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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014895
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20230124BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A63F9/30 501Z
A63F9/00 512A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119099
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】冨永 麻子
(72)【発明者】
【氏名】筒井 義之
(57)【要約】
【課題】簡易な構成を用いて、景品Pの不正取得を抑制し、景品の不正取得に起因するエラーや動作不具合の発生を回避して、良好な安定性を有する景品取得ゲーム装置を提供する。
【解決手段】景品取得ゲーム装置1は、景品Pをゲーム空間Sに収容して展示する展示部3と、景品Pを取得するための、ゲーム空間Sに移動可能に設けられた景品取得部6と、を備える。展示部3は、正面板31、背面板33、及び2枚の側面板32と、を有し、2枚の側面板32のいずれも、側面側にある側面部321と、正面板31よりも正面側にある正面部322と、を有し、幅方向において、正面板31と側面部321との間に第1間隙G1を有し、奥行方向において、正面板31と正面部322との間に第2間隙G2を有し、正面板31及び側面部321によって構成された角部30に、ガード部34が設けられており、ガード部34は、正面板31を正面視するときに第1間隙G1に対応する位置、かつ、展示された景品Pよりも正面側に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品取得ゲーム装置であって、
少なくとも前記景品取得ゲーム装置の正面側から視認可能なゲーム空間を有し、景品を前記ゲーム空間に収容して展示する、展示部と、
前記景品を取得するための、前記ゲーム空間に移動可能に設けられた、取得部と、
を備え、
前記展示部は、前記ゲーム空間を画定するための、前記展示部の奥行方向の両側に設けられた正面板及び背面板と、前記展示部の幅方向の両側に設けられた2枚の側面板と、を有し、
前記2枚の側面板のいずれも、側面側にある側面部と、前記側面部と交差しかつ前記奥行方向において前記正面板よりも正面側にある正面部と、を有し、
前記幅方向において、前記正面板と前記側面部との間に第1間隙を有し、前記奥行方向において、前記正面板と前記正面部との間に第2間隙を有し、
前記正面板及び前記側面部によって構成された角部に、ガード部が設けられており、
前記ガード部は、前記正面板を正面視するときに前記第1間隙に対応する位置、かつ、展示された前記景品よりも正面側に設けられている、
景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記ガード部は、前記ガード部の前記幅方向の1つの側面が前記側面部と接触し又は前記1つの側面と前記側面部との間に前記第2間隙よりも狭い間隙があるように、前記側面板又は前記正面板に設けられている、
請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記ガード部は、前記奥行方向において、前記正面板よりも背面側に設けられており、
前記正面板を正面視するとき、前記正面部、前記正面板の前記幅方向の端部、及び前記ガード部の一部は、重なっており、
前記正面部及び前記正面板は、光が透過可能な材料によって形成されており、
前記ガード部は、光が透過可能な材料又は光を反射可能な材料によって形成されている、
請求項1又は2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記正面板は、前記幅方向に移動可能なように設けられており、
前記正面板の前記端部は、透明又は半透明な弾性材料によって構成された保護部を有し、
前記正面板を正面視するとき、前記正面部、前記保護部、及び前記ガード部の前記一部は、重なっている、
請求項3に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記展示部は、光を発する発光部をさらに有し、
前記側面板は、前記正面部及び前記側面部を連結する屈曲部を有し、
前記発光部は、前記側面板の、前記背面板側に位置する端面に対向するように設けられており、
前記側面板は、前記端面から入射した光を内部で反射させながら前記正面側に導くとともに、前記光の一部を前記屈曲部から出射させ、前記光の他の一部を前記正面部から出射させるように、光が透過可能な材料によって形成されている
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記展示部に下方に設けられ、景品を落下させる落下口をさらに備え、
前記景品は、前記背面板側に懸吊されており、
前記展示部を平面視するとき、
前記落下口は、懸吊されている前記景品の下方に設けられており、
前記ガード部は、前記落下口よりも正面側に設けられている、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の景品取得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設に設置され、プレイヤにより移動操作される景品取得部の下降動作によりゲーム機内に懸吊されている景品が落下して払い出される景品取得ゲーム機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5228974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された従来の景品取得ゲーム装置では、ゲーム空間を画定するための正面板と側面板との間に間隙が存在している。このような間隙は、振動や揺れによる正面板と側面板との衝突を抑制することができる一方、針金のような細長い形状を有する異物は、このような間隙を通してゲーム空間に進入することができる。その結果、異物を用いて景品を落下させることが可能となり、景品が不正取得されてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成を用いて、景品の不正取得を抑制し、景品の不正取得に起因するエラーや動作不具合の発生を回避して、良好な安定性を有する景品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る景品取得ゲーム装置は、少なくとも景品取得ゲーム装置の正面側から視認可能なゲーム空間を有し、景品をゲーム空間に収容して展示する、展示部と、景品を取得するための、ゲーム空間に移動可能に設けられた、取得部と、を備え、展示部は、ゲーム空間を画定するための、展示部の奥行方向の両側に設けられた正面板及び背面板と、展示部の幅方向の両側に設けられた2枚の側面板と、を有し、2枚の側面板のいずれも、側面側にある側面部と、側面部と交差しかつ奥行方向において正面板よりも正面側にある正面部と、を有し、幅方向において、正面板と側面部との間に第1間隙を有し、奥行方向において、正面板と正面部との間に第2間隙を有し、正面板及び側面部によって構成された角部に、ガード部が設けられており、正面板を正面視するとき、ガード部は、第1少なくとも景品取得ゲーム装置の正面側から視認可能なゲーム空間を有し、景品をゲーム空間に収容して展示する、展示部と、景品を取得するための、ゲーム空間に移動可能に設けられた、取得部と、を備え、展示部は、ゲーム空間を画定するための、展示部の奥行方向の両側に設けられた正面板及び背面板と、展示部の幅方向の両側に設けられた2枚の側面板と、を有し、2枚の側面板のいずれも、側面側にある側面部と、側面部と交差しかつ奥行方向において正面板よりも正面側にある正面部と、を有し、幅方向において、正面板と側面部との間に第1間隙を有し、奥行方向において、正面板と正面部との間に第2間隙を有し、正面板及び側面部によって構成された角部に、ガード部が設けられており、ガード部は、正面板を正面視するときに第1間隙に対応する位置、かつ、展示された景品よりも正面側に設けられているものである。
【0007】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、針金のような細長い形状を有する異物が、装置の外部から正面板と側面板との間の間隙を介して景品のゲーム空間に進入することを抑制することができる。よって、ゲーム空間に進入する異物を操作することによる景品の不正取得を防ぐことでき、そして、景品の不正取得による景品管理上のエラーの発生及び装置の動作不具合の発生も回避することが可能になる。その結果、景品取得ゲーム装置の安定性を向上させることができる。
【0008】
本発明に係る景品取得ゲーム装置において、ガード部は、ガード部の1つの側面が側面部と接触し又は1つの側面と側面部との間に第2間隙よりも狭い間隙があるように、側面板又は正面板に設けられてもよい。
【0009】
かかる構成を採用すると、上異物のゲーム空間への進入を確実に抑制することができる。
【0010】
本発明に係る景品取得ゲーム装置において、ガード部は、奥行方向において、正面板よりも背面側に設けられており、正面板を正面視するとき、正面部、正面板の幅方向の端部、及びガード部の一部は、重なっており、正面部及び正面板は、光が透過可能な材料によって形成されており、ガード部は、光が透過可能な材料又は光を反射可能な材料によって形成されてもよい。
【0011】
かかる構成を採用すると、異物のゲーム空間への進入を抑制することができるとともに、ガード部の採用による展示部のデザイン性の低下を回避することができる。
【0012】
本発明に係る景品取得ゲーム装置において、正面板は、幅方向に移動可能なように設けられており、正面板の端部は、透明又は半透明な弾性材料によって構成された保護部を有し、保護部は、少なくとも第1間隙及び第2間隙に位置する部分を有し、正面板を正面視するとき、正面部、保護部、及びガード部の一部は、重なってもよい。
【0013】
かかる構成を採用すると、振動や揺れ等により正面板と側面板との衝突を回避することができるとともに、ガード部の存在を目立ちにくくすることができる。
【0014】
本発明に係る景品取得ゲーム装置において、展示部は、光を発する発光部をさらに有し、側面板は、正面部及び側面部を連結する屈曲部を有し、発光部は、側面板の、背面板側に位置する端面に対向するように設けられており、側面板は、端面から入射した光を内部で反射させながら正面側に導くとともに、光の一部を屈曲部から出射させ、光の他の一部を正面部から出射させるように、光が透過可能な材料によって形成されてもよい。
【0015】
かかる構成を採用すると、側面板の屈曲部及び正面部から出射する光によってプレイヤ候補の目を景品に引き付け、プレイ意欲を喚起することができる。
【0016】
本発明に係る景品取得ゲーム装置において、展示部に下方に設けられ、景品を落下させる落下口をさらに備え、景品は、背面板側に懸吊されており、展示部を平面視するとき、落下口は、懸吊されている景品の下方に設けられてり、ガード部は、落下口よりも正面側に設けられてもよい。
【0017】
かかる構成を採用すると、景品が落下口に落下させやすい装置においても、異物を用いて景品を不正取得することを確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な構成を用いて、景品の不正取得を抑制し、景品の不正取得に起因するエラーや動作不具合の発生を回避して、良好な安定性を有する景品取得ゲーム装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の構成を示す斜視図である。
図2図1のII-II線断面図である。
図3】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の側面板の内部における光の進行を示す模式図である。
図4図2のIV部の拡大分解斜視図である。
図5】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の背面板及び背面板に取り付けられた支持部の構成を示す図である。
図6A】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の支持部の構成を示す図である。
図6B】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の支持部の構成を示す図である。
図7A】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第1景品展示具の構成を示す図である。
図7B】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第1景品展示具の構成を示す図である。
図8A】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の係止部材の構成を示す図である。
図8B】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の係止部材の構成を示す図である。
図8C】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の係止部材の構成を示す図である。
図8D】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の係止部材の構成を示す図である。
図9】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第1景品展示具と景品との関係を示す図である。
図10A】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第2景品展示具の構成を示す図である。
図10B】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第2景品展示具の構成を示す図である。
図10C】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第2景品展示具の構成を示す図である。
図11A】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第2景品展示具と景品との関係を示す図である。
図11B】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第2景品展示具と景品との関係を示す図である。
図12A】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部の構成を示す図である。
図12B】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部の構成を示す図である。
図13】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部の構成を示す図である。
図14】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の制御部の機能構成を説明するための図である。
図15】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置において実行される処理の流れを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、各図を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態のみに限定する趣旨ではない。またさらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0021】
<景品取得ゲーム装置1の構成>
まず、図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の概要について説明する。図1は、景品取得ゲーム装置1の斜視図である。図2は、図1のII-II線断面図である。
【0022】
本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1は、懸吊されている景品Pを落下させて取得する景品取得ゲームを行うことができる装置の一例である。景品取得ゲーム装置1は、図1に示すように、景品取得ゲーム装置1の下部に設けられた本体部2と、本体部2の上方に設けられ、ゲーム空間Sを有する展示部3と、ゲーム空間Sにおいて景品Pを支持する景品支持部4と、本体部2と展示部3との間に設けられ、景品Pを落下させる景品落下口5と、景品Pを取得するための、ゲーム空間Sに移動可能に設けられた景品取得部6と、ゲーム空間S内に設けられた、景品取得ゲーム装置1が受けた衝撃を検知する衝撃検知部7と、を備える。
【0023】
ここで、ゲーム空間Sは、景品Pを展示するとともに、景品取得部6による景品Pを取得する動作を行うための空間である。また、景品Pは、小型景品P1及び中型景品P2を含む。具体的には、小型景品P1は、高さが17cmで直径が6cm程度のサイズ内でかつ重量が100g未満の景品Pであり、例えば、懸吊式の小型の、ぬいぐるみや人形である。中型景品P2は、高さが25cmで幅が15cmで奥行きが15cm程度のサイズ内でかつ重量が100g以上の箱型景品Pや、高さが35cmで幅が30cmで奥行きが15cm程度のサイズ内でかつ重量が100g以上のぬいぐるみ景品Pであり、例えば、置き式又は抱き式の中型の、ぬいぐるみや人形である。
【0024】
<景品取得ゲーム装置1の詳細>
次に、図1乃至図13を参照しつつ、景品取得ゲーム装置1の詳細について説明する。以下の説明では、景品取得ゲーム装置1の奥行方向、幅方向、上下方向、及び外部を単に「奥行方向」、「幅方向」、「上下方向」、「外部」と呼ぶことがある。
【0025】
[本体部2]
まず、図1及び図2を参考しつつ、本体部2の詳細について説明する。
【0026】
本体部2は、図1に示すように、その正面側に設けられた、プレイヤが操作するための操作部8と、ゲームの演出や情報の提示及びゲーム条件の設定を行うためのパネル9と、ゲーム料金を受け入れる硬貨投入口10と、景品落下口5に連通された景品払出口11と、BGM等のゲーム音声及びアラーム音等を出力するスピーカ13と、を有する。また、本体部2は、その内部に収容された、景品取得ゲーム装置1の様々な動作を制御するための制御部12を有する。
【0027】
操作部8は、プレイヤの操作によって、その操作に係る景品取得部6の動作に対応する要求を受け付ける構成である。操作部8は、景品取得部6を上昇させる要求を受け付ける上昇ボタン81と、景品取得部6を横走させる要求を受け付ける横走行ボタン82と、を有する。
【0028】
パネル9は、ゲームの演出や情報の提示及びゲーム条件の設定を行うためのパネルである。ここで、ゲーム条件は、景品取得部6の下降距離、移動速度、停止精度等の景品取得部6の運動条件と、スピーカ13に流れる音声種類及びそのボリューム等の音声条件と、展示部3の照明条件とを含む。
【0029】
制御部12は、操作部8及びパネル9が受け付けた情報に基づいて、景品取得部6のゲーム空間Sにおける移動、スピーカ13の出力、及び展示部3の照明等を制御する。
【0030】
また、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1は、図1に示すように、2人のプレイヤが同時に景品取得ゲームを行える2人用ゲーム装置である。このため、本体部2の、操作部8、硬貨投入口10、及び景品払出口11と、展示部3の景品支持部4と、景品落下口5と、景品取得部6とは、景品取得ゲーム装置1の幅方向において左右にそれぞれ2組が設けられている。なお、景品取得ゲーム装置1は1人用又は3人以上用ゲーム装置である場合、人数分に応じて、上記構成を1組又は3組以上を採用すればよい。
【0031】
[展示部3]
次に、図1乃至図4を参照しつつ、展示部3の詳細について説明する。図3は、景品取得ゲーム装置1の側面板32の内部における光の進行を示す模式図である。図4は、図2のIV部の拡大分解斜視図である。
【0032】
展示部3は、図2に示すように、ゲーム空間Sを画定するための、展示部3の奥行方向の両側に設けられた正面板31及び背面板33と、展示部3の幅方向の両側に設けられた2枚の側面板32と、を有する。また、展示部3は、展示部3の正面側の2つの角部30に設けられた2枚のガード部34を有する。さらに、展示部3は、側面板32と背面板33との間に設けられた発光部35と、展示部3の上方の正面側に設けられた電飾部36と、を有する。
【0033】
(正面板31、側面板32、及び背面板33)
正面板31及び側面板32は、光が透過可能な材料、例えば、透明なアクリル樹脂又はガラスによって形成されている。背面板33は、金属等の板部材によって形成されている。このような構成により、正面板31、側面板32、及び背面板33は、景品取得ゲーム装置1の正面側及び両側面側から視認できるゲーム空間Sを画定している。なお、背面板33は、正面板31及び側面板32の一部と同様に光が透過可能な材料によって形成されてもよい。このような場合、ゲーム空間Sは、景品取得ゲーム装置1の正面側、両側面側及び背面側から視認できる。
【0034】
正面板31は、図2に示すように、第1正面板311及び第2正面板312を有する。第1正面板311は、第2正面板312よりも背面側に設けられている。第1正面板311及び第2正面板312は、幅方向にスライド移動可能に設けられている。言い換えれば、第1正面板311及び第2正面板312は、幅方向に開閉する引き戸である。このような構成により、景品取得ゲーム装置1の管理者は、第1正面板311及び第2正面板312を開くことでゲーム空間Sを開放して、景品Pの補充や、景品取得部6のメンテナンス等の作業を行うことができる。以下では、第1正面板311及び第2正面板312が閉まってゲーム空間Sを閉鎖する状態を「通常状態」と呼ぶことがある。
【0035】
正面板31は、幅方向の2つの端部を有する。具体的には、正面板31は、図2に示すように、第1正面板311側にある端部313と、第2正面板312側にある端部314と、を有する。端部313及び端部314のそれぞれは、保護部315を有する。保護部315は、半透明な弾性材料によって形成されている。このため、保護部315は、端部313及び端部314を保護する機能と、後述するガード部34の主板を目立たせなくするようにさせる機能と、を有する。なお、保護部315は、透明な弾性材料によって形成されてもよい。
【0036】
幅方向において、端部313及び端部314と、それぞれに対応する側面板32(具体的には、後述する側面板32の側面部321)との間に、第1間隙G11及び第1間隙G12が形成されている。また、奥行方向において、端部313及び端部314と、それぞれに対応する側面板32(具体的には、後述する側面板32の正面部322)との間に、第2間隙G21及び第2間隙G22が形成されている。第1間隙G11及び第1間隙G12の寸法は、同じである。第2間隙G21は、第2間隙G22よりも大きい。また、各保護部315は、これらの間隙に位置するように設けられている。以下では、第1間隙G11及び第1間隙G12を区別しないとき、「第1間隙G1」と総称し、第2間隙G21及び第2間隙G22を区別しないとき、「第2間隙G2」と総称することがある。
【0037】
このような構成により、通常状態において、第1間隙G1及び第2間隙G2と保護部315とによれば、第1正面板311及び第2正面板312が、振動や揺れ等により側面板32と衝突して、第1正面板311及び第2正面板312の破損又は側面板32の破損を回避することができる。
【0038】
側面板32は、側面板32の正面側の端部が曲げ加工が施されている。側面板32の平面視形状は、略L字形状をなしている。また、側面板32は、図3に示すように、側面側にある側面部321と、正面側にある正面部322と、側面部321及び正面部322を連結する屈曲部323と、を有する。なお、正面部322、側面部321、屈曲部323は、一体となっているが、側面板32としては、このうちの少なくとも2つを別部材とし、接触もしくは接着により構成されるようにしてもよい。また、正面部322と側面部321がそれぞれ屈曲部323の一部を有し、単体としての屈曲部323を省略してもよい。
【0039】
側面部321は、奥行方向に延在するように設けられている。側面部321は、図3に示すように、側面部321の厚み方向の両側にある表面3211及び表面3212と、端面3213と、を有する。端面3213は、その法線Nが奥行方向に沿うように形成された平面であり、後述する発光部35が発する光の入射面として機能する。
【0040】
正面部322は、幅方向に延在し、かつ、通常状態において、正面板31よりも正面側にあるように設けられている。正面部322は、図3に示すように、正面部322の厚み方向の両側にある表面3221及び表面3222と、端面3223と、を有する。端面3223は、法線が幅方向に沿うように設けられた平面であり、後述する発光部35が発する一部の光の射出面として機能する。
【0041】
屈曲部323は、正面板31及び側面部321とともに、展示部3の正面側の角部30を画定している。屈曲部323は、図3に示すように、湾曲している、外周面3231及び内周面3232を有する。また、屈曲部323の平面視において、外周面3231の曲率は、内周面3232の曲率よりも小さい。
【0042】
背面板33は、所定配置に基づいて形成された複数の取付溝335を有する(図5参照)。これらの取付溝335によって、景品支持部4が背面板33に取り付けられることができる。本実施形態では、例えば、景品支持部4は、各プレイヤに対して、背面板33において、上下方向に3行、幅方向に4列で取り付けられることができる。
【0043】
(ガード部34)
ガード部34は、異物が景品取得ゲーム装置1の外部からゲーム空間Sに進入することを抑制するための構成である。本実施形態に係るガード部34は、長尺状部材であり、鏡面仕上げの金属によって形成されている。なお、ガード部34は、他の光を反射可能な材料又は光が透過可能な材料によって形成されてもよい。このような構成により、通常状態において、ガード部34は、目立たせなくすることができる。なお、ガード部34の目立たせなくするメカニズムについては、後述するガード部34の設置効果を説明した上で説明する。
【0044】
ガード部34の平面視形状は、L字状をなしている。ガード部34は、図3に示すように、主板341と、主板341と交差している取付板342とを有する。ガード部34は、取付板342が側面板32の側面部321に取り付けられることによって、展示部3の角部30に設けられている。
【0045】
通常状態において、ガード部34の主板341は、図3に示すように、正面部322及び正面板31と平行するように、正面板31よりも背面側かつ展示された景品Pよりも正面側に設けられている。また、展示部3を平面視すると、ガード部34の主板341は、景品落下口5よりも正面側に設けられている。奥行方向において、主板341と正面板31の端部313及び端部314との間に間隙が形成されている。また、正面板31を正面視するとき、ガード部34の主板341の一部は、第1間隙G1に対応する位置に設けられている。言い換えれば、主板341は、異物が、第1間隙G1を通して、外部からゲーム空間Sに進入する経路のうちの、奥行方向に沿う方向の経路を遮断している。
【0046】
ここで、異物とは、針金のような細長い形状を有するものであり、微細な粉塵等を含まない。ガード部34を採用しない場合、針金のような異物は、第2間隙G2及び第1間隙G1を通じてゲーム空間Sの背面側に進入することができる。異物が進入した場合、その異物を用いて、背面板33側に景品支持部4によって懸吊されている景品Pに下方向への牽引力を作用すると、景品Pを景品支持部4から落下させることができる。また、後述する景品落下口5の形成位置は、景品Pの懸吊(展示)位置の下方にあるため、落下した景品Pが景品落下口5を介して景品払出口11に落ちる。そして、景品払出口11から、景品Pを簡易に取り出して不正取得することができる。一方、ガード部34を採用すると、異物は、ガード部34の主板341よりも背面側に進入することができず、懸吊されている景品Pに接触することができない。その結果、異物を用いて景品Pの不正取得を回避することができる。
【0047】
また、景品取得ゲーム装置1の正面側の角部30を見るとき、すなわち、景品取得ゲーム装置1の斜め前から、屈曲部323を見るとき、ガード部34は、屈曲部323と重なるように設けられている。言い換えれば、景品取得ゲーム装置1を斜め前から見るとき、ガード部34は、屈曲部323によって隠されている。ここで、屈曲部323が屈折しているため、光散乱効果を有する。よって、景品取得ゲーム装置1を斜め前から見るとき、屈曲部323の裏側に位置するガード部34は、屈曲部323によって、目立たせなくすることができる。また、後述する発光部35による光が屈曲部323を通過する場合、屈曲部323による光の反射の量が多くなり、屈曲部323の光散乱効果が向上される。その結果、ガード部34は、さらに目立たせなくすることができる。
【0048】
また、正面板31を正面視するとき、ガード部34の主板341の他の一部は、正面部322、及び正面板31の端部の保護部315と重なるように設けられている。このような構成により、正面板31を正面視する、すなわち、景品取得ゲーム装置1を正面側から見るとき、ガード部34の主板341の他の一部は、保護部315によって隠されている。また、保護部315は半透明であるため、景品取得ゲーム装置1を正面側から見るとき、ガード部34の主板341の他の一部は、保護部315によって、目立たせなくすることができる。
【0049】
このような構成により、ガード部34によれば、簡易な構成を用いて、針金のような細長い形状を有する異物が、外部から正面板31と側面板32との間の第2間隙G2及び第1間隙G1を介して景品Pを収容するゲーム空間Sに進入することを抑制することができる。よって、ゲーム空間Sに進入する異物を操作することにより景品Pの不正取得を防ぐことでき、そして、景品Pの不正取得による景品P管理上のエラーの発生及び装置の動作不具合の発生も回避することが可能になる。また、それとともに、ガード部34の配置位置によれば、ガード部34の存在を目立たせなくするようにさせて、展示部3の透明感のあるデザインを維持することができる。よって、ガード部の採用による展示部のデザイン性の低下を回避することができる。その結果、ガード部34の採用によれば、異物のゲーム空間への進入を抑制することができるとともに、ガード部の採用による展示部のデザイン性の低下を回避することができる。
【0050】
なお、ガード部34は、上述した構成に限定されるものではない。例えば、ガード部34は、主板341のみを有する平板であってもよい。この場合、ガード部34の1つの側面が側面部321と接触し、又はその側面と側面部321との間に第2間隙G2よりも狭い間隙があるように、側面板32又は正面板31に設けられてもよい。このような構成により、例えば、第2間隙G2を通過できる寸法を有する異物であっても、ガード部34のその側面と側面部321との間の間隙を通過することができない。よって、確実に異物の進入を抑制することができる。また、ガード部34は、主板341及び取付板342を有するが、取付板342が他の形状をなしているものであってもよい。さらに、ガード部34は、側面板32又は正面板31と一体に形成されてもよい。
【0051】
(発光部35)
発光部35は、背面板33と側面板32の端面3213との間にかつ側面板32端面3213に対向するように設けられている。図4に示すように、発光部35は、発光素子として複数の発光ダイオード351を有する。複数の発光ダイオード351は、帯状を呈している発光部35の長手方向に沿って、互いに間隔を空けて直線状に並んでいる。また、複数の発光ダイオード351の各々は、同一方向に光を発するように配置されている。
【0052】
図3に示すように、発光部35が発した光は、端面3213から側面板32の側面部321に入射する。このような構成により、入射光のうちの、側面部321の表面3211,3212に臨界角よりも大きい入射角で入射する光は、表面3211と表面3211との間で反射しながら屈曲部323に導かれる。
【0053】
続いて、屈曲部323に到達した光の一部は、外周面3231に臨界角よりも小さい入射角で入射して、矢印L1で示すように、外周面3231から出射して正面側に進行する。屈曲部323に到達した光の他部は、外周面3231に臨界角よりも大きい入射角で外周面3231に入射して、外周面3231にとって反射されるとともに、正面部322側に導かれる。
【0054】
そして、正面部322に到達した光は、表面3221と表面3222との間で反射しながら、正面板31の中央に導かれる。正面部322の内部を通過する光のうちの、端面3223に臨界角よりも小さい入射角で入射した光は、矢印L2で示すように、端面3223から正面板31の中央に出射する。一方、端面3223に臨界角よりも大きい入射角で入射した光は、端面3223によって反射されて屈曲部323側に進行して、矢印L3で示すように、外周面3231に臨界角よりも小さい入射角で入射し、外周面3231から出射して背面側に進行する。
【0055】
このように、展示部3は、図3に示すように複数の方向に光を出射する。このような構成によれば、発光部35が正面側に光を出射させ、当該光を効率良く屈曲部323及び正面部322に到達させることができる。よって、端面3213から入射した光が、屈曲部323及び正面部322に到達することなく側面部321から出射してしまうことを抑制きる。その結果、側面板32の屈曲部323及び正面部322から出射する光によってプレイヤの目を展示部3に展示された景品Pに引き付け、プレイヤの景品Pを取得する意欲を喚起することができるとともに、ゲーム空間Sの視認性の向上及び展示部3の屈曲部323の透明感の維持を実現できる。
【0056】
また、端面3213は、側面部321の背面側の端面である。このような構成によれば、景品取得ゲーム装置1の正面側にいるプレイヤは、発光部35を視認し難くなる。よって、ゲーム空間Sの視認性を発光部35によって妨げることなく、屈曲部323及び正面部322から光を出射させることが可能になる。また、正面部322は、正面板31の中央に向けて光を出射させる端面3223を有している。また、景品取得ゲーム装置1の正面側にいるプレイヤは、端面3223を視認することができる。すなわち、この構成によれば、広範囲に光を出射し、より多くのプレイヤ候補のプレイ意欲を喚起することが可能になる。
【0057】
(電飾部36)
電飾部36は、展示部3の外部に光を発する構成である。電飾部36は、発光素子として複数の発光ダイオード365と、導光部材360と、を有する。
【0058】
導光部材360は、アクリル樹脂によって形成された透明な平板であり、正面側に向かっている第1出射面361及び第2出射面362を有している。第1出射面361は平面であり、正面側に向けて配置されている。第2出射面362は、幅方向における導光部材360の端部に形成され、外方に向けて突出する湾曲面である。
【0059】
複数の発光ダイオード365は、導光部材360の背面側に設けられている。また、複数の発光ダイオードが発した光は、導光部材360の背面側の端部から入射して、導光部材360の内部で反射しながら正面側に導かれて、第1出射面361及び第2出射面362から出射する。
【0060】
また、通常状態において、電飾部36は点灯する。よって、景品取得ゲーム装置1の見栄を向上させることができる。一方、後述する衝撃検知部7は景品取得ゲーム装置1が受けた衝撃が所定値以上であることを検知した場合、電飾部36は点滅する。よって、電飾部36は、周囲にアラーム信号を出すことができる。
【0061】
[景品支持部4]
続いて、図5乃至図11Bを参照しつつ、景品支持部4の詳細について説明する。図5は、背面板33及び背面板33に取り付けられた景品支持部4の構成を示す図である。図6A及び図6Bは、景品支持部4の構成を示す図である。図7A及び図7Bは、第1景品展示具20の構成を示す図である。図8A乃至図8Dは、係止部材21の構成を示す図である。図9は、第1景品展示具20と景品Pとの関係を示す図である。図10A乃至図10Cは、第2景品展示具50の構成を示す図である。図11A及び図11Bは、第2景品展示具50と景品Pとの関係を示す図である。
【0062】
景品支持部4は、棚状部材であり、例えば、合成樹脂等で成型することができる。景品支持部4は、図7A乃至図10Cに示すように、小型景品P1を懸吊展示する第1景品展示具20と、中型景品P2を懸吊展示する第2景品展示具50と、を有する。また、景品支持部4は、第1景品展示具20が着脱自在に装着される複数の第1装着部41と、第2景品展示具50が着脱自在に装着される複数の第2装着部42と、背面板33に形成された取付溝335と係合して景品支持部4を背面板33に取り付けるための係合片43と、ストック用又は展示用の小型景品P1や中型景品P2等を載置するためのトレー部44と、を有する。
【0063】
(第1装着部41及び第2装着部42)
第1装着部41は、図6Aに示すように、第1景品展示具20の係止部材21を嵌合収容するための構造が形成された収容空間414を有する。収容空間414には、係止部材21の係合片214を嵌合して横(左右)方向の移動を規制する規制溝411と、係合爪215が嵌装される嵌装孔412と、規制溝411に嵌合して係止部材21の縦(上下)方向の移動を規制する係合片413とが形成されている。また、収容空間414の斜め上方には、ボールチェーン224の上端側を収容して位置決めするチェーン溝415が形成されている。
【0064】
第2装着部42は、図6Bに示すように、景品支持部4の裏面側で縦(上下)方向に垂設された係合板45に形成され、第2景品展示具50の係合爪511が嵌装される嵌装孔421と、景品支持部4の背面板46に穿設され、第2景品展示具50の懸吊体55の解放端側の所定長を挿通支持する支持孔422と、を有する。
【0065】
(第1景品展示具20)
第1景品展示具20は、図7A及び図7Bに示すように、第1装着部41に着脱自在に装着されてボールチェーン224を任意の位置で係止することが可能な係止部材21と、小型景品P1を懸吊できるフック部材22と、係止部材21とフック部材22とを連索する繊維や軟質プラスチック等で形成された紐状の連索部材23と、を有する。
【0066】
フック部材22は、本体壁部221と、その本体壁部221の前方側に突起する鉤状のフック部222と、本体壁部221の上方側に形成され、後述する景品取得部6の取得部61(図12A参照)が係合し得る円盤状のターゲット部材223と、ターゲット部材223に一端が固定され、その上端側を上方に突出した態様で係止部材21の係止孔H1に挿通されて係止されるボールチェーン224と、を有する。なお、フック部材22は、例えば、合成樹脂等で成型することができる。
【0067】
係止部材21は、ヒンジ部Hgを基点として開放口O側を離間させる態様で選択バサミ式に開閉自在とされた一対の挟持片211,212と、挟持片211,212を相互に接近させる閉方向に付勢する金属製バネ等の付勢部材213と、を有する。なお、一対の挟持片211,212は、例えば、合成樹脂等で成型することができる。
【0068】
挟持片211は、挟持片212に向かい合う辺上に切欠2111を有しており、挟持片212は、挟持片211に向かい合う辺上に切欠(図示せず)を有しており、挟持片211,212が相互に接近した閉状態では、図8Cに示すように、上記2つの切欠により所定サイズの係止孔H1が形成される。
【0069】
係止孔H1のサイズは、挟持片211,212が相互に接近した閉状態において、ボールチェーン224のボールよりも小さい。よって、開放口O側からボールチェーン224を挿入して、ボールを係止孔H1に係止させることで、ボールチェーン224を保持することが可能である。
【0070】
また、ボールチェーン224に対して景品取得部6による下方向への牽引力が作用すると、係止孔H1のサイズより大きいボールが通過しようとするために挟持片211,212を相互に離間させる方向の力が作用することとなり、これにより係止部材21は、図8Dに示すように、挟持片211,212が相互に離間した開状態となる。
【0071】
開状態では、係止孔H1のサイズが閉状態のときよりも大きくなるために、ボールは容易に係止孔H1を通過できることになる。従って、ボールチェーン224に下方向への牽引力を掛け続けることで、ボールチェーン224の全体を係止孔H1から引き抜き、係止部材21によるボールチェーン224の係止を解除することが可能である。
【0072】
このような構成により、図9に示すように、挟持片211,212が閉じた閉状態において、第1景品展示具20では、それぞれのボールチェーン224がそれぞれの係止部材21で係止され、それぞれのフック部材22で小型景品P1を懸吊することができる。一方、挟持片211,212が開いた開状態において、第1景品展示具20では、プレイヤの操作により、景品取得部6が係止部材21によるボールチェーン224の係止を解除し、フック部材22に懸吊されていた小型景品P1が落下する。
【0073】
(第2景品展示具50)
第2景品展示具50は、図10A乃至図10Cに示すように、第2装着部42の嵌装孔421に着脱自在に装着される係合爪511と、景品支持部4の収容空間414に収容嵌合される嵌合片512とが形成され、景品支持部4の裏面側で固定される本体部51と、景品取得部6による牽引を受ける駆動部材53と、その本体部51の前方側に着脱自在に取り付けられて駆動部材53を挟持する係止部材52と、景品を懸吊展示するための懸吊部材54と、を有する。
【0074】
本体部51は、一対の筐体片501,502を有する。また、本体部51には、一対の筐体片501,502を組み立てた場合の前方側に、第1装着部41における規制溝411、嵌装孔412、係合片413、収容空間414と同様の構成を有する装着部513が形成されるとともに、その後方側には、懸吊解除部材56を回動可能に支持する回動軸S1が一体的に形成され、さらに、その内部には、後述の駆動部材53の長尺部材531を案内支持する円弧状の案内面514が形成されている。
【0075】
係止部材52は、第1景品展示具20における係止部材21と同一の構成を有するものであり、本体部51前方の装着部513に装着固定されるとともに、係止部材52を構成する開閉自在の一対の挟持片の間に所定サイズの係止孔が形成され、当該係止孔において長尺部材531を係止するものである。
【0076】
駆動部材53は、プレイヤにより操作される景品取得部6によって駆動される部材であり、長尺部材531と、長尺部材531の一端側に取り付けられたターゲット部材532と、長尺部材531の他端側に取り付けられたトリガ部材533と、を有する。ターゲット部材532には、景品取得部6の取得部61と係合し、取得部61による下方への牽引を受け得るサイズ及び/又は形状が付与され、トリガ部材533には、後述の懸吊解除部材56に形成された挿通孔H2を通過できないサイズ及び/又は形状が付与される。長尺部材531は、中間の適宜の位置が係止部材52の係止孔に係止され、その一端は当該係止孔から垂下され、他端は案内面514の上面を経て挿通孔H2に導かれ、当該挿通孔H2からトリガ部材533を垂下させている。
【0077】
懸吊部材54は、懸吊体55と、懸吊解除部材56と、を有する。懸吊体55は、一端が支持孔422に挿通させて支持孔422に支持され、他端に設けられた回動軸S2が懸吊解除部材56に回動自在に支持される棒状の部材である。懸吊解除部材56は、その上端が回動軸S1で回動自在に軸支されたL字状の部材であり、その前方には、長尺部材531は余裕をもって挿通することができるがトリガ部材533は通過できないサイズ及び/又は形状の挿通孔H2が形成され、その後方には、懸吊体55の回動軸S2を軸支する軸支孔H3が形成されている。
【0078】
本体部51、ターゲット部材532、トリガ部材533、懸吊体55、懸吊解除部材56等は、例えば、合成樹脂等で成型することができる。また、長尺部材531には、係止部材52の挟持片が閉状態のときの係止孔のサイズより大きい外径寸法を有し、外周からの外力が作用することでその外形寸法を縮小する樹脂繊維等の適宜の材料で形成された紐状の部材が使用されている。
【0079】
このような構成により、図11Aに示すように、ターゲット部材532に下方向への牽引力が作用しない場合、長尺部材531を係止部材52の係止孔で締め付けることで係止し、第2景品展示具50の懸吊部材54は懸吊体55の開放端が景品支持部4の支持孔422により概略水平に支持された第1状態にあり、中型景品P2等の景品を懸吊展示することが可能である。一方、プレイヤが操作する景品取得部6によりターゲット部材532を下方に牽引すると、長尺部材531が上記態様で係止部材52から引き抜かれ、他端側のトリガ部材533が上昇する。そして、トリガ部材533が懸吊解除部材56の挿通孔H2に当接してさらに上昇した場合、懸吊解除部材56は回動軸S1の周りに回転して懸吊体55を前方側に牽引し、やがて懸吊体55が支持孔422から抜けると懸吊体55は支持孔422による支持を失って、回動軸S2の周りで下方に回転する。これにより懸吊部材54は景品を懸吊不能な第2状態に移行し、中型景品P2等の景品が落下する。
【0080】
[景品落下口5]
次に、図2を参照しつつ、景品落下口5の構成について説明する。景品落下口5は、ゲーム空間Sと景品払出口11とを連通する構成である。展示部3を平面視すると、景品落下口5は、景品支持部4によって懸吊されている景品Pの下方にある。また、景品落下口5には、図示されていない、景品Pの落下を検知する落下検知センサと、照明部と、が設けられている。
【0081】
照明部は、景品落下口5を平面視するとき、景品落下口5の平面視形状の全領域に及ぶ光の面を形成するように、光を照射する。
【0082】
落下検知センサは、その光の面の光量変更を検知することで、景品落下の有無及び景品落下状態を検知する。具体的には、景品Pが落下するとき、落下検知センサが感知した受光量が減少し、また、異なる大きさ及び数量を有する景品Pによる受光量の減少は異なる。よって、落下検知センサは、受光量の変化に基づいて、景品落下の有無及び景品落下状態を検知する。ここで、景品落下状態は、落下する景品の種類(小型景品P1か中型景品P2かを判断)や、落下する景品の数量等のことを含む。
【0083】
[景品取得部6]
続いて、図12A乃至図13を参照しつつ、景品取得部6の構成を説明する。図12A乃至図13は、景品取得部6の構成を示す図である。
【0084】
景品取得部6は、プレイヤによる上昇ボタン81及び横走行ボタン82の操作に応じて操作面ゲーム空間S内で移動する部材であり、景品支持部4に装着された第1景品展示具20、第2景品展示具50にそれぞれ係止されているターゲット部材223、352を下方に牽引することで、小型景品P1、中型景品P2を落下させるために用いられる構成である。
【0085】
景品取得部6は、図12A乃至図13に示すように、本体部60と、本体部60の側面の一方側から突出しかつ伸縮自在の取得部61と、を有する。取得部61は、フォーク状部材である。本体部60がガイドポール71に取り付けられた場合、取得部61の先端は背面側に向かっている。この場合、取得部61は、前後方向(奥行方向)において前後に伸縮することができる。
【0086】
本体部60は、図13に示すように、本体部60の側面に形成されたデザインシート展示部63を有する。また、本体部60は、デザインシート展示部63が奥行方向の正面側に向かうように、ガイドポール71に取り付けられている。デザインシート展示部63は、デザインシートを収納して展示するためのホルダ621を有する。デザインシートは、ホルダ621に挿し込むことで、プレイヤに対して展示されることができる。また、ステッカーであるデザインシートは、直接ホルダ621に貼ることもできる。デザインシートによって、本体部60の見栄を向上させることができる。
【0087】
景品取得部6は、係止解除部材制御部93A,93Bで制御されるソレノイド9331の駆動によって、ワイヤーWRが上下方向に駆動することにより、スプリングSPにより付勢されるプーリーPの前後方向の移動に伴う揺動バー62の揺動により、ワイヤーWRの駆動方向に応じて取得部61が前後方向における前方向(正面側)又は後方向(背面側)に移動する。
【0088】
また、景品取得部6は、係止解除部材制御部93A,93Bで制御される水平移動用モータの回動によって、ネジ棒911及びネジ棒912が回動することにより、ガイドレール921、ガイドレール922にそれぞれ案内されるスライダー731、スライダー732及びガイドポール71とともに本体部60が上記回動方向に応じて左右方向(幅方向)における左方向又は右方向に移動する。
【0089】
また、景品取得部6は、係止解除部材制御部93A,93Bで制御される鉛直移動用モータ9311の回動によって、ネジ棒72が回動することにより、ガイドポール71に案内されるスライダー73とともに本体部60が上記回動方向に応じて上下方向における上方向又は下方向に移動する。
【0090】
なお、この景品取得部6は、ゲーム開始前における本体部60のホームポジションが決められており、左側の景品取得部6では、左下方の隅が本体部60のホームポジションとされ、右側の景品取得部6では、右下方の隅が本体部60のホームポジションとされている。
【0091】
このような構成により、プレイヤによって硬貨投入口10に所定のゲーム料金が投入されてゲーム開始条件が成立した場合、プレイヤによる上昇ボタン81の操作及び上昇ボタン81の操作後の横走行ボタン82の操作を受け付けると、景品取得部6の本体部60は、ゲーム開始条件が成立した場合にプレイヤにより上昇ボタン81が押下され続けている間に上昇し、上昇ボタン81の押下が解除された場合に本体部60の上昇が停止する。続いて、プレイヤにより横走行ボタン82が押下され続けている間に本体部60が横方向(幅方向)に走行し、横走行ボタン82の押下が解除された場合に本体部60の横走行が停止する。その後、本体部60の横走行が停止した場合に、取得部61が前方向に所定長だけ自動的に伸長し、所定長の伸長が完了した場合に、取得部61が伸長した状態のまま本体部60が所定ストロークだけ自動的に下降する。その後、所定ストロークの下降が完了した場合に、取得部61が元の位置に戻され、その後、本体部60が上述のホームポジションに戻される。
【0092】
[衝撃検知部7]
衝撃検知部7は、景品取得ゲーム装置1が受けた衝撃を検知する構成である。景品取得ゲーム装置1は、景品取得ゲーム装置1を揺らすことや地震等によって、大きな衝撃を受けることがある。このような衝撃によって、景品取得ゲーム装置1の異常動作、転倒、及び破損等の問題が生じ得るとともに、景品Pを景品支持部4から落下させて不正取得する問題が発生する可能性もある。衝撃検知部7は、景品取得ゲーム装置1が受けた衝撃を検知することで、このような問題の発生を回避し、又はこのような問題が発生した場合に迅速に検知することができる構成である。
【0093】
衝撃検知部7には、図示されていない加速度センサが設けられている。なお、加速度センサとしては、既存のものを用いることができる。また、衝撃検知部7は、図1に示すように、背面板33の上方側に設けられている。なお、衝撃検知部7は、背面板33の下方側に設けられてもよい。ただし、衝撃検知部7は背面板33の下方側に設けられる場合に比較にして、背面板33の上方側に設けられた衝撃検知部7は、より容易に景品取得ゲーム装置1の振動を検知することができる。
【0094】
景品取得ゲーム装置1が衝撃を受けた場合、衝撃検知部7は、景品取得ゲーム装置1の加速度を検知して、検知された加速度が所定値以上である否かを判断することができる。もし検知された加速度が所定値以上と判断されると、衝撃検知部7は、その加速度に関する加速度情報を制御部12に送信する。そして、制御部12は、その加速度情報に基づいて、スピーカ13及び電飾部36の両方又はいずれか一方を動作させることができる。この場合、スピーカ13は、アラーム音を出力し、電飾部36は、点滅することで、景品取得ゲーム装置1が過剰な衝撃を受けていることを周囲に知らせることができる。なお、制御部12は、スピーカ13及び電飾部36を動作させるとともに、発光部35を発光させてもよい。
【0095】
<制御部12による制御>
次に、図14及び図15を参照しつつ、制御部12による制御について説明する。図14は、制御部12の機能構成を説明するための図である。図15は、景品取得ゲーム装置1において実行される処理の流れを説明するための図である。
【0096】
まず、図14を参照しつつ、制御部12の機能構成について説明する。制御部12は、図14に示すように、主制御基板90を有する。主制御基板90に、I/F90d及び信号線を介して設定受付部91、操作受付部92A,92B、係止解除部材制御部93A,93B、照明・音響制御部94、硬貨処理部95等が電気的に接続されている。
【0097】
ここで、主制御基板90は、景品取得ゲーム装置1全体を統括的に制御する部分であり、CPU80aと、周辺装置を制御するための各種プログラム及びデータが格納されるROM80bと、演算用の作業データ等を一時記憶するRAM80cと、CPU80aと周辺装置との間における各種信号の授受を行うためのI/F90dと、それらを相互に接続するためのバス80eとから構成されている。
【0098】
設定受付部91は、設定パネルにおいて設定された各設定値を主制御基板90に伝達するためのインターフェイスである。すなわち、上記設定値に基づいて、主制御基板90の制御のもと景品取得部6の前後方向(奥行方向)における到達位置や戻り位置、自動下降距離等の調節が行われる。
【0099】
操作受付部92A,92Bは、操作部8の上昇ボタン81及び横走行ボタン82からの信号を主制御基板90に伝達するためのインターフェイスである。具体的には、操作受付部92A,92Bは、上昇ボタン81への操作が検知された場合、景品取得部6を基準位置から上方に駆動すべき旨の信号を主制御基板90に送信し、上昇ボタン81への操作が解除された場合、景品取得部6の上方への駆動を停止するべき旨の信号を主制御基板90に送信し、他方、横走行ボタン82への操作が検知された場合、景品取得部6を横方向に走行させるべき旨の信号を主制御基板90に送信し、横走行ボタン82への操作が解除された場合、景品取得部6の横方向への走行を停止するべき旨の信号を主制御基板90に送信する。
【0100】
係止解除部材制御部93A,93Bは、主制御基板90からの制御信号に従って、景品取得部6の制御を実行するものである。具体的には、主制御基板90から景品取得部6の上昇動作を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ931は、鉛直移動用モータ9311の駆動制御を行うことにより、景品取得部6に上昇動作を実行させる。また、主制御基板90から景品取得部6の横方向への走行を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ932は、水平移動用モータ9321の駆動制御を行うことにより、景品取得部6を横方向へ走行させる処理を実行する。
【0101】
硬貨処理部95は、硬貨投入口10に投入された硬貨の識別処理を実行し、予め定められた額の正当な硬貨の投入を検知した場合に、硬貨検知信号を主制御基板90に送信する処理を実行し、照明・音響制御部94は、主制御基板90からの制御信号に従って、ゲームの進行状況等に応じた演出照明や効果音を出力するべく、展示部3の照明装置(発光部35等)、スピーカ13等の制御を実行する。
【0102】
次に、図15を参照しつつ、景品取得ゲーム装置1において実行される処理の流れを説明する。
【0103】
まず、ステップS1において、プレイヤにより所定のゲーム料金が硬貨投入口10に投入されると、ゲーム開始可能な状態に遷移する(ステップS1:YES)。次に、ステップS2において、プレイヤにより上昇ボタン81が押下されると(ステップ2:YES)、押下されている間中、鉛直移動用モータ9311の駆動により景品取得部6が上昇する(ステップS3)。続いて、ステップS4において、プレイヤにより上昇ボタン81の押下が解除されると(ステップS4:YES)、景品取得部6の上昇が停止する。
【0104】
次に、ステップS5において、プレイヤにより横走行ボタン82が押下されると(ステップS5:YES)、押下されている間中、水平移動用モータ9321の駆動により景品取得部6が横(右等)に走行し(ステップS6)、ステップS7において、プレイヤにより横走行ボタン82の押下が解除されると(ステップS7:YES)、景品取得部6の横走行が停止する。
【0105】
続いて、プレイヤによる操作で移動した景品取得部6が停止すると、ステップS8において、自動的にソレノイド9331を駆動して取得部61を伸長する。そして、ステップS9において、設定されている降下量だけ景品取得部6とともに取得部61を下降する。
【0106】
次に、ステップS10において、取得部61を収縮する。続いて、ステップS11において、鉛直移動用モータ9311、水平移動用モータ9321を駆動して景品取得部6を所定のホームポジションに帰還させる。
【0107】
その後、処理をステップS1に復帰させる。
【0108】
以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、少なくとも景品取得ゲーム装置1の正面側から視認可能なゲーム空間Sを有し、景品Pをゲーム空間Sに収容して展示する、展示部3と、景品Pを取得するための、ゲーム空間Sに移動可能に設けられた、景品取得部6と、を備え、展示部3は、ゲーム空間Sを画定するための、展示部3の奥行方向の両側に設けられた正面板31及び背面板33と、展示部3の幅方向の両側に設けられた2枚の側面板32と、を有し、2枚の側面板32のいずれも、側面側にある側面部321と、側面部321と交差しかつ奥行方向において正面板31よりも正面側にある正面部322と、を有し、幅方向において、正面板31と側面部321との間に第1間隙G1を有し、奥行方向において、正面板31と正面部322との間に第2間隙G2を有し、正面板31及び側面部321によって構成された角部30に、ガード部34が設けられており、ガード部34は、正面板31を正面視するときに第1間隙G1に対応する位置、かつ、展示された景品Pよりも正面側に設けられている。その結果、簡易な構成を用いて、針金のような細長い形状を有する異物が、景品取得ゲーム装置1の外部から正面板31と側面板32との間の第2間隙G2及び第1間隙G1を介して景品Pのゲーム空間Sに進入することを抑制することができる。よって、ゲーム空間Sに進入する異物を操作することによる景品Pの不正取得を防ぐことでき、そして、景品Pの不正取得による景品P管理上のエラーの発生及び装置の動作不具合の発生も回避することが可能になる。その結果、景品取得ゲーム装置の安定性を向上させることができる。
【0109】
また、以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、ガード部34の主板341は、主板341の1つの側面が側面部321と接触し、又は主板341のその1つの側面と側面部321との間に第2間隙G2よりも狭い間隙があるように、側面板32又は正面板31に設けられていることができる。その結果、異物のゲーム空間への進入を確実に抑制することができる。
【0110】
また、以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、ガード部34の主板341は、奥行方向において、正面板31よりも背面側に設けられており、正面板31を正面視するとき、正面部322、正面板31の幅方向の端部313及び端部314、及びガード部34の一部は、重なっており、正面部322及び正面板31は、光が透過可能な材料によって形成されており、ガード部34は、光が透過可能な材料又は光を反射可能な材料によって形成されていることができる。その結果、異物のゲーム空間への進入を抑制することができるとともに、ガード部の採用による展示部のデザイン性の低下を回避することができる。
【0111】
また、以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、正面板31は、幅方向に移動可能なように設けられており、正面板31の端部313及び端部314のそれぞれは、透明又は半透明な弾性材料によって構成された保護部315を有し、保護部315は、少なくとも第1間隙G1及び第2間隙G2に位置する部分を有し、正面板31を正面視するとき、正面部322、保護部315、及びガード部34の一部は、重なっていることができる。その結果、振動や揺れ等により正面板と側面板との衝突を回避することができるとともに、ガード部の存在を目立ちにくくすることができる。
【0112】
また、以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、展示部3は、光を発する発光部35をさらに有し、側面板32は、正面部322及び側面部321を連結する屈曲部323を有し、発光部35は、側面板32の、背面板33側に位置する端面3213に対向するように設けられており、側面板32は、端面3213から入射した光を内部で反射させながら正面側に導くとともに、光の一部を屈曲部323から出射させ、光の他の一部を正面部322から出射させるように、光が透過可能な材料によって形成されていることができる。その結果、異物のゲーム空間への進入を抑制することができるとともに、ガード部の採用による展示部のデザイン性の低下を回避することができる。
【0113】
また、以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、展示部3に下方に設けられ、景品Pを落下させる景品落下口5をさらに備え、景品Pは、背面板33側に懸吊されており、展示部3を平面視するとき、景品落下口5は、懸吊されている景品Pの下方に設けられてり、ガード部34は、景品落下口5よりも正面側に設けられることができる。その結果、景品が落下口に落下させやすい装置においても、異物を用いて景品を不正取得することを確実に抑制することができる。
【0114】
上述した実施形態の説明では、景品取得ゲーム装置を懸吊されている景品Pを落下させて取得する景品取得ゲームを行うことができる装置として説明したが、これに限定されるものではない。上述した実施形態で説明したガード部34等の構成は、クレーンゲームを行う景品取得ゲーム装置においても使用されることもできる。クレーンゲームを行う景品取得ゲーム装置にガード部34を採用することで、異物を用いて、景品落下口の近傍にある景品Pを景品落下口に落下させて不正取得することを抑制することができる。
【0115】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、上述した実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、上述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0116】
1…景品取得ゲーム装置
3…展示部
6…景品取得部
30…角部
31…正面板
32…側面板
33…背面板
34…ガード部
35…発光部
315…保護部
321…側面部
322…正面部
G1…第1間隙
G2…第2間隙
P…景品
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15