IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東罐興業株式会社の特許一覧

特開2023-148868紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器
<>
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図1
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図2
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図3
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図4
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図5
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図6
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図7
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図8
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図9
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図10
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図11
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図12
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図13
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図14
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図15
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図16
  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148868
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65D47/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057140
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】太田 登茂樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑典
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA34
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB01
3E084CC07
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC07
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084KB01
(57)【要約】
【課題】ストローを無くし、飲料容器から外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる紙製飲料容器用蓋を提供する。
【解決手段】飲料容器2の開口部3を覆う覆板部4と、開口部3の縁部3aに係合可能な側周部5とを備える飲料容器用蓋1であって、覆板部4の飲口110の周縁側の形状である飲口形成用線部11と、飲口形成用線部11で囲まれた飲口形成用部位11A,11Bが上から押し込まれた際、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとの間の谷折りによる折り畳みを容易とする折畳用低強度部13と、飲口形成用内側部位11Bが山折りされるとともに、飲口形成用外側部位11Aが谷折りされて持ち上がり、さらに飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bを折り畳んだ状態の飲口形成用外側部位11A周縁の係止部11cを係合可能な係合部と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の開口部を覆う覆板部と、当該覆板部の外周縁に設けられ、前記飲料容器の前記開口部を前記覆板部が覆うようにした際に当該飲料容器の前記開口部の縁部に係合可能な側周部と、を備える紙製飲料容器用蓋であって、
前記覆板部の周縁側に設けられ、飲口を形成するための当該飲口の前記周縁側の形状である、当該覆板部の一般部より強度の低い低強度部からなる飲口形成用線部と、
前記飲口形成用線部で囲まれた飲口形成用部位が上から押し込まれた際、当該飲口形成用部位における前記覆板部外周縁側の飲口形成用外側部位と前記覆板部内側の飲口形成用内側部位との間における谷折りによる折り畳みを容易とするための前記覆板部の一般部より強度の低い折畳用低強度部と、
前記飲口形成用内側部位が山折りされるとともに、前記飲口形成用外側部位が谷折りされて持ち上がり、さらに前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位を折り畳んだ状態の前記飲口形成用外側部位周縁の係止部を係合可能な係合部と、を備え、
前記飲口形成用外側部位に、当該飲口形成用外側部位の一般部より強度の低い低強度部又は切込部からなる持上促進部を有すること
を特徴とする紙製飲料容器用蓋。
【請求項2】
前記持上促進部は、前記飲口形成用外側部位の中央に配設されていること
を特徴とする請求項1に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項3】
前記飲口形成用外側部位において、前記持上促進部の周囲に、当該飲口形成用外側部位の一般部より強度の低い低強度部又は切込部からなる持上促進補助部を有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項4】
前記覆板部の前記飲口形成用部位における前記飲口形成用線部の内側端部間に、前記飲口形成用内側部位の山折りを容易とするための当該覆板部の一般部より強度の低い山折用低強度部が設けられていること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項5】
前記山折用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていること
を特徴とする請求項4に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項6】
前記折畳用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていること
を特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項7】
前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部を拡幅した拡幅部分の縮幅部分に形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていること
を特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項8】
前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部に切欠として形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていること
を特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項9】
前記係止部は、複数設けられていること
を特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項10】
前記飲口形成用線部は、切込線部からなり、
前記飲口形成用外側部位側部と当該飲口形成用外側部位側部周囲の前記覆板部との間は、1乃至複数の繋部によって繋がれていること
を特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法であって、
前記飲口形成用部位を、指で上から押し込む工程と、
前記飲口形成用部位における前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位とを、指で、谷折りして折り畳むとともに、前記飲口形成用外側部位を山折りして持ち上げる工程と、
前記飲口形成用外側部位周縁の前記係止部を、指で前記係合部に係合させる工程と、により、前記飲口を形成すること
を特徴とする紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法。
【請求項12】
請求項1~10の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋を備えていること
を特徴とする紙製飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器の開口部を覆う紙製飲料容器用蓋、この紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及びこの紙製飲料容器用蓋を備えた紙製飲料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファーストフード店やコンビニエンスストアなどの多くの飲料の販売店では、プラスチック(合成樹脂)製や紙製のコップ等の飲料容器の開口部を、飲料容器用蓋で覆い、持ち運びの際に、その内部に収容されたジュースやコーヒーなどの飲料が開口部からこぼれ難いようにして販売している。
【0003】
飲料容器の内部に収容された飲料を飲むには、単純に飲料容器用蓋を外して開口部から飲んでもよいが、飲料容器用蓋を外した際に、その内側に付着した飲料が飛び散り、飲む人の衣服等を汚してしまうおそれがある。
【0004】
そのため、飲料容器用蓋に、ストローの差込部を設け、付属のストローを差し込むことにより、飲料容器内部の飲料を飲み易くすることが多くなされている(特許文献1等参照)。
【0005】
しかしながら、昨今、プラスチックゴミによる海洋汚染問題等を発端に、脱プラスチックの世界的な流れが大きくなり、その一環として、プラスチックからなるストローを無くそうという流れも大きくなっている。
【0006】
このような状況の下、市場では、ストローを無くし、飲料容器用蓋を外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる飲料容器用蓋が求められている。さらには、飲料容器用蓋も、紙製にすることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-14286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上述した背景を鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ストローを無くし、飲料容器から外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる紙製飲料容器用蓋、この紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及びこの紙製飲料容器用蓋を備えた紙製飲料容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係る紙製飲料容器用蓋は、飲料容器の開口部を覆う覆板部と、当該覆板部の外周縁に設けられ、前記飲料容器の前記開口部を前記覆板部が覆うようにした際に当該飲料容器の前記開口部の縁部に係合可能な側周部と、を備える紙製飲料容器用蓋であって、前記覆板部の周縁側に設けられ、飲口を形成するための当該飲口の前記周縁側の形状である、当該覆板部の一般部より強度の低い低強度部からなる飲口形成用線部と、前記飲口形成用線部で囲まれた飲口形成用部位が上から押し込まれた際、当該飲口形成用部位における前記覆板部外周縁側の飲口形成用外側部位と前記覆板部内側の飲口形成用内側部位との間における谷折りによる折り畳みを容易とするための前記覆板部の一般部より強度の低い折畳用低強度部と、前記飲口形成用内側部位が山折りされるとともに、前記飲口形成用外側部位が谷折りされて持ち上がり、さらに前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位を折り畳んだ状態の前記飲口形成用外側部位周縁の係止部を係合可能な係合部と、を備え、前記飲口形成用外側部位に、当該飲口形成用外側部位の一般部より強度の低い低強度部又は切込部からなる持上促進部を有することを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明において、前記持上促進部は、前記飲口形成用外側部位の中央に配設されていることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明又は第2発明において、前記飲口形成用外側部位において、前記持上促進部の周囲に、当該飲口形成用外側部位の一般部より強度の低い低強度部又は切込部からなる持上促進補助部を有することを特徴とする。
【0012】
第4発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第3発明の何れかにおいて、前記覆板部の前記飲口形成用部位における前記飲口形成用線部の内側端部間に、前記飲口形成用内側部位の山折りを容易とするための当該覆板部の一般部より強度の低い山折用低強度部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第4発明において、前記山折用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていることを特徴とする。
【0014】
第6発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第5発明の何れかにおいて、前記折畳用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていることを特徴とする。
【0015】
第7発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部を拡幅した拡幅部分の縮幅部分に形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていることを特徴とする。
【0016】
第8発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部に切欠として形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていることを特徴とする。
【0017】
第9発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第8発明の何れかにおいて、前記係止部は、複数設けられていることを特徴とする。
【0018】
第10発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第9発明の何れかにおいて、前記飲口形成用線部は、切込線部からなり、前記飲口形成用外側部位側部と当該飲口形成用外側部位側部周囲の前記覆板部との間は、1乃至複数の繋部によって繋がれていることを特徴とする。
【0019】
第11発明に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法は、第1発明~第10発明の何れかに係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法であって、前記飲口形成用部位を、指で上から押し込む工程と、前記飲口形成用部位における前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位とを、指で、谷折りして折り畳むとともに、前記飲口形成用外側部位を山折りして持ち上げる工程と、前記飲口形成用外側部位周縁の前記係止部を、指で前記係合部に係合させる工程と、により、前記飲口を形成することを特徴とする。
【0020】
第12発明に係る紙製飲料容器は、第1発明~第10発明の何れかに係る紙製飲料容器用蓋を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上述した構成からなる本発明によれば、ストローを無くし、飲料容器から外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器の分解斜視図である。
図2図2(a)及び図2(b)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法の飲口形成前の段階を示す説明図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法の飲口形成途中の段階を示す説明図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法の飲口形成後の段階を示す説明図である。
図5図5(a)~図5(c)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の持上促進部の長さに対する飲口形成用外側部位での応力分布を示す説明図である。
図6図6(a)~図6(c)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の持上促進部の長さに対する飲口形成用外側部位での沈み込み量を示す説明図である。
図7図7は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋における支持点、作用点、力点との関係を示す模式図である。
図8図8は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋の要部の拡大図である。
図9図9(a)~図9(c)は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋の持上促進部の配設位置に対する飲口形成用外側部位での応力分布を示す説明図である。
図10図10(a)~図10(c)は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋の持上促進部の配設位置に対する飲口形成用外側部位での沈み込み量を示す説明図である。
図11図11(a)~図11(d)は、本発明の実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋の要部の拡大図である。
図12図12(a)~図12(d)は、本発明の実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋において、折畳用低強度部を基準に追加した持上促進補助部の角度を異ならせたものに対する飲口形成用外側部位での応力分布を示す説明図である。
図13図13は、本発明の実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋において、持上促進補助部をより多く設けたものの要部の拡大図である。
図14図14(c)~図14(e)は、本発明において、持上促進部の配設パターンが異なる紙製飲料容器用蓋の要部をそれぞれ示す図である。
図15】本発明において、係止部を切欠として形成し、繋部を追加した紙製飲料容器用蓋の要部の拡大図である。
図16】本発明において、折畳用低強度部を、飲口形成用外側部位側に膨出する円弧形状とした紙製飲料容器用蓋の要部の拡大図である。
図17図16に示した紙製飲料容器用蓋の飲口形成後の段階を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を適用して例示した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
[実施形態1]
先ず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器2について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る紙製飲料容器2の分解斜視図である。
【0025】
本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器2は、図1に示すように、その上部に縁部3aを有する開口部3を備え、その内部にジュースやコーヒーなどの飲料6を収容して販売するのに多く用いられる有底円筒状の紙コップである。
【0026】
そして、紙製飲料容器2は、紙製飲料容器用蓋1で開口部3が塞がれることによって飲料6の販売目的に使用される。なお、紙製飲料容器用蓋1で開口部3が塞がれる飲料容器は、紙製飲料容器2に限定されず、プラスチック製などの他の材料で製造されていてもよい。また、飲料容器をプラスチック製とする場合は、環境にやさしい生分解性プラスチックなどを用いるのが好ましい。
【0027】
紙製飲料容器用蓋1は、紙製飲料容器2の開口部3を覆う円盤状の覆板部4と、覆板部4の外周縁に設けられ、飲料容器2の開口部3を覆板部4が覆うようにした際に飲料容器2の開口部3の縁部3aに係合可能な側周部5と、を備えている。
【0028】
覆板部4には、その周縁側に、飲口110を形成するための飲口110の周縁側の形状である、略コ字状の切込線部12と繋部11a,11bとからなる飲口形成用線部11が設けられている(図4も参照)。なお、この飲口形成用線部11は、切込線部の代わりに、ミシン目を設けたり、ハーフカット等のように厚みを小さくしたりするなどして、覆板部4の一般部より強度の低い低強度部を設けて実施してもよい。
【0029】
また、覆板部4の飲口形成用線部11で囲まれた飲口形成用部位11A,11Bが上から押し込まれた際、飲口形成用部位11A,11Bにおける覆板部4外周縁側の飲口形成用外側部位11Aと覆板部4内側の飲口形成用内側部位11Bとの間における谷折りによる折り畳みを容易とするための覆板部4の一般部より強度の低い折畳用低強度部13が設けられている。
【0030】
具体的には、折畳用低強度部13は、ミシン目を設けて形成されている。なお、この折畳用低強度部13は、ハーフカット等のように厚みを小さくしたりするなどして設けて実施することもできる。
【0031】
また、覆板部4の飲口形成用内側部位11Bにおける飲口形成用線部11の内側端部間に、飲口形成用内側部位11Bの山折りを容易とするための覆板部4の一般部より強度の低い山折用低強度部14が設けられている。
【0032】
具体的には、山折用低強度部14は、ミシン目を設けて形成されている。なお、この山折用低強度部14は、罫線を設けたり、ハーフカット等のように厚みを小さくしたりするなどして設けてもよいし、設けないで実施することもできる。
【0033】
さらに、飲口形成用外側部位11Aが谷折りされて持ち上がり、さらに飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bを折り畳んだ状態の飲口形成用外側部位11A周縁の係止部11cと、この係止部11cを係合可能な係合部とが設けられている。
【0034】
具体的には、係止部11cが、飲口形成用外側部位11A側部における覆板部4外周縁側の端部を略カマボコ形状に拡幅した拡幅部分の縮幅部分に形成され、飲口110の縁部を係合部として係合可能とされている(図4も参照)。
【0035】
また、飲口形成用外側部位11Aとこの飲口形成用外側部位11A側部周囲の覆板部4との間は、左右の繋部11aによって繋がれ、さらに、飲口形成用内側部位11Bとこの飲口形成用内側部位11B側部周囲の覆板部4との間は、左右の繋部11eによって繋がれ、飲口形成用外側部位側部11A及び飲口形成用内側部位側部11Bが自重などで沈み込まないようにしている。なお、これら繋部11a,11eの数や位置はこれに限定されない。
【0036】
さらに、飲口形成用外側部位11Aに、折畳用低強度部13の中央からこの飲口形成用外側部位11Aの先端部に向かって延びるように設けられた切込線からなる持上促進部11dを有する。
【0037】
なお、持上促進部11dは、切込線に限定されず、他の形状の切込部や、飲口形成用外側部位11Aの一般部より強度の低い低強度部などとして実施してもよい。さらに、持上促進部11dは、その配設位置も、飲口形成用外側部位11A内であれば、どこでもよい。
【0038】
次に、図2図4を用いて、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口形成方法について説明する。図2図4は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口形成方法を段階的に示す説明図である。
【0039】
先ず、図2(a)及び図2(b)~図3(a)及び図3(b)に示すように、飲口形成用内側部位11Bを、親指又は人差し指などの指F1で上から押し込むと、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとの間が、折畳用低強度部13の部分で谷折りとなる。
【0040】
さらに、親指又は人差し指などの指F1で、飲口形成用外側部位11Aを、覆板部4の内側に向けて押し込むと、飲口形成用内側部位11Bがさらに山折りされるとともに、飲口形成用外側部位11Aが山折用低強度部14の部分でさらに谷折りされてさらに持ち上がる。
【0041】
この際、詳細は後述するが、持上促進部11dを有することにより、図5(b)に示すような飲口形成用外側部位11Aを持ち上げようとする応力が働くとともに、図6(b)に示すような飲口形成用外側部位11Aを持ち上げようとする三角形状の沈み込み変形が起こり、飲口形成用外側部位11Aの先端部側を上方に容易に持ち上げることができる。
【0042】
そして、図4(a)及び図4(b)に示すように、さらに、親指又は人差し指などの指F1で、飲口形成用外側部位11Aを、覆板部4の内側に向けて押し込むと、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとが、山折りで折り畳まれるとともに、飲口形成用外側部位11Aの係止部11cが、係合部である飲口110の縁部に係合し、飲口110が形成される。
【0043】
以上説明した本発明の実施形態1によれば、上記した構成なので、ストローを無くし、紙製飲料容器用蓋1を紙製飲料容器2から外さなくても、飲料6が飲み易い飲口110を形成することができる。
【0044】
そのうえ、本発明の実施形態1では、紙製飲料容器用蓋1と、紙製飲料容器2と、が、ともに紙製なので、使用する接着剤などを除き、略完全に脱プラスチックとすることができる。
【0045】
また、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口形成方法によれば、上記した簡単な手順で、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を容易に形成することができる。
【0046】
特に、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1では、飲口形成用外側部位11Aに、持上促進部11dを有するので、上述したように、紙製飲料容器用蓋1の飲口110をより容易に形成することができる。
【0047】
[実施例1]
以下、本発明の実施形態1の効果を確認するために行った実験的検証結果について説明をする。実験的検証では、持上促進部11dの長さを異ならせることによる飲口形成用外側部位11Aの先端部側の持ち上がり量の違いを確認するために、図5(a)~図5(c)及び図6(a)~図6(c)に示す本発明例1~3の供試材を準備した。
【0048】
先ず、飲口形成用内側部位11Bを同じ力で押した際の応力分布を検証し、結果を矢印で示した。
【0049】
図5(a)に示すように、持上促進部11dの先端が、繋部11a,11a間にも達しない短い長さの本発明例1では、短い持上促進部11dと、折畳用低強度部13の両端とに向かい、略縦方向に引っ張られる応力が多く働くため、飲口形成用外側部位11Aが縦方向により大きく持ち上がる。
【0050】
図5(b)に示すように、持上促進部11dの先端が、繋部11a,11a間は超え、飲口形成用外側部位11Aの先端までは達しない長さの本発明例2では、長い持上促進部11dと、折畳用低強度部13の両端とに向かい、縦方向だけでなく、横方向にも引っ張られる応力が多く働くため、飲口形成用外側部位11Aが縦方向と横方向とにバランスよく持ち上がる。
【0051】
図5(c)に示すように、持上促進部11dの先端が、飲口形成用外側部位11Aの先端まで達する最大の長さの本発明例3では、本発明例2と略同様、長い持上促進部11dと、折畳用低強度部13の両端とに向かい、縦方向だけでなく、横方向にも引っ張られる応力が多く働くため、飲口形成用外側部位11Aが縦方向と横方向とにバランスよく持ち上がる。
【0052】
これら応力分布だけでは決定的な良し悪しが分からないので、このような応力が働いた際の飲口形成用外側部位11Aの沈み込み量を検証し、結果を示した。
【0053】
図6(a)に示すように、本発明例1では、折畳用低強度部13の両端と持上促進部11dの先端を結んだ狭い面積の三角形状の沈み込み量しか得られなかった。
【0054】
図6(b)に示すように、本発明例2では、折畳用低強度部13の両端と持上促進部11dの先端を結んだ比較的広い面積の三角形状の沈み込み量が得られた。
【0055】
図6(c)に示すように、本発明例3では、折畳用低強度部13の両端と持上促進部11dの先端を結んだ比較的広い面積の三角形状の沈み込み量が得られた。しかしながら、本発明例3では、持上促進部11dの先端が飲口形成用外側部位11Aの先端まで達して切れているため、飲口形成用外側部位11Aの中間部が山状に折れ曲がったようになってしまう。
【0056】
この結果、持上促進部11dの長さが長いほど、飲口形成用外側部位11Aが持ち上がり易いことが分かった。但し、持上促進部11dの先端が飲口形成用外側部位11Aの先端まで達して切れている場合、飲口形成用外側部位11Aの中間部が山状に折れ曲がったようになってしまうことも分かった。
【0057】
さらに、てこの原理より、図7に示すように、繋部11aの部分を支点P1とし、持上促進部11dの先端の上の部分を作用点P2とし、折畳用低強度部13の両端を力点P3とすると以下のことが分かる。
【0058】
支点P1は、作用点P2に近い方が、より小さな力で飲口形成用外側部位11Aが持ち上がり易い。また、作用点P2から、力点P3は、支点P1より遠い方がより小さな力で飲口形成用外側部位11Aが持ち上がり易い。すなわち、このことも踏まえて、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の設計を行うとよい。
【0059】
[実施形態2]
次に、図8を用いて、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1について説明する。図8は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1の要部の拡大図である。上述の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と相違する点は、主に、持上促進部11dの配設位置なので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0060】
この実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1では、図8に示すように、切込線からなる持上促進部11dの下端が、折畳用低強度部13から離間していることが、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と異なる。
【0061】
この実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1では、切込線からなる持上促進部11dの下端が、折畳用低強度部13から離間していても、飲口形成用内側部位11Bを押せば、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と略同様に、飲口形成用外側部位11Aの持ち上がりを促進し、紙製飲料容器用蓋1の飲口110をより容易に形成することができる。
【0062】
[実施例2]
以下、本発明の実施形態2の効果を確認するために行った実験的検証結果について説明をする。実験的検証では、持上促進部11dの配設位置を異ならせることによる飲口形成用外側部位11Aの先端部側の持ち上がり量の違いを確認するために、図9(a)~図9(c)及び図10(a)~図10(c)に示す本発明例4~6の供試材を準備した。
【0063】
先ず、飲口形成用内側部位11Bを同じ力で押した際の応力分布を検証し、結果を矢印で示した。
【0064】
図9(a)に示すように、持上促進部11dの先端が、繋部11a,11a間にも達しない位置の本発明例4では、持上促進部11dと、折畳用低強度部13の両端とに向かい、略縦方向に引っ張られる応力が多く働くため、飲口形成用外側部位11Aが縦方向により大きく持ち上がる。
【0065】
図9(b)に示すように、持上促進部11dの先端が、繋部11a,11a間を跨ぐ位置の本発明例5では、持上促進部11dと、折畳用低強度部13の両端とに向かい、縦方向だけでなく、横方向にも引っ張られる応力が多く働くため、飲口形成用外側部位11Aが縦方向と横方向とにバランスよく持ち上がる。
【0066】
図9(c)に示すように、持上促進部11dの後端が、繋部11a,11a間を飲口形成用外側部位11Aの先端側に超える位置の本発明例6では、本発明例5と略同様、持上促進部11dと、折畳用低強度部13の両端とに向かい、縦方向だけでなく、横方向にも引っ張られる応力が多く働くため、飲口形成用外側部位11Aが縦方向と横方向とにバランスよく持ち上がる。
【0067】
これら応力分布に加えて、このような応力が働いた際の飲口形成用外側部位11Aの沈み込み量を検証し、結果を示した。
【0068】
図10(a)に示すように、本発明例4では、折畳用低強度部13の両端と持上促進部11dの先端を結んだ狭い面積の三角形状の沈み込み量しか得られなかった。
【0069】
図10(b)に示すように、本発明例5では、折畳用低強度部13の両端と持上促進部11dの先端を結んだ比較的広い面積の三角形状の沈み込み量が得られた。
【0070】
図10(c)に示すように、本発明例6では、折畳用低強度部13の両端と持上促進部11dの先端を結んだ比較的広い面積の三角形状の沈み込み量が得られた。
【0071】
なお、本発明例4~6では、図10(a)~図10(c)における持上促進部11dの後端側の点線部分も折れ曲がる変形をした。
【0072】
この結果、持上促進部11dの先端の位置が折畳用低強度部13から離間しているほど、飲口形成用外側部位11Aが持ち上がり易いことが分かった。但し、実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1よりも、持上促進部11dの後端が折畳用低強度部13と繋がっている実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の方が、飲口形成用外側部位11Aの持ち上がりを促進し、紙製飲料容器用蓋1の飲口110をより容易に形成することができることも分かった。
【0073】
[実施形態3]
次に、図11(a)~図11(d)を用いて、本発明の実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋1について説明する。図11(a)~図11(d)は、本発明の実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋1の要部の拡大図である。上述の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と相違する点は、主に、持上促進部11dの左右に、持上促進補助部11fを有するようにしたことなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0074】
この実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋1では、図11(a)~図11(d)に示すように、切込線からなる持上促進部11dの左右対称に、持上促進補助部11fを有するようにしたことが、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と異なる。なお、持上促進補助部11fは、切込線に限定されず、他の形状の切込部や、飲口形成用外側部位11Aの一般部より強度の低い低強度部などとして実施してもよい。さらに、持上促進補助部11fは、その配設位置も、飲口形成用外側部位11A内であれば、どこでもよい。
【0075】
なお、図11(a)では、持上促進補助部11fは折畳用低強度部13を基準に0°とし、図11(b)では、持上促進補助部11fは折畳用低強度部13を基準に50°とし、図11(c)では、持上促進補助部11fは折畳用低強度部13を基準に90°とし、図11(d)では、持上促進補助部11fは折畳用低強度部13を基準に130°としている。
【0076】
この実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋1では、持上促進部11dに、持上促進補助部11fを追加することで、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1よりも、飲口形成用外側部位11Aの持ち上がりをより促進し、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を更により容易に形成することができる。なお、図11(a)に示したように、持上促進補助部11fを、折畳用低強度部13を基準に0°として設けた場合のみ、飲口110を形成することができなかった。
【0077】
[実施例3]
以下、本発明の実施形態3の効果を確認するために行った実験的検証結果について説明をする。実験的検証では、持上促進部11dに追加した持上促進補助部11fの角度を異ならせることによる飲口形成用外側部位11Aの先端部側の持ち上がり量の違いを確認するために、図11(a)~図11(d)及び図12(a)~図12(d)に示す本発明例7~9の供試材を準備した。
【0078】
先ず、飲口形成用内側部位11Bを同じ力で押した際の応力分布を検証し、結果を矢印で示した。
【0079】
この結果、実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋1の方が、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1よりも飲口形成用外側部位11Aの持ち上がりをより促進し、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を更により容易に形成することができることが分かった。そのうえで、実施形態3に係る紙製飲料容器用蓋1では、持上促進補助部11fは折畳用低強度部13を基準に角度が大きいほど、飲口形成用外側部位11Aの持ち上がりを更により促進し、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を更により一層容易に形成することができることも分かった。なお、持上促進補助部11fを、折畳用低強度部13を基準に0°として設けた場合のみ、図12(a)に点線の矢印で示したような飲口形成用外側部位11Aを持ち上げる応力が発生せず、飲口110を形成することができなかった。
【0080】
また、図13に示すように、持上促進補助部11fをより多く設けて実施してもよい。
【0081】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
例えば、本発明において、紙製飲料容器用蓋1では、図14(a)~図14(f)に示すように、持上促進部11dを様々な形態で配設して実施することができる。
【0083】
具体的には、図14(a)及び図14(b)における紙製飲料容器用蓋1では、持上促進部11dを波形状としている。図14(c)~図14(e)における紙製飲料容器用蓋1では、持上促進部11dを縦方向に複数配設している。図14(f)における紙製飲料容器用蓋1では、持上促進部11dを折畳用低強度部13の一端から斜めに配設している。
【0084】
また、図15では、本発明の紙製飲料容器用蓋1において、係止部11cを切欠として形成し、飲口110の縁部を係合部として、係合可能させるようにして、より強く係合可能とし、さらに、飲口形成用外側部位11Aの先端に追加の繋部11bを設け、飲口110形成前の飲口形成用外側部位11Aの支持力を高めている。
【0085】
さらに、図16では、本発明の紙製飲料容器用蓋1において、折畳用低強度部13を、飲口形成用外側部位11A側に膨出した円弧形状にすることで、誤って、指で、飲口形成用内側部位11Bではなく、飲口形成用外側部位11Aを押してしまった場合も、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を容易に形成することができる。
【0086】
但し、この紙製飲料容器用蓋1では、図17に示すように、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとは、左右の繋部11eによって飲口形成用内側部位11B側部周囲の覆板部4と繋がれているとともに、折畳用低強度部13が、指が掛かり易い飲口形成用外側部位11A側に膨出した円弧形状とされている。よって、この紙製飲料容器用蓋1では、谷折りではなく、山折りで折り畳まれ、飲口形成用外側部位11Aの先端部が下方を向いた状態で、係止部11cが、係合部である飲口110の縁部に係合し、飲口110が形成され、飲口110形成後の形態も、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と異なる。
【0087】
なお、このような対策をした紙製飲料容器用蓋1において、折畳用低強度部13は、円弧形状に限定されず、飲口形成用外側部位11A側に膨出した形状とされていれば、いかなる形状で実施してもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 紙製飲料容器用蓋
110 飲口
11 飲口形成用線部
11A 飲口形成用外側部位
11B 飲口形成用内側部位
11a 繋部
11b 繋部
11e 繋部
11c 係止部
11d 持上促進部
11f 持上促進補助部
12 切込線部
13 折畳用低強度部
14 山折用低強度部
2 紙製飲料容器
3 開口部
3a 開口部の縁部
4 覆板部
5 側周部
6 飲料
F1 指
P1 支点
P2 作用点
P3 力点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17