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2023-149051情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149051
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231005BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057390
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】521511313
【氏名又は名称】株式会社one building
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】金田 真聡
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
5L049CC29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】建物の設立の段階において、どれくらいの費用が必要となるのか知ることができる情報処理システム、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】サーバ装置が、ネットワークを介して、クライアント装置又は建物の情報取得装置と通信可能な情報処理システムにおいて、サーバ装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を有する。制御部110は、建物の建設に関する建設情報を取得し、建設情報と、建物の維持のための金額又は周期に関する第1の参照情報とに基づいて、建物の生涯に生じるライフサイクルパラメータを出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を有し、
前記制御部は、
建物の建設に関する建設情報を取得し、
前記建設情報と、前記建物の維持のための金額又は周期に関する第1の参照情報とに基づいて、前記建物の生涯に生じるライフサイクルパラメータを出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記建設情報は、前記建物の建設の見積もりを示す工事内訳書情報及び建設される前記建物の図面に関する建設図面情報の少なくとも一方である、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の参照情報は、前記建物の更新又は修繕のための金額及び周期に関する情報である、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記建設情報は、前記建物の建設に要する部材及び前記部材の量に関する部材情報を含み、
前記制御部は、
前記部材情報と、前記第1の参照情報とに基づいて、前記ライフサイクルパラメータを取得する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記建設情報に含まれる文字データを解析することにより、前記部材情報を取得する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記ライフサイクルパラメータは、前記建物の生涯の保全に生じる保全費用又は前記建物の生涯の保全に生じる運用に要する運用費用を含み、
前記制御部は、
前記建物の保全又は運用に関する実績状況情報を取得し、
前記実績状況情報と、第2の参照情報とに基づいて、前記ライフサイクルパラメータを出力し、ここで、前記第2の参照情報は、過去の前記実績状況情報に基づいて取得した前記保全費用又は前記運用費用に関する情報である、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記実績状況情報には、前記建物の建築管理、設備管理、環境衛生管理、清掃管理若しくは保安警備の状況、又は前記建物での電気、水、ガス若しくは油の使用の状況に関する情報が含まれる、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の参照情報は、過去の前記実績状況情報に基づいて取得した修繕費用及び更新費用を含み、
前記制御部は、
過去のライフサイクルパラメータと、前記第2の参照情報との値の差に基づいて、将来のライフサイクルパラメータを出力する、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項6~請求項8の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記建物に設置されたセンサから前記実績状況情報を取得する、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記ライフサイクルパラメータをグラフの態様で表示させる、
情報処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記グラフに含まれる前記ライフサイクルパラメータの一部を強調して表示させる、
情報処理システム。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記ライフサイクルパラメータは、前記建物についての生涯に要するコストの理論値を含み、
前記制御部は、
ユーザによって設定される前記コストである計画値と、前記建物について実際に発生した前記コストである実績値とを取得し、
前記理論値と、前記計画値と、前記実績値とを一覧性を有した状態で共に表示させる、
情報処理システム。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記建物を示す図面に重畳された前記ライフサイクルパラメータを表示させる、
情報処理システム。
【請求項14】
請求項1~請求項13の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記建物の価値に関する価値パラメータを取得し、
前記ライフサイクルパラメータと、前記価値パラメータとに基づいて、前記建物への投資の効果を出力する、
情報処理システム。
【請求項15】
請求項1~請求項14の何れか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の参照情報は、部材毎のCOの排出量に関する情報を含み、
前記制御部は、
前記建設情報から前記建物の建設に要する部材及び前記部材の量に関する部材情報を取得し、
前記部材情報と、前記第1の参照情報とに基づいて、前記ライフサイクルパラメータを出力し、ここで、前記ライフサイクルパラメータは、前記建物の生涯に生じるCOの排出量である、
情報処理システム。
【請求項16】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項15の何れか1つに記載の情報処理システムの制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
情報処理方法であって、
建物の建設に関する情報に関する建設情報を取得し、
前記建設情報と、前記建物の維持のための金額又は周期に関する第1の参照情報とに基づいて、前記建物の生涯に生じるライフサイクルパラメータを取得する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来に開示の技術において、各公物を点検した結果に基づいて、修繕対象の修繕計画を立案する修繕計画立案システムに関する技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2015/029170公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年において、建物の建設の段階において、どれくらいの費用が必要となるのか知ることができる技術が求められている。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、建物の設立の段階において、どれくらいの費用が必要となるのか知ることができる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を有する。制御部は、建物の建設に関する建設情報を取得する。建設情報と、建物の維持のための金額又は周期に関する第1の参照情報とに基づいて、建物の生涯に生じるライフサイクルパラメータを出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図2】サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】クライアント装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】情報処理システム1000によって実行される理論ライフサイクルコスト及び計画ライフサイクルコストを取得するための情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図5】情報処理システム1000によって実行される実績ライフサイクルコストを取得するための情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】更新費用及び修繕費用の理論ライフサイクルコストを取得する方法を示す図の一例である。
図7】ライフサイクルコストを示す画面400の一例である。
図8】ライフサイクルコストを示す他の画面400の一例である。
図9】ライフサイクルCOを算出する流れを示す図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
[実施形態1]
1.システム構成
まず、図1を参照しながら本実施形態の情報処理システム1000のシステム構成について説明する。
【0013】
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1が示すように、情報処理システム1000は、サーバ装置100と、クライアント装置200と、建物300と、ネットワークNとを含む。サーバ装置100は、ネットワークNを介して、クライアント装置200又は建物300の情報取得装置と通信可能に構成される。これにより、サーバ装置100は、各コンピュータと相互に様々な情報を送信又は受信することができる。なお、サーバ装置100、クライアント装置200及び建物300の情報取得装置は、情報処理装置の一例であり、本実施形態に限定されるものではない。すなわち、サーバ装置100、クライアント装置200及び建物300の情報取得装置は、PC(Personal Computer)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等の何れであってもよい。また、建物300は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものである。
【0014】
2.ハードウェア構成
次に、図2及び図3を参照しながら本実施形態のサーバ装置100及びクライアント装置200のハードウェア構成について説明する。
【0015】
2.1.サーバ装置100のハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、サーバ装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130とを有し、これらの構成要素がサーバ装置100の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。サーバ装置100は、実施形態に係る処理を実行する。
【0016】
制御部110は、サーバ装置100に関連する全体動作の処理及び制御を行う。制御部110は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部110が、記憶部120に記憶された所定のプログラムを読み出し、プログラムに基づき処理を実行することによって、サーバ装置100に係る種々の機能、例えば、後述する図4及び図5に示される処理が実現される。すなわち、このプログラムは、コンピュータに、情報処理システムの制御部として機能させるためのプログラムである。なお、制御部110は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部110を有するように実施してもよい。また、それらの組合せであってもよい。
【0017】
記憶部120は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部110によって実行されるサーバ装置100に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部120は、制御部110によって実行されるサーバ装置100に係る種々のプログラム、変数及び制御部110がプログラムに基づき処理を実行する際に用いるデータ等を記憶している。記憶部120は、記憶媒体の一例である。
【0018】
通信部130は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G/4G/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置100は、通信部130を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0019】
2.2.クライアント装置200のハードウェア構成
図3は、クライアント装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されるように、クライアント装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、入力部240と、出力部250とを有し、これらの構成要素がクライアント装置200の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。クライアント装置200は、実施形態に係る処理を実行する。クライアント装置200の制御部210、記憶部220及び通信部230については、サーバ装置100の制御部110、記憶部120及び通信部130を参照されたい。
【0020】
入力部240は、クライアント装置200の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。例えば、入力部240は、出力部250と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することが可能である。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部240がユーザによってなされた操作に基づく入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バスを介して制御部210に転送され、制御部210が必要に応じて所定の制御又は演算を実行しうる。
【0021】
出力部250は、クライアント装置200の表示部として機能することが可能である。出力部250は、例えば、クライアント装置200の筐体に含まれてもよいし、外付けされてもよい。出力部250は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、クライアント装置200の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0022】
2.3.建物300の情報取得装置のハードウェア構成
建物300の情報取得装置は、制御部と、記憶部と、通信部と、取得部とを有し、これらの構成要素が情報取得装置の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。情報取得装置は、主に、通信部とネットワークNを介して、実績状況情報をサーバ装置100に送信する。情報取得装置の制御部、記憶部及び通信部については、サーバ装置100の制御部110、記憶部120及び通信部130を参照されたい。取得部は、建物300の実績状況情報を取得する。ここで、実績状況情報は、建物300の修繕、更新、保全又は運用の状況に関する情報である。ここで、修繕は、建築・設備機器の修理改良等であり、更新は、建築・設備機器の法定耐用年数毎の更新交換工事である。また、ここで、保全とは、建物300の建築管理、設備管理、環境衛生管理、清掃管理、保安警備等であり、運用とは、建物300での電気、水、ガス、油等の使用である。
【0023】
3.情報処理システム1000の動作の流れ
次に図4図9を用いて、情報処理システム1000の動作の流れについて説明をする。
【0024】
3.1 情報処理の概要
まず、図4及び図5を用いて、情報処理システム1000の情報処理の概要について説明する。図4は、情報処理システム1000によって実行される理論ライフサイクルコスト及び計画ライフサイクルコストを取得するための情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0025】
[理論ライフサイクルコストの取得]
まず、図4のアクティビティA1~A8を示しながら、理論ライフサイクルコストを取得する方法を説明する。ライフサイクルコストとは、建物300の生涯に生じる費用のことであり、例えば、ライフサイクルコストは、建物300の修繕に生じる修繕費用と、建物300の生涯の更新に生じる更新費用と、建物300の生涯の保全に生じる保全費用と、建物300の生涯の保全に生じる運用に要する運用費用との少なくとも1つを含む。ライフサイクルコストは、ライフサイクルパラメータの一例である。
【0026】
(アクティビティA1)
まず、クライアント装置200の制御部210は、ユーザによる入力部240の操作を介して、建設情報T1の入力を受け付ける。ここで建設情報T1とは、建物300の建設に関する情報である。建設情報T1については、図6を用いて後に詳述する。
【0027】
(アクティビティA2)
続いて、クライアント装置200の制御部210は、ユーザによる入力部240の操作を介して、理論ライフサイクルコストの取得の指示を受け付ける。ここで、理論ライフサイクルコストは、建物300の設立時に予測される、建物300についての生涯に要するコストの理論値である。例えば、理論ライフサイクルコストは、建物300の計画・設計・施工から、その建物300の維持管理、最終的な解体・廃棄までに要する費用の総額である。理論ライフサイクルコストは、ライフサイクルパラメータの一例である。
【0028】
(アクティビティA3・A4)
続いて、クライアント装置200の制御部210は、理論ライフサイクルコストの取得の指示を受け付けた場合、通信部230及びネットワークNを介して、理論ライフサイクルコストの取得の指示及び建設情報T1をサーバ装置100に送信する。また、サーバ装置100の制御部110は、ネットワークN及び通信部130を介して、理論ライフサイクルコストの取得の指示及び建設情報T1をクライアント装置200から受け付ける。
【0029】
(アクティビティA5)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、理論ライフサイクルコストの取得の指示及び建設情報T1を受け付けた場合、建設情報T1と、第1の参照情報T3とに基づいて、建物300の生涯に生じる理論ライフサイクルコストを取得する。ここで、第1の参照情報T3は、記憶部120内に予め記憶されている情報であり、建物300の維持のための金額及び周期に関する情報である。詳しくは、図6を用いて後に詳述する。
【0030】
(アクティビティA6・A7)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、通信部130及びネットワークNを介して、理論ライフサイクルコストを含む画面情報をクライアント装置200に送信する。また、クライアント装置200の制御部210は、ネットワークN及び通信部230を介して、理論ライフサイクルコストを含む画面情報をサーバ装置100から受け付ける。
【0031】
(アクティビティA8)
続いて、クライアント装置200の制御部210は、理論ライフサイクルコストを含む画面情報を受け付けた場合、出力部250に理論ライフサイクルコストを含む画面情報を表示させる。ここで、制御部210は、理論ライフサイクルコストをグラフの態様で表示させる。表示されるグラフについては、図7及び図8を用いて後に詳述する。
【0032】
[ライフサイクルコストの計画値の取得]
次に、図4のアクティビティA9~A14を示しながら、計画ライフサイクルコストを取得する方法を説明する。
【0033】
(アクティビティA9)
続いて、クライアント装置200の制御部210は、ユーザによる入力部240の操作を介して、計画情報の入力を受け付ける。ここで、計画情報とは、建物300の修繕、更新、保全又は運用の計画に関する情報である。
【0034】
(アクティビティA10・A11)
続いて、クライアント装置200の制御部210は、通信部230及びネットワークNを介して、計画情報をサーバ装置100に送信する。また、A11において、サーバ装置100の制御部110は、ネットワークN及び通信部130を介して、計画情報をクライアント装置200から受け付ける。
【0035】
(アクティビティA12)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、計画情報を受け付けた場合、理論ライフサイクルコストと、ユーザによって計画される計画情報とに基づいて、計画ライフサイクルコストを取得する。ここで、計画ライフサイクルコストとは、ユーザにより計画された建物300の修繕、更新、保全又は運用に基づいて設定されるコストの計画値である。計画ライフサイクルコストは、ライフサイクルパラメータの一例である。
【0036】
(アクティビティA13・A14)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、通信部130及びネットワークNを介して、計画ライフサイクルコストを含む画面情報をクライアント装置200に送信する。また、クライアント装置200の制御部210は、ネットワークN及び通信部230を介して、計画ライフサイクルコストを含む画面情報をサーバ装置100から受け付ける。
【0037】
(アクティビティA15)
続いて、クライアント装置200の制御部210は、計画ライフサイクルコストを含む画面情報を受け付けた場合、出力部250に計画ライフサイクルコストを含む画面情報を表示させる。このとき、画面情報には、理論ライフサイクルコストの情報が更に含まれてもよい。すなわち、制御部210は、計画ライフサイクルコストと、理論ライフサイクルコストとを、一覧性を有した状態で共に出力部250を表示させてもよい。
【0038】
[実績ライフサイクルコストの取得]
次に、図5のアクティビティA101~A111を示しながら、実績ライフサイクルコストを取得する方法を説明する。図5は、情報処理システム1000によって実行される実績ライフサイクルコストを取得するための情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0039】
(アクティビティA101~A103)
まず、クライアント装置200の制御部210は、ユーザによる入力部240の操作を介して、実績ライフサイクルコストの取得指示の入力を受け付ける。クライアント装置200の制御部210は、通信部230及びネットワークNを介して、実績ライフサイクルコストの取得の指示をサーバ装置100に送信する。また、サーバ装置100の制御部110は、ネットワークN及び通信部130を介して、実績ライフサイクルコストの取得の指示をクライアント装置200から受け付ける。
【0040】
(アクティビティA104~A107)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、実績ライフサイクルコストの取得の指示を受け付けた場合、通信部130及びネットワークNを介して、修繕、更新、保全又は運用の状況に関する実績状況情報の要求を建物300の情報取得装置に送信する。情報取得装置の制御部は、ネットワークN及び情報取得装置の通信部を介して、実績状況情報の要求のサーバ装置100から受け付ける。情報取得装置の制御部は、通信部及びネットワークNを介して、実績状況情報をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100の制御部110は、ネットワークN及び通信部130を介して、実績状況情報を建物300の情報取得装置から取得する。情報取得装置は、例えば、センサである。
【0041】
(アクティビティA108)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、実績状況情報に基づいて、実績ライフサイクルコストを取得する。ここで、実績ライフサイクルコストは、これまでに要した建物300の修繕費用、更新費用、保全費用、運用費用等のコストの実績値である。実績ライフサイクルコストは、ライフサイクルパラメータの一例である。更に、制御部110は、実績状況情報と、記憶部120内に記憶されている費用第2の参照情報とに基づいて、理論ライフサイクルコストを取得してもよい。ここで、費用第2の参照情報は、過去の実績状況情報に基づいて取得した修繕費用、更新費用、保全費用及び運用費用のうち少なくとも1つを含む。また、制御部110は、過去に予測された理論ライフサイクルコストと、実績ライフサイクルコストである費用第2の参照情報との値に差があった場合、過去に予測された理論ライフサイクルコストと、実績ライフサイクルコストである第2の参照情報との値に差に基づいて、将来の理論ライフサイクルコストを出力する。具体的には、回帰分析、人工知能等により、将来の理論ライフサイクルコストを取得する方法の精度を向上させる。
【0042】
(アクティビティA109・A110)
続いて、サーバ装置100の制御部110は、実績ライフサイクルコストを含む画面情報を受け付けた場合、通信部130及びネットワークNを介して、実績ライフサイクルコストを含む画面情報をクライアント装置200に送信する。A20において、クライアント装置200の制御部210は、ネットワークN及び通信部230を介して、実績ライフサイクルコストを含む画面情報をサーバ装置100から受け付ける。
【0043】
(アクティビティA111)
最後に、クライアント装置200の制御部210は、入力部240に実績ライフサイクルコストを含む画面情報を表示させる。このとき、画面情報には、理論ライフサイクルコスト及び計画ライフサイクルコストの情報が更に含まれてもよい。すなわち、制御部210は、実績ライフサイクルコストと、理論ライフサイクルコストと、計画ライフサイクルコストとを、一覧性を有した状態で共に出力部250を表示させてもよい。
【0044】
以上をまとめると、本実施形態の情報処理方法は、建物の建設に関する情報に関する建設情報を取得する。情報処理方法は、建設情報と、建物の維持のための金額又は周期に関する第1の参照情報とに基づいて、建物の生涯に生じるライフサイクルパラメータを取得する。
【0045】
本実施形態によれば、建物の設立の段階において、どれくらいの費用が必要となるのか知ることができる。また、費用の見積もりには多大な時間を要しないため、処理能力の劣るコンピュータを用いた場合であっても、問題なく正解のパラメータを取得することができる。更に、従来よりも処理能力の劣るコンピュータが使用できるため、安価に最適化が実行できる。
【0046】
3.2 情報処理の詳細
次に、上記概説された情報処理の詳細部分を説明する。
【0047】
図6は、更新費用及び修繕費用の理論ライフサイクルコストを取得する方法を示す図の一例である。図6には、建設情報T1と、解析建設情報T2と、第1の参照情報T3と、計算建設情報T4とが含まれる。建設情報T1は、建物300の建設の詳細を含む情報である。建設情報T1は、建物300の建設の見積もりを示す工事内訳書情報及び建設される建物300の図面に関する建設図面情報の少なくとも一方である。例えば、建設情報T1は、建物300の建設の見積もりを示す工事内訳書情報であり、工事内訳書、工事見積書、工事費内訳書、工事費明細書等とも称される。また、例えば、建設情報T1は、建設される建物300の図面に関する建設図面情報であり、BIM(Building Information Modeling)、CAD、3D CAD等の三次元又はニ次元の図面等である。ここで、建設情報T1は、建物300の建設に要する部材及び部材の量に関する部材情報の示唆を含む。例えば、建設情報T1は、その建物300の建設に20mのコンクリートを要する、10mのボードを要する等を示唆する情報を含む。解析建設情報T2は、建設情報T1を基に部材情報が特定された情報である。第1の参照情報T3は、部材毎の更新又は修繕のための金額及び周期に関する情報である。ここで、金額に関する情報は、更新に要する単位量あたりの費用に関する係数である更新単価係数と、修繕に要する単位量あたりの費用に関する係数である修繕単価係数とを含む。また、周期に関する情報は、更新に要する周期である更新周期と、修繕に要する周期である修繕周期を含む。なお、建設情報T1(すなわち、解析建設情報T2)又は第1の参照情報T3の何れかに、部材の単価の情報も含まれる。計算建設情報T4は、部材情報毎にライフサイクルコストが計算された情報である。
【0048】
すなわち、サーバ装置100の制御部110は、建設情報T1に含まれる文字データを解析することにより、解析建設情報T2を取得する。解析建設情報T2は、部材情報を含む。制御部110は、部材情報を含む解析建設情報T2と、第1の参照情報T3とに基づいて、理論ライフサイクルコストが計算された計算建設情報T4を取得する。例えば、制御部110は、解析建設情報T2、第1の参照情報T3、以下数1及び以下の数2を用いることにより、部材毎の将来の修繕費用及び更新費用を取得する。制御部110は、すべての部材の将来の修繕費用及び更新費用を積算したコストを、理論ライフサイクルコストとする。これにより、建設段階の情報から、ライフサイクルコストを取得することができる。なお、修繕費用の算出にあたって、一部の箇所のみを修繕する場合、数量係数が更に掛けられることがある。
【0049】
(数1)
修繕費用=部材の単価×修繕単価係数×数量×修繕回数
【0050】
(数2)
更新費用=部材の単価×更新単価係数×数量×更新回数
【0051】
図7は、ライフサイクルコストを示す画面400の一例である。図7の画面400は、ライフサイクルコストが表示される画面である。画面400は、更新費用表示ボタン401と、修繕費用表示ボタン402と、保全費用表示ボタン403と、運用費用表示ボタン404と、合計費用表示ボタン405と、各年費用領域410と、合計費用情報415と、費用詳細表示領域420とを含む。ここで表示されるライフサイクルコストは、理論ライフサイクルコスト、計画ライフサイクルコスト又は実績ライフサイクルコストの何れであってもよいし、それらの組合せであってもよい。
【0052】
更新費用表示ボタン401は、画面400中の更新費用オブジェクト411を表示にするか又は非表示にするかを切り替えるためのボタンである。例えば、サーバ装置100の制御部110は、更新費用オブジェクト411が表示中の状態で、ユーザにより更新費用表示ボタン401が選択されたことを受け付けた場合、画面400中の更新費用オブジェクト411を非表示にするように画面情報を生成する。一方で、サーバ装置100の制御部110は、更新費用オブジェクト411が非表示にされている状態で、ユーザにより更新費用表示ボタン401が選択されたことを受け付けた場合、画面400中の更新費用オブジェクト411を表示させるように画面情報を生成する。その後、クライアント装置200の制御部210は、出力部250に画面情報を表示させる。修繕費用表示ボタン402、保全費用表示ボタン403、運用費用表示ボタン404及び合計費用表示ボタン405についても同様である。これにより、更新費用、修繕費用、保全費用、運用費用及び合計費用を視認しやすい態様で表示させることができる。
【0053】
各年費用領域410は、その年の建物300の維持に要する各費用が積み上げ棒グラフの態様で表示される領域である。各年費用領域410には、更新費用オブジェクト411と、修繕費用オブジェクト412と、保全費用オブジェクト413と、運用費用オブジェクト414とが積み上げられて表示される。更新費用オブジェクト411は、その年の更新に要する費用が棒グラフの態様で示されるオブジェクトである。また、更新費用オブジェクト411は、選択可能に構成され、選択されることにより費用詳細表示領域420又は図8に示す更新箇所表示領域430を表示させてもよい。すなわち、サーバ装置100の制御部110は、ユーザにより更新費用オブジェクト411が選択されたことを受け付けた場合、費用詳細表示領域420又は図8に示す更新箇所表示領域430を含む画面情報を生成する。他の観点によれば、制御部110は、グラフに含まれるライフサイクルパラメータの一部を強調して表示させる。その後、クライアント装置200の制御部210は、出力部250に画面情報を表示させる。修繕費用オブジェクト412、保全費用オブジェクト413及び運用費用オブジェクト414についても同様である。これにより、更新費用、修繕費用、保全費用、運用費用及び合計費用の詳細を視認しやすい態様で表示させることができる。
【0054】
費用詳細表示領域420は、費用の内訳が更に表示される領域である。費用詳細表示領域420は、費用の内訳が工事の種類別に表示される領域である。費用詳細表示領域420には、工事の種類毎に、更新・修繕の優先度が、A~C等のランク形式で表示されてもよい。また、サーバ装置100の制御部110は、費用詳細表示領域420の内訳が選択されることにより、図8で後述する更新箇所表示領域430を示しながら、選択された内訳の建物300の対応箇所を示す画面情報を生成してもよい。これにより、ライフサイクルコストの詳細を確認することができる。
【0055】
図8は、ライフサイクルコストを示す他の画面400の一例である。図7と比較して、図8の画面400には、費用詳細表示領域420の代わりに更新箇所表示領域430が表示されている。更新箇所表示領域430は、建物300の中のどの箇所に費用が発生しているかを示す領域である。例えば、更新箇所表示領域430には、BIM等から三次元の建物300のデータが表示され、更にそのデータ上にライフサイクルコストが重畳して表示される。ここで、更新箇所表示領域430には、部屋ごとに、その部屋のライフサイクルコストが表示されてもよい。すなわち、サーバ装置100の制御部110は、建物300を示す図面に重畳してライフサイクルパラメータを表示させる。これにより、ライフサイクルコストが建物300のどの箇所に対応しているのか確認することができる。
【0056】
[その他]
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0057】
以下に示す態様により、ライフサイクルCOを取得してもよい。図9は、ライフサイクルCOを算出する流れを示す図の一例である。図9に示すように、サーバ装置100の制御部110は、以下流れに従ってライフサイクルCOを見積もる。すなわち、制御部110は、建物300の外皮性能及び空調負荷の計算を行う。次いで、制御部110は、建物300の空調設備、換気設備、給湯設備、照明設備、家電その他の設備の性能を取得する。制御部110は、建物300の外皮性能及び空調負荷並びに建物300の空調設備、換気設備、給湯設備、照明設備及び家電その他の設備から二次エネルギー消費量を算定する。制御部110は、この二次エネルギー消費量に一次エネルギー換算係数を掛けることで、一次エネルギー消費量を取得する。制御部110は、この一次エネルギー消費量にCO排出量換算係数を掛けることで、CO排出量を取得する。更に、制御部110は、検討年数で積算し、運用過程で生じる改修・設備等更新に掛かるCO排出量を計上することで、ライフサイクルCOを算出する。ここで、ライフサイクルCOは、建物300が生涯において発生させるCOの量であり、ライフサイクルパラメータの一例である。これにより、建物300が生涯において発生させるCOの量を見積もることができる。
【0058】
また、以下に示す態様により、ライフサイクルCOを取得してもよい。すなわち、サーバ装置100の制御部110は、建設情報から建物300の建設に要する部材の種類及び部材の量に関する部材情報を取得する。制御部110は、部材情報と、第1の参照情報とに基づいて、前記建物300の生涯に生じるCOの排出量であるライフサイクルCOを取得する。ここで、第1の参照情報は、部材毎の部材が生涯において発生させるCOの排出量に関する情報を含む。これにより、建物300が生涯において発生させるCOの量を見積もることができる。
【0059】
また、以下に示す態様により、建物300の投資対効果を取得してもよい。すなわち、サーバ装置100の制御部110は、建物300の価値に関する価値パラメータを取得する。制御110部は、ライフサイクルパラメータと、価値パラメータとに基づいて、建物300の投資対効果を取得する。ここで、価値パラメータとは、その建物300の家賃収入の見込み、その建物300の売値等のその建物300の価値を表す指標である。価値パラメータには、路線価、地価等も含まれてもよい。また、投資の効果は、投資に関連する指標であってもよい。投資の効果は、例えば、ROI(Return On Investmen)、IRR(Internal Rate of Return)、NOI(Net Operating Income)等である。また、ROIを使用する場合、ライフサイクルコストを投資額として計算する。IRR(Internal Rate of Return)を使用する場合、修繕費用や更新費用等は、現在価値に割り引いて計算する。これにより、建物300の投資の効果を見積もることができる。
【0060】
また、上記した実施形態では、サーバ装置100が画面情報を生成し、クライアント装置200に表示するよう説明を行った。しかし、サーバ装置100は、画面情報を表示するためのデータをクライアント装置200に送信する。クライアント装置200は、サーバ装置100から受信したデータに基づいて画面情報を生成等し、表示するようにしてもよい。
【0061】
また、上記した実施形態では、サーバ装置100が主に処理を行うものとして説明した。しかし、クライアント装置200がアプリケーションをインストールし、クライアント装置200とサーバ装置100とが連携して上記したような処理を実行するようにしてもよい。
【0062】
更に、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0063】
(2)前記情報処理システムにおいて、前記建設情報は、前記建物の建設の見積もりを示す工事内訳書情報及び建設される前記建物の図面に関する建設図面情報の少なくとも一方である、情報処理システム。
【0064】
このような構成によれば、建物の設立の段階において取得する情報を基にどのくらいの費用が必要となるのかを知ることができる。
【0065】
(3)前記情報処理システムにおいて、前記第1の参照情報は、前記建物の更新又は修繕のための金額及び周期に関する情報である、情報処理システム。
【0066】
このような構成によれば、建物の設立の段階において、更新又は修繕のための金額及び周期に関する情報を基に、どのくらいの費用が必要となるのかを知ることができる。
【0067】
(4)前記情報処理システムにおいて、前記建設情報は、前記建物の建設に要する部材及び前記部材の量に関する部材情報を含み、前記制御部は、前記部材情報と、前記第1の参照情報とに基づいて、前記ライフサイクルパラメータを取得する、情報処理システム。
【0068】
このような構成によれば、建物の設立の段階において、前記建物の建設に要する部材及び部材の量に関する部材情報を基に、どのくらいの費用が必要となるのかを知ることができる。
【0069】
(5)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記建設情報に含まれる文字データを解析することにより、前記部材情報を取得する、情報処理システム。
【0070】
このような構成によれば、建設情報に含まれる部材情報をより効率的に取得することができる。
【0071】
(6)前記情報処理システムにおいて、前記ライフサイクルパラメータは、前記建物の生涯の保全に生じる保全費用又は前記建物の生涯の保全に生じる運用に要する運用費用を含み、前記制御部は、前記建物の保全又は運用に関する実績状況情報を取得し、前記実績状況情報と、第2の参照情報とに基づいて、前記ライフサイクルパラメータを出力し、ここで、前記第2の参照情報は、過去の前記実績状況情報に基づいて取得した前記保全費用又は前記運用費用に関する情報である、情報処理システム。
【0072】
このような構成によれば、建物の保全又は運用の状況に基づいて、将来要する保全費用又は運用費用を取得することができる。
【0073】
(7)前記情報処理システムにおいて、前記実績状況情報には、前記建物の建築管理、設備管理、環境衛生管理、清掃管理若しくは保安警備の状況、又は前記建物での電気、水、ガス若しくは油の使用の状況に関する情報が含まれる、情報処理システム。
【0074】
このような構成によれば、将来要する保全費用又は運用費用に関する情報をより具体的に取得することができる。
【0075】
(8)前記情報処理システムにおいて、前記第2の参照情報は、過去の前記実績状況情報に基づいて取得した修繕費用及び更新費用を含み、前記制御部は、過去のライフサイクルパラメータと、前記第2の参照情報との値の差に基づいて、将来のライフサイクルパラメータを出力する、情報処理システム。
【0076】
このような構成によれば、将来要する更新費用、修繕費用、保全費用又は運用費用をより正確に取得することができる。
【0077】
(9)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記建物に設置されたセンサから前記実績状況情報を取得する、情報処理システム。
【0078】
このような構成によれば、建物から直接情報を取得することができる。
【0079】
(10)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記ライフサイクルパラメータをグラフの態様で表示させる、情報処理システム。
【0080】
このような構成によれば、わかりやすい態様でライフサイクルパラメータをユーザが視認することができる。
【0081】
(11)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記グラフに含まれる前記ライフサイクルパラメータの一部を強調して表示させる、情報処理システム。
【0082】
このような構成によれば、よりわかりやすい態様でライフサイクルパラメータをユーザが視認することができる。
【0083】
(12)前記情報処理システムにおいて、前記ライフサイクルパラメータは、前記建物についての生涯に要するコストの理論値を含み、前記制御部は、ユーザによって設定される前記コストである計画値と、前記建物について実際に発生した前記コストである実績値とを取得し、前記理論値と、前記計画値と、前記実績値とを一覧性を有した状態で共に表示させる、情報処理システム。
【0084】
このような構成によれば、理論ライフサイクルコストを基にユーザが計画を立てることができる。
【0085】
(13)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記建物を示す図面に重畳された前記ライフサイクルパラメータを表示させる、情報処理システム。
【0086】
このような構成によれば、よりわかりやすい態様でライフサイクルパラメータをユーザが視認できる。
【0087】
(14)前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記建物の価値に関する価値パラメータを取得し、前記ライフサイクルパラメータと、前記価値パラメータとに基づいて、前記建物への投資の効果を出力する、情報処理システム。
【0088】
このような構成によれば、建物の投資対効果を予測することができる。
【0089】
(15)前記情報処理システムにおいて、前記第1の参照情報は、部材毎のCOの排出量に関する情報を含み、前記制御部は、前記建設情報から前記建物の建設に要する部材及び前記部材の量に関する部材情報を取得し、前記部材情報と、前記第1の参照情報とに基づいて、前記ライフサイクルパラメータを出力し、ここで、前記ライフサイクルパラメータは、前記建物の生涯に生じるCOの排出量である、情報処理システム。
【0090】
このような構成によれば、建物が環境に与える影響を予測することができる。
【0091】
(16)プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムの制御部として機能させるためのプログラム。
【0092】
(17)情報処理方法であって、建物の建設に関する情報に関する建設情報を取得し、前記建設情報と、前記建物の維持のための金額又は周期に関する第1の参照情報とに基づいて、前記建物の生涯に生じるライフサイクルパラメータを取得する、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【0093】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
1 :情報処理システム
100 :サーバ装置
110 :制御部
120 :記憶部
130 :通信部
200 :クライアント装置
210 :制御部
220 :記憶部
230 :通信部
240 :入力部
250 :出力部
300 :建物
400 :画面
401 :更新費用表示ボタン
402 :修繕費用表示ボタン
403 :保全費用表示ボタン
404 :運用費用表示ボタン
405 :合計費用表示ボタン
410 :年費用領域
411 :更新費用オブジェクト
412 :修繕費用オブジェクト
413 :保全費用オブジェクト
414 :運用費用オブジェクト
415 :合計費用情報
420 :費用詳細表示領域
430 :更新箇所表示領域
1000 :情報処理システム
N :ネットワーク
T1 :建設情報
T2 :解析建設情報
T3 :第1の参照情報
T4 :計算建設情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9