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特開2023-148620積層フィルム、その製造方法、並びにこれを用いた包装袋
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  • 特開-積層フィルム、その製造方法、並びにこれを用いた包装袋 図1
  • 特開-積層フィルム、その製造方法、並びにこれを用いた包装袋 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148620
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】積層フィルム、その製造方法、並びにこれを用いた包装袋
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20231005BHJP
   B65D 30/02 20060101ALI20231005BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B32B27/32 Z
B65D30/02
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056749
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井口 依久乃
【テーマコード(参考)】
3E064
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064BA30
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064FA04
3E086AA23
3E086AB01
3E086AD01
3E086BA13
3E086BA15
3E086BA24
3E086BA25
3E086BA33
3E086BB01
3E086BB23
3E086BB41
3E086BB51
3E086BB85
3E086CA27
3E086DA08
4F100AA10B
4F100AA17B
4F100AK06C
4F100AK07A
4F100AK42B
4F100AK51
4F100AK51D
4F100AK63C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100EC18
4F100EH23
4F100EH66B
4F100EJ38A
4F100EJ42A
4F100GB15
4F100HB31D
4F100JD02B
4F100JL04
4F100JL12C
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】本発明の解決しようとする課題は、特殊なOPPフィルムを用いることなく一般的なOPPフィルムを用いて製袋時のカールの生じ難い積層フィルムとその製造方法、並びにこれを用いた包装袋を提案するものである。
【解決手段】基材層2、ガスバリア層5、シーラント層7を有する包装用積層フィルム1であって、前記基材層は二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲であることを特徴とする包装用積層フィルムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層、ガスバリア層、シーラント層を有する包装用積層フィルムであって、
前記基材層は二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲であることを特徴とする包装用積層フィルム。
【請求項2】
前記基材層の厚さが30μm以上であり、
ガスバリア層が無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムであるかまたは、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムであり、
基材層とガスバリア層とは接着剤または押出樹脂によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用積層フィルム。
【請求項3】
二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムにアニール処理を施すことにより、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲となるようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の包装用積層フィルムを用いた包装袋であって、少なくとも1辺の長さが250mm以上であることを特徴とする包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装用積層フィルムおよびその製造方法、並びにこの積層フィルムを用いた包装袋に関し、特に輸送の際にピンホールを生じ難く、輸液バッグ用外装袋としても使用可能な、比較的大型の包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
各種輸液を収納する輸液バッグは、アミノ酸液、ブドウ糖液、電解質液など酸素により変質し易い薬剤や、ビタミンなど光により変質し易い薬液を収納するが、一方でこれらの薬剤を直接体内に注入するため、無添加のプラスチック容器が一次容器として用いられることが多い。しかし無添加のプラスチック容器は酸素バリア性や遮光性がないため、酸素バリア性や遮光性を有する外装袋が一次容器を収納する二次容器として使用されることが多い。
【0003】
特許文献1には、外側から順に、基材フィルム、ガスバリアフィルム、シーラントフィルムを積層してなる積層フィルムで外装用包装袋を構成し、この外装用包装袋の内部に輸液バッグを収納する技術が記載されている。そして、そのガスバリアフィルムはアルミニウムを蒸着した蒸着フィルムである。アルミニウム蒸着膜は、酸素ガスや水蒸気等の各種ガスに対する遮断性(バリア性)に優れており、また、遮光性にも優れている。このため、輸液バッグ内の薬剤や薬液は、各種ガスや紫外線等の放射線から守られるのである。
【0004】
また、ガスバリアフィルムとシーラントフィルムとはいわゆる溶融押出しラミネート法によって積層されている。すなわち、溶融した樹脂を押出機から押出し、この溶融樹脂が接着力を有している間に、その両側にガスバリアフィルムとシーラントフィルムとを重ねて圧着することにより、全体を一体化するのである。溶融押出しする樹脂としては一般に低密度ポリエチレン樹脂が使用されている。
【0005】
ところで、このような輸液バッグはその重量が重く、このように重い内容物を外装用包装袋に収納して輸送したとき、輸送の際の振動に起因して前記積層フィルムが屈曲を繰り返し、また、相互に衝突したり擦れたりする結果、この積層フィルムにピンホールを生じることがある。
【0006】
このようなピンホールの発生を防ぐため、特許文献1では、前記シーラントフィルムとして二軸延伸エチレン系共重合体フィルムを使用した包装用積層フィルムを提案している。二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、二軸延伸されているにも拘わらず、それ自体ヒートシール性を有している。このため、この二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは高い物理的強度を有し、かつ、高い耐衝撃性を有しているため、前述のような重量物を収納して、輸送中の振動や周囲との衝突によってもピンホールを生じ難いのである。
【0007】
しかしながら、二軸延伸エチレン系共重合体フィルムは、ヒートシール性を有しているとはいうものの二軸延伸によって結晶化しているため、高いヒートシール強度を期待することができず、その安定性が乏しいものであった。
【0008】
そこで、シーラントフィルムとしては高いヒートシール強度を有する一般的なシーラントフィルムを用い、基材フィルムに高い物理的強度を有する二軸延伸フィルムを用いるという手段が考えられる。この場合基材用の二軸延伸フィルムとしては、高い耐屈曲性を有する延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)が最適であるが、基材フィルムとしてOPPを用いた場合、新たな問題が生じることが判明したのである。
【0009】
500ml以上の輸液バッグを収納する外装袋は、いずれか1辺の長さが250mmを超えるような大型の四方袋となるが、このような大型の四方袋の場合、製袋時の熱シールにより、OPPの収縮に起因する袋のカールが生じることがある。袋のカールが発生すると、製袋時の生産性を落とさざるを得なくなる。
【0010】
そこで、OPPには耐熱性が求められることになるが、特許文献2に記載されたような耐熱性を向上させたOPPフィルムの場合、どうしても一般のOPPフィルムに比較してコストアップを伴うことは、避けられないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2018-30313号公報
【特許文献2】特許第6241039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は、特殊なOPPフィルムを用いることなく一般的なOPPフィルムを用いて製袋時のカールの生じ難い積層フィルムとその製造方法、並びにこれを用いた包装袋を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
基材層、ガスバリア層、シーラント層を有する包装用積層フィルムであって、
前記基材層は二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲であることを特徴とする包装用積層フィルムである。
【0014】
本発明に係る包装用積層フィルムは、一般的で安価な二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムを用いた場合であっても、このMD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲になるように調整することにより、熱シール作業時のカールが生じ難いことを発見したことにより、完成されたものである。
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、
前記基材層の厚さが30μm以上であり、ガスバリア層が無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムであるかまたは、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムであり、
基材層とガスバリア層とは接着剤または押出樹脂によって接着されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用積層フィルムである。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムにアニール処理を施すことにより、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲となるようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の包装用積層フィルムの製造方法である。
【0017】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の包装用積層フィルムを用いた包装袋であって、少なくとも1辺の長さが250mm以上であることを特徴とする包装袋である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る包装用積層フィルムは、基材層、ガスバリア層、シーラント層を有し、基
材層は耐屈曲性に優れた二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであるから、ガスバリア性や遮光性に加えて、輸送時における耐久性を備え、輸液バッグ等大型の内容物を収納する外装袋として有効に使用できる。
【0019】
本発明に係る包装用積層フィルムは、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムが、MD方向(Machine Direction=流れ方向)に対する配向角が-50°~50°の範囲になるように調整することにより、熱シール作業時のカールが生じ難いことを発見したことにより、完成されたものである。一般的な二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)であっても、これにアニール処理を施すことにより、このような性質を持たせることが可能であるため、高価な耐熱性OPPを用いることなく、大型の包装袋を能率良く安価に製造することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明のように、前記基材層の厚さが30μm以上であり、ガスバリア層が無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムであるかまたは、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルムであり、基材層とガスバリア層とは接着剤または押出樹脂によって接着されている場合、輸液バッグ用外装袋として必要十分な性能を発揮する。
【0021】
請求項3に記載の発明においては、印刷工程に先立ち、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムにアニール処理を施して、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲となるようにすることにより、ごく一般的なOPPを用いても十分な耐熱性を備え、製袋工程における熱シールにもカールを生じないOPPとすることができる。これにより、高価な耐熱性OPPフィルムを用いることなく、大型包装袋を安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明に係る包装用積層フィルムの断面模式図の一例である。
図2図2は、本発明に係る包装用積層フィルムを用いて作成した四方袋である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面を参照しながら、本発明に係る包装用積層フィルム、その製造方法、並びにこれを用いた包装袋について説明する。図1は、本発明に係る包装用積層フィルム1の断面模式図の一例である。また、図2は本発明に係る包装用積層フィルムを用いて作成した包装袋(四方袋)の模式図である。
【0024】
本発明に係る包装用積層フィルム1は、基材層2、ガスバリア層5、シーラント層7を少なくとも有する包装用積層フィルムであって、基材層2は二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムであり、MD方向を角度基準とした配向角が-50°~50°の範囲であることを特徴とする。
【0025】
図1に示した例では、基材層2の裏面側に印刷層3が形成されており、接着剤層1(4)によってガスバリア層5と接着されている。さらにガスバリア層5とシーラント層7とが接着剤層2(6)によって接着されている。
【0026】
基材層2として二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPPフィルム)を使用したことにより、その高い耐屈曲性によって、包装用積層フィルムを大型の包装袋に製袋したときに、輸送時のピンホール等の発生を防止することができ、安定した輸送適性を発揮することができる。
【0027】
一般的な市販のOPPフィルムは、配向角のばらつきが大きく、加熱時の収縮量も大きいためこれを用いた積層フィルムを製袋工程において包装袋に加工する際に、加熱したシールバーの影響によって反り(カール)を生じることがある。この問題は、特に輸液バッグの外装袋のように、袋の寸法が大きい包装袋において発生しやすく、特に一辺が250mm以上となるような大型の包装袋において顕著である。
【0028】
一旦カールが生じると、製袋機の速度を落とさざるを得なくなり、能率が著しく低下する。要はOPPフィルムの耐熱性を向上させれば良いのであるが、前述の通り、耐熱性のOPPフィルムはそれなりに高価であり、コストアップの要因となる。
【0029】
そこで、本発明においては、市販のOPPフィルムにアニール処理を施すことにより、配向角のばらつきが減少し、熱収縮率が低下して耐熱性が向上することを発見したことで、本発明の完成に至ったのである。
【0030】
アニール処理の条件としては、通常PET基材などでは150℃30分というような非常に長い時間をかける処理を行うが、軟包装材料ではコスト面で採算が合わない。そこで種々検討した結果、160℃~170℃のオーブン中を30秒程度通過させることにより、製袋工程でエラーとなるようなカールを抑制できるレベルまで改善することが判明したのである。この条件は、テンションコントロールを備えた一般的なドライラミネート用のオーブンを使用することで比較的容易に達成できる条件である。
【0031】
このようなアニール処理を施すことにより、OPPフィルムの配向角が、MD方向を角度基準とした配向角において-50°~50°の範囲となれば、製袋時のカールが基準内に入ることが分かった。なお配向角の測定は、偏光板を備えた市販の位相差測定装置を用いて容易に測定することができるので、品質管理上も問題はない。なお、印刷工程が含まれる場合には、アニール処理は印刷工程に先立って行うことができる。
【0032】
次にガスバリア層5について説明する。ガスバリア層5としては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデンコーティング、水溶性樹脂と無機層状化合物を含有する被膜や金属アルコキシドあるいはその加水分解物とイソシアネート化合物を反応させた被膜からなる樹脂層などのガスバリアコーティング層、あるいはアルミニウム箔等の金属箔などを用いることができる。
【0033】
これらの中で、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルムは、物性、コスト面において最も好適に使用できる。
【0034】
シーラント層7としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用される。具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
【0035】
これらの中で、輸液バッグ用外装袋のように、大型の包装袋においては、前述のカールの問題もあるため、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)のように、比較的低温におけるシール性に優れたシーラントが好ましい。
【0036】
基材層2、ガスバリア層5、シーラント層7の接着には、ドライラミネート用接着剤によるドライラミネート法や、押出樹脂を用いた押出ラミネート法を用いることができる。押出樹脂としては、一般的に低密度ポリエチレン樹脂が用いられる。
【0037】
包装袋の形状については、図2に示したような一般的な四方袋の他、三方をシールする三方袋や、背シール部を有するピロー袋など任意である。
以下実施例および比較例に基づいて、本発明に係る積層フィルム、および包装袋についてさらに具体的に説明する。
【0038】
<実施例1>
基材層として厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレン樹脂(OPP)フィルム(東洋紡社製 パイレンフィルム-OT P2161)を使用し、170℃に設定したドライラミネート機のオーブンを30秒通過させることにより、アニール処理を施した。この時、テンションの調整に注意した。これによりMD方向を角度基準とした配向角は、-50°~50°の範囲に収まっていた。
【0039】
次にこの基材層の裏面にウレタン樹脂系裏刷り用グラビアインキ(東洋インキ社製 LPGT)を用いてグラビア印刷による印刷層を形成した。インキ被膜の厚さは、1μmである。
【0040】
ガスバリア層として無機蒸着PETフィルム(凸版印刷社製 GX-P-F)を使用し、この両者を2液型ウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートした。
【0041】
さらにシーラント層として厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂フィルム(タマポリ社製 UB106)を使用し、ガスバリア層とシーラント層を押出ラミネートして一体化した。押出し樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂(住友化学社製 スミカセンL417)を使用した。
【0042】
以上により得られた積層フィルムを用いて、図2に示したような形状の四方袋を製袋した。袋の最も短い辺であるボトムシール部の幅は250mmである。製袋時におけるカールによる開口部の高さを測定した。
【0043】
<比較例1>
比較例として、OPPのアニール処理を施さなかった以外は、実施例と同一の材料を用いて、同様に製袋を行い、比較した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1の結果から分かるように、本発明に係る積層フィルムは、OPPの熱収縮率が低下したことで製袋時におけるカールが小さくなり、製袋時の作業性が向上した。
【符号の説明】
【0046】
1・・・包装用積層フィルム
2・・・基材層
3・・・印刷層
4・・・接着剤層1
5・・・ガスバリア層
6・・・接着剤層
7・・・シーラント層
10・・・包装袋(四方袋)
11・・・トップシール部
12・・・サイドシール部
13・・・ボトムシール部
14・・・開封開始部
図1
図2