(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148817
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】駐車支援システムおよび駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20231005BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20231005BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231005BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20231005BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/02
G08G1/16 C
B60R99/00 321
B60R99/00 330
B60R99/00 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057058
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大月 龍
(72)【発明者】
【氏名】福山 真幸
(72)【発明者】
【氏名】石橋 裕大
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DC34Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC24
5H181FF27
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】路面状況が良くない場合でも適切に駐車位置を計算する。
【解決手段】本開示の駐車支援システムでは、車両周辺を撮影した画像に基づいて車両の周辺の駐車枠を検出する。また、駐車支援装置は、ソナーによる駐車空間を検出し、駐車枠の精度が高い場合、駐車枠に基づいて駐車目標位置を算出する。また、駐車支援装置は、駐車枠の精度が低い場合、駐車空間に基づいて駐車目標位置を算出する。駐車支援装置は、駐車目標位置に基づいて経路を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺を撮影した撮影画像に基づいて、前記車両の周辺の駐車枠を検出する駐車枠検出部と、
超音波の送信波と、当該送信波の反射波とに基づいて駐車空間を検出する駐車空間検出部と
前記駐車枠検出部により検出された駐車枠の精度を判定する精度判定部と、
前記精度判定部により判定された精度に基づいて、前記駐車枠検出部により検出された駐車枠および前記駐車空間検出部により検出された駐車空間を用いた目標駐車位置の計算方法を判断する計算方法判断部と、
前記計算方法判断部による判断に基づいて目標駐車位置を計算する目標位置計算部と、
前記目標位置計算部により計算された目標駐車位置に基づいた経路を生成する経路生成部と、を備える駐車支援システム。
【請求項2】
前記駐車枠検出部は、前記撮影画像を俯瞰画像に変換して、前記俯瞰画像上の駐車枠を検出し、
前記精度判定部は、前記駐車枠検出部により検出された駐車枠の位置又は形状に基づいて前記駐車枠の精度を判定する、請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記精度判定部は、前記駐車枠の位置又は形状による判定は、枠線の角度差と位置に応じて決まる閾値の比較、又は前記駐車枠の対称性に基づいて判定する、請求項2に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記精度判定部は、前記駐車枠の枠線の角度が閾値以上である場合、駐車枠使用不可と判定し、前記駐車枠の枠線が閾値未満である場合、駐車枠使用可と判定し、前記駐車枠の枠線が左右対称である場合、部分的使用可と判定する、請求項3に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
前記計算方法判断部は、
前記精度判定部による判定結果が、駐車枠使用不可である場合、前記駐車空間を用いて目標位置を計算すると判断し、
前記精度判定部による判定結果が、駐車枠使用可能である場合、前記駐車枠検出部により検出された駐車枠を用いて目標位置を計算すると判断し、
前記精度判定部による判定結果が、部分的使用可である場合、車両の左右位置については、前記駐車枠検出部により検出された駐車枠を用いて、車両の前後位置については、前記駐車空間を用いて目標位置を計算すると判断する、請求項4に記載の駐車支援システム。
【請求項6】
前記目標位置計算部は、自動駐車走行中に常時実施する、請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項7】
前記目標位置計算部は、前記精度判定部による判定結果が、特定の条件に合致する場合に実施する、請求項5に記載の駐車支援システム。
【請求項8】
前記条件は、前記駐車枠使用不可から前記駐車枠使用可へと変化したこと、前記駐車枠使用不可から前記部分的使用可へと変化したこと、前記部分的使用可から前記駐車枠使用可へと変化したことの何れかである、請求項7に記載の駐車支援システム。
【請求項9】
駐車支援装置で実行する駐車支援方法であって、
車両の周辺を撮影した撮影画像に基づいて、前記車両の周辺の駐車枠を検出し、
超音波の送信波と、当該送信波の反射波とに基づいて駐車空間を検出し、
前記駐車枠の精度を判定し、
前記駐車枠の精度に基づいて、前記駐車枠および前記駐車空間を用いた目標駐車位置の計算方法を判断し、
計算方法の判断に基づいて目標駐車位置を計算し、
前記目標駐車位置に基づいた経路を生成する、駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援システムおよび駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駐車支援装置において、カメラ映像を俯瞰映像に変換して、直線を抽出することで駐車枠線を検知する技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、自車両に対して駐車枠が段差上に存在している等、自車両と駐車枠が同一平面上に存在しない場合、画像から抽出した駐車枠線の形状が崩れてしまい、画像から駐車枠線に基づいて駐車目標位置を適切に算出することができない可能性がある。
【0005】
本開示は、画像から抽出した駐車枠線の形状が崩れている場合でも適切に駐車位置を計算することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る駐車支援システムは、車両の周辺を撮影した撮影画像に基づいて、車両の周辺の駐車枠を検出する駐車枠検出部と、超音波の送信波と、当該送信波の反射波とに基づいて駐車空間を検出する駐車空間検出部と駐車枠検出部により検出された駐車枠の精度を判定する精度判定部と、精度判定部により判定された精度に基づいて、駐車枠検出部により検出された駐車枠および駐車空間検出部により検出された駐車空間を用いた目標駐車位置の計算方法を判断する計算方法判断部と、計算方法判断部による判断に基づいて目標駐車位置を計算する目標位置計算部と、目標位置計算部により計算された目標駐車位置に基づいた経路を生成する経路生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る駐車支援システムによれば、路面状況が良くない場合でも適切に駐車位置を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる駐車支援システムを備える車両の一例を示す模式図である。
【
図2A】
図2Aは、第1実施形態にかかる駐車状況を説明するための図である。
【
図2B】
図2Bは、第1実施形態にかかる俯瞰画像を説明するための図である。
【
図2C】
図2Cは、第1実施形態にかかる駐車状況を説明するための図である。
【
図2D】
図2Dは、第1実施形態にかかる俯瞰画像を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかる処理手順を示すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、第2実施形態にかかる駐車状況を説明するための図である。
【
図4B】
図4Bは、第2実施形態にかかる駐車状況を説明するための図である。
【
図4C】
図4Cは、第2実施形態にかかる俯瞰画像を説明するための図である。
【
図4D】
図4Dは、第2実施形態にかかる駐車状況を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態にかかる処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
(システムの構成例)
図1は、第1の実施形態にかかる車両の一例を示す概要構成図である。車両100は、カメラ110、ソナー120、駐車支援装置130、および車両制御装置140を備える。
【0011】
カメラ110は、一例として、可視光カメラである。車両は、車両の前方を撮像する第1の撮像装置、車両の後方を撮像する第2の撮像装置、車両の左側方を撮像する第3の撮像装置、および車両の右側方を撮像する第4の撮像装置を備える。また、カメラ110は、例えば、車両の周囲に存在する物体の特徴点を検出し、車両と特徴点との位置関係から、車両の現在位置を推定する用途に適用される。カメラ110は、撮像した画像信号を駐車支援装置130に出力する。なお、カメラ110は、可視光カメラに限らず、例えば、CCDカメラまたはCMOSカメラであってもよい。また、撮像する画像は、静止画であっても動画であってもよい。
【0012】
ソナー120は、一例として、超音波ソナーである。例えば、ソナー120は、車両100が駐車場内を走行している場合に、超音波を照射し、反射されて検出された反射波に基づいて、車両の周囲に存在する障害物までの距離を検出する。そして、ソナー120は、障害物までの距離に基づいて障害物の輪郭点を算出し、輪郭点に基づき、障害物の特徴点を検出する。ソナー120は、少なくとも車両100の前面に複数備えている。
【0013】
駐車支援装置130は、車両100の位置から駐車目標位置までの経路を出力する装置である。駐車支援装置130の詳細については、後述する。
【0014】
車両制御装置140は、車両100を制御する装置である。車両制御装置140は、エンジンアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、およびアクチュエータ等である。車両制御装置140は、駐車支援装置130から取得した経路に基づいて車両100を運転制御する。
【0015】
駐車支援装置130は、映像変換部131、駐車枠検出部132、駐車枠検出精度判定部133、目標位置計算方法判断部134、駐車空間検出部135、目標位置計算部136、および経路生成部137を備える。
【0016】
映像変換部131は、カメラ110が車両100の周辺を撮影した撮影画像を、車両100の上方の視点からの画像に変換した俯瞰画像を生成する。
【0017】
駐車枠検出部132は、車両100の周辺を撮影した撮影画像の俯瞰画像に基づいて、車両100の周辺の駐車枠を検出する。
【0018】
駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠検出部132により検出された駐車枠の精度を判定する。駐車枠検出精度判定部133は、精度判定部の一例である。
【0019】
目標位置計算方法判断部134は、駐車枠検出精度判定部133により判定された精度に基づいて、駐車枠検出精度判定部133により検出された駐車枠および駐車空間検出部135により検出された駐車空間を用いた目標駐車位置の計算方法を判断する。目標位置計算方法判断部134は、計算方法判断部の一例である。
【0020】
駐車空間検出部135は、ソナー120による超音波の送信波と、当該送信波の反射波とに基づいて駐車空間を検出する。
【0021】
目標位置計算部136は、目標位置計算方法判断部134による判断に基づいて目標駐車位置を計算する。
【0022】
経路生成部137は、目標位置計算部136により計算された目標駐車位置に基づいた経路を生成する。
【0023】
続いて、
図2A~
図2Dを用いて第1の実施形態にかかる目標位置計算方法を説明する。
図2Aは、車両100が、道路R1を走行中の図である。車両100は、道路R1のうち、位置P1までが登り坂R11となっている。また、道路R1には、悪路部分AR1がある。駐車枠線L1~L4がある。駐車枠線L1および駐車枠線L2からなる駐車エリアには、車両200が駐車している。また、駐車枠線L3および駐車枠線L4からなる駐車枠には、車両300が駐車している。
【0024】
通常、車両100は、自動駐車する際、車両100周囲の画像を俯瞰画像に変換して、当該俯瞰画像から駐車枠を特定して、当該駐車枠に基づいて目標駐車位置を算出して、目標駐車位置までの経路を探索して、当該経路に基づいて自動駐車する。
【0025】
図2Aに示すように、車両100が登り坂R11を走行している時の画像を俯瞰画像に変換した例を
図2Bに示す。通常、駐車枠線L2および駐車枠線L3がほぼ平行となるところ、登り坂R11および悪路部分AR1があるため、カメラ110が傾いてしまい、駐車枠線L2および駐車枠線L3とが平行となっていない。よって、仮に、車両100が、
図2Aの車両100の位置における
図2Bに示す画像を用いて駐車目標位置を計算すると、駐車目標位置にズレが生じてしまい、適切でない個所に駐車させてしまう可能性がある。
【0026】
そこで、車両100は、駐車箇所における駐車枠(駐車枠線L2および駐車枠線L3による駐車枠)の位置関係に基づいて駐車枠の精度を判定して、当該精度に基づいて当該俯瞰画像のみから駐車目標位置を計算するか否かを判断する。例えば、
図2Bに示すように、駐車枠線L2および駐車枠線L3が平行ではない場合、車両100の駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠検出精度が高くない(駐車枠使用不可)と判定する。この場合、目標位置計算方法判断部134は、駐車空間検出部135による検出結果を用いて目標位置を計算すると判断する。
【0027】
この場合、目標位置計算部136は、駐車空間検出部135による検出結果を用いて目標位置を計算する。具体的に、目標位置計算部136は、駐車空間検出部135による検出結果として、ソナー120により検出した車両200の位置を示す情報に基づいて目標位置を計算する。そして、車両100は、目標位置に基づいた経路を使用して車両制御する。これにより、車両100は、車両200に多少寄ってしまうが、俯瞰画像に基づいて駐車目標位置を計算するより誤差を少なくすることができる。
【0028】
なお、車両100は、カメラ110による画像を継続して取得し、当該画像の俯瞰画像から駐車枠を検出し続けるものとする。そして、駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠検出部132により検出された駐車枠の精度を判定し続ける。また、当該駐車枠の精度の判定結果に応じて、目標位置計算部136が駐車目標位置を計算し直す。すなわち、駐車支援装置130は、自動駐車処理中、継続して駐車目標位置を計算する。これにより、駐車支援装置130は、適宜駐車目標位置を適切な値に更新し続けることができる。
【0029】
続いて、
図2Cの位置まで車両100が、駐車空間検出部135による検出結果により移動したものとする。
図2Cの車両100の位置における俯瞰画像を
図2Dに示す。この場合、駐車枠線部分L12および駐車枠線部分L13は、平行となっている。よって、駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠検出部132により検出された駐車枠の精度が高い(駐車枠使用可)と判定する。これに応じて、目標位置計算方法判断部134は、駐車枠検出部132による検出結果に基づいて駐車目標位置を計算すると判断する。そして、目標位置計算部136は、駐車枠検出部132による検出結果に基づいて駐車目標位置を計算する。
【0030】
続いて、第1実施形態にかかる車両100による駐車処理手順について、
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0031】
まず、車両100の駐車枠検出精度判定部133は、駐車箇所における駐車枠の位置・形状に基づいて駐車枠の精度を判定する(ステップS1)。駐車枠の枠線のなす角度が閾値以上である場合(ステップS1:Yes)、駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠検出精度が高くないと判定する。これに応じて、車両100は、ソナーによる駐車処理を実行する(ステップS2)。ソナーによる駐車処理として、車両100は、駐車空間検出部135による検出結果を用いて目標位置を計算して、目標位置に基づいた経路を使用して車両制御する。
【0032】
続いて、車両100の駐車枠検出精度判定部133は、駐車箇所における駐車枠の位置・形状に基づいて駐車枠の精度を判定して、駐車枠の枠線のなす角度が閾値以上である場合(ステップS3:Yes)、ステップS2へ進む。
【0033】
ステップS1またはステップS3において、駐車枠の枠線のなす角度が閾値未満である場合(ステップS1:No、ステップS3:No)、車両100は、カメラによる駐車処理を実行する(ステップS4)。カメラによる駐車処理として、車両100は、駐車枠検出部132による検出結果を用いて目標位置を計算して、目標位置に基づいた経路を使用して車両制御する。
【0034】
上述の駐車支援装置130は、車両周辺を撮影した画像に基づいて車両100の周辺の駐車枠を検出する。また、駐車支援装置130は、ソナー120による駐車空間を検出し、駐車枠の精度が高い場合、駐車枠に基づいて駐車目標位置を算出する。また、駐車支援装置130は、駐車枠の精度が低い場合、駐車空間に基づいて駐車目標位置を算出する。駐車支援装置130は、駐車目標位置に基づいて経路を生成する。
【0035】
このように、駐車支援装置130は、駐車枠の精度を判断して、画像により検出して駐車枠の精度が高くない場合、ソナー120による駐車空間を用いて駐車目標位置を算出することで、精度が高くない駐車枠を用いて駐車目標位置を算出する場合と比較して、より適切に駐車支援を実行することができる。
【0036】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態にかかる目標位置計算方法について説明する。第1の実施形態では、駐車枠の精度に基づいてカメラによる駐車処理またはソナーによる駐車処理を実行する場合について述べたが、駐車枠の精度に基づいて、カメラとソナーによる駐車処理を実行するものである。
【0037】
続いて、
図4A~
図4Dを用いて第2の実施形態にかかる目標位置計算方法を説明する。
図4Aは、車両100が、道路R1を走行中の図である。車両100は、道路R1のそばに段差部分AR2がある。また、駐車枠線L1~L3がある。駐車枠線L1および駐車枠線L2からなる駐車エリアには、車両200が駐車している。また、駐車枠線L3からなる駐車枠には、車両300が駐車している。
【0038】
図4Aに示すように、段差部分AR2があるため、俯瞰画像における駐車枠線L2およびL3の部分は、平行状態ではない。この場合、車両100は、第1の実施形態と同様に、ソナーによる駐車処理を実行する。なお、駐車枠線L2およびL3が平行状態になるのは、段差部分AR2を乗り上げた後となるため、第1の実施形態のようにこの地点で駐車目標位置を補正しても駐車目標位置までの走行残距離が短く、車両100が移動可能な経路を生成することができない。また、ソナーによる駐車処理は、上述のように、近くの車両(例えば、車両200)に依存するため、駐車枠に対してズレた位置に駐車してしまうことになる。
【0039】
そこで、第2の実施形態では、駐車目標位置までの走行残距離が十分残っている位置において、カメラとソナーによる駐車処理を実行することで、適切な位置に駐車するようにする。
【0040】
ここで、
図4Bに車両100が段差部分AR2を乗り上げているものとする。ここまでは、ソナーによる駐車処理を実行している。
【0041】
図4Bの車両100の位置における俯瞰画像を
図4Cに示す。この場合、駐車枠線部分L12と駐車枠線部分L13との角度は、閾値以上である。しかし、駐車枠線部分L12と駐車枠線部分L13とは、対称となっており、中心線L20が、駐車枠線L2および駐車枠線L3からなる駐車枠の中心線と一致する。
【0042】
これは、段差部分AR2に乗り上げている場合、車両100が傾いているので、俯瞰画像から真の枠線位置を推定できないが、カメラ110が駐車枠をほぼ後ろに捉えていることから俯瞰画像上の駐車枠線部分L12および駐車枠線部分L13は左右対称となるためである。このように、駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠の位置または形状による判定として、駐車枠線の角度差と位置に応じて決まる閾値だけでなく、駐車枠の対象性に基づいて判定してもよい。
【0043】
車両100は、このように、中心線L20が、駐車枠線L2および駐車枠線L3からなる駐車枠の中心線と一致する場合、カメラ110とソナー120による駐車処理を実行する。
【0044】
すなわち、駐車枠検出精度判定部133が、駐車枠検出精度について、使用可ではないが使用不可より高い(駐車枠部分使用可)と判定する。これに応じて、目標位置計算方法判断部134は、車両100の左右方向については、駐車枠検出部132により検出された駐車枠を用いて、車両100の前後位置については駐車空間検出部135による検出結果を用いて目標位置を計算すると判断する。そして、目標位置計算部136は、駐車枠検出部132により検出された駐車枠を用いて、車両100の前後位置については駐車空間検出部135による検出結果を用いて目標位置を計算して、経路生成部137が、当該目標位置を用いて経路を生成する。
【0045】
続いて、
図4Dに、車両100が段差部分AR2を乗り上げた例を示す。車両100は、このタイミングでカメラによる駐車処理を実行する。
【0046】
続いて、第2実施形態にかかる車両100による駐車処理手順について、
図5に示すフローチャートを用いて説明する。
【0047】
まず、車両100の駐車枠検出精度判定部133は、駐車箇所における駐車枠の位置・形状に基づいて駐車枠の精度を判定する(ステップS11)。駐車枠の枠線のなす角度が閾値以上である場合(ステップS11:Yes)、駐車枠検出精度判定部133は、駐車枠検出精度が高くないと判定する。これに応じて、車両100は、ソナーによる駐車処理を実行する(ステップS12)。ソナーによる駐車処理として、車両100は、駐車空間検出部135による検出結果を用いて目標位置を計算して、目標位置に基づいた経路を使用して車両制御する。
【0048】
続いて、車両100の駐車枠検出精度判定部133は、駐車箇所における駐車枠の位置・形状に基づいて駐車枠の精度を判定して、駐車枠の枠線のなす角度が閾値以上である場合(ステップS13:Yes)、ステップS14へ進む。
【0049】
ステップS14において、俯瞰画像における駐車枠線部分L12およびL13の中心が駐車枠の中心と一致するか否かを判断して、不一致の場合(ステップS14:Yes)、ステップS13へ進む。ステップS14において、俯瞰画像における駐車枠線部分L12およびL13の中心が駐車枠の中心と一致するか否かを判断して、一致の場合(ステップS14:No)、車両100は、カメラ110とソナー120による駐車処理を実行する(ステップS15)。
【0050】
ステップS1またはステップS3において、駐車枠の枠線のなす角度が閾値未満である場合(ステップS1:No、ステップS3:No)、車両100は、カメラによる駐車処理を実行する(ステップS16)。カメラによる駐車処理として、車両100は、駐車枠検出部132による検出結果を用いて目標位置を計算して、目標位置に基づいた経路を使用して車両制御する。
【0051】
上述の駐車支援装置130は、駐車枠の精度が駐車枠部分使用可である場合、カメラ110とソナー120による駐車処理を実行する。このように、駐車支援装置130は、俯瞰画像における駐車枠部分の精度がある程度信頼できるタイミングで、カメラ110とソナー120による駐車処理を実行することで、ソナー120単体で駐車処理を実行するより、精度良く駐車処理を実行することができる。
【0052】
以上、本開示の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら新規な実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらに、異なる実施形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0053】
また、上述した実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0054】
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0055】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0056】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサおよびメモリを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0057】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0058】
また、本明細書に記載された実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0059】
100 車両
110 カメラ
120 ソナー
130 駐車支援装置
140 車両制御装置