(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148765
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 57/02 20060101AFI20231005BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20231005BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20231005BHJP
B65B 9/213 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
B65B57/02 E
B65B51/10 W
B65B57/00 H
B65B9/213
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056964
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 賢吉
(72)【発明者】
【氏名】窪井 宏行
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AA08
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA02
3E050CA08
3E050CB03
3E050CB07
3E050CC08
3E050DC02
3E050DD03
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050GA06
3E050GB06
3E050GB09
3E050HA09
3E050HB03
3E050HB05
3E050HB09
3E094AA13
3E094CA02
3E094DA07
3E094DA08
3E094EA04
3E094GA12
3E094HA01
(57)【要約】
【課題】モータによってカッタを往復動させる製袋充填包装機において、モータの機能を生かして付加価値を高める。
【解決手段】製袋充填包装機は、帯状包装材の幅方向の両端部を重ね合わせて筒状に成形する製筒器と、製筒器で筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた端部をシールする第1シール装置と、第1シール装置で筒状に成形され且つ製品を内包した帯状包装材のうち、製品の両側をシールする第2シール装置と、第2シール装置でシールされたシール部分を切断するカッタと、シール部分から離間した待機位置、及びシール部分に接触する接触位置の間でカッタを移動させるサーボモータと、情報を報知する報知装置と、待機位置のカッタを目標時間で接触位置に到達させる過程において、駆動電流の最大値が第1閾値以上であることに応じて、カッタの移動経路上に異物が存在していることを報知装置を通じて報知する制御装置とを備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状包装材から成形した袋に製品を充填する製袋充填包装機であって、
帯状包装材の幅方向の両端部を重ね合わせて筒状に成形する製筒器と、
前記製筒器で筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた端部をシールする第1シール装置と、
前記第1シール装置で筒状に成形され且つ製品を内包した帯状包装材のうち、製品の両側をシールする第2シール装置と、
前記第2シール装置でシールされたシール部分を切断するカッタと、
前記シール部分から離間した待機位置、及び前記シール部分に接触する接触位置の間で、前記カッタを移動させるサーボモータと、
情報を報知する報知装置と、
前記サーボモータに動作指令を与えると共に、前記サーボモータに流れる駆動電流を監視する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記待機位置の前記カッタを目標時間で前記接触位置に到達させる過程において、前記駆動電流の最大値が第1閾値以上であることに応じて、前記カッタの移動経路上に異物が存在していることを、前記報知装置を通じて報知することを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の製袋充填包装機において、
前記制御装置は、前記待機位置の前記カッタを前記目標時間で前記接触位置に到達させる過程において、前記駆動電流の第1のピーク及び前記第1のピークより後で且つ前記第1のピークより低い第2のピークのうち、前記第1のピークが前記第1閾値以上であることに応じて、前記カッタの移動経路上に異物が存在していることを、前記報知装置を通じて報知することを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項3】
請求項2に記載の製袋充填包装機において、
前記制御装置は、前記待機位置の前記カッタを前記目標時間で前記接触位置に到達させる過程において、前記第2のピークが第2閾値以上であることに応じて、前記カッタの摩耗を前記報知装置を通じて報知することを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項4】
請求項3に記載の製袋充填包装機において、
前記制御装置は、前記待機位置の前記カッタを前記目標時間で前記接触位置に到達させる過程において、前記第2のピークが前記第2閾値より大きい第3閾値以上であることに応じて、前記製袋充填包装機の動作を停止させることを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載の製袋充填包装機において、
前記制御装置は、
袋を繰り返し成形する過程において、前記第1のピーク及び前記第2のピークそれぞれの時間変化をメモリに記憶し、
前記メモリに記憶した前記第1のピーク及び前記第2のピークそれぞれの時間変化を、前記報知装置を通じて報知することを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の製袋充填包装機において、
前記サーボモータが発生させた回転駆動力を直線運動に変換して前記カッタに伝達する駆動力伝達機構を備えることを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の製袋充填包装機において、
前記接触位置は、
前記シール部分を貫通して帯状包装材を切断する切断位置と、
前記切断位置より前記待機位置に近い位置で、幅方向に離間した複数の貫通孔を前記シール部分に形成するミシン目位置とを含むことを特徴とする製袋充填包装機。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の製袋充填包装機において、
前記カッタの移動方向における前記待機位置及び前記接触位置の位置をユーザから取得する操作部を有し、
前記制御装置は、前記操作部を通じて取得した前記待機位置及び前記接触位置の間で、前記カッタを移動させることを特徴とする製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッタを備える製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、帯状包装材の幅方向の両端部を重ね合わせて筒状に成形する製筒器と、製筒器で筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた端部をシールする第1シール装置と、第1シール装置で筒状に成形された帯状包装材のうち、内包した製品の両側をシールする第2シール装置と、隣接する袋の境界を切断するカッタとを備える製袋充填包装機が知られている。
【0003】
現在の製袋充填包装機は、エアシリンダによってカッタを往復動させるのが主流となっている。これに対して、特許文献1~3には、カッタを往復動させる駆動源として、エアシリンダに代えて、モータを採用した装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-205708号公報
【特許文献2】特開2011-102140号公報
【特許文献3】特開平11-301622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
モータは、エアシリンダと比較して、動作時の消費電力が小さい反面、部品コストが高い。そのため、モータを採用することによって、装置のランニングコストは下がるものの、装置の初期コストが増大するという課題がある。しかしながら、特許文献1~3では、初期コストの増大に見合った付加価値を提供できているとは言い難い。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、モータによってカッタを往復動させる製袋充填包装機において、モータの機能を生かして付加価値を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、帯状包装材から成形した袋に製品を充填する製袋充填包装機であって、帯状包装材の幅方向の両端部を重ね合わせて筒状に成形する製筒器と、前記製筒器で筒状に成形された帯状包装材の重ね合わされた端部をシールする第1シール装置と、前記第1シール装置で筒状に成形され且つ製品を内包した帯状包装材のうち、製品の両側をシールする第2シール装置と、前記第2シール装置でシールされたシール部分を切断するカッタと、前記シール部分から離間した待機位置、及び前記シール部分に接触する接触位置の間で、前記カッタを移動させるサーボモータと、情報を報知する報知装置と、前記サーボモータに動作指令を与えると共に、前記サーボモータに流れる駆動電流を監視する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記待機位置の前記カッタを目標時間で前記接触位置に到達させる過程において、前記駆動電流の最大値が第1閾値以上であることに応じて、前記カッタの移動経路上に異物が存在していることを、前記報知装置を通じて報知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータによってカッタを往復動させる製袋充填包装機において、モータの機能を生かして付加価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】縦型製袋充填包装機で製造される連包品の例を示す図である。
【
図11】カッタが待機位置から接触位置に至る過程における駆動電流の時間変化の理想的な例である。
【
図12】カッタ溝内に異物が存在しているときの駆動電流の時間変化の例である。
【
図13】カッタ刃が摩耗しているときの駆動電流の時間変化の例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る縦型製袋充填包装機1を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0011】
図1は、縦型製袋充填包装機1の全体斜視図である。
図2は、縦型製袋充填包装機1の側面図である。縦型製袋充填包装機1は、帯状フィルムFw(帯状包装材)を袋Bpに成形すると共に、成形した袋Bpに製品を充填する装置である。縦型製袋充填包装機1は、フィルム供給装置10と、送り装置20と、製品充填筒30と、縦シール装置40(第1シール装置)と、横シール装置50(第2シール装置)と、制御装置80とを主に備える。
【0012】
帯状フィルムFwは、製品を包装する袋の材料となる帯状の包装材である。帯状フィルムFwは、熱を加えることによって溶着することが可能な膜状の部材であって、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙などが挙げられる。製品は、例えば、飴、豆菓子、スナック等の粒状の食品を指す。但し、製品の具体例はこれらに限定されず、袋Bpに包装されて出荷されるあらゆる物を含む。
【0013】
フィルム供給装置10は、巻取ロール11に巻き取られた帯状フィルムFwを、送り装置20に搬送する装置である。フィルム供給装置10は、巻取ロール11と、複数の固定ガイドロール12a~12hと、テンション機構13と、製筒器14とを主に備える。
【0014】
巻取ロール11は、送り装置20が駆動することによって、帯状フィルムFwを繰り出す向きに回転する。固定ガイドロール12a~12hは、巻取ロール11から製筒器14に至る帯状フィルムFwの送り経路に配置されて、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwを案内する。テンション機構13は、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwに、適切なテンションを付与する。
【0015】
製筒器14は、帯状フィルムFwの幅方向の両端部を重ね合わせることによって、帯状フィルムFwを筒状に成形する。また、製筒器14は、筒状に成形した帯状フィルムFwを、製品充填筒30に向けて下方に送り出す。製筒器14によって筒状に成形された帯状フィルムFwは、製品充填筒30の外周面に沿って下方に移動する。
【0016】
巻取ロール11から製筒器14に至る帯状フィルムFwの送り経路に対面して、日付印字装置15及び日付検査装置16が配置されている。日付印字装置15は、フィルム供給装置10によって搬送される帯状フィルムFwの所定の位置に、日付(例えば、製造年月日、消費期限、賞味期限など)を印字する。日付検査装置16は、日付印字装置15によって日付が適切に印字されたかを検査する。
【0017】
送り装置20は、フィルム供給装置10によって搬送された帯状フィルムFwを、上下方向(以下、この方向を「帯状フィルムFwの搬送方向」、または単に「搬送方向」と表記する。)に延びる送り経路に沿って搬送する。より詳細には、送り装置20は、製品充填筒30を挟んで対向する一対の送りベルト21、22を備える。一対の送りベルト21、22は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、製品充填筒30の外周面を覆う帯状フィルムFwを、横シール装置50に向けて下方に送る。本実施形態において、送り装置20による帯状フィルムFwの送り方向は、下方向である。
【0018】
製品充填筒30は、上端及び下端が開放された筒状の部材である。製品充填筒30は、製筒器14と横シール装置50との間において、筒状に成形された帯状フィルムFwの送り方向に沿って上下方向に延設されている。また、製品充填筒30の上端開口には、ホッパ31が取り付けられている。製品充填筒30は、不図示の組合せ計量器(製品供給装置)からホッパ31を通じて供給された製品を、縦シール装置40及び横シール装置50によって成形された袋Bpに下端開口を通じて充填する。
【0019】
縦シール装置40は、製品充填筒30に対面する位置に配置されている。より詳細には、縦シール装置40は、送り装置20による帯状フィルムFwの送り方向において、製筒器14より下流側で且つ横シール装置50より上流側に配置されている。
【0020】
縦シール装置40は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟むように配置された一対のシールブロック41、42を備える。一対のシールブロック41、42は、モータ(図示省略)の回転が伝達されて接離する。一対のシールブロック41、42それぞれには、ヒータが内蔵されている。そして、一対のシールブロック41、42は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟んで加熱することによって、幅方向の両端部を溶着(シール)する。これにより、帯状フィルムFwは、筒状に成形される。
【0021】
横シール装置50は、筒状に成形された帯状フィルムFwを所定の間隔毎に溶着(シール)することによって、帯状フィルムFwを袋Bpに成形する。より詳細には、横シール装置50は、縦シール装置40によって筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、袋Bpの底部に相当する部分と、袋Bpの頂部に相当する部分とをシールする。換言すれば、横シール装置50は、縦シール装置40によって筒状に成形され且つ製品を内包した帯状フィルムFwのうち、製品の両側をシールする。以下、横シール装置50がシールした部分を「シール位置」と表記する。
【0022】
横シール装置50は、一対のシールブロック51、52を備える。一対のシールブロック51、52は、縦シール装置40によって筒状に成形された帯状フィルムFwを挟んで対向配置されている。一対のシールブロック51、52それぞれには、ヒータが内蔵されている。一対のシールブロック51、52は、帯状フィルムFwを挟んで接離する。そして、一対のシールブロック51、52が帯状フィルムFwを挟んで加熱することによって、帯状フィルムFwが溶着される。以下、筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、横シール装置50によってシールされた部分を、「シール部分」と表記する。
【0023】
図3は、カッタ装置60の一例を示す図である。
図4は、カッタ61の位置を示す図である。
図5は、縦型製袋充填包装機1で製造される連包品の例を示す図である。
図3に示すように、縦型製袋充填包装機1は、カッタ装置60を備える。カッタ装置60は、横シール装置50によって連続して成形された袋の境界を切断する装置である。カッタ装置60は、カッタ61と、サーボモータ62と、駆動力伝達機構63とを主に備える。また、カッタ装置60は、横シール装置50に支持されている。
【0024】
図3に示すように、横シール装置50は、一対のシールブロック51、52それぞれを支持する一対のブロックホルダ53、54を備える。ブロックホルダ53、54は、シールブロック51、52を互いに対面させた状態で支持し、シールブロック51、52を接離させる向きにスライド可能に構成されている。そして、ブロックホルダ53は、カッタ装置60を支持している。また、シールブロック51及びブロックホルダ53には、スライド方向に貫通するカッタ溝55が形成されている。
【0025】
カッタ61は、シールブロック51のシール面(シールブロック52に対面する面)から出没可能に、カッタ溝55に収容されている。カッタ61の先端には、左右方向(帯状フィルムFwの搬送方向に直交する方向)に延設されたカッタ刃61aが形成されている。カッタ刃61aは、山部及び谷部が延設方向に沿って交互に配列された形状である。そして、
図4に示すように、カッタ61は、シールブロック51の移動方向(帯状フィルムFwの搬送方向及びカッタ刃61aの延設方向に直交する方向)に沿って、待機位置と、ミシン目位置と、切断位置と、原点位置とに進退可能に構成されている。以下、カッタ61の移動方向を「進退方向」と表記する。また、待機位置からミシン目位置または切断位置に向かうカッタ61の移動を「前進」と表記し、ミシン目位置または切断位置から待機位置に向かうカッタ61の移動を「後退」と表記する。
【0026】
待機位置は、カッタ刃61aがカッタ溝55に没入して、帯状フィルムFwから離間しているときのカッタ61の位置である。ミシン目位置及び切断位置は、カッタ刃61aがシールブロック51のシール面から突出して、帯状フィルムFwに接触しているときのカッタ61の位置である。原点位置は、待機位置を挟んでミシン目位置及び切断位置と反対の位置である。原点位置は、カッタ61の進退方向の位置の基準となる位置である。
【0027】
また、ミシン目位置は、切断位置より待機位置に近い位置である。換言すれば、ミシン目位置におけるカッタ刃61aの突出量は、切断位置におけるカッタ刃61aの突出量より少ない。より詳細には、ミシン目位置は、カッタ刃61aの山部のみが帯状フィルムFwのシール部分を貫通して、左右方向に離間した複数の貫通孔(以下、「ミシン目」と表記する。)を形成するときのカッタ61の位置である。これにより、隣接する袋Bpが手で切断しやすい状態で連結される。また、切断位置は、カッタ刃61aの全体が帯状フィルムFwのシール部分を貫通して、隣接する袋Bpの境界を切断するときのカッタ61の位置である。ミシン目位置及び切断位置は、帯状フィルムFwに接触する接触位置の一例である。
【0028】
製品を収容した袋Bpの両側をカッタ61で切断すると、単一の袋Bp(以下、「単包品」と表記する。)を製造することができる。一方、
図5に示すように、隣接する袋Bpの間にミシン目を形成することによって、ミシン目で連結された複数の袋Bp(以下、「連包品」と表記する。)を製造することができる。なお、連包品は、
図5(A)に示すように複数の袋Bpのみで構成されていてもよいし、
図5(B)に示すように複数の袋Bpにヘッダを付加して構成されていてもよい。また、連包品を構成する袋Bpの数は、
図5の例に限定されない。
【0029】
サーボモータ62は、カッタ61を進退させるための駆動力(回転駆動力)を発生させる。駆動力伝達機構63は、サーボモータ62が発生させた回転駆動力を直線運動に変換して、カッタ61に伝達する。
図3に示す駆動力伝達機構63は、ボールねじ63aと、スライド部材63bと、カッタホルダ63cとを主に備える。
【0030】
ボールねじ63aは、カッタ61の進退方向に延設されている。また、ボールねじ63aは、サーボモータ62の出力軸に取り付けられて、サーボモータ62が発生させる回転駆動力によって回転する。スライド部材63bは、ボールねじ63aに螺合されている。スライド部材63bは、ボールねじ63aが回転することによって、ボールねじ63aに沿って進退する。すなわち、スライド部材63bは、サーボモータ62の回転駆動力によって直線運動する。カッタホルダ63cは、カッタ61を支持し、スライド部材63bに支持される。すなわち、カッタ61、スライド部材63b、及びカッタホルダ63cは、サーボモータ62の回転駆動力によって、一体となって進退方向に進退する。
【0031】
但し、カッタ装置60に搭載される駆動力伝達機構は、
図3の例に限定されない。
図6は、カッタ装置60の他の例を示す図である。
図6に示すカッタ装置60は、駆動力伝達機構63に代えて、駆動力伝達機構64を備える。
図6に示す駆動力伝達機構64は、駆動プーリ64aと、従動プーリ64bと、無端環状ベルト64cと、スライド部材64dと、カッタホルダ64eとを主に備える。
【0032】
駆動プーリ64a及び従動プーリ64bは、進退方向に所定の間隔を隔てて配置されている。無端環状ベルト64cは、駆動プーリ64a及び従動プーリ64bに掛け渡されている。スライド部材64dは、無端環状ベルト64cの上面に固定されている。カッタホルダ64eは、カッタ61を支持し、スライド部材64dに支持されている。
【0033】
サーボモータ62が回転することによって、駆動プーリ64aが回転し、駆動プーリ64a及び従動プーリ64bの周りを無端環状ベルト64cが周回する。これにより、カッタ61、スライド部材64d、及びカッタホルダ64eは、無端環状ベルト64cの上面に沿って、一体となって進退方向に進退する。
【0034】
図7は、制御装置80のハードウェア構成図である。
図7に示すように、制御装置80は、例えば、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)81と、記憶手段であるメモリ82とを備える。メモリ82は、例えば、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、演算手段の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、またはこれらの組み合わせで構成される。そして、メモリ82に記憶されたプログラムをCPU81が読み出して実行することによって、後述する各処理が実現される。
【0035】
但し、制御装置80の具体的な構成はこれに限定されず、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0036】
制御装置80は、フィルム供給装置10、送り装置20、縦シール装置40、横シール装置50、及びカッタ装置60を連動して動作させることによって、帯状フィルムFwから袋Bpを成形して製品を充填する処理を、繰り返し実行する。
【0037】
まず、制御装置80は、フィルム供給装置10及び送り装置20を駆動して、1つの袋Bpの高さに相当する分だけ、帯状フィルムFwを送り方向に送る。次に、制御装置80は、縦シール装置40を駆動して、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を一対のシールブロック41、42で挟んでシールすることによって、帯状フィルムFwを筒状に成形する。
【0038】
また、制御装置80は、筒状に成形された帯状フィルムFwのうち、第1袋の頂部に相当する部分と、第1袋の直後の第2袋の底部に相当する部分とを、シールブロック51、52で挟んでシールする。さらに、制御装置80は、
図9を参照して後述するカッタ制御処理を実行することによって、隣接する袋Bpの境界のシール部分にミシン目を形成したり、シール部分を切断する。
【0039】
制御装置80は、サーボアンプ65を介してサーボモータ62を制御する。より詳細には、制御装置80は、サーボモータ62の回転量(回転速度)を示す動作指令をサーボアンプ65に与える。動作指令は、例えば、予め定められた速度パターンに従って、カッタ61を目標時間で目標距離だけ前進させることを示す指令である。また、制御装置80は、サーボモータ62に流れる駆動電流を監視する。
【0040】
サーボアンプ65は、制御装置80から取得して動作指令に対応する駆動電流をサーボモータ62に供給する。また、サーボアンプ65は、動作指令と、サーボモータ62の現実の回転量(回転速度)を示すフィードバック信号とを比較する。そして、サーボアンプ65は、動作指令及びフィードバック信号で示される回転量(回転速度)の差を小さくするように(すなわち、カッタ61が目標時間で目標距離だけ前進するように)、駆動電流の大きさを調整する。さらに、サーボアンプ65は、サーボモータ62に供給した駆動電流の大きさを、所定の時間間隔で繰り返し制御装置80に通知する。
【0041】
また、制御装置80には、操作パネル70が接続されている。操作パネル70は、ユーザに情報を表示するディスプレイ(報知装置)と、ユーザからの指示を取得する操作部とを備える。操作部は、例えば、ディスプレイに重畳されたタッチパネル、押しボタン、またはこれらの組み合わせである。また、報知装置の具体例はディスプレイに限定されず、ユーザに情報を報知することができれば、LED、スピーカなどでもよい。
【0042】
図8は、カッタ動作設定画面の画面例である。制御装置80は、例えば
図8に示すカッタ動作設定画面を通じて、横シール装置50及びカッタ装置60の動作タイミングを、ユーザに設定させることができる。また、制御装置80は、横シール装置50及びカッタ装置60の動作タイミングのみならず、フィルム供給装置10、送り装置20、縦シール装置40の動作タイミングを、操作パネル70を通じてユーザから受け付けてもよい。カッタ動作設定画面を通じて設定可能なパラメータは特に限定されないが、例えば以下のようなパラメータが考えられる。
【0043】
カッタ動作設定画面では、例えば、1サイクル(1つの袋Bpを製造する時間)において、シールブロック51、52の当接させるタイミング、シールブロック51、52を離間させるタイミング、カッタ61を前進させるタイミングを設定することができる。また、カッタ動作設定画面では、単包品及び連包品のどちらを製造するか、1つの連包品に含める袋Bpの数、ヘッダの有無を設定することができる。さらに、カッタ動作設定画面では、原点位置から待機位置までの距離、待機位置からミシン目位置までの距離、待機位置からミシン目位置までの距離を設定することができる。そして、制御装置80は、カッタ動作設定画面を通じて設定された設定情報を、メモリ82に記憶させる。
【0044】
すなわち、操作パネル70は、待機位置、ミシン目位置、及び切断位置の位置をユーザから取得する。ユーザは、例えば、カッタ61の研磨などによる全長の変化に合わせて、各位置を調整すればよい。なお、
図8では、原点位置を基準とする待機位置までの距離と、待機位置を基準とする接触位置(ミシン目位置、切断位置)までの距離をユーザに指定させる例を説明した。しかしながら、待機位置、ミシン目位置、及び切断位置を指定する具体的な方法は、前述の例に限定されない。
【0045】
図8の例では、1.0秒を1サイクルとする。また、
図8の例では、1サイクルの開始から0.6秒後にシールブロック51、52の近接を開始し、0.7秒後にシールブロック51、52の当接が完了し、0.9秒後にシールブロック51、52の離間を開始し、1.0秒後にシールブロック51、52の離間が完了する。また、
図8の例では、1サイクルの開始から0.8秒後にカッタ61の前進が開始し、0.9秒後にカッタ61が接触位置に到達する(すなわち、目標時間を0.1秒として、待機位置から接触位置に移動する。)。さらに、
図8の例では、ヘッダ付き4連包を製造する。すなわち、カッタ61をミシン目位置まで前進させる処理を4サイクル実行し、次の1サイクルでカッタ61を切断位置まで前進させる。
【0046】
図9は、カッタ制御処理のフローチャートである。カッタ制御処理は、一対のシールブロック51、52が帯状フィルムFwを挟んで当接している(
図8に示す1サイクル中の0.8~0.9秒の0.1秒)間に、カッタ61を待機位置から接触位置に前進させる処理である。すなわち、制御装置80は、1サイクルに1回ずつカッタ制御処理を実行する。換言すれば、制御装置80は、繰り返し実行するサイクルそれぞれでカッタ制御処理を実行する。
【0047】
なお、メモリ82には、カウンタと閾値とが記憶されている。カッタ制御処理を最初に実行する時点で、カウンタに初期値(=0)が設定されている。また、ヘッダ付きの連包品を製造する場合、閾値には、カッタ動作設定画面で設定した連包品に含める袋Bpの数が設定されている。一方、ヘッダ無しの連包品を製造する場合、閾値には、カッタ動作設定画面で設定した連包品に含める袋Bpの数-1が設定されている。すなわち、連包品に含める袋Bpの数が4の場合において、ヘッダ付きの場合は閾値=4となり、ヘッダ無しの場合は閾値=3となる。
【0048】
まず、制御装置80は、単包品及び連包品のどちらを製造するかを判断する(S11)。そして、制御装置80は、単包品を製造すると判断したことに応じて(S11:Yes)、サーボアンプ65を通じてサーボモータ62に駆動電流を供給することによって、カッタ61を待機位置から切断位置まで前進させ、その後に切断位置から待機位置まで後退させる(S12)。これにより、隣接する袋Bpの境界が切断される。より詳細には、制御装置80は、当該サイクルの開始から0.8秒後にカッタ61の前進を開始し、0.9秒後にカッタ61が切断位置に到達するように、サーボアンプ65に駆動指令を与える。そして、サーボアンプ65は、制御装置80から取得した駆動指令に応じて、サーボモータ62への駆動電流の大きさを調整する。
【0049】
例えば、メモリ82には、待機位置のカッタ61を目標時間(=0.1秒)で切断位置に到達させるための速度パターンが記憶されている。そして、制御装置80は、メモリ82に記憶された速度パターンに基づきサーボアンプ65に駆動指令を与える。なお、制御装置80は、待機位置と切断位置(ステップS15ではミシン目位置)との間の距離がカッタ動作設定画面を通じて変更されると、後述する定速区間の長さを変化させる。すなわち、制御装置80は、操作パネル70を通じてユーザから取得した待機位置及び切断位置(または、ミシン目位置)の間で、カッタ61を進退(移動)させる。サーボアンプ65は、制御装置80から取得した駆動指令とフィードバック信号とを比較する。そして、サーボアンプ65は、現実速度が駆動指令で示される速度パターンを下回る場合に駆動電流を増加させ、現実速度が駆動指令で示される速度パターンを上回る場合に駆動電流を減少させる。このような制御は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0050】
次に、制御装置80は、
図10を参照して後述する報知制御処理を実行して(S13)、カッタ制御処理を終了する。複数の単包品を製造する場合、制御装置80は、ステップS12~S13の処理を繰り返し実行することになる。
【0051】
一方、制御装置80は、連包品を製造すると判断したことに応じて(S11:No)、カウンタと閾値とを比較する(S14)。そして、制御装置80は、カウンタが閾値未満だと判断したことに応じて(S14:No)、サーボアンプ65を通じてサーボモータ62に駆動電流を供給することによって、カッタ61を待機位置からミシン目位置まで前進させ、その後にミシン目位置から待機位置まで後退させ、カウンタに1を加算する(S15)。これにより、隣接する袋Bpの境界にミシン目が形成される。一方、制御装置80は、カウンタが閾値以上だと判断したことに応じて(S14:Yes)、メモリ82に記憶されたカウンタをリセット(=0)して(S16)、ステップS12の処理を実行する。これにより、隣接する連包品の境界が切断される。
【0052】
なお、ステップS12、S15でカッタ61を前進させる処理は共通する。但し、ステップS15におけるカッタ61の前進距離は、ステップS12より短い。そのため、制御装置80は、ステップS12、S15において、異なる速度パターンを用いて制御を行えばよい。また、制御装置80は、ステップS12、S15において、カッタ61を待機位置から切断位置またはミシン目位置まで前進させる過程でサーボアンプ65がサーボモータ62に供給した駆動電流の大きさを、所定の時間間隔で繰り返しメモリ82に記憶させる。
【0053】
次に、制御装置80は、報知制御処理を実行して(S13)、カッタ制御処理を終了する。複数の連包品を製造する場合、制御装置80は、カウンタが閾値に達するまで(S14:No)ステップS15の処理を実行し、カウンタが閾値に達すると(S14:Yes)ステップS12の処理を実行する。すなわち、閾値に対応する回数だけ連続してミシン目を形成し、その次に帯状フィルムFwを切断することによって、連包品が製造される。
【0054】
次に、
図10~
図13を参照して、報知制御処理を説明する。
図10は、報知制御処理のフローチャートである。
図11は、カッタ61が待機位置から接触位置に至る過程における駆動電流の時間変化の理想的な例である。
図12は、カッタ溝55内に異物が存在しているときの駆動電流の時間変化の例である。
図13は、カッタ刃61aが摩耗しているときの駆動電流の時間変化の例である。
【0055】
例えば
図11(A)に示すように、カッタ溝55に異物がなく、カッタ刃61aの摩耗が許容範囲の場合、
図9のステップS12、S15でメモリ82に記憶させた駆動電流の時間変化は
図11(B)のようになる。より詳細には、カッタ61が停止した状態から加速する加速区間で駆動電流が増大し、その後に定速で前進する定速区間では駆動電流が低い水準で一定し、帯状フィルムFwに接触している接触区間で再び増大する。そして、加速区間に第1のピークが出現し、接触区間に第2のピークが出現する。
【0056】
すなわち、第2のピークは、第1のピークより後に出現する。また、第2のピークにおける駆動電流の大きさは、第1ピークにおける駆動電流より小さい。すなわち、第1のピークは、カッタ61が待機位置から接触位置に至るまでの駆動電流の最大値になる。なお、
図11(B)は、カッタ61を切断位置で停止させる場合の駆動電流の時間変化である。一方、カッタ61をミシン目位置で停止させる場合、
図11(B)と比較して、定速区間が短くなると共に、接触区間における第2のピークが小さくなるものの、全体として傾向は共通する。
【0057】
そこで、制御装置80は、サーボアンプ65を通じてサーボモータ62に供給した駆動電流の時間変化から、第1のピーク及び第2のピークを特定する(S21)。制御装置80は、例えば、メモリ82に記憶させた駆動電流の時間変化にローパスフィルタを適用して高周波成分を除去し、高周波成分を除去した後の駆動電流の時間変化から第1のピーク及び第2のピークを特定すればよい。第1のピーク及び第2のピークを特定する処理は既に周知なので、詳細な説明は省略する。
【0058】
次に、制御装置80は、ステップS21で特定した第1のピークと、メモリ82に記憶された第1閾値とを比較する(S22)。
図11(B)に示すように、第1閾値は、カッタ溝55内に異物が存在しないときの第1のピークより大きな値に設定される。一方、
図12(A)に示すように、カッタ溝55内に異物(例えば、過去に切断した帯状フィルムFwの破片など)が存在すると、特にカッタ61の加速時の抵抗が大きくなるので、
図12(B)に示すように第1のピークが大きくなる。
【0059】
そして、制御装置80は、第1のピークが第1閾値以上であることに応じて(S22:Yes)、カッタ61の移動経路であるカッタ溝55内に異物が存在していることを示すメッセージを、操作パネル70のディスプレイに表示する(S23)。なお、報知装置を通じた報知の具体的な方法は、前述の例に限定されず、LEDランプを点灯(点滅)させてもよいし、スピーカから警告音を出力してもよい。一方、制御装置80は、第1のピークが第1閾値未満であることに応じて(S22:No)、ステップS23の処理をスキップする。
【0060】
また、制御装置80は、第2のピークと第2閾値とを比較する(S24)。
図11(B)に示すように、第2閾値は、カッタ刃61aの摩耗が許容範囲内のときの第2のピークより大きな値に設定される。一方、
図13(A)に示すように、カッタ刃61aの摩耗が進むと、特にカッタ刃61aの山部が帯状フィルムFwを貫通する際の抵抗が大きくなるので、
図13(B)に示すように第2のピークが大きくなる。
【0061】
そして、制御装置80は、第2のピークが第2閾値以上であることに応じて(S24:Yes)、カッタ刃61aの摩耗が許容範囲を超えていることを示すメッセージを、操作パネル70のディスプレイに表示する(S25)。なお、報知装置を通じた報知の具体的な方法が前述の例に限定されないことは、ステップS23と同様である。一方、制御装置80は、第2のピークが第2閾値未満であることに応じて(S24:No)、ステップS25~S27の処理をスキップする。
【0062】
さらに、制御装置80は、第2のピークと第3閾値とを比較する(S26)。第3閾値は、第2閾値より大きな値に設定される。そして、制御装置80は、第2のピークが第3閾値以上であることに応じて(S26:Yes)、縦型製袋充填包装機1の動作を強制的に終了する(S27)。一方、制御装置80は、第2のピークが第3閾値未満であることに応じて(S26:No)、ステップS27の処理をスキップする。
【0063】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0064】
上記の実施形態によれば、カッタ装置60の駆動源としてサーボモータ62を採用したので、カッタ61を適切なタイミングで適切な位置に到達させることができる。また、駆動源としてエアシリンダを用いる場合と比較して、カッタ装置60の消費電力を低減できると共に、メンテナンス作業を簡素化することができる。
【0065】
また、上記の実施形態によれば、第1のピークが第1閾値以上の場合に(S22:Yes)、カッタ溝55内に異物が存在していることを報知するので(S23)、カッタ溝55の清掃タイミングをユーザに認識させることができる。これにより、カッタ溝55内の異物の有無を定期的にチェックするユーザの作業を省略することができるという付加価値を提供できる。
【0066】
また、上記の実施形態によれば、第2のピークが第2閾値以上の場合に(S24:Yes)、カッタ刃61aの摩耗が進んでいることを報知するので(S25)、カッタ61の交換(または、カッタ61の研磨)タイミングが近いことをユーザに認識させることができる。これにより、カッタ刃61aの摩耗の度合いを定期的にチェックするユーザの作業を省略することができるという付加価値を提供できる。
【0067】
さらに、上記の実施形態によれば、第2のピークが第3閾値以上の場合に(S26:Yes)、縦型製袋充填包装機1の動作を強制終了する(S27)。これにより、摩耗が進んだカッタ刃61aで袋Bpの製造を継続することによる不良率の上昇を防止することができるという付加価値を提供できる。
【0068】
なお、カッタ61の全長は、研磨されることによって徐々に短くなり、新品に交換されることによって元の長さに戻る。その結果、縦型製袋充填包装機1を使用する過程で、待機位置及び接触位置は経時的に変化する。そこで上記の実施形態では、ユーザによって任意に設定された待機位置及び接触位置の間でカッタ61を移動させる。このように、研磨や交換に伴うカッタ61の全長の変化に合わせて、待機位置及び接触位置を適切に調整することによって、適切な切断能力を維持することができる。
【0069】
また、サーボモータ62に供給した駆動電流の時間変化の利用方法は、前述の例に限定されない。他の例として、制御装置80は、袋Bpを繰り返し成形する過程(すなわち、繰り返し実行するカッタ制御処理)で特定した第1のピーク及び第2のピークそれぞれを、メモリ82に記憶させてもよい。そして、制御装置80は、メモリ82に記憶した第1のピーク及び第2のピークそれぞれの時間変化を、操作パネル70のディスプレイに表示(報知装置を通じた報知)してもよい。これにより、第1のピーク及び第2のピークが各閾値に達するまでの残り時間をユーザに予測させることができる。
【0070】
[変形例]
図14及び
図15を参照して、カッタ制御処理を実行可能な製袋充填包装機の他の例を説明する。
図14は、横型製袋充填包装機100の側面図である。
図15は、横型製袋充填包装機100の平面図である。横型製袋充填包装機100は、供給装置(図示省略)から供給される製品Pを1つずつ包装する装置である。
図14及び
図15に示すように、横型製袋充填包装機100は、供給コンベア110と、フィルム送り装置120と、挟持搬送装置130と、センタシール装置135(第1シール装置)と、エンドシール装置140(第2シール装置)とを主に備える。
【0071】
供給コンベア110は、供給装置(図示省略)から順番に供給される製品Pを、製筒器126に供給する。
図14に示すように、供給コンベア110は、駆動スプロケット114と、従動スプロケット115と、駆動スプロケット114及び従動スプロケット115に掛け渡された無端環状の搬送チェーン116と、駆動スプロケット114を駆動させる駆動モータ117とで構成される。
【0072】
また、搬送チェーン116には、複数のプッシャ118が設けられている。複数のプッシャ118は、製品Pの搬送方向に所定の間隔を隔てて配置されている。隣接する2つのプッシャ118の間には、供給装置から供給される製品Pが進入する。そして、プッシャ118は、製品Pの後端に当接して、当該製品Pを押す。
【0073】
フィルム送り装置120は、挟持搬送装置130に向けて帯状フィルムFwを送る。
図14及び
図15に示すように、フィルム送り装置120は、帯状フィルムFwが巻回された巻取り軸121と、駆動ローラ122と、従動ローラ123と、送りモータ124と、ガイドローラ125a、125bと、製筒器126とを主に備える。
【0074】
駆動ローラ122及び従動ローラ123は、帯状フィルムFwを挟持した状態で回転する。駆動ローラ122は、送りモータ124の駆動力が伝達されて回転する。これにより、駆動ローラ122及び従動ローラ123は、巻取り軸121に巻回された帯状フィルムFwを、製筒器126に向けて繰り出す。ガイドローラ125a、125bは、巻取り軸121から駆動ローラ122及び従動ローラ123を経て製筒器126に至る帯状フィルムFwの搬送経路に沿って配置され、繰り出される帯状フィルムFwにテンションを付与する。
【0075】
製筒器126は、フィルム送り装置120で送られた帯状フィルムFwを筒状に成形すると共に、供給コンベア110から供給された製品Pが筒状の帯状フィルムFwに進入する入口となる。製筒器126は、フィルム送り装置120からセンタシール装置135に至る帯状フィルムFwの搬送経路上に配置されている。また、製筒器126は、供給コンベア110の搬送方向の下流側の端部に対面して配置されている。
【0076】
フィルム送り装置120によって送られた帯状フィルムFwは、製筒器126に沿って移動する過程で、搬送方向に直交する幅方向の両端部が下方で重ね合わされることによって筒状に成形される。また、供給コンベア110から供給された製品Pは、製筒器126の内部空間を通過することによって、筒状の帯状フィルムFwの内部に進入する。
【0077】
挟持搬送装置130は、製筒器126によって筒状に成形された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟持して、搬送方向に搬送する。挟持搬送装置130は、製筒器126より搬送方向の下流側に配置されている。また、挟持搬送装置130は、製筒器126を通過した帯状フィルムFw及び製品Pより下方に配置されている。挟持搬送装置130は、支持プレート131と、一対のフィルム送りローラ132、133と、送りモータ134とを主に備える。
【0078】
支持プレート131は、製筒器126より搬送方向の下流側に接続されている。支持プレート131は、筒状の帯状フィルムFwに内包された製品Pを支持する。また、支持プレート131は、搬送方向において、センタシール装置135の位置まで延設されている。さらに、支持プレート131には、幅方向の中央部を帯状フィルムFwの搬送方向に沿って延びるスリット139が設けられている。帯状フィルムFwの重ね合わされた端部は、スリット139を通じて支持プレート131の下面側に突出している。
【0079】
一対のフィルム送りローラ132、133は、支持プレート131の下面側に配置されている。一対のフィルム送りローラ132、133は、スリット139を通じて突出した帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟持する。フィルム送りローラ132は、送りモータ134の駆動力が伝達されて回転する。これにより、筒状の帯状フィルムFwは、センタシール装置135に向けて搬送方向に搬送される。
【0080】
センタシール装置135は、製筒器126で重ね合わされた帯状フィルムFwの幅方向の両端部をシールする。センタシール装置135は、製筒器126及び挟持搬送装置130より搬送方向の下流側に配置されている。また、センタシール装置135は、帯状フィルムFw及び製品P(換言すれば、支持プレート131)より下方に配置されている。センタシール装置135は、一対のシールローラ136、137と、シールモータ138とを主に備える。
【0081】
一対のシールローラ136、137は、フィルム送りローラ132、133より帯状フィルムFwの搬送方向の下流側において、支持プレート131の下面側に配置されている。一対のシールローラ136、137は、スリット139を通じて突出した帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟持する。シールローラ136、137の外周面は、ヒータ(図示省略)によって加熱されている。シールローラ136は、シールモータ138の駆動力が伝達されて回転する。これにより、シールローラ136、137に挟持された帯状フィルムFwの重ね合わされた端部がシール(溶着)される。
【0082】
エンドシール装置140は、製筒器126、挟持搬送装置130、及びセンタシール装置135より搬送方向の下流側に配置されている。エンドシール装置140は、センタシール装置135でシールされた筒状の帯状フィルムFwを、搬送方向における製品Pの両側でシールすることによって、製品Pを収容した袋Bpを成形する。エンドシール装置140は、一対のシールブロック141、142と、接離モータ143とを主に備える。
【0083】
一対のシールブロック141、142は、上下方向において、筒状に成形された帯状フィルムFwを挟んで配置されている。一対のシールブロック141、142の帯状フィルムFwに対面する面は、ヒータ(図示省略)によって加熱されている。一対のシールブロック141、142は、接離モータ143の駆動力が伝達されて接離する。エンドシール装置140は、隣接する製品Pの間において、一対のシールブロック141、142を当接させる。これにより、隣接する製品Pの間において、帯状フィルムFwのシールブロック141、142に挟まれた部分がシール(溶着)される。
【0084】
そして、横型製袋充填包装機100は、
図3または
図6に示すカッタ装置60と、
図7に示す制御装置80とを備える。カッタ装置60は、シールブロック141、142の一方(好ましくは、上側のシールブロック141)に搭載される。そして、横型製袋充填包装機100は、
図9に示すカッタ制御処理と、
図10に示す報知制御処理とを実行する。
【符号の説明】
【0085】
1…縦型製袋充填包装機、10…フィルム供給装置、11…巻取ロール、12a~12h…固定ガイドロール、13…テンション機構、14,126…製筒器、15…日付印字装置、16…日付検査装置、20…送り装置、21,22…送りベルト、30…製品充填筒、31…ホッパ、40…縦シール装置、41,42,51,52,141,142…シールブロック、50…横シール装置、53,54…ブロックホルダ、55…カッタ溝、60…カッタ装置、61…カッタ、61a…カッタ刃、62…サーボモータ、63,64…駆動力伝達機構、63a…ボールねじ、63b,64d…スライド部材、63c,64e…カッタホルダ、64a…駆動プーリ、64b…従動プーリ、64c…無端環状ベルト、65…サーボアンプ、70…操作パネル、80…制御装置、81…CPU、82…メモリ、100…横型製袋充填包装機、110…供給コンベア、114…駆動スプロケット、115…従動スプロケット、116…搬送チェーン、117…駆動モータ、118…プッシャ、120…フィルム送り装置、121…巻取り軸、122…駆動ローラ、123…従動ローラ、124,134…送りモータ、125a,125b…ガイドローラ、130…挟持搬送装置、131…支持プレート、132,133…フィルム送りローラ、135…センタシール装置、136,137…シールローラ、138…シールモータ、139…スリット、140…エンドシール装置、143…接離モータ