(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148785
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056996
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】515215564
【氏名又は名称】Beyond Next Ventures株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 毅
(72)【発明者】
【氏名】原口 満也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】起業家としての適性を高精度に診断する。
【解決手段】情報処理装置は、起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを記憶する記憶手段と、前記質問を表示手段に対して表示する質問表示手段と、質問に対するユーザの回答を取得する回答取得手段と、前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析手段と、分析結果を前記表示手段に対して表示する結果表示手段と、を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを記憶する記憶手段と、
前記質問データを表示手段に対して表示する質問表示手段と、
質問に対するユーザの回答を取得する回答取得手段と、
前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析手段と、
分析結果を前記表示手段に対して表示する結果表示手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記行動特性関連質問は、自信またはモチベーションに関する質問、革新性または創造性に関する質問、対応力または行動力に関する質問、起業戦略の設定、評価または実施に関する質問、のうち少なくとも1以上の質問から構成される第1の質問群を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記分析手段は、前記行動特性関連質問のうち、前記第1の質問群における重み付けを、前記第1の質問群とは異なる第2の質問群における重み付けより高くして、前記起業家適性を示すスコアを算出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記質問データには、前記行動特性関連質問に加え、性格傾向に関する質問、起業家のタイプに関する質問、個人の背景に関する質問のうち少なくとも1以上の質問のカテゴリをさらに含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、質問に対する回答データと、当該質問に回答したユーザが起業家か否かを示すデータとを教師データとした機械学習により予め生成された学習モデルをさらに記憶し、
前記分析手段は、前記学習モデルを用いて、前記回答取得手段によって取得された前記回答に基づく、当該ユーザにおける起業家の適性を示す分析結果を出力する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記分析手段は、第1分析手段と、第2分析手段と、比較手段とを含み、
前記第1分析手段は、所定の人材育成プログラムを受講する受講生である前記ユーザにおける、前記人材育成プログラムの受講前における起業家適性を分析し、
前記第2分析手段は、前記受講生における、前記人材育成プログラムの受講後における起業家適性を分析し、
前記比較手段は、前記第1分析手段における分析結果と、前記第2分析手段における分析結果とを比較し、
比較結果を前記人材育成プログラムの運営会社に対して提供する情報提供手段をさらに有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記分析手段によって算出された起業家の適性の分類ごとに管理された管理情報に基づいて、前記起業家の適性が高いユーザに関する情報を、人材紹介を行う企業に対して提供する情報提供手段をさらに有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを表示手段に対して表示する質問表示ステップと、
質問に対するユーザの回答を取得する回答取得ステップと、
前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析ステップと、
分析結果を前記表示手段に対して表示する結果表示ステップと、
を有する情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを表示手段に対して表示する質問表示ステップと、
質問に対するユーザの回答を取得する回答取得ステップと、
前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析ステップと、
文関結果を前記表示手段に対して表示する結果表示ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、求職者に対して適性診断に関する設問に回答させて、回答内容に応じた求職情報の提供、および仕事スタイルの提案を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、従業員を希望する求職者に対する適性診断であって、起業を試みる者を想定した診断が従来、行われていなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、起業家としての適性を高精度に診断可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを記憶する記憶手段と、
前記質問データを表示手段に対して表示する質問表示手段と、
質問に対するユーザの回答を取得する回答取得手段と、
前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析手段と、
分析結果を前記表示手段に対して表示する結果表示手段と、
を有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、起業家としての適性を高精度に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】起業家適性診断における質問の表示例を示す図である。
【
図2】起業家適性診断における診断結果の表示例を示す図である。
【
図3】本実施形態が適用されるビジネスモデルの一例を示す図である。
【
図4】起業家適性診断システムの構成の概略を示す図である。
【
図5】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図7】起業家適性診断処理の動作を示すフローチャートである。
【
図8】個人背景および性格傾向に関する質問の一例を示す図である。
【
図9】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図10】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図11】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図12】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図13】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図14】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図15】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図16】コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
【
図17】起業家タイプに関する質問の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概要>
本実施形態では、起業を試みる者や起業家に対して、起業家適性を診断する起業家適性診断システムについて説明する。本実施形態における起業家適性診断システムでは、起業を試みる者や起業家に対して、複数の多肢選択式の質問に回答させ、当該回答に基づいて、起業家適性に関する診断結果を提示する。以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る起業家適性診断において、ユーザ端末に表示される複数の多肢選択式の質問の表示例である。なお、
図1に示される質問は一例であって、これらに限定されるものではない。ユーザは、
図1に示す質問に対する回答を選択する。なお、質問内容のその他の例については、後述する。
【0011】
図2A、
図2Bは、本実施形態に係る起業家適性診断において、ユーザ端末に表示される上述の質問に対する回答に基づく診断結果の表示例である。なお、
図2A、
図2Bに示される診断結果は一例であって、これらに限定されるものではない。例えば、無料版の起業家適性診断システムでは、
図2A、
図2Bに示される表示を行い、有料版の起業家適性診断システムでは、更に起業家として成功するためのアドバイス等を含む「起業家診断レポート」を表示してもよい。また、例えば、診断結果に対するフィードバックとして、強み、弱み、弱みについての改善アドバイスを表示してもよい。ここで、強み、弱みは、後述する各スコアに基づいて、例えば、項目ごとに、所定の閾値Th1より高いスコアの項目を強み、所定の閾値Th2より低いスコアの項目を弱みとするとよい。また、弱みついての改善アドバイスは、それぞれの項目ごとに、あらかじめ所定の記憶部に記憶されているものとする。
【0012】
図2Aは、診断結果として表示される、起業家レベル、および起業家タイプの一例を示す図である。
【0013】
起業家レベルは、起業家に対する適性度合いを示すスコアである。例えば、起業家レベルは、0から100の百分率で示すことができる。起業家レベルは、値が高いほど起業家に適しており、値が低いほど起業家に適していないことを示す数値であると捉えることもできる。ここで、起業家に適していない例としては、一般的な従業員や、役員等に適していることが挙げられる。起業家レベルは、例えば、上述の質問に対する回答に基づいて算出される得点率に応じて、得点率が高い程、起業家レベルが高くなるように設定されるとよい。
【0014】
起業家タイプは、起業家における類型であって、例えば、「革新者」、「機会活用家」、「変革者」、「戦略的思考家」等が挙げられる。また、起業家タイプには、該当する類型に当てはまる、実在する人物名が記載されてもよい。
【0015】
なお、
図2Aに示すように、ボタンBT1~ボタンBT3を表示してもよい。
ボタンBT1は、診断結果を所定のSNS等に共有するためのボタンである。複数のSNSごとに、ボタンBT1を表示してもよい。
ボタンBT2は、診断結果の表示を終了して、ホーム画面に戻るためのボタンである。
ボタンBT3は、診断結果の詳細を表示するためのボタンである。本実施形態では、ボタンBT3が押下されると、
図2Bに示す画面が表示される。
【0016】
図2Bは、診断結果として表示される、レーダーチャート、および習熟レベルの一例を示す図である。
【0017】
レーダーチャート(例えば、アイテムAT1)は、上述の質問における所定の項目(以下、中項目とも称する。)ごとのスコアである。各項目に対応する複数の質問に対する回答に基づいて、中項目ごとの得点率が決定される。
なお、診断結果の表示態様は、
図2Bに示すレーダーチャートに限定されず、例えば、棒グラフ等であってもよい。また、各中項目について、起業家の平均値(あらかじめ取得された、既に起業している複数の起業家における平均スコア)を明示し、受験者と起業家との差を目視、直感的に認識できるようにしてもよい。
本実施形態では、中項目の一例として、下記9つの項目を例に説明するが、これらに限定されるものではない。
○市場機会の発見・創出(ビジネスチャンスの発見・創出)
・・・起業につながるニーズや潜在化している困りごとを感知あるいは掘り起こす力
○革新性・創造性
・・・ニーズや困りごとに対しソリューションを生み出す力
○企業戦略の設定・評価・実施(ビジョン・事業戦略)
・・・起業で成し遂げたいことを明確にし、実行する戦略を立てる力
○概念的・分析的思考(論理的思考力)
・・・問題を多角的に捉え、論理的に打ち手を考案し実行していく力
○マネジメント力
・・・チームを形成し円滑に機能させる力
○自己管理能力(対応力、行動力)
・・・リスクや不測の事態に対処できる力
○職務へのコミットメント
・・・自己の成長を促し目的を成し遂げる力
○他者・他グループとの関係性の創出・維持(他者との協奏)
・・・相互に利益をもたらす協力関係を構築する力
○個人特性(自信、粘り強さ、自己主張、モチベーション、リスクテイキング)
・・・自己に自信持ち続け挑戦できる力
【0018】
習熟レベル(例えば、アイテムAT2)は、起業家に必要な3大要素とされる「創造性」、「スキル」、「行動力」(以下、大項目とも称する。)における習熟度合いを示すスコアである。習熟レベルは、各要素に対応する上述の質問の回答に基づいて設定される。なお、習熟レベルについて、所定のコメントが付されていてもよい。
なお、
図2Bに示すように、ボタンBT4を表示してもよく、ボタンBT4が押下されると
図2Aに示す画面が表示される。なお、
図2Bに示すボタンBT1は、
図2Aに示すボタンBT1と同様であるものとする。
【0019】
本実施形態に係る起業家適性診断システムは、様々なビジネスモデルにおいて、適用することができる。以下、
図3A~
図3Bを参照して、本実施形態に係る起業家適性診断システムが適用されるビジネスモデルの例を説明する。
【0020】
図3Aは、本実施形態が適用されるビジネスモデルの一例を示す図である。
図3Aに示すように、人材育成会社等が開催する起業家育成プログラム等における育成度を評価する際に、本実施形態に係る起業家適性診断システムを用いることができる。
具体的には、人材育成会社等が開催する起業家育成プログラムの受講生に対して、本実施形態に係る起業家適性テストの受験依頼を行う(Pre起業家適性テスト)。そして、受講生は、上述の起業家育成プログラムを受講後、再度、本実施形態に係る起業家適性テストの受験依頼を行う(Post起業家適性テスト)。そして、起業家適性診断システムは、診断結果(例えば、診断結果のスコア)を比較した育成度を人材育成会社等に提示する。これにより、人材育成会社等が起業家育成プログラムにおける、受講生の育成度合いを知るために活用することができる。このように、起業家適性診断システムを、所定の育成プログラムの受講前後における育成度を客観的に判断するための人材育成評価システムとして用いることができる。
【0021】
図3Bは、本実施形態が適用されるビジネスモデルの一例を示す図である。
図3Bに示すように、人材紹介会社等(例えば、人材開発会社、人材派遣会社)が、適性に応じて人材プールを作成して人材紹介を行う際に、本実施形態に係る起業家適性診断システムを用いることができる。
具体的には、人材紹介会社等が、求職者から、WEB上で無料公開された本実施形態に係る起業家適性テストの受験を受け付ける。そして、起業家適性スコアに応じて、人材のプール(タレントプール)としてデータベース上で管理する。さらに、起業家適性が高いと判断された人材に対して、例えば、起業家として働き口を紹介するために用いる。このように、起業家適性診断システムを、人材ソーシングシステムとして用いることができる。
【0022】
なお、上述の他、本実施形態が適用されるビジネスモデルとして以下のものが考えられる。
すなわち、個人投資家等に対して、起業家適性診断のアプリケーションをプラットフォームとして提供するサービス(他者がビジネス利用するモデル)が考えられる。
また、企業や学校などの団体に対して、起業家適性を診断するサービス(企業であれば新規事業創出人材の掘り起こし支援、学校であれば学生のキャリア支援)が考えられる。
【0023】
<システム構成>
図4は、本実施形態に係る起業家適性診断システムのシステム構成の概要を示す図である。本実施形態に係る起業家適性診断システムは、処理を行うサーバ1(情報処理装置)と、起業を志す者(または起業した者)が操作するユーザ端末2と、当該ユーザに対する起業家適性を評価する企業の担当者によって操作される企業端末3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。なお、企業としては、上述の人材紹介会社等が挙げられる。
サーバ1は、ユーザ端末2と企業端末3の各動作と協働して各種処理を実行する。
【0024】
<ハードウェア構成>
図5は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0025】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0026】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0027】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0028】
<機能構成>
図6は、本実施形態に係るサーバ1における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0029】
図6に示すサーバ1の記憶部18(記憶手段)においては、ユーザ情報DB41、質問DB42、回答DB43等が設けられる。
また、サーバ1のCPU11においては、動作する際に、受付部31、質問表示部32、回答取得部33、スコア算出部34、結果表示部35、情報提供部36等が機能する。
【0030】
受付部31は、ユーザ端末2から、本実施形態に係る起業家適性テストの受験を受け付ける。この際、受付部31は、起業家適性診断システムへのログインを受け付けてもよい。受付部31は、ログイン情報等の受け付けたユーザ情報をユーザ情報DB41に格納する。
【0031】
質問表示部32(質問表示手段)は、ユーザ端末2の表示部(不図示)に対して、あらかじめ質問DB42に格納された各種質問(質問データ)を表示する。本実施形態では各種質問には、コンピテンシーに関する複数の多肢選択式の質問が含まれる。なお、質問データには、回答候補の選択肢も含まれるものとする。
コンピテンシーに関する質問は、起業家に特徴付けられる行動特性に関する質問(行動特性関連質問)であって、上述の中項目に関連する起業家の適性を計るための質問である。なお、本実施形態では、コンピテンシーに関する質問のうち、起業家と非起業家との間で特に差が大きい項目が含まれるとよい。例えば、中項目のうり、「自信またはモチベーション」に関する質問、「革新性または創造性」に関する質問、「対応力または行動力」に関する質問、「起業戦略の設定、評価または実施」に関する質問、のうち少なくとも1以上の質問から構成される第1の質問群を含むものとする。
また、本実施形態では、コンピテンシーに関する質問の他、性格傾向に関する質問、起業家のタイプに関する質問、個人の背景に関する質問のうち少なくとも1以上の質問のカテゴリをさらに含む例について説明するが、これらの質問を含むか否かは特に限定されない。
【0032】
回答取得部33(回答取得手段)は、質問に対するユーザの回答を取得する。回答取得部33は、取得した回答を、回答DB43に格納する。
【0033】
スコア算出部34(分析手段)は、上述の回答に基づいて、起業家の適性を示すスコアを算出する。
また、スコア算出部34は、所定の項目(中項目)ごとの得点率を算出する。
さらに、スコア算出部34は、起業家に必要な3大要素とされる「創造性」、「スキル」、「行動力」(何れも大項目)ごとの習熟レベルを算出する。
スコア等のルールベースによる算出方法の詳細は、後述するが、スコア算出部34は、学習モデル(AI)を用いて、スコアを算出してもよい。例えば、上述の記憶部18に、複数の多肢選択式の質問に対する回答データと、当該質問に回答したユーザが起業家か否かを示すデータとを教師データとした機械学習により予め生成された学習モデルをあらかじめ記憶しておく。そして、スコア算出部34は、上述の学習モデルを用いて、回答取得部33によって取得された質問に対するユーザの回答に基づく、当該ユーザにおける起業家の適性を示すスコアを算出してもよい。
なお、本実施形態では、スコア算出部34は、上述の起業家の適性を示すスコアを算出する例について説明するが、これに限定されず、
図2Bに示すような中項目や大項目に対する分析結果のみを出力してもよい。
また、スコア算出部34は、上述のスコアに基づいて、「起業家向き」または「非起業家向き」を分析結果として提示してもよい。例えば、上述のスコアが所定の値以上の場合に「起業家向き」、所定の値未満の場合に「非起業家向き」としてもよく、また、学習モデルを用いて、回答結果から上述の分析結果を提示してもよい。
【0034】
結果表示部35(結果表示手段)は、起業家の適性を示すスコア(分析結果)をユーザ端末2の表示部に対して表示する。
【0035】
情報提供部36(情報提供手段)は、情報提供部36は、所定の企業(人材紹介会社等)の企業端末3に対して、種々の情報を提供する。
例えば、情報提供部36は、
図3Aに示すビジネスモデルにおいて、所定の人材育成プログラムの受講者における、上述のスコア等の分析結果を、当該人材育成プログラムの運営会社の企業端末3に対して提供する。この場合、まず、スコア算出部34(第1分析手段)は、所定の人材育成プログラムを受講する受講生である前記ユーザにおける、人材育成プログラムの受講前における起業家適性スコアを出力する(起業家適性を分析する)。そして、スコア算出部34(第2分析手段)は、受講生における、人材育成プログラムの受講後における起業家適性スコアを出力する(起業家適性を分析する)。そして、スコア算出部34(比較手段)は、上述の受講前における分析結果と、受講後における分析結果を比較して、比較結果を出力する。比較結果としては、例えば、受講前後における起業家スコア、中項目における得点率、大項目における得点率等の上昇率(下降率)や、差分が挙げられ、特に、所定の値以上スコアが上昇した項目を比較結果として出力してもよい。
また、例えば、情報提供部36は、
図3Bに示すビジネスモデルにおいて、スコア算出部34によって算出された起業家の適性の分類(例えば、「起業家寄り」、「非起業家寄り」等)ごとに管理された管理情報に基づいて、起業家の適性が高いユーザに関する情報を、人材紹介を行う企業の企業端末3に対して提供する。ここで、起業家の適性が高いユーザは、「起業家寄り」のユーザであって、例えば、起業家スコアが所定の値以上の者である。
【0036】
<処理内容>
図7は、本実施形態に係る起業家適性診断処理の一例を示す図である。
ステップS1において、受付部31は、ユーザ端末2から起業家適性診断を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合(ステップS1-Yes)はステップS2へ進み、そうでない場合(ステップS1-No)はステップS1の判断を行う。例えば、受付部31は、ユーザからログイン操作を受け付けると、起業家適性診断を受け付けたと判断する。
【0037】
ステップS2において、受付部31は、ユーザ情報を受け付ける。ユーザ情報は、例えば、本実施形態に係る起業家適性診断システムへのログインを受け付けた場合に、当該ログインを行ったユーザに関して登録されている情報(例えば、過去の診断結果)である。なお、ユーザ情報は、起業家適正診断を受け付けたユーザ端末2から特定されるものとする。
【0038】
ステップS3において、質問表示部32は、ユーザ端末2の表示部(不図示)に対して、あらかじめ質問DB42に格納された各種質問を表示する。
【0039】
ステップS4において、回答取得部33は、質問に対するユーザの回答を取得する。回答取得部33は、取得した回答を、回答DB43に格納する。
【0040】
ステップS5において、スコア算出部34は、回答に基づいて、起業家の適性を示すスコア等を算出する。スコア算出の詳細については、後述する。
【0041】
ステップS6において、結果表示部35は、上述の分析結果(例えば、
図2Aおよび
図2Bに示す、起業家の適性を示すスコアを含むコンテンツ)をユーザ端末2の表示部に対して表示する。
【0042】
ステップS7において、情報提供部36は、所定の企業(人材紹介会社等)の企業端末3に対して、診断結果を提供する。
【0043】
<質問内容>
≪個人背景に関する質問≫
図8Aは、個人背景に関する質問の一例を示す図である。
図8Aには、質問No.A01~A19の個人背景に関する質問、および当該質問ごとの選択肢の一例が示されている。
質問表示部32は、個人背景に関する質問、および当該質問ごとの選択肢を、例えば、質問Noの昇順に表示する。選択肢としては、例えば、「はい」または「いいえ」を選択するもの、「0~20%」等該当する数値が含まれる範囲を選択するもの、「全く重要でない」等該当する内容を選択するもの等のように該当する内容をプルダウン式で選択するものが挙げられる。
なお、質問表示部32は、質問の回答内容に応じて、他の質問の表示態様を変更してもよい。例えば、質問表示部32は、質問No.A01の質問に対する回答が「いいえ」であった場合は、所定の質問(例えば、質問No.A03,A08,A16~A19の質問)を表示しないように制御してもよい。
回答取得部33は、上述の選択肢うち、ユーザによって選択された選択肢を回答として取得する。なお、回答取得部33は、プルダウン式の選択肢でないものについては、
図8Aに示す選択肢を示す記号(符号A~符号E)を取得してもよい。
なお、スコア算出部34は、後述する起業家レベルの算出において、上述の個人背景に関する質問を考慮してもよい。例えば、質問No.A10,A11,A13,A14の回答で「はい」が選ばれた場合、すなわち、親戚または知人に起業家がいる場合やスポーツ経験がある場合に、コンピテンシーに関する質問に基づいて算出された起業家スコアに対して、所定のポイントを加点してもよい。既存の研究より、親族や知人における起業家や経営者の有無が起業後の成功に影響を与えること、スポーツ経験が起業家精神の醸成に影響することが示唆されている。このため、親族や知人における起業家や経営者の有無やスポーツ経験をはじめとした個人背景をコンピテンシーと組み合わせることで、起業家適性診断の性能向上が期待される。
【0044】
≪性格傾向に関する質問≫
図8Bは、性格傾向に関する質問の一例を示す図である。
図8Bには、質問No.B01~B12の性格傾向に関する質問、および当該質問ごとの選択肢の一例が示されている。
質問表示部32は、性格傾向に関する質問、および当該質問ごとの選択肢を、例えば、質問No順に表示する。選択肢としては、例えば、「そんなことはない」、「しばしばそうである」、「いつもそうである」等が挙げられる。
回答取得部33は、上述の選択肢うち、ユーザによって選択された選択肢を取得する。
スコア算出部34は、ユーザによって選択された選択肢に応じて、例えば、下記のように性格傾向に関するスコアを算出して、性格傾向に関する全質問の合計スコアを、性格傾向に関するスコアとして算出する。
質問に対する回答:「そんなことはない」 →スコア:0
質問に対する回答:「しばしばそうである」 →スコア:2
質問に対する回答:「いつもそうである」 →スコア:4
結果表示部35は、性格傾向に関するスコアに基づいて、性格に関するタイプ診断結果を表示してもよい。例えば、結果表示部35は、性格傾向に関するスコアが所定の値(例えば、17)以上の場合はタイプTA、所定の値未満の場合はタイプTBとして、診断結果を表示してもよい。
なお、スコア算出部34は、質問ごとに選択肢に対応するスコアを変更してもよい。すなわち、スコア算出部は、質問に応じて、選択肢に対応するスコアの重みを変更してもよい。例えば、スコア算出部は、性格傾向に関する質問のうち、所定の質問については、例えば、下記のように性格傾向に関するスコアを算出してもよい。
質問に対する回答:「そんなことはない」 →スコア:0
質問に対する回答:「しばしばそうである」 →スコア:1
質問に対する回答:「いつもそうである」 →スコア:2
なお、スコア算出部34は、後述する起業家レベルの算出において、上述の性格傾向に関する質問を考慮してもよい。例えば、性格に関するタイプ診断結果がタイプTAの場合に、コンピテンシーに関する質問に基づいて算出された起業家スコアに対して、所定のポイントを加点してもよい。これまでに、性格傾向の尺度の1つであるタイプTAに特有の行動特性と起業後の成功との関連が報告されている。このため、タイプTAに特有の行動特性といった性格傾向は起業家適性への関連が考えられ、性格傾向をコンピテンシーと組み合わせることで、起業家適性診断の性能向上が期待される。
【0045】
≪コンピテンシーに関する質問≫
図9~
図16は、コンピテンシーに関する質問の一例を示す図である。
図9~
図16には、質問No.C01~K05のコンピテンシーに関する質問の一例が示されている。
質問表示部32は、コンピテンシーに関する質問、および当該質問ごとの選択肢を、例えば、質問Noの昇順に表示する。選択肢としては、例えば、符号A~符号Eの選択肢が挙げられる。
回答取得部33は、上述の選択肢うち、ユーザによって選択された選択肢を取得する。
スコア算出部34は、ユーザによって選択された選択肢に応じて、例えば、下記のように質問ごとのスコアを配点パターンに対応付けて算出する。なお、各質問と配点パターンとは、予め対応付けられて質問DB42に格納されているものとする。
配点パターンP1・・・回答:A→スコア:1、回答:B→スコア:2、回答:C→スコア:3、回答:D→スコア:4、回答:E→スコア:5
配点パターンP2・・・回答:A→スコア:5、回答:B→スコア:4、回答:C→スコア:3、回答:D→スコア:2、回答:E→スコア:1
【0046】
結果表示部35は、スコア算出部34によって算出(出力)された結果に基づいて、3大要素ごとの習熟レベル、所定の項目ごとの得点率、起業家レベル等を表示してもよい。それぞれの出力方法の一例について説明する。
例えば、スコア算出部34は、起業家に必要な3大要素とされる「創造性」、「スキル」、「行動力」ごとの習熟レベルを算出する。例えば、スコア算出部34は、「創造性」に関連する質問の回答に基づいて、「創造性」の得点率を算出する。そして、スコア算出部34は、当該得点率および所定の閾値に応じて、例えば、習熟レベルを「初級」、「中級」、「上級」のように分類する。なお、各質問と3大要素とは、予め対応付けられて質問DB42に格納されているものとする。
また、例えば、スコア算出部34は、所定の項目(中項目)ごとの得点率を算出する。例えば、スコア算出部34は、「市場機会の発見・創出」に関連する質問No.C01~C04の回答に基づいて、「市場機会の発見・創出」の得点率を算出する。なお、各質問と所定の項目とは、予め対応付けられて質問DB42に格納されているものとする。
また、例えば、スコア算出部34は、コンピテンシーに関する全質問の合計スコアに基づいて、当該合計スコアが高くなる程、起業家レベルが高くなるように、上述の起業家レベルを算出する。ここで、スコア算出部34は、コンピテンシーに関する質問のうち、第1の質問群におけるスコアへの重み付けを、当該第1の質問群とは異なる第2の質問群におけるスコアへの重み付けより高くするとよい。第1の質問群は、例えば、中項目の「自信またはモチベーション」に対応する質問である。第2の質問群は、例えば、中項目の「市場機会の発見・創出」に対応する質問以外のコンピテンシーに関する質問である。これは、起業家と非起業家(従業者等)に対して、コンピテンシーに関する質問を含む起業家適性テストを実施した場合に、スコアの差が大きいと思われる第1の質問群における起業家レベルへの寄与率を高くすることで、より精度の高い起業家適性診断が行えると考えられるためである。なお、各質問と、対応する質問群とは、予め対応付けられて質問DB42に格納されているものとする。
【0047】
≪起業家タイプに関する質問≫
図17は、起業家タイプに関する質問の一例を示す図である。
図17には、質問No.L01~L08の起業家タイプに関する質問、および当該質問ごとの選択肢の一例が示されている。
質問表示部32は、起業家タイプに関する質問、および当該質問ごとの選択肢を、例えば、質問No順に表示する。選択肢としては、例えば、
図17に示す回答1~回答5が挙げられる。
回答取得部33は、上述の選択肢うち、ユーザによって選択された選択肢を取得する。
スコア算出部34は、ユーザによって選択された選択肢に対応する符号(例えば、回答1~回答5のうちの最頻値)に基づいて、上述の起業家タイプを決定する。
結果表示部35は、起業家タイプを表示してもよい。
【0048】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、起業家コンピテンシーを中心とした質問を用いて、起業家適性を高精度に診断することができる。
これにより、例えば、起業家育成プログラムを運営する企業が、受講生の診断結果を、客観的な育成度(効果)を測るツールとして用いることができる。
また、人材紹介会社等が、起業家適性が高いが、起業家として活動していない起業家候補の掘り起こしを行うためのツールとして、診断結果を用いることができる。
また、個人投資家等に対して、起業家適性診断のアプリケーションをプラットフォームとして提供するサービスとして用いることができる。
また、企業や学校などの団体に対して、起業家適性を診断するサービス(企業であれば新規事業創出人材の掘り起こし支援、学校であれば学生のキャリア支援)として用いることができる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0050】
(その他)
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図6に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0051】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0053】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0054】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0055】
すなわち、(1)起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを記憶する記憶手段(例えば、記憶部18)と、前記質問データを表示手段に対して表示する質問表示手段(例えば、質問表示部32I)と、質問に対するユーザの回答を取得する回答取得手段(例えば、回答取得部33)と、前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析手段(例えば、スコア算出部34)と、分析結果を前記表示手段に対して表示する結果表示手段(結果表示部35)と、を有する情報処理装置である。
これにより、起業家としての適性を高精度に診断することができる。
【0056】
また、(2)前記行動特性関連質問は、自信またはモチベーションに関する質問、革新性または創造性に関する質問、対応力または行動力に関する質問、起業戦略の設定、評価または実施に関する質問、のうち少なくとも1以上の質問から構成される第1の質問群を含むとよい。
これにより、起業家適性を測るためのコンピテンシーに関する質問(行動特性関連質問)のうち、特に、起業家と非起業家との間で差の大きいとされる上記の第1の質問群に基づいて、適切に起業家としての適性を診断することができる。
【0057】
また、(3)前記分析手段は、前記行動特性関連質問のうち、前記第1の質問群における重み付けを、前記第1の質問群とは異なる第2の質問群における重み付けより高くして、前記起業家適性を示すスコアを算出するとよい。
これにより、より精度の高い起業家適性診断を行うことができる。
【0058】
また、(4)前記質問データには、前記行動特性関連質問に加え、性格傾向に関する質問、起業家のタイプに関する質問、個人の背景に関する質問のうち少なくとも1以上の質問のカテゴリをさらに含むとよい。
これにより、起業家適性の有無に加えて、起業家タイプや、人となりを総合的に評価するための診断結果を出力できる。
【0059】
また、(5)前記記憶手段は、質問に対する回答データと、当該質問に回答したユーザが起業家か否かを示すデータとを教師データとした機械学習により予め生成された学習モデルをさらに記憶し、前記分析手段は、前記学習モデルを用いて、前記回答取得手段によって取得された前記回答に基づく、当該ユーザにおける起業家の適性を示す分析結果を出力するとよい。
このように、機械学習を用いることにより、学習データを用意するのみで、起業家適性の予測を容易に行うことができる。
【0060】
また、(6)前記分析手段は、第1分析手段と、第2分析手段と、比較手段とを含み、前記第1分析手段は、所定の人材育成プログラムを受講する受講生である前記ユーザにおける、前記人材育成プログラムの受講前における起業家適性を分析し、前記第2分析手段は、前記受講生における、前記人材育成プログラムの受講後における起業家適性を分析し、前記比較手段は、前記第1分析手段における分析結果と、前記第2分析手段における分析結果とを比較し、比較結果を前記人材育成プログラムの運営会社に対して提供する情報提供手段をさらに有するとよい。
これにより、起業家育成プログラムにおける効果の判定を容易に行うことができる。
【0061】
また、(7)前記分析手段によって算出された起業家の適性の分類ごとに管理された管理情報に基づいて、前記起業家の適性が高いユーザに関する情報を、人材紹介を行う企業に対して提供する情報提供手段をさらに有するとよい。
これにより、社会一般からの起業家候補の掘り起こしを容易に行うことができる。
【0062】
また、本発明は、(8)起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを表示手段に対して表示する質問表示ステップと、質問に対するユーザの回答を取得する回答取得ステップと、前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析ステップと、分析結果を前記表示手段に対して表示する結果表示ステップと、を有する情報処理装置の制御方法と捉えることもできる。
【0063】
また、本発明は、(9)起業家に特徴付けられる行動特性関連質問を含む、複数の多肢選択式の質問データを表示手段に対して表示する質問表示ステップと、質問に対するユーザの回答を取得する回答取得ステップと、前記回答に基づいて、起業家適性を分析する分析ステップと、文関結果を前記表示手段に対して表示する結果表示ステップと、をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムと捉えることもできる。
【符号の説明】
【0064】
1:サーバ 2:ユーザ端末 3:企業端末
11:CPU 18:記憶部 19:通信部
31:受付部 32:質問表示部 33:回答取得部
34:スコア算出部 35:結果表示部 36:情報提供部
41:ユーザ情報DB 42:質問DB 43:回答DB