(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149017
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】回転電機、及び回転電機の製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 1/2753 20220101AFI20231005BHJP
H02K 15/02 20060101ALI20231005BHJP
H02K 21/14 20060101ALI20231005BHJP
H02K 1/16 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H02K1/2753
H02K15/02 K
H02K21/14
H02K1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057335
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】清水 謙太
【テーマコード(参考)】
5H601
5H615
5H621
5H622
【Fターム(参考)】
5H601AA22
5H601CC01
5H601CC02
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601GA02
5H601GB12
5H601GB33
5H601GB48
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB02
5H615BB07
5H615BB14
5H615PP02
5H621AA02
5H621BB07
5H621GA16
5H621HH01
5H621JK01
5H622AA02
5H622CA02
5H622CA10
5H622CB02
5H622CB05
(57)【要約】
【課題】コギングトルクの脈動を低減できる回転電機、及び回転電機の製造方法を提供する。
【解決手段】回転電機10は、ステータコア21及びコイル22を有するステータ11と、ロータコア26の周方向に並ぶ複数の永久磁石Mを有するロータ12とを備えている。ステータコア21が有するスロット25の数Sは、12以上の6の倍数である。q=S/(前記ロータの極数×前記コイルの相数)としたとき、qは分数かつq<1/2である。複数の永久磁石Mについて、S/6の最小の素因数をZとして(360/S)×3×Z[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石Mとする。少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なっている。また、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで同じである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のヨーク、前記ヨークから前記ヨークの径方向に延出するとともに前記ヨークの周方向に間隔を空けて配置された複数のティース、及び前記ヨークの周方向に隣り合う前記ティースの間に位置する空間であるスロットを有するステータコアと、前記ティースに集中巻きで巻回されたコイルとを有するステータと、
筒状のロータコアと、前記ロータコアの周方向に並ぶ複数の永久磁石とを有するロータと、
を備え、
前記永久磁石は、S極磁石、又は磁化方向が前記S極磁石とは異なるN極磁石であり、前記S極磁石と前記N極磁石は、前記ロータコアの周方向において交互に並んでおり、
前記スロットの数Sは12以上の6の倍数であるとともに、q=S/(前記ロータの極数×前記コイルの相数)としたとき、qが分数かつq<1/2である回転電機であって、
S/6の最小の素因数をZとして前記複数の永久磁石を(360/S)×3×Z[°]毎に配置される前記永久磁石を同じグループに属する永久磁石とすると、
少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束は異なっており、
同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束の合計値は、各グループで同じであることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
前記複数の永久磁石はそれぞれ、前記ロータコアの周方向に並ぶ2つの磁石構成体によって構成されている請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
筒状のヨーク、前記ヨークから前記ヨークの径方向に延出するとともに前記ヨークの周方向に間隔を空けて配置された複数のティース、及び前記ヨークの周方向に隣り合う前記ティースの間に位置する空間であるスロットを有するステータコアと、前記ティースに集中巻きで巻回されたコイルとを有するステータと、
筒状のロータコアと、前記ロータコアの周方向に並ぶ複数の永久磁石とを有するロータと、
を備え、
前記永久磁石は、S極磁石、又は磁化方向が前記S極磁石とは異なるN極磁石であり、前記S極磁石と前記N極磁石は、前記ロータコアの周方向において交互に並んでおり、
前記スロットの数Sは12以上の6の倍数であるとともに、q=S/(前記ロータの極数×前記コイルの相数)としたとき、qが分数かつq<1/2である回転電機の製造方法であって、
前記複数の永久磁石のそれぞれについて表面磁束又は磁束密度を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得した前記永久磁石の表面磁束又は磁束密度に基づいて、前記複数の永久磁石を配置する配置工程と、
を有し、
前記配置工程では、
S/6の最小の素因数をZとして前記複数の永久磁石を(360/S)×3×Z[°]毎に配置される前記永久磁石を同じグループに属する永久磁石とすると、
少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束が異なり、かつ同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束の合計値は各グループで同じになるように、前記複数の永久磁石を配置することを特徴とする回転電機の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機、及び回転電機の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、ステータとロータとを備えている。ステータは、ステータコアとコイルとを有している。ステータコアは、筒状のヨークと、複数のティースと、複数のスロットとを有している。各ティースは、ヨークからヨークの径方向に延出している。複数のティースは、ヨークの周方向に間隔を空けて配置されている。スロットは、ヨークの周方向に隣り合うティースの間に位置する空間である。コイルは、ティースに集中巻きで巻回されている。ロータは、筒状のロータコアと、ロータコアの周方向に並ぶ複数の永久磁石とを有している。永久磁石は、S極磁石、又は磁化方向がS極磁石とは異なるN極磁石である。S極磁石とN極磁石は、ロータコアの周方向において交互に並んでいる。
【0003】
一般に、q=スロットの数/(ロータの極数×コイルの相数)としたとき、qが分数かつq<1/2となる回転電機を分数スロットの回転電機という。例えば、特許文献1のモータは、3相12スロットのステータと、14極のロータとを備えている。このモータは、q=12/(14×3)=2/7である分数スロットのモータである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
分数スロットの回転電機では、永久磁石の表面磁束がばらついていると、機械角1周期の間においてトルクの値が電気角毎に変化するため、コギングトルクの脈動が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するための回転電機は、筒状のヨーク、前記ヨークから前記ヨークの径方向に延出するとともに前記ヨークの周方向に間隔を空けて配置された複数のティース、及び前記ヨークの周方向に隣り合う前記ティースの間に位置する空間であるスロットを有するステータコアと、前記ティースに集中巻きで巻回されたコイルとを有するステータと、筒状のロータコアと、前記ロータコアの周方向に並ぶ複数の永久磁石とを有するロータと、を備え、前記永久磁石は、S極磁石、又は磁化方向が前記S極磁石とは異なるN極磁石であり、前記S極磁石と前記N極磁石は、前記ロータコアの周方向において交互に並んでおり、前記スロットの数Sは12以上の6の倍数であるとともに、q=S/(前記ロータの極数×前記コイルの相数)としたとき、qが分数かつq<1/2である回転電機であって、S/6の最小の素因数をZとして前記複数の永久磁石を(360/S)×3×Z[°]毎に配置される前記永久磁石を同じグループに属する永久磁石とすると、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束は異なっており、同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束の合計値は、各グループで同じであることを要旨とする。
【0007】
同じグループに属する永久磁石の表面磁束の合計値は、各グループで同じである。これにより、永久磁石の表面磁束がばらついていても、鎖交磁束としては電気角周期毎に同じになるため、電気角周期毎の鎖交磁束の差は小さくなる。よって、コギングトルクの脈動を低減できる。
【0008】
上記回転電機において、前記複数の永久磁石はそれぞれ、前記ロータコアの周方向に並ぶ2つの磁石構成体によって構成されていてもよい。
上記問題点を解決するための回転電機の製造方法は、筒状のヨーク、前記ヨークから前記ヨークの径方向に延出するとともに前記ヨークの周方向に間隔を空けて配置された複数のティース、及び前記ヨークの周方向に隣り合う前記ティースの間に位置する空間であるスロットを有するステータコアと、前記ティースに集中巻きで巻回されたコイルとを有するステータと、筒状のロータコアと、前記ロータコアの周方向に並ぶ複数の永久磁石とを有するロータと、を備え、前記永久磁石は、S極磁石、又は磁化方向が前記S極磁石とは異なるN極磁石であり、前記S極磁石と前記N極磁石は、前記ロータコアの周方向において交互に並んでおり、前記スロットの数Sは12以上の6の倍数であるとともに、q=S/(前記ロータの極数×前記コイルの相数)としたとき、qが分数かつq<1/2である回転電機の製造方法であって、前記複数の永久磁石のそれぞれについて表面磁束又は磁束密度を取得する取得工程と、前記取得工程において取得した前記永久磁石の表面磁束又は磁束密度に基づいて、前記複数の永久磁石を配置する配置工程と、を有し、前記配置工程では、S/6の最小の素因数をZとして前記複数の永久磁石を(360/S)×3×Z[°]毎に配置される前記永久磁石を同じグループに属する永久磁石とすると、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束が異なり、かつ同じグループに属する前記永久磁石の表面磁束の合計値は各グループで同じになるように、前記複数の永久磁石を配置することを要旨とする。
【0009】
配置工程において、同じグループに属する永久磁石の表面磁束の合計値が各グループで同じになるように、複数の永久磁石を配置している。これにより、永久磁石の表面磁束がばらついていても、鎖交磁束としては電気角周期毎に同じになるため、電気角周期毎の鎖交磁束の差は小さくなる。よって、コギングトルクの脈動を低減できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コギングトルクの脈動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態における回転電機の断面図である。
【
図2】比較例1におけるトルクの時間変化を示すグラフである。
【
図3】比較例2におけるトルクの時間変化を示すグラフである。
【
図4】第1実施形態におけるトルクの時間変化を示すグラフである。
【
図5】第2実施形態における回転電機の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、回転電機、及び回転電機の製造方法を具体化した第1実施形態を
図1にしたがって説明する。
【0013】
<<回転電機の構成>>
図1に示すように、回転電機10は、筒状のステータ11と、筒状のロータ12とを備えている。ステータ11は、ロータ12を取り囲んでいる。したがって、ロータ12は、ステータ11の内側に配置されている。
【0014】
<ステータの構成>
ステータ11は、ステータコア21と、U相、V相、及びW相のコイル22とを有している。
【0015】
ステータコア21は、筒状のヨーク23と、複数のティース24と、複数のスロット25とを有している。本実施形態のステータコア21は、複数のティース24として12個のティース24を有するとともに、複数のスロット25として12個のスロット25を有している。
【0016】
ヨーク23は、円筒状である。各ティース24は、ヨーク23の内周面からステータコア21の径方向内側に延出している。複数のティース24は、ヨーク23の周方向において間隔を空けて配置されている。各スロット25は、ヨーク23の周方向に隣り合うティース24の間に位置する空間である。ティース24とスロット25は、ヨーク23の周方向において交互に並んでいる。
【0017】
コイル22は、ティース24に集中巻きで巻回されている。コイル22の一部は、スロット25を通過している。なお、ステータコア21とコイル22との間、及び異なる相のコイル22の間は、図示しない絶縁部材によって絶縁されている。
【0018】
<ロータの構成>
ロータ12は、筒状のロータコア26と、複数の永久磁石Mとを有している。本実施形態のロータ12は、複数の永久磁石Mとして14個の永久磁石Mを有している。
【0019】
ロータコア26は、円筒状である。ロータコア26の内側には、回転軸13が挿通されている。回転軸13は、ロータコア26に固定されている。回転軸13は、ロータ12と一体的に回転する。
【0020】
複数の永久磁石Mは、ロータコア26の周方向に並んでいる。永久磁石Mの形状は、全ての永久磁石Mで同じである。各永久磁石Mは、S極磁石又はN極磁石である。S極磁石は、ロータコア26の径方向における永久磁石Mの外側部位にS極が存在するとともに、ロータコア26の径方向における永久磁石Mの内側部位にN極が存在する磁石である。N極磁石は、ロータコア26の径方向における永久磁石Mの外側部位にN極が存在するとともに、ロータコア26の径方向における永久磁石Mの内側部位にS極が存在する磁石である。つまり、S極磁石の磁化方向とN極磁石の磁化方向は、互いに異なっている。S極磁石とN極磁石は、ロータコア26の周方向において交互に配置されている。本実施形態では、14個の永久磁石Mのうち、S極磁石及びN極磁石は各7個である。
【0021】
本実施形態では、複数の永久磁石Mは、ロータコア26の外周面に配置されている。本実施形態のロータ12は、ロータ12の表面に永久磁石Mが配置されたSPM(Surface Permanent Magnet)型のロータである。各永久磁石Mにおいてロータコア26の外周面と対向する面は、ロータコア26の外周面に沿うように湾曲している。また、各永久磁石Mにおいてロータコア26の外周面と対向する面とは反対側の面は、ロータコア26の径方向外側に向けて凸となるように湾曲している。
【0022】
スロット25の数Sは、S=6aに設定されている。なお、aは、2以上の自然数である。言い換えると、スロット25の数Sは、12以上の6の倍数に設定されている。また、一般に、q=スロット25の数S/(ロータ12の極数×コイル22の相数)としたとき、qが分数かつq<1/2となる回転電機を分数スロットの回転電機という。上述したように、本実施形態のステータ11は、3相12スロットのステータである。本実施形態のロータ12は、14極(7極対)のロータである。したがって、本実施形態の回転電機10は、q=12/(14×3)=2/7である分数スロットの回転電機である。
【0023】
複数の永久磁石Mについて、角度θv[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石とする。ここで、角度θv[°]は、S/6の最小の素因数をZとしたとき、θv=(360/S)×3×Z[°]と表される。なお、S/6=6a/6=aであるため、Pはaの最小の素因数ともいえる。各グループに属する永久磁石Mの数は、全てのグループで同じである。
【0024】
本実施形態では、スロット25の数S=12である。このため、S/6=2、Z=2、θv=(360/12)×3×2=180[°]である。したがって、本実施形態の14個の永久磁石Mについて、180[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石とする。
【0025】
14個の永久磁石Mを第1~第14磁石M1~M14とする。第1~第14磁石M1~M14は、ロータコア26の周方向において時計回りにこの順で並んでいる。
第8磁石M8は、第1磁石M1に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第1磁石M1及び第8磁石M8は、同じグループに属する永久磁石である。第1磁石M1及び第8磁石M8が属するグループを第1グループとする。第9磁石M9は、第2磁石M2に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第2磁石M2及び第9磁石M9は、同じグループに属する永久磁石である。第2磁石M2及び第9磁石M9が属するグループを第2グループとする。第10磁石M10は、第3磁石M3に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第3磁石M3及び第10磁石M10は、同じグループに属する永久磁石である。第3磁石M3及び第10磁石M10が属するグループを第3グループとする。第11磁石M11は、第4磁石M4に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第4磁石M4及び第11磁石M11は、同じグループに属する永久磁石である。第4磁石M4及び第11磁石M11が属するグループを第4グループとする。第12磁石M12は、第5磁石M5に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第5磁石M5及び第12磁石M12は、同じグループに属する永久磁石である。第5磁石M5及び第12磁石M12が属するグループを第5グループとする。第13磁石M13は、第6磁石M6に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第6磁石M6及び第13磁石M13は、同じグループに属する永久磁石である。第6磁石M6及び第13磁石M13が属するグループを第6グループとする。第14磁石M14は、第7磁石M7に対して180[°]ずれた位置に配置されている。したがって、第7磁石M7及び第14磁石M14は、同じグループに属する永久磁石である。第7磁石M7及び第14磁石M14が属するグループを第7グループとする。
【0026】
複数のグループのうち、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なっている。なお、表面磁束は、磁束密度に面積を乗算したものである。永久磁石Mの形状が全ての永久磁石Mで同じ場合、面積は全ての永久磁石Mで同じである。したがって、永久磁石Mの形状が全ての永久磁石Mで同じ場合、複数のグループのうち、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの磁束密度が異なっていれば、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なっているといえる。また、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで同じである。
【0027】
本実施形態では、第1~第7グループのうち、第1グループにおいて、永久磁石Mの磁束密度が異なっている。第2~第7グループでは、同じグループに属する永久磁石Mの磁束密度は同じである。具体的には、第1グループに属する第1磁石M1の磁束密度B1は1.3[Wb/m2]であるのに対し、第8磁石M8の磁束密度B8は1.1[Wb/m2]である。第2~第7磁石M2~M7の磁束密度B2~B7及び第9~第14磁石M9~M14の磁束密度B9~B14はそれぞれ、1.2[Wb/m2]である。
【0028】
上述したように、本実施形態では、永久磁石Mの形状は、全ての永久磁石Mで同じである。したがって、本実施形態では、第1~第7グループのうち、第1グループにおいて、永久磁石Mの表面磁束が異なっている。第2~第7グループでは、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は同じである。具体的には、各永久磁石Mの表面積をA[m2]としたとき、第1磁石M1の表面磁束φ1は1.3A[Wb]である。第8磁石M8の表面磁束φ8は1.1A[Wb]である。第2~第7磁石M2~M7の表面磁束φ2~φ7及び第9~第14磁石M9~M14の表面磁束φ9~φ14はそれぞれ、1.2A[Wb]である。
【0029】
第1グループに属する第1磁石M1の表面磁束φ1と第8磁石M8の表面磁束φ1との合計値Φ1は1.4A[Wb]である。第2グループに属する第2磁石M2の表面磁束φ2と第9磁石M9の表面磁束φ9との合計値Φ2は1.4A[Wb]である。第3グループに属する第3磁石M3の表面磁束φ3と第10磁石M10の表面磁束φ10との合計値Φ3は1.4A[Wb]である。第4グループに属する第4磁石M4の表面磁束φ4と第11磁石M11の表面磁束φ11との合計値Φ4は1.4A[Wb]である。第5グループに属する第5磁石M5の表面磁束φ5と第12磁石M12の表面磁束φ12との合計値Φ5は1.4A[Wb]である。第6グループに属する第6磁石M6の表面磁束φ6と第13磁石M13の表面磁束φ13との合計値Φ6は1.4A[Wb]とする。第7グループに属する第7磁石M7の表面磁束φ7と第14磁石M14の表面磁束φ14との合計値Φ7は1.4A[Wb]である。したがって、Φ1=Φ2=Φ3=Φ4=Φ5=Φ6=Φ7である。つまり、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、第1~第7グループの各グループで同じである。
【0030】
<<回転電機の製造方法>>
回転電機10の製造方法は、取得工程と配置工程とを有している。
<取得工程>
取得工程は、回転電機10に使用される複数の永久磁石Mのそれぞれについて磁束密度又は表面磁束を取得する工程である。本実施形態では、作業者が14個の永久磁石Mのそれぞれについて磁束密度を測定することで、各永久磁石Mの磁束密度を取得する。本実施形態では、14個の永久磁石Mのうち、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mが1個、1.2[Wb/m2]の永久磁石Mが12個、1.3[Wb/m2]の永久磁石Mが1個という結果が得られる。
【0031】
<配置工程>
配置工程は、取得工程において取得した永久磁石Mの磁束密度又は表面磁束に基づいて、複数の永久磁石Mを配置する工程である。上述したように、複数の永久磁石Mについて、S/6の最小の素因数をZとしたとき、(360/S)×3×Z[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石とする。配置工程では、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束が異なり、かつ同じグループに属する永久磁石Mの合計値が各グループで同じになるように、複数の永久磁石Mを配置する。
【0032】
具体的には、複数の永久磁石Mの磁束密度又は表面磁束の平均値よりも磁束密度又は表面磁束の大きい永久磁石Mと、当該平均値よりも磁束密度又は表面磁束の小さい永久磁石Mとが同じグループに属するように、複数の永久磁石Mを配置する。これにより、複数のグループのうち、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束が異なる。また、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで同じになる。
【0033】
本実施形態では、14個の永久磁石Mの磁束密度の平均値は、1.2[Wb/m2]である。このため、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mは、磁束密度が平均値よりも小さい永久磁石である。1.3[Wb/m2]の永久磁石Mは、磁束密度が平均値よりも大きい永久磁石である。したがって、本実施形態では、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mと1.3[Wb/m2]の永久磁石Mとが同じグループに属するように、永久磁石Mを配置する。具体的には、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mと1.3[Wb/m2]の永久磁石Mとが第1グループに属するように、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mを第1磁石M1として配置するとともに1.3[Wb/m2]の永久磁石Mを第8磁石M8として配置する。そして、1.2[Wb/m2]の永久磁石Mを第2~第7磁石M2~M7、及び第9~第14磁石M9~M14として配置する。その結果、第1グループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なる。また、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、第1~第7グループの各グループで同じになる。
【0034】
本実施形態の作用について説明する。
分数スロットではない場合、ティース24と対向する永久磁石Mの組み合わせは、各電気角周期で同じである。このため、永久磁石Mの表面磁束がばらついていても、鎖交磁束としては電気角周期毎に変化しない。
【0035】
一方、分数スロットの場合、ティース24と対向する永久磁石Mの組み合わせは、電気角周期毎に異なる。このため、従来の回転電機では、永久磁石Mの表面磁束がばらついていると、鎖交磁束は電気角周期毎に変化する。その結果、機械角1周期の間においてトルクの値が電気角毎に異なることにより、コギングトルクの脈動が発生する。
【0036】
なお、ロータ12が5n極の場合には、電気角5周期で機械角1周期となるため、ティース24と対向する永久磁石Mの組み合わせは5パターン存在する。したがって、機械角1周期の間に電気角5周期に対応する脈動が発生する。ロータ12が7n極の場合には、電気角7周期で機械角1周期となるため、ティース24と対向する永久磁石Mの組み合わせは7パターン存在する。したがって、機械角1周期の間に電気角7周期に対応する脈動が発生する。
【0037】
図2は、比較例1におけるトルクの時間変化を示すグラフである。比較例1は、第1磁石M1の磁束密度が、第2~第14磁石M2~M14のそれぞれの磁束密度よりも高い場合である。この場合、上述したように、機械角1周期の間に電気角5周期に対応する脈動が発生する。
【0038】
図3は、比較例2におけるトルクの時間変化を示すグラフである。比較例2は、第1磁石M1及び第8磁石M8のそれぞれの磁束密度が、第2~第7磁石M2~M7及び第9~第14磁石M9~M14のそれぞれの磁束密度よりも高い場合である。この場合も、比較例1と同様、機械角1周期の間に電気角7周期に対応する脈動が発生する。また、第1磁石M1の磁束密度だけでなく、第8磁石M8の磁束密度も、第2~第7磁石M2~M7及び第9~第14磁石M9~M14のそれぞれの磁束密度よりも高いため、電気角周期毎の鎖交磁束の差は比較例1よりも大きくなる。したがって、コギングトルクの脈動は、比較例1よりも顕著になっている。
【0039】
図4は、本実施形態におけるトルクの時間変化を示すグラフである。本実施形態では、配置工程において、複数の永久磁石Mの磁束密度の平均値よりも磁束密度が高い永久磁石Mと、平均値よりも磁束密度が低い永久磁石Mとが同じグループに属するように、複数の永久磁石Mを配置している。このため、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なっている。また、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで同じになっている。したがって、永久磁石Mの表面磁束がばらついていても、鎖交磁束としては電気角周期毎に同じになるため、電気角周期毎の鎖交磁束の差は小さくなる。よって、コギングトルクの脈動が低減される。
【0040】
第1実施形態の効果について説明する。
(1)複数の永久磁石Mについて、S/6の最小の素因数をZとしたとき、θv=(360/S)×3×Z[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石Mとする。少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なっている。同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで同じになっている。これにより、鎖交磁束は電気角周期毎に同じになるため、電気角周期毎の鎖交磁束の差は小さくなる。よって、コギングトルクの脈動を低減できる。
【0041】
(2)例えば、全ての永久磁石Mの表面磁束が同じである場合には、コギングトルクの脈動は最も低減される。しかしながら、この場合には、永久磁石Mの製造上発生する、他の永久磁石Mよりも表面磁束の大きい又は小さい永久磁石Mを使用することができない。これに対し、本実施形態では、永久磁石Mの表面磁束がばらついていても、永久磁石Mの配置を工夫することによって、コギングトルクの脈動を低減している。したがって、他の永久磁石Mよりも表面磁束が大きい又は小さい永久磁石Mを使用しつつ、コギングトルクの脈動を低減できる。
【0042】
[第2実施形態]
以下、回転電機、及び回転電機の製造方法を具体化した第2実施形態を
図5にしたがって説明する。なお、ロータ12以外の構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0043】
図5に示すように、ロータコア26は、複数の磁石挿通孔27を有している。複数の磁石挿通孔27は、ロータコア26の周方向に並んでいる。各磁石挿通孔27は、ロータコア26を軸方向に貫通している。磁石挿通孔27は、S極磁石が挿通されるS極磁石挿通孔、又はN極磁石が挿通されるN極磁石挿通孔である。S極磁石挿通孔とN極磁石挿通孔とは、ロータコア26の周方向において交互に並んでいる。
【0044】
各磁石挿通孔27は、2つの挿通孔構成部27aから構成されている。2つの挿通孔構成部27aは、ロータコア26の周方向において並んでいる。本実施形態では、2つの挿通孔構成部27aはV字状に配置されている。詳しくは、ロータコア26の周方向における2つの挿通孔構成部27aの距離は、ロータコア26の径方向外側に向かうにつれて長くなっている。
【0045】
各永久磁石Mは、2つの磁石構成体Maから構成されている。各磁石構成体Maは、平板状である。各磁石構成体Maの磁化方向は、各磁石構成体Maの板厚方向と一致している。各磁石構成体Maは、挿通孔構成部27aに挿通されている。したがって、本実施形態のロータ12は、ロータコア26の内部に永久磁石Mが埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnet)型のロータである。
【0046】
2つの磁石構成体Maは、磁石挿通孔27に挿通されることにより、ロータコア26の周方向に並んでいる。また、本実施形態では、2つの磁石構成体Maは、磁石挿通孔27に挿通されることにより、V字状に配置されている。詳しくは、ロータコア26の周方向における2つの磁石構成体Maの距離は、ロータコア26の径方向外側に向かうにつれて長くなっている。S極磁石を構成する2つの磁石構成体Maは、S極同士がロータコア26の周方向に向かい合うように配置されている。N極磁石を構成する2つの磁石構成体Maは、N極同士がロータコア26の周方向に向かい合うように配置されている。
【0047】
第2実施形態は、各永久磁石Mが2つの磁石構成体Maから構成されている点では第1実施形態と異なるものの、複数の永久磁石Mの配置については、第1実施形態と同じである。つまり、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束は異なっている。また、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで同じである。
【0048】
第2実施形態では、「同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束が異なる」は、永久磁石Mを構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束が、同じグループに属する他の永久磁石Mを構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束と異なっている場合を含む。すなわち、同じグループに属する永久磁石Mを構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束が異なっていれば、同じグループに属する永久磁石Mを構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束の合計値は同じでもよい。
【0049】
例えば、第1磁石M1を構成する2つの磁石構成体Maのそれぞれの表面磁束が1.3A[Wb]である場合、第1磁石M1を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束の合計値は2.6A[Wb]である。また、第8磁石M8を構成する2つの磁石構成体Maのそれぞれの磁束密度が1.1A[Wb]である場合、第8磁石M8を構成する2つの磁石構成体Maの磁束密度の合計値は2.2A[Wb]である。この場合は、当然、第1グループに属する第1磁石M1の表面磁束と第8磁石M8の表面磁束は異なるといえる。
【0050】
他の例として、第1磁石M1を構成する2つの磁石構成体Maのうち、一方の磁石構成体Maの表面磁束が1.3A[Wb]、他方の磁石構成体Maの表面磁束が1.1A[Wb]であるとする。この場合、第1磁石M1を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束の合計値は2.4A[Wb]である。また、第8磁石M8を構成する2つの磁石構成体Maのうち、一方の磁石構成体Maの表面磁束が1.3A[Wb]であるとともに、他方の磁石構成体Maの表面磁束が1.1A[Wb]であるとする。この場合、第8磁石M8を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束の合計値は2.4A[Wb]である。この場合、第1磁石M1を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束の合計値は、第8磁石M8を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束の合計値と同じである。しかしながら、第1磁石M1を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束は、第8磁石M8を構成する2つの磁石構成体Maの表面磁束と異なっている。したがって、第1グループに属する第1磁石M1の表面磁束と第8磁石M8の表面磁束は異なっている場合に含まれる。
【0051】
第2実施形態では、第1実施形態の効果(1),(2)と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0052】
○ スロット25の数Sが12以上の6の倍数であり、かつqが分数かつq<1/2である分数スロットの回転電機であれば、ロータ12の極数、スロット25の数S、及びコイル22の相数は適宜変更されてもよい。
【0053】
例えば、回転電機10は、3相18スロットのステータ11と、16極のロータ12とを備えていてもよい。この場合、q=18/(16×3)=3/8である。また、S/6=3、Z=3であるため、θv=(360/18)×3×3=180[°]となる。16個の永久磁石Mについて、180[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石Mとする。したがって、16個の永久磁石Mは、8つのグループに分けられる。各グループには、2つの永久磁石Mが属する。そして、16個の永久磁石Mは、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束が異なり、かつ同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値が8グループ全てで同じになるように配置されている。
【0054】
例えば、回転電機10は、3相24スロットのステータ11と、20極のロータ12とを備えていてもよい。この場合、q=24/(20×3)=2/5である。また、S/6=4、Z=2であるため、θv=(360/24)×3×2=90[°]となる。20個の永久磁石Mについて、90[°]毎に配置される永久磁石Mを同じグループに属する永久磁石Mとする。したがって、20個の永久磁石Mは、5つのグループに分けられる。各グループには、4つの永久磁石Mが属する。そして、20個の永久磁石Mは、少なくとも1つのグループにおいて、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束が異なり、かつ同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値が5グループ全てで同じになるように配置されている。
【0055】
○ 上記実施形態において、1.1[Wb/m2]の永久磁石M及び1.3[Wb/m2]の永久磁石Mは、同じグループに属するように配置されていれば、第1グループ以外の他のグループに配置されていてもよい。
【0056】
○ 複数の永久磁石Mの表面磁束又は磁束密度の平均値よりも表面磁束又は磁束密度が大きい永久磁石Mの数、及び複数の永久磁石Mの表面磁束又は磁束密度の平均値よりも表面磁束又は磁束密度が小さい永久磁石Mの数は1個ずつでなくてもよい。ただし、複数の永久磁石Mの表面磁束又は磁束密度の平均値よりも表面磁束又は磁束密度が大きい永久磁石Mの数と小さい永久磁石Mの数は同数であるのが好ましい。
【0057】
例えば、14個の永久磁石Mのうち、1.2[Wb/m2]の永久磁石Mが10個、1.0[Wb/m2]、1.1[Wb/m2]、1.3[Wb/m2]、1.4[Wb/m2]の永久磁石Mが各1個であってもよい。この場合、次のように永久磁石Mを配置する。
【0058】
14個の永久磁石Mの磁束密度の平均値は、1.2[Wb/m2]である。このため、1.0[Wb/m2]の永久磁石M、及び1.1[Wb/m2]の永久磁石Mは、磁束密度が平均値よりも低い永久磁石Mである。1.3[Wb/m2]の永久磁石M、及び1.4[Wb/m2]の永久磁石Mは、磁束密度が平均値よりも高い永久磁石Mである。したがって、磁束密度が最も低い1.0[Wb/m2]の永久磁石Mと、磁束密度が最も高い1.4[Wb/m2]の永久磁石Mとは、同じグループに属するように配置される。磁束密度が2番目に低い1.1[Wb/m2]の永久磁石Mと、磁束密度が2番目に高い1.3[Wb/m2]の永久磁石Mとは、同じグループに属するように配置される。1.2[Wb/m2]の永久磁石Mは、同じグループに属するように配置される。
【0059】
具体的には、1.0[Wb/m2]の永久磁石Mが第1磁石M1として配置された場合、1.4[Wb/m2]の永久磁石Mは第8磁石M8として配置される。1.1[Wb/m2]の永久磁石Mが第9磁石M9として配置された場合、1.3[Wb/m2]の永久磁石Mは第2磁石M2として配置される。さらに、1.2[Wb/m2]の各永久磁石Mは、第3~第6磁石M3~M6、第10~第14磁石M10~M14として配置される。
【0060】
例えば、14個の永久磁石Mのうち、1.1[Wb/m2]、1.3[Wb/m2]の永久磁石Mが各7個であってもよい。この場合、次のように永久磁石Mを配置する。
14個の永久磁石Mの磁束密度の平均値は、1.2[Wb/m2]である。このため、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mは、磁束密度が平均値よりも小さい永久磁石Mである。1.3[Wb/m2]の永久磁石Mは、磁束密度が平均値よりも大きい永久磁石Mである。したがって、14個の永久磁石Mは、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mと1.3[Wb/m2]の永久磁石Mとが同じグループに属するように配置される。例えば、1.1[Wb/m2]の永久磁石Mは、第1~第7磁石M1~M7として配置される。1.3[Wb/m2]の永久磁石Mは、第8~第14磁石M8~M14として配置される。
【0061】
○ 同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値は、各グループで完全に同じでなくてもよい。「同じグループに属する永久磁石の表面磁束の合計値は、各グループで同じである」は、コギングトルクの脈動が許容される範囲内において、同じグループに属する永久磁石の表面磁束の合計値が各グループで若干異なっている場合も含む。例えば、各永久磁石Mの表面磁束に関係なく永久磁石Mをランダムに配置した場合の「同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値」のばらつき(標準偏差)よりも、本発明の様に、同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値を揃えるように永久磁石Mをグループ分けして配置した場合の「同じグループに属する永久磁石Mの表面磁束の合計値」のばらつき(標準偏差)が小さくなっていればよい。
【0062】
○ ヨーク23は、円筒状でなくてもよい。ヨーク23は、例えば、多角筒状であってもよい。
○ ロータコア26は、円筒状でなくてもよい。ロータコア26は、例えば、多角筒状であってもよい。
【0063】
○ 第2実施形態において、2つの磁石構成体Maは、ロータコア26の周方向に並んでいれば、V字状に配置されていなくてもよい。
○ 取得工程において、複数の永久磁石Mのそれぞれについて、磁束密度の代わりに表面磁束を測定してもよい。
【0064】
○ 取得工程において、予め作成された各永久磁石Mの磁束密度又は表面磁束のデータを入手することで、複数の永久磁石Mのそれぞれについて磁束密度を取得してもよい。
【符号の説明】
【0065】
10…回転電機、11…ステータ、12…ロータ、21…ステータコア、22…コイル、23…ヨーク、24…ティース、25…スロット、26…ロータコア、M…永久磁石、Ma…磁石構成体。