(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148754
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】機器制御システム、機器制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/00 20060101AFI20231005BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20231005BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61M21/00 A
A61B5/16 130
A61B5/11 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056949
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大田 将平
(72)【発明者】
【氏名】脇 有紀
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038PR01
4C038PR04
4C038VA04
4C038VB33
4C038VB35
4C038VC20
(57)【要約】
【課題】睡眠慣性を低減することができる機器制御システムを提供する。
【解決手段】機器制御システム200は、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定する睡眠パターン判定部123と、睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定する覚醒制御タイミング決定部124と、ユーザが仮眠する空間に設置された機器30が覚醒制御タイミングで覚醒制御を開始するように制御信号を出力する出力部125と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された前記睡眠段階を示すデータに基づいて前記ユーザの睡眠パターンを判定する睡眠パターン判定部と、
前記睡眠パターンに応じて前記ユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定する覚醒制御タイミング決定部と、
前記ユーザが仮眠する空間に設置された機器が前記覚醒制御タイミングで前記覚醒制御を開始するように制御信号を出力する出力部と、
を備える、
機器制御システム。
【請求項2】
前記睡眠パターン判定部は、前記睡眠段階を示すデータに基づいて、前記睡眠パターンが、深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、及び、前記深い睡眠パターンと前記浅い睡眠パターンとの中間の睡眠の深さである中間的深さの睡眠パターンのいずれに分類されるかを判定する、
請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記睡眠パターン判定部は、現在時刻が所定時刻を経過すると、前記ユーザが仮眠を開始してから前記所定時刻までの前記睡眠段階を示すデータに基づいて前記睡眠パターンの判定を行い、
前記睡眠パターンの判定では、前記睡眠段階を示すデータにおいて、
(i)ノンレム睡眠のステージ1及びステージ2の継続時間が第1時間以上であり、かつ、前記ノンレム睡眠のステージ3の継続時間が第2時間以上である場合、前記睡眠パターンは前記深い睡眠パターンに分類されると判定し、
前記(i)でなく、かつ、(ii)途中覚醒の回数が所定回数以上である、又は、前記ステージ3の継続時間が第3時間よりも短い場合、前記睡眠パターンは前記浅い睡眠パターンに分類されると判定し、
前記(i)でなく、かつ、前記(ii)でない場合、前記睡眠パターンは前記中間的深さの睡眠パターンに分類されると判定する、
請求項2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記覚醒制御タイミング決定部は、前記睡眠パターン判定部により前記睡眠パターンが前記深い睡眠パターンであると判定された場合、前記所定時刻以降に、前記睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3より浅い睡眠段階から前記ステージ3へ移行することを検知した場合に、直ちに前記覚醒制御を開始すると決定し、前記所定時刻以降に、前記睡眠段階が前記ステージ3より浅い睡眠段階から前記ステージ3へ移行することを検知しなかった場合に、前記ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで前記覚醒制御を開始すると決定する、
請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記覚醒制御タイミング決定部は、前記睡眠パターン判定部により前記睡眠パターンが前記浅い睡眠パターンであると判定された場合、前記ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで前記覚醒制御を開始すると決定する、
請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項6】
前記覚醒制御タイミング決定部は、前記睡眠パターン判定部により前記睡眠パターンが前記中間的深さの睡眠パターンであると判定された場合、前記所定時刻以降に、前記睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3より浅い睡眠段階を第4時間の間検知した場合に、前記覚醒制御を開始すると決定し、前記所定時刻以降に、前記睡眠段階が前記ステージ3より浅い睡眠段階を前記第4時間の間検知しなかった場合に、前記ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで前記覚醒制御を開始すると決定する、
請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項7】
前記深い睡眠パターンは、ノンレム睡眠とレム睡眠とが周期的に繰り返される周期的な深い睡眠パターンと、前記ノンレム睡眠と前記レム睡眠とが周期的に繰り返されない非周期的な深い睡眠パターンとを含み、
前記睡眠パターン判定部は、前記睡眠段階を示すデータにおいて、前記レム睡眠の継続時間が第5時間以上である場合、前記睡眠パターンは前記周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定し、前記レム睡眠の前記継続時間が前記第5時間より短い場合、前記(i)である場合に、前記睡眠パターンは前記非周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定する、
請求項3に記載の機器制御システム。
【請求項8】
前記覚醒制御タイミング決定部は、前記睡眠パターン判定部により前記睡眠パターンが前記周期的な深い睡眠パターンであると判定された場合、前記所定時刻以降に、前記睡眠段階が前記レム睡眠から前記レム睡眠よりも深い睡眠段階へ移行することを検知した場合に、直ちに前記覚醒制御を開始すると決定し、前記睡眠パターン判定部により前記睡眠パターンが前記非周期的な深い睡眠パターンであると判定された場合、前記所定時刻以降に、前記睡眠段階が前記ノンレム睡眠のステージ3より浅い睡眠段階から前記ステージ3へ移行することを検知した場合に、直ちに前記覚醒制御を開始すると決定する、
請求項7に記載の機器制御システム。
【請求項9】
さらに、前記睡眠パターンの判定を開始する判定開始タイミングを設定する設定部を備え、
前記設定部は、前記ユーザにより入力された前記判定開始タイミングの時刻を取得すると、前記時刻が前記所定時刻よりも遅い時刻である場合、前記判定開始タイミングを前記所定時刻から前記時刻に変更する、
請求項3~8のいずれか一項に記載の機器制御システム。
【請求項10】
さらに、
仮眠中の前記ユーザの生体信号を計測するデータ計測部と、
前記生体信号に基づいて前記ユーザの前記睡眠段階を推定する睡眠段階推定部と、
を備える、
請求項1~9のいずれか一項に記載の機器制御システム。
【請求項11】
仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、
取得された前記睡眠段階を示すデータに基づいて前記ユーザの睡眠パターンを判定し、
前記睡眠パターンに応じて前記ユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定し、
前記ユーザが仮眠する空間に設置された機器が前記覚醒制御タイミングで前記覚醒制御を開始するように制御信号を出力する、
機器制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の機器制御方法をコンピュータに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御システム、機器制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、覚醒後の睡眠慣性(いわゆる、寝ぼけ)を低減する覚醒方法が求められている。例えば、特許文献1には、就寝者の睡眠状態に基づいて、レム睡眠を検知し、かつ、深い睡眠ではないと判定された場合に就寝者に起床を報知することにより、就寝者に不適切なタイミングで起床を報知する可能性を低減する目覚まし装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の目覚まし装置は、仮眠などの短時間の睡眠では、レム睡眠が検知されない場合があり、適切なタイミングで就寝者に起床を報知できない場合があるため、睡眠慣性が生じる場合がある。
【0005】
本発明は、睡眠慣性を低減することができる機器制御システム、機器制御方法、及び、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る機器制御システムは、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された前記睡眠段階を示すデータに基づいて前記ユーザの睡眠パターンを判定する睡眠パターン判定部と、前記睡眠パターンに応じて前記ユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定する覚醒制御タイミング決定部と、前記ユーザが仮眠する空間に設置された機器が前記覚醒制御タイミングで前記覚醒制御を開始するように制御信号を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る機器制御方法は、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された前記睡眠段階を示すデータに基づいて前記ユーザの睡眠パターンを判定し、前記睡眠パターンに応じて前記ユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定し、前記ユーザが仮眠する空間に設置された機器が前記覚醒制御タイミングで前記覚醒制御を開始するように制御信号を出力する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記機器制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の機器制御システム、機器制御方法、及び、プログラムは、睡眠慣性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る機器制御システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、睡眠慣性について説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る機器制御システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る機器制御システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図5A】
図5Aは、起床予定時刻を設定する設定画面の一例を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、覚醒制御タイミングの決定処理の開始時刻を設定する設定画面の一例を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、覚醒制御タイミングの決定処理の開始時刻を設定する設定画面の他の例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図4のステップS04の処理の第1例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、
図4のステップS04の処理の第2例を示すフローチャートである。
【
図8A】
図8Aは、周期的な深い睡眠パターンの一例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、非周期的な深い睡眠パターンの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、浅い睡眠パターンの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、中間的深さの睡眠パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[1.概略]
実施の形態に係る機器制御システムの概要について説明する。
図1は、実施の形態に係る機器制御システムの概要を示す図である。
【0014】
機器制御システム200は、例えば、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定し、判定された睡眠パターンに応じて覚醒制御タイミングを決定し、決定されたタイミングでユーザに覚醒刺激を与えるように機器30を制御するシステムである。仮眠とは、短時間の睡眠であり、例えば、作業の途中で当該作業を中断して行われる睡眠であり、日中に活動している人が夜に取る長時間の睡眠よりも浅い睡眠である。例えば、機器30は、照明機器である。この場合、機器30がユーザに与える覚醒刺激は、光刺激である。なお、機器30は、照明機器に限られず、ユーザの五感に何らかの刺激を与えるものであればよく、例えば、空調機器、音響機器、又は、香り発生機器、もしくは、これらの機器のいずれかの組み合わせであってもよい。
【0015】
機器制御システム200では、制御装置100は、センサ10により取得されたセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータから生体信号を計測し、計測した生体信号に基づいてユーザの睡眠段階を推定してもよいが、これに限られない。例えば、制御装置100は、センサ10により推定されたユーザの睡眠段階を示すデータを取得してもよい。
【0016】
生体信号は、生体から取得される信号であり、生体の状態及び活動を表す信号を意味する。生体信号は、心電図信号、又は、筋電図信号のように直接電気信号として検出される信号と、体温、呼吸、脈波、いびき、又は、体動などのようにセンサ等の装置が取り扱いできる形式に変換された信号とを含む。ここでは、生体信号は、例えば、心拍、呼吸、及び、体動の少なくともいずれかを示す信号であってもよい。
【0017】
例えば、
図1に示されるように、センサ10は、シート型の体動センサであってもよい。この場合、センサ10は、生体信号として、仮眠中のユーザの心拍、呼吸、及び、体動を示す信号を取得してもよい。センサ10は、取得した生体信号を制御装置100へ出力してもよいし、取得した生体信号に基づいてユーザの睡眠段階を推定し、推定結果を制御装置100へ出力してもよい。例えば、センサ10は、生体信号を取得して、取得した生体信号を機械学習モデルに入力して得られる出力結果に基づいてユーザの睡眠段階を推定してもよいし、ルールベースのアルゴリズムを用いて生体信号からユーザの睡眠段階を推定してもよい。なお、機械学習モデルについては後述する。
【0018】
また、ユーザは、情報端末20を用いて、仮眠からの起床予定時刻、及び、覚醒制御の開始時刻などを設定してもよい。
【0019】
続いて、睡眠段階及び睡眠慣性について説明する。
図2は、睡眠慣性について説明するための図である。
図2に示されるように、睡眠段階は、睡眠の深さのレベルを示しており、浅い睡眠から深い睡眠にかけて、覚醒状態と、睡眠が浅く覚醒状態に近いレム睡眠状態と、レム睡眠状態と比べて睡眠が深いノンレム睡眠状態とに分けられる。ノンレム睡眠状態は、眠りの深さによってさらに数段階、例えば、3つ又は4つの段階に分類されてもよい。ここでは、ノンレム睡眠状態は、眠りが浅い順に、ノンレム睡眠のステージ1(N1)、ステージ2(N2)、及び、ステージ3(N3)の3つの段階に分類される。
【0020】
ユーザは、例えば、深い睡眠状態にあるとき(図中のAで囲まれた睡眠の深さ)に覚醒すると、睡眠慣性に陥りやすい。睡眠慣性(言い換えると、寝ぼけ)は、ユーザが覚醒直後に眠気又は気だるさが強く残り脳の働きが悪い状態に陥ることである。一方、ユーザは、例えば、浅い睡眠状態にあるとき(図中のBで囲まれた睡眠の深さ)に覚醒すると、睡眠慣性に陥りにくくなる。
【0021】
[2.構成]
続いて、機器制御システム200の構成について説明する。
図3は、実施の形態に係る機器制御システム200の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、
図3に示される機能構成は、あくまでも一例であり、これに限定されない。
【0022】
図3に示されるように、機器制御システム200は、例えば、センサ10と、情報端末20と、機器30と、制御装置100とを備える。以下、各構成について説明する。
【0023】
[2-1.センサ]
センサ10は、例えば、仮眠中のユーザの生体信号を取得して、取得された生体信号を制御装置100へ出力する。上述したように、生体信号は、例えば、心拍、呼吸、及び、体動の少なくともいずれかを示す信号であるが、特に限定されない。例えば、生体信号は、脳波、脈拍、眼球運動、血圧、又は、発汗などを示す信号であってもよい。
【0024】
センサ10は、例えば、腕時計型センサのようにユーザに装着される、又は、シート型センサのようにユーザの身体の一部に接触する接触型のセンサであるが、電波センサのようにユーザに対して非接触でセンシングを行う非接触型のセンサであってもよい。例えば、呼吸数、脈拍数、心拍数及び体動量は、ユーザに向けて電波を送信する電波センサによっても取得可能である。
【0025】
[2-2.情報端末]
情報端末20は、例えば、ユーザが使用する、スマートフォン、又は、タブレット端末などの携帯型の情報端末である。情報端末20は、具体的には、ユーザの入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能してもよい。情報端末20は、専用のコントローラであってもよいし、その他の装置であってもよい。
【0026】
[2-3.機器]
機器30は、ユーザが仮眠する空間内に設置されている機器であり、ユーザを覚醒させる刺激(覚醒刺激ともいう)を与える機器である。機器30は、例えば、照明機器、空調機器、音響機器、又は、香り発生機器などであってもよい。機器30は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の機器30は、同じ種類の機器であってもよいし、異なる種類の機器であってもよい。
【0027】
照明機器は、ユーザに光刺激を与える。照明機器は、例えば、調光(明るさの調整)及び調色(色温度の調整)に対応した照明機器であってもよい。また、照明機器は、例えば、室内に設置された照明機器であるが、ユーザに光刺激を与えることができればよく、例えば、スタンドライトでもよい。
【0028】
空調機器は、ユーザに温度刺激を与える。空調機器は、例えば、ユーザに対して冷風又は温風を送風してもよいし、室内空間の温度を所定の温度(例えば、3度)上げる又は下げる制御を行ってもよい。
【0029】
音響機器は、ユーザに音刺激を与える。音響機器は、例えば、室内に設置されたスピーカであるが、ユーザに音刺激を与えることができればよく、例えば、情報端末20に搭載されたスピーカであってもよいし、イヤフォンであってもよい。音刺激は、例えば、自然の音(鳥のさえずり、又は、川のせせらぎなど)又は、ユーザが好む音楽などであってもよい。
【0030】
香り発生機器は、ユーザに香刺激を与える。香り発生機器は、例えば、アロマディフューザーであってもよい。香刺激は、ミント系又は柑橘系などの爽やかな香りであってもよいし、ユーザが好む香りであってもよい。
【0031】
[2-4.制御装置]
制御装置100は、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定し、判定された睡眠パターンに応じて覚醒制御を開始するタイミングを決定し、決定されたタイミングで機器30が覚醒制御を開始するように制御信号を出力する。
図3の例では、制御装置100は、センサ10により取得されたユーザの生体信号を取得し、取得された生体信号を計測し、計測された生体信号に基づいてユーザの睡眠段階を推定するが、センサ10により推定されたユーザの睡眠段階を取得してもよい。制御装置100は、具体的には、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォン又はタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。制御装置100は、例えば、通信部110と、情報処理部120と、記憶部130と、学習部140と、設定部150とを備える。
【0032】
[通信部]
通信部110は、センサ10により取得された生体信号、及び、情報端末20により受け付けられたユーザの指示などを受信する。通信部110は、具体的には、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。通信部110によって行われる通信の通信規格は、特に限定されない。
【0033】
[情報処理部]
情報処理部120は、通信部110によって受信されたデータ(例えば、生体信号又は睡眠段階を示すデータなど)を取得して、ユーザの睡眠パターンに応じた覚醒制御のタイミングを決定し、決定されたタイミングで機器30を制御するための情報処理を行う。情報処理部120は、具体的には、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。情報処理部120は、マイクロコンピュータ、プロセッサ、及び専用回路のうち2つ以上の組み合わせによって実現されてもよい。情報処理部120は、例えば、データ計測部121と、睡眠段階推定部122と、睡眠パターン判定部123と、覚醒制御タイミング決定部124と、出力部125とを備える。
【0034】
データ計測部121は、例えば、仮眠中のユーザの生体信号を計測する。生体信号は、例えば、心拍、呼吸及び体動の少なくともいずれかを示す信号であるが、脳波、脈拍、眼球運動、血圧、又は、発汗などを示す信号であってもよい。
【0035】
睡眠段階推定部122は、生体信号に基づいてユーザの睡眠段階を推定する。例えば、睡眠段階推定部122は、データ計測部121により計測された生体信号に基づいて、ユーザの睡眠段階をリアルタイムに推定してもよい。例えば、睡眠段階推定部122は、心拍を示す信号に基づいて、ユーザの心拍数が多いほど浅い睡眠状態であり、ユーザの心拍数が少ないほど深い睡眠状態であると推定する。なお、脈拍数に基づく睡眠段階の推定も心拍数と同様である。また、例えば、睡眠段階推定部122は、呼吸を示す信号に基づいて、ユーザの呼吸数が多いほど浅い睡眠状態であり、ユーザの呼吸数が少ないほど深い睡眠状態であると推定する。また、例えば、睡眠段階推定部122は、体動を示す信号に基づいて、ユーザの体動の出現が多いほど浅い睡眠状態であり、ユーザの体動の出現が少ないほど深い睡眠状態であると推定する。
【0036】
また、眼球運動が多いほど浅い睡眠状態であり、眼球運動が少ないほど深い睡眠状態であると推定される。また、血圧が高いほど浅い睡眠状態であり、血圧が低いほど深い睡眠状態であると推定される。
【0037】
なお、睡眠段階推定部122は、上記のように所定のアルゴリズムに基づいて、生体信号からユーザの睡眠段階を推定してもよいし、機械学習モデル(例えば、学習済みモデル132)を用いてユーザの睡眠段階を推定してもよい。
【0038】
睡眠パターン判定部123は、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定する。睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータに基づいて、ユーザの睡眠パターンが深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、及び、深い睡眠パターンと浅い睡眠パターンとの中間の睡眠の深さである中間的深さの睡眠パターンのいずれに分類されるかを判定する。より具体的には、睡眠パターン判定部123は、現在時刻が所定時刻を経過すると、ユーザが仮眠を開始してから所定時刻までの睡眠段階を示すデータに基づいて睡眠パターンの判定を行う。なお、パターン判定処理を開始するトリガーは、現在時刻に限られず、例えば、仮眠開始から所定時間(例えば、2時間の仮眠の場合、80分、又は、110分)後、仮眠終了時間(又は、起床予定時刻ともいう)より所定時間(例えば、40分、又は、10分)前などのようにカウントアップ又はカウントダウンされた時間であってもよい。
【0039】
例えば、睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータにおいて、(i)ノンレム睡眠のステージ1(N1)及びステージ2(N2)の継続時間(N1+N2の継続時間)が第1時間(例えば、20分)以上であり、かつ、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第2時間(例えば、15分)以上である場合、ユーザの睡眠パターンは深い睡眠パターンに分類されると判定する。また、例えば、睡眠パターン判定部123は、上記(i)ではなく、かつ、(ii)途中覚醒の回数が所定回数(例えば、10回)以上である、又は、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第3時間(例えば、1分)よりも短い場合、ユーザの睡眠パターンは浅い睡眠パターンに分類されると判定する。また、例えば、睡眠パターン判定部123は、上記(i)でなく、かつ、上記(ii)でない場合、ユーザの睡眠パターンは中間的深さの睡眠パターンに分類されると判定する。
【0040】
さらに、深い睡眠パターンは、ノンレム睡眠とレム睡眠とが周期的に繰り返される周期的な深い睡眠パターンと、ノンレム睡眠とレム睡眠とが周期的に繰り返されない(言い換えると、レム睡眠状態が見られない)非周期的な深い睡眠パターンとを含んでもよい。この場合、睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータに基づいて、ユーザの睡眠パターンが周期的な深い睡眠パターン、非周期的な深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、及び、中間的深さの睡眠パターンのいずれに分類されるかを判定する。より具体的には、睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータにおいて、レム睡眠の継続時間が第5時間(例えば、1分)以上である場合、ユーザの睡眠パターンは、周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定し、レム睡眠の継続時間が第5時間より短い場合、上記(i)である場合に、ユーザの睡眠パターンは非周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定する。浅い睡眠パターン及び中間的深さの睡眠パターンの判定については、上述の説明と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する。覚醒刺激は、ユーザを睡眠から覚醒させるために与える刺激であり、例えば、光刺激、温度刺激、音刺激もしくは香刺激、又は、これらの刺激の組み合わせであってもよい。例えば、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが深い睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階(例えば、レム睡眠、ノンレム睡眠のステージ1又は2)からノンレム睡眠のステージ3(N3)へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定し、所定時刻以降に、睡眠段階がステージ3(N3)より浅い睡眠段階からステージ3(N3)へ移行することを検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻までに起床できるタイミングで(例えば、起床予定時刻の5分前に)覚醒制御を開始すると決定する。また、例えば、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが浅い睡眠パターンであると判定された場合、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで(例えば、起床予定時刻の5分前に)覚醒制御を開始すると決定する。また、例えば、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが中間的深さの睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階を第4時間(例えば、2分)の間検知した場合に、覚醒制御を開始すると決定し、ノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階を第4時間(例えば、2分)の間検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで(例えば、起床予定時刻の5分前に)覚醒制御を開始すると決定する。
【0042】
なお、深い睡眠パターンが周期的に深い睡眠パターンと非周期的に深い睡眠パターンとに分類される場合、覚醒制御タイミング決定部124は、以下のように覚醒制御タイミングを決定してもよい。
【0043】
例えば、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが周期的な深い睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、ユーザの睡眠段階がレム睡眠からレム睡眠よりも深い睡眠段階へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定してもよい。また、例えば、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが非周期的な睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、ユーザの睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階からノンレム睡眠のステージ3(N3)へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定してもよい。
【0044】
出力部125は、ユーザが仮眠する空間に設置された機器30が覚醒制御タイミング決定部124により決定されたタイミングで覚醒制御を開始するように制御信号を出力する。
【0045】
[記憶部]
記憶部130は、情報処理部120が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。例えば、記憶部130には、仮眠時間と、覚醒制御タイミングと、機器30がユーザに覚醒刺激を与えるための制御条件とが紐づけられたデータベース131などが記憶される。また、データベース131には、覚醒制御に対するユーザのフィードバックが紐づけられて記憶されてもよい。また、データベース131には、ユーザを識別するユーザIDが紐づけられてもよい。記憶部130は、具体的には、半導体メモリまたはHDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。
【0046】
また、記憶部130には、学習済みモデル132が記憶されてもよい。学習済みモデル132は、例えば、生体信号を入力として睡眠段階を出力するモデルである。学習済みモデル132は、学習部140により教師データを用いて機械学習された機械学習モデルである。使用される機械学習モデルは、具体的には、ニューラルネットワーク(NN)であり、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再起型ニューラルネットワーク(RNN)、又は、LSTM(Long-Short Term Memory)であってもよい。
【0047】
記憶部130には、機械学習に使用される教師データ(不図示)が記憶されてもよい。教師データは、例えば、生体信号のスペクトログラムの画像に対して、覚醒状態、レム睡眠状態、ノンレム睡眠状態のステージ1(N1)、ステージ2(N2)、及び、ステージ3(N3)の5つの睡眠段階を示す分類情報を付与することにより作成される。また、例えば、教師データは、入力データとして生体信号の時系列の数値データと、出力データとして睡眠段階との組を含むデータセットであってもよい。
【0048】
[学習部]
学習部140は、教師データを用いて機械学習する。学習部140は、機械学習により、ユーザの生体信号を入力とし、ユーザの睡眠段階を出力する機械学習モデルを生成する。学習部140は、学習済みの機械学習モデル(学習済みモデル132)を記憶部130に格納することで、機械学習モデルを更新する。学習部140は、例えば、プロセッサが記憶部130に記憶されているプログラムを実行することで実現される。
【0049】
なお、ここでは、制御装置100の学習部140が学習済みの機械学習モデルを生成し、生成された学習済みの機械学習モデルを記憶部130に格納することで機械学習モデルの更新を行う例を説明したが、この例に限られない。例えば、外部に設けられたクラウドサーバで学習済みの機械学習モデルが生成され、クラウドサーバが学習済みの機械学習モデルを制御装置100へ送信して機械学習モデルを更新してもよい。
【0050】
[設定部]
設定部150は、例えば、ユーザの睡眠パターンの判定を開始する判定開始タイミングを設定する。より具体的には、設定部150は、情報端末20からユーザにより入力された睡眠段階のパターンの判定を開始するタイミング(以下、判定開始タイミングともいう)の時刻を取得すると、当該時刻が所定時刻よりも遅い時刻である場合、判定開始タイミングを所定時刻から当該時刻に変更してもよい。ここでは、ユーザの睡眠パターンの判定処理と覚醒制御のタイミングの決定処理とが同時に開始されるが、これらの処理は同時に開始されなくてもよい。例えば、ユーザの睡眠パターンの判定処理が開始された所定時間後に、覚醒制御のタイミングの決定処理が開始されてもよい。この場合、ユーザは、覚醒制御のタイミングの決定処理の開始時刻を、情報端末20を用いて入力し、入力された開始時刻よりが予め設定されている覚醒制御のタイミングの決定処理の開始時刻よりも遅い時刻である場合、覚醒制御のタイミングの決定処理の開始時刻をユーザにより入力された開始時刻に変更してもよい。つまり、ユーザが機器制御システム200によりどの程度早めに覚醒制御が開始されても許容できるかを入力することで、設定部150は、上記のタイミング(判定開始タイミング又は覚醒制御タイミングの決定処理の開始タイミング)をユーザの嗜好に合わせて設定することができる。
【0051】
[3.動作]
続いて、実施の形態に係る機器制御システム200の動作例について説明する。
図4は、実施の形態に係る機器制御システム200の動作例を示すフローチャートである。
図5Aは、起床予定時刻を設定する設定画面の一例を示す図である。
図5Bは、覚醒制御タイミングの決定処理の開始時刻を設定する設定画面の一例を示す図である。
図5Cは、覚醒制御タイミングの決定処理の開始時刻を設定する設定画面の他の例を示す図である。
【0052】
[3-1.プログラム開始前の設定処理]
図4に図示されていないが、ユーザが情報端末20に起床予定時刻を入力し、制御開始の指示を入力すると、制御装置100は記憶部130に記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って動作を開始する。記憶部130には、例えば、仮眠時間の長さ毎に設定されたプログラムが記憶されている。このとき、例えば、
図5Aに示されるように、ユーザは、情報端末20の表示部に表示された設定画面で起床予定時刻を設定する場合、「仮眠終了時刻」のタブをタッチし、仮眠終了時刻を入力した後、「設定」ボタンをタッチすると、情報端末20は、設定画面に入力された情報を制御装置100へ出力する。次に、
図5Bに示される、「いいえ」ボタンをタッチして、「実行」ボタンをタッチすると、制御装置100は、記憶部130に記憶されたプログラムに従って動作を開始する。つまり、制御装置100は、プログラムで予め設定されたタイミングで睡眠パターンの判定処理及び覚醒制御のタイミングの決定処理を開始するように動作する。
【0053】
このとき、例えば、
図5Bに示されるように、ユーザが所望のタイミングに覚醒制御のタイミングの決定処理の開始タイミングを変更する場合、「覚醒開始時刻」のタブをタッチして、「はい」ボタンをタッチすると、
図5Cに示される入力画面が表示される。ユーザは、覚醒制御のタイミングの決定処理の開始タイミング(例えば、仮眠終了時刻の10分前)を入力し、「設定」ボタンをタッチすると、情報端末20は、覚醒制御のタイミングの決定処理の開始タイミングを制御装置100へ出力する。
【0054】
このように、ユーザが所望のタイミングを入力した場合、制御装置100の設定部150は、デフォルトのタイミングとユーザにより入力されたタイミングとを比較して、ユーザがより長く睡眠時間を取れるタイミングを睡眠パターンの判定処理の開始タイミング及び覚醒制御のタイミングの決定処理の開始タイミングに設定してもよい。
【0055】
図示されていないが、ユーザが「設定」ボタンをタッチした後、ユーザが入力したタイミングが採用されない場合、設定画面にその旨の通知が表示されてもよい。採用されない旨の通知が表示されない場合、ユーザが設定画面で「実行」ボタンをタッチすると、制御装置100は、設定部150により設定されたタイミング(ここでは、ユーザが入力したタイミング)で睡眠パターンの判定処理を開始するように動作を開始する。
【0056】
[3-2.システムの基本動作]
制御装置100が動作を開始すると、制御装置100の情報処理部120は、通信部110を介して、センサ10から送信されたセンシングデータを取得する(S01)。
【0057】
次に、制御装置100のデータ計測部121は、生体信号を計測する(S02)。
【0058】
次に、制御装置100の睡眠段階推定部122は、生体信号に基づいてユーザの睡眠段階を推定する(S03)。
【0059】
次に、制御装置100の睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータを取得し、取得された睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定する(S04)。
【0060】
次に、制御装置100の覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定する(S05)。
【0061】
次に、制御装置100の出力部125は、ユーザが仮眠する空間に設置された機器30が覚醒制御タイミングで覚醒制御を開始するように制御信号を出力する(S06)。
【0062】
[3-3.睡眠パターンの判定処理]
以下、睡眠パターンの判定処理(S04)について第1例及び第2例を挙げてより具体的に説明する。以下では、仮眠時間を2時間とし、デフォルトのタイミングで(例えば、仮眠終了時刻の40分前に)睡眠パターンの判定処理を開始する動作例について説明する。例えば、仮眠終了時刻は、
図5Aに示されるように、夜中の2時とすると、睡眠パターンの判定処理の開始のタイミングは、1時20分である。
【0063】
[第1例]
第1例は、睡眠パターン判定部123がユーザの睡眠パターンを3つの睡眠パターン(深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、中間的深さの睡眠パターン)のいずれに分類されるかを判定する例を示す。第2例は、睡眠パターン判定部123がユーザの睡眠パターンを4つの睡眠パターン(周期的な深い睡眠パターン、非周期的な深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、中間的深さの睡眠パターン)のいずれに分類されるかを判定する例を示す。
図6は、
図4のステップS04の処理の第1例を示すフローチャートである。
【0064】
図6に示されるように、睡眠パターン判定部123は、現在時刻が所定時刻(ここでは、1時20分)を経過したか否かを判定し(S11)、現在時刻が所定時刻を経過していないと判定された場合(S11でNo)、ステップS11の処理を繰り返す。一方、睡眠パターン判定部123は、現在時刻が所定時刻を経過したと判定した場合(S11でYes)、ユーザが仮眠を開始してから所定時刻までの睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定する(S12~S16)。例えば、睡眠パターン判定部123は、ノンレム睡眠のステージ1(N1)及びステージ2(N2)の継続時間(つまり、N1+N2の継続時間)が第1時間(例えば、20分)以上であり、かつ、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第2時間以上であるか否かを判定し(S12)、(i)N1+N2の継続時間が第1時間以上であり、かつ、N3の継続時間が第2時間以上であると判定された場合(S12でYes)、ユーザの睡眠パターンが深い睡眠パターンに分類されると判定する(S13)。
【0065】
一方、睡眠パターン判定部123は、上記(i)でないと判定された場合(S12でNo)、途中覚醒の回数が所定回数以上である、又は、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第3時間よりも短いか否かを判定し(S14)、(ii)途中覚醒の回数が所定回数以上である、又は、N3の継続時間が第3時間よりも短いと判定された場合(S14でYes)、ユーザの睡眠パターンが浅い睡眠パターンに分類されると判定する(S15)。
【0066】
一方、睡眠パターン判定部123は、上記(i)でなく(S12でNo)、かつ、上記(ii)でないと判定された場合(S14でNo)、ユーザの睡眠パターンが中間的深さの睡眠パターンに分類されると判定する(S16)。
【0067】
[第2例]
第2例は、睡眠パターン判定部123がユーザの睡眠パターンを4つの睡眠パターン(周期的な深い睡眠パターン、非周期的な深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、中間的深さの睡眠パターン)のいずれに分類されるかを判定する例を示す。
図7は、
図4のステップS04の処理の第2例を示すフローチャートである。
図7では、
図6に示される処理と同じ処理については同じステップ番号を付し、ここでの説明を省略又は簡略化する。
【0068】
図7に示されるように、睡眠パターン判定部123は、現在時刻が所定時刻(例えば、1時20分)を経過したか否かを判定し(S11)、現在時刻が所定時刻を経過していないと判定された場合(S11でNo)、ステップS11の処理を繰り返す。一方、睡眠パターン判定部123は、現在時刻が所定時刻を経過したと判定した場合(S11でYes)、レム睡眠(REM)の継続時間が第5時間以上であるか否かを判定する(S21)。
【0069】
睡眠パターン判定部123は、レム睡眠の継続時間が第5時間以上であると判定した場合(S21でYes)、ユーザの睡眠パターンが周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定する(S22)。一方、睡眠パターン判定部123は、レム睡眠の継続時間が第5時間よりも短いと判定した場合(S21でNo)、ノンレム睡眠のステージ1(N1)及びステージ2(N2)の継続時間(つまり、N1+N2の継続時間)が第1時間(例えば、20分)以上であり、かつ、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第2時間以上であるか否かを判定し(S12)、(i)N1+N2の継続時間が第1時間以上であり、かつ、N3の継続時間が第2時間以上であると判定された場合(S12でYes)、ユーザの睡眠パターンが非周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定する(S23)。
【0070】
一方、睡眠パターン判定部123は、上記(i)でないと判定された場合(S12でNo)、途中覚醒の回数が所定回数以上である、又は、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第3時間よりも短いか否かを判定し(S14)、(ii)途中覚醒の回数が所定回数以上である、又は、N3の継続時間が第3時間よりも短いと判定された場合(S14でYes)、ユーザの睡眠パターンが浅い睡眠パターンに分類されると判定する(S15)。
【0071】
一方、睡眠パターン判定部123は、上記(i)でなく(S12でNo)、かつ、上記(ii)でないと判定された場合(S14でNo)、ユーザの睡眠パターンが中間的深さの睡眠パターンに分類されると判定する(S16)。
【0072】
[3-4.覚醒制御タイミングの決定処理]
続いて、覚醒制御タイミングの決定処理(
図4のS05)について
図8A~
図10を参照しながら具体的に説明する。
【0073】
[深い睡眠パターンについて]
まず、深い睡眠パターンに対する覚醒制御タイミングの決定処理について説明する。深い睡眠パターンは、さらに、周期的な深い睡眠パターンと非周期的な深い睡眠パターンとに分類される。
図8Aは、周期的な深い睡眠パターンの一例を示す図である。
図8Bは、非周期的な深い睡眠パターンの一例を示す図である。
【0074】
例えば、パターン判定処理の第1例(
図6参照)において、ユーザの睡眠パターンが深い睡眠パターンに分類されると判定された場合、覚醒制御タイミング決定部124は、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)(
図8A及び
図8B中の睡眠段階=-3)より浅い睡眠段階からステージ3(N3)へ移行すること(
図8A及び
図8B中の点P1)を検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定する。
【0075】
一方、覚醒制御タイミング決定部124は、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階からステージ3(N3)へ移行すること(例えば、点P1)を検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで(
図8A及び
図8B中のT
F)覚醒制御を開始すると決定する。ここでは、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングは、起床予定時刻の5分前である(つまり、T
F=115分)。
【0076】
なお、
図8Bに示されるように、パターン判定処理の第2例(
図7参照)において、ユーザの睡眠パターンが非周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定された場合、覚醒制御タイミング決定部124は、深い睡眠パターンと同様に、覚醒制御のタイミングを決定する。
【0077】
[周期的な深い睡眠パターンについて]
続いて、周期的な深い睡眠パターンに対する覚醒制御タイミングの決定処理について説明する。例えば、パターン判定処理の第2例(
図7参照)において、ユーザの睡眠パターンが周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定された場合、覚醒制御タイミング決定部124は、所定時刻以降に、睡眠段階がレム睡眠(
図8A中の睡眠段階=0)からレム睡眠(
図8A中の点P2)よりも深い睡眠段階へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定する。
【0078】
一方、覚醒制御タイミング決定部124は、所定時刻以降に、睡眠段階がレム睡眠(
図8A中の睡眠段階=0)からレム睡眠(
図8A中の点P2)よりも深い睡眠段階へ移行することを検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで(
図8A中のT
F=115分)覚醒制御を開始すると決定する。
【0079】
[浅い睡眠パターンについて]
続いて、浅い睡眠パターンに対する覚醒制御タイミングの決定処理について説明する。
図9は、浅い睡眠パターンの一例を示す図である。
【0080】
ユーザの睡眠パターンが浅い睡眠パターンに分類されると判定された場合、覚醒制御タイミング決定部124は、例えば、
図9に示されるように、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで(
図9中の点P3及びT
F)覚醒制御を開始すると決定する。ここでは、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングは、起床予定時刻の5分前である(つまり、T
F=115分)。
【0081】
[中間的深さの睡眠パターンについて]
続いて、中間的深さの睡眠パターンに対する覚醒制御タイミングの決定処理について説明する。
図10は、中間的深さの睡眠パターンの一例を示す図である。
【0082】
覚醒制御タイミング決定部124は、ユーザの睡眠パターンが中間的深さの睡眠パターンに分類されると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階を第4時間(
図10中のT4)の間検知した場合に、覚醒制御を開始すると判定する。
【0083】
一方、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階を第4時間(T4)の間検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミングで(
図10中のT
F)覚醒制御を開始すると決定する。
【0084】
[4.効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る機器制御システム200は、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定する睡眠パターン判定部123と、睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定する覚醒制御タイミング決定部124と、ユーザが仮眠する空間に設置された機器30が覚醒制御タイミングで覚醒制御を開始するように制御信号を出力する出力部125と、を備える。
【0085】
これにより、機器制御システム200は、ユーザの睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与えるタイミングを決定するため、適切なタイミングでユーザに覚醒刺激を与えることができる。そのため、機器制御システム200は、睡眠慣性を低減することができる。
【0086】
また、睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータに基づいて、睡眠パターンが、深い睡眠パターン、浅い睡眠パターン、及び、深い睡眠パターンと浅い睡眠パターンとの中間の睡眠の深さである中間的深さの睡眠パターンのいずれに分類されるかを判定してもよい。
【0087】
これにより、機器制御システム200は、ユーザの睡眠の深さに応じて分類された睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与えるタイミングを決定することができる。そのため、機器制御システム200は、睡眠パターンに応じてより適切なタイミングでユーザに覚醒刺激を与えることができる。
【0088】
また、睡眠パターン判定部123は、現在時刻が所定時刻を経過すると、ユーザが仮眠を開始してから所定時刻までの睡眠段階を示すデータに基づいて睡眠パターンの判定を行い、睡眠パターンの判定では、睡眠段階を示すデータにおいて、(i)ノンレム睡眠のステージ1(N1)及びステージ2(N2)の継続時間が第1時間以上であり、かつ、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第2時間以上である場合、ユーザの睡眠パターンは深い睡眠パターンに分類されると判定し、上記(i)でなく、かつ、(ii)途中覚醒の回数が所定回数以上である、又は、ノンレム睡眠のステージ3(N3)の継続時間が第3時間よりも短い場合、ユーザの睡眠パターンは浅い睡眠パターンに分類されると判定し、上記(i)でなく、かつ、上記(ii)でない場合、ユーザの睡眠パターンは中間的深さの睡眠パターンに分類されると判定してもよい。
【0089】
これにより、機器制御システム200は、睡眠段階の推移に基づいてユーザの睡眠パターンを分類することができる。
【0090】
また、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが深い睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階からノンレム睡眠のステージ3(N3)へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定し、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階からノンレム睡眠のステージ3(N3)へ移行することを検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミング(TF)で覚醒制御を開始すると決定してもよい。
【0091】
これにより、機器制御システム200は、ユーザがノンレム睡眠のステージ3(N3)よりも浅い睡眠段階でユーザに覚醒刺激が与えられるため、睡眠慣性を低減することができる。また、機器制御システム200は、ユーザの睡眠時間をより長く確保することができる。
【0092】
また、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが浅い睡眠パターンであると判定された場合、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミング(TF)で覚醒制御を開始すると決定してもよい。
【0093】
これにより、機器制御システム200は、ユーザの睡眠時間をより長く確保することができる。
【0094】
また、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが中間的深さの睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階を第4時間の間検知した場合に、覚醒制御を開始すると決定し、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階を第4時間の間検知しなかった場合に、ユーザが起床予定時刻に起床できるタイミング(TF)で覚醒制御を開始すると決定してもよい。
【0095】
これにより、機器制御システム200は、ノンレム睡眠のステージ3(N3)よりも浅い睡眠段階でユーザに覚醒刺激を与えることができるため、睡眠慣性を低減することができる。また、機器制御システム200は、ユーザの睡眠時間をより長く確保することができる。
【0096】
また、深い睡眠パターンは、ノンレム睡眠とレム睡眠とが周期的に繰り返される周期的な深い睡眠パターンと、ノンレム睡眠とレム睡眠とが周期的に繰り返されない非周期的な深い睡眠パターンとを含み、睡眠パターン判定部123は、睡眠段階を示すデータにおいて、レム睡眠の継続時間が第5時間以上である場合、ユーザの睡眠パターンは周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定し、レム睡眠の継続時間が第5時間より短い場合、上記(i)である場合に、ユーザの睡眠パターンは非周期的な深い睡眠パターンに分類されると判定してもよい。
【0097】
これにより、機器制御システム200は、深い睡眠パターンを、さらに、周期的に現れる周期的な深い睡眠パターンと、非周期的な深い睡眠パターンとに分類することができるため、より適切なタイミングでユーザに覚醒刺激を与えることができる。
【0098】
また、覚醒制御タイミング決定部124は、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが周期的な深い睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がレム睡眠からレム睡眠よりも深い睡眠段階へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定し、睡眠パターン判定部123によりユーザの睡眠パターンが非周期的な深い睡眠パターンであると判定された場合、所定時刻以降に、睡眠段階がノンレム睡眠のステージ3(N3)より浅い睡眠段階からノンレム睡眠のステージ3(N3)へ移行することを検知した場合に、直ちに覚醒制御を開始すると決定してもよい。
【0099】
これにより、機器制御システム200は、ユーザの睡眠パターンが周期的な深い睡眠パターンである場合に、レム睡眠の検出をトリガーとして覚醒制御のタイミングを決定することができるため、適切なタイミングでユーザに覚醒刺激を与えることができる。また、機器制御システム200は、ユーザの睡眠パターンが非周期的な深い睡眠パターンである場合に、浅い睡眠段階から深い睡眠段階(N3)への移行を検知してすぐに覚醒制御を開始するため、ユーザが深い睡眠状態に入る前にユーザに覚醒刺激を与えることができる。したがって、機器制御システム200は、睡眠慣性を低減することができる。
【0100】
また、機器制御システム200は、さらに、睡眠パターンの判定を開始する判定開始タイミングを設定する設定部150を備え、設定部150は、ユーザにより入力された判定開始タイミングの時刻を取得すると、当該時刻が所定時刻よりも遅い時刻である場合、判定開始タイミングを所定時刻から当該時刻に変更してもよい。
【0101】
これにより、機器制御システム200は、ユーザにより入力された時刻に睡眠パターンの判定開始タイミングを設定することができるため、ユーザが所望するタイミングでユーザに覚醒刺激を与えることができる。
【0102】
また、機器制御システム200は、さらに、仮眠中のユーザの生体信号を計測するデータ計測部121と、生体信号に基づいてユーザの睡眠段階を推定する睡眠段階推定部122と、を備えてもよい。
【0103】
これにより、機器制御システム200は、ユーザの生体信号と、生体信号に基づいて推定される睡眠段階とを履歴情報として蓄積することが可能であるため、蓄積されたデータを、例えば、生体信号と睡眠段階との関係性を機械学習モデルに学習させるために利用することができる。
【0104】
以上説明したように、機器制御方法は、仮眠中のユーザの睡眠段階を示すデータを取得し、取得された睡眠段階を示すデータに基づいてユーザの睡眠パターンを判定し、睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与える覚醒制御を開始する覚醒制御タイミングを決定し、ユーザが仮眠する空間に設置された機器30が覚醒制御タイミングで覚醒制御を開始するように制御信号を出力する。
【0105】
これにより、機器制御方法は、ユーザの睡眠パターンに応じてユーザに覚醒刺激を与えるタイミングを決定するため、適切なタイミングでユーザに覚醒刺激を与えることができる。そのため、機器制御方法は、睡眠慣性を低減することができる。
【0106】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0107】
例えば、上記実施の形態において、一の構成要素が実行する処理は、他の構成要素によって実行されてもよい。また、複数の構成要素のそれぞれが実行する処理を一の構成要素がまとめて実行してもよい。例えば、上記実施の形態では、睡眠段階の推定は睡眠段階推定部によって行われ、睡眠パターンの判定は、睡眠パターン判定部によって行われたが、睡眠段階の推定、及び、睡眠パターンの判定は、一の構成要素によって行われてもよい。
【0108】
また、機器制御システムが備える構成要素の配置は、適宜変更されてよい。例えば、制御装置が備えるデータ計測部及び睡眠段階推定部は、センサに含まれてもよいし、学習部、教師データ、機械学習モデルなどの構成要素は、制御装置の外部のサーバに配置されてもよい。制御装置は、少なくとも睡眠パターン判定部、覚醒制御タイミング決定部、及び、出力部を備えればよい。また、制御装置が備える構成要素がセンサに搭載されてもよい。
【0109】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態に係る機器制御システムとして実現されてもよい。本発明は、制御装置が実行する機器制御方法として実現されてもよいし、当該制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記憶された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0110】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
30 機器
121 データ計測部
122 睡眠段階推定部
123 睡眠パターン判定部
124 覚醒制御タイミング決定部
125 出力部
150 設定部
200 機器制御システム