールスポンジ洗浄部24A、24B、及び、ペンスポンジ洗浄部24C、24Dのいず
れかに代えて又は加えて、バフ洗浄部(不図示)を備えることにより、バフ洗浄処理を行
うようにしてもよい。さらに、本実施形態では、仕上げユニット24の各部24A~24
Hは、ウェハWを水平置きで保持(水平保持)する場合について説明するが、ウェハWを
垂直保持又は斜め保持するものでもよい。
【0041】
ロールスポンジ2400及びペンスポンジ2401は、PVA、ナイロン等の合成樹脂
で形成され、多孔質構造を有する。ロールスポンジ2400及びペンスポンジ2401は
、ウェハWをスクラブ洗浄するための洗浄具として機能し、第1及び第2のロールスポン
ジ洗浄部24A、24B、並びに、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dに
交換可能にそれぞれ取り付けられる。
【0042】
第1の搬送部24Gは、上下方向に移動可能な第1の搬送ロボット246Aを備える。
第1の搬送ロボット246Aは、基板搬送ユニット23の仮置き台233、第1及び第2
のロールスポンジ洗浄部24A、24B、並びに、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部2
4C、24Dに対してアクセス可能に構成され、それらの間でウェハWを受け渡すための
上下二段のハンドを備える。例えば、下側ハンドは、洗浄前のウェハWを受け渡すときに
使用され、上側ハンドは、洗浄後のウェハWを受け渡すときに使用される。仮置き台23
3に対するウェハWの受け渡しの際には、第2の隔壁200Bに設けられたシャッタ(不
図示)が開閉される。
【0043】
第2の搬送部24Hは、上下方向に移動可能な第2の搬送ロボット246Bを備える。
第2の搬送ロボット246Bは、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24D、並
びに、第1及び第2の乾燥部24E、24Fに対してアクセス可能に構成され、それらの
間でウェハWを受け渡すためのハンドを備える。
【0044】
図4は、第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24Bの一例を示す斜視図であ
る。第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24Bの基本的な構成や機能は共通す
る。図4の例では、第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24Bは、ウェハWの
被洗浄面(表面及び裏面)を挟み込むように、上下に配置された一対のロールスポンジ2
400を有する。
【0045】
第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24Bの各々は、ウェハWを保持する基
板保持部241と、ウェハWに基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部242と、ロール
スポンジ2400を回転可能に支持するとともにロールスポンジ2400をウェハWに接
触させてウェハWを洗浄する基板洗浄部240と、ロールスポンジ2400を洗浄具洗浄
流体にて洗浄(セルフクリーニング)する洗浄具洗浄部243と、洗浄処理が行われるハ
ウジング20の内部空間の状態を測定する環境センサ244とを備える。
【0046】
基板保持部241は、ウェハWの側縁部の複数個所を保持する基板保持機構部241a
と、ウェハWの被洗浄面に垂直な第3の回転軸周りにウェハWを回転させる基板回転機構
部241bとを備える。図4の例では、基板保持機構部241aは、4つのローラであり
、少なくとも1つのローラは、ウェハWの側縁部に対して保持方向又は離間方向に移動可
能に構成され、基板回転機構部241bは、少なくとも1つのローラを回転駆動させる。
【0047】
洗浄流体供給部242は、ウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給
ノズル242aと、洗浄流体供給ノズル242aを旋回移動させる揺動移動機構部242
bと、基板洗浄流体の流量及び圧力を調節する流量調節部242cと、基板洗浄流体の温
度を調節する温調機構部242dとを備える。基板洗浄流体は、純水(リンス液)、薬液
及びこれらの混合液(例えば、流量調節部242cによる純水及び薬液の流量調整により
濃度調整可能)のいずれでもよく、洗浄流体供給ノズル242aは、図4に示すように、
純水用のノズルと、薬液用のノズルとが別々に設けられていてもよい。また、基板洗浄流
体は、液体でもよいし、液体及び気体を混合させた二流体でもよいし、ドライアイスのよ
うな固体を含むものでもよい。
【0048】
基板洗浄部240は、ウェハWの被洗浄面に平行な第1の回転軸周りにロールスポンジ
2400を回転させる洗浄具回転機構部240aと、一対のロールスポンジ2400の高
さ及び両者の離間距離を変更するため、一対のロールスポンジ2400の少なくとも一方
を上下方向に移動させる上下移動機構部240bと、一対のロールスポンジ2400を水
平方向に直線移動させる直線移動機構部240cとを備える。上下移動機構部240b及
び直線移動機構部240cは、ロールスポンジ2400とウェハWの被洗浄面との相対位
置を移動させる洗浄具移動機構部として機能する。
【0049】
洗浄具洗浄部243は、ウェハWと干渉しない位置に配置されて、洗浄具洗浄流体を貯
留及び排出可能な洗浄具洗浄槽243aと、洗浄具洗浄槽243aに収容されて、ロール
スポンジ2400が押し付けられる洗浄具洗浄板243bと、洗浄具洗浄槽243aに供
給される洗浄具洗浄流体の流量及び圧力を調節する流量調節部243cと、ロールスポン
ジ2400の内側を流通し、ロールスポンジ2400の外周面から外部に排出される洗浄
具洗浄流体の流量及び圧力を調節する流量調節部243dとを備える。洗浄具洗浄流体は
、純水(リンス液)、薬液及びこれらの混合液(例えば、流量調節部243cによる純水
及び薬液の流量調整により濃度調整可能)のいずれでもよい。
【0050】
環境センサ244は、例えば、温度センサ244aと、湿度センサ244bと、気圧セ
ンサ244cと、酸素濃度センサ244dと、マイクロホン(音センサ)244eとを備
える。なお、環境センサ244として、洗浄処理中や洗浄処理の前後に、ウェハWやロー
ルスポンジ2400の表面、温度分布、気流分布等を撮影可能なカメラ(イメージセンサ
)を備えていてもよい。カメラの撮影対象は、可視光に限られず、赤外光や紫外光等でも
よい。
【0051】
第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24Bによる一次洗浄処理では、ウェハ
Wは、基板保持機構部241aにより保持された状態で基板回転機構部241bにより回
転される。そして、洗浄流体供給ノズル242aからウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体
が供給された状態で、洗浄具回転機構部240aにより軸心周りに回転されたロールスポ
ンジ2400がウェハWの被洗浄面に摺接することでウェハWは洗浄される。その後、基
板洗浄部240が、ロールスポンジ2400を洗浄具洗浄槽243aに移動させて、例え
ば、ロールスポンジ2400を回転させたり、洗浄具洗浄板243bに押し付けたり、流
量調節部243dにより洗浄具洗浄流体をロールスポンジ2400に供給することで、ロ
ールスポンジ2400は洗浄される。
【0052】
図5は、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dの一例を示す斜視図である
。第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dの基本的な構成や機能は共通する。
【0053】
第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dの各々は、ウェハWを保持する基板
保持部241と、ウェハWに基板洗浄流体を供給する洗浄流体供給部242と、ペンスポ
ンジ2401を回転可能に支持するとともにペンスポンジ2401をウェハWに接触させ
てウェハWを洗浄する基板洗浄部240と、ペンスポンジ2401を洗浄具洗浄流体にて
洗浄(セルフクリーニング)する洗浄具洗浄部243と、洗浄処理が行われるハウジング
20の内部空間の状態を測定する環境センサ244とを備える。以下では、ペンスポンジ
洗浄部24C、24Dについて、ロールスポンジ洗浄部24A、24Bと異なる部分を中
心に説明する。
【0054】
基板保持部241は、ウェハWの側縁部の複数個所を保持する基板保持機構部241c
と、ウェハWの被洗浄面に垂直な第3の回転軸周りにウェハWを回転させる基板回転機構
部241dとを備える。図5の例では、基板保持機構部241cは、4つのチャックであ
り、少なくとも1つのチャックは、ウェハWの側縁部に対して保持方向又は離間方向に移
動可能に構成され、基板回転機構部241dは、4つのチャックに連結された支持シャフ
トを回転駆動させる。
【0055】
洗浄流体供給部242は、図4と同様に構成されており、洗浄流体供給ノズル242a
、揺動移動機構部242b、流量調節部242c、及び、温調機構部242dを備える。
【0056】
基板洗浄部240は、ウェハWの被洗浄面に垂直な第2の回転軸周りにペンスポンジ2
401を回転させる洗浄具回転機構部240dと、ペンスポンジ2401を上下方向に移
動させる上下移動機構部240eと、ペンスポンジ2401を水平方向に旋回移動させる
揺動移動機構部240fとを備える。上下移動機構部240e及び揺動移動機構部240
fは、ペンスポンジ2401とウェハWの被洗浄面との相対位置を移動させる洗浄具移動
機構部として機能する。
【0057】
洗浄具洗浄部243は、ウェハWと干渉しない位置に配置されて、洗浄具洗浄流体を貯
留及び排出可能な洗浄具洗浄槽243eと、洗浄具洗浄槽243eに収容されて、ペンス
ポンジ2401が押し付けられる洗浄具洗浄板243fと、洗浄具洗浄槽243eに供給
される洗浄具洗浄流体の流量及び圧力を調節する流量調節部243gと、ペンスポンジ2
401の内側を流通し、ペンスポンジ2401の外表面から外部に排出される洗浄具洗浄
流体の流量及び圧力を調節する流量調節部243hとを備える。
【0058】
環境センサ244は、例えば、温度センサ244aと、湿度センサ244bと、気圧セ
ンサ244cと、酸素濃度センサ244dと、マイクロホン(音センサ)244eとを備
える。なお、環境センサ244として、洗浄処理中や洗浄処理の前後に、ウェハWやペン
スポンジ2401の表面温度分布、気流分布等を撮影可能なカメラ(イメージセンサ)を
備えていてもよい。カメラの撮影対象は、可視光に限られず、赤外光や紫外光等でもよい
【0059】
第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24Dによる二次洗浄処理では、ウェハW
は、基板保持機構部241cにより保持された状態で基板回転機構部241dにより回転
される。そして、洗浄流体供給ノズル242aからウェハWの被洗浄面に基板洗浄流体が
供給された状態で、洗浄具回転機構部240dにより軸心周りに回転されたペンスポンジ
2401がウェハWの被洗浄面に摺接することでウェハWは洗浄される。その後、基板洗
浄部240が、ペンスポンジ2401を洗浄具洗浄槽243eに移動させて、例えば、ペ
ンスポンジ2401を回転させたり、洗浄具洗浄板243fに押し付けたり、流量調節部
243hにより洗浄具洗浄流体をペンスポンジ2401に供給することで、ペンスポンジ
2401は洗浄される。
【0060】
図6は、第1及び第2の乾燥部24E、24Fの一例を示す斜視図である。第1及び第
2の乾燥部24E、24Fの基本的な構成や機能は共通する。
【0061】
第1及び第2の乾燥部24E、24Fの各々は、ウェハWを保持する基板保持部241
と、ウェハWに基板乾燥流体を供給する乾燥流体供給部245と、乾燥処理が行われるハ
ウジング20の内部空間の状態を測定する環境センサ244とを備える。
【0062】
基板保持部241は、ウェハWの側縁部の複数個所を保持する基板保持機構部241e
と、ウェハWの被洗浄面に垂直な第3の回転軸周りにウェハWを回転させる基板回転機構
部241fとを備える。
【0063】
乾燥流体供給部245は、ウェハWの被洗浄面に基板乾燥流体を供給する乾燥流体供給
ノズル245aと、乾燥流体供給ノズル245aを上下方向に移動させる上下移動機構部
245bと、乾燥流体供給ノズル245aを水平方向に旋回移動させる揺動移動機構部2
45cと、基板乾燥流体の流量及び圧力を調節する流量調節部245dと、基板乾燥流体
の温度を調節する温調機構部245eとを備える。上下移動機構部245b及び揺動移動
機構部245cは、乾燥流体供給ノズル245aとウェハWの被洗浄面との相対位置を移
動させる乾燥流体供給ノズル移動機構部として機能する。基板乾燥流体は、例えば、IP
A蒸気及び純水(リンス液)であり、乾燥流体供給ノズル245aは、図6に示すように
、IPA蒸気用のノズルと、純水用のノズルとが別々に設けられていてもよい。また、基
板乾燥流体は、液体でもよいし、液体及び気体を混合させた二流体でもよいし、ドライア
イスのような固体を含むものでもよい。
【0064】
環境センサ244は、温度センサ244aと、湿度センサ244bと、気圧センサ24
4cと、酸素濃度センサ244dと、マイクロホン(音センサ)244eとを備える。な
お、環境センサ244として、乾燥処理中や乾燥処理の前後に、ウェハWの表面、温度分
布、気流分布等を撮影可能なカメラ(イメージセンサ)を備えていてもよい。
【0065】
第1及び第2の乾燥部24E、24Fによる乾燥処理では、ウェハWは、基板保持機構
部241eにより保持された状態で基板回転機構部241fにより回転される。そして、
乾燥流体供給ノズル245aからウェハWの被洗浄面に基板乾燥流体が供給された状態で
、乾燥流体供給ノズル245aがウェハWの側縁部側(径方向外側)に移動される。その
後、ウェハWは、基板回転機構部241fにより高速回転されることでウェハWが乾燥さ
れる。
【0066】
なお、図4乃至図6では、基板回転機構部241b、241d、上下移動機構部240
b、240e、245b、直線移動機構部240c、揺動移動機構部240f、242b
、245c、洗浄具回転機構部240a、240dの具体的な構成を省略しているが、例
えば、モータ、エアシリンダ等の駆動力発生用のモジュールと、リニアガイド、ボールね
じ、ギヤ、ベルト、カップリング、軸受等の駆動力伝達機構と、リニアセンサ、エンコー
ダセンサ、リミットセンサ、トルクセンサ等のセンサとを適宜組み合わせて構成される。
図4乃至図6では、流量調節部243c、243d、243g、243h、245dの具
体的な構成を省略しているが、例えば、ポンプ、バルブ、レギュレータ等の流体調節用の
モジュールと、流量センサ、圧力センサ、液面センサ、温度センサ、流体濃度センサ、流
体パーティクルセンサ等のセンサとを適宜組み合わせて構成される。図4乃至図6では、
温調機構部242d、245eの具体的な構成を省略しているが、例えば、ヒータ、熱交
換器等の温度調節用(接触式又は非接触式)のモジュールと、温度センサ、電流センサ等
のセンサとを適宜組み合わせて構成される。
【0067】
(膜厚測定ユニット)
膜厚測定ユニット25は、研磨処理前又は研磨処理後のウェハWの膜厚を測定する測定
器であり、例えば、光学式膜厚測定器、渦電流式膜厚測定器等で構成される。各膜厚測定
モジュールに対するウェハWの受け渡しは、搬送ロボット211により行われる。
【0068】
(制御ユニット)
図7は、基板処理装置2の一例を示すブロック図である。制御ユニット26は、各ユニ
ット21~25と電気的に接続されて、各ユニット21~25を統括的に制御する制御部
として機能する。以下では、仕上げユニット24の制御系(モジュール、センサ、シーケ
ンサ)を例にして説明するが、他のユニット21~23、25も基本的な構成や機能は共
通するため、説明を省略する。
【0069】
仕上げユニット24は、仕上げユニット24が備える各サブユニット(例えば、第1及
び第2のロールスポンジ洗浄部24A、24B、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24
C、24D、第1及び第2の乾燥部24E、24F、第1及び第2の搬送部24G、24
H等)にそれぞれ配置されて、制御対象となる複数のモジュール247~247と、
複数のモジュール247~247にそれぞれ配置されて、各モジュール247~2
47の制御に必要なデータ(検出値)を検出する複数のセンサ248~248と、
各センサ248~248の検出値に基づいて各モジュール247~247の動作
を制御するシーケンサ249とを備える。
【0070】
仕上げユニット24のセンサ248~248には、例えば、基板保持機構部241
a、241cが基板を保持するときの保持圧力を検出するセンサ、基板保持機構部241
a、241cの回転数を検出するセンサ、基板回転機構部241b、241dの回転トル
クを検出するセンサ、基板洗浄流体の流量を検出するセンサ、基板洗浄流体の圧力を検出
するセンサ、基板洗浄流体の滴下位置に変換可能な洗浄流体供給部242の位置座標を検
出するセンサ、基板洗浄流体の温度を検出するセンサ、基板洗浄流体の濃度を検出するセ
ンサ、洗浄具回転機構部240aの回転数を検出するセンサ、洗浄具回転機構部240a
の回転トルクを検出するセンサ、洗浄具移動機構部(上下移動機構部240b、240e
、直線移動機構部240c、揺動移動機構部240f)の位置座標を検出するセンサ、洗
浄具移動機構部の移動速度を検出するセンサ、洗浄具移動機構部の移動トルクを検出する
センサ、洗浄具(ロールスポンジ2400、ペンスポンジ2401)をウェハW又は洗浄
具洗浄板243b、243fに接触させるときの押付荷重を検出するセンサ、洗浄具洗浄
流体の流量を検出するセンサ、洗浄具洗浄流体の圧力を検出するセンサ、洗浄具洗浄流体
の清浄度(例えば、洗浄具洗浄槽243a、243eの廃液に含まれるパーティクルの濃
度、粒子径、粒子径毎の粒子数)を検出するセンサ、環境センサ244等が含まれる。
【0071】
制御ユニット26は、制御部260、通信部261、入力部262、出力部263、及
び、記憶部264を備える。制御ユニット26は、例えば、汎用又は専用のコンピュータ
(後述の図8参照)で構成される。
【0072】
通信部261は、ネットワーク7に接続され、各種のデータを送受信する通信インター
フェースとして機能する。入力部262は、各種の入力操作を受け付けるとともに、出力
部263は、表示画面、シグナルタワー点灯、ブザー音を介して各種の情報を出力するこ
とで、ユーザインターフェースとして機能する。
【0073】
記憶部264は、基板処理装置2の動作で使用される各種のプログラム(オペレーティ
ングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、ウェブブラウザ等)やデータ(装
置設定情報265、基板レシピ情報266等)を記憶する。装置設定情報265及び基板
レシピ情報266は、表示画面を介してユーザにより編集可能なデータである。
【0074】
制御部260は、複数のシーケンサ219、229、239、249、259(以下、
「シーケンサ群」という)を介して複数のセンサ218~218、228~228
、238~238、248~248、258~258(以下、「センサ群
」という)の検出値を取得するとともに、複数のモジュール217~217、227
~227、237~237、247~247、257~257(以下、
「モジュール群」という)を連携して動作させることで、ロ―ド、研磨、洗浄、乾燥、膜
厚測定、アンロード等の一連の基板処理を行う。
【0075】
(各装置のハードウエア構成)
図8は、コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。基板処理装置2
の制御ユニット26、データベース装置3、機械学習装置4、情報処理装置5、及び、ユ
ーザ端末装置6の各々は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0076】
コンピュータ900は、図8に示すように、その主要な構成要素として、バス910、
プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバ
イス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機
器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部
928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じ
て適宜省略されてもよい。
【0077】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Pro
cessing Unit)、MPU(Micro-processing unit)
、DSP(digital signal processor)、GPU(Graph
ics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を
統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を
記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と
、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0078】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成さ
れ、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイ
ブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば
、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され
、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネル
ディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例え
ば、HDD、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部とし
て機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の
実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0079】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(図
1のネットワーク7と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信
規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外
部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器95
0に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデー
タの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセン
サ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間
で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデー
タの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVDド
ライブ、CDドライブ等のドライブ装置で構成され、DVD、CD等のメディア(非一時
的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0080】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置
920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を
介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装
置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インス
トール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メ
ディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム93
0は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによ
りコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ9
12がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、A
SIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0081】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され
、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータで
もよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。コンピュータ90
0は、各装置2~6以外の装置にも適用されてもよい。
【0082】
(生産履歴情報30)
図9は、データベース装置3により管理される生産履歴情報30の一例を示すデータ構
成図である。生産履歴情報30は、本生産用の洗浄具(ロールスポンジ2400、ペンス
ポンジ2401)を用いて基板処理が行われたときに取得されたレポートRが分類されて
登録されるテーブルとして、例えば、各ウェハWに関するウェハ履歴テーブル300と、
洗浄処理における装置状態情報に関する洗浄履歴テーブル301とを備える。なお、生産
履歴情報30は、上記の他に、研磨処理における装置状態情報に関する研磨履歴テーブル
、乾燥処理における装置状態情報に関する乾燥履歴テーブル、イベント情報に関するイベ
ント履歴テーブル及び操作情報に関する操作履歴テーブル等を備えるが、詳細な説明は省
略する。
【0083】
ウェハ履歴テーブル300の各レコードには、例えば、ウェハID、カセット番号、ス
ロット番号、各工程の開始時刻、終了時刻、使用ユニットID等が登録される。なお、図
9では、研磨工程、洗浄工程、乾燥工程が例示されているが、他の工程についても同様に
登録される。
【0084】
洗浄履歴テーブル301の各レコードには、例えば、ウェハID、基板保持部状態情報
、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、洗浄具洗浄部状態情報、装置内環境情
報、処理実績情報等が登録される。
【0085】
基板保持部状態情報は、洗浄処理における基板保持部241の状態を示す情報である。
基板保持部状態情報は、例えば、基板保持部241が有するセンサ群(又はモジュール群
)により所定の時間間隔でサンプリングされた各センサの検出値(又は各モジュールへの
指令値)である。
【0086】
洗浄流体供給部状態情報は、洗浄処理における洗浄流体供給部242の状態を示す情報
である。洗浄流体供給部状態情報は、例えば、洗浄流体供給部242が有するセンサ群(
又はモジュール群)により所定の時間間隔でサンプリングされた各センサの検出値(又は
各モジュールへの指令値)である。
【0087】
基板洗浄部状態情報は、洗浄処理における基板洗浄部240の状態を示す情報である。
基板洗浄部状態情報は、例えば、基板洗浄部240が有するセンサ群(又はモジュール群
)により所定の時間間隔でサンプリングされた各センサの検出値(又は各モジュールへの
指令値)である。
【0088】
洗浄具洗浄部状態情報は、洗浄処理における洗浄具洗浄部243の状態を示す情報であ
る。洗浄具洗浄部状態情報は、例えば、洗浄具洗浄部243が有するセンサ群(又はモジ
ュール群)により所定の時間間隔でサンプリングされた各センサの検出値(又は各モジュ
ールへの指令値)である。
【0089】
装置内環境情報は、ハウジング20により形成された基板処理装置2の内部空間の状態
を示す情報である。基板処理装置2の内部空間は、仕上げユニット24が配置された空間
であり、装置内環境情報は、例えば、環境センサ244により所定の時間間隔でサンプリ
ングされた各センサの検出値である。なお、基板処理装置2の内部空間が、仕上げユニッ
ト24が備える各サブユニット(例えば、第1及び第2のロールスポンジ洗浄部24A、
24B、第1及び第2のペンスポンジ洗浄部24C、24D、第1及び第2の乾燥部24
E、24F)で区切られている場合には、環境センサ244は、仕上げユニット24のサ
ブユニット毎に設置されており、装置内環境情報は、仕上げユニット24のサブユニット
毎に取得される。
【0090】
処理実績情報は、洗浄処理の実績を示す情報である。処理実績情報は、洗浄具(ロール
スポンジ2400、ペンスポンジ2401)が交換されてからその洗浄具を用いて洗浄処
理が行われたときのウェハWの累積使用枚数や累積使用時間を含む。
【0091】
洗浄履歴テーブル301を参照することで、ウェハIDで特定されるウェハWに対して
洗浄処理が行われたときの基板処理装置2の装置状態として、各センサの時系列データ(
又は各モジュールの時系列データ)が抽出可能である。
【0092】
(洗浄試験情報31)
図10は、データベース装置3により管理される洗浄試験情報31の一例を示すデータ
構成図である。洗浄試験情報31は、試験用の洗浄具や洗浄試験装置を用いて洗浄試験が
行われたときに取得されたレポートR及び試験結果が分類されて登録される洗浄試験テー
ブル310を備える。
【0093】
洗浄試験テーブル310の各レコードには、例えば、試験ID、基板保持部状態情報、
洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、洗浄具洗浄部状態情報、装置内環境情報
、処理実績情報、試験結果情報等が登録される。洗浄試験テーブル310の基板保持部状
態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、洗浄具洗浄部状態情報、装置内
環境情報、及び、処理実績情報は、洗浄試験における各部の状態を示す情報であり、その
データ構成は、洗浄履歴テーブル301と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0094】
試験結果情報は、洗浄試験において洗浄処理が行われたときの試験用の洗浄具の状態を
示す情報である。試験結果情報は、試験用の洗浄具や洗浄試験装置に設けられた洗浄具測
定機器により所定の時間間隔でサンプリングされた測定値である。図10に示す試験結果
情報は、洗浄処理を開始してから終了するまでの洗浄処理期間に含まれる各時刻t1,t
2,…,…tm,…,tnにおける洗浄具の重さ、含水率、硬度、及び、清浄度の各測定
値V1~V4をそれぞれ含む。なお、試験結果情報は、上記のように、洗浄具測定機器に
よる測定結果である測定値でもよいし、環境センサ244として設置されたカメラや光学
式顕微鏡や走査電子顕微鏡(SEM)に搭載されたカメラにより試験用の洗浄具を所定の
時間間隔で撮影し、その撮影した各画像に対して画像処理を行った画像処理結果や実験者
が解析した実験解析結果に基づくものでもよい。また、試験結果情報は、洗浄処理を開始
してから終了するまでを連続して行った1回の洗浄試験にて収集されたものでもよいし、
洗浄処理を開始してから所定の時刻に到達するまでの洗浄試験を所定の時刻を徐々に長く
しながら繰り返し行うことで、複数回の洗浄試験にて収集されたものでもよい。
【0095】
洗浄試験テーブル310を参照することで、試験IDで特定される洗浄試験において、
試験用の洗浄具を用いて洗浄処理が行われたときの基板洗浄装置(基板保持部241、洗
浄流体供給部242、基板洗浄部240、及び、洗浄具洗浄部243)の状態を示す時系
列データ(又は各モジュールの時系列データ)と、そのときの試験用の洗浄具の状態を示
す時系列データとが抽出可能である。
【0096】
(機械学習装置4)
図11は、第1の実施形態に係る機械学習装置4の一例を示すブロック図である。機械
学習装置4は、制御部40、通信部41、学習用データ記憶部42、及び、学習済みモデ
ル記憶部43を備える。
【0097】
制御部40は、学習用データ取得部400及び機械学習部401として機能する。通信
部41は、ネットワーク7を介して外部装置(例えば、基板処理装置2、データベース装
置3、情報処理装置5、及び、ユーザ端末装置6、洗浄試験装置(不図示)等)と接続さ
れ、各種のデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。
【0098】
学習用データ取得部400は、通信部41及びネットワーク7を介して外部装置と接続
され、入力データとしての動作状態情報と、出力データとしての洗浄具状態情報とで構成
される第1の学習用データ11Aを取得する。第1の学習用データ11Aは、教師あり学
習における教師データ(トレーニングデータ)、検証データ及びテストデータとして用い
られるデータである。また、洗浄具状態情報は、教師あり学習における正解ラベルとして
用いられるデータである。
【0099】
学習用データ記憶部42は、学習用データ取得部400で取得した第1の学習用データ
11Aを複数組記憶するデータベースである。なお、学習用データ記憶部42を構成する
データベースの具体的な構成は適宜設計すればよい。
【0100】
機械学習部401は、学習用データ記憶部42に記憶された複数組の第1の学習用デー
タ11Aを用いて機械学習を実施する。すなわち、機械学習部401は、第1の学習モデ
ル10Aに第1の学習用データ11Aを複数組入力し、第1の学習用データ11Aに含ま
れる動作状態情報と洗浄具状態情報との相関関係を第1の学習モデル10Aに学習させる
ことで、学習済みの第1の学習モデル10Aを生成する。
【0101】
学習済みモデル記憶部43は、機械学習部401により生成された学習済みの第1の学
習モデル10A(具体的には、調整済みの重みパラメータ群)を記憶するデータベースで
ある。学習済みモデル記憶部43に記憶された学習済みの第1の学習モデル10Aは、ネ
ットワーク7や記録媒体等を介して実システム(例えば、情報処理装置5)に提供される
。なお、図11では、学習用データ記憶部42と、学習済みモデル記憶部43とが別々の
記憶部として示されているが、これらは単一の記憶部で構成されてもよい。
【0102】
なお、学習済みモデル記憶部43に記憶される第1の学習モデル10Aの数は1つに限
定されず、例えば、機械学習の手法、ウェハWの種類(サイズ、厚み、膜種等)、洗浄具
の種類、基板洗浄装置(基板保持部241、洗浄流体供給部242、基板洗浄部240、
及び、洗浄具洗浄部243)の機構の違い、基板洗浄流体や洗浄具洗浄流体の種類、動作
状態情報に含まれるデータの種類、洗浄具状態情報に含まれるデータの種類等のように、
条件が異なる複数の学習モデルが記憶されてもよい。その場合には、学習用データ記憶部
42には、条件が異なる複数の学習モデルにそれぞれ対応するデータ構成を有する複数種
類の学習用データが記憶されればよい。
【0103】
図12は、第1の学習モデル10A及び第1の学習用データ11Aの一例を示す図であ
る。第1の学習モデル10Aの機械学習に用いられる第1の学習用データ11Aは、動作
状態情報と洗浄具状態情報とで構成される。本実施形態では、第1の学習モデル10A及
び第1の学習用データ11Aは、ロールスポンジ2400を用いたロールスポンジ洗浄部
24A、24Bに対応するものと、ペンスポンジ2401を用いたペンスポンジ洗浄部2
4C、24Dに対応するものとの2種類が少なくとも用意されるが、基本的なデータ構成
は共通するため、以下にまとめて説明する。
【0104】
第1の学習用データ11Aを構成する動作状態情報は、基板処理装置2により行われる
ウェハWの洗浄処理における基板保持部241の状態を示す基板保持部状態情報、洗浄流
体供給部242の状態を示す洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部240の状態を示す基
板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部243の状態を示す洗浄具洗浄部状態情報を含む
【0105】
動作状態情報に含まれる基板保持部状態情報は、基板保持機構部241a、241cが
基板を保持するときの保持点数、基板保持機構部241a、241cが基板を保持すると
きの保持圧力、基板保持機構部241a、241cの回転数、基板回転機構部241b、
241dの回転トルク、及び、基板保持機構部241a、241cのコンディションの少
なくとも1つを含む。基板保持機構部241a、241cのコンディションは、例えば、
基板保持機構部241a、241cの使用状況(使用時間、使用時の圧力、交換の有無)
に基づいて設定された基板保持機構部241a、241cの消耗度合や汚れ度合を表す。
基板保持機構部241a、241cのコンディションは、例えば、洗浄処理中に経時変化
するものでもよい。
【0106】
動作状態情報に含まれる洗浄流体供給部状態情報は、基板洗浄流体の流量、基板洗浄流
体の圧力、基板洗浄流体の滴下位置、基板洗浄流体の温度、及び、基板洗浄流体の濃度の
少なくとも1つを含む。基板洗浄流体が複数種類の流体である場合には、洗浄流体供給部
状態情報は、各流体の流量、圧力、滴下位置、温度及び濃度を含むようにすればよい。
【0107】
動作状態情報に含まれる基板洗浄部状態情報は、洗浄具回転機構部240aの回転数、
洗浄具回転機構部240aの回転トルク、洗浄具移動機構部(上下移動機構部240b、
240e、直線移動機構部240c、揺動移動機構部240f)の位置座標、洗浄具移動
機構部の移動速度、洗浄具移動機構部の移動トルク、洗浄具をウェハWに接触させるとき
の押付荷重、及び、洗浄具のコンディションの少なくとも1つを含む。洗浄具のコンディ
ションは、洗浄具状態情報における対象時点よりも前の時点における洗浄具のコンディシ
ョンを示すものであり、例えば、洗浄具の使用状況(使用時間、使用時の押付荷重、交換
の有無、ウェハWの回転数、処理枚数、洗浄具の表面を撮影した画像)に基づいて設定さ
れた洗浄具の消耗度合や汚れ度合を表す。洗浄具のコンディションは、例えば、洗浄処理
中に経時変化するものでもよい。
【0108】
動作状態情報に含まれる洗浄具洗浄部状態情報は、洗浄具回転機構部240aの回転数
、洗浄具回転機構部240aの回転トルク、洗浄具移動機構部(上下移動機構部240b
、240e、直線移動機構部240c、揺動移動機構部240f)の位置座標、洗浄具移
動機構部の移動速度、洗浄具移動機構部の移動トルク、洗浄具を洗浄具洗浄板243b、
243fに接触させるときの押付荷重、洗浄具洗浄流体の流量、洗浄具洗浄流体の圧力、
及び、洗浄具洗浄流体の清浄度(洗浄具洗浄槽243a、243eの排出側)の少なくと
も1つを含む。
【0109】
なお、動作状態情報は、洗浄処理が行われる空間の環境を示す装置内環境情報をさらに
含むものでもよく、動作状態情報に含まれる装置内環境情報は、ハウジング20により形
成された内部空間(仕上げユニット24のサブユニット毎)の温度、湿度、気圧、気流、
酸素濃度、及び、音の少なくとも1つを含む。また、動作状態情報は、洗浄処理の実績を
示す処理実績情報をさらに含むものでもよく、動作状態情報に含まれる処理実績情報は、
例えば、洗浄具が交換されてからその洗浄具を用いて洗浄処理が行われたときのウェハW
の累積使用枚数、及び、累積使用時間の少なくとも1つを含む。
【0110】
第1の学習用データ11Aを構成する洗浄具状態情報は、動作状態情報が示す動作状態
にて基板処理装置2が動作したときの洗浄具の状態を示す情報である。本実施形態では、
洗浄具状態情報は、洗浄具のコンディションを示すコンディション情報である。コンディ
ション情報は、例えば、洗浄処理を開始してから終了するまでの洗浄処理期間(ウェハ1
枚当たりの洗浄処理に要する時間)に含まれる対象時点における洗浄具の重さ、含水率、
硬度、及び、清浄度の少なくとも1つを含む。洗浄処理期間には、例えば、基板洗浄部2
40が洗浄具をウェハWに接触させてウェハWを洗浄する動作、洗浄流体供給部242が
基板洗浄流体を供給する動作、及び、洗浄具洗浄部243が洗浄具洗浄流体にて洗浄具を
洗浄する動作が含まれる。
【0111】
学習用データ取得部400は、洗浄試験情報31を参照するとともに、必要に応じてユ
ーザ端末装置6によるユーザの入力操作を受け付けることで、第1の学習用データ11A
を取得する。例えば、学習用データ取得部400は、洗浄試験情報31の洗浄試験テーブ
ル310を参照することで、試験IDで特定される洗浄試験が行われたときの基板保持部
状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部状態情報
(基板保持部241、洗浄流体供給部242、基板洗浄部240、及び、洗浄具洗浄部2
43がそれぞれ有する各センサの時系列データ)を、動作状態情報として取得する。
【0112】
なお、本実施形態では、動作状態情報を、図12に示すようなセンサ群の時系列データ
として取得する場合について説明するが、基板洗浄装置(基板保持部241、洗浄流体供
給部242、基板洗浄部240、及び、洗浄具洗浄部243)の構成に応じて適宜変更し
てもよい。また、動作状態情報として、モジュールへの指令値を用いてもよいし、センサ
の検出値又はモジュールへの指令値から換算されるパラメータを用いてもよいし、複数の
センサの検出値に基づいて算出されるパラメータを用いてもよい。さらに、動作状態情報
は、洗浄処理期間全体の時系列データとして取得されてもよいし、洗浄処理期間の一部で
ある対象期間の時系列データとして取得されてもよいし、特定の対象時点における時点デ
ータとして取得されてもよい。上記のように、動作状態情報の定義を変更する場合には、
第1の学習モデル10A及び第1の学習用データ11Aにおける入力データのデータ構成
を適宜変更すればよい。
【0113】
また、学習用データ取得部400は、洗浄試験情報31の洗浄試験テーブル310を参
照することで、同一の試験IDで特定される洗浄試験が行われたときの試験結果情報(洗
浄具測定機器の時系列データ(図10))を、上記の動作状態情報に対する洗浄具状態情
報として取得する。洗浄具測定機器が、洗浄具に対して面的な測定が可能な測定機器であ
る場合には、学習用データ取得部400は、面的な測定値を洗浄具状態情報として取得す
る。
【0114】
なお、本実施形態では、洗浄具状態情報が、図12に示すようなコンディション情報で
ある場合について説明するが、洗浄具の重さ、含水率、硬度、及び、清浄度の少なくとも
1つを含むものでもよい。また、洗浄具状態情報は、洗浄具測定機器の測定値を所定の算
出式に代入することで算出されてもよい。さらに、動作状態情報が、例えば、洗浄処理期
間全体の時系列データ又は洗浄処理期間の一部である対象期間の時系列データとして取得
されている場合には、洗浄具状態情報は、洗浄処理期間全体の時系列データ又は対象期間
の時系列データとして取得されてもよいし、洗浄処理終了時点の時点データ又は対象時点
の時点データとして取得されてもよい。また、動作状態情報が、例えば、特定の対象時点
における時点データとして取得されている場合には、洗浄具状態情報は、その特定の対象
時点における時点データとして取得されてもよい。上記のように、洗浄具状態情報の定義
を変更する場合には、第1の学習モデル10A及び第1の学習用データ11Aにおける出
力データのデータ構成を適宜変更すればよい。
【0115】
第1の学習モデル10Aは、例えば、ニューラルネットワークの構造を採用したもので
あり、入力層100、中間層101、及び、出力層102を備える。各層の間には、各ニ
ューロンをそれぞれ接続するシナプス(不図示)が張られており、各シナプスには、重み
がそれぞれ対応付けられている。各シナプスの重みからなる重みパラメータ群が、機械学
習により調整される。
【0116】
入力層100は、入力データとしての動作状態情報に対応する数のニューロンを有し、
動作状態情報の各値が各ニューロンにそれぞれ入力される。出力層102は、出力データ
としての洗浄具状態情報に対応する数のニューロンを有し、動作状態情報に対する洗浄具
状態情報の予測結果(推論結果)が、出力データとして出力される。第1の学習モデル1
0Aが、回帰モデルで構成される場合には、洗浄具状態情報は、所定の範囲(例えば、0
~1)に正規化された数値でそれぞれ出力される。また、第1の学習モデル10Aが、分
類モデルで構成される場合には、洗浄具状態情報は、各クラスに対するスコア(確度)と
して、所定の範囲(例えば、0~1)に正規化された数値でそれぞれ出力される。
【0117】
(機械学習方法)
図13は、機械学習装置4による機械学習方法の一例を示すフローチャートである。
【0118】
まず、ステップS100において、学習用データ取得部400は、機械学習を開始する
ための事前準備として、洗浄試験情報31等から所望の数の第1の学習用データ11Aを
取得し、その取得した第1の学習用データ11Aを学習用データ記憶部42に記憶する。
ここで準備する第1の学習用データ11Aの数については、最終的に得られる第1の学習
モデル10Aに求められる推論精度を考慮して設定すればよい。
【0119】
次に、ステップS110において、機械学習部401は、機械学習を開始すべく、学習
前の第1の学習モデル10Aを準備する。ここで準備する学習前の第1の学習モデル10
Aは、図12に例示したニューラルネットワークモデルで構成されており、各シナプスの
重みが初期値に設定されている。
【0120】
次に、ステップS120において、機械学習部401は、学習用データ記憶部42に記
憶された複数組の第1の学習用データ11Aから、例えば、ランダムに1組の第1の学習
用データ11Aを取得する。
【0121】
次に、ステップS130において、機械学習部401は、1組の第1の学習用データ1
1Aに含まれる動作状態情報(入力データ)を、準備された学習前(又は学習中)の第1
の学習モデル10Aの入力層100に入力する。その結果、第1の学習モデル10Aの出
力層102から推論結果として洗浄具状態情報(出力データ)が出力されるが、当該出力
データは、学習前(又は学習中)の第1の学習モデル10Aによって生成されたものであ
る。そのため、学習前(又は学習中)の状態では、推論結果として出力された出力データ
は、第1の学習用データ11Aに含まれる洗浄具状態情報(正解ラベル)とは異なる情報
を示す。
【0122】
次に、ステップS140において、機械学習部401は、ステップS120において取
得された1組の第1の学習用データ11Aに含まれる洗浄具状態情報(正解ラベル)と、
ステップS130において出力層から推論結果として出力された洗浄具状態情報(出力デ
ータ)とを比較し、各シナプスの重みを調整する処理(バックプロパゲーション)を実施
することで、機械学習を実施する。これにより、機械学習部401は、動作状態情報と洗
浄具状態情報との相関関係を第1の学習モデル10Aに学習させる。
【0123】
次に、ステップS150において、機械学習部401は、所定の学習終了条件が満たさ
れたか否かを、例えば、第1の学習用データ11Aに含まれる洗浄具状態情報(正解ラベ
ル)と、推論結果として出力された洗浄具状態情報(出力データ)とに基づく誤差関数の
評価値や、学習用データ記憶部42内に記憶された未学習の第1の学習用データ11Aの
残数に基づいて判定する。
【0124】
ステップS150において、機械学習部401が、学習終了条件が満たされておらず、
機械学習を継続すると判定した場合(ステップS150でNo)、ステップS120に戻
り、学習中の第1の学習モデル10Aに対してステップS120~S140の工程を未学
習の第1の学習用データ11Aを用いて複数回実施する。一方、ステップS150におい
て、機械学習部401が、学習終了条件が満たされて、機械学習を終了すると判定した場
合(ステップS150でYes)、ステップS160に進む。
【0125】
そして、ステップS160において、機械学習部401は、各シナプスに対応付けられ
た重みを調整することで生成された学習済みの第1の学習モデル10A(調整済みの重み
パラメータ群)を学習済みモデル記憶部43に記憶し、図13に示す一連の機械学習方法
を終了する。機械学習方法において、ステップS100が学習用データ記憶工程、ステッ
プS110~S150が機械学習工程、ステップS160が学習済みモデル記憶工程に相
当する。
【0126】
以上のように、本実施形態に係る機械学習装置4及び機械学習方法によれば、基板保持
部状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部状態情
報を含む動作状態情報から、洗浄具(ロールスポンジ2400、ペンスポンジ2401)
の状態を示す洗浄具状態情報を予測(推論)することが可能な第1の学習モデル10Aを
提供することができる。
【0127】
(情報処理装置5)
図14は、第1の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示すブロック図である。図1
5は、第1の実施形態に係る情報処理装置5の一例を示す機能説明図である。情報処理装
置5は、制御部50、通信部51、及び、学習済みモデル記憶部52を備える。
【0128】
制御部50は、情報取得部500、状態予測部501及び出力処理部502として機能
する。通信部51は、ネットワーク7を介して外部装置(例えば、基板処理装置2、デー
タベース装置3、機械学習装置4、及び、ユーザ端末装置6等)と接続され、各種のデー
タを送受信する通信インターフェースとして機能する。
【0129】
情報取得部500は、通信部51及びネットワーク7を介して外部装置と接続され、基
板保持部状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部
状態情報を含む動作状態情報を取得する。
【0130】
例えば、洗浄処理がすでに行われた後のウェハWに対する洗浄具状態情報の「事後予測
処理」を行う場合には、情報取得部500は、生産履歴情報30の洗浄履歴テーブル30
1を参照することで、そのウェハWに対して洗浄処理が行われたときの基板保持部状態情
報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部状態情報を、動
作状態情報として取得する。洗浄処理が行われている最中のウェハWに対する洗浄具状態
情報の「リアルタイム予測処理」を行う場合には、情報取得部500は、その洗浄処理を
行っている基板処理装置2から装置状態情報に関するレポートRを随時受信することで、
そのウェハWに対して洗浄処理が行われている最中の基板保持部状態情報、洗浄流体供給
部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部状態情報を、動作状態情報として
随時取得する。洗浄処理が行われる前のウェハWに対する洗浄具状態情報の「事前予測処
理」を行う場合には、情報取得部500は、その洗浄処理を行う予定の基板処理装置2か
ら基板レシピ情報266を受信し、その基板レシピ条件266に従って基板処理装置2が
動作するときの装置状態情報をシミュレーションすることで、そのウェハWに対して洗浄
処理が行われるときの基板保持部状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情
報、及び、洗浄具洗浄部状態情報を、動作状態情報として取得する。
【0131】
状態予測部501は、上記のように、情報取得部500により取得された動作状態情報
を入力データとして第1の学習モデル10Aに入力することで、当該動作状態情報が示す
動作状態にて基板処理装置2が動作したときの洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報(本実
施形態では、コンディション情報)を予測する。
【0132】
学習済みモデル記憶部52は、状態予測部501にて用いられる学習済みの第1の学習
モデル10Aを記憶するデータベースである。なお、学習済みモデル記憶部52に記憶さ
れる第1の学習モデル10Aの数は1つに限定されず、例えば、機械学習の手法、ウェハ
Wの種類(サイズ、厚み、膜種等)、洗浄具の種類、基板洗浄装置(基板保持部241、
洗浄流体供給部242、基板洗浄部240、及び、洗浄具洗浄部243)の機構の違い、
基板洗浄流体や洗浄具洗浄流体の種類、動作状態情報に含まれるデータの種類、洗浄具状
態情報に含まれるデータの種類等のように、条件が異なる複数の学習済みモデルが記憶さ
れ、選択的に利用可能としてもよい。本実施形態では、学習済みモデル記憶部52には、
ロールスポンジ2400を用いたロールスポンジ洗浄部24A、24Bに対応するものと
、ペンスポンジ2401を用いたペンスポンジ洗浄部24C、24Dに対応するものとの
2種類の第1の学習モデル10Aが少なくとも記憶される。また、学習済みモデル記憶部
52は、外部コンピュータ(例えば、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータ)
の記憶部で代用されてもよく、その場合には、状態予測部501は、当該外部コンピュー
タにアクセスすればよい。
【0133】
出力処理部502は、状態予測部501により生成された洗浄具状態情報を出力するた
めの出力処理を行う。例えば、出力処理部502は、その洗浄具状態情報を基板処理装置
2やユーザ端末装置6に送信することで、その洗浄具状態情報に基づく表示画面が基板処
理装置2やユーザ端末装置6に表示されてもよいし、その洗浄具状態情報をデータベース
装置3に送信することで、その洗浄具状態情報が生産履歴情報30に登録されてもよい。
【0134】
(情報処理方法)
図16は、情報処理装置5による情報処理方法の一例を示すフローチャートである。以
下では、ユーザがユーザ端末装置6を操作して、特定のウェハWに対する洗浄具状態情報
の「事後予測処理」を行う場合の動作例について説明する。
【0135】
まず、ステップS200において、ユーザが、ユーザ端末装置6に対して、予測対象の
ウェハWを特定するウェハIDを入力する入力操作を行うと、ユーザ端末装置6は、その
ウェハIDを情報処理装置5に送信する。
【0136】
次に、ステップS210において、情報処理装置5の情報取得部500は、ステップS
200にて送信されたウェハIDを受信する。ステップS211において、情報取得部5
00は、ステップS210で受信したウェハIDを用いて生産履歴情報30の洗浄履歴テ
ーブル301を参照することで、そのウェハIDで特定されたウェハWに対して洗浄処理
が行われたときの動作状態情報を取得する。
【0137】
次に、ステップS220において、状態予測部501は、ステップS211にて取得さ
れた動作状態情報を入力データとして第1の学習モデル10Aに入力することで、当該動
作状態情報に対する洗浄具状態情報を出力データとして生成し、その洗浄具の状態を予測
する。
【0138】
次に、ステップS230において、出力処理部502は、ステップS220にて生成さ
れた洗浄具状態情報を出力するための出力処理として、その洗浄具状態情報をユーザ端末
装置6に送信する。なお、洗浄具状態情報の送信先は、ユーザ端末装置6に加えて又は代
えて、データベース装置3でもよい。
【0139】
次に、ステップS240において、ユーザ端末装置6は、ステップS200の送信処理
に対する応答として、ステップS230にて送信された洗浄具状態情報を受信すると、そ
の洗浄具状態情報に基づいて表示画面を表示することで、その洗浄具の状態がユーザによ
り視認される。上記の情報処理方法において、ステップS210、S211が情報取得工
程、ステップS220が状態予測工程、ステップS230が出力処理工程に相当する。
【0140】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置5及び情報処理方法によれば、洗浄処理
における、基板保持部状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、
洗浄具洗浄部状態情報を含む動作状態情報が第1の学習モデル10Aに入力されることで
、当該動作状態情報に対する洗浄具状態情報(コンディション情報)が予測されるので、
基板処理装置2の動作状態に応じて洗浄具の状態を適切に予測することができる。
【0141】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、洗浄具状態情報が、洗浄具(ロールスポンジ2400、ペンスポン
ジ2401)の余寿命を示す余寿命情報、及び、洗浄具の洗浄品質を示す洗浄品質情報の
少なくとも1つである点で第1の実施形態と相違する。以下では、第2の実施形態に係る
機械学習装置4a及び情報処理装置5aについて、第1の実施形態と異なる部分を中心に
説明する。
【0142】
図17は、第2の実施形態に係る機械学習装置4aの一例を示すブロック図である。図
18は、第2の学習モデル10B及び第2の学習用データ11Bの一例を示す図である。
第2の学習用データ11Bは、第2の学習モデル10Bの機械学習に用いられる。
【0143】
第2の学習用データ11Bを構成する洗浄具状態情報は、洗浄具の余寿命を示す余寿命
情報、及び、洗浄具の洗浄品質を示す洗浄品質情報の少なくとも1つを含む。洗浄具の余
寿命は、例えば、洗浄具が寿命に到達するまでの使用可能回数や使用可能時間にて定めら
れ、例えば、洗浄品質への影響を踏まえて設定されてよい。洗浄具の洗浄品質は、その洗
浄具にて洗浄処理が行われたときのウェハWの洗浄度合にて定められ、例えば、ウェハW
に存在するパーティクルに関する情報でもよく、パーティクルの面的分布状態やパーティ
クルの総数を含むものでもよい。なお、第2の学習用データ11Bを構成する動作状態情
報は、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0144】
学習用データ取得部400は、洗浄試験情報31を参照するとともに、必要に応じてユ
ーザ端末装置6によるユーザの入力操作を受け付けることで、第2の学習用データ11B
を取得する。洗浄試験情報31には、例えば、試験結果情報として、試験用の洗浄具や洗
浄試験装置を用いて繰り返し洗浄処理が行われた場合に、洗浄具の寿命に到達したときに
「0」が設定され、過去に遡るほど大きな値が設定された余寿命情報と、光学式顕微鏡や
走査電子顕微鏡(SEM)等の計測機器にて計測された洗浄品質情報が登録されている。
そして、学習用データ取得部400は、洗浄試験情報31の洗浄試験テーブル310から
試験IDで特定される洗浄試験が行われたときの試験結果情報を取得することで、余寿命
情報及び洗浄品質情報を取得する。
【0145】
機械学習部401は、第2の学習モデル10Bに第2の学習用データ11Bを複数組入
力し、第2の学習用データ11Bに含まれる動作状態情報と洗浄具状態情報(余寿命情報
及び洗浄品質情報の少なくとも1つ)との相関関係を第2の学習モデル10Bに学習させ
ることで、学習済みの第2の学習モデル10Bを生成する。
【0146】
図19は、第2の実施形態に係る情報処理装置5aとして機能する情報処理装置5aの
一例を示すブロック図である。図20は、第2の実施形態に係る情報処理装置5aの一例
を示す機能説明図である。
【0147】
情報取得部500は、第1の実施形態と同様に、基板保持部状態情報、洗浄流体供給部
状態情報、基板洗浄部状態情報、及び、洗浄具洗浄部状態情報を含む動作状態情報を取得
する。
【0148】
状態予測部501は、上記のように、情報取得部500により取得された動作状態情報
を入力データとして第2の学習モデル10Bに入力することで、当該動作状態情報が示す
動作状態にて基板処理装置2が動作したときの洗浄具の状態を示す洗浄具状態情報(余寿
命情報及び洗浄品質情報の少なくとも1つ)を予測する。
【0149】
出力処理部502は、第1の実施形態と同様に、状態予測部501により生成された洗
浄具状態情報(余寿命情報及び洗浄品質情報の少なくとも1つ)を出力するための出力処
理を行う。例えば、出力処理部502は、その洗浄具状態情報を基板処理装置2やユーザ
端末装置6に送信することで、その洗浄具状態情報に基づく表示画面が基板処理装置2や
ユーザ端末装置6に表示されてもよいし、その洗浄具状態情報をデータベース装置3に送
信することで、その洗浄具状態情報が生産履歴情報30に登録されてもよい。その際、出
力処理部502は、例えば、余寿命情報が示す洗浄具の余寿命が所定の予告基準回数や予
告基準時間を下回った場合や、洗浄品質情報が示す洗浄品質が所定の基準品質を下回った
場合には、洗浄具の交換予告、交換作業の手順書、交換作業に要する時間、交換部品の価
格等を表示するための情報を基板処理装置2やユーザ端末装置6に送信するようにしても
よい。また、出力処理部502は、基板処理装置2が洗浄具を自動で交換する機能を有す
る場合には、洗浄具を自動で交換する指令を基板処理装置2に送信するようにしてもよい
し、洗浄具の交換部品の発注を指示する指令を、洗浄具の在庫を管理する在庫管理装置(
不図示)に送信するようにしてもよい。
【0150】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置5a及び情報処理方法によれば、洗浄処
理における、基板保持部状態情報、洗浄流体供給部状態情報、基板洗浄部状態情報、及び
、洗浄具洗浄部状態情報を含む動作状態情報が第2の学習モデル10Bに入力されること
で、当該動作状態情報に対する洗浄具状態情報(余寿命情報及び洗浄品質情報の少なくと
も1つ)が予測されるので、基板処理装置2の動作状態に応じて洗浄具の状態を適切に予
測することができる。
【0151】
(他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に制約されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲
内で種々変更して実施することが可能である。そして、それらはすべて、本発明の技術思
想に含まれるものである。
【0152】
上記実施形態では、データベース装置3、機械学習装置4及び情報処理装置5は、別々
の装置で構成されたものとして説明したが、それら3つの装置が、単一の装置で構成され
ていてもよいし、それら3つの装置のうち任意の2つの装置が、単一の装置で構成されて
いてもよい。また、機械学習装置4及び情報処理装置5の少なくとも一方は、基板処理装
置2の制御ユニット26又はユーザ端末装置6に組み込まれていてもよい。
【0153】
上記実施形態では、基板処理装置2が、各ユニット21~25を備えるものとして説明
したが、基板処理装置2は、仕上げユニット24のうち洗浄処理を行う機能(ロールスポ
ンジ洗浄部24A、24B又はペンスポンジ洗浄部24C、24D)を少なくとも備えて
いればよく、他のユニットは省略されていてもよい。
【0154】
上記実施形態では、機械学習部401による機械学習を実現する学習モデルとして、ニ
ューラルネットワークを採用した場合について説明したが、他の機械学習のモデルを採用
してもよい。他の機械学習のモデルとしては、例えば、決定木、回帰木等のツリー型、バ
ギング、ブースティング等のアンサンブル学習、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込
みニューラルネットワーク、LSTM等のニューラルネット型(ディープラーニングを含
む)、階層型クラスタリング、非階層型クラスタリング、k近傍法、k平均法等のクラス
タリング型、主成分分析、因子分析、ロジスティク回帰等の多変量解析、サポートベクタ
ーマシン等が挙げられる。
【0155】
(機械学習プログラム及び情報処理プログラム)
本発明は、機械学習装置4が備える各部としてコンピュータ900を機能させるプログ
ラム(機械学習プログラム)や、機械学習方法が備える各工程をコンピュータ900に実
行させるためのプログラム(機械学習プログラム)の態様で提供することもできる。また
、本発明は、情報処理装置5が備える各部としてコンピュータ900を機能させるための
プログラム(情報処理プログラム)や、上記実施形態に係る情報処理方法が備える各工程
をコンピュータ900に実行させるためのプログラム(情報処理プログラム)の態様で提
供することもできる。
【0156】
(推論装置、推論方法及び推論プログラム)
本発明は、上記実施形態に係る情報処理装置5(情報処理方法又は情報処理プログラム
)の態様によるもののみならず、洗浄具状態情報を推論するために用いられる推論装置(
推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することもできる。その場合、推論装置(推
論方法又は推論プログラム)としては、メモリと、プロセッサとを含み、このうちのプロ
セッサが、一連の処理を実行するものとすることができる。当該一連の処理とは、動作状
態情報を取得する情報取得処理(情報取得工程)と、情報取得処理にて動作状態情報を取
得すると、当該動作状態情報が示す動作状態にて基板処理装置が動作したときの洗浄具の
状態を示す洗浄具状態情報(コンディション情報、余寿命情報又は洗浄品質情報)を推論
する推論処理(推論工程)とを含む。
【0157】
推論装置(推論方法又は推論プログラム)の態様で提供することで、情報処理装置を実
装する場合に比して簡単に種々の装置への適用が可能となる。推論装置(推論方法又は推
論プログラム)が洗浄具状態情報を推論する際、上記実施形態に係る機械学習装置及び機
械学習方法により生成された学習済みの学習モデルを用いて、状態予測部が実施する推論
手法を適用してもよいことは、当業者にとって当然に理解され得るものである。
【符号の説明】
【0158】
1…基板処理システム、2…基板処理装置、3…データベース装置、
4、4a…機械学習装置、5、5a…情報処理装置、
6…ユーザ端末装置、7…ネットワーク、
10A…第1の学習モデル、10B…第2の学習モデル、
11A…第1の学習用データ、11B…第2の学習用データ、
20…ハウジング、21…ロード/アンロードユニット、
22…研磨ユニット、22A~22D…研磨部、23…基板搬送ユニット、
24…仕上げユニット、24A、24B…ロールスポンジ洗浄部、
24C、24D…ペンスポンジ洗浄部、24E、24F…乾燥部、
24G、24H…搬送部、25…膜厚測定ユニット、26…制御ユニット、
30…生産履歴情報、31…洗浄試験情報、
40…制御部、41…通信部、42…学習用データ記憶部、
43…学習済みモデル記憶部、
50…制御部、51…通信部、52…学習済みモデル記憶部、
220…研磨テーブル、221…トップリング、222…研磨流体供給ノズル、
223…ドレッサ、224…アトマイザ、
240…基板洗浄部、241…基板保持部、242…洗浄流体供給部、
243…洗浄具洗浄部、244…環境センサ、245…乾燥流体供給部、
260…制御部、21…通信部、262…入力部、263…出力部、264…記憶部、
300…ウェハ履歴テーブル、301…洗浄履歴テーブル、310…洗浄試験テーブル、
400…学習用データ取得部、401…機械学習部、
500…情報取得部、501…状態予測部、502…出力処理部、
900…コンピュータ、
2200…研磨パッド、2230…ドレッサディスク、2400…ロールスポンジ、
2401…ペンスポンジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20