(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148730
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20231005BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231005BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20231005BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231005BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231005BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21V21/03 460
F21V21/03
F21V23/00 160
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056913
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】水谷 有輝
(72)【発明者】
【氏名】増田 敏文
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 重利
(72)【発明者】
【氏名】大野 鉄也
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、長尺な器具本体20と、器具本体20を被設置部に設置する設置部材13と、器具本体20に取り付けられる光源ユニット12と、を備える。器具本体20は、長手方向に交差する両側部に、長手方向に沿って背面側に突出する突出部25を有する。設置部材13は、器具本体20の背面側の突出部25間に配置される位置決め部71を有し、器具本体20の背面側に取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に交差する両側部に、長手方向に沿って背面側に突出する突出部を有する長尺な器具本体と;
前記器具本体の背面側の前記突出部間に配置される位置決め部を有し、前記器具本体の背面側に取り付けられ、前記器具本体を被設置部に設置する設置部材と;
前記器具本体に取り付けられる光源ユニットと;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記器具本体は、長手方向の両端側に、配線孔を有するとともに、前記光源ユニットを取り付ける取付部が設けられ、
前記設置部材は、前記器具本体の長手方向の両端側で、前記配線孔と前記取付部との間に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置では、設置部材を用いて天井面などの被設置部に設置することがある。
【0003】
設置部材は、照明装置の背面側から両側面を挟み込むようにして保持する構成があるが、設置部材が照明装置の側面に配置され、照明装置の意匠性が損なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、意匠性を向上できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、長尺な器具本体と、器具本体を被設置部に設置する設置部材と、器具本体に取り付けられる光源ユニットと、を備える。器具本体は、長手方向に交差する両側部に、長手方向に沿って背面側に突出する突出部を有する。設置部材は、器具本体の背面側の突出部間に配置される位置決め部を有し、器具本体の背面側に取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、意匠性が向上することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態を示す照明装置の分解斜視図である。
【
図3】同上照明装置の長手方向から見て一部を省略した側面図である。
【
図4】同上照明装置の器具本体および設置部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1および
図2に照明装置10を示す。照明装置10は、天井面や壁面、あるいは間接照明時の棚上面などの被設置部に取り付けられる直付け形照明装置である。照明装置10は、長尺に形成され、長手方向に交差する短手方向である幅方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法よりも小さいスリム形照明装置である。なお、本実施形態では、照明装置10を天井面に取り付けるものとし、この取付姿勢に対応して、照明装置10の前面側を下面側、背面側を上面側として説明する。
【0011】
照明装置10は、本体ユニット11と、この本体ユニット11に着脱可能に取り付けられる光源ユニット12と、本体ユニット11を被設置部に設置する設置部材13とを備えている。
【0012】
本体ユニット11は、金属筐体である金属製の長尺な器具本体20と、この器具本体20の長手方向の両端近傍に取り付けられる端子台21および取付ばね22とを備えている。
【0013】
図3および
図4に示すように、器具本体20は、一面側である下面側に部品取付面24aを有する天板部24と、この天板部24の幅方向の両側から上面側に略Uの字形に突出するように屈曲された突出部25と、両側の突出部25の外側面で構成される両側の側板部26とを有している。突出部25の内側には、下面側である天板部24の部品取付面24a側に開口する溝部27が長手方向に沿って形成されている。側板部26の先端側には、部品取付面24aよりも下方に突出されるとともに、部品取付面24aとの間の溝部27の溝開口27aの開口幅を狭める方向であって溝部27の溝開口27a側に向けて傾斜する押え部28が形成されている。両側の押え部28により、溝部27の部品取付面24a側に開口する溝開口27aの幅が溝部27の奥側の幅よりも狭くなるように構成されている。
【0014】
図1および
図2に示すように、天板部24の長手方向の両端近傍には、天井面に取り付けるための取付孔29と、電源用の配線孔30および信号用の配線孔31とが設けられている。配線孔30,31の縁には、例えば樹脂製で環状のブッシュ32が取り付けられている。
【0015】
端子台21は、器具本体20の長手方向の2箇所で部品取付面24aに取り付けられている。
図3に示すように、端子台21は、幅方向の寸法が器具本体20の部品取付面24aの幅方向の寸法よりも広く、幅方向の両側部が器具本体20の両側の溝部27の溝開口27aに対向する位置に配置される。一端側の端子台21には、施工時に、器具本体20の一端側の電源用の配線孔30に外部から引き込まれた電源線が電気的に接続される。一端側の端子台21と他端側の端子台21とは内部配線である電線によって電気的に接続される。他端側の端子台21には、隣接して他の照明装置10が設置される場合に、電源を送る送り配線が電気的に接続される。一端側の端子台21と他端側の端子台21とを接続する電線は、器具本体20の幅方向の一側の溝部27に挿入され、溝部27内を長手方向に沿って配線される。溝部27内に配線された電線は、溝部27の溝開口27aが押え部28によって狭められているため、溝部27内に保持される。一端側の端子台21には電線の先端にコネクタを有する本体側配線ユニットが接続され、この本体側配線ユニットが光源ユニット12の光源側配線ユニットと電気的に接続される。
【0016】
取付ばね22は、金属製の板ばねによって一体に構成されている。取付ばね22は、器具本体20の部品取付面24aに取り付けられる取付部34と、この取付部34の一方の対向する両側から先端側が互いに拡開するよう斜め下方に向けて折曲された一対のアーム部35とを有し、断面略コの字形に形成されている。一対のアーム部35の先端側には、引掛り部が屈曲形成されている。取付ばね22は、光源ユニットを取り付ける取付部36である。
【0017】
また、
図1ないし
図3に光源ユニット12を示す。光源ユニット12は、樹脂筐体であるカバー40と、このカバー40内に取り付けられる支持部であるベース41と、このベース41の下面側に取り付けられる光源である光源モジュール42と、ベース41の上面側にそれぞれ取り付けられる電源部43、およびばね受部材(ばね受金具)44とを備えている。
【0018】
カバー40は、樹脂製で、長尺に形成されているとともに、その長手方向に交差する幅方向の幅寸法が高さ方向の高さ寸法に比べて小さい外観形状に形成されている。カバー40は、高さ方向の一面側であって下面部である前面部47と、幅方向の両側の側面部48と、長手方向の両端の端面部49とを有し、高さ方向の他面側である上面側に開口部50が形成されている。したがって、カバー40は、長手方向および幅方向とも断面略コの字形に形成されている。
【0019】
カバー40の前部側つまり前面部47と側面部48および端面部49の下部側は光源モジュール42からの光が透過する透光部51に形成され、カバー40の後部側つまり側面部48および端面部49の上部側は光が透過しない不透光部52に形成されている。カバー40は、透光部51と不透光部52とが異なる樹脂材料の二色成形によって一体に形成されている。
【0020】
カバー40の両側の側面部48の内側間の寸法つまり開口部50の幅方向の寸法は器具本体20の幅方向の幅寸法よりも広く、かつカバー40の両端の端面部49の内側間の寸法つまり開口部50の長手方向の寸法は器具本体20の長手方向の長さ寸法よりも長く、開口部50内に器具本体20を嵌合可能に構成されている。そして、カバー40の開口部50が器具本体20の周囲に嵌め込まれることにより、カバー40と器具本体20との長手方向および幅方向の位置が互いに位置決めされるように構成されている。
【0021】
カバー40の両側の側面部48の内面には、不透光部52の下部側に、ベース41を保持する保持部53が設けられている。カバー40の両側の側面部48の内面の上端側には、幅方向に対向する間隔が上端側へ向うのにしたがって広くなるように、つまり上方の開口方向に向けて拡開するように傾斜する開口傾斜部54が設けられている。
【0022】
ベース41は、例えば金属製で、長尺な板状に形成されている。ベース41は、幅方向の両側部が両側の保持部53に保持されてカバー40内に取り付けられている。
【0023】
ベース41の下面側に光源モジュール42が取り付けられる。ベース41の下面側の幅方向の一方の側に、光源モジュール42の幅方向の一側を支える略Lの字形の支え部56が設けられている。ベース41の下面側の幅方向の他方の側に、光源モジュール42の幅方向の他側をねじ止めするための複数のねじ57が螺着されている。ねじ57には段付きねじが用いられている。支え部56と複数のねじ57とにより、光源モジュール42を固定するのではなく、光源モジュール42を支持可能な範囲内で光源モジュール42の移動を許容するように支持している。
【0024】
光源モジュール42は、長尺な基板59と、この基板59の表面側に長手方向に沿って所定の間隔で実装された複数の発光素子60とを有する。発光素子60は、LEDや有機ELなどの半導体発光素子である。基板59の幅方向の両側が、支え部56とねじ57によりベース41の下面側に取り付けられている。
【0025】
図2に示す電源部43は、ベース41の上面側にねじ止めによって取り付けられている。電源部43は、カバー40の内側に配置されている。電源部43は、端子台21を通じて入力される外部電力を光源モジュール42の発光素子60が点灯するのに必要な点灯電力に変換して光源モジュール42に供給する。さらに、電源部43は、調光信号を入力し、発光素子60の明るさを調光制御可能とする。電源部43には電線の先端にコネクタを有する光源側配線ユニットが接続され、この光源側配線ユニットが器具本体20の本体側配線ユニットと電気的に接続される。
【0026】
図2に示すばね受部材44は、金属板によって一体に構成され、ベース41の上面側に取り付けられている。ばね受部材44は、一対のばね受溝62を有し、取付ばね22の一対のアーム部35が一対のばね受溝62に挿入されてばね受部材44に係合されることにより、器具本体20に光源ユニット12を支持する。ばね受部材44は、取付部36である取付ばね22が取り付けられる被取付部である。
【0027】
また、
図1ないし
図5に設置部材13を示す。設置部材13は、被設置部の面に対して光源ユニット12の光照射方向を所定の角度傾斜させて照明装置10を設置する場合に用いられる。所定の角度は、例えば30°であるが、任意の角度でもよい。
【0028】
設置部材13は、金属板によって形成されており、器具本体20の背面側に取り付けられる器具取付面70aを有する長方形板状の取付板部70と、取付板部70の一方の対向する辺であって短手方向の両側から折曲された一対の位置決め部71と、取付板部70の他方の対向する辺であって長手方向の両側から折曲された設置板部72および脚部73と、脚部から折曲された設置板部74とを備えている。
【0029】
取付板部70は、長手方向を器具本体20の幅方向に向けて器具本体20の背面側に配置され、器具本体20の両側の突出部25の先端面に当接される。取付板部70には取付孔75が設けられ、この取付孔75に器具本体20を部品取付面24a側から挿入されるねじが螺着され、設置部材13が器具本体20に取り付けられる。
【0030】
一対の位置決め部71は、器具取付面70aから突出するように取付板部70から折曲され、器具本体20の両側の突出部25間に嵌合するように配置される。取付板部70が突出部25に当接した状態で、位置決め部71の先端側と天板部24の背面側との間に隙間があるが、当接してもよい。
【0031】
一方の設置板部72は、取付板部70から位置決め部71が突出する器具取付面70a側に30°の角度に折曲されている。設置板部72には、被設置部にねじ止めするための取付孔76が設けられている。
【0032】
脚部73は、器具取付面70a側と反対側に突出するように取付板部から60°の角度に折曲されている。
【0033】
他方の設置板部74は、脚部73から90°の角度に折曲され、一方の設置板部72と平行でかつ同一面の位置に配置されている。設置板部74には、被設置部にねじ止めするための取付孔77が設けられている。
【0034】
一方の設置板部72および他方の設置板部74は、これら一方の設置板部72および他方の設置板部74の面に垂直な方向から見て取付孔76,77の位置が器具本体20の幅方向の外側に位置され、器具本体20に干渉することなく取付孔76,77に対するねじの挿通およびねじ止め操作が可能となっている。
【0035】
そして、設置部材13は、器具本体20の長手方向の両端側の2箇所で、配線孔30,31と取付部36である取付ばね22の取付位置との間に取り付けられる。
【0036】
設置部材13は、一対の位置決め部71が器具本体20の両側の突出部25間に嵌合するように配置されるため、器具本体20に対して位置ずれしたり取付孔75に螺着されるねじを中心に回動することなく、一定姿勢に取り付けられる。
【0037】
そして、照明装置10を施工するには、被設置部に配線される電源線を器具本体20の一端側の配線孔30に通し、設置部材13の設置板部72,74を被設置部に配置し、ねじを設置板部72,74の取付孔76,77を通じて被設置部に螺着し、器具本体20を被設置部に取り付ける。
【0038】
配線孔30に通した電源線は、配線孔30から端子台21に向って器具本体20の部品取付面24aに沿って配線し、端子台21に電気的に接続する。
【0039】
光源ユニット12を持ち上げながら、器具本体20側から端子台21に接続されている配線のコネクタと、光源ユニット12側から電源部43に接続されている配線のコネクタとを電気的に接続する。
【0040】
光源ユニット12のカバー40の開口部50を器具本体20の周囲に合わせながら、光源ユニット12を器具本体20に向けて押し上げる。このとき、器具本体20の幅方向の両側の押え部28が傾斜されていること、および、カバー40の幅方向の両側に開口傾斜部54が設けられていることにより、器具本体20の幅方向に対してカバー40の幅方向の位置を合わせやすい。
【0041】
光源ユニット12を器具本体20に向けて押し上げることにより、器具本体20の取付ばね22と光源ユニット12のばね受部材44とが係合し、光源ユニット12が器具本体20に取り付けられる。
【0042】
そして、設置部材13を用いた照明装置10は、光源ユニット12の光照射方向が所定の角度傾斜された姿勢に設置される。
【0043】
そして、実施形態の照明装置では、設置部材13が器具本体20の背面側に取り付けられるため、設置部材13がカバー40の側面を保持することがなく、意匠性を向上できる。
【0044】
設置部材13は、位置決め部71が器具本体20の背面側に突出する突出部25間に嵌合するように配置されて取り付けられるため、設置部材13がカバー40の側面を保持することなく、器具本体20に対して設置部材13が位置ずれしたり回動することがなく取り付けることができ、意匠性を向上できる。
【0045】
また、設置部材13は、配線孔30,31と取付部36である取付ばね22の取付位置との間に取り付けられるため、配線孔30,31に配線を通すときに加わる負荷と、取付ばね22を介して器具本体20に加わる光源ユニット12の荷重とをバランスよく受けることができ、照明装置10の設置状態を安定させることができる。
【0046】
また、設置部材13は、取付板部70から位置決め部71を折曲して設けているため、位置決め部71が補強部として機能し、器具本体20を強固に保持できる。なお、位置決め部71は、取付板部70の両側に設けられているが、一側のみに設けられていても、器具本体20の突出部25間に嵌合するように配置されることで、器具本体20に対する設置部材13の位置ずれや回動を防止できる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
10 照明装置
12 光源ユニット
13 設置部材
20 器具本体
25 突出部
30,31 配線孔
36 取付部
71 位置決め部