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特開2023-148933脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148933
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/00 20060101AFI20231005BHJP
   C02F 11/10 20060101ALI20231005BHJP
   B09B 3/35 20220101ALI20231005BHJP
   B02C 4/00 20060101ALI20231005BHJP
   B02C 4/30 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
C02F11/00 Z ZAB
C02F11/10 Z
B09B3/35
B02C4/00
B02C4/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057228
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】隅 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】竹田 尚弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】石▲崎▼ 知依
【テーマコード(参考)】
4D004
4D059
4D063
【Fターム(参考)】
4D004AA01
4D004AB01
4D004BA03
4D004CA04
4D004CA14
4D004CB13
4D004CB46
4D059AA01
4D059AA02
4D059AA03
4D059AA07
4D059BB03
4D059BE00
4D059BK11
4D059CB04
4D063CC01
4D063CC08
4D063GA10
4D063GC02
4D063GC08
(57)【要約】
【課題】脱水汚泥の脱水ケーキを容易に成形可能とし、効率的にリサイクル燃料を製造するための脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置を提供する。
【解決手段】有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの解砕方法は、前記脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部形成工程後に、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与する荷重付与工程と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの解砕方法であって、
前記脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部形成工程後に、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与する荷重付与工程と、
を備える、脱水ケーキの解砕方法。
【請求項2】
請求項1に記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記凹部形成工程は、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラを回転させながら、当該突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することによって、前記脱水ケーキに所定間隔で前記凹部を形成し、
前記荷重付与工程は、前記脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与する、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項3】
請求項2に記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記凹部形成工程において、前記突起付ローラからの押圧力を、前記脱水ケーキを介してローラで受けながら前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧する、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項4】
ベルトと、当該ベルトの上方に当該ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された前記突起付ローラと、当該ベルトを下方から支持する複数のローラと、を備えるベルトコンベヤを用いた請求項2または3に記載の脱水ケーキの解砕方法であって、
前記凹部形成工程において、前記ベルトと前記突起付ローラとの間を、前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧しながら前記脱水ケーキを通過させ、
前記荷重付与工程において、前記ベルトから前記脱水ケーキを落下させる、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項5】
請求項4に記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記凹部形成工程において、前記突起付ローラからの押圧力を、前記脱水ケーキおよび前記ベルトを介して前記ローラで受けながら前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧する、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記ベルトコンベヤは、前記突起付ローラよりも上流側において前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された表面が平滑な押圧体をさらに備え、
前記ベルトと前記押圧体との間を、前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧しながら前記脱水ケーキを通過させる押圧工程をさらに備え、
前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧した後に、前記凹部形成工程を実施する、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項7】
請求項6に記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記押圧工程において、前記押圧体からの押圧力を、前記脱水ケーキおよび前記ベルトを介して前記ローラで受けながら前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧する、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記突起付ローラよりも上流側において前記脱水ケーキの厚さを均一にするための邪魔板が配置されている、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項9】
請求項2から8のいずれかに記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記突起が、縦横に多角形が並んだ形状の突起とされている、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項10】
請求項2から9のいずれかに記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記突起が、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の突起とされている、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項11】
請求項4から10のいずれかに記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記突起付ローラは、第1突起付ローラと、当該第1突起付ローラよりも下流側に配置された第2突起付ローラと、で構成され、
前記第1突起付ローラの表面に形成された第1突起は、前記第1突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は前記第1突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であり、
前記第2突起付ローラの表面に形成された第2突起は、前記第2突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起若しくは前記第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は前記第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起若しくは前記第2突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起である、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の脱水ケーキの解砕方法において、
前記脱水ケーキは、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた炭化汚泥である、
脱水ケーキの解砕方法。
【請求項13】
有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの解砕装置であって、
前記脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成手段と、
前記凹部形成手段により前記凹部が形成された前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記凹部が形成された前記脱水ケーキに付与する荷重付与手段と、
を備える、脱水ケーキの解砕装置。
【請求項14】
請求項13に記載の脱水ケーキの解砕装置において、
前記凹部形成手段は、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラであり、前記突起付ローラは回転しながら、当該突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することによって、前記脱水ケーキに所定間隔で前記凹部を形成し、
前記荷重付与手段は、前記脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与する、
脱水ケーキの解砕装置。
【請求項15】
請求項14に記載の脱水ケーキの解砕装置において、
前記解砕装置は、前記脱水ケーキを搬送するのに用いられるベルトコンベヤであって、
ベルトと、
前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された前記突起付ローラと、
前記ベルトを下方から支持する複数のローラと、
前記ベルトおよび前記ローラが設けられるコンベヤ本体と、
を備える、
脱水ケーキの解砕装置。
【請求項16】
請求項15に記載の脱水ケーキの解砕装置において、
前記脱水ケーキを押圧する、表面が平滑な押圧体をさらに備え、
前記押圧体は、前記突起付ローラよりも上流側において前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置されている、
脱水ケーキの解砕装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下水汚泥、し尿汚泥、農業集落排水汚泥、浄化槽汚泥、生ごみなどの食品廃棄物(食品系バイオマス)、古紙・廃紙などのリグノセルロース系廃棄物、農業残渣、および家畜糞尿などの有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの用途として、固形燃料としての利用がある。この場合、脱水ケーキは水分を多く含むため、乾燥処理が行われる。さらに、品質安定化のため、養生処理を行う場合がある。乾燥・養生は、ホッパあるいは周囲を囲ったコンベア等に脱水ケーキを入れて空気等を対向で通して乾燥処理を行うため、脱水ケーキが適切なサイズ、且つ、均一の形状に形成されていることが望ましい。
【0003】
汚泥等の高含水率バイオマスの処理物を脱水して燃料化する処理方法に関する技術として、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の処理方法は、バイオマスの水熱処理物を固液分離機で固形分と液体に分離し、固形分を粒状に形成し、乾燥させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-030113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の処理方法において、処理物の固形分を粒状に成形するためには、造粒機を設ける必要があるとともに、造粒の予備操作を行うための付帯機器を設ける必要がある。そのため、機器の設置コストおよび管理コストが高くなるという問題がある。また、処理物の固形分を粒状に成形するためには、固形分の含水率を調整する必要がある。特に、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、脱水して得られた固形分は、微粉の集合体であるが、脱水ケーキとしては強度が高く、造粒が難しいため、固形分を崩して加水することにより含水率を調整する必要がある。さらに、含水率の高い成形物の乾燥処理においては、多大なエネルギーコストがかかるとともに、処理時間を要するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキを解砕して同じ大きさの破砕物とするための脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願で開示する脱水ケーキの解砕方法は、有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの解砕方法であって、前記脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部形成工程後に、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与する荷重付与工程と、を備える。
【0008】
この構成によると、凹部が形成された有機性廃棄物の脱水ケーキに、脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を付与することによって、衝撃応力の応力波を脱水ケーキ内部において伝搬及び反射させ、曲率半径の小さな箇所となる凹部の隅部に応力集中を生じさせ、この部分から破壊を開始及び進行させることで、脱水ケーキを所定間隔のサイズに破砕することができる。
【0009】
前記凹部形成工程は、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラを回転させながら、当該突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することによって、前記脱水ケーキに所定間隔で前記凹部を形成し、前記荷重付与工程は、前記脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与してもよい。
【0010】
この構成によると、凹部形成工程において、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラを回転させながら、当該突起付ローラで脱水ケーキを押圧することによって、脱水ケーキに所定間隔で凹部を連続的に形成することができ、荷重付与工程において、凹部が形成された脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって所定間隔のサイズに破砕することができる。そのため、より多くの脱水ケーキを、効率的に破砕することができる。
【0011】
また、前記凹部形成工程において、前記突起付ローラからの押圧力を、前記脱水ケーキを介してローラで受けながら前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧してもよい。
【0012】
この構成によると、凹部形成工程において、脱水ケーキが、突起付ローラとローラの間を通過する際、突起付ローラからの押圧力を、脱水ケーキを介してローラで受けながら突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、突起付ローラから脱水ケーキへの押圧力が大きくなり、脱水ケーキに確実に凹部を形成するとともに凹部の深さをより大きくすることができる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0013】
また、ベルトと、当該ベルトの上方に当該ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された前記突起付ローラと、当該ベルトを下方から支持する複数のローラと、を備えるベルトコンベヤを用いた脱水ケーキの解砕方法であって、前記凹部形成工程において、前記ベルトと前記突起付ローラとの間を、前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧しながら前記脱水ケーキを通過させ、前記荷重付与工程において、前記ベルトから前記脱水ケーキを落下させてもよい。
【0014】
この構成によると、凹部形成工程において、ベルトと突起付ローラとの間を、突起付ローラで脱水ケーキを押圧しながら脱水ケーキを通過させるため、脱水ケーキに形成される凹部の深さをより大きくすることができる。また、脱水ケーキがベルトから離れて落下する際、ベルトの進行方向に対して直交する方向に形成された凹部がより深く裂けるため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0015】
また、前記凹部形成工程において、前記突起付ローラからの押圧力を、前記脱水ケーキおよび前記ベルトを介して前記ローラで受けながら前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧してもよい。
【0016】
この構成によると、凹部形成工程において、突起付ローラからの押圧力を、脱水ケーキおよびベルトを介してローラで受けながら突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、突起付ローラから脱水ケーキへの押圧力が大きくなり、脱水ケーキに確実に凹部を形成するとともに凹部の深さをさらに大きくすることができる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をさらに進行し易くすることができる。
【0017】
前記ベルトコンベヤは、前記突起付ローラよりも上流側において前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された表面が平滑な押圧体をさらに備え、前記ベルトと前記押圧体との間を、前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧しながら前記脱水ケーキを通過させる押圧工程をさらに備え、前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧した後に、前記凹部形成工程を実施してもよい。
【0018】
この構成によると、押圧工程において、表面が平滑な押圧体で脱水ケーキを押圧しながら均一の厚さにし、凹部形成工程において、突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、脱水ケーキ全体に形成される凹部の深さが均一となる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与されると、凹部からの破壊がより進行し易くなり、所定間隔のサイズ、且つ、厚みが統一された破砕物を得ることができる。
【0019】
前記押圧工程において、前記押圧体からの押圧力を、前記脱水ケーキおよび前記ベルトを介して前記ローラで受けながら前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧してもよい。
【0020】
この構成によると、押圧工程において、押圧体からの押圧力を、脱水ケーキおよびベルトを介してローラで受けながら押圧体で脱水ケーキを押圧するため、押圧体から脱水ケーキへの押圧力が大きくなり、脱水ケーキをより均一の厚さにすることができる。また、凹部形成工程において、突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、脱水ケーキ全体に形成される凹部の深さがより均一となる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与されると、凹部からの破壊がさらに進行し易くなり、所定間隔のサイズ、且つ、より厚みが統一された破砕物を得ることができる。
【0021】
前記突起付ローラよりも上流側において前記脱水ケーキの厚さを均一にするための邪魔板が配置されていてもよい。
【0022】
この構成によると、突起付ローラよりも上流側において脱水ケーキの厚さを均一にするための邪魔板が配置されているため、含水率が低く成形しにくい脱水ケーキであっても、その表面の凹凸が邪魔板によって削り取られる。そのため、脱水ケーキの厚さを均一にすることができるとともに、脱水ケーキをよりフラットな状態で後段の突起付ローラに供給することができる。その結果、突起付ローラによる凹部を形成する効果をさらに高めることができる。また、押圧体よりも上流側に邪魔板を配置する場合、脱水ケーキの極端な不均一化を解消しておくことで、押圧体により脱水ケーキが押圧される際に、脱水ケーキが横にはみ出したり、ベルトコンベアの機械トラブルが生じたりすることを回避することができる。例えば、ベルトコンベアのベルト上に塊の大きさが異なる脱水ケーキが堆積した状態で搬送される場合、その堆積物の上部を邪魔板によって均すことにより、脱水ケーキの層を均一な状態として、後段の押圧体に供給することができる。
【0023】
また、前記突起が、縦横に多角形が並んだ形状の突起とされてもよい。
【0024】
この構成によると、突起が、縦横に多角形が並んだ形状の突起であることから、凹部形成工程において、脱水ケーキに、縦横に多角形が並んだ形状の凹部が形成され、荷重付与工程において、同じ多角形の形状の破砕物を得ることができる。
【0025】
また、前記突起が、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の突起とされていてもよい。
【0026】
この構成によると、突起が、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の突起であることから、凹部形成工程において、脱水ケーキに、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の凹部が形成され、荷重付与工程において、四角形又は正六角形の形状の破砕物を得ることができる。
【0027】
また、前記突起付ローラは、第1突起付ローラと、当該第1突起付ローラよりも下流側に配置された第2突起付ローラと、で構成され、前記第1突起付ローラの表面に形成された第1突起は、前記第1突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は前記第1突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であり、前記第2突起付ローラの表面に形成された第2突起は、前記第2突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起若しくは前記第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は前記第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起若しくは前記第2突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であってもよい。
【0028】
この構成によると、突起付ローラに形成された複数の突起が、突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であり、突起を縦横に多角形が並んだ形状とする場合よりも開口が大きくなることから、突起付ローラの表面に脱水ケーキが目詰まりすることを防ぐことができる。
【0029】
前記脱水ケーキは、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた炭化汚泥であってもよい。
【0030】
この構成によると、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた、脱水ケーキとしては強度の高い炭化汚泥であっても、所定間隔のサイズに破砕することができる。
【0031】
本願で開示する脱水ケーキの解砕設備は、有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの解砕装置であって、前記脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成手段と、前記凹部形成手段により前記凹部が形成された前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記凹部が形成された前記脱水ケーキに付与する荷重付与手段と、を備える。
【0032】
この構成によると、凹部が形成された有機性廃棄物の脱水ケーキに、脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を付与することによって、衝撃応力の応力波を脱水ケーキ内部において伝搬及び反射させ、曲率半径の小さな箇所となる凹部の隅部に応力集中を生じさせ、この部分から破壊を開始及び進行させることで、脱水ケーキを所定間隔のサイズに破砕することができる。
【0033】
前記凹部形成手段は、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラであり、前記突起付ローラは回転しながら、当該突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することによって、前記脱水ケーキに所定間隔で前記凹部を形成し、前記荷重付与手段は、前記脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与してもよい。
【0034】
この構成によると、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラを回転させながら、当該突起付ローラで脱水ケーキを押圧することによって、脱水ケーキに所定間隔で凹部を連続的に形成することができ、凹部が形成された脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって所定間隔のサイズに破砕することができる。そのため、より多くの脱水ケーキを、効率的に破砕することができる。
【0035】
また、前記解砕装置は、前記脱水ケーキを搬送するのに用いられるベルトコンベヤであって、ベルトと、前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された前記突起付ローラと、前記ベルトを下方から支持する複数のローラと、前記ベルトおよび前記ローラが設けられるコンベヤ本体と、を備えてもよい。
【0036】
この構成によると、ベルトと突起付ローラとの間を、突起付ローラで脱水ケーキを押圧しながら脱水ケーキを通過させるため、脱水ケーキに形成される凹部の深さをより大きくすることができる。また、脱水ケーキがベルトから離れて落下する際、ベルトの進行方向に対して直交する方向に形成された凹部がより深く裂けるため、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0037】
また、前記脱水ケーキを押圧する、表面が平滑な押圧体をさらに備え、前記押圧体は、前記突起付ローラよりも上流側において前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置されていてもよい。
【0038】
この構成によると、表面が平滑な押圧体で脱水ケーキを押圧しながら均一の厚さにした後、突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、脱水ケーキ全体に形成される凹部の深さが均一となる。そのため、脱水ケーキに衝突荷重が付与されると、凹部からの破壊がより進行し易くなり、所定間隔のサイズ、且つ、厚みが統一された破砕物を得ることができる。
【発明の効果】
【0039】
前記構成の脱水ケーキの解砕方法、または脱水ケーキの解砕装置によれば、有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキを解砕して同じ大きさの破砕物とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図4】本発明の第4実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図5】本発明の第5実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図6】本発明の第6実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図7】突起付ローラの突起の例を示す図である。
図8】本発明の第7実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
図9図8に示す突起付ローラにより凹部が形成される脱水ケーキの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0042】
本発明の解砕方法における解砕対象の脱水ケーキは、有機性廃棄物またはその処理物を脱水したもの、または有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた炭化汚泥である。以下、脱水ケーキの解砕について説明する。
【0043】
脱水ケーキの解砕装置は、脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成手段と、凹部形成手段により凹部が形成された脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を凹部が形成された脱水ケーキに付与する荷重付与手段と、を備える。
【0044】
(第1実施形態)
以下、図1を用いて、第1実施形態に係る脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。
【0045】
図1に示すように、脱水ケーキの解砕装置101は、凹部形成手段として、脱水ケーキ2を押圧する突起付ローラ10を備える。突起付ローラ10には、複数の突起11が所定間隔で表面に形成されている。脱水機からホッパ5に投入された脱水ケーキ2が、突起付ローラ10とホッパ5の内壁との間を通過する際、突起付ローラ10を回転させながら、当該突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧することによって、脱水ケーキ2に所定間隔で凹部3を連続的に形成することができる。凹部3は、幅が狭い、細長い窪みが形成されたものであってもよい。
【0046】
所定間隔で凹部3が形成された脱水ケーキ2は、落下させて床面20に衝突させ、衝突荷重を付与することによって、所定間隔のサイズに破砕される。ここで、脱水ケーキの解砕装置101の荷重付与手段は、脱水ケーキ2の落下位置である床面20である。突起付ローラ10が脱水ケーキ2に凹部3を形成する位置から床面20までの距離(落下距離)は、好ましくは0.6~1.2mである。例えば、含水率が30質量%の炭化汚泥(脱水ケーキ2)に、凹部3を形成し、床面20まで落下させると、落下距離が0.5mにおいては脱水ケーキ2が割れないが、0.75mにおいては脱水ケーキ2が凹部3に沿って概ね割れ、1.0mにおいては脱水ケーキ2が凹部3に沿って全て割れる。そのため、落下距離が0.6m未満であると、脱水ケーキ2が割れず、同じ大きさの破砕物が得られない虞がある。また、落下距離が1.2mを超えると、脱水ケーキ2が割れる効果は、落下距離が上記範囲の場合と同じであるが、落下手段に係る装置が大型化するため、設備コストが増大する虞がある。所定間隔で凹部3が形成された脱水ケーキ2に衝突荷重を付与すると、衝撃応力の応力波を脱水ケーキ2内部において伝搬及び反射させ、曲率半径の小さな箇所となる凹部3の隅部に応力集中を生じさせ、この部分から破壊を開始及び進行させることで、脱水ケーキ2を所定間隔のサイズに破砕することができる。破砕物4は、5~200mm程度までの大きさに破砕されていればよい。破砕物4は、後段の養生部において乾燥処理後、固形燃料として利用することができる(不図示)。図1においては、凹部3が形成された脱水ケーキ2が貯留槽7に投入されることが示されているが、後段の養生部に直接落下させて投入し、乾燥処理を行ってもよい(不図示)。
【0047】
(第2実施形態)
以下、図2を用いて、第2実施形態に係る脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置を説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。第2実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置201は、第1実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置101と、突起付ローラ10とローラ30との間を脱水ケーキ2が通過するように構成されていることが異なる。このため、突起付ローラ10とローラ30の構成について説明する。第1実施形態においては、脱水機からホッパ5に投入された脱水ケーキ2が、突起付ローラ1とホッパ5の内壁との間を通過する際、突起付ローラ10を回転させながら、当該突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧して、脱水ケーキ2の表面に凹部3を形成するように構成されている。これに対して、第2実施形態においては、突起付ローラ10からの押圧力を、脱水ケーキ2を介してローラ30で受けながら突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧して、脱水ケーキ2の表面に凹部3を形成するように構成されている。
【0048】
第2実施形態では、脱水ケーキ2が、突起付ローラ10とローラ30の間を通過する際、突起付ローラ10からの押圧力を、脱水ケーキ2を介してローラ30で受けながら突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧するため、突起付ローラ10から脱水ケーキ2への押圧力が大きくなり、脱水ケーキ2に形成される凹部3の深さをより大きくすることができる。そのため、脱水ケーキ2に衝突荷重が付与される際、凹部3からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0049】
(第3実施形態)
以下、図3を用いて、第3実施形態に係る脱水ケーキの解砕方法、および脱水ケーキの解砕装置を説明する。図3は、本発明の第3実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。第3実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置301は、脱水ケーキ2を搬送するのに用いられるベルトコンベヤ40であって、ベルト41と、当該ベルト41の上方に当該ベルト41との間に所定の間隔をあけて配置された突起付ローラ10と、当該ベルト41を下方から支持する複数のローラ31とから構成されている。複数のローラ31が突起付ローラ10の回転方向と逆方向に回転することにより、ベルト41上の脱水ケーキ2は、その表面に凹部3を形成しながら搬送される。ベルト41と突起付ローラ10との間を、突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧しながら脱水ケーキ2を通過させるため、脱水ケーキ2に形成される凹部3の深さをより大きくすることができる。また、突起付ローラ10からの押圧力を、脱水ケーキ2およびベルト41を介してローラ31で受けながら突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧する構成とすることで、脱水ケーキ2に形成される凹部3の深さをさらに大きくすることができる。凹部3が形成された脱水ケーキ2がベルト41から離れて落下する際、ベルト41の進行方向に対して直交する方向に形成された凹部3がより深く裂けるため、脱水ケーキ2に衝突荷重が付与される際、凹部3からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0050】
脱水ケーキの解砕装置301において、凹部3が形成された脱水ケーキ2がベルト41から離れる場所から床面20(脱水ケーキの落下位置)までの距離(落下距離)は、好ましくは0.6~1.2mである。落下距離が0.6m未満であると、脱水ケーキ2が割れず、同じ大きさの破砕物が得られない虞がある。また、落下距離が1.2mを超えると、脱水ケーキ2が凹部3に沿って全て割れる効果は、落下距離が上記範囲の場合と同じであるが、落下手段に係る装置が大型化し、設備コストが増大する虞がある。脱水ケーキ2がベルト41から離れる場所と床面20(脱水ケーキの落下位置)までの距離が上記範囲となるようにベルトコンベア40の高さが固定されていればよい。図3に示すように、ベルトコンベア40が複数の脚21により支持されることで、ベルトコンベア40の高さが固定されていてもよく、吊り固定や架台によりベルトコンベア40の高さが固定されていてもよい(不図示)。
【0051】
(第4実施形態)
以下、図4を用いて、第4実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を説明する。図4は、本発明の第4実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。第4実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置401は、第3実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置301と、突起付ローラ10よりも上流側においてベルト41の上方にベルト41との間に所定の間隔をあけて配置された表面が平滑な押圧体50をさらに備えることが異なる。このため、押圧体50の構成について説明する。第3実施形態においては、脱水ケーキ2は脱水機からベルトコンベア40上に供給され、ベルト41と突起付ローラ10との間を、突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧しながら脱水ケーキ2を通過させ、突起付ローラ10が脱水ケーキ2の表面に凹部3を形成するように構成されている。これに対して、第4実施形態においては、脱水ケーキ2は脱水機からベルトコンベア40上に供給され、ベルト41と押圧体50との間を、押圧体50で脱水ケーキ2を押圧しながら脱水ケーキ2を通過させて、押圧体50が脱水ケーキ2を予め均一の厚さにした後、シート状の脱水ケーキ2は、突起付ローラ10とベルト41との間を通過して、凹部3が形成されるように構成されている。ここで、「表面が平滑」とは、脱水ケーキ2が押圧体50にこびりつかない程度に表面が粗くない状態をいう。押圧体50としては、回転しながら脱水ケーキ2を押圧する平滑ローラを使用してもよい。平滑ローラを使用する場合、ベルト41を下方から支持する複数のローラ31の回転方向と逆方向で回転させることで、脱水ケーキ2を均一の厚さにすることができる。
【0052】
図4に示すように、押圧体50からの押圧力を、脱水ケーキ2およびベルト41を介してローラ31で受けながら押圧体50で脱水ケーキを押圧することが好ましいが、押圧体50からの押圧力を、脱水ケーキ2およびベルト41のみで受けながら押圧体50で脱水ケーキ2を押圧してもよい。いずれにおいても、表面が平滑な押圧体50により脱水ケーキ2を均一の厚さにすることができるため、突起付ローラ10で脱水ケーキ2を押圧すると、脱水ケーキ2全体に形成される凹部の深さが均一となる。そのため、脱水ケーキ2に衝突荷重が付与されると、凹部3からの破壊がより進行し易くなり、所定間隔のサイズ、且つ、厚みが統一された破砕物を得ることができる。
【0053】
(第5実施形態)
以下、図5を用いて、第5実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を説明する。図5は、本発明の第5実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。第5実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置501は、第4実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置401と、邪魔板60をさらに備えることが異なる。このため、邪魔板60の構成について説明する。第4実施形態においては、押圧体50が、突起付ローラ10よりも上流側においてベルト41の上方にベルト41との間に所定の間隔をあけて配置されている。これに対して、第5実施形態は、押圧体50と突起付ローラ10との間に、脱水ケーキ2の厚さを均一にするための邪魔板60が配置されるように構成されている。押圧体50と突起付ローラ10との間に邪魔板60が配置されているため、含水率が低く成形しにくい脱水ケーキ2であっても、その表面の凹凸が邪魔板によって削り取られる。そのため、脱水ケーキ2の厚さを均一にすることができるとともに、脱水ケーキ2をよりフラットな状態で後段の突起付ローラ10に供給することができる。その結果、突起付ローラ10による凹部を形成する効果をさらに高めることができる。
【0054】
(第6実施形態)
以下、図6を用いて、第6実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を説明する。図6は、本発明の第6実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。第6実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置601は、第5実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置501と、邪魔板60の配置が異なる。このため、邪魔板60の配置について説明する。第5実施形態においては、押圧体50と突起付ローラ10との間に、脱水ケーキ2の厚さを均一にするための邪魔板60が配置されるように構成されている。これに対して、第6実施形態は、押圧体50よりも上流側に、脱水ケーキ2の厚さを均一にするための邪魔板60が配置されるように構成されている。押圧体50よりも上流側に邪魔板60を配置することにより、脱水ケーキ2の極端な不均一化を解消しておくことで、押圧体50により脱水ケーキ2が押圧される際に、脱水ケーキ2が横にはみ出したり、ベルトコンベア40の機械トラブルが生じたりすることを回避することができる。例えば、ベルトコンベアのベルト上に塊の大きさが異なる脱水ケーキが堆積した状態で搬送される場合、その堆積物の上部を邪魔板によって均すことにより、脱水ケーキの層を均一な状態として、後段の押圧体に供給することができる。
【0055】
[突起の形状]
図7を用いて、上記の実施形態に係る突起付ローラの突起の形状について説明する。図7(a)~(d)は、突起付ローラの突起の例を示す上面図である。図7(a)は、縦横に直線で囲まれた四角形が並んだ形状の突起である。図7(b)は、4つの角部が欠落した四角形が並んだ形状の突起である。図7(c)は、縦横にL字形が並んだ形状の突起である。図7(d)は、縦横に破線で囲まれた四角形が並んだ形状の突起である。図7(a)に示す突起付ローラ10の突起11aによれば、脱水ケーキ2の表面には、縦横に直線で囲まれた四角形が並んだ形状の凹部3が形成される。図7(b)に示す突起付ローラ10の突起11bによれば、脱水ケーキ2の表面には、縦横に4つの角部が欠落した四角形が並んだ形状の凹部3が形成される。図7(c)に示す突起付ローラ10の突起11cによれば、脱水ケーキ2の表面には、縦横にL字形が並んだ形状(縦横に3つの角部が欠落した四角形が並んだ形状)の凹部3が形成される。図7(d)に示す突起付ローラ10の突起11dによれば、脱水ケーキ2の表面には、縦横に破線で囲まれた四角形が並んだ形状の凹部3が形成される。突起付ローラ10の突起11により形成される凹部3の形状は、脱水ケーキ2を破砕するための衝突荷重を付与する効果が得られる範囲であればよいため、「縦横に多角形が並んだ形状」の「多角形」は、直線で囲まれた完全な形状であってもよく、破線で囲まれた形状であってもよく、角部が欠落した形状であってもよく、辺の一部が欠落した形状であってもよい(不図示)。また、脱水ケーキ2に形成される凹部3の形状は、四角形の他、他の多角形であってもよい。多角形としては、正方形、長方形、平行四辺形、台形等の四角形であってもよく、正六角形であってもよく、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形であってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい(不図示)。
【0056】
(第7実施形態)
以下、図8および図9を用いて、第7実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を説明する。図8は、本発明の第7実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置を示す模式図である。図9は、図8に示す突起付ローラにより凹部が形成される脱水ケーキの様子を示す図である。第7実施形態に係る脱水ケーキの解砕装置701は、突起付ローラが、第1突起付ローラ12と、当該第1突起付ローラ12よりも下流側に配置された第2突起付ローラ13と、で構成されている。このため、第1突起付ローラ12と第2突起付ローラ13の構成について説明する。図9に示すように、第1突起付ローラ12の表面に形成された第1突起は、第1突起付ローラ12の回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起14であり、第2突起付ローラ13の表面に形成された第2突起は、第2突起付ローラ13の回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起15である。脱水機から供給された脱水ケーキ2は、まず、押圧体50によりシート状に形成され、第1突起付ローラ12により、脱水ケーキ2の進行方向に平行して所定間隔で直線状の凹部3が形成される。次に、当該第1突起付ローラよりも下流側に配置された第2突起付ローラにより、脱水ケーキ2の進行方向に対して直交する方向に所定間隔で直線状の凹部が形成される。脱水ケーキ2が、第2突起付ローラ13を通過すると、縦横に正方形または長方形が並んだ形状の凹部3が脱水ケーキ2の表面に形成される。
【0057】
第1突起付ローラ12と第2突起付ローラ13の配置は、上記と逆であってもよく、例えば、第1突起付ローラ12の表面に形成された第1突起を、第1突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起15とし、第2突起付ローラ13の表面に形成された第2突起を、第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起14としてもよい(不図示)。
【0058】
また、第2突起付ローラ13を脱水ケーキ2が通過した際、脱水ケーキ2の表面に5~200mmの所定間隔で凹部3が形成されていればよいため、第1突起付ローラ12の表面に形成された第1突起を、第1突起付ローラ12の回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状(楕円状)の突起とし、第2突起付ローラ13の表面に形成された第2突起を、第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状(楕円状)の突起としてもよい(不図示)。例えば、第1突起付ローラ12で、脱水ケーキ2の進行方向に対して45°の方向に所定間隔で直線状の凹部3を形成し、第2突起付ローラ13で、脱水ケーキ2の進行方向に対して135°の方向に所定間隔で直線状の凹部3を形成するようにしてもよい。この場合、脱水ケーキ2が、第2突起付ローラ13を通過すると、縦横に正方形または長方形が並んだ形状の凹部3が脱水ケーキ2の表面に形成される(不図示)。
【0059】
さらに、第1突起付ローラ12の表面に形成された第1突起を、第1突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起とし、第2突起付ローラ13の表面に形成された第2突起を、第1突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起としてもよい(不図示)。例えば、第1突起付ローラ12で、脱水ケーキ2の進行方向に対して30°の方向に所定間隔で直線状の凹部3を形成し、第2突起付ローラ13で、脱水ケーキの進行方向に対して150°の方向に所定間隔で直線状の凹部3を形成するようにしてもよい。この場合、脱水ケーキ2が、第2突起付ローラ13を通過すると、縦横に平行四辺形が並んだ形状の凹部3が脱水ケーキ2の表面に形成される(不図示)。
【0060】
脱水ケーキ2に形成する凹部3は、直線で形成されてもよいが、破線で形成されてもよい。そのため、突起付ローラの突起は、例えば、歯型形状や波型形状であってもよい。また、突起付ローラは、必要に応じて、第2突起付ローラ13の下流に、第3突起付ローラを配置してもよい(不図示)。
【0061】
有機性廃棄物またはその処理物を脱水機で脱水して得られる脱水ケーキ2の含水率は、80質量%以下、好ましくは77質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。脱水ケーキ2の含水率が80質量%を超えると、脱水ケーキ2がホッパ5から床面20へ落下する際の荷重負荷(衝撃)で凹部が再び付着してしまい、所定間隔のサイズの破砕物4が得られない虞がある。
【0062】
また、有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキ2としては、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた炭化汚泥を使用してもよい。水熱炭化処理とは、水を含む処理対象物を、酸素を含有しない又は酸素濃度が低いガス雰囲気下にて又は酸素を遮断した状態にて高温高圧処理することで、炭化させる処理のことをいう。水熱炭化処理は、例えば、反応温度200~250℃、圧力2.0~2.5MPa、滞留時間180~300分のように、高温高圧かつ長時間のプロセスで行われる。水熱炭化処理後、さらに脱水することにより得られた炭化汚泥は、自然発火性を低減するための養生(低温酸化処理)を行い、固形燃料とすることができる。なお、これより低温あるいはこれより短時間の条件、例えば、160℃程度であっても、あるいは、120分程度であっても脱水性のよい固形燃料が得られる。養生は、ホッパあるいは周囲を囲ったコンベア等に炭化汚泥(脱水ケーキ)を入れて、空気等の酸素含有ガスを対向で通すことにより行う。このとき、酸素含有ガスが養生部内を均一に流れ、炭化汚泥(脱水ケーキ)と均一に接触するように、炭化汚泥が均一の形状に形成されていることが望ましい。炭化汚泥は、細かい粒子が集まって一塊になっており、固く締まった状態であるため、粒状に成形するためには、通常、炭化汚泥の塊をほぐしてばらばらにし、水を加えて含水率を65~70質量%に調整する必要がある。しかしながら、本構成の脱水ケーキの解砕装置によれば、成形しにくい炭化汚泥であっても、改めて水を加えることなく、所定間隔のサイズの破砕物4とすることができる。そのため、解砕される炭化汚泥は、脱水機で脱水された状態のままでよい。炭化汚泥の含水率は、乾燥処理に要するエネルギーを低減する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。含水率の低い炭化汚泥を養生することができることから、乾燥処理において、多大なエネルギーコストを削減することができるとともに、処理時間を短縮することができる。
【0063】
(効果)
本実施形態の有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物またはその処理物を脱水して得られる脱水ケーキの解砕方法であって、脱水ケーキに所定間隔で凹部を形成する凹部形成工程と、凹部形成工程後に、脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を脱水ケーキに付与する荷重付与工程と、を備える。
【0064】
上記処理方法によると、次のような効果が得られる。
【0065】
凹部形成工程において凹部が形成された有機性廃棄物の脱水ケーキに、荷重付与工程において脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を付与することによって、衝撃応力の応力波を脱水ケーキ内部において伝搬及び反射させ、曲率半径の小さな箇所となる凹部の隅部に応力集中を生じさせ、この部分から破壊を開始及び進行させることで、脱水ケーキを所定間隔のサイズに破砕することができる。
【0066】
また、前記凹部形成工程は、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラを回転させながら、当該突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することによって、前記脱水ケーキに所定間隔で前記凹部を形成し、前記荷重付与工程は、前記脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって、前記脱水ケーキを破砕するための衝突荷重を前記脱水ケーキに付与することが好ましい。これによれば、凹部形成工程において、複数の突起が所定間隔で表面に形成された突起付ローラを回転させながら、当該突起付ローラで脱水ケーキを押圧することによって、脱水ケーキに所定間隔で凹部を連続的に形成することができ、荷重付与工程において、凹部が形成された脱水ケーキを落下させて床面に衝突させることによって所定間隔のサイズに破砕することができる。そのため、より多くの脱水ケーキを、効率的に破砕することができる。
【0067】
前記凹部形成工程において、前記突起付ローラからの押圧力を、前記脱水ケーキを介してローラで受けながら前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することが好ましい。これによれば、凹部形成工程において、脱水ケーキが、突起付ローラとローラの間を通過する際、突起付ローラからの押圧力を、脱水ケーキを介してローラで受けながら突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、突起付ローラから脱水ケーキへの押圧力が大きくなり、脱水ケーキに確実に凹部を形成するとともに凹部の深さをより大きくすることができる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0068】
また、ベルトと、当該ベルトの上方に当該ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された前記突起付ローラと、当該ベルトを下方から支持する複数のローラと、を備えるベルトコンベヤを用いた上記のいずれかの脱水ケーキの解砕方法であって、前記凹部形成工程において、前記ベルトと前記突起付ローラとの間を、前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧しながら前記脱水ケーキを通過させ、前記荷重付与工程において、前記ベルトから前記脱水ケーキを落下させることが好ましい。これによれば、凹部形成工程において、ベルトと突起付ローラとの間を、突起付ローラで脱水ケーキを押圧しながら脱水ケーキを通過させるため、脱水ケーキに形成される凹部の深さをより大きくすることができる。また、脱水ケーキがベルトから離れて落下する際、ベルトの進行方向に対して直交する方向に形成された凹部がより深く裂けるため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をより進行し易くすることができる。
【0069】
前記凹部形成工程において、前記突起付ローラからの押圧力を、前記脱水ケーキおよび前記ベルトを介して前記ローラで受けながら前記突起付ローラで前記脱水ケーキを押圧することが好ましい。これによれば、凹部形成工程において、突起付ローラからの押圧力を、脱水ケーキおよびベルトを介してローラで受けながら突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、突起付ローラから脱水ケーキへの押圧力が大きくなり、脱水ケーキに確実に凹部を形成するとともに凹部の深さをさらに大きくすることができる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与される際、凹部からの破壊をさらに進行し易くすることができる。
【0070】
また、前記ベルトコンベヤは、前記突起付ローラよりも上流側において前記ベルトの上方に前記ベルトとの間に所定の間隔をあけて配置された表面が平滑な押圧体をさらに備え、前記ベルトと前記押圧体との間を、前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧しながら前記脱水ケーキを通過させる押圧工程をさらに備え、前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧した後に、前記凹部形成工程を実施することが好ましい。これによれば、押圧工程において、表面が平滑な押圧体で脱水ケーキを押圧しながら均一の厚さにし、凹部形成工程において、突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、脱水ケーキ全体に形成される凹部の深さが均一となる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与されると、凹部からの破壊がより進行し易くなり、所定間隔のサイズ、且つ、厚みが統一された破砕物を得ることができる。
【0071】
前記押圧工程において、前記押圧体からの押圧力を、前記脱水ケーキおよび前記ベルトを介して前記ローラで受けながら前記押圧体で前記脱水ケーキを押圧することが好ましい。これによれば、押圧工程において、押圧体からの押圧力を、脱水ケーキおよびベルトを介してローラで受けながら押圧体で脱水ケーキを押圧するため、押圧体から脱水ケーキへの押圧力が大きくなり、脱水ケーキをより均一の厚さにすることができる。また、凹部形成工程において、突起付ローラで脱水ケーキを押圧するため、脱水ケーキ全体に形成される凹部の深さがより均一となる。そのため、荷重付与工程において、脱水ケーキに衝突荷重が付与されると、凹部からの破壊がさらに進行し易くなり、所定間隔のサイズ、且つ、より厚みが統一された破砕物を得ることができる。
【0072】
また、前記突起付ローラよりも上流側において前記脱水ケーキの厚さを均一にするための邪魔板が配置されていることが好ましい。これによれば、突起付ローラよりも上流側において脱水ケーキの厚さを均一にするための邪魔板が配置されているため、含水率が低く成形しにくい脱水ケーキであっても、その表面の凹凸が邪魔板によって削り取られる。そのため、脱水ケーキの厚さを均一にすることができるとともに、脱水ケーキをよりフラットな状態で後段の突起付ローラに供給することができる。その結果、突起付ローラによる凹部を形成する効果をさらに高めることができる。また、押圧体よりも上流側に邪魔板を配置する場合、脱水ケーキの極端な不均一化を解消しておくことで、押圧体により脱水ケーキが押圧される際に、脱水ケーキが横にはみ出したり、ベルトコンベアの機械トラブルが生じたりすることを回避することができる。例えば、ベルトコンベアのベルト上に塊の大きさが異なる脱水ケーキが堆積した状態で搬送される場合、その堆積物の上部を邪魔板によって均すことにより、脱水ケーキの層を均一な状態として、後段の押圧体に供給することができる。
【0073】
前記突起が、縦横に多角形が並んだ形状の突起とされていることが好ましい。これによれば、突起が、縦横に多角形が並んだ形状の突起であることから、凹部形成工程において、脱水ケーキに、縦横に多角形が並んだ形状の凹部が形成され、荷重付与工程において、同じ多角形の形状の破砕物を得ることができる。
【0074】
また、前記突起が、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の突起とされていることが好ましい。これによれば、突起が、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の突起であることから、凹部形成工程において、脱水ケーキに、縦横に四角形又は正六角形が並んだ形状の凹部が形成され、荷重付与工程において、四角形又は正六角形の形状の破砕物を得ることができる。
【0075】
前記突起付ローラは、第1突起付ローラと、当該第1突起付ローラよりも下流側に配置された第2突起付ローラと、で構成され、前記第1突起付ローラの表面に形成された第1突起は、前記第1突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は前記第1突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であり、前記第2突起付ローラの表面に形成された第2突起は、前記第2突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起若しくは前記第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は前記第2突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起若しくは前記第2突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であることが好ましい。これによれば、突起付ローラに形成された複数の突起が、突起付ローラの回転方向に直交する方向で並ぶ複数のリング状の突起又は突起付ローラの回転方向に並ぶ複数の短冊状の突起であり、突起を縦横に多角形が並んだ形状とする場合よりも開口が大きくなることから、突起付ローラの表面に脱水ケーキが目詰まりすることを防ぐことができる。
【0076】
また、前記脱水ケーキは、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた炭化汚泥であることが好ましい。これによれば、有機性廃棄物またはその処理物を水熱炭化処理し、さらに脱水することにより得られた、脱水ケーキとしては強度の高い炭化汚泥であっても、炭化汚泥を所定間隔のサイズに破砕することができる。
【0077】
上記の実施形態は、押圧工程を備える。本発明において、押圧工程は、必須ではない。
【0078】
本発明は、下水汚泥、し尿汚泥、農業集落排水汚泥、浄化槽汚泥、生ごみなどの食品廃棄物(食品系バイオマス)、古紙・廃止などの紙などのリグノセルロース系廃棄物、農業残渣、および家畜糞尿などの様々な有機性廃棄物の脱水ケーキを処理対象とすることができる。これらの有機性廃棄物は、それぞれ単独で処理されてもよいし、混合処理されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
101、201、301、401、501、601:解砕装置
2:脱水ケーキ
3:凹部
10:突起付ローラ(凹部形成手段)
11、11a、11b、11c、11d:突起
12:第1突起付ローラ(凹部形成手段)
13:第2突起付ローラ(凹部形成手段)
14:リング状の突起
15:短冊状の突起
20:床面(荷重付与手段)
30、31:ローラ
40:ベルトコンベア
41:ベルト
50:押圧体
60:邪魔板
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9