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特開2023-148869紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器
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  • 特開-紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148869
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】紙製飲料容器用蓋、紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及び紙製飲料容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65D47/06 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057141
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】太田 登茂樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑典
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA34
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB01
3E084CC07
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC07
3E084FA09
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084KB01
(57)【要約】
【課題】ストローを無くし、飲料容器から外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる紙製飲料容器用蓋を提供する。
【解決手段】飲料容器2の開口部3を覆う覆板部4と、開口部3の縁部3aに係合可能な側周部5とを備える飲料容器用蓋1であって、覆板部4の飲口110の形状である飲口形成用線部11と、飲口形成用線部11で囲まれた飲口形成用部位11A,11Bが上から押し込まれた際、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとの間の山折りによる折り畳みを容易とする折畳用低強度部12と、飲口形成用内側部位11Bが谷折りされて持ち上がり、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bを折り畳んだ状態の飲口形成用外側部位11A周縁の係止部11cを係合可能な係合部とを備え、折畳用低強度部12は、飲口形成用外側部位11A側に膨出した形状とされている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料容器の開口部を覆う覆板部と、当該覆板部の外周縁に設けられ、前記飲料容器の前記開口部を前記覆板部が覆うようにした際に当該飲料容器の前記開口部の縁部に係合可能な側周部と、を備える紙製飲料容器用蓋であって、
前記覆板部の周縁側に設けられ、飲口を形成するための当該飲口の前記周縁側の形状である、切込線部又は当該覆板部の一般部より強度の低い低強度部からなる飲口形成用線部と、
前記飲口形成用線部で囲まれた飲口形成用部位が上から押し込まれた際、当該飲口形成用部位における前記覆板部外周縁側の飲口形成用外側部位と前記覆板部内側の飲口形成用内側部位との間における山折りによる折り畳みを容易とするための前記覆板部の一般部より強度の低い折畳用低強度部と、
前記飲口形成用内側部位が谷折りされて持ち上がり、さらに前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位を折り畳んだ状態の前記飲口形成用外側部位周縁の係止部を係合可能な係合部と、を備え、
前記折畳用低強度部は、前記飲口形成用外側部位側に膨出した形状とされていること
を特徴とする紙製飲料容器用蓋。
【請求項2】
前記折畳用低強度部は、前記飲口形成用外側部位側に膨出した円弧形状であること
を特徴とする請求項1に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項3】
前記飲口形成用線部は、切込線部からなり、
前記飲口形成用外側部位側部と当該飲口形成用外側部位側部周囲の前記覆板部との間は、1乃至複数の繋部によって繋がれていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項4】
前記繋部は、飲口形成用内側部位と前記覆板部との間に設けられていること
を特徴とする請求項3に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項5】
前記覆板部の前記飲口形成用部位における前記飲口形成用線部の内側端部間に、持ち上がった前記飲口形成用内側部位の谷折りを容易とするための当該覆板部の一般部より強度の低い谷折用低強度部が設けられていること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項6】
前記谷折用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていること
を特徴とする請求項5に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項7】
前記折畳用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていること
を特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項8】
前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部を拡幅した拡幅部分の縮幅部分に形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていること
を特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項9】
前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部に切欠として形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていること
を特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項10】
前記係止部は、複数設けられていること
を特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋。
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法であって、
前記飲口形成用部位を、指で上から押し込む工程と、
前記飲口形成用部位における前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位とを、指で、山折りして折り畳むとともに、前記飲口形成用内側部位を谷折りして持ち上げる工程と、
前記飲口形成用外側部位周縁の前記係止部を、指で前記係合部に係合させる工程と、により、前記飲口を形成すること
を特徴とする紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法。
【請求項12】
請求項1~10のうち何れか1項に記載の紙製飲料容器用蓋を備えていること
を特徴とする紙製飲料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器の開口部を覆う紙製飲料容器用蓋、この紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及びこの紙製飲料容器用蓋を備えた紙製飲料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファーストフード店やコンビニエンスストアなどの多くの飲料の販売店では、プラスチック(合成樹脂)製や紙製のコップ等の飲料容器の開口部を、飲料容器用蓋で覆い、持ち運びの際に、その内部に収容されたジュースやコーヒーなどの飲料が開口部からこぼれ難いようにして販売している。
【0003】
飲料容器の内部に収容された飲料を飲むには、単純に飲料容器用蓋を外して開口部から飲んでもよいが、飲料容器用蓋を外した際に、その内側に付着した飲料が飛び散り、飲む人の衣服等を汚してしまうおそれがある。
【0004】
そのため、飲料容器用蓋に、ストローの差込部を設け、付属のストローを差し込むことにより、飲料容器内部の飲料を飲み易くすることが多くなされている(特許文献1等参照)。
【0005】
しかしながら、昨今、プラスチックゴミによる海洋汚染問題等を発端に、脱プラスチックの世界的な流れが大きくなり、その一環として、プラスチックからなるストローを無くそうという流れも大きくなっている。
【0006】
このような状況の下、市場では、ストローを無くし、飲料容器用蓋を外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる飲料容器用蓋が求められている。さらには、飲料容器用蓋も、紙製にすることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-14286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上述した背景を鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ストローを無くし、飲料容器から外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる紙製飲料容器用蓋、この紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法、及びこの紙製飲料容器用蓋を備えた紙製飲料容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係る紙製飲料容器用蓋は、飲料容器の開口部を覆う覆板部と、当該覆板部の外周縁に設けられ、前記飲料容器の前記開口部を前記覆板部が覆うようにした際に当該飲料容器の前記開口部の縁部に係合可能な側周部と、を備える紙製飲料容器用蓋であって、前記覆板部の周縁側に設けられ、飲口を形成するための当該飲口の前記周縁側の形状である、切込線部又は当該覆板部の一般部より強度の低い低強度部からなる飲口形成用線部と、前記飲口形成用線部で囲まれた飲口形成用部位が上から押し込まれた際、当該飲口形成用部位における前記覆板部外周縁側の飲口形成用外側部位と前記覆板部内側の飲口形成用内側部位との間における山折りによる折り畳みを容易とするための前記覆板部の一般部より強度の低い折畳用低強度部と、前記飲口形成用内側部位が谷折りされて持ち上がり、さらに前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位を折り畳んだ状態の前記飲口形成用外側部位周縁の係止部を係合可能な係合部と、を備え、前記折畳用低強度部は、前記飲口形成用外側部位側に膨出した形状とされていることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明において、前記折畳用低強度部は、前記飲口形成用外側部位側に膨出した円弧形状であることを特徴とする。
【0011】
第3発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明又は第2発明において、前記飲口形成用線部は、切込線部からなり、前記飲口形成用外側部位側部と当該飲口形成用外側部位側部周囲の前記覆板部との間は、1乃至複数の繋部によって繋がれていることを特徴とする。
【0012】
第4発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第3発明において、前記繋部は、飲口形成用内側部位と前記覆板部との間に設けられていることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記覆板部の前記飲口形成用部位における前記飲口形成用線部の内側端部間に、持ち上がった前記飲口形成用内側部位の谷折りを容易とするための当該覆板部の一般部より強度の低い谷折用低強度部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
第6発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第5発明において、前記谷折用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていることを特徴とする。
【0015】
第7発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記折畳用低強度部は、ミシン目を設けて形成されていることを特徴とする。
【0016】
第8発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第7発明の何れかにおいて、前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部を拡幅した拡幅部分の縮幅部分に形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていることを特徴とする。
【0017】
第9発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第7発明の何れかにおいて、前記係止部は、前記飲口形成用外側部位側部における前記覆板部外周縁側の端部に切欠として形成され、前記飲口の縁部を前記係合部として係合可能とされていることを特徴とする。
【0018】
第10発明に係る紙製飲料容器用蓋は、第1発明~第9発明の何れかにおいて、前記係止部は、複数設けられていることを特徴とする。
【0019】
第11発明に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法は、第1発明~第10発明の何れかに係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法であって、前記飲口形成用部位を、指で上から押し込む工程と、前記飲口形成用部位における前記飲口形成用外側部位と前記飲口形成用内側部位とを、指で、山折りして折り畳むとともに、前記飲口形成用内側部位を谷折りして持ち上げる工程と、前記飲口形成用外側部位周縁の前記係止部を、指で前記係合部に係合させる工程と、により、前記飲口を形成することを特徴とする。
【0020】
第12発明に係る紙製飲料容器は、第1発明~第10発明の何れかに係る紙製飲料容器用蓋を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
上述した構成からなる本発明によれば、ストローを無くし、飲料容器から外さなくても、飲料が飲み易い飲口を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器の分解斜視図である。
図2図2(a)及び図2(b)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法の飲口形成前の段階を示す説明図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法の飲口形成途中の段階を示す説明図である。
図4図4(a)及び図4(b)は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成方法の飲口形成後の段階を示す説明図である。
図5図5は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋の平面図である。
図6図6は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋の飲口形成後の段階を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を適用して例示した実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
[実施形態1]
先ず、図1を用いて、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器2について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器2の分解斜視図である。
【0025】
本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器2は、図1に示すように、その上部に縁部3aを有する開口部3を備え、その内部にジュースやコーヒーなどの飲料6を収容して販売するのに多く用いられる有底円筒状の紙コップである。
【0026】
そして、紙製飲料容器2は、紙製飲料容器用蓋1で開口部3が塞がれることによって飲料6の販売目的に使用される。なお、紙製飲料容器用蓋1で開口部3が塞がれる飲料容器は、紙製飲料容器2に限定されず、プラスチック製などの他の材料で製造されていてもよい。また、飲料容器をプラスチック製とする場合は、環境にやさしい生分解性プラスチックなどを用いるのが好ましい。
【0027】
紙製飲料容器用蓋1は、紙製飲料容器2の開口部3を覆う円盤状の覆板部4と、覆板部4の外周縁に設けられ、紙製飲料容器2の開口部3を覆板部4が覆うようにした際に紙製飲料容器2の開口部3の縁部3aに係合可能な側周部5と、を備えている。
【0028】
覆板部4には、その周縁側に、飲口110を形成するための飲口110の周縁側の形状である、略コ字状の切込線部からなる飲口形成用線部11が設けられている(図4も参照)。なお、この飲口形成用線部11は、切込線部の代わりに、ミシン目を設けたり、ハーフカット等のように厚みを小さくしたりするなどして、覆板部4の一般部より強度の低い低強度部を設けて実施してもよい。
【0029】
また、覆板部4の飲口形成用線部11で囲まれた飲口形成用部位11A,11Bが上から押し込まれた際、飲口形成用部位11A,11Bにおける覆板部4外周縁側の飲口形成用外側部位11Aと覆板部4内側の飲口形成用内側部位11Bとの間における山折りによる折り畳みを容易とするための覆板部4の一般部より強度の低い折畳用低強度部12が設けられている。
【0030】
具体的には、折畳用低強度部12は、飲口形成用外側部位11A側に膨出した円弧形状とされている。なお、折畳用低強度部12は、円弧形状に限定されず、飲口形成用外側部位11A側に膨出した形状とされていれば、いかなる形状で実施してもよい。
【0031】
また、折畳用低強度部12は、ミシン目を設けて形成されている。なお、この折畳用低強度部12は、ハーフカット等のように厚みを小さくしたりするなどして覆板部4の一般部より強度の低い低強度部を設けて実施することもできる。
【0032】
また、覆板部4の飲口形成用内側部位11Bにおける飲口形成用線部11の内側端部間に、持ち上がった飲口形成用内側部位11Bの谷折りを容易とするための覆板部4の一般部より強度の低い谷折用低強度部13が設けられている。
【0033】
具体的には、谷折用低強度部13は、ミシン目を設けて形成されている。なお、この谷折用低強度部13は、罫線を設けたり、ハーフカット等のように厚みを小さくしたりするなどして設けてもよいし、設けないで実施することもできる。
【0034】
さらに、飲口形成用内側部位11Bが谷折りされて持ち上がり、さらに飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bを折り畳んだ状態の飲口形成用外側部位11A周縁の係止部11cと、この係止部11cを係合可能な係合部とが設けられている。
【0035】
具体的には、係止部11cが、飲口形成用外側部位11A側部における覆板部4外周縁側の端部を略カマボコ形状に拡幅した拡幅部分の縮幅部分に形成され、飲口110の縁部を係合部として係合可能とされている(図4も参照)。なお、図示は省略したが、係止部11cを切欠として形成し、飲口110の縁部を係合部として、係合可能させるように実施してもよい。
【0036】
また、飲口形成用外側部位11Aとこの飲口形成用外側部位11A側部周囲の覆板部4との間は、左右の繋部11aによって繋がれ、さらに、飲口形成用内側部位側部11Bとこの飲口形成用内側部位側部11B側部周囲の覆板部4との間は、左右の繋部11eによって繋がれ、飲口形成用外側部位側部11A及び飲口形成用内側部位11Bが自重などで沈み込まないようにしている。なお、これら繋部11a,11eの数や位置はこれに限定されず、設けないで実施してもよい。
【0037】
次に、図2図4を用いて、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口形成方法について説明する。図2図4は、本発明の実施形態に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口形成方法を段階的に示す説明図である。
【0038】
先ず、図2(a)及び図2(b)~図3(a)及び図3(b)に示すように、飲口形成用外側部位11Aを、親指又は人差し指などの指で上から押し込むと、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとの間が、折畳用低強度部12の部分で山折りとなる。
【0039】
この際、飲口形成用内側部位11Bが、左右の繋部11eによって飲口形成用内側部位11B側部周囲の覆板部4と繋がれているので、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとの間を、折畳用低強度部12の部分で容易に山折りとすることができる。
【0040】
さらに、親指又は人差し指などの指で、飲口形成用外側部位11Aを、覆板部4の内側に向けて押し込むと、飲口形成用内側部位11Bが、谷折用低強度部13の部分で谷折りされ、持ち上がる。
【0041】
この際、折畳用低強度部12が、飲口形成用外側部位11A側に膨出した円弧形状とされているので、指が引っ掛かり易く、飲口形成用内側部位11Bが、谷折用低強度部13の部分で谷折りとなるように、容易に持ち上げることができる。
【0042】
そして、図4(a)及び図4(b)に示すように、さらに、親指又は人差し指などの指で、飲口形成用外側部位11Aを、覆板部4の内側に向けて押し込むと、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとが、山折りで折り畳まれるとともに、飲口形成用外側部位11Aの係止部11cが、係合部である飲口110の縁部に係合し、飲口110が形成される。
【0043】
以上説明した本発明の実施形態1によれば、上記した構成なので、ストローを無くし、紙製飲料容器用蓋1を紙製飲料容器2から外さなくても、飲料6が飲み易い飲口110を形成することができる。
【0044】
そのうえ、本発明の実施形態1では、紙製飲料容器用蓋1と、紙製飲料容器2とが、ともに紙製なので、使用する接着剤などを除き、略完全に脱プラスチックとすることができる。
【0045】
また、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口形成方法によれば、上記した簡単な手順で、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を容易に形成することができる。
【0046】
特に、本発明の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1では、飲口形成用内側部位11Bが、左右の繋部11eによって飲口形成用内側部位11B側部周囲の覆板部4と繋がれているとともに、折畳用低強度部12が、飲口形成用外側部位11A側に膨出した円弧形状とされているので、上述したように、紙製飲料容器用蓋1の飲口110をより容易に形成することができる。
【0047】
[実施形態2]
次に、図5及び図6を用いて、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1について説明する。図5は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1の平面図である。図6は、本発明の実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1の飲口110形成後の段階を示す説明図である。上述の実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と相違する点は、主に、持上促進部11dを有することなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0048】
この実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1では、図5に示すように、切込線からなる持上促進部11dが、飲口形成用外側部位11Aの中央に配設されていることが、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と異なる。
【0049】
この実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1では、誤って、指F1で、飲口形成用外側部位11Aではなく、飲口形成用内側部位11Bを押してしまった場合も、紙製飲料容器用蓋1の飲口110を容易に形成することができる。
【0050】
但し、この実施形態2に係る紙製飲料容器用蓋1では、図6に示すように、飲口形成用外側部位11Aと飲口形成用内側部位11Bとは、山折りではなく、持上促進部11dが左右に押し広げられる変形が生じ、飲口形成用外側部位11Aの先端部側を上方に持ち上げる応力が働くこともあり、谷折りで折り畳まれ、飲口形成用外側部位11Aの先端部が上方を向いた状態で、係止部11cが、係合部である飲口110の縁部に係合し、飲口110が形成され、飲口110形成後の形態も、実施形態1に係る紙製飲料容器用蓋1と異なる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1 紙製飲料容器用蓋
110 飲口
11 飲口形成用線部
11A 飲口形成用外側部位
11B 飲口形成用内側部位
11a 繋部
11e 繋部
11c 係止部
11d 持上促進部
12 折畳用低強度部
13 谷折用低強度部
2 紙製飲料容器
3 開口部
3a 開口部の縁部
4 覆板部
5 側周部
6 飲料
図1
図2
図3
図4
図5
図6