(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148624
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】出庫支援方法及び出庫支援装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20231005BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056756
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯田 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】赤浦 勝太
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DC33Z
3D241DC50Z
(57)【要約】
【課題】本開示は、出庫機能を備える出庫支援方法及び出庫支援装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る出庫支援方法は以下のステップを含む。特徴点認識ステップは、車両の周囲の特徴点を取得し、第1推測ステップは、入庫領域の位置と、入庫領域の周囲に存在する特徴点との位置関係を示す設定情報と、特徴点とに基づき、車両の現在位置と入庫領域との位置関係を推測する。制御ステップは、位置関係に基づき、車両を入庫領域まで移動させ、記憶ステップは、入庫領域への移動が開始された車両の入庫開始位置を設定情報に記憶する。第2推測ステップは、設定情報に記憶された入庫開始位置を出庫先の出庫領域とし、特徴点に基づいて、車両の現在位置と出庫領域との位置関係を推測する。さらに、制御ステップは、位置関係に基づき、車両を出庫領域まで移動させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の入庫及び出庫を支援する出庫支援装置で実行される出庫支援方法であって、
前記車両が備えるセンサを用いて、前記車両の周囲に存在する特徴点を取得する特徴点認識ステップと、
前記車両の入庫先となる入庫領域の位置と、前記入庫領域の周囲に存在する特徴点との位置関係を対応付けて記憶した設定情報と、前記特徴点認識ステップで取得された前記特徴点とに基づき、前記車両の現在位置と前記入庫領域との位置関係を推測する第1推測ステップと、
前記第1推測ステップで推測された前記位置関係に基づき、前記車両の現在位置から前記入庫領域までの経路を取得し、当該経路に沿って前記車両を前記入庫領域まで移動させる制御ステップと、
前記入庫領域への移動が開始された前記車両の入庫開始位置を前記設定情報に記憶する記憶ステップと、
前記入庫領域から前記車両の出庫が指示されると、前記記憶ステップで前記設定情報に記憶された前記入庫開始位置を出庫先の出庫領域とし、前記特徴点認識ステップで取得された前記特徴点に基づいて、前記車両の現在位置と前記出庫領域との位置関係を推測する第2推測ステップと、を含み、
前記制御ステップは、前記第2推測ステップで推測された前記位置関係に基づき、前記車両の現在位置から前記出庫領域までの経路を取得し、当該経路に沿って前記車両を前記出庫領域まで移動させる、
出庫支援方法。
【請求項2】
前記出庫領域に出庫する前記車両の向きを、ユーザの指定に応じて決定する出庫方向設定ステップと、
を含み、
前記制御ステップは、前記出庫方向設定ステップが決定した前記向きに応じた前記経路を取得し、前記経路に沿って前記車両を前記出庫領域まで移動させる、
請求項1に記載の出庫支援方法。
【請求項3】
複数の前記出庫領域のうち、1つの前記出庫領域を、ユーザの指定に応じて決定する出庫領域決定ステップと、
を含み、
前記第2推測ステップは、前記出庫領域決定ステップが決定した前記出庫領域に対応する前記位置関係と、前記特徴点認識ステップが認識した前記特徴点と、に基づいて、前記位置関係を推測する、
請求項1又は2に記載の出庫支援方法。
【請求項4】
前記記憶ステップは、
前記入庫領域への移動が開始された前記車両の入庫開始位置と、前記入庫開始位置から前記入庫領域までの移動過程で取得された前記特徴点とに基づき、前記入庫開始位置と、前記入庫開始位置の周囲に存在する複数の特徴点を対応付けて記憶する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の出庫支援方法。
【請求項5】
車両の入庫及び出庫を支援する出庫支援装置であって、
前記車両が備えるセンサを用いて、前記車両の周囲に存在する複数の特徴点を示す特徴点を取得する特徴点認識部と、
入庫先となる入庫領域の位置と、前記入庫領域の周囲に存在する複数の特徴点の位置との位置関係を対応付けて記憶した設定情報と、前記特徴点認識部で取得された前記特徴点とに基づき、前記車両の現在位置と前記入庫領域との相対的な位置関係を推測する第1推測部と、
前記第1推測部で推測された前記位置関係に基づき、前記車両の現在位置から前記入庫領域までの経路を取得し、当該経路に沿って前記車両を前記入庫領域まで移動させる制御部と、
前記入庫領域への移動が開始された前記車両の入庫開始位置と、前記入庫開始位置と前記入庫領域及び前記複数の特徴点の位置との位置関係を前記設定情報に記憶する記憶部と、
前記入庫領域からの出庫が指示されると、前記記憶部で前記設定情報に記憶された前記入庫開始位置を出庫先の出庫領域とし、前記特徴点認識部で取得された前記特徴点に基づいて、前記車両の現在位置と前記出庫領域との相対的な位置関係を推測する第2推測部と、を備え、
前記制御部は、前記第2推測部で推測された前記位置関係に基づき、前記車両の現在位置から前記出庫領域までの経路を取得し、当該経路に沿って前記車両を前記出庫領域まで移動させる、
出庫支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は出庫支援方法及び出庫支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の入庫の際に自動運転により車両を移動させる駐車支援の技術が知られている。このような駐車支援の1つに、駐車位置(入庫位置)を記憶し、駐車位置と車両の現在位置(入庫開始位置)との相対位置から、リアルタイムに走行経路を算出して、車両の駐車(入庫)を実現している技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の駐車支援装置は、駐車(入庫)に関する機能はあるものの、出庫に関しては何ら考慮されておらず、ユーザは手動で出庫を行うことになるため、更なる改善の余地がある。
【0005】
本開示は、出庫機能を備える出庫支援方法及び出庫支援装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る出庫支援方法は、車両の入庫及び出庫を支援する出庫支援装置で実行される出庫支援方法であって、特徴点認識ステップ、第1推測ステップ、制御ステップ、記憶ステップ及び第2推測ステップを含む。特徴点認識ステップは、前記車両が備えるセンサを用いて、前記車両の周囲に存在する特徴点を取得する。第1推測ステップは、前記車両の入庫先となる入庫領域の位置と、前記入庫領域の周囲に存在する特徴点との位置関係を対応付けて記憶した設定情報と、前記特徴点認識ステップで取得された前記特徴点とに基づき、前記車両の現在位置と前記入庫領域との位置関係を推測する。制御ステップは、前記第1推測ステップで推測された前記位置関係に基づき、前記車両の現在位置から前記入庫領域までの経路を取得し、当該経路に沿って前記車両を前記入庫領域まで移動させる。記憶ステップは、前記入庫領域への移動が開始された前記車両の入庫開始位置を前記設定情報に記憶する。第2推測ステップは、前記入庫領域から前記車両の出庫が指示されると、前記記憶ステップで前記設定情報に記憶された前記入庫開始位置を出庫先の出庫領域とし、前記特徴点認識ステップで取得された前記特徴点に基づいて、前記車両の現在位置と前記出庫領域との位置関係を推測する。さらに、制御ステップは、前記第2推測ステップで推測された前記位置関係に基づき、前記車両の現在位置から前記出庫領域までの経路を取得し、当該経路に沿って前記車両を前記出庫領域まで移動させる。
【0007】
本開示に係る出庫支援方法によれば、出庫機能を備える出庫支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る出庫支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る出庫支援装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る出庫支援装置が実行する処理の全体の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る出庫支援装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る出庫支援装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態の出庫支援装置の利用シーンとしては、自宅等の駐車場から車両を出庫する場合であって、ユーザが車両を入庫した後に、車両が自動走行で出庫を実行するシーンを例示する。
【0010】
当該シーンにおいては、ユーザは、車両に自動走行による入庫の実行を指示し、車両が検知した駐車枠等の入庫位置に入庫させる。その後、ユーザは、車両を出庫させる場合がある。しかしながら、車両を自動走行において出庫させる場合、出庫先の出庫位置が検知できないことにより、車両が出庫経路を生成できず、自動走行により出庫できないといった課題があった。
【0011】
入庫の場合、車両は駐車枠や、ガレージで囲まれた駐車スペースなどを検知することで、入庫位置を決定することができる。一方、出庫の場合、車両は目標となる枠や、特徴物がないため、出庫位置を検知、決定することができないことに起因する。
【0012】
<第1実施形態>
1.出庫支援装置1と、その他の構成
出庫支援装置1の構成を
図1に基づき説明する。出庫支援装置1は、車両に搭載される車載装置である。出庫支援装置1を搭載する車両を以下では自車両とする。
図1に示すように、出庫支援装置1は、CPU(Central Processing Unit)3、ROM(Read Only Memory)と、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(以下、記憶部5ともいう)と、を備えた通常のコンピュータとして構成される。
【0013】
出庫支援装置1の各機能は、記憶部5にインストールされているプログラムをCPU3が実行することにより実現される。また、出庫支援装置1の各機能は、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、出庫支援装置1は、1つのコンピュータを備えてもよいし、複数のコンピュータを備えてもよい。
【0014】
記憶部5は、地図情報をさらに記憶している。一例として、地図情報は、車両周辺の様々な立体構造物や路面のテクスチャなどの特徴点情報で構成される地図情報を記憶する。また、地図情報は、入庫領域と、複数の特徴点との位置関係X1を含む。なお、特徴点は、例えば、物標の輪郭上の一部であり、建物などの立体構造物や、路面のテクスチャ等が挙げられる。入庫領域は、一例として、自宅の駐車場等であり、自車両が駐車可能な領域であればよい。
【0015】
出庫支援装置1は、地図情報を作成又は修正する。ユーザは、ユーザ入力装置29と協働して、入庫領域の位置を入力する。記憶部5は、入力された入庫領域の位置を記憶する。
【0016】
図1に示すように、自車両は、出庫支援装置1に加えて、ユーザ入力装置29、通知装置31、送受波部33、撮像装置35、通信装置37、GPS(Global Positioning System))39、操舵装置41、駆動装置43及び制動装置45を備える。
【0017】
ユーザ入力装置29は、自車両の車室内に設けられている。ユーザ入力装置29は、ユーザの入力を受け付ける。ユーザ入力装置29は、ユーザの入力に対応する信号を出庫支援装置1に送る。なお、ユーザ入力装置29は、ユーザの携帯端末又はウエアラブル端末であってもよい。
【0018】
通知装置31は、一例として、表示装置であり、表示装置は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、表示装置は、タッチパネルを兼ねても良い。なお、表示装置がフロントガラスに、画像を投影することで、画像を表示可能なヘッドアップディスプレイとしてもよい。また、通知装置31は、別の一例として、音声を出力するスピーカ等であってもよい。
【0019】
送受波部33は、一例として、測距センサである。測距センサは、一例として、超音波ソナーである。例えば、超音波ソナーは、車両が駐車場内を走行している場合に、超音波を照射し、反射されて検出された反射波に基づいて、車両の周囲に存在する障害物までの距離と方位を検出する。そして、超音波ソナーは、障害物までの距離に基づいて障害物の輪郭点を算出し、輪郭点に基づき、障害物の特徴点を検出する。
【0020】
なお、測距センサは、超音波センサに限らず、例えば、ミリ波レーダ又はLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)であってもよい。
【0021】
撮像装置35は、一例として、可視光カメラである。車両は、車両の前方を撮像する第1の撮像装置、車両の後方を撮像する第2の撮像装置、車両の左側方を撮像する第3の撮像装置及び車両の右側方を撮像する第4の撮像装置を備える。
【0022】
以下、第1の撮像装置、第2の撮像装置、第3の撮像装置及び第4の撮像装置を特に区別しない場合には単に撮像装置35という。また、詳細は後述するが、撮像装置35は、例えば、車両の周囲に存在する物体の特徴点を検出し、車両と特徴点との位置関係から、車両の現在位置を推定する用途に適用される。
【0023】
撮像装置35は、撮像した画像信号を出庫支援装置1に出力する。なお、撮像装置35は、可視光カメラに限らず、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)カメラであってもよい。また、撮像する画像は、静止画であっても動画であってもよい。
【0024】
また、撮像装置35は、車両に内蔵されたカメラであっても良いし、車両に後付けされたドライブレコーダのカメラ等であっても良い。なお、車両の現在位置を推定するためのセンサとして、撮像装置35に代えて、測距センサとしての超音波センサ、LiDAR、又は、レーダ等が用いられてもよい。
【0025】
通信装置37は、自車両の外部にある端末59(一例として、スマートフォン、タブレット端末等)及び発信装置60との間で無線通信を行う。GPS39は、自車両の位置情報を取得する。GPS39は、取得した位置情報を出庫支援装置1に出力する。
【0026】
操舵装置41は、出庫支援装置1の指示に対応して自車両の操舵を行う。駆動装置43は、出庫支援装置1の指示に対応して自車両の駆動を行う。制動装置45は、出庫支援装置1の指示に対応して自車両の制動を行う。
【0027】
出庫支援装置1は、
図2に示すように、特徴点認識部7、第1推測部9、第2推測部10、経路生成部11、制御部13、出庫方向設定部16、出庫領域決定部18、指示受付部19、距離検出部21、報知部23及び通信部25を備える。
【0028】
本実施形態の各機能ブロックの処理の一部又は全部は、コンピュータプログラムにより実現されるものであってもよい。また、本実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェア及びハードウェアの混在処理により実現してもよい。
【0029】
特徴点認識部7は、撮像装置35が撮像した周辺画像から特徴点を抽出する。特徴点認識部7による特徴点の抽出の手法は特に限定されるものではなく、公知の手法を適用してよい。例えば、特徴点認識部7は、FAST(Features from Accelerated Segment Test)又はORB (Oriented FAST and Rotated BRIEF)等の手法により特徴点を抽出する。
【0030】
特徴点認識部7は、入庫時における周囲の特徴点Y1を取得する。特徴点認識部7は、取得した入庫時における特徴点Y1を記憶部5に記憶する。また、特徴点認識部7は、取得した入庫時における特徴点Y1と入庫開始位置を対応付けて設定情報として記憶部5に記憶する。
【0031】
また、特徴点認識部7は、記憶部5が記憶した入庫時における周囲の特徴点と、自車両との相対的な位置関係(以下では位置関係α1ともいう)を取得する。そして、特徴点認識部7は、抽出された特徴点と、記憶部5に記憶されている特徴点とを受信する。特徴点認識部7は、パターンマッチングや特徴量探索等を用いて、撮像画像から抽出された特徴点と、記憶されている特徴点とを照合する。
【0032】
さらに、特徴点認識部7は、周辺画像から抽出された特徴点で、かつ記憶されている特徴点と照合することができた特徴点のうち数個の特徴点をランダムに選択して、これらの数個の特徴点のカメラ画像内における位置と、当該数個の特徴点の実空間における三次元位置と、に基づいて、位置関係α1を推定する。
【0033】
特徴点認識部7は、出庫時における周囲の特徴点Y2を取得する。特徴点認識部7は、取得した出庫時における特徴点Y2を記憶部5に記憶する。また、特徴点認識部7は、認識した特徴点と、自車両との相対的な位置関係を取得する。さらに、特徴点認識部7は、特徴点Y2と、位置関係X1とを照合することにより、出庫時における周囲の特徴点と、自車両との相対的な位置関係α2を取得する。
【0034】
第1推測部9は、入庫時における周囲の特徴点と、入庫領域と、複数の特徴点との位置関係X1を記憶部5から読み出す。また、第1推測部9は、読み出した位置関係X1と、入庫時における周囲の特徴点と、自車両との相対的な位置関係α1とに基づき、自車両と、入庫領域との相対的な位置関係Z1を推測する。
【0035】
第2推測部10は、記憶部5から入庫開始位置を読み出し、入庫開始位置を出庫先の出庫領域として設定する。また、第2推測部10は、認識した特徴点と、出庫領域との位置関係X1を記憶部から読み出す。また、第2推測部10は、読み出した位置関係X1と、位置関係α2とに基づき、自車両と、出庫領域との相対的な位置関係Z2を推測する。
【0036】
なお、特徴点認識部7は、入庫時における周囲の特徴点Y1と、出庫時における周囲の特徴点Y2とをパターンマッチングを行い、各特徴点に対する自車両の位置を推測してもよい。言い換えると、特徴点認識部7は、入庫時における周囲の特徴点Y1と、出庫時における周囲の特徴点Y2とをパターンマッチングを行い、入庫開始位置に対する自車両の位置を推測してもよい。
【0037】
経路生成部11は、第1推測部9が取得した相対的な位置関係Z1に基づき、自車両の現在位置から、入庫領域までの経路を生成する。なお、経路生成部11が経路を生成する方法は、公知の技術を適用することができる。
【0038】
また、経路生成部11は、第2推測部10が取得した相対的な位置関係Z2に基づき、自車両の現在位置から、出庫領域までの経路を生成する。
【0039】
制御部13は、経路生成部11が生成した経路に沿って、所定時間又は所定距離だけ自車両を走行させる。制御部13は、操舵装置41、駆動装置43及び制動装置45と協働して、自車両を経路に沿って走行させる。制御部13は、入庫領域への移動が開始された車両の入庫開始位置と、当該入庫開始位置と入庫領域及び複数の特徴点の位置との位置関係を設定情報に記憶する。そして、記憶部5は、入庫領域への移動が開始された車両の入庫開始位置を記憶する。
【0040】
また、制御部13は、経路に沿って、所定時間又は所定距離だけ自車両を走行させる。さらに、制御部14は、操舵装置41、駆動装置43及び制動装置45と協働して、自車両を経路に沿って走行させる。また、制御部13は、出庫領域への移動が開始された車両の出庫開始位置と、当該出庫開始位置と入庫領域及び複数の特徴点の位置との位置関係を設定情報に記憶する。
【0041】
また、制御部13は、受信した指示に応じて自車両の走行を制御する。指示の内容として、例えば、自車両の停止、再発進、減速、加速、後退、徐行等が挙げられる。さらに、制御部13は、出庫領域への出庫が完了したか否かを判断する。
【0042】
出庫方向設定部16は、出庫方向を決定する処理を行う。出庫方向設定部16は、決定した出庫領域について、デフォルトの出庫向きが予め設定されているか否かを判断する。出庫向きとは、出庫領域に自車両を出庫したときの自車両の向きを意味する。出庫方向設定部16は、入力されたデフォルトの出庫向きを記憶部に記憶する。
【0043】
また、出庫方向設定部16は、ディスプレイ31Aに複数の選択肢を表示する。各選択肢は、それぞれ、1つの出庫向きに対応している。さらに、出庫方向設定部16は、ユーザが選択した選択肢に対応する出庫向きを決定する。出庫方向設定部16は、デフォルトの出庫向きを決定する。
【0044】
出庫領域決定部18は、出庫領域決定処理を行う。また、出庫領域決定部18は、複数の出庫領域の位置が記憶部に記憶されているか否かを判断する。さらに、出庫領域決定部18は、デフォルトの出庫領域が予め設定されているか否かを判断する。
【0045】
出庫領域決定部18は、ディスプレイ31Aに複数の選択肢を表示する。各選択肢は、それぞれ、1つの出庫領域に対応している。また、出庫領域決定部18は、単一の出庫領域を決定する。
【0046】
指示受付部19は、ユーザ入力装置29に自動出庫の開始指示が入力されたか否かを判断する。
【0047】
距離検出部21は、GPS39と協働して自車両の位置を取得する。なお、距離検出部21は、取得した自車両の位置を入庫開始位置として記憶部5に記憶してもよい。
【0048】
報知部23は、通知装置31と協働してユーザに報知を行う。ユーザとは自車両の乗員である。報知の内容は、自動出庫を開始可能であることと、自動出庫の開始指示の入力を促すことである。また、報知部23は、通知装置31と協働して、出庫の完了をユーザに報知する。
【0049】
通信部25は、通信装置37と協働して、送信された指示を受信する。
【0050】
<出庫支援装置1が実行する出庫支援処理>
出庫支援装置1が実行する出庫支援処理を
図3、
図4及び
図5に基づき説明する。
【0051】
地図情報は、出庫領域をさらに含む。出庫領域とは、自車両を出庫可能な領域である。出庫領域は、上述した特徴点認識部7が取得した特徴点Y1と紐づけられた入庫開始位置である。特徴点は、出庫領域の周囲に存在する物標の一部である。特徴点は、例えば、物標の輪郭上の一部であり、建物などの立体構造物や、路面のテクスチャ等が挙げられる。
【0052】
出庫支援装置1は、地図情報を作成又は修正することができる。ユーザは、ユーザ入力装置29と協働して、出庫領域の位置を入力することができる。記憶部5は、入力された出庫領域の位置を記憶する。
【0053】
ステップS101において、報知部23は、通知装置31と協働してユーザに報知を行う。なお、ユーザは、ユーザ入力装置29に、自動出庫の開始指示を入力することができる。自動出庫の開始指示はユーザの指示に対応する。
【0054】
ステップS102において、指示受付部19は、ユーザ入力装置29に自動出庫の開始指示が入力されたか否かを判断する。指示受付部19は、自動出庫の開始指示が入力された場合はステップS103に進み、自動出庫の開始指示が入力されなかった場合は本処理を終了する。すなわち、自動出庫の開始指示が入力されたことを必要条件として、ステップS103に進む。
【0055】
ステップS103において、特徴点認識部7は、撮像装置35と協働して、自車両の周囲を表す映像を取得する。
【0056】
ステップS104において、特徴点認識部7は、ステップS103で取得した映像において特徴点を認識する処理を実行する。特徴点の認識は、周知の画像認識技術を用いて行うことができる。認識した特徴点を特徴点Y2とする。特徴点Y2は、映像における特徴点の位置、映像における特徴点の大きさ、映像における特徴点の向き等を含む。特徴点認識部7は特徴点Y2を取得する。特徴点認識部7は、取得した特徴点Y2を記憶部5に記憶する。
【0057】
ステップS105において、特徴点認識部7は、ステップS104の処理において特徴点を認識できたか否かを判断する。特徴点認識部7は、特徴点を認識できた場合はステップS106に進み、特徴点を認識できなかった場合はステップS103に戻る。
【0058】
ステップS106において、特徴点認識部7は、ステップS104の処理において認識した特徴点と、自車両との相対的な位置関係を取得する。特徴点認識部7は、特徴点Y2と、位置関係X1とを照合することにより、位置関係α2を取得することができる。
【0059】
ステップS107において、出庫領域決定部18は、出庫領域決定処理を行う。この出庫領域決定処理を、
図4に基づき説明する。
【0060】
図4のステップS211において、出庫領域決定部18は、複数の出庫領域の位置が記憶部5に記憶されているか否かを判断する。出庫領域決定部18は、複数の出庫領域の位置が記憶されている場合はステップS212に進み、単一の出庫領域の位置が記憶されている場合はステップS216に進む。
【0061】
複数の出庫領域の位置には、制御部13が記憶部5に記憶した設定情報に含まれる、入庫領域への移動が開始された車両の入庫開始位置が含まれている。なお、異なる位置から複数の自動入庫が行われた場合は、それぞれの自動入庫の入庫開始位置(複数の出庫領域)が記憶部5に記憶されていてもよい。
【0062】
ステップS212において、出庫領域決定部18は、デフォルトの出庫領域が予め設定されているか否かを判断する。なお、ユーザは、例えば、予め、ユーザ入力装置29と協働してデフォルトの出庫領域を入力しておくことができる。また、デフォルトの出庫領域をステップS11で制御部13が記憶部5に記憶した設定情報に含まれる、入庫領域への移動が開始された車両の入庫開始位置としても良い。
【0063】
デフォルトの出庫領域が入力されたとき、出庫領域決定部18は、入力されたデフォルトの出庫領域を記憶部5に記憶する。デフォルトの出庫領域が設定されていない場合はステップS213に進み、デフォルトの出庫領域が設定されている場合はステップS215に進む。
【0064】
ステップS213において、出庫領域決定部18は、ディスプレイ31Aに複数の選択肢を表示する。ユーザは、複数の選択肢のうちのいずれか1つを選択する入力をユーザ入力装置29に行うことができる。ユーザが1つの選択肢を選択することは、ユーザの指定に対応する。
【0065】
ステップS214において、出庫領域決定部18は、ユーザが選択した選択肢に対応する出庫領域を決定する。ステップS215において、出庫領域決定部18が、デフォルトの出庫領域を決定する。
【0066】
ステップS216において、出庫領域決定部18は、単一の出庫領域を決定する。
図3に戻り、ステップS108において、出庫方向設定部16が、出庫方向設定処理を行う。この処理を
図5に基づき説明する。
図5のステップS221において、出庫方向設定部16は、ステップS107で決定した出庫領域について、デフォルトの出庫向きが予め設定されているか否かを判断する。
【0067】
なお、ユーザは、例えば、予め、ユーザ入力装置29と協働してデフォルトの出庫向きを入力しておくことができる。デフォルトの出庫向きが入力されたとき、出庫方向設定部16は、入力されたデフォルトの出庫向きを記憶部5に記憶する。デフォルトの出庫向きが設定されていない場合はステップS222に進み、デフォルトの出庫向きが設定されている場合はステップS224に進む。
【0068】
ステップS222において、出庫方向設定部16は、ディスプレイ31Aに複数の選択肢を表示する。ユーザは、複数の選択肢のうちのいずれか1つを選択する入力をユーザ入力装置29に行うことができる。ユーザが1つの選択肢を選択することは、ユーザの指定に対応する。
【0069】
ステップS223において、出庫方向設定部16は、ユーザが選択した選択肢に対応する出庫向きを決定する。ステップS224において、出庫方向設定部16は、デフォルトの出庫向きを決定する。
【0070】
図3に戻り、ステップS109において、第2推測部10が、まず、ステップS104の処理で認識した特徴点と、ステップS108で決定した出庫領域との位置関係X1を記憶部5から読み出す。次に、第2推測部10は、読み出した位置関係X1と、ステップS106で取得した位置関係α2とに基づき、自車両と、ステップS108で決定した出庫領域との相対的な位置関係Z2を推測する。
【0071】
ステップS110において、経路生成部11は、ステップS109で取得した相対的な位置関係Z2に基づき、自車両の位置から、ステップS108で決定した出庫領域までの経路を生成する。経路生成部11は、ステップS108で決定した出庫向きで自車両を出庫領域に出庫する経路を生成する。
【0072】
ステップS111において、制御部13は、ステップS110で取得した経路に沿って、所定時間又は所定距離だけ自車両を走行させる。制御部13は、操舵装置41、駆動装置43及び制動装置45と協働して、自車両を経路に沿って走行させる。制御部13は、出庫領域への移動が開始された車両の出庫開始位置と、当該出庫開始位置と出庫領域及び複数の特徴点の位置との位置関係を設定情報に記憶する。
【0073】
自車両が経路に沿って走行しているとき、ユーザは、自車両に乗車していてもよいし、自車両から降りていてもよい。
【0074】
ユーザは、端末59に指示を入力することができる。端末59は、入力された指示を送信する。通信部25は、通信装置37と協働して、送信された指示を受信する。制御部13は、受信した指示に応じて自車両の走行を制御する。
【0075】
ステップS112において、制御部13は、ステップS108で決定した出庫領域への出庫が完了したか否かを判断する。制御部13は、出庫が完了した場合はステップS113に進み、出庫が未だ完了していない場合はステップS111に戻る。ステップS113において、報知部23が通知装置31と協働して、出庫の完了をユーザに報知する。
【0076】
本実施形態の出庫支援装置によれば、車両を自動走行において出庫させる場合においても、入庫開始位置を記憶することにより、入庫開始位置を出庫位置として決定することができる。そのため、車両は、出庫位置までの出庫経路を生成し自動走行により出庫することができる。言い換えると、出庫の場合において、車両は出庫先の目標となる枠や、特徴物がなくても出庫位置を決定することができ、自動走行により出庫することができる。
【0077】
出庫支援装置1は、ユーザの指定に応じて、自車両を出庫領域に出庫する向きを決定する。出庫支援装置1は、決定した向きで自車両を出庫領域に出庫できるように、経路を取得する。そのため、出庫支援装置1は、ユーザが指定した向きで、自車両を出庫領域に出庫することができる。
【0078】
出庫支援装置1は、複数の出庫領域のそれぞれについて、位置関係X1を記憶している。出庫支援装置1は、複数の出庫領域のうち、1つの出庫領域を、ユーザの指定に応じて決定することができる。出庫支援装置1は、決定した出庫領域に対応する位置関係X1と、位置関係α2とに基づき、相対的な位置関係Z2を推測する。そのため、出庫支援装置1は、複数の出庫領域のうち、ユーザが指定した1つの出庫領域に自車両を出庫することができる。
【0079】
出庫支援装置1は、ステップS102において、自動出庫の開始指示が入力されたと判断した場合に、ステップS103以降の処理を実行する。そのため、ユーザが望まない場合に自動出庫を行うことを抑制できる。
【0080】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態は、上述した各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの他の実施形態を説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する他の実施形態は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0081】
出庫支援装置1は、自動出庫を実行している場合、自車両の外部から自車両を認識できるように報知を行ってもよい。報知は、例えば、自車両のハザードランプの点灯等である。これにより、自車両及び自車両の周囲の安全性が向上する。
【0082】
出庫支援装置1は、自動出庫を実行しているとき、送受波部33等と協働して障害物を検出し、自車両が障害物と衝突するリスクを算出してもよい。出庫支援装置1は、障害物と衝突するリスクが予め設定された閾値より高い場合、通知装置31と協働して自車両に搭乗するユーザに報知したり、自車両を停止させたりすることができる。
【0083】
出庫支援装置1は、自動出庫を実行しているとき、公知のセンサを用いて、自車両の挙動の異常を検出してもよい。挙動の異常として、例えば、自車両のタイヤが雪道などで埋まってしまい、自車両が走行不能な状態になることである。出庫支援装置1は、挙動の異常を検出した場合、通知装置31と協働してユーザに報知することができる。
【0084】
出庫支援装置1は、撮像装置35以外のセンサを用いて特徴点を認識してもよい。出庫支援装置1は、撮像装置35以外のセンサを用いて位置関係X1を取得してもよい。
【0085】
ステップS103以降の処理を実行するトリガは他のものであってもよい。例えば、出庫支援装置1は、撮像装置35と協働して取得した映像の情報と、予め記憶しておいた特定情報とを比較し、自車両の位置が予め設定された特定地にあるか否かを判断することができる。特定情報とは、例えば、自車両が特定地にあるときに撮像装置35と協働して取得した映像の情報である。そして、出庫支援装置1は、自車両の位置が特定地にある場合に、ステップS103以降の処理を実行することができる。
【0086】
また、出庫支援装置1は、自車両のエンジンが始動したことをトリガとして、ステップS103以降の処理を実行してもよい。また、出庫支援装置1は、ユーザ入力装置29にユーザの入力があったことをトリガとして、ステップS103以降の処理を実行してもよい。
【0087】
出庫支援装置1は、自車両の現在位置から、出庫領域までの経路を予め記憶部5に記憶しておいてもよい。出庫支援装置1は、ステップS101において、記憶しておいた経路のうち、自車両の現在位置と、ステップS107で決定した出庫領域とに適合する経路を読み出すことができる。また、出庫支援装置1は、自車両の現在位置と、ステップS107で決定した出庫領域とに完全に適合する経路がない場合、最も近い経路を読み出し、読み出した経路を適宜修正して、ステップS111で使用する経路を作成することができる。
【0088】
出庫支援装置1は、入庫領域への移動が開始された車両の入庫開始位置と、当該入庫開始位置から入庫領域までの移動過程で、特徴点認識部7が取得する特徴点とに基づき、車両の入庫開始位置と、車両の入庫開始位置の周囲に存在する複数の特徴点の位置との位置関係を対応付けて記憶しておいてもよい。出庫支援装置1は、入庫時に車両の入庫開始位置と、車両の入庫開始位置の周囲に存在する複数の特徴点の位置との位置関係を対応付けて記憶することで、記憶部5に記憶する地図情報を更新することができる。
【0089】
出庫支援装置1は、クラウド上に自車両の周囲の特徴点情報、入庫時の特徴点情報、入庫開始位置等の情報を送信し、クラウド上で、本実施形態の出庫支援装置の処理(特徴点のマッチング処理及び出庫領域までの経路生成処理)を行い、出庫領域までの経路をクラウドから出庫支援装置1に送信する構成であってもよい。
【0090】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0091】
上述した出庫支援装置の他、当該出庫支援装置を構成要素とするシステム、当該出庫支援装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した記録媒体、出庫支援方法、車両経路生成方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0092】
1 出庫支援装置
5 記憶部
7 特徴点認識部
9 第1推測部
10 第2推測部
11 経路生成部
13 制御部
16 出庫方向設定部
18 出庫領域決定部
19 指示受付部
21 距離検出部
23 報知部
25 通信部
31 通知装置
33 送受波部
35 撮像装置