(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148897
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20231005BHJP
G06V 20/58 20220101ALI20231005BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G06T7/00 660Z
G06V20/58
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057176
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 諒
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊也
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】石川 琢視
【テーマコード(参考)】
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CD03
5C054CE14
5C054DA09
5C054EJ00
5C054FC12
5C054FE00
5L096BA02
5L096HA09
5L096JA03
5L096JA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プライバシを考慮した処理を可能にする情報処理システムを提供する。
【解決手段】照明装置100と、中継器200と、サーバ装置300と、表示装置400とを有する情報処理システム1において、照明装置100は、カメラユニット20が撮影した領域AR内の画像に人TGが含まれる場合、画像に含まれる人の検知及び人の周辺の解析の結果に応じて、画像を対象として所定のフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する処理部、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラにより撮影された画像に人が含まれる場合、前記画像に含まれる前記人の検知及び前記人の周辺の解析の結果に応じて、前記画像を対象として所定のフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する処理部、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記処理部は、
前記解析の結果に基づくリスクレベルに応じて、前記画像に施すフィルタリングを決定し、決定したフィルタリングを施す前記フィルタリング処理を実行する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記処理部は、
前記人の個人特定のリスクが高い程、前記リスクレベルの値を大きく算出する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記処理部は、
前記人の外形の色が前記人の個人特定に影響する場合、前記人の外形の色を補正する前記フィルタリング処理を実行する
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
所定の位置に配置され、特定空間を撮像する前記カメラと、前記処理部を備える情報処理装置とを有し、
前記情報処理装置は、
前記カメラから取得した前記画像に含まれる前記人の検知及び前記人の周辺の解析の結果に応じて、前記画像を対象として前記フィルタリング処理を実行する
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等により撮像した画像を用いた処理を行われている。例えば、照明装置に設けられたカメラ等により撮像を行い、撮像した画像を用いて情報の管理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には改善の余地がある。例えば、従来技術では、人が撮像され、画像に人が含まれる場合については考慮されていなかった。このように、従来技術では、人のプライバシの観点については改善の余地がある。
【0005】
本発明は、プライバシを考慮した処理を可能にする情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の情報処理システムは、カメラにより撮影された画像に人が含まれる場合、前記画像に含まれる前記人の検知及び前記人の周辺の解析の結果に応じて、前記画像を対象として所定のフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する処理部、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プライバシを考慮した処理を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明装置の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る照明装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る中継器の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、情報処理システムによるマスキング処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、顔のパーツの数値化に基づくマスキング処理の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、情報処理システムによるデータ変換処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、フィルタリング処理に関する構成要素の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、リスクレベルに基づくフィルタリング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、リスク内容に基づくフィルタリング処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る情報処理システム1は、カメラ21により撮影された画像に人が含まれる場合、画像に含まれる人の検知及び人の周辺の解析の結果に応じて、画像を対象として所定のフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する処理部(例えば、処理部332、処理部232または処理部42)を有する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理システム1において、処理部は、解析の結果に基づくリスクレベルに応じて、画像に施すフィルタリングを決定し、決定したフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理システム1において、処理部は、人の個人特定のリスクが高い程、リスクレベルの値を大きく算出する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理システム1において、処理部は、人の外形の色が人の個人特定に影響する場合、人の外形の色を補正するフィルタリング処理を実行する。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る情報処理システム1は、所定の位置に配置され、特定空間を撮像するカメラ21と、処理部を備える情報処理装置(例えばサーバ装置300、中継器200または照明装置100)とを有し、情報処理装置は、カメラ21から取得した画像に含まれる人の検知及び人の周辺の解析の結果に応じて、画像を対象としてフィルタリング処理を実行する。
【0014】
[実施形態]
[情報処理システムの構成]
ここから、実施形態に係る情報処理システム1の装置構成及び各装置の機能について説明する。まず、実施形態に係る情報処理システム1の装置構成を
図1に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムを示す図である。
【0015】
図1に示す情報処理システム1は、照明装置100と、中継器200と、サーバ装置300と、表示装置400とを有する。情報処理システム1には、複数の照明装置100や、複数の中継器200や、複数のサーバ装置300や、複数の表示装置400が含まれてもよい。照明装置100は、中継器200とLAN(Local Area Network)等を介して、有線または無線により通信可能に接続される。照明装置100は、中継器200を介してサーバ装置300と通信する。
【0016】
サーバ装置300は、中継器200と、表示装置400とインターネット等の所定の通信網(ネットワーク)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、サーバ装置300は、情報の送受信が可能であれば、中継器200や表示装置400とどのように接続されてもよく、有線により通信可能に接続されてもよいし、無線により通信可能に接続されてもよい。例えば、サーバ装置300は、任意の装置(ゲートウェイ装置等)を介して表示装置400と通信してもよい。
【0017】
照明装置100は、カメラ付き照明である。例えば、照明装置100は、カメラの構成が照明器具に一体となった装置である。照明装置100は、光源31及びカメラ21を備えるエッジである。例えば、照明装置100は、個人情報の保護に関する処理を実行する情報処理装置(コンピュータ)である。照明装置100は、画像に人の顔が含まれる際に、画像に含まれる人の顔がマスキング条件を満たす場合、マスキング処理を実行する。なお、マスキング処理は、中継器200またはサーバ装置300が行ってもよい。
【0018】
例えば、照明装置100は、ビル等の構造物の天井に設置され、点灯により床面を照明する照明装置である。ここで、照明装置100について、
図2を用いて説明する。
図2は、実施形態に係る照明装置の一例を示す斜視図である。実施形態に係る照明装置100は、天井直付けタイプの照明装置であり、いわゆるベースライトである。
図2に示す例において、照明装置100は、カメラユニット20と照明ユニット30とを有する。なお、照明装置100は、ベースライトに限られず、シーリングライトやダウンライト、スポットライトなどであってもよい。
【0019】
カメラユニット20は、照明装置100の周囲の所定の領域を撮影する撮影装置である。
図1では、カメラユニット20は、カメラ21の画角に対応する領域ARを撮影する。例えば、領域ARは、カメラ21の撮影範囲を示す。例えば、カメラユニット20は、領域AR内に人TGが位置する場合、人TGを含む画像(映像)を撮影する。照明ユニット30は、光源の点灯によりカメラユニット20の撮影領域の少なくとも一部を照明する照明装置である。すなわち、カメラユニット20の撮影領域と、照明ユニット30が照明する範囲とは一致してもよく、一致しなくてもよい。また、カメラユニット20は、照明ユニット30と一体に配設されていなくてもよく、カメラユニット20と照明ユニット30との間に空間を設けて配設されてもよい。
【0020】
中継器200は、中継処理を行う機能を有する装置である。例えば、中継器200は、いわゆるゲートウェイとして機能する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、中継器200は、個人情報の保護に関する処理を実行する。中継器200は、照明装置100等のエッジから取得した画像に含まれる人の第1情報を、人の第2情報に変換する変換処理を実行する。なお、変換処理は、照明装置100等のエッジ側の装置またはサーバ装置300が行ってもよい。
【0021】
サーバ装置300は、クライアントサーバシステムのサーバとして用いられる装置である。例えば、サーバ装置300は、いわゆるクラウドサーバとして機能する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、サーバ装置300は、個人情報の保護に関する処理を実行する。サーバ装置300は、カメラ21から取得した画像に含まれる人の検知及び人の周辺の解析の結果に応じて、画像を対象としてフィルタリング処理を実行する。なお、フィルタリング処理は、照明装置100等のエッジ側の装置または中継器200が行ってもよい。サーバ装置300は、カメラ21から取得した画像を対象として受け付けられた個人情報の保護に関する指定に応じて、画像を対象とする処理を実行する。
【0022】
表示装置400は、情報を表示する機能を有する装置である。例えば、表示装置400は、ユーザが利用する情報処理装置(コンピュータ)である。例えば、表示装置400は、所定のネットワークを介して任意のサーバ装置300と通信を行うことができる携帯端末装置である。
図1では、表示装置400がノートPC(Personal Computer)である場合を示す。なお、表示装置400は、ノートPCのみならず、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスやデスクトップPC等のコンピュータであってもよい。
【0023】
表示装置400は、サーバ装置300から提供される情報を表示する。例えば、表示装置400は、情報を要求する情報(要求情報)をサーバ装置300へ送信し、サーバ装置300から受信した情報を表示する。例えば、表示装置400は、情報を指定する要求情報をサーバ装置300へ送信し、サーバ装置300から受信した情報を表示する。例えば、表示装置400は、個人情報の保護に関する処理が行われたデータ(処理済データ)を表示する。
【0024】
[照明装置の構成例]
次に、
図3を用いて、実施形態に係る照明装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る照明装置の構成を示すブロック図である。例えば、照明装置100は、カメラ付き照明装置として機能する情報処理装置(コンピュータ)である。
図3に示すように、照明装置100は、通信部10と、カメラユニット20と、照明ユニット30と、制御部40と、記憶部50とを有する。
【0025】
通信部10は、中継器200等の他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部10は、例えば、所定の通信回路またはNIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部10による通信方式は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの無線通信であってよい。なお、通信部10による通信方式は、任意の通信方式であってよく、例えば、有線通信、赤外線通信等であってもよい。
【0026】
カメラユニット20は、カメラ21と、カメラ制御部22と、記憶部23とを有する。カメラ21は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)など、電子的に画像を取得する撮像素子を備え、所定の画角を撮影して画像データ(「画像」ともいう)を生成する。カメラ21は、所定の位置に配置され、特定空間を撮像する。なお、画像データは、動画データであってもよく、静止画データであってもよい。
【0027】
カメラ制御部22は、カメラ21による撮影を制御する。また、カメラ制御部22は、カメラ21の撮影により生成した画像データを制御部40に出力する。
【0028】
記憶部23は、カメラユニット20の各種制御を実現するためのプログラムやデータを記憶する。記憶部23は、カメラ21が撮影した画像、またはカメラ21の撮影により生成した画像データを記憶してもよい。記憶部23は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。
【0029】
照明ユニット30は、光源31と、照明制御部32と、記憶部33とを有する。光源31は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を有する。光源31は、照明制御部32から出力された制御信号に応じた態様で点灯または消灯する。
【0030】
照明制御部32は、光源31の点灯および消灯を制御する。照明制御部32は、消灯する光源31を点灯し、あるいは点灯する光源31を消灯する。光源31の調光が可能な照明ユニット30の場合、照明制御部32は、光源31の調光度を制御してもよい。
【0031】
記憶部33は、照明ユニット30の各種制御を実現するためのプログラムやデータを記憶する。記憶部33は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。なお、記憶部33は、後述する記憶部50に設けられていてもよい。
【0032】
記憶部50は、情報処理に関する各種情報を記憶する。記憶部50は、制御部40の各種制御を実現するためのプログラムを記憶する。記憶部50は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部50は、プライバシ保護に関する処理を実行するために用いる各種情報を記憶する。記憶部50は、プライバシ保護により生成される情報を記憶する。例えば、記憶部50は、マスキング処理に用いる情報を記憶する。例えば、記憶部50は、骨格検知に用いる情報を記憶する。なお、記憶部50が有する情報は上記に限らず、記憶部50は、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、記憶部50は、記憶部23に記憶される情報や記憶部33に記憶される情報を記憶してもよい。
【0033】
制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部メモリに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。制御部40は、取得部41と、処理部42と、送信部43とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部40の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0034】
取得部41は、各種情報を取得する。取得部41は、カメラユニット20から各種情報を取得する。取得部41は、カメラユニット20が撮像した画像をカメラユニット20から取得する。取得部41は、照明ユニット30から各種情報を取得する。取得部41は、記憶部50から各種情報を取得する。取得部41は、外部の情報処理装置から各種情報を取得する。取得部41は、通信部10を介して外部の情報処理装置から各種情報を受信する。取得部41は、中継器200から情報を受信する。
【0035】
処理部42は、カメラユニット20で撮影された画像を処理し、所定の処理を実行する。処理部42は、画像処理を行う。処理部42は、記憶部50に各種情報を格納する。
【0036】
処理部42は、カメラ21により撮影された画像に人の顔が含まれる際に、画像に含まれる人の顔がマスキングに関するマスキング条件を満たす場合、画像に含まれる人の顔をマスキングするマスキング処理を実行する。処理部42は、画像に含まれる人の顔を、目、鼻及び口の少なくとも1つを含むパーツごとに数値に変換し、数値がマスキング条件を満たす場合、マスキング処理を実行する。処理部42は、人の顔の向きに対応する角度が所定の範囲に含まれる場合、画像に含まれる人の顔を、パーツごとに数値に変換し、数値がマスキング条件を満たす場合、マスキング処理を実行する。
【0037】
処理部42は、天井に設けられたカメラ21の撮影範囲に含まれる人の顔の角度が所定の範囲に含まれる場合、画像に含まれる人の顔を、パーツごとに数値に変換する。処理部42は、天井に設けられたカメラ21の撮影範囲に含まれる人の顔とカメラ21とに基づく角度が所定の範囲に含まれる場合、画像に含まれる人の顔を、パーツごとに数値に変換する。処理部42は、骨格検知による画像に含まれる人の顔の検知結果に基づいて、画像に含まれる人の顔がマスキング条件を満たす場合、マスキング処理を実行する。
【0038】
送信部43は、通信部10を介して外部装置に各種情報を送信する。送信部43は、中継器200に各種情報を送信する。送信部43は、マスキング処理を実行した画像を中継器200に送信する。
【0039】
[中継器の構成例]
次に、
図4を用いて、実施形態に係る中継器200の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る中継器の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、中継器200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0040】
通信部210は、例えば、所定の通信回路またはNIC等によって実現される。例えば、通信部210は、照明装置100、サーバ装置300等の外部装置と通信可能である。また、通信部210は、情報処理システム1の管理者が利用する端末装置等、任意の外部装置と通信可能であってもよい。
【0041】
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部220は、情報処理に関する各種情報を記憶する。記憶部220は、中継器200に関する情報を記憶する。記憶部220は、中継器200に関する情報として、装置ID、設置位置といった情報を記憶する。記憶部220は、プライバシ保護に関する処理を実行するために用いる各種情報を記憶する。記憶部220は、プライバシ保護により生成される情報を記憶する。例えば、記憶部220は、データ変換の処理に用いる情報を記憶する。例えば、記憶部220は、データ変換により生成される属性データ等の情報を記憶する。なお、記憶部220が有する情報は上記に限らず、記憶部220は、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0042】
制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、内部メモリに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。制御部230は、取得部231と、処理部232と、送信部233とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0043】
取得部231は、各種情報を取得する。取得部231は、記憶部220から各種情報を取得する。取得部231は、通信部210を介して外部装置から各種情報を受信する。取得部231は、照明装置100から情報を受信する。例えば、取得部231は、照明装置100が収集した情報を照明装置100から受信する。取得部231は、サーバ装置300から情報を受信してもよい。
【0044】
処理部232は、画像を用いて各種処理を行う。処理部232は、画像の認識処理を行う。処理部232は、画像認識に関する技術を用いて、画像を対象とする画像認識を行い、画像認識の結果を示す画像認識データを生成する。例えば、処理部232は、画像に含まれる人を認識する。処理部232は、画像に人の顔が含まれるか否かを判定する。処理部232は、記憶部220に各種情報を格納する。
【0045】
処理部232は、カメラ21により撮影された画像に含まれる人の個人情報を示す第1情報を、人の属性情報を示す第2情報に変換する変換処理を実行する。処理部232は、人の顔を示す顔情報、及び人を識別する識別情報の少なくとも1つを含む第1情報を、人の年齢及び性別の少なくとも1つを含む第2情報に変換する変換処理を実行する。
【0046】
処理部232は、画像に含まれる人の顔が、目、鼻及び口の少なくとも1つを含むパーツごとに変換された数値を含む第1情報を、第2情報に変換する変換処理を実行する。処理部232は、人の興味関心を示す興味関心情報、及び人の移動方向を示す移動情報の少なくとも1つを含む付加的情報を生成する。
【0047】
送信部233は、通信部210を介して外部装置に各種情報を送信する。送信部233は、照明装置100またはサーバ装置300に各種情報を送信する。送信部233は、変換処理後の情報をサーバ装置300に送信する。送信部233は、付加的情報をサーバ装置300に送信する。
【0048】
[サーバ装置の構成例]
次に、
図5を用いて、実施形態に係るサーバ装置300の構成について説明する。
図5は、実施形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、サーバ装置300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを有する。
【0049】
通信部310は、例えば、所定の通信回路またはNIC等によって実現される。例えば、通信部310は、中継器200、表示装置400等の外部装置と通信可能である。また、通信部310は、情報処理システム1の管理者が利用する端末装置等、任意の外部装置と通信可能であってもよい。
【0050】
記憶部320は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部320は、情報処理に関する各種情報を記憶する。記憶部320は、中継器200から受信した各種情報を記憶する。記憶部320は、プライバシ保護に関する処理を実行するために用いる各種情報を記憶する。記憶部320は、プライバシ保護により生成される情報を記憶する。例えば、記憶部320は、フィルタリング処理に用いる情報を記憶する。例えば、記憶部320は、プライバシ保護に関する処理が施された画像を記憶する。なお、記憶部320が有する情報は上記に限らず、記憶部320は、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0051】
制御部330は、例えば、CPUやMPU等によって、内部メモリに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。制御部330は、取得部331と、処理部332と、送信部333とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部330の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0052】
取得部331は、各種情報を取得する。取得部331は、記憶部320から各種情報を取得する。取得部331は、通信部310を介して外部装置から各種情報を受信する。取得部331は、中継器200から情報を受信する。例えば、取得部331は、照明装置100が収集した情報を中継器200から受信してもよい。
【0053】
処理部332は、画像を用いて各種処理を行う。処理部332は、画像の認識処理を行う。処理部332は、画像認識に関する技術を用いて、画像を対象とする画像認識を行い、画像認識の結果を示す画像認識データを生成する。例えば、処理部332は、画像に含まれる人を認識する。処理部332は、画像に人の顔が含まれるか否かを判定する。処理部332は、記憶部320に各種情報を格納する。
【0054】
処理部332は、カメラ21により撮影された画像に人が含まれる場合、画像に含まれる人の検知及び人の周辺の解析の結果に応じて、画像を対象として所定のフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する。処理部332は、解析の結果に基づくリスクレベルに応じて、画像に施すフィルタリングを決定し、決定したフィルタリングを施すフィルタリング処理を実行する。処理部332は、人の個人特定のリスクが高い程、リスクレベルの値を大きく算出する。処理部332は、人の外形の色が人の個人特定に影響する場合、人の外形の色を補正するフィルタリング処理を実行する。
【0055】
処理部332は、カメラ21により撮影された画像を対象として受け付けられた個人情報の保護に関する指定に応じて、画像を対象とする処理を実行する。処理部332は、個人情報の保護に関する処理を実行するか否かのモードを含む指定に応じて、モードが個人情報の保護に関する処理を実行する保護モードである場合、画像を対象として個人情報の保護に関する処理を実行する。
【0056】
処理部332は、個人情報の保護の対象とする領域を含む指定に応じて、画像のうち領域を対象として個人情報の保護に関する処理を実行する。処理部332は、個人情報の保護の対象とする対象者を含む指定に応じて、画像のうち対象者を対象として個人情報の保護に関する処理を実行する。処理部332は、人の属性、動き及び外観の少なくとも1つを含む人の状態の指定に応じて、画像のうち状態に該当する人を対象として個人情報の保護に関する処理を実行する。
【0057】
送信部333は、通信部310を介して外部装置に各種情報を送信する。送信部333は、表示装置400または中継器200に各種情報を送信する。送信部333は、表示装置400が表示する情報を表示装置400に送信する。送信部333は、個人情報の保護に関する処理が施された情報を表示装置400に送信する。
【0058】
[プライバシ保護に関する処理例(マスキング処理例)]
情報処理システム1は、プライバシ保護に関する処理として、マスキング処理を行う。例えば、情報処理システム1は、カメラ付照明システムであり、照明装置100等のエッジ側において映像データについて個人情報保護に関する処理を実行する。この点について、以下前提等を含め説明する。なお、上述した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0059】
従来、店舗などに設置されているカメラは斜め方向から撮影しているため、画角に人が映った時、顔などの個人情報が含まれる場合がある。このような場合、個人情報保護の点で顔が映っている領域にマスクをする必要が生じる。また、斜めからの撮影では顔が映る頻度は高いため、各映像でマスク処理を行う手間がかかる。一方で、情報処理システム1では、照明装置100等のようにカメラが照明器具と一体となっており、天井から真下を撮影するため顔が映る頻度が、従来よりも少なくマスキング処理を行う手間が少なくなることができる。
【0060】
また、情報処理システム1は、画像を対象とする骨格検知(骨格認識)により、画像に含まれる人について、その体のパーツ、動き、顔の向き、顔のパーツ等、各種の情報(結果情報)を生成する。情報処理システム1は、AI(人工知能)等の機械学習に関する技術により学習された骨格検知モデルを用いて、画像を対象とする骨格検知に関する処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、画像を入力として、入力された画像に含まれる人の骨格検知結果を示す情報(結果情報)を出力する骨格検知モデルを用いて、画像を対象とする骨格検知に関する処理を行う。なお、情報処理システム1における骨格検知は、所望の情報を取得可能であれば任意の従来技術が採用可能であり、情報処理システム1は、骨格検知に関する従来技術を適宜用いて、骨格検知に関する処理を行う。例えば、情報処理システム1は、カメラ21の画角(例えば
図1の領域AR)に人(例えば
図1の人TG)が映ると人の骨格を検知し、仰角の角度が一定値以上になると顔が映り得ると判定する。このように顔が映り得ると判定した場合、情報処理システム1は、人の顔にマスキングを施すマスキング処理を実行する。例えば、情報処理システム1では、照明装置100等のカメラ側の装置で、人の顔にマスキングを施すマスキング処理を実行する。
【0061】
これにより、情報処理システム1は、個人を特定する可能性を低減させ、個人情報保護法に抵触するリスクを低減できる。したがって、情報処理システム1では、個人を特定できなくなり、個人情報保護の効果が得られる。上記のように、情報処理システム1は、照明装置100が工場や倉庫に天井に設置されており、照明装置100が撮った映像の保存や処理を行うサーバ装置300等のデータサーバに撮影データを送る。情報処理システム1は、人がカメラ21の画角に入ると人の骨格を検知して、人として認識する。例えば、情報処理システム1は、人の顔が映った場合、映像データから、目鼻口など顔のパーツを数値データに変換し、閾値以上であれば映像上の該当者の顔にマスキング処理をする。なお、顔のパーツは、目鼻口に限らず、顔のパーツであれば、まゆ毛、輪郭等の任意のパーツであってもよい。また、情報処理システム1は、水平方向に対して、上を向いた時の視線の角度からも顔が映るかなどをカメラ画角の範囲内で閾値を設定し、閾値以上ならばマスキングをする。例えば、情報処理システム1は、カメラ21の画角内で対象人物の首または頭の動きを骨格検知で認識し、顔が映り込む動きを検知したらマスキングを行う。
【0062】
ここで、マスキング処理の一例について、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、情報処理システムによるマスキング処理の一例を示す図である。
図7は、顔のパーツの数値化に基づくマスキング処理の一例を示す図である。例えば、照明装置100は、
図6に示すマスキング処理を行う。
【0063】
なお、マスキング処理を行う処理主体は、照明装置100に限られず、サーバ装置300、中継器200等、情報処理システム1に含まれる他の装置がマスキング処理を行ってもよい。例えば、マスキング処理に関する各処理を情報処理システム1に含まれる装置が分担して行ってもよい。例えば、情報処理システム1では、顔のパーツの数値化の処理を照明装置100または中継器200が行い、人の顔をマスキングする処理をサーバ装置300または中継器200が行ってもよい。このように、情報処理システム1でマスキング処理に関する各処理を行う装置については、任意の構成が採用可能である。
【0064】
図6に示すように、情報処理システム1は、人の顔が映る角度に応じてマスキング処理を行う。
図6中の人TG1は顔の向き(角度)が水平方向を向く角度AG1である場合を示す。
図6中の人TG2は顔の向き(角度)が上方を向く角度AG2である場合を示す。
図6中では、人が人TG1の位置から、照明装置100のカメラ21の画角に対応する
図6中の領域AR内の人TG2の位置へ移動した場合を示す。
【0065】
図6中の人TG2のように、領域ARに人が含まれる場合、情報処理システム1は、その人の顔をマスキング処理の対象とするかを判定する。例えば、領域ARに人が含まれる場合、情報処理システム1は、画像に含まれる人の顔を、目、鼻及び口の少なくとも1つを含むパーツごとに数値に変換し、数値がマスキング条件を満たす場合、マスキング処理を実行する。例えば、情報処理システム1は、人の顔の各パーツの数値と閾値とを比較し、各パーツの数値が閾値以上である場合、マスキング条件を満たすとして、マスキング処理を実行する。
【0066】
図7の処理例PS1は、人が上を向いている場合のマスキング処理の一例を示す。例えば、処理例PS1は、
図6の人TG2の状態で撮影された画像を対象とした処理を示す。まず、情報処理システム1は、人TG2の状態で撮影された画像に含まれる上を向いた人の顔を、目、鼻及び口のパーツごとに数値に変換する。
【0067】
図7では、情報処理システム1は、人TG2の状態で撮影された画像に含まれる人の目を数値「70」に変換する。また、情報処理システム1は、人TG2の状態で撮影された画像に含まれる人の鼻を数値「60」に変換する。また、情報処理システム1は、人TG2の状態で撮影された画像に含まれる人の口を数値「70」に変換する。
【0068】
なお、
図7に示す各パーツの数値は、どれくらいはっきり見えているかを示す値である。例えば、各パーツの数値は、0から100の値となり、100に近い程、そのパーツがはっきり見えていることを示す。
【0069】
例えば、情報処理システム1は、人の顔の各パーツの数値と所定の閾値(例えば50とする)とを比較し、各パーツの数値が閾値以上である場合、マスキング条件を満たすとして、マスキング処理を実行する。
図7では、情報処理システム1は、人の目、鼻及び口の3つのパーツの数値が、50以上である場合、マスキング条件を満たすとして、マスキング処理を実行する。
図7では、情報処理システム1は、人の目、鼻及び口の3つのパーツの全数値が50以上であるため、マスキング条件を満たすとして、マスキング処理を実行する。
【0070】
図6では、情報処理システム1は、画像中の人TG3を対象としてマスキング処理を実行する(ステップS11)。
図6では、情報処理システム1は、人TG3に示すように、人の顔に対応する領域に黒塗りのマスクMKを重畳させる、マスキング処理を実行する。
【0071】
なお、上述した処理は一例に過ぎず、情報処理システム1は、様々な処理を行ってもよい。情報処理システム1は、カメラ21の画角内に人が入ると映像に写っている人物一人一人を認識(特定)してもよい。例えば、情報処理システム1では、映像に映った人の顔が映ると、目鼻口等のパーツを数値に変換し、閾値以上かの判断機能を照明装置100等のエッジ側の装置が有してもよい。例えば、照明装置100は、映像に映った人の顔が映ると、目鼻口等のパーツを数値に変換する。
【0072】
例えば、情報処理システム1は、人の頭や首の動きを骨格で検知し、顔が映る角度になるとカメラ側で判断し、顔にマスキング処理を行う。上述したように、マスキング処理を行う処理主体は、照明装置100に限られず、サーバ装置300、中継器200等、情報処理システム1に含まれる他の装置がマスキング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1では、照明装置100が撮った映像データをサーバ装置300に送信し、サーバ装置300が人の顔が映った領域に対してマスキング処理を行ってもよい。
【0073】
上述した処理により、情報処理システム1は、画像に含まれる人の個人特定の可能性を低減させることができる。したがって、情報処理システム1は、人のプライバシを考慮した処理を可能にすることができる。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理システム1は、様々なプライバシ保護に関するマスキング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1では、カメラ21は天井に設けられており、情報処理システム1は、骨格検知の技術を用いて、顔を検知する。例えば、情報処理システム1は、人が上を向いたかを判定する。情報処理システム1は、目鼻口等の人の顔のパーツごとに数値化して、数値が所定の条件を満たす場合には、画像データをマスキングする。
【0074】
なお、人が上を向いただけだと画素が粗い可能性があり、情報処理システム1は、顔のパーツを数値化して、所定の条件を満たす場合に、マスキングする。情報処理システム1は、画素の範囲に応じて骨格がわからない場合、骨格検知に関する処理を行わなくてもよい。例えば、情報処理システム1は、骨格検知が人の体の部位がないとわからない場合、骨格検知に関する処理を行わなくてもよい。情報処理システム1は、人の顔が映りそうかを判定可能であれば、骨格検知に限らず、任意の手法を適宜用いて、人の顔が映りそうかを判定してもよい。
【0075】
情報処理システム1は、人の顔の向き(角度)が条件を満たしそうだと事前に推定できる場合、事前に顔を隠すマスキング処理を実行してもよい。例えば、情報処理システム1は、正面を基準として、天井と身長とで角度を導出し、導出した角と、人の位置とに基づいて、人の顔が映りそうかを判定してもよい。例えば、情報処理システム1は、人の移動方向を特定して、人の顔の向き(方向)を推定してもよい。例えば、情報処理システム1は、顔が映らない方向に人が移動している場合、その人を対象としてマスキング処理を実行しなくてもよい。
【0076】
[プライバシ保護に関する処理例(データ変換例)]
情報処理システム1は、プライバシ保護に関する処理として、データ変換を行う。例えば、情報処理システム1は、カメラ付照明システムであり、サーバ装置300へ送る中継器200内において映像データについて個人情報保護に関する処理を実行する。この点について、以下前提等を含め説明する。なお、上述した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0077】
従来、カメラで撮影した映像は通信ケーブルを介して、データサーバに保存される。しかし、撮影した映像には顔や身に着けている物などで個人を特定できる情報が含まれる場合、個人情報保護法に抵触し得え、個人情報保護の観点では改善の余地がある。そこで、情報処理システム1は、カメラ21で撮影した画像(映像)で顔が映ると、目鼻口などのパーツを数値化し、サーバ装置300等のデータサーバに送る中継器200内でその数値データを性別や年齢等を示す属性データに変換して出力することで、個人が特定される可能性を低減することができる。これにより、情報処理システム1は、個人情報保護法に抵触するリスクを低減できる。
【0078】
例えば、情報処理システム1では、照明装置100が工場や倉庫に天井に設置されており、中継器200を介してサーバ装置300等のデータサーバに撮影データを送る。情報処理システム1では、人(例えば
図1の人TG)がカメラ21の画角(例えば
図1の領域AR)に入ると人の骨格を検知する骨格検知処理を行い、骨格検知処理に基づいて人を認識する。例えば、情報処理システム1は、人の顔が映った場合、映像データから、目鼻口など顔のパーツを数値化し、性別や年齢等の属性データに変換する制御部230(処理部232)を有する中継器200内で、処理されサーバ装置300に送信する。なお、情報処理システム1は、個人が特定できるものについては、顔に限られず、人が身に着けている物や髪形、それらの色等も同様に処理を行う。
【0079】
ここで、データ変換の処理の一例について、
図8を用いて説明する。
図8は、データ変換の一例を示す図である。例えば、中継器200は、
図8に示すデータ変換を行う。
図8は、中継器200内の処理を示す。なお、データ変換の処理を行う処理主体は、中継器200に限られず、サーバ装置300、照明装置100等、情報処理システム1に含まれる他の装置がデータ変換の処理を行ってもよい。
【0080】
図8に示す第1情報DT11は、人の個人情報を含む情報である。例えば、第1情報DT11は、カメラ21により撮影された画像に含まれる人の個人情報を含む。第1情報DT11は、時間、人物ID、及び目、鼻、口の数値データ等の情報が含まれる。なお、
図8に示す目、鼻、口の数値データは、
図7に示すような数値変換処理により生成される。
【0081】
情報処理システム1は、人の個人情報を示す第1情報を、人の属性情報を示す第2情報に変換する変換処理を実行する(ステップS21)。
図8では、中継器200は、人の個人情報を示す第1情報DT11を、人の属性情報を示す第2情報DT12に変換する変換処理を実行する。例えば、中継器200は、人物ID、目、鼻、口の数値データ等を基に、第1情報DT11を第2情報DT12に変換する。
【0082】
例えば、中継器200は、人の人物IDがその人の性別、年齢等を示す属性情報が紐づけられている場合、その属性情報を基に、第1情報DT11を第2情報DT12に変換する。例えば、中継器200は、目、鼻、口の数値データを基にその数値データに対応する年齢、性別等を推定し、推定した情報を基に第1情報DT11を第2情報DT12に変換する。例えば、中継器200は、年齢、性別等の属性に目、鼻、口の数値データが対応付けられた変換用情報を用いて、第1情報DT11を第2情報DT12に変換する。例えば、中継器200は、30代等の年代及び性別等の属性の組合せごとに目、鼻、口の数値データの範囲が対応付けられた変換用情報を用いて、第1情報DT11を第2情報DT12に変換する。例えば、中継器200は、第1情報DT11中の数値データを、その数値データが該当する属性の組合せの年齢、性別等に変換することにより、第1情報DT11を第2情報DT12に変換する。
【0083】
図8に示す第2情報DT12は、人の属性情報を示す情報(属性データ)である。例えば、第2情報DT12は、人の性別や年齢を示すものの、そのデータに対応する個人が特定不可能な情報である。第2情報DT12は、時間、年齢及び性別の情報が含まれる。例えば、
図8に示す第2情報DT12は、その時間に対応する画像における人が30代、男性である場合を示す。
【0084】
このように、情報処理システム1は、プライバシ保護に関する処理として、データ変換を行う。情報処理システム1は、カメラと照明器具が一体になったエッジ(照明装置100)と、照明装置100で取得したデータをサーバ装置300に送る中継器200を有する。情報処理システム1は、撮影した映像で、顔が映っていたら顔のパーツを数値データに変換する。上述した例では、情報処理システム1は、顔のパーツを数値に出力されたデータを年齢や性別などの属性データに変換する処理を中継器200で行い、個人情報が保護されたデータをサーバ装置300に送信する。
【0085】
次に、情報処理システム1におけるデータ変換に関する情報処理の流れについて説明する。
図9は、情報処理システムによるデータ変換処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、情報処理システム1を処理主体として説明するが、
図9に示す処理は、情報処理システム1に含まれる装置構成に応じて、照明装置100、中継器200、サーバ装置300等のいずれの装置が行ってもよい。
【0086】
情報処理システム1は、画角に人が入ると認識する(ステップS101)。例えば、照明装置100は、カメラ21の画角に人が入ると認識する。
【0087】
情報処理システム1は、顔が映っているか否かを判定する(ステップS102)。例えば、中継器200は、カメラ21が撮影した画像に人の顔が映っているか否かを判定する。
【0088】
情報処理システム1は、顔が映っていると判定した場合(ステップS102:Yes)、顔パーツを数値に変換する(ステップS103)。例えば、中継器200は、カメラ21が撮影した画像に顔が映っていると判定した場合、顔パーツを数値に変換する。
【0089】
そして、情報処理システム1は、属性に変換する(ステップS104)。例えば、中継器200は、カメラ21が撮影した画像中の顔のパーツが変換された数値を、属性に変換する。そして、情報処理システム1は、クラウドにデータ保存する(ステップS105)。例えば、中継器200は、属性に変換した情報をサーバ装置300へ送信し、サーバ装置300は、受信した属性に変換した情報を保存する。
【0090】
情報処理システム1は、顔が映っていないと判定した場合(ステップS102:No)、ステップS103及びS104の処理を行うことなく、ステップS105の処理を行う。例えば、中継器200は、カメラ21が撮影した画像をサーバ装置300へ送信し、サーバ装置300は、受信した画像を保存する。
【0091】
上述した処理により、情報処理システム1は、画像に含まれる人の個人特定の可能性を低減させることができる。したがって、情報処理システム1は、人のプライバシを考慮した処理を可能にすることができる。なお、上記は一例に過ぎず、情報処理システム1は、様々なプライバシ保護に関する変換処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、中継器200等のゲートウェイ側で個人情報を特定したら、属性に変換して出力し、サーバ装置300等のクラウドに保存する。例えば、情報処理システム1は、画像を解析して人の動きを数値化して出力する。例えば、情報処理システム1は、顔が認識されたら、性別・年齢等の属性情報に変換する。例えば、情報処理システム1は、個人を特定可能と推定される情報が検知された場合は、属性に変換する。
【0092】
例えば、情報処理システム1は、画像から顔を検知して、顔のパーツごとに数値化する。情報処理システム1は、顔のパーツの数値が、所定の条件を満たす場合、人の属性を示す属性値を推定して、変換して出力する。例えば、情報処理システム1は、人の顔のパーツの数値が、その人を特定可能な場合、属性値を推定して、顔のパーツの数値を属性値に変換して出力する。なお、人の属性は、性別、年代等に限らず、眼鏡をかけている、スーツ等の所定の装備品を着ている、所有物(もの)を持っている、所有物(もの)を持っていない等であってもよい。
【0093】
情報処理システム1は、人の興味関心を示す興味関心情報、及び人の移動方向を示す移動情報の少なくとも1つを含む付加的情報を生成してもよい。例えば、中継器200は、人の興味関心を示す興味関心情報、及び人の移動方向を示す移動情報の少なくとも1つを含む付加的情報を生成してもよい。例えば、情報処理システム1は、人の向き(視線)を検知してもよい。この場合、情報処理システム1は、推定した人の向き(視線)の先にある対象物を、その人が興味関心を有する対象であると推定してもよい。
【0094】
例えば、情報処理システム1は、人の向きを検知して、その人の移動方向を推定してもよい。この場合、情報処理システム1は、推定した人の移動方向の先にある対象物を、その人が興味関心を有する対象であると推定してもよい。例えば、情報処理システム1は、ユーザの状況を説明する情報を検知して付加してもよい。
【0095】
例えば、情報処理システム1では、情報を暗号化して通信してもよい。例えば、情報処理システム1では、中継器200は、照明装置100やサーバ装置300等との間で暗号化して情報を通信してもよい。なお、暗号化については任意の手法が採用可能であり、情報処理システム1では、様々な暗号化手法を用いて、暗号化した情報を通信してもよい。
【0096】
[プライバシ保護に関する処理例(フィルタリング処理例)]
情報処理システム1は、プライバシ保護に関する処理として、フィルタリング処理を行う。例えば、情報処理システム1は、カメラ21による映像データの画像解析とフィルタリング処理による個人情報保護に関する処理を実行する。この点について、以下前提等を含め説明する。なお、上述した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0097】
従来、映像データの人物を対象としたフィルタリング処理は、人物の顔や全身にフィルタをかけ、個人情報の保護を行うようになっている。しかし、ペットなどの個人との結び付け可能な所有物が存在するときに、それらの情報から個人を特定されうる。そこで、情報処理システム1は、フィルタリング範囲やフィルタの強度を個人特定リスクに応じて自動的に変化するものとしたことで、フィルタリング範囲外からの情報から個人を特定する可能性を低減させる。これにより、情報処理システム1は、個人情報保護法に抵触するリスクを低減できる。
【0098】
まず、
図10を用いて、情報処理システム1におけるフィルタリング処理に関する構成要素について説明する。
図10は、フィルタリング処理に関する構成要素の一例を示す図である。情報処理システム1は、カメラDV1及び特定装置DV2等の構成要素によりフィルタリング処理に関する処理を行う。
【0099】
カメラDV1は、画像を撮像する構成要素であり、例えばカメラ21を有する照明装置100に対応する。特定装置DV2は、解析部、フィルタリング部、記憶部等の構成を有し、属性データ及び処理済み映像データ等を保有する構成要素であり、例えばサーバ装置300に対応する。
図10中の解析部及びフィルタリング部は、サーバ装置300の処理部332に対応する。また、
図10中の記憶部は、サーバ装置300の記憶部320に対応する。
図10中の外部出力は、特定装置DV2から外部の装置への出力を行う構成であり、例えばサーバ装置300の通信部310に対応する。
【0100】
例えば、情報処理システム1は、カメラDV1で人物を検知したとき、サーバ装置300等の解析装置(
図10では特定装置DV2)で人物の解析を行い、結果を属性データとして記憶装置に保存する。なお、解析装置(特定装置DV2)は、フィルタリング処理を行う装置であれば、サーバ装置300に限らず、照明装置100または中継器200等であってもよい。そして、情報処理システム1は、解析装置により人物周辺を解析し、解析結果と事前に定義した個人特定リスクに基づいてフィルタリング処理の内容を決定する。また、情報処理システム1は、フィルタリング処理済みの映像情報を、サーバ装置300の記憶部320等の記憶装置(
図10では特定装置DV2の記憶部)に保存する。
【0101】
ここで、特定装置DV2が保有する属性データの一例について説明する。
図11は、属性データの一例を示す図である。
図11のように、属性データには映像における時間と座標を含み、処理済みの映像情報における特定個人と紐づけする。例えば、
図11に示す属性データでは、時間、座標、性別及び年齢の情報が含まれる。例えば、
図11に示す属性データでは、その時間に対応する画像における座標が示す領域に含まれる人の性別及び年齢等の属性を示す。
【0102】
情報処理システム1は、プライバシ保護に関するフィルタリング処理として以下のような処理を行ってもよい。情報処理システム1は、個人特定リスクを定義し、抵触するたびリスクレベルを増加し、レベルに応じて事前に定義したフィルタリング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、デフォルトフィルタをリスクレベル0で定義して、レベルの増加に伴いフィルタを変更していってもよい。例えば、情報処理システム1は、個人特定リスクを定義し、抵触した個人特定リスクによって事前に定義したフィルタリング処理を行ってもよい。なお、リスクレベルに応じた処理については
図12で詳述する。
【0103】
例えば、情報処理システム1は、個人特定リスクを定義し、抵触した個人特定リスクによってフィルタリング処理の定義を動的に変動させてもよい。例えば、個人特定リスクと処理の具体例については以下のような処理がある。例えば、情報処理システム1は、髪型、身長など本人の持つ身体的特徴については、モザイクなどフィルタリング強度を増加させるフィルタリング処理を行ってもよい。また、情報処理システム1は、服装、肌の色などの色情報については、グレースケールにする等、フィルタ部の色を補正するフィルタリング処理を行ってもよい。
【0104】
また、例えば、情報処理システム1は、歩き方などの動作特性については、フィルタ部のフレームレートを意図的に落とすフィルタリング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、大きな荷物、車いすなど、所有物については、特定リスクの位置を参照し、フィルタリング範囲を拡大するフィルタリング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、ペットなど、人物以外で個人と紐づけ可能なものについては、フィルタリング範囲の拡大、フレームレート減少等のフィルタリング処理を行ってもよい。なお、リスク内容に応じた処理については
図13で詳述する。
【0105】
上記は一例に過ぎず、情報処理システム1は、様々なプライバシ保護に関するフィルタリング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、所有物、身体的特徴、動きの特徴、色味等による個人の特定のしやすさを推定し、推定結果に応じた対応でフィルタリングを行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、個人の特定のしやすさの推定結果に応じて、色を消す、モザイクの大きさを変える、黒塗りにする、フレームおちさせる、周辺のフレームおちさせる、階調を減らす、所有物を隠す等の処理を行ってもよい。
【0106】
例えば、情報処理システム1は、個人の特定のしやすさの推定結果が示す値が所定の閾値以上である場合、黒塗りにするフィルタリング処理を行ってもよい。また、情報処理システム1は、フィルタリング処理を行わない物品を示すホワイトリストまたはフィルタリング処理を行う物品を示すブラックリストを用いて、フィルタリング処理を行ってもよい。情報処理システム1は、画像中の人が保持する部分がフィルタリング処理を行う物品を示すブラックリストに含まれる場合、その物品を黒塗りにするフィルタリング処理を行ってもよい。
【0107】
情報処理システム1は、人物周辺の動的フィルタリング処理を行う。上述した例では、カメラDV1は、所定の位置に配置され、特定空間を撮像する。また、解析部は、カメラDV1により撮像された映像情報に基づいて、空間の人物検知と周辺の解析を行い、解析情報を記憶部に出力するとともに映像情報をフィルタリング部に出力する。フィルタリング部は、解析結果に基づいて映像情報の処理を行い、処理済みの映像情報を記憶部に出力する。記憶部は、解析部とフィルタリング部から出力されるデータを保存する。
【0108】
より具体的には、カメラDV1は、空間の映像情報を解析部へ出力する。また、解析部は、空間内の映像情報から個人特定リスクに基づいたリスクレベルを判定し、フィルタリング部に映像情報と判定済みのリスクレベル情報を出力する。フィルタリング部は、映像情報にリスクレベルに応じたフィルタリング処理を実行する。解析部は、映像情報に基づき、個人特定リスクそれぞれに抵触するかを判定し、抵触した各個人特定リスクに応じてフィルタリング範囲や強度を決定し、映像情報とフィルタリング部に出力する。フィルタリング部は、解析部で決定したフィルタリング処理を実行する。上述した処理により、情報処理システム1は、画像に含まれる人の個人特定の可能性を低減させることができる。したがって、情報処理システム1は、人のプライバシを考慮した処理を可能にすることができる。
【0109】
次に、情報処理システム1におけるフィルタリングに関する情報処理の流れについて説明する。
図12は、リスクレベルに基づくフィルタリング処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、情報処理システム1を処理主体として説明するが、
図12に示す処理は、情報処理システム1に含まれる装置構成に応じて、照明装置100、中継器200、サーバ装置300等のいずれの装置が行ってもよい。
【0110】
情報処理システム1は、映像内に人物がいるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像(映像)に人物(人)いるか否かを判定する。情報処理システム1は、映像内に人物がいないと判定した場合(ステップS201:No)、ステップS201の処理を繰り返す。
【0111】
情報処理システム1は、映像内に人物がいると判定した場合(ステップS201:Yes)、映像内の人物を[A]として定義し、[A]に[リスクレベル]を0で定義し、[属性データA]を定義する(ステップS202)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像(映像)に人物(人)と判定した場合、その人をユーザUAとし、そのユーザUAのリスクレベルLAを0で初期化し、ユーザUAの属性データを属性データDAとして定義する。
【0112】
情報処理システム1は、人物の解析を行う(ステップS203)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像を解析することにより、画像に含まれる人の解析を行う。
【0113】
情報処理システム1は、解析結果を[A]の[属性データA]に格納する(ステップS204)。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAの年齢、性別等の属性を示す解析結果をユーザUAの属性データDAに格納する。
【0114】
情報処理システム1は、人物周辺の解析を行う(ステップS205)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像を解析することにより、画像に含まれる人の周辺の解析を行う。
【0115】
情報処理システム1は、個人特定リスク1に抵触するか否かを判定する(ステップS206)。例えば、サーバ装置300は、記憶部320に記憶した個人特定リスクの一覧リストのうち、1番目の個人特定リスクに解析結果が抵触するか否かを判定する。
【0116】
情報処理システム1は、個人特定リスク1に抵触する場合(ステップS206:Yes)、Aの[リスクレベル]を1加算する(ステップS207)。例えば、サーバ装置300は、記憶部320に記憶した個人特定リスクの一覧リストのうち、1番目の個人特定リスクにユーザUAの解析結果が抵触する場合、ユーザUAのリスクレベルLAを1加算する。
【0117】
情報処理システム1は、個人特定リスク1に抵触しない場合(ステップS206:No)、ステップS207の処理を行うことなく、ステップS208の処理を行う。
【0118】
情報処理システム1は、個人特定リスクNに抵触するか否かを判定する(ステップS208)。例えば、サーバ装置300は、記憶部320に記憶した個人特定リスクの一覧リストのうち、N番目の個人特定リスクに解析結果が抵触するか否かを判定する。
【0119】
情報処理システム1は、個人特定リスクNに抵触する場合(ステップS208:Yes)、Aの[リスクレベル]を1加算する(ステップS209)。例えば、サーバ装置300は、記憶部320に記憶した個人特定リスクの一覧リストのうち、N番目の個人特定リスクにユーザUAの解析結果が抵触する場合、ユーザUAのリスクレベルLAを1加算する。
【0120】
情報処理システム1は、個人特定リスクNに抵触しない場合(ステップS208:No)、ステップS209の処理を行うことなく、ステップS210の処理を行う。なお、
図12では、個人特定リスク1及び個人特定リスクNの処理フローのみを図示するが、Nが3以上である場合、2番目からN-1番目の個人特定リスクについても、ステップS206、S207等と同様にリスクレベルのカウントを行う。
【0121】
情報処理システム1は、[リスクレベル]は0か否かを判定する(ステップS210)。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAのリスクレベルLAが0か否かを判定する。
【0122】
情報処理システム1は、[リスクレベル]が0である場合(ステップS210:Yes)、デフォルトのフィルタリングを行う(ステップS211)。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAのリスクレベルLAが0である場合、ユーザUAが撮影された画像を対象として、デフォルトのフィルタリングを行う。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAのリスクレベルLAが0である場合、モザイクの大きさを変更するフィルタリングを行う。
【0123】
情報処理システム1は、[リスクレベル]が0ではない場合(ステップS210:No)、[リスクレベル]はNか否かを判定する(ステップS212)。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAのリスクレベルLAが0でない場合、ユーザUAのリスクレベルLAがNであるか否かを判定する。
【0124】
情報処理システム1は、[リスクレベル]がNである場合(ステップS212:Yes)、レベルNのフィルタリングを行う(ステップS213)。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAのリスクレベルLAがNである場合、ユーザUAが撮影された画像を対象として、レベルNのフィルタリングを行う。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAのリスクレベルLAがNである場合、画像中でユーザUAが含まれる範囲を黒塗りにするフィルタリングを行う。
【0125】
情報処理システム1は、[リスクレベル]がNではない場合(ステップS212:No)、ステップS213を行わずに処理を終了する。
【0126】
次に、情報処理システム1における(フィルタリングに関する情報処理の流れについて説明する。
図13は、リスク内容に基づくフィルタリング処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、情報処理システム1を処理主体として説明するが、
図13に示す処理は、情報処理システム1に含まれる装置構成に応じて、照明装置100、中継器200、サーバ装置300等のいずれの装置が行ってもよい。
【0127】
情報処理システム1は、映像内に人物がいるか否かを判定する(ステップS301)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像(映像)に人物(人)いるか否かを判定する。情報処理システム1は、映像内に人物がいないと判定した場合(ステップS301:No)、ステップS301の処理を繰り返す。
【0128】
情報処理システム1は、映像内に人物がいると判定した場合(ステップS301:Yes)、映像内の人物を[A]として定義し、[A]に[リスクレベル]を0で定義し、[属性データA]を定義する(ステップS302)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像(映像)に人物(人)と判定した場合、その人をユーザUAとし、そのユーザUAのリスクレベルLAを0で初期化し、ユーザUAの属性データを属性データDAとして定義する。
【0129】
情報処理システム1は、人物の解析を行う(ステップS303)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像を解析することにより、画像に含まれる人の解析を行う。
【0130】
情報処理システム1は、解析結果を[A]の[属性データA]に格納する(ステップS304)。例えば、サーバ装置300は、ユーザUAの年齢、性別等の属性を示す解析結果をユーザUAの属性データDAに格納する。
【0131】
情報処理システム1は、人物周辺の解析を行う(ステップS305)。例えば、サーバ装置300は、カメラ21が撮影した画像を解析することにより、画像に含まれる人の周辺の解析を行う。
【0132】
情報処理システム1は、人物に追従する動体はあるか否かを判定する(ステップS306)。例えば、サーバ装置300は、画像に含まれる人の周辺の解析結果を基に、画像に含まれる人(人物)に追従する動体はあるか否かを判定する。
【0133】
情報処理システム1は、人物に追従する動体がある場合(ステップS306:Yes)、フィルタ範囲を拡張する(ステップS307)。例えば、サーバ装置300は、画像中でユーザUAに追従する物体がある場合、フィルタ範囲をユーザUAの範囲から物体を含む範囲まで拡張する。
【0134】
情報処理システム1は、人物に追従する動体がない場合(ステップS306:No)、ステップS307の処理を行うことなく、ステップS308の処理を行う。
【0135】
情報処理システム1は、色情報は定義した色以外か否かを判定する(ステップS308)。例えば、サーバ装置300は、記憶部320に記憶したフィルタリングに関する色の定義情報が示す色と、解析結果に含まれる色情報が示す色とを比較し、色情報が示す色が定義情報が示す色以外であるか否かを判定する。
【0136】
情報処理システム1は、色情報は定義した色以外である場合(ステップS308:Yes)、フィルタ部の色情報に補正する(ステップS309)。例えば、サーバ装置300は、色情報が示す色が記憶部320に記憶したフィルタリングに関する色の定義情報が示す色以外である場合、画像中の色情報が示す色に対応する箇所を、フィルタリングに関する色の定義情報が示す色に補正する。
【0137】
情報処理システム1は、色情報は定義した色以外ではない場合(ステップS308:No)、ステップS309の処理を行うことなく、ステップS310の処理を行う。
【0138】
情報処理システム1は、その他フィルタ定義の有無を判定する(ステップS310)。例えば、サーバ装置300は、記憶部320に記憶した色以外のフィルタリングの定義が有るか否かを判定する。
【0139】
情報処理システム1は、その他フィルタ定義がある場合(ステップS310:Yes)、対応した処理を実行する(ステップS311)。例えば、サーバ装置300は、人の所有物を隠すフィルタの定義がある場合、ユーザUAが所有する物体を黒塗りにするフィルタリングを行う。
【0140】
情報処理システム1は、その他フィルタ定義がない場合(ステップS310:No)、ステップS311を行わずに処理を終了する。
【0141】
[プライバシ保護に関する処理例(プライバシ保護に関する指定例)]
情報処理システム1は、保護のプライバシ保護に関する処理として、プライバシ保護に関する指定を行う。例えば、情報処理システム1は、例えばカメラ付き照明システムの映像データ処理を実行する。この点について、以下前提等を含め説明する。
【0142】
従来、カメラ付き照明器具は天井に設置され直下方向を撮影するため、個人を特定できるシーンが撮影される割合は多くない。しかし、人の姿勢や顔の向きなどによっては個人の特定が可能なシーンがある。例えば、設置される態様(業態)においては、これらの映像が個人情報保護法の観点から手当てが必要な場合がある。
【0143】
例えば、カメラ付き照明システムの映像の活用例としてスポーツ分野への適用が考えられる。例えば体育館に設置したカメラにより、個々の選手の動き、フォーメーション分析を行うには適した場所となる。分析を行い、チーム力を上げたいというモチベーションを持ったチーム、選手は撮影することに対して理解は得られる。一方で、観客など撮影されることを望まない人もいる。
【0144】
そこで、情報処理システム1は、映像にマスク処理を施すことによりプライバシ保護を図ることができる。カメラ付き照明システムとしても機能する情報処理システム1では、撮影した映像はクラウドサーバ(例えばサーバ装置300)に蓄積される。サーバ装置300は、映像を保存、ダウンロード可能にするとともに、画像解析エンジンを搭載することで取得した映像に対して解析を行う。
【0145】
例えば、情報処理システム1は、人の骨格を検知することで人を認識する。情報処理システム1は、天井からの直下映像となるため個人を特定する映像が取得される割合は多くないものの、人の姿勢や顔の向きによっては特定できる映像となる。例えば、スポーツを強化したいというチームの体育館を例にとると、これらの映像はチーム強化の一環としての取り組みとして理解は得られることが多いが、スポーツを観戦する観客などにおいては理解が得られない場合もある。その場合、情報処理システム1においても、手当て(プライバシ保護)が必要になってくる場合がある。
【0146】
そこで、情報処理システム1は、個人情報の保護に関する指定を受け付け、受け付けた個人情報の保護に関する指定に応じて画像を対象とする処理を実行する。以下では、情報処理システム1を処理主体として説明するが、以下に示す処理は、情報処理システム1に含まれる装置構成に応じて、照明装置100、中継器200、サーバ装置300等のいずれの装置が行ってもよい。
【0147】
情報処理システム1は、個人情報の保護に関する処理を実行するか否かのモードを含む指定を受け付ける。例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする領域を含む指定を受け付ける。例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする対象者を含む指定を受け付ける。例えば、情報処理システム1は、人の属性、動き及び外観の少なくとも1つを含む人の状態の指定を受け付ける。
【0148】
情報処理システム1は、カメラにより撮影された画像を対象として受け付けられた個人情報の保護に関する指定に応じて、画像を対象とする処理を実行する。例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護に関する処理を実行するか否かのモードを含む指定に応じて、モードが個人情報の保護に関する処理を実行する保護モードである場合、画像を対象として個人情報の保護に関する処理を実行する。
【0149】
情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする領域を含む指定に応じて、画像のうち領域を対象として、マスキング処理、フィルタリング処理等の個人情報の保護に関する処理を実行する。例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする領域を含む指定に応じて、画像のうち領域を黒塗りにする処理を実行する。
【0150】
情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする対象者を含む指定に応じて画像のうち対象者を対象として、マスキング処理、フィルタリング処理等の個人情報の保護に関する処理を実行する。例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする対象者を含む指定に応じて画像のうち対象者を黒塗りにする処理を実行する。
【0151】
情報処理システム1は、人の属性、動き及び外観の少なくとも1つを含む人の状態の指定に応じて、画像のうち状態に該当する人を対象として、マスキング処理、フィルタリング処理等の個人情報の保護に関する処理を実行する。例えば、情報処理システム1は、人の属性、動き及び外観の少なくとも1つを含む人の状態の指定に応じて、画像のうち状態に該当する人を黒塗りにする処理を実行する。
【0152】
このように、情報処理システム1は、カメラ21が撮影した動画像について個人情報の保護に関する処理を実行するか否かのモードの設定を受け付けるシステムである。上述したように、個人情報の保護に関する処理は、照明装置100、中継器200またはサーバ装置300等の情報処理システム1のいずれの装置が行ってもよい。
【0153】
例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護に関する処理をするかしないかモードの指定を受け付ける。例えば、情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする領域の指定を受け付ける。情報処理システム1は、個人情報の保護の対象とする矩形の領域の指定を受け付ける。例えば、情報処理システム1は、ある領域にいるユーザ等の被写体領域の指定を受け付け、被写体領域にマスキング処理を行う。例えば、情報処理システム1は、白線認識してスポーツのエリア(対象エリア)を特定し、その対象エリアを対象として個人情報の保護に関する処理を行ってもよい。
【0154】
例えば、情報処理システム1は、選手または観客のいずれであるか等、画像に含まれる人(被写体)の属性を推定し、観客を対象として個人情報の保護に関する処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、画像に含まれる人(被写体)のマスクの着用有無を推定し、マスクを着用している人(被写体)を座っている人と推定して、その人に個人情報の保護に関する処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、ユニフォームの色等、画像に含まれる人(被写体)の外観を推定し、外観が個人情報の保護の対象に該当する場合、その人を対象として個人情報の保護に関する処理を行ってもよい。
【0155】
例えば、情報処理システム1は、画像に含まれる人を黒塗りする、モザイクをかける等のマスキング処理を行う場合、人の顔に対応する領域にマスキング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、人の顔に対応する領域のみを対象とするマスキング処理では、その人が認識できそうな場合、人の外形全体の領域等、人の顔以外の領域を含めた領域にマスキング処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、骨格検知して、画像に含まれる人の外形を、人体を極端にデフォルメした形状(例えば棒人間)に変換してもよい。この場合、情報処理システム1は、人が男性であると推定される場合、その人を青色の棒人間に変換し、人が女性であると推定される場合、その人を赤色の棒人間に変換してもよい。
【0156】
上述した処理により、情報処理システム1は、画像に含まれる人の個人特定の可能性を低減させることができる。したがって、情報処理システム1は、人のプライバシを考慮した処理を可能にすることができる。なお、情報処理システム1は、一義的にエリアを指定して単にマスク処理を行うのではなく、映像解析を活用することで設定の手間の削減などユーザビリティに考慮したシステムを提供してもよい。例えば、情報処理システム1は、一義的にエリアを指定してマスク処理を行うのではなく、画像解析を基にした種々のモードを準備してもよい。例えば、領域を指定する場合においても、情報処理システム1は、人が映像に対して人力でエリアを指定するだけでなく、例えばコートの白線を認識して、白線内の人物は選手であるとすることでその領域の人物に対してはマスク処理を行わず、それ以外の人物に対して処理を行ってもよい。また、観客は座っていることが多いので、情報処理システム1は、座っている人物にマスキング等のプライバシ保護に関する処理を行ってもよい。
【0157】
例えば、情報処理システム1は、選手の特徴として、ユニフォームの色に着目してそれをトリガーにして、プライバシ保護に関する処理を行ってもよい。例えば、情報処理システム1は、マスク処理においても、単に黒塗りで表現するだけでなく、例えば擬人化したアイコンとして表示しても良い。その場合、例えば、情報処理システム1は、例えば男性は青色、女性は赤色という風に色分けすることで、観客の動員分析を行ってもよい。なお、情報処理システム1における上記の処理は、サーバ装置300等のクラウドで行ってもよいし、照明装置100等のエッジ(カメラ)側で行ってもよい。
【0158】
[他のシステム構成例]
なお、上述した情報処理システム1の構成は一例に過ぎず、情報処理システム1は、所望の処理が可能であれば、任意の装置構成が採用可能である。例えば、情報処理システム1は、中継器200を有しない構成であってもよい。この場合、中継器200が行うプライバシ保護に関する処理は、サーバ装置300または照明装置100が行ってもよい。
【0159】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、これらの実施形態やその変形は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0160】
1 情報処理システム
100 照明装置
10 通信部
20 カメラユニット
30 照明ユニット
40 制御部
41 取得部
42 処理部
43 送信部
50 記憶部
200 中継器
210 通信部
220 記憶部
230 制御部
231 取得部
232 処理部
233 送信部
300 サーバ装置
310 通信部
320 記憶部
330 制御部
331 取得部
332 処理部
333 送信部
400 表示装置