(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149064
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】灯具及び照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/125 20200101AFI20231005BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20231005BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20231005BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231005BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231005BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231005BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B45/10
H05B47/13
F21S2/00 311
F21V23/00 115
F21V23/00 113
F21V8/00 200
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057419
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森住 剛
(72)【発明者】
【氏名】北野 博史
(72)【発明者】
【氏名】西森 泰輔
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA01
3K273PA03
3K273PA04
3K273PA05
3K273PA06
3K273QA16
3K273RA13
3K273RA16
3K273SA02
3K273SA03
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA35
3K273SA37
3K273SA45
3K273SA46
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA30
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273UA21
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】灯具に接続する電源線を設けることなく電力を必要とする構成要素を設けることが可能な灯具及び照明システムを提供する。
【解決手段】灯具3は、光分配部32と、光電変換部33と、光出力部34と、を備える。光分配部32は、レーザ光源1から出射された第1光L1を第2光L2と第3光L3とに分配する。光電変換部33は、第2光L2を光電変換する。光出力部34は、第3光L3の少なくとも一部を含む照明光L5を外部空間へ出射させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源から出射された第1光を第2光と第3光とに分配する光分配部と、
前記第2光を光電変換する光電変換部と、
前記第3光の少なくとも一部を含む照明光を外部空間へ出射させる光出力部と、を備える、
灯具。
【請求項2】
前記第3光により励起されて前記第3光の波長よりも長波長の第4光を発光する波長変換部を更に備え、
前記照明光は、前記第4光を更に含む、
請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記光電変換部の出力によって蓄電される蓄電池を含む電源部と、
前記光分配部での前記第2光と前記第3光との分配比を制御する制御部と、を更に備え、
前記制御部は、前記電源部から給電される、
請求項1又は2に記載の灯具。
【請求項4】
人感センサを更に備え、
前記人感センサは、前記電源部から給電され、
前記制御部は、前記人感センサの検知結果に基づいて前記照明光を調整する、
請求項3に記載の灯具。
【請求項5】
前記第1光の強度を検出するセンサを更に備え、
前記センサは、前記電源部から給電され、
前記制御部は、前記センサによる検出強度が閾値未満の場合には前記照明光の出射を停止させる、
請求項3に記載の灯具。
【請求項6】
前記光電変換部の出力によって蓄電される蓄電池を含む電源部と、
前記光分配部での前記第2光と前記第3光との分配比を制御する制御部と、
前記波長変換部から出射される光の強度を検出するセンサと、を更に備え、
前記センサは、前記電源部から給電され、
前記制御部は、前記センサによる検出強度が閾値未満の場合には前記光出力部からの前記照明光の出射を停止させる、
請求項2に記載の灯具。
【請求項7】
温度センサを更に備え、
前記温度センサは、前記電源部から給電され、
前記制御部は、前記温度センサによる検出温度が閾値を超えた場合には前記光出力部からの前記照明光の出射を停止させる、
請求項3に記載の灯具。
【請求項8】
前記照明光による照明エリアを撮像することで画像を生成する画像センサを更に備え、
前記画像センサは、前記電源部から給電され、
前記制御部は、前記画像センサにより生成された画像に基づいて前記照明光を調整する、
請求項3に記載の灯具。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の灯具と、
前記レーザ光源と、を備える、
照明システム。
【請求項10】
前記レーザ光源から出射された前記第1光を前記灯具へ伝搬する光ファイバを更に備える、
請求項9に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、灯具及び照明システムに関し、より詳細には、照明光を出射する灯具、及び、灯具を備える照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、照明システムを開示している。特許文献1に開示された照明システムは、光源装置と、導光部材と、灯具と、を備える。光源装置は、レーザ光を出射する。レーザ光は、導光部材の第1端に入射し、導光部材の内部を通って、導光部材の第2端から出射する。第2端から出射したレーザ光は、灯具の波長変換部材で波長変換光に変換され、波長変換光の殆どは、照明光として灯具から照明空間に照射される。波長変換光の一部は、信号光として導光部材の第2端に入射し、信号光は、導光部材の内部を通って、導光部材の第1端から出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された灯具は、電力を必要とする構成要素を備えていない。
【0005】
本開示の目的は、灯具に接続する電源線を設けることなく電力を必要とする構成要素を設けることが可能な灯具及び照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る一態様の灯具は、光分配部と、光電変換部と、光出力部と、を備える。前記光分配部は、レーザ光源から出射された第1光を第2光と第3光とに分配する。前記光電変換部は、前記第2光を光電変換する。前記光出力部は、前記第3光の少なくとも一部を含む照明光を外部空間へ出射させる。
【0007】
本開示に係る一態様の照明システムは、上記一態様に係る灯具と、前記レーザ光源と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の灯具及び照明システムでは、灯具に接続する電源線を設けることなく電力を必要とする構成要素を設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態2に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態3に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【
図4】
図4は、実施形態4に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【
図5】
図5は、実施形態5に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【
図6】
図6は、実施形態6に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【
図7】
図7は、実施形態7に係る灯具を備える照明システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の実施形態1~7等において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
以下では、実施形態1に係る灯具3及び照明システム10について
図1に基づいて説明する。
【0012】
(1)概要
実施形態1に係る灯具3は、光分配部32と、光電変換部33と、光出力部34と、を備える。光分配部32は、レーザ光源1から出射された第1光L1を第2光L2と第3光L3とに分配する。光電変換部33は、第2光L2を光電変換する。光出力部34は、第3光L3の少なくとも一部を含む照明光L5を外部空間へ出射させる。照明システム10は、例えば、レーザ光源1と、灯具3と、を備える。灯具3は、対象空間S1を照明する用途に使用される。対象空間は、例えば、施設内の空間である。施設は、例えば、オフィスビルである。施設は、例えば、戸建て住宅、集合住宅、店舗、美術館、ホテル、工場、スタジアム、空港等であってもよい。
【0013】
(2)詳細
以下、灯具3及び照明システム10について、より詳細に説明する。
【0014】
灯具3は、上述のように、光分配部32と、光電変換部33と、光出力部34と、を備える。また、灯具3は、光入力部31と、制御部35と、電源部36と、通信部46と、灯具本体30と、を更に備える。灯具3では、光分配部32、光電変換部33、光出力部34、制御部35、電源部36及び通信部46は、灯具本体30に収容されている。制御部35及び通信部46は、電源部36から給電される。
【0015】
照明システム10は、レーザ光源1と、灯具3と、を備える。照明システム10は、光ファイバ2を更に備える。また、照明システム10は、レーザ光源1を駆動する駆動回路11と、駆動回路11を制御する制御装置12と、を更に備える。照明システム10では、駆動回路11には、例えば、電源回路から電源電圧が供給される。電源回路は、照明システム10の構成要素に含まれないが、これに限らず、含まれてもよい。
【0016】
レーザ光源1から出射される第1光L1は、白色光である。レーザ光源1は、例えば、青色光(レーザ光)を出射する半導体レーザを含む。半導体レーザは、例えば、GaN系半導体レーザである。半導体レーザから出射されるレーザ光のピーク波長は、例えば、440nm以上480nm以下の範囲内にある。レーザ光源1は、例えば、半導体レーザから出射された青色光を白色光に変換する波長変換部と、波長変換部から出射された白色光をコリメートするレンズと、を含む。レーザ光源1から出射される第1光L1は、レンズから出射される白色光である。レーザ光源1は、波長変換部を備える構成に限らず、例えば、赤色光を出射する赤色半導体レーザと、緑色光を出射する緑色半導体レーザと、青色光を出射する青色半導体レーザと、赤色光と緑色光と青色光とを混色させる光学系と、を含み、赤色光と緑色光と青色光との混色光からなる白色光を第1光L1として出射する構成でもよい。
【0017】
光ファイバ2は、コアと、クラッドと、被覆部と、を有する。クラッドは、コアの外周面を覆っている。被覆部は、クラッドの外周面を覆っている。コアは、第1端面と、第1端面とは反対側の第2端面と、を有する。コアに関し、光軸方向に直交する断面形状は、円形状である。クラッドは、コアと同軸状に配置されている。コアの材料は、透光性材料である。透光性材料は、例えば、フッ化物、酸化物、又は窒化物のいずれかである。フッ化物は、例えば、フッ化物ガラスである。酸化物は、酸化ケイ素、石英等である。クラッドの屈折率は、コアの屈折率よりも小さい。被覆部は、クラッドの外周面を覆っている。被覆部の材料は、例えば、樹脂である。
【0018】
光ファイバ2では、コアの直径は、例えば、20μm~1000μmである。光ファイバ2の長さは、例えば、1m~100mである。光ファイバ2は、コアの直径が20μm未満になると、レーザ光源1の光を光ファイバ2に高効率で結合することが難しくなる。また、光ファイバ2は、コアの直径が1000μmを超えると、光ファイバ2を小さい曲げ半径で曲げることが難しくなり、取り扱い上の制限が大きくなる。
【0019】
光ファイバ2は、長さ方向の第1端と、第1端とは反対側の第2端と、を有する。光ファイバ2の第1端は、レーザ光源1からの第1光L1が入射する入射端面(コアの第1端面)を含む。光ファイバ2の第2端は、入射端面から入射して光ファイバ2内を伝搬した光が出射する出射端面(コアの第2端面)を含む。光ファイバ2の第1端は、例えば、光ファイバコネクタ等によってレーザ光源1に接続される。これにより、光ファイバ2のコアは、レーザ光源1に光結合される。光ファイバ2の第2端は、例えば、灯具3の光入力部31に接続される。これにより、光ファイバ2のコアは、灯具3の光入力部31に光結合される。光入力部31は、灯具本体30に設けられていればよく、灯具本体30に収容されていてもよいし、灯具本体30から露出していてもよい。
【0020】
灯具3の光入力部31は、例えば、光ファイバコネクタを含む。灯具3では、レーザ光源1から出射されて光ファイバ2を伝搬して光ファイバ2の出射端面から出射した第1光L1が光入力部31に入射する。
【0021】
灯具3では、光入力部31に入射した第1光L1が光入力部31を通って光分配部32へ入射する。
【0022】
光分配部32は、レーザ光源1から出射された第1光L1を第2光L2と第3光L3とに分配する。光分配部32は、例えば、第1光L1の一部を第2光L2として反射し、残りの一部を第3光L3として透過するビームスプリッタを含む。ビームスプリッタは、第1光L1を第2光L2と第3光L3とに分ける。灯具3では、第1レーザ光源1から出射された第1光L1のうち光分配部32のビームスプリッタを透過した光が第2光L2であり、レーザ光源1から出射された第1光L1のうち光分配部32のビームスプリッタにおいて光出力部34側へ反射された光が第3光L3である。また、光分配部32は、上述のビームスプリッタが偏光ビームスプリッタであり、光入力部31と偏光ビームスプリッタとの間に位置している1/2波長板と、1/2波長板の光軸を中心として1/2波長板を回転させる駆動部と、を含む。駆動部は、電源部36から給電される。灯具3では、例えば、1/2波長板を回転させることにより、1/2波長板から出射する第1光L1のP偏光成分とS偏光成分との比を制御することができ、第2光L2と第3光L3との強度比を制御することができる。
【0023】
光電変換部33は、第2光L2を光電変換する。光電変換部33は、例えば、太陽電池又はフォトダイオードを含む。光電変換部33は、光起電力を発生可能である。光電変換部33は、第2光L2を受光した場合に光起電力を発生する。
【0024】
電源部36は、光電変換部33の出力によって蓄電される蓄電池を含む。電源部36は、制御部35に制御部35の動作用の電力を供給する。また、電源部36は、通信部46に通信部46の動作用の電力を供給する。
【0025】
光出力部34は、第3光L3の少なくとも一部を含む照明光L5を外部空間へ出射させる。光出力部34は、第3光L3の配光特性を照明光L5の配光特性に変換して対象空間に配光する光学系を含んでいてもよい。光学系は、レンズ、拡散板及び反射板の少なくとも1つを含む。
【0026】
制御部35は、光分配部32での第2光L2と第3光L3との分配比を制御する。制御部35は、外部装置(例えば、制御装置12)から与えられた信号(例えば、調光を指示する入力信号)に従って、光分配部32を制御する。これにより、制御部35は、光分配部32で分配される第2光L2と第3光L3との強度比を調整することができ、光出力部34から出射される照明光L5の調光が可能となる。制御部35は、通信部46を介して外部装置からの信号を取得する。
【0027】
制御部35は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部35としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0028】
制御装置12は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御装置12としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0029】
(3)まとめ
実施形態1に係る灯具3は、光分配部32と、光電変換部33と、光出力部34と、を備える。光分配部32は、レーザ光源1から出射された第1光L1を第2光L2と第3光L3とに分配する。光電変換部33は、第2光L2を光電変換する。光出力部34は、第3光L3の少なくとも一部を含む照明光L5を外部空間へ出射させる。
【0030】
実施形態1に係る灯具3によれば、灯具3に接続する電源線を設けることなく電力を必要とする構成要素(制御部35、通信部46等)を設けることが可能となる。より詳細には、実施形態1に係る灯具3は、灯具3の外部に配置された電源ユニットからの電源線を灯具3内に導入することなく、制御部35に電力を供給することが可能となる。よって、実施形態1に係る灯具3は、照明光L5を提供するエリアの設定の自由度が高く、施工も容易となる。実施形態1に係る照明システム10は、第1光L1として、指向性が高くてコヒーレンスが高い光(長距離の空間伝搬に適したビーム状の光)を用いる。また、照明システム10は、光源としてレーザ光源1を使用するので、第1光L1の指向性を高くでき、レーザ光源1を灯具3の設置場所からより遠くに配置することが可能となる。
【0031】
実施形態1に係る灯具3によれば、灯具3から離れて配置されるレーザ光源1からの第1光L1を第2光L2と第3光L3とに分配し、第3光L3の少なくとも一部を照明光L5として光出力部34から出射させる一方で、第2光L2を光電変換部33に入射させ光電変換部33で光起電力を発生させることが可能となる。要するに、実施形態1に係る灯具3は、照明光L5を出射しているときにも光電変換部33において光起電力を発生させることが可能となる。
【0032】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る灯具3及びそれを備える照明システム10について、
図2に基づいて説明する。実施形態2に係る灯具3及び照明システム10それぞれに関し、実施形態1に係る灯具3及び照明システム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
実施形態2に係る灯具3は、波長変換部37及び人感センサ38を備える点で、実施形態1に係る灯具3と相違する。また、実施形態2に係る照明システム10は、レーザ光源1から出射される第1光L1が青色光である点で、実施形態1に係る照明システム10と相違する。
【0034】
レーザ光源1は、例えば、青色光(レーザ光)を出射する半導体レーザを含む。半導体レーザは、例えば、GaN系半導体レーザである。半導体レーザから出射されるレーザ光のピーク波長は、例えば、440nm以上480nm以下の範囲内にある。レーザ光源1から出射される第1光L1は、半導体レーザから出射される青色光である。したがって、レーザ光源1から出射される第1光L1の波長は、半導体レーザから出射される光の波長と同じである。
【0035】
光分配部32で分配される第2光L2及び第3光L3は、第1光L1と同じ波長の青色光である。光分配部32は、ビームスプリッタ(偏光ビームスプリッタ)と、1/2波長板と、駆動部と、調光デバイス(液晶素子)と、を含んでいる。光分配部32では、液晶素子の透過率が変わることにより、第2光L2及び第3光L3の強度が変わる。
【0036】
波長変換部37は、第3光L3により励起されて第3光L3の波長よりも長波長の第4光L4を発光する。照明光L5は、第3光L3の一部と、第4光L4と、を含む。波長変換部37は、光分配部32と光出力部34との間に配置されている。
【0037】
波長変換部37は、第3光L3により励起されて第3光L3よりも長波長の光(例えば、黄色光)を発光する波長変換要素を含む。波長変換部37は、波長変換部37に入射した第3光L3によって波長変換部37の含む波長変換要素が励起され、黄色光を含む光を発する。この光は、500nm以上600nm以下の波長範囲全体にわたって光成分を有する蛍光である。
【0038】
波長変換部37は、例えば、透光性材料部と、蛍光体粒子と、を含む。この場合、波長変換部37は、透光性材料部と蛍光体粒子との混合体により形成されている。波長変換部37では、透光性材料部内に多数の蛍光体粒子が存在している。透光性材料部の材料(透光性材料)は、可視光に対する透過率が高い材料が好ましい。透光性材料は、例えば、シリコーン系樹脂である。「シリコーン系樹脂」とは、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂等である。蛍光体粒子としては、例えば、黄色の光を放射する黄色蛍光体粒子を採用することができる。黄色蛍光体粒子から放射される光(蛍光)は、例えば、530nm以上580nm以下の波長域にピーク波長がある発光スペクトルを有するのが好ましい。蛍光体粒子は、例えば、Ce
3+で付活されたY
3Al
5O
12:Ce
3+であるが、これに限らない。
図2Bは、発光波長445nmのレーザ光によってY
3Al
5O
12:Ce
3+を励起させたときに波長変換部37から出射される光のスペクトルの一例を示す。
【0039】
人感センサ38は、灯具本体30内に収容される。人感センサ38は、人感センサ38の検知エリア内の人を検知する。人感センサ38の検知エリアは、灯具3の照明エリアの少なくとも一部と重なる。人感センサ38は、例えば、人体からの赤外線を検知する赤外線式の人感センサである。人感センサ38は、電源部36から給電される。
【0040】
制御部35は、人感センサ38の検知結果に基づいて光分配部32を制御する。制御部35は、光分配部32の調光デバイスを制御することにより、第2光L2及び第3光L3を調光することができる。制御部35は、例えば、人感センサ38から人体検知信号を取得すると、第2光L2及び第3光L3の強度を低下させるように光分配部32を制御する。これにより、灯具3は、照明光L5の光量を低減することができる。
【0041】
実施形態2に係る灯具3は、光分配部32及び光電変換部33を備えるので、灯具3の外部から人感センサ38に電力を供給することなく人感センサ38を動作させることができ、人感センサ38から取得した情報に基づいて制御部35が光分配部32を制御することが可能となる。
【0042】
灯具3は、電源部36から給電される通信部を更に備えていてもよい。この場合、制御部35は、例えば、人感センサ38から人体検知信号を取得すると、通信部から、所定信号を、制御装置12へ送信させてもよい。実施形態2に係る照明システム10では、制御装置12が、灯具3の通信部(第1通信部)と通信可能な第2通信部を有しており、灯具3の通信部から所定信号を受信したときに、駆動回路11を制御することによって、レーザ光源1の出力を制御することが可能となる。
【0043】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る灯具3及びそれを備える照明システム10について、
図3に基づいて説明する。実施形態3に係る灯具3及び照明システム10それぞれに関し、実施形態2に係る灯具3及び照明システム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
実施形態3に係る灯具3は、実施形態2に係る灯具3における光分配部32である第1光分配部32の他に、第2光分配部39を備える点で、実施形態2に係る灯具3と相違する。また、実施形態3に係る灯具3は、実施形態2に係る灯具3における制御部35である第1制御部35の他に、第2制御部40を備え、実施形態2に係る灯具3における人感センサ38の代わりにセンサ41を備える点で、実施形態2に係る灯具3と相違する。また、実施形態3に係る灯具3は、通信部46を備える。
【0045】
第2光分配部39、第2制御部40、センサ41及び通信部46は、灯具本体30に収容されている。
【0046】
第2光分配部39は、光入力部31と第1光分配部32との間に位置している。第2光分配部39は、第1光L1の強度をセンサ41によりモニタするために、第1光L1の一部を光L6としてセンサ41へ分配する。第2光分配部39は、ビームスプリッタと、調光デバイス(液晶素子)と、を含んでいる。
【0047】
センサ41は、例えば、フォトダイオードを含む。センサ41の出力信号は、第2光分配部39からの光L6の受光光量に応じて変化する。
【0048】
第2制御部40は、第2光分配部39を制御する。第2制御部40は、センサ41の出力信号に基づいて第2光分配部39を制御する。例えば、第2制御部40は、センサ41の出力信号の信号レベルが閾値よりも低下した場合に、第2光分配部39から第1光分配部32へ分配される第1光L1の強度を低下させるように第2光分配部39の調光デバイスを制御する。
【0049】
実施形態3に係る灯具3は、第1光分配部32及び光電変換部33を備えるので、灯具3の外部からセンサ41に電力を供給することなくセンサ41を動作させることができ、センサ41の出力信号に基づいて第1制御部35が第1光分配部32を制御することが可能となる。第1制御部35は、センサ41による検出強度が閾値未満の場合には照明光L5の出射を停止させる制御を行ってもよい。
【0050】
実施形態3に係る照明システム10では、例えば、光ファイバ2の断線が発生した場合には、センサ41での受光量が低下する。第2制御部40は、センサ41の出力信号の信号レベルが閾値よりも低下した場合に、通信部46から制御装置12へ所定信号を送信させてもよい。制御装置12は、所定信号を受信したときに、駆動回路11によるレーザ光源1の駆動を停止させてもよい。これにより、照明システム10では、レーザ光源1から第1光L1が出射されることが停止され、灯具3では、照明光L5の出射が停止される。
【0051】
(実施形態4)
以下、実施形態4に係る灯具3及びそれを備える照明システム10について、
図4に基づいて説明する。実施形態4に係る灯具3及び照明システム10それぞれに関し、実施形態2に係る灯具3及び照明システム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
実施形態4に係る灯具3は、実施形態2に係る灯具3における光分配部32である第1光分配部32の他に、第2光分配部42を備え、実施形態2に係る灯具3における人感センサ38の代わりにセンサ41を備える点で、実施形態2に係る灯具3と相違する。また、実施形態4に係る灯具3は、通信部46を備える。
【0053】
第2光分配部42、センサ41及び通信部46は、灯具本体30に収容されている。
【0054】
第2光分配部42は、波長変換部37と光出力部34との間に位置している。第2光分配部42は、第4光L4の強度をセンサ41によりモニタするために、第4光L4の一部を光L7としてセンサ41へ分配する。
【0055】
センサ41は、例えば、フォトダイオードを含む。センサ41の出力信号は、第2光分配部42からの受光光量に応じて変化する。
【0056】
制御部35は、センサ41の出力信号に基づいて第1光分配部32を制御する。例えば、制御部35は、センサ41の出力信号の信号レベルが閾値よりも低下した場合に、第1光分配部32から波長変換部37へ分配される第3光L3の強度を低下させるように第1光分配部32を制御する。
【0057】
実施形態4に係る灯具3は、第1光分配部32及び光電変換部33を備えるので、灯具3の外部からセンサ41に電力を供給することなくセンサ41を動作させることができ、センサ41の出力信号に基づいて第1制御部35が第1光分配部32を制御することが可能となる。
【0058】
実施形態4に係る照明システム10では、例えば、センサ41の出力信号の信号レベルが閾値よりも低下した場合には、センサ41での受光量が低下する。制御部35は、センサ41の出力信号の信号レベルが閾値よりも低下した場合に、通信部46から、所定信号を、制御装置12へ送信させてもよい。実施形態4に係る照明システム10では、制御装置12が、灯具3の通信部46(第1通信部)と通信可能な第2通信部を有しており、灯具3の通信部46から所定信号を受信したときに、駆動回路11を制御することによって、レーザ光源1の出力を低下又は停止させることが可能となる。
【0059】
(実施形態5)
以下、実施形態5に係る灯具3及びそれを備える照明システム10について、
図5に基づいて説明する。実施形態5に係る灯具3及び照明システム10それぞれに関し、実施形態2に係る灯具3及び照明システム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
実施形態5に係る灯具3は、実施形態2に係る灯具3における光分配部32である第1光分配部32の他に、第2光分配部39aを備える点で、実施形態2に係る灯具3と相違する。また、実施形態5に係る灯具3は、実施形態2に係る灯具3における制御部35である第1制御部35の他に、第2制御部40を備え、実施形態2に係る灯具3における人感センサ38の代わりに温度センサ45を備える点で、実施形態2に係る灯具3と相違する。
【0061】
また、実施形態5に係る照明システム10は、灯具3を複数(図示例では、3つ)備えている。3つの灯具3は、同じ構成である。
【0062】
以下では、説明の便宜上、3つの灯具3を区別する場合に、3つの灯具3それぞれを、第1灯具3A、第2灯具3B及び第3灯具3Cと称することもある。第2灯具3Bの光入力部31には、第1灯具3Aの第2光分配部39aで第1光分配部32側とは異なる側へ分配された光が光ファイバ2(以下、第1光ファイバ2ともいう)とは別の第2光ファイバを介して入射する。第3灯具3Cの光入力部31には、第2灯具3Bの第2光分配部39aで第1光分配部32側とは異なる側へ分配された光が第3光ファイバを介して入射する。第3光ファイバは、第1光ファイバ2及び第2光ファイバとは異なる。
【0063】
複数の灯具3の各々では、第2光分配部39a、第2制御部40、温度センサ45及び通信部46は、灯具本体30に収容されている。
【0064】
複数の灯具3の各々では、第2光分配部39aは、光入力部31と第1光分配部32との間に位置している。第2光分配部39aは、第1光L1を、第1光分配部32と、他の灯具3と、に分配する。
【0065】
複数の灯具3の各々では、温度センサ45は、灯具本体30内の温度を検出する。灯具本体30内の温度は、例えば、波長変換部37、光電変換部33、電源部36等の温度変化によって変化する。
【0066】
複数の灯具3の各々では、第2制御部40は、第2光分配部39aを制御する。第2制御部40は、温度センサ45の出力信号に基づいて第2光分配部39aを制御する。例えば、複数の灯具3の各々では、第2制御部40は、温度センサ45の検出温度が所定温度よりも高くなった場合に、第2光分配部39aから第1光分配部32へ分配される第1光L1の強度を低下させるように第2光分配部39aを制御する。
【0067】
また、実施形態5に係る照明システム10では、制御装置12は、複数の灯具3を制御する。制御装置12と複数の灯具3の通信部46との間の通信は、無線通信である。複数の灯具3には、それぞれ個別の識別情報(固有アドレス)が設定されている。複数の灯具3は、それぞれ固有アドレスを記憶している記憶部を有している。制御装置12は、動作モードとして、例えば、複数の灯具3のうち2以上の灯具3を一括して同じ制御内容で制御する第1モード(一括制御モード)と、1又は2以上の灯具3をあらかじめ個々に設定した制御内容で制御する第2モード(パターン制御モード)と、複数の灯具3を個別に制御する第3モード(個別制御モード)と、を有している。制御装置12は、複数の灯具3それぞれの固有アドレスを記憶しているメモリを含んでいる。また、制御装置12は、第1モードのときに利用する一括制御用アドレスと、第2モードのときに利用するグループ制御アドレスと、を上述のメモリに記憶している。この場合、複数の灯具3の記憶部は、固有アドレスに加えて、グループ制御用アドレス、一括制御用アドレスを記憶している。
【0068】
制御装置12から各灯具3への制御信号は、制御対象の灯具3の固有アドレス、一括制御用アドレス又はグループ制御用アドレスに対応するアドレスデータと、制御対象の灯具3の制御内容(点灯、消灯、調光等)を示す制御データと、を含む。
【0069】
実施形態5に係る灯具3は、第1光分配部32及び光電変換部33を備えるので、灯具3の外部から温度センサ45に電力を供給することなく温度センサ45を動作させることができ、温度センサ45の出力信号に基づいて第1制御部35が第1光分配部32を制御することが可能となる。
【0070】
実施形態5に係る照明システム10では、例えば、温度センサ45の検出温度が所定温度よりも高くなった場合に、第1制御部35が、通信部46から所定信号を制御装置12へ送信させてもよい。これにより、実施形態5に係る照明システム10では、制御装置12が灯具3の通信部46から所定信号を受信したときに、駆動回路11を制御することによって、レーザ光源1の出力を制御することが可能となる。
【0071】
(実施形態6)
以下、実施形態6に係る灯具3及びそれを備える照明システム10について、
図6に基づいて説明する。実施形態6に係る灯具3及び照明システム10それぞれに関し、実施形態1に係る灯具3及び照明システム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
実施形態6に係る灯具3は、画像センサ47を備える点で、実施形態1に係る灯具3と相違する。画像センサ47は、灯具本体30内に収容される。画像センサ47は、電源部36から給電される。
【0073】
画像センサ47は、灯具3の照明エリアの少なくとも一部を撮像するカメラを含み、撮像エリア内に存在する対象物(例えば、人)に関連する情報を出力することができる。カメラにおける撮像素子は、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサである。撮像素子は、CMOSイメージセンサに限らず、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、赤外線イメージセンサ等でもよい。画像センサは、カメラで撮像して生成した画像に基づいて撮像エリア内の人等の状態を検出することができる。画像センサは、画像を画像処理することで人の特徴量を求めて人の状態を検出することができる。
【0074】
制御部35は、例えば、画像センサ47から取得した情報に基づいて光分配部32を制御する。画像センサ47から取得する情報としては、例えば、人の存否、人の数、人の動き等に関する情報を含み得る。
【0075】
実施形態6に係る灯具3は、灯具3の外部から画像センサ47に電力を供給することなく画像センサ47を動作させることができ、画像センサ47から取得した情報に基づいて制御部35が光分配部32を制御することが可能となる。
【0076】
(実施形態7)
以下、実施形態7に係る灯具3及びそれを備える照明システム10について、
図7に基づいて説明する。実施形態7に係る灯具3及び照明システム10それぞれに関し、実施形態1に係る灯具3及び照明システム10それぞれと同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
実施形態7に係る灯具3は、レーザ光源1から第1光L1がミラー7を介して光入力部31に入射する点で、実施形態1に係る灯具3と相違する。また、実施形態7に係る照明システム10は、実施形態1に係る照明システム10における光ファイバ2の代わりに、ミラーを備える点で、実施形態1に係る照明システム10と相違する。
【0078】
ミラー7は、レーザ光源1から離れて配置される。ミラー7は、レーザ光源1から出射されて空間を伝搬して入射した第1光L1を灯具3の光入力部31の光入射面へ向けて反射するように配置される。光入力部31は、例えば、ミラー7で反射された第1光L1を光分配部32へ向けて反射するミラーを含む。
【0079】
実施形態7に係る灯具3は、実施形態1に係る灯具3と同様、光分配部32と、光電変換部33と、を備えるので、電力を必要とする構成要素(制御部35)を設けることが可能となる。
【0080】
(その他の変形例)
上記の実施形態1~7等は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態1~7等は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0081】
例えば、実施形態2に係る照明システム10において、レーザ光源1は、青色のレーザ光を出射する半導体レーザに限らず、例えば、紫色のレーザ光を出射する半導体レーザであってもよい。この場合、実施形態2に係る灯具3における波長変換部37は、青色蛍光体粒子と、黄色蛍光体粒子と、緑色蛍光体粒子と、赤色蛍光体粒子と、を含むのが好ましい。
【0082】
また、実施形態2に係る灯具3における人感センサ38は、赤外線式の人感センサに限らず、超音波センサ、ドップラーセンサ、電波センサ等であってもよい。人感センサ38は、省電力化を図る観点では、焦電素子を備える赤外線式の人感センサであるのが好ましい。
【0083】
また、実施形態2~7に係る灯具3では、光出力部34は、灯具本体30の開口又は透光板であってもよい。
【0084】
また、実施形態1に係る灯具3は、灯具本体30内に照明エリアの照度を検出する照度センサを備えていてもよい。照度センサは、電源部36から給電される。制御部35は、照度センサによる検出照度に基づいて光分配部32を制御してもよい。また、制御部35は、照度センサによる検出照度に関する情報を制御装置12へ送信してもよい。この場合、制御装置12は、照度センサによる検出照度に関する情報に基づいて駆動回路11を制御してもよい。
【0085】
また、実施形態6に係る灯具3は、光出力部34が照明光L5の配光制御が可能な光学系を含んでおり、制御部35が光出力部34を制御することで照明光L5の配光角を変えるように構成されていてもよい。光学系は、例えば、波長変換部37からの光が入射するレンズと、波長変換部37とレンズとの間の距離を変える可動機構と、を含む。灯具3は、波長変換部37と出射レンズとの間の距離を変えることにより、照明光L5の配光角を変えることができ、照明エリアの広さを変えることができる。また、光出力部34は、照明光L5の照射方向を制御可能なミラーを含んでいてもよい。
【0086】
(態様)
以上説明した実施形態1~7等から本明細書には以下の態様が開示されている。
【0087】
第1の態様に係る灯具(3)は、光分配部(32)と、光電変換部(33)と、光出力部(34)と、を備える。光分配部(32)は、レーザ光源(1)から出射された第1光(L1)を第2光(L2)と第3光(L3)とに分配する。光電変換部(33)は、第2光(L2)を光電変換する。光出力部(34)は、第3光(L3)の少なくとも一部を含む照明光(L5)を外部空間へ出射させる。
【0088】
第1の態様に係る灯具(3)によれば、灯具に接続する電源線を設けることなく電力を必要とする構成要素を設けることが可能となる。
【0089】
第2の態様に係る灯具(3)は、第1の態様において、波長変換部(37)を更に備える。波長変換部(37)は、第3光(L3)により励起されて第3光(L3)の波長よりも長波長の第4光(L4)を発光する。照明光(L5)は、第4光(L4)を更に含む。
【0090】
第2の態様に係る灯具(3)によれば、第1光(L1)として例えば青色光を利用することが可能となり、レーザ光源(1)の出力の高出力化を図ることが可能となる。
【0091】
第3の態様に係る灯具(3)は、第1又は2の態様において、電源部(36)と、制御部(35)と、を更に備える。電源部(36)は、光電変換部(33)の出力によって蓄電される蓄電池を含む。制御部(35)は、光分配部(32)での第2光(L2)と第3光(L3)との分配比を制御する。制御部(35)は、電源部(36)から給電される。
【0092】
第3の態様に係る灯具(3)によれば、制御部(35)が、光分配部(32)での第2光(L2)と第3光(L3)との分配比を制御することにより、照明光(L5)を制御することができる。
【0093】
第4の態様に係る灯具(3)は、第3の態様において、人感センサ(38)を更に備える。人感センサ(38)は、電源部(36)から給電される。制御部(35)は、人感センサ(38)の検知結果に基づいて照明光(L5)を調整する。
【0094】
第4の態様に係る灯具(3)によれば、人感センサ(38)の検知結果に基づいて照明光(L5)を調整することが可能となる。
【0095】
第5の態様に係る灯具(3)は、第3の態様において、センサ(41)を更に備える。センサ(41)は、第1光(L1)の強度を検出する。センサ(41)は、電源部(36)から給電される。制御部(35)は、センサ(41)による検出強度が閾値未満の場合には照明光(L5)の出射を停止させる。
【0096】
第5の態様に係る灯具(3)によれば、センサ(41)による検出強度が閾値未満の場合には照明光(L5)の出射を停止させることが可能となる。
【0097】
第6の態様に係る灯具(3)は、第2の態様において、電源部(36)と、制御部(35)と、センサ(41)と、を更に備える。電源部(36)は、光電変換部(33)の出力によって蓄電される蓄電池を含む。制御部(35)は、光分配部(32)での第2光(L2)と第3光(L3)との分配比を制御する。センサ(41)は、波長変換部(37)から出射される光の強度を検出する。センサ(41)は、電源部(36)から給電される。制御部(35)は、センサ(41)による検出強度が閾値未満の場合には光出力部(34)からの照明光(L5)の出射を停止させる。
【0098】
第6の態様に係る灯具(3)によれば、センサ(41)による検出強度が閾値未満の場合には照明光(L5)の出射を停止させることが可能となる。
【0099】
第7の態様に係る灯具(3)は、第3の態様において、温度センサ(45)を更に備える。温度センサ(45)は、電源部(36)から給電される。制御部(35)は、温度センサ(45)による検出温度が閾値を超えた場合には光出力部(34)からの照明光(L5)の出射を停止させる。
【0100】
第7の態様に係る灯具(3)によれば、温度センサ(45)による検出温度が閾値を超えた場合に照明光(L5)の出射を停止させることが可能となる。
【0101】
第8の態様に係る灯具(3)は、第3の態様において、画像センサ(47)を更に備える。画像センサ(47)は、照明光(L5)による照明エリアを撮像することで画像を生成する。画像センサ(47)は、電源部(36)から給電される。制御部(35)は、画像センサ(47)により生成された画像に基づいて照明光(L5)を調整する。
【0102】
第8の態様に係る灯具(3)によれば、画像センサ(47)により生成された画像に基づいて照明光(L5)を調整することが可能となる。
【0103】
第9の態様に係る照明システム(10)は、第1~8の態様のいずれか一つの灯具(3)と、レーザ光源(1)と、を備える。
【0104】
第9の態様に係る照明システム(10)によれば、電力を必要とする構成要素を設けることが可能となる。
【0105】
第10の態様に係る照明システム(10)は、第9の態様において、光ファイバ(2)を更に備える。光ファイバ(2)は、レーザ光源(1)から出射された第1光(L1)を灯具(3)へ伝搬する。
【0106】
第10の態様に係る照明システム(10)は、レーザ光源(1)の配置の自由度が高くなる。
【符号の説明】
【0107】
1 レーザ光源
2 光ファイバ
3 灯具
30 灯具本体
31 光入力部
32 光分配部(第1光分配部)
33 光電変換部
34 光出力部
35 制御部(第1制御部)
36 電源部
37 波長変換部
38 人感センサ
39 第2光分配部
40 第2制御部
41 センサ
45 温度センサ
47 画像センサ
10 照明システム
L1 第1光
L2 第2光
L3 第3光
L4 第4光
L5 照明光