(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148619
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】多層配線基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056748
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】浅生 英幸
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC08
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC37
5E316CC38
5E316CC39
5E316CC55
5E316CC58
5E316DD24
5E316DD32
5E316EE33
5E316FF03
5E316FF14
5E316HH06
5E316HH24
(57)【要約】
【課題】厚さが0.4mm以下の薄い多層配線基板において、反りを低減した多層配線基板を提供する。
【解決手段】電源層として使用されるコア層1の表裏面に、信号層として使用されるビルドアップ層2-1、2-2が備えられた多層配線基板であって、コア層は、ガラスクロスに絶縁樹脂を含侵させた繊維強化プラスチック層3の表裏面または繊維強化プラスチック層の内層と表裏面の両方に配線層4を備えており、ビルドアップ層は、絶縁樹脂層5と、その絶縁樹脂層上に形成された配線層6と、を交互に積層した積層体を1層以上備えており、前記繊維強化プラスチック層の熱膨張係数は15ppm/℃以下であり、前記ビルドアップ層の絶縁樹脂層の熱膨張係数は20~40ppm/℃である事を特徴とする多層配線基板10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基板と、複数層からなるビルドアップ層を有する多層配線基板において、前記ビルドアップ層が異なる2種類樹脂層のビルドアップ層1およびビルドアップ層2から成り、前記ビルドアップ層1および前記ビルドアップ層2が交互に繰り返し積層されていて、か、前記コア基板と接するビルドアップ層と、多層配線基板の最表面層のビルドアップ層が前記ビルドアップ層1であることを、特徴とする多層配線基板。
【請求項2】
前記ビルドアップ層1と前記ビルドアップ層2の熱膨張係数の差が3ppm/℃から5ppm/℃であり、かつ前記ビルドアップ層1と前記ビルドアップ層2の誘電正接の差が0.0011から0.0040であることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板。
【請求項3】
前記ビルドアップ層1の熱膨張係数が20ppm/℃、かつ、前記ビルドアップ層1の誘電正接が0.0036であることを特徴とする請求項2記載の多層配線基板。
【請求項4】
前記コア基板の熱膨張係数が6.8ppm/℃、かつ、前記コア基板の誘電正接が0.010であることを特徴とする請求項2または3に記載の多層配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージに使用される多層配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体パッケージの高密度化および薄型化が進展するのに伴い、半導体パッケージにおいて半導体素子とマザーボードの間に位置する基板であるインターポーザ基板とも呼ばれる多層配線基板は、半導体チップの高速動作、多機能、薄型化と様々な要求への対応が求められている。そのインターポーザ基板としてフリップチップ実装が可能なFC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)基板が採用されている。
【0003】
図1に示す多層配線基板(以下、FCBGA基板)は、絶縁樹脂からなるコア基板とその表裏に絶縁樹脂からなる多層のビルドアップ層を有し、さらに導電性の材料からなるコア基板やビルドアップ層の層間を導通させるビアやスルーホールと呼ばれる導通構造、および配線構造を有している。そして、このFCBGA基板は、実装工程で、パッド部で半導体チップあるいはマザーボードと呼ばれる基板と電気的な接合構造を形成することで電気回路が形成される。また、ビルドアップ層の最表面には、パッド以外の部分にはソルダーレジスト層とよばれる絶縁層が形成されている。
【0004】
そして、
図2は、FCBGA基板に半導体チップを実装したときの状態を示したもので、
図2(a)は、FCBGA基板に反りがなく、半導体チップとの実装ができているのに、対し、
図2(b)はFCBGA基板に反りがあるため、半導体チップの内側のバンプがFCBGA基板に届いていないことを示したものである。このように半導体チップとFCBGA基板がバンプを介して接続してないと半導体チップは所期の動作をしないため、この状態でマザーボードに実装しても、正常に動作せず、不良品となってしまう。
【0005】
この反りの原因としては、
図2(b)は、
図2(a)と比べてコア基板が薄くなっていて、反りが発生しやすくなる。また、
図2(b)のビルドアップ層に使われる樹脂は、高速伝送に対応するため誘電率小さいものが使われることが多い。一般的に誘電率が低い樹脂の熱膨張係数が大きくなる傾向があり、コア基板との熱膨張率の差が反りの発生に影響している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の事情に鑑み、本発明は、電気特性を向上させるビルドアップ層用の絶縁樹脂を用い、さらに厚みの薄いコア基板を採用する多層配線基板においても、反りを低減した多層配線基板を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、コア基板と、複数層からなるビルドアップ層を有する多層配線基板において、前記ビルドアップ層が異なる2種類樹脂層のビルドアップ層1およびビルドアップ層2から成り、前記ビルドアップ層1および前記ビルドアップ層2が交互に繰り返し積層されていて、かつ、前記コア基板と接するビルドアップ層と、多層配線基板の最表面層のビルドアップ層が前記ビルドアッ
プ層1であることを、特徴とする多層配線基板である。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、前記ビルドアップ層1と前記ビルドアップ層2の熱膨張係数の差が3ppm/℃から5ppm/℃であり、かつ前記ビルドアップ層1と前記ビルドアップ層2の誘電正接の差が0.0011から0.0040であることを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板である。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、前記ビルドアップ層1の熱膨張係数が20ppm/℃、かつ、前記ビルドアップ層1の誘電正接が0.0036であることを特徴とする
請求項2記載の多層配線基板である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、前記コア基板の熱膨張係数が6.8ppm/℃、かつ、前記コア基板の誘電正接が0.010であることを特徴とする請求項2または3に記載の多層配線基板である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の多層配線基板によれば、高速伝送が可能で、小型で低背な半導体パッケージが反りが少なく製造可能になるので、半導体チップの実装不良が少なくなり、半導体パッケージの生産性が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の多層配線基板の(a)上面図および(b)断面図。
【
図2】FCBGA基板に(a)反りの無い(b)反りの有る状態で実装したときの断面図。
【
図3】本発明の多層プリント配線板の製造手順の一例を示した図。
【
図4】本発明の多層プリント配線板のビルドアップ層の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の図面の記載において、一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なるため、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0015】
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
<多層配線基板の概要>
本発明のFCBGA基板は、
図1に従来の示す多層配線基板と同様、スルーホール4を有するコア基板10とコア基板の表裏に、複数のビルドアップ層11が設けられている。
また、ビルドアップ層11の1つの層には、隣接するビルドアップ層(またはコア基板10)と電気的に導通できるようにビア3が設けられている。そして、ビルドアップ層の最表面のとなる、最後に積層する層にはソルダーレジスト層5を有している。
本発明のFCBGA基板では、複数の層からなるビルドアップ層が2種類の樹脂材料からなり、この2種類の樹脂材料が交互に積層されている。
【0017】
<コア基板>
本発明のFCBGA基板のコア基板としては、その特性が、熱膨張係数CTEが6.8ppm/℃、誘電率Dfが0.010 (1GHz)の基板材料を使用した。
本発明の構成のコア基板として使用可能な基板材料としては、MCL-E-705G(昭和電工マテリアルズ株式会社)があげられる。
【0018】
<ビルドアップ層>
本発明のFCBGA基板のビルドアップ層として、は特性として熱膨張係数CTE10~20ppm/℃、誘電率Dfが0.010 (1GHz)以下のものを使用した。
本発明の構成のビルドアップ樹脂として使用可能な基板材料としては、
ABF-GL103 味の素ファインテクノ株式会社
ABF-GX-T37 味の素ファインテクノ株式会社
NR11 積水化学工業株式会社
NX04H 積水化学工業株式会社
があげられる。
【0019】
<ソルダーレジスト層>
最表面のビルドアップ層11aは図示しない、ソルダーレジスト層を有している。ソルダーレジストはドライフィルムタイプを用い、熱圧ラミネート方式により積層した後、フォトリソグラフィー方式で、はんだボールや導通構造となる部分を開口するように除去して、ソルダーレジスト層とした。
【0020】
<FCBGA基板の製造方法>
図3に本発明のFCBGA基板のコア基板からビルドアップ層までの製造手順を示す。なお、FCBGA基板のコア基板からビルドアップ層までは、コア層を中心に表裏に同じ層構成でビルドアップ層を形成するため、図では片側のビルドアップ層の形成手順で説明する。
【0021】
・コア基板の形成
図3(a)に示すコア基板の形成手順について説明する。
コア基板10となる銅箔付きの絶縁樹脂基板として、絶縁樹脂の厚みが0.4mm、0.8mmものの2種類を使用した。この樹脂材料に対してスルーホールの形成手順は以下の通りである。
そして、コア基板10の製造手順としては、上記銅箔付きの絶縁樹脂基板にスルーホール4を形成するため、まず、基板材料にメカニカルドリルで直径120マイクロメートルの貫通孔を形成した。
【0022】
この貫通穴形成は、メカニカルドリル以外にもレーザーアブレーションやサンドブラスト方式でも形成可能で、形成する貫通穴の仕様に適した方法で形成可能である。
次に貫通穴を形成した基板を洗浄した後、めっき前処理を行い、全面を電気銅めっきにて銅めっき処理を行い、孔内に15マイクロメートル厚の導体層を形成した。
【0023】
この銅めっき処理後の貫通穴内は銅めっきの状態としては中空な状態となっている。この中空な部分には穴埋め用の樹脂を充填した。銅めっき処理後は、銅箔付きの絶縁樹脂基板の銅箔を部分的に除去して、配線パターン6およびランド7を形成した。
銅箔を部分的に除去する処理は、最初に感光性の金属エッチング用レジストを銅箔上に全面に形成したのち、パターン露光することで、配線パターン6およびランド7となる部分のみ感光性の金属エッチング用レジストが残るように作成されたフォトマスクを用いてパターン露光したのち、現像工程で必要のない部分の感光性の金属エッチング用レジストを除去した。そして感光性の金属エッチング用レジストが除去されて、銅が露出した部分を金属腐食性のある処理液でエッチング処理を行った。金属腐食性のある処理液としては
、塩化鉄、塩化銅を主成分とした処理液を用いることが一般的であり、本実施例では、塩化鉄を主製粉とする処理液を使用した。
【0024】
このあと、残った銅箔上に残った感光性の金属エッチング用レジストを除去したものが、
図3(a)に示すコア基板である。
【0025】
・ビルドアップ層の形成
図3(b)から(e)に示す本発明のビルドアップ層の形成手順を説明する。
【0026】
図3(b)は、
図3(a)で説明したコア基板の表裏面に、ビルドアップ層20aを形成した状態を示したものである。
【0027】
シート状またはフィルム状で供給される絶縁樹脂材料(図示しない)をコア基板10の表裏面に1層ずつ貼り合わせてビルドアップ層A20aを形成した状態を示したものである。この絶縁樹脂材料の貼り合わせには、熱圧プレス装置を用いて、積層後のビルドアップ層A20aの厚みが30マイクロメートルとなるように作成した。
【0028】
・導体層(ビアおよび配線)の形成
図3(c)は、上記したビルドアップ層A20aの表面(図ではコア基板10に接していない側の面)とコア基板10の表面の間で電気的な導通構造であるビア3を形成するための非貫通孔3aを形成した状態を示したものである。
この非貫通孔3aの形成には、ビルドアップ層A20aに対して、レーザー加工装置を用いた。この加工に用いたレーザーの種類としては炭酸ガスレーザーである。
また、非貫通孔3a孔の開口部の直径は50マイクロメートル、ビアピッチ150マイクロメートルのグリッド配置となるように加工条件を設定し、加工した。
また、この孔開けに使うレーザーの種類としては、YAGレーザー、エキシマレーザーなどを用いることも可能である。この孔開けでは、加工が必要な層の下の層までレーザーによる孔明け加工がされないようにランドパターン7が形成されている。
【0029】
レーザーにて孔開けした後は、レーザー加工時の熱により変性した樹脂を除去するため、デスミア処理が行われる。このデスミア処理は過マンガン酸カリウム水溶液が用いた。
次に
図3(d)に示すビルドアップ層A20aにビア3、配線パターン6、ランド7を形成する方法について説明する。まず、
図3(c)で形成した非貫通孔3aを形成した状態の基板に対して、ビルドアップ層A20aの表面全体に無電解銅めっきを施した後、
無電解めっきした全面に、感光性の銅めっき用フォトレジスト層を形成し、配線パターン6およびランド7となる部分に対応する感光性の銅めっき用フォトレジスト層を除去するようにデザインされたフォトマスクを仕様して露光、現像を行った。
【0030】
次に、電気めっき処理することにより、配線パターン6およびランド7となる部分に対応する感光性の銅めっき用フォトレジスト層が除去された部分に銅が析出して、銅の厚みが増し、この電気銅めっきされた部分が厚み15マイクロメートルとなるまで電気銅めっき処理を行った。
銅めっき処理後は感光性の銅めっき用フォトレジスト層を除去することで、ビルドアップ層A20aの表面に配線パターン6およびランド7を形成した。
本実施例では、配線パターン6は、上記説明したビア3間を配線が一筆書きで接続したディジーチェーンパターンとなるように配置したものである。また、配線パターン6の幅は15マイクロメートル、また、ランド7の直径は75マイクロメートルで形成した。
そして、本実施例では、ビア3と、配線パターン6、ランド7とした金属材料は銅を用いたが、銅以外に、アルミニウム、金、銀、白金、チタン、ニッケル、など材料を用いて、化学めっきや蒸着、金属箔の貼り付けなどの工程でビルドアップ層の樹脂上に形成できるものであれば、どれでも用いることができる。
【0031】
次に
図3(e)は
図3(d)の基板の表裏面にさらに、ビルドアップ層B20bを積層し、ビア3、配線パターン6、ランド7を形成したものである。
本願発明のFCBGA基板は、上記説明したようにこのビルドアップ層A20aとビルドアップ層B20bの組合せを2回積層および3回積層した後、ビルドアップ層A20aを積層することで得られるビルドアップ5層品、および7層品としたものである
【0032】
・評価用多層配線基板について
多層配線基板を評価するための基板として、使用したコア基板およびビルドアップ層の材料特性について、表1および表2に示す。
【0033】
【0034】
【0035】
次に評価に用いたビルドアップ層1、ビルドアップ層2の材料の組合せを表3に示す。
【0036】
【0037】
上記説明したコア基板の厚みの異なる2種類と、ビルドアップ層が5層品および7層品の2種類の組合せ、さらにFCBGA基板の外形サイズを40、60、80、100mm角の4種類としたものを準備した。各サイズの多層配線基板は個別に作られるものではなく、大判の基板上に適宜面付配置されて設計され、コア基板からビルドアップ層までは大判基板で一括して積層構造を形成した後、ルーター加工装置を用いて、大判基板の所定の位置に切り込みを入れていくことで、適宜の外形サイズの多層配線基板が得られる。この外形加工はルーター加工装置以外にもレーザー加工装置、ダイシングソー、ウォータージェットカッターなどを用いることも可能である。
【0038】
<基板の評価方法>
1.反り
評価用多層配線基板は、リフロー炉にて加熱した後で反りの量を測定した。
1.1 基板の前処理
評価に使用する外形サイズ40、60、80、100mm角の4種類について、
リフロー炉に入れる前の基板の吸湿条件をそろえるため以下の処理を行った。
(1)ベーク
ベーク 85℃ (30%RH) 168hr
(2)吸湿
吸湿 30℃、60%RH、192時間
1.2 リフロー
基板の搬送方式:コンベア方式、熱風加熱
プロファイル ピーク温度260℃、150℃以上の通過時間7分
パス 3回
1.3 反りの評価
定板上にリフロー処理済の基板を、そのコーナー部分が高くなるように載置したとき
の基板の面内の高さの差を反りとして評価を行った。
具体的には、測定場所として、まず、基準高さ(HS)として、多層配線基板の中心
位置(重心位置)の基板表面高さを測定する。
【0039】
次に、測定する多層配線基板と対角線が重なるように15mm□の輪郭線を仮想的に配
置し、その輪郭線上の8点の基板表面高さ(HM1からHM8)を測定し、最大値HMを
決定し、HMとHSの差が100マイクロメートル未満の場合を「0」、HMとHSの差
が100マイクロメートル以上の場合を「×」とした。
本実施例では、基板表面の高さの測定にレーザー変位計を用いたが、レーザー変位計以
外にもハイトゲージなど高さが測定可能な測定手段で測定することが可能である。
【0040】
2.電気特性
2.1 電特測定パターン
図4に電特測定パターンを示す。評価に使用した基板は、60mm角、コア0.4mm厚、ビルド5層の構成の基板に測定用の配線パターンを形成した。配線パターンはマイクロストリップ型の測定用パターンを用いることとし、配線パターン1は表面に一番近い層に形成した。また、配線パターン1は特性インピーダンスZ0が50オームとなるように作成した。また、図示しないが、測定端子はGSGの順に端子を形成した。
2.2 測定方法および評価方法
キーサイトテクノロジー社製8722ESネットワークアナライザーを用いて周波数1GHz~20GHzで透過特性(S21)モードにて、伝送損失(Sパラメーター)を測定した。この時のSパラメータが1dB/cm以下を「〇」とした。
【0041】
3.評価結果
上記した2つの評価結果として、実施例を表4と表5に、比較例を表6から表9に示す。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
基板構成ごとの総合評価の結果を表10に示す。
【0049】
【0050】
4.結果
評価の結果から、ビルドアップ層として、誘電率と熱膨張係数の異なる2種類の樹脂を交互に形成することにより、反りの少なく、電気特性の良い基板が得られることが分かった。
【符号の説明】
【0051】
1 FCBGA基板(インターポーザ基板)
2 バッドパターン
3 ビア
3a 非貫通孔
4 スルーホール
5 ソルダーレジスト
6、6a、6b 配線パターン
7 ランドパターン
10 コア基板
20 ビルドアップ層
20a ビルドアップ層A
20b ビルドアップ層B
30 本願実施例の多層配線基板
100 半導体チップ
101 バンプ
D 反り量