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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148738
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/06 20060101AFI20231005BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231005BHJP
   F21V 21/112 20060101ALI20231005BHJP
   F21V 21/104 20060101ALI20231005BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20231005BHJP
   F21V 15/01 20060101ALI20231005BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20231005BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
F21S8/06 200
F21S2/00 230
F21V21/112 100
F21V21/104 100
F21V19/00 510
F21V15/01 360
F21Y115:10 500
F21Y115:15
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056921
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】小磯 冬治
(72)【発明者】
【氏名】曽根 修一
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA09
(57)【要約】
【課題】良好な配光を得ることができるとともに、光源ユニットの着脱が容易な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、長尺な器具本体3と、延出部38と、吊り具5と、を備える。器具本体3は、少なくとも上部に開口された配光用の開口部である第一開口部20と、第一開口部20と連通し長尺な光源ユニットを着脱可能な第一取付部17と、を有する。延出部38は、器具本体3の長手方向の外方へと延出する。吊り具5は、延出部38と固定されて被設置部4に対して器具本体3を吊下げ支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上部に開口された配光用の開口部と、前記開口部と連通し長尺な光源ユニットを着脱可能な取付部と、を有する長尺な器具本体と;
前記器具本体の長手方向の外方へと延出する延出部と、
前記延出部と固定されて被設置部に対して前記器具本体を吊下げ支持する吊り具と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
開口部は、器具本体の上下に開口され、
取付部は、前記開口部のそれぞれに応じて設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
器具本体は、吊り具と対向する対向部を有し、
前記吊り具は、延出部に対して上下方向に締結されるとともに、前記対向部に対して前記延出部よりも下方の位置で上下方向と異なる方向に締結されて、前記器具本体と固定される
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、吊下げ形の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺な器具本体に直管ランプを取り付け、器具本体をステンレスワイヤなどの吊下げ部材により吊下げて、器具本体の上下に配光する吊下げ形の照明装置がある。器具本体には、直管ランプと接続されるソケットを長手方向の端部に備え、そのソケットを覆って器具本体の長手方向の端部から内方に延びる固定部に吊下げ部材が連結される。このような照明装置の場合、一般に、器具本体を吊下げた状態で直管ランプを着脱することが困難である。その点、近年、直管ランプに代えて、長尺のLEDランプユニットを用いる照明装置がある。LEDランプユニットの場合、ソケットが不要で、取付ばねなどを用いて器具本体に容易に着脱できることから、器具本体を吊下げた状態のままLEDランプユニットを着脱できるようにしたいというニーズがある。その場合、器具本体の端部から器具本体の内方に延びる固定部がLEDランプユニットの着脱を妨げる虞があり、また、LEDランプユニットの端部から射出される光の一部を反射させたり遮ったりするなど、配光に不利な構造となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-175416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、良好な配光を得ることができるとともに、光源ユニットの着脱が容易な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の照明装置は、長尺な器具本体と、延出部と、吊り具と、を備える。器具本体は、少なくとも上部に開口された配光用の開口部と、開口部と連通し長尺な光源ユニットを着脱可能な取付部と、を有する。延出部は、器具本体の長手方向の外方へと延出する。吊り具は、延出部と固定されて被設置部に対して器具本体を吊下げ支持する。
【発明の効果】
【0006】
実施形態の照明装置によれば、良好な配光を得ることができるとともに、光源ユニットの着脱が容易になることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示す照明装置の一部の短手方向に直交する方向の拡大断面図である。
図2】同上照明装置の器具本体の長手方向に直交する方向の断面図である。
図3】同上照明装置の一部の短手方向に直交する方向の断面図である。
図4】同上照明装置の一部の分解斜視図である。
図5】同上照明装置の吊り具の分解斜視図である。
図6】(a)は同上照明装置の設置状態の一例を示す側面図、(b)は同上照明装置の設置状態の一例を示す下方からの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態を、図1ないし図6を参照して説明する。
【0009】
図6(a)および図6(b)に吊下げ形の照明装置1を示す。照明装置1は、長尺な光源ユニット(光源バー)2が器具本体3に装着され、この光源ユニット2が装着された器具本体3が、例えば屋内施設の天井などの被設置部4に対し、吊り具5を用いて吊下げた状態に設置される。照明装置1は、長尺状に設けられており、その発光領域が長手方向に沿ってライン状に連続するベースライトである。また、本実施の形態において、照明装置1は、器具本体3の上部および下部にそれぞれ光源ユニット2が取り付けられ、上下に配光する、上下配光形のものである。以下、図中では、照明装置1の長手方向を矢印Xで示し、短手方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示すものとする。また、器具本体3については、図3において記載を明確にするために断面を半分のみ示しているが、残りの半分については基本的に対象な同一構造を有するものとする。
【0010】
図2および図3に示すように、光源ユニット2は、光源ユニット本体部であるシャーシ7の一主面に発光モジュール8が配置され、発光モジュール8を覆ってカバー9がシャーシ7に取り付けられて、シャーシ7とカバー9との間に発光モジュール8が収納されて構成されている。
【0011】
シャーシ7には、発光モジュール8が配置されている一主面とは反対側の他主面に、図3に示す被取付部である取付ばね11を有している。取付ばね11は、シャーシ7側に向けてばね力が付与された状態で取り付けられている。取付ばね11は、例えば光源ユニット2の長手方向に複数配置されている。本実施の形態では、取付ばね11は、光源ユニット2の長手方向に一対、互いに離れて配置されている。
【0012】
発光モジュール8は、長尺な基板に複数の発光素子(半導体発光素子)が実装されて構成されている。発光素子には例えば表面実装形のLEDが用いられ、複数の発光素子が基板の長手方向に沿って1列または複数列に実装されている。なお、発光素子は、LEDに限らず、有機EL等の他の素子でもよい。また、発光モジュール8に電気的に接続された図示しないケーブルがシャーシ7から引き出されている。
【0013】
カバー9は、例えば樹脂製で、長尺に形成され、透光性および光拡散性を有している。カバー9は、長手方向に沿ってライン状に発光する発光領域となる。カバー9の下面側は、長手方向に直交する断面が凸湾曲状に形成され、カバー9の上面側は、発光モジュール8が対向または配置されるように開口されている。カバー9の両端面は、透光性または被透光性の端面カバーにより覆われている。
【0014】
光源ユニット2が取り付けられる器具本体3は、長尺な四角形状、つまり長方形状に形成されている。器具本体3は、例えば金属製である。器具本体3は、長辺側をなす第一側壁部である長辺側立壁部13と、第二側壁部である短辺側立壁部14と、を有する箱状であり、これら長辺側立壁部13と短辺側立壁部14との間に亘り位置する取付面部15が形成されている。器具本体3の吊り下げ状態で、長辺側立壁部13および短辺側立壁部14が鉛直面状に位置し、取付面部15が水平面状の基準面をなす。取付面部15が、長辺側立壁部13および短辺側立壁部14の上下方向の中間部に位置する。そして、取付面部15と、この取付面部15よりも上方に延びる長辺側立壁部13および短辺側立壁部14と、により、器具本体3の上部に、光源ユニット2を着脱可能な取付部である第一取付部17が長尺に区画され、取付面部15と、この取付面部15よりも下方に延びる長辺側立壁部13および短辺側立壁部14と、により、器具本体3の下部に、光源ユニット2を着脱可能な取付部である第二取付部18が長尺に区画される。また、長辺側立壁部13および短辺側立壁部14の上端部に、第一取付部17と連通して配光用の四角形状の長尺な開口部である第一開口部20が区画され、長辺側立壁部13および短辺側立壁部14の下端部に、第二取付部18と連通して配光用の四角形状の長尺な開口部である第二開口部21が区画されている。
【0015】
長辺側立壁部13は、器具本体3の短手方向に対向し、互いに平行または略平行に位置する。各長辺側立壁部13には、上端部および下端部に、器具本体3の内方へとコ字状に折り返された折り返し部23,24が形成されている。折り返し部23,24の縁部が第一開口部20および第二開口部21となっている。折り返し部23の上部および折り返し部24の下部が、それぞれ器具本体3の上端部および下端部をなしている。
【0016】
短辺側立壁部14は、器具本体3の長手方向に対向し、互いに平行または略平行に位置する。各短辺側立壁部14は、各長辺側立壁部13の端部に一体的に固定されている。各短辺側立壁部14に対して、第一取付部17および第二取付部18にそれぞれ取り付けられた光源ユニット2の長手方向の端部が近接して位置する。また、短辺側立壁部14は、吊り具5と対向する対向部となっている。つまり、短辺側立壁部14を基準として、器具本体3の内方に光源ユニット2の長手方向の端部が位置し、器具本体3の外方に吊り具5が位置する。短辺側立壁部14と長辺側立壁部13とは、例えば一枚の金属板からプレス成形により一体的に形成されている。
【0017】
取付面部15は、長辺側立壁部13および短辺側立壁部14に対して垂直または略垂直に位置する。取付面部15は、器具本体3の長手方向に延びて形成されている。本実施の形態では、取付面部15は、器具本体3の長手方向に連なっている。取付面部15は、器具本体3の上下方向の中央部よりも上側寄りに位置する。そのため、取付面部15の上面から長辺側立壁部13の上端部および短辺側立壁部14の上端部までの距離D1は、取付面部15の下面から長辺側立壁部13および短辺側立壁部14の下端部までの距離D2よりも小さく設定されている。したがって、第一取付部17は、第二取付部18よりも浅い空間部となっている。
【0018】
また、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2のカバー9の頂部から長辺側立壁部13および短辺側立壁部14の上端部を含む仮想平面である第一仮想平面P1までの距離D1が、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2のカバー9の頂部から長辺側立壁部13の下端部および短辺側立壁部14の下端部を含む仮想平面である第二仮想平面P2までの距離D2よりも小さく設定されている。そこで、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2のカバー9の頂部と第一開口部20の長手方向に直交する断面の縁部とがなす角度θ1が、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2のカバー9の頂部と第二開口部21の長手方向に直交する断面の縁部とがなす角度θ2より小さい鋭角となっている。
【0019】
取付面部15は、例えば長辺側立壁部13および短辺側立壁部14とは別体の金属板により形成され、両側部が長辺側立壁部13に対し溶接などにより一体的に固定されている。
【0020】
第一取付部17および第二取付部18には、光源ユニット2を着脱可能に保持する取付部品26がそれぞれ配置されている。取付部品26は、例えば取付面部15に取り付けられている。取付部品26は、第一取付部17および第二取付部18において、それぞれ長手方向の複数箇所に配置されている。取付部品26は、第一取付部17の長手方向の両端部および第二取付部18の長手方向の両端部に対して中央部側に離れた位置にある。図示される例では、取付部品26は、第一取付部17および第二取付部18において、それぞれ長手方向の両端部と中央部との間に一つずつ位置する。
【0021】
本実施の形態において、取付部品26は、取付面部15側から光源ユニット2を支持するように、取付面部15に対して突出している。すなわち、取付部品26は、光源ユニット2を取付面部15から離れた位置に支持するように構成されている。図示される例では、取付部品26は、光源ユニット2の取付ばねを受けるばね受け金具である。
【0022】
そして、取付部品26に対して、光源ユニット2の取付ばね11を引っ掛けることにより、取付ばね11のばね力により光源ユニット2を器具本体3に引き寄せて取り付けるように構成されている。また、取付ばね11のばね力に抗して光源ユニット2を引き下げ、取付ばね11を取付部品26から外すことにより、光源ユニット2を器具本体3から取り外すことが可能となっている。
【0023】
第一取付部17には、この第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2の光を第一開口部20側すなわち上側へと反射させる第一反射体である第一反射板28が配置されている。第一反射板28は、取付部品26を基準として短手方向の両側に配置されている。第一反射板28は、第一開口部20側である上側に向かって拡開状に傾斜した第一反射面28aを光源ユニット2の側方に有する。第一反射面28aの延長上に第一開口部20の短手方向の内縁部がある。第一反射板28は、第一取付部17の長手方向に延び、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2の全体の側部に亘り位置する。また、第一反射板28は、取付面部15の上面に取り付けられて、取付面部15の上面から第一反射面28aが上方に離れて位置する。
【0024】
第二取付部18には、この第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2の光を第二開口部21側すなわち下側へと反射させる第二反射体である第二反射板30が配置されている。第二反射板30は、取付部品26を基準として短手方向の両側に配置されている。第二反射板30は、取付面部15に平行または略平行に延びる第二反射面30aを光源ユニット2の側方に有している。第二反射板30は、第二取付部18長手方向に延び、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2の全体の側部に亘り位置する。また、第二反射板30は、取付面部15の下面に取り付けられて、取付面部15の下面から第二反射面30aが下方に離れて位置する。
【0025】
そして、第一取付部17および第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2は、それぞれ電源ユニット31から給電される。電源ユニット31は、器具本体3に配置されている。電源ユニット31は、光源ユニット2に対しコネクタ接続される。
【0026】
電源ユニット31は、端子台32と電気的に接続されている。端子台32は、電源ユニット31と商用電源などの外部電源とを電気的に接続する。また、電源ユニット31は、調光信号を受ける調光信号用端子台33と電気的に接続されて、調光信号用端子台33により受信された調光信号に応じて光源ユニット2を調光するように制御してもよい。
【0027】
電源ユニット31、端子台32、および、調光信号用端子台33は、電源部34を構成している。電源部34は、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2と、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2と、のそれぞれに対して設定されている。つまり、本実施の形態において、電源部34は、一対設定されている。
【0028】
電源部34は、光源ユニット2からの配光を妨げないように、光源ユニット2の背面側に位置する。電源部34は、双方が第一取付部17に配置されていてもよいし、双方が第二取付部18に配置されていてもよいし、一方が第一取付部17に配置され他方が第二取付部18に配置されていてもよいが、本実施の形態では、双方が第二取付部18に配置されている。図示される例では、電源部34は、取付面部15に取り付けられている。特に、本実施の形態では、電源部34は、第二反射板30により形成される取付面部15と光源ユニット2との間の上下方向の空間部36内に位置する。図示される例では、一方の光源ユニット2用の電源部34が、第二取付部18の長手方向の一端部側に位置し、他方の光源ユニット2用の電源部34が、第二取付部18の長手方向の他端部側に位置する。本実施の形態では、一対の電源部34が、長手方向において、空間部36内にて一対の取付部品26間に位置する。空間部36には、電源ユニット31と接続される電線などが収容される。本実施の形態では、電源ユニット31と第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2とを接続するためのケーブルが、取付面部15に形成された電線挿通穴を介して空間部36から第一取付部17側に引き出されている。
【0029】
そして、図1ないし図3に示すように、器具本体3の長手方向の両端部が、延出部38を介して吊り具5と接続され、器具本体3が吊り具5により被設置部4に吊下げ支持される。つまり、器具本体3の長手方向が照明装置1の長手方向となっている。
【0030】
図1図2および図4に示すように、延出部38は、器具本体3の長手方向の両端部からそれぞれ外方に延出されている。つまり、延出部38は、短辺側立壁部14よりも外方に位置する。延出部38は、器具本体3の短手方向に延びる板状または面状に形成されている。また、延出部38は、取付面部15に対し平行または略平行に位置する。すなわち、延出部38は、器具本体3が吊下げ支持された状態で水平状の面を構成する。延出部38には、吊り具5との接続用の接続穴38aが形成されている。本実施の形態において、接続穴38aは、器具本体3の長手方向に長穴状となっている。
【0031】
本実施の形態では、延出部38は、器具本体3の上部に位置する。すなわち、延出部38は、短辺側立壁部14の上部側に位置し、下部側には位置しない。図示される例では、延出部38は、取付面部15よりも上方に位置している。延出部38は、第一開口部20の縁部から第一取付部17とは反対側に突出している。本実施の形態では、延出部38は、短辺側立壁部14の上部に形成された切欠部40の下端部から第一取付部17とは反対側に突出している。すなわち、延出部38は、短辺側立壁部14の最上部および第一仮想平面P1よりも下方に位置する。切欠部40は、短辺側立壁部14の幅の中央部の位置に、所定幅に亘り形成されている。延出部38は、切欠部40の幅全体に亘り連なっている。したがって、本実施の形態では、延出部38は、短辺側立壁部14よりも小さい幅に設定されている。
【0032】
延出部38は、器具本体3と一体でもよいし別体でもよいが、本実施の形態では、接続体である接続金具42の一部として器具本体3と別体に形成されている。なお、延出部38を器具本体3と一体に形成する場合には、例えば短辺側立壁部14と一体的にプレス成形などにより形成すればよい。
【0033】
接続金具42は、延出部38に連なって被固定部44を一体的に有する。本実施の形態において、被固定部44は、短辺側立壁部14に重ねられる第一重ね部44aと、取付面部15に重ねられる第二重ね部44bと、を有する。第一重ね部44aが、延出部38に対し下方へと直角状に屈曲され、第二重ね部44bが、第一重ね部44aに対し延出部38とは反対側へと直角状に屈曲されている。そのため、延出部38と被固定部44とにより、接続金具42が全体としてS字状またはクランク状の形状を呈する。第一重ね部44aは、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2の長手方向の端部と短辺側立壁部14の内側面との間に位置し、第二重ね部44bは、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2の下部と取付面部15の上面との間に位置する。すなわち、接続金具42は、第一取付部17に配置されている。
【0034】
接続金具42は、延出部38が短辺側立壁部14から器具本体3の長手方向の外方へと突出する位置で器具本体3に対して溶接固定および/またはねじ止め固定される。本実施の形態では、接続金具42は、第二重ね部44bが取付面部15とともに締結具である取付ねじ46により共締めされることで器具本体3に一体的に固定されている。すなわち、接続金具42の延出部38および被固定部44は、第一取付部17への光源ユニット2の着脱範囲の外方にある。したがって、接続金具42(延出部38)は、第一取付部17における光源ユニット2の着脱を妨げない位置にある。したがって、接続金具42は、第一取付部17における光源ユニット2の着脱を妨げない位置にある。取付ねじ46は、好ましくは、取付面部15に対して第二取付部18側つまり下側から締め付けられている。
【0035】
また、好ましくは、延出部38、本実施の形態では接続金具42は、少なくとも器具本体3の短辺側立壁部14よりも厚肉に形成されている。
【0036】
延出部38に固定される吊り具5は、例えば金属製である。吊り具5は、器具本体3の長手方向の端部に位置する吊り具連結部48の上部に中空な管体であるパイプ49の下端部が接続され、パイプ49の上端部に吊り具取付部50が接続されて構成され、吊り具取付部50が被設置部4に取り付けられている。
【0037】
図1図4および図5に示すように、吊り具連結部48は、延出部38に重ねられる上面部52と、上面部52の外縁部から下方に延びる側面部53と、を有する。また、本実施の形態では、吊り具連結部48は、上面部52に対して下方に離れた位置に、下面部54を有する。吊り具連結部48は、内部に空間部を区画する四角形箱状に形成されている。吊り具連結部48は、器具本体3の短手方向と等しいまたは略等しい幅寸法を有し、照明装置1の長手方向において、器具本体3の長手寸法よりも短い寸法を有する。図示される例では、吊り具連結部48は、本体部56とエンドカバー57とに分割されている。
【0038】
上面部52は、本体部56に備えられる。上面部52は、平面状に形成されている。本実施の形態において、上面部52は、四角形状に形成されている。上面部52は、延出部38の下部に重ねられて、固定体である第一固定体60により延出部38と上下に一体的に固定されている。第一固定体60は、例えばボルトである。第一固定体60は、上面部52に例えば溶接されて上面部52から上方に突出し、延出部38の接続穴38aに下方から挿入され、延出部38の上部において、締結具61により締め付けられて、延出部38つまり器具本体3と上面部52つまり吊り具5とを互いに固定するように構成されている。締結具61は、例えば蝶ナットであり、第一固定体60に対し、作業者が手作業で締め付けたり緩めたりすることが可能となっている。第一固定体60は、上面部52において、器具本体3側の縁部に近接する位置に配置されている。
【0039】
なお、図6(a)および図6(b)に示すように、吊り具5を挟んで複数の器具本体3を直線状に連ねて配置する場合、器具本体3,3間に位置する吊り具5(吊り具5a)の上面部52には、それぞれの器具本体3を固定するための第一固定体60が配置されているが、器具本体3,3間に挟まれない吊り具5(吊り具5b)の場合には、第一固定体60は一つのみでもよい。
【0040】
上面部52には、パイプ49の下端部側が挿入される挿入穴52aが形成されている。挿入穴52aは、例えば上面部52の中央部に形成されている。また、本実施の形態では、上面部52には、パイプ49の下端部を固定するための固定部材63が配置されている。固定部材63は、上面部52の下部に取り付けられ、吊り具連結部48の内部に位置する。本実施の形態において、固定部材63は、パイプ49の下端部が固定される固定部65と、固定部65を上面部52の下部に取り付ける一対の腕部66と、を一体的に有する固定金具である。固定部65は、平面状に形成され、各腕部66は、基端部側が固定部65の縁部に対して上方に屈曲されているとともに、先端部側が上面部52に沿ってさらに屈曲されたL字状となっている。そのため、本実施の形態の固定部材63は、凸字状を呈している。固定部材63は、腕部66が上面部52に対して取付具67により固定されている。図示される例では、取付具67は、取付ねじであり、第一固定体60の両側の位置で腕部66を上面部52に固定している。取付具67の頭部が、延出部38に形成された通し穴38bに位置することで、取付具67と延出部38とが干渉しないように構成されている。図示される例では、接続穴38aの両側に通し穴38bが並んで形成されている。なお、取付具67を用いることに代えて、固定部材63を上面部52の下部に溶接などにより取り付けてもよい。この場合、延出部38の通し穴38bは不要である。
【0041】
固定部65は、腕部66により上面部52に対して下方に離れた位置に配置される。固定部65は、上面部52と平行または略平行、すなわち水平状に位置する。固定部65は、上面部52の挿入穴52aと同軸または略同軸に、取付穴65aが形成されている。そして、挿入穴52aから取付穴65aに亘り上方から下方に挿入されたパイプ49の下端部が、パイプ固定体である下部パイプ固定体69によりそれぞれ挿入穴52aおよび取付穴65aに固定されている。本実施の形態では、パイプ49の下端部には、下部パイプ固定体69により固定される下部パイプ被固定部70が形成されている。図示される例では、下部パイプ被固定部70はボルト部であり、下部パイプ固定体69はナットである。下部パイプ固定体69は、例えば固定部65の下部と上面部52の上部とで下部パイプ被固定部70に螺着されている。このように、複数の箇所で下部パイプ固定体69を下部パイプ被固定部70に螺着することで、仮に一方が緩んだとしても器具本体3の吊り状態を維持できる。
【0042】
また、下部パイプ被固定部70に対し、挿入穴52aおよび取付穴65aがそれぞれ大径に形成されている。そのため、下部パイプ固定体69の締結を緩めて、下部パイプ被固定部70を上面部52および固定部材63の固定部65に固定する位置を上下に移動させることが可能となっている。すなわち、本実施の形態のパイプ49と吊り具連結部48との連結構造は、上下方向の高さ調節機能を有する。
【0043】
側面部53は、照明装置1の長手方向に位置する対向側面部72と、対向側面部72に対して直交する方向、すなわち照明装置1の短手方向に位置する非対向側面部73と、を有する。本実施の形態では、対向側面部72が照明装置1の長手方向に対向して一対設定され、非対向側面部73が照明装置1の短手方向に対向して一対設定されている。図示される例では、各対向側面部72が本体部56に備えられ、各非対向側面部73がエンドカバー57に備えられているが、これに限らず、対向側面部72と非対向側面部73とは本体部56とエンドカバー57とに任意に割り振ることが可能である。
【0044】
対向側面部72は、器具本体3と吊り具5(吊り具連結部48)とを連結した状態で、短辺側立壁部14に重ねられて位置する。対向側面部72には、電線挿通穴72aが形成されている。電線挿通穴72aは、例えば照明装置1の短手方向に並んで複数形成されている。電線挿通穴72aは、器具本体3と吊り具5(吊り具連結部48)とを連結した状態で、器具本体3の短辺側立壁部14に形成された電線挿通穴14aと連通する。電線挿通穴72a,14aを介して、被設置部4側に配線される電源線を、パイプ49の内部から吊り具連結部48の内部を介して器具本体3内の空間部36へと引き込むことが可能となっている。
【0045】
また、対向側面部72には、器具本体3と吊り具5(吊り具連結部48)とを固定するための固定体である第二固定体75が取り付けられている。第二固定体75は、例えば頭部75aと軸部75bとを有する取付ねじである。第二固定体75は、対向側面部72の下部寄りの位置に配置されている。本実施の形態では、第二固定体75は、電線挿通穴72aに対して下方に離れて配置されている。また、第二固定体75は、例えば照明装置1の短手方向に並んで複数配置されている。第二固定体75は、対向側面部72に軸部75bが螺着され、頭部75aが対向側面部72の外側すなわち器具本体3側に露出している。本実施の形態では、軸部75bは、対向側面部72に形成された穴部72bに挿入されて対向側面部72の内側すなわち吊り具連結部48内にて締結具76に螺着されている。締結具76は、例えばナットである。図示される例では、締結具76は、対向側面部72に溶接固定されている。これに限らず、対向側面部72の穴部72b自体がねじ穴として形成されていてもよい。そして、第二固定体75は、器具本体3の短辺側立壁部14に形成された連結穴14bに挿入されて、頭部75aと締結具76との間で短辺側立壁部14と対向側面部72とを締め付け固定するように構成されている。連結穴14bは、上下方向に長いだるま穴形状(ひょうたん形状)に形成されている。連結穴14bは、器具本体3の第二取付部18に位置して形成されている。また、連結穴14bは、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2よりも下方に位置する。本実施の形態において、連結穴14bは、第二固定体75に対応して、照明装置1の短手方向に並んで複数配置されている。これら連結穴14bは、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2に対し、器具本体3の短手方向の外側に位置する。すなわち、連結穴14bおよび連結穴14bに締め付けられる第二固定体75は、第二取付部18への光源ユニット2の着脱方向である上下方向において、光源ユニット2の投影よりも外方、つまり第二取付部18への光源ユニット2の着脱範囲の外方にある。したがって、連結穴14bに締め付けられる第二固定体75は、第二取付部18における光源ユニット2の着脱を妨げない位置にある。
【0046】
さらに、対向側面部72,72間には、補強体78が架設されている。補強体78は、本体部56を補強するとともに、対向側面部72,72の間隙を保持する。補強体78は、第二固定体75の上方に位置する。補強体78は、板状に形成されている。補強体78は、必須の構成ではない。
【0047】
なお、図6(a)および図6(b)に示すように、吊り具5(吊り具5a)を挟んで複数の器具本体3を直線状に連ねて配置する場合、器具本体3,3間に位置する吊り具5(吊り具5a)の吊り具連結部48において、対向側面部72にはそれぞれ電線挿通穴72aおよび穴部72bが形成されるとともに第二固定体75が取り付けられているが、器具本体3,3間に挟まれない吊り具5(吊り具5b)の場合には、器具本体3に対向する側の対向側面部72にのみ電線挿通穴72a、穴部72b、第二固定体75が配置されていればよい。
【0048】
非対向側面部73は、本実施の形態において、本体部56の内部、つまり電源線などを覆うために配置されている。図示される例では、非対向側面部73,73の下端部が下面部54と連なってエンドカバー57を構成している。そのため、非対向側面部73には、エンドカバー57と本体部56とを着脱可能に取り付けるための取付体80が配置されている。取付体80は、例えばボルトである。取付体80は、非対向側面部73から突設された受け部81に例えば溶接されて受け部81から上方に突出する。受け部81は、板状に形成され、非対向側面部73の上端部寄りの位置に配置されている。そして、取付体80は、本体部56の上面部52に形成された挿通穴52bに下方から挿入され、上面部52の上部において、締結具83により締め付けられて、本体部56とエンドカバー57とを互いに固定するように構成されている。締結具83は、例えば蝶ナットであり、取付体80に対し、作業者が手作業で締め付けたり緩めたりすることが可能となっている。
【0049】
なお、図3および図4には、器具本体3間に挟まれることなく器具本体3の端部に位置する吊り具5(吊り具5b)の例を示しているため、エンドカバー57においては、非対向側面部73,73間に、本体部56の器具本体3とは反対側に位置する対向側面部72の外側を覆う立壁部85が形成されている。器具本体3,3間に挟まれる吊り具5(吊り具5a)の場合、この立壁部85は不要である。
【0050】
パイプ49は、所定長さを有する直管状に形成されている。パイプ49の内部を通じて、被設置部4側から吊り具連結部48を介して器具本体3へと、電源線が導入されるようになっている。パイプ49の下端部には、下部パイプ被固定部70が形成され、パイプ49の上端部には、上部パイプ被固定部87が形成されている。下部パイプ被固定部70は、パイプ49と吊り具連結部48とを接続する部分であり、上部パイプ被固定部87は、パイプ49と吊り具取付部50とを接続するための部分である。上部パイプ被固定部87は、パイプ固定体である上部パイプ固定体88により吊り具取付部50と固定される。図示される例では、上部パイプ被固定部87はボルト部であり、上部パイプ固定体88はナットである。
【0051】
図1および図3に示すように、上部パイプ固定体88によりパイプ49の上部パイプ被固定部87が固定される吊り具取付部50は、被設置部4の下面である被設置面4aに当接される被保持部90と、被設置部4に形成された被設置穴4bに挿入される被挿入部91と、を有する。本実施の形態において、吊り具取付部50は、例えば取付金具である。
【0052】
被保持部90は、被設置穴4bの周縁部において被設置面4aに対し上部が押し当てられ、被設置面4aに対し吊り具取付部50を安定的に支持する部分である。被保持部90には、パイプ49の上部パイプ被固定部87が挿通される挿通穴が形成されている。
【0053】
被挿入部91は、被保持部90の上部に重ねられている。被挿入部91は、被設置穴4bに下方から挿入されて被設置部4の背後の空間部に位置する。被挿入部91は、上端部が被設置部4側に対してナットなどの取付具93を介して固定されている。
【0054】
そして、被保持部90から被挿入部91に亘り挿通されたパイプ49の上部パイプ被固定部87に対し、被保持部90および被挿入部91において上下で上部パイプ固定体88が螺着されることで、パイプ49が吊り具取付部50に保持されるとともに、被保持部90と被挿入部91とが一体的に固定されている。このように、複数の箇所で上部パイプ固定体88を上部パイプ被固定部87に螺着することで、仮に一方が緩んだとしても器具本体3の吊り状態を維持できる。被保持部90と被挿入部91とは、例えばねじなどの補助取付具95により着脱可能に固定されている。被保持部90と被挿入部91とを着脱可能とすることで、施工が容易となっている。
【0055】
また、被保持部90を含む被設置部4の被設置穴4b周辺は、吊り具カバー97により下方から覆われている。吊り具カバー97は、上側が開口された四角形箱状に形成され、パイプ49の上端部側が底部に挿通されている。吊り具カバー97は、被設置面4aに対し、係止体であるストッパリング98により下方から押し当てられて保持されている。ストッパリング98は、パイプ49の上端部側が挿通されているとともに、パイプ49の外周面に固定されている。
【0056】
次に、このように構成された照明装置1を施工するには、まず、吊り具取付部50の被挿入部91を取付具93により被設置部4に対して取り付け、吊り具取付部50の被保持部90と別途形成されたパイプ49の上部パイプ被固定部87とを固定し、パイプ49内に電線を通してから、被保持部90を被挿入部91と固定する。また、パイプ49の下部パイプ被固定部70を、吊り具連結部48(本体部56)挿通穴52bおよび固定部材63の取付穴65aに挿入して下部パイプ固定体69により締め付け固定する。パイプ49には、被設置部4側の電源線を上端部から挿入し、内部に通して下端部から導出する。
【0057】
器具本体3は、予め接続金具42を固定して、各延出部38を各短辺側立壁部14の上部から長手方向の外方へと突出させた位置とする。この器具本体3を、長手方向の両端部において、吊り具連結部48の本体部56にそれぞれ取り付ける。すなわち、本体部56では、第二固定体75を緩めて頭部75aを対向側面部72から外方に離して位置させた状態とし、器具本体3の短辺側立壁部14の連結穴14bの大径部分に第二固定体75の頭部75aを挿入させた後、器具本体3を本体部56に対して上方にスライドさせて軸部75bを連結穴14bの小径部分へと相対的に移動させ、第二固定体75を仮締めする。これにより、吊り具5の吊り具連結部48(本体部56)の対向側面部72と器具本体3の短辺側立壁部14とが器具本体3の長手方向に互いに重なって対向する。
【0058】
この状態で、本体部56の上面部52から突出する第一固定体60が接続金具42の延出部38の接続穴38aに挿入されるとともに、通し穴38bに取付具67が挿入される。そこで、延出部38から突出した第一固定体60に締結具61を仮締めする。これにより、吊り具5の吊り具連結部48(本体部56)の上面部52と器具本体3の延出部38とが上下方向に互いに重なって対向する。吊り具連結部48(本体部56)および器具本体3が吊り具5によって被設置部4に仮吊りされる。
【0059】
必要に応じて、吊り具5は、パイプ49の下部パイプ被固定部70を下部パイプ固定体69によって延出部38および固定部材63に固定する高さを調整することで、器具本体3の高さや傾きを調節する。
【0060】
続いて、パイプ49の内部に挿通した電源線を、電線挿通穴72a,14aを通じて器具本体3の内部に引き込み、端子台32に電気的に接続する。
【0061】
必要に応じて、吊り具5の他側にも器具本体3を同様にして接続することで、吊り具5を挟んで器具本体3,3が長手方向に並んで位置する。
【0062】
吊り具連結部48については、本体部56の上面部52の下面にエンドカバー57の受け部81を下方から重ねるように組み合わせて取付体80を挿通穴52bに挿通させ、上面部52から上方に突出する取付体80に締結具83を締結することで、本体部56とエンドカバー57とが一体的に固定される。
【0063】
そして、器具本体3の配置、および、器具本体3と吊り具連結部48との隙間などを確認しつつ、締結具61と第二固定体75とをそれぞれ本締めする。このように、吊り具5の吊り具連結部48(本体部56)を、延出部38に対して第一固定体60および締結具61により上下方向に締結固定するとともに、短辺側立壁部14に対して延出部38よりも下方の位置で、第二固定体75および締結具76により上下方向とは異なる水平方向(長手方向)に締結して、器具本体3と固定する。
【0064】
続いて、光源ユニット2の取付ばね11を器具本体3の第一取付部17の取付部品26に引っ掛け、光源ユニット2を器具本体3の第一取付部17に仮止めした状態とする。この仮止めした状態で、電源部34の電源ユニット31からのケーブルと光源ユニット2の発光モジュール8からのケーブルとをコネクタ接続する。その後、光源ユニット2を押し込むと、取付ばね11のばね力の作用により光源ユニット2が器具本体3の第一取付部17に引き寄せられて取り付けられる。
【0065】
同様に、光源ユニット2の取付ばね11を器具本体3の第二取付部18の取付部品26に引っ掛け、光源ユニット2を器具本体3の第二取付部18に仮吊りした状態とする。この仮吊りした状態で、電源部34の電源ユニット31からのケーブルと光源ユニット2の発光モジュール8からのケーブルとをコネクタ接続する。その後、光源ユニット2を押し込むと、取付ばね11のばね力の作用により光源ユニット2が器具本体3の第二取付部18に引き上げられて取り付けられる。
【0066】
このようにして、照明装置1は、一対の吊り具5を介して被設置部4に吊下げ状態に施工される。
【0067】
上部の第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2から照射された光は、一部が第一反射板28の第一反射面28aに反射され、この反射光が、直接光とともに器具本体3の吊り具5による吊下げ構造などに遮られることなく第一開口部20から器具本体3の上方へと照射される。この第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2は、被設置面4a(天井面)などを照明する。
【0068】
また、下部の第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2から照射された光は、一部が第二反射板30の第二反射面30aに反射され、この反射光が、直接光とともに器具本体3の吊り具5による吊り下げ構造などに遮られることなく第二開口部21から器具本体3の下方へと照射される。
【0069】
また、光源ユニット2を着脱する際、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2は、取付ばね11のばね力に抗してそのまま上方へと引き上げることで第一取付部17から容易に取り外すことができる。同様に、第二取付部18に取り付けられた光源ユニット2は、取付ばね11のばね力に抗してそのまま下方へと引き下げることで第二取付部18から容易に取り外すことができる。
【0070】
このように、上部に開口された配光用の第一開口部20と第一取付部17とを有する長尺な器具本体3の長手方向の外方へと延出した延出部38に吊り具5を固定して被設置部4に対して器具本体3を吊下げ支持することで、例えばねじなどを器具本体3の長手方向の端部から長手方向に挿入して器具本体3と吊り具5とを固定する方法を取らずに器具本体3と吊り具5とを固定できる。そのため、光源ユニット2がねじなどと干渉しないように光源ユニット2の位置をねじから下方に距離を取った位置とする必要がないので、第一取付部17に取り付けられる光源ユニット2と第一開口部20とを近づけることができる。また、器具本体3の長手方向の端部から第一取付部17側に延出する部分がないので、光源ユニット2から射出される光を器具本体3の長手方向の端部の位置で妨げる構造がない。よって、第一取付部17に取り付けられた光源ユニット2から射出される光が、器具本体3の各立壁部13,14などによって反射および遮られることが少なく、良好な配光を得ることができる。
【0071】
また、延出部38が第一取付部17への光源ユニット2の着脱を妨げない位置にあるので、吊り具5から器具本体3を取り外すことなく、第一取付部17への光源ユニット2の着脱が可能となり、光源ユニット2の着脱が容易である。
【0072】
さらに、器具本体3には、第一開口部20と第二開口部21とを上下に開口し、これら第一開口部20および第二開口部21に連通して第一取付部17と第二取付部18とを形成しているので、各取付部17,18に取り付けた光源ユニット2,2によって、上下に配光できる。
【0073】
また、吊り具5を、延出部38に対して上下方向に締結するとともに、器具本体3の短辺側立壁部14に対して延出部38よりも下方の位置で上下方向と異なる方向に締結して、器具本体3と固定することで、器具本体3に対して吊り具5を強固に固定できる。しかも、吊り具5と器具本体3とを締結する第二固定体75は、第二取付部18への光源ユニット2の着脱を妨げない位置にあるため、吊り具5から器具本体3を取り外すことなく、第二取付部18への光源ユニット2の着脱が可能となり、光源ユニット2の着脱が容易である。
【0074】
さらに、パイプ49と吊り具連結部48との連結高さを調整可能であるため、吊り具5による器具本体3の吊下げ高さおよび傾きを調節可能となる。そのため、施工時に生じる高さや傾きのばらつきを抑制できるので、光源ユニット2の光を効率よく空間に射出可能となる。
【0075】
なお、上記一実施形態において、吊り具5と器具本体3の短辺側立壁部14との締結方向は、水平方向に限らず、上下方向以外の任意の方向としてよい。
【0076】
また、器具本体3は、少なくとも上部の開口部および取付部を備えていればよく、下部の開口部および取付部については、必須の構成ではない。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 照明装置
2 光源ユニット
3 器具本体
4 被設置部
5 吊り具
14 対向部である短辺側立壁部
17 取付部である第一取付部
18 取付部である第二取付部
20 開口部である第一開口部
21 開口部である第二開口部
38 延出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6