IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本製紙クレシア株式会社の特許一覧 ▶ Lasiina株式会社の特許一覧

特開2023-149119情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図10
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図10A
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図11
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図12
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図13
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図14
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図15
  • 特開-情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149119
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20231005BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20231005BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20231005BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
G16H20/00
A61F13/42 F
A61F5/44 S
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057513
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522494282
【氏名又は名称】Lasiina株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】黒須 一博
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA08
3B200DF04
4C098AA09
4C098CD08
5L049CC12
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】軽失禁に悩むユーザにとって有用な情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】サーバ装置と、複数の、測定装置と接続するユーザ装置21とが、ネットワークを介して通信可能に接続する情報処理システムにおいて、サーバ31は、ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する測定データ取得部314と、ユーザ及びユーザが装着した吸収性物品の種類に対応付けて測定データを記憶する測定データ記憶部320と、複数種類の吸収性物品についての商品データを記憶する商品データ記憶部334と、測定データ記憶部3に記憶された測定データ及び商品データ記憶部に記憶された商品データに基づいて、吸収性物品の使用に関連する案内情報を生成する案内情報生成部341と、を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する測定データ取得部と、
ユーザ及びユーザが装着した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶する測定データ記憶部と、
前記測定データ記憶部に記憶された前記測定データに基づいて、前記吸収性物品の使用に関連する案内情報を生成する案内情報生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
複数種類の前記吸収性物品についての商品データを記憶する商品データ記憶部を備え、
前記案内情報生成部は、前記商品データ記憶部に記憶された前記商品データに基づいて、前記案内情報を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記測定データ取得部により取得された前記測定データに基づいて、ユーザが装着中の前記種類の前記吸収性物品における吸収量を算出する吸収量算出手段を備え、
前記案内情報生成部は、前記吸収量算出手段により算出された前記吸収量に基づいて前記案内情報を生成する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザの位置を取得する位置取得手段と、
トイレの位置または使用状況に関するトイレ情報を取得するトイレ情報取得手段と、
を備え、
前記案内情報生成部は、前記位置取得手段により取得される前記ユーザの位置と、前記情報取得手段により取得される前記トイレ情報とに基づいて、前記案内情報を生成する、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記案内情報をユーザに通知する通知処理部を更に備える、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザ端末及びサーバコンピュータのうちのいずれか一方又は双方の組み合わせより実現される、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得し、
ユーザ及びユーザが装着した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶し、
前記測定データに基づいて、前記吸収性物品の使用に関連する案内情報を生成する処理を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項8】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得し、
ユーザ及びユーザが装着した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶し、
前記測定データに基づいて、前記吸収性物品の使用に関連する案内情報を生成する処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿の広がりをインピーダンスを用いて測定可能な排尿センサを設けた吸収性物品を利用して、ユーザの総排尿量と吸収性物品の尿吸収容量との関係を比較することで、ユーザの介護スケジュールを提案するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-206381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術は、吸収性物品の装着者(ユーザ)として要介護者を想定した技術であり、軽失禁に悩むユーザにとって有用な情報を提供可能とすることが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する測定データ取得部と、
ユーザ及びユーザが装着した前記吸収性物品の種類に対応付けて前記測定データを記憶する測定データ記憶部と、
前記測定データ記憶部に記憶された前記測定データに基づいて、前記吸収性物品の使用に関連する案内情報を生成する案内情報生成部と、
を備える、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による情報送信システムのシステム構成を概略的に示す図である。
図2】軽失禁検出手段付きの吸収性物品の一例を概略的に示す平面図である。
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】ユーザ端末及びサーバのそれぞれの各種機能の一例を示す機能ブロック図である。
図6】ユーザ端末からサーバへの送信データの説明図である。
図7】測定データの一例を示す図である。
図8】ユーザデータ記憶部内のデータの一例の説明図である。
図9】測定データ記憶部内のデータの一例の説明図である。
図10】アンケート回答情報の一例の説明図である。
図10A】アンケート回答情報の一例の説明図である。
図11】測定データに基づく個別吸収量の算出方法の説明図である。
図12】軽失禁イベント情報の一例の説明である。
図13】商品データ記憶部内のデータの一例の説明図である。
図14】トイレデータ記憶部内のデータの一例の説明図である。
図15】案内情報生成部による処理の一例を示すフローチャートである。
図16】ユーザ端末に表示される案内情報の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施形態による情報処理システム1のシステム構成を概略的に示す図である。図2は、軽失禁検出手段付きの吸収性物品7の一例を概略的に示す平面図である。
【0011】
情報処理システム1は、以下で説明するように、ユーザに装着されている吸収性物品7に対する測定データに基づいて、パッドの使用に関連する案内情報を生成する機能(以下、「案内情報生成機能」とも称する)を備える。
【0012】
情報処理システム1は、ユーザ端末21と、サーバ31と、測定装置41と、を含む。
【0013】
ユーザ端末21とサーバ31とは、ネットワーク4を介して通信可能に接続される。
【0014】
ネットワーク4は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、無線通信網、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。
【0015】
ユーザ端末21は、ユーザが所持する端末である。ユーザ端末21は、通信機能を有する。ユーザ端末21は、例えば携帯端末であり、この場合、ユーザ端末21は、例えば、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末であるが、ウエアラブル端末(例えばスマートウオッチ等)等であってもよい。また、ユーザ端末21は、固定端末(例えばパーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0016】
なお、ユーザは、典型的には、複数(多数)存在しうるが、各ユーザに係るユーザ端末21の処理は実質的に同じであるので、以下の説明では、特に言及しない限り、ユーザとは、ある一のユーザ(例えば軽失禁の悩みを有するユーザ)を指す。
【0017】
測定装置41は、吸収性物品7に対応付けられる。吸収性物品7は、任意であるが、軽失禁用のパッドが好適である。軽失禁用のパッドは、複数種類の製品があり、多様な軽失禁用のパッドに設けられてもよい。軽失禁用のパッドは、内層に、綿状パルプや合成パルプ、高分子吸水材等のような吸収体を含み、液体を吸収可能である。
【0018】
測定装置41は、センシング部410と、通信モジュール420とを含む。
【0019】
センシング部410は、軽失禁検出手段として吸収性物品7と一体的に設けられる。センシング部410は、軽失禁に起因した状態変化を検出する。センシング部410は、導電性を有する物質(例えば導電性のインク)からなる電極であってよく、吸収性物品7の内層(例えば非肌面側に近い層)に設けられてもよい。本実施例では、一例として、センシング部410は、図2に示すように、吸収性物品7の幅方向の中心に対して両側で、長手方向に延在する2本の線状の形態である。すなわち、センシング部410は、対の線状の電極を含む。
【0020】
吸収性物品7における対の線状の電極間の領域に、排尿がなされると、排尿に起因して、対の線状の電極における電流の流れやすさに変化が発生する。このようにして、センシング部410を介して、吸収性物品7に吸収される排尿に起因した状態変化に係る測定データを得ることができる。
【0021】
なお、センシング部410における軽失禁に係る体液(尿)の検出方法は、任意であり、上述したような電気的な特性の変化を利用する方法に代えて又は加えて、湿気や臭気の変化を検出する方法が利用されてもよい。以下では、測定データに係る測定値は、排尿量に相関する任意のパラメータに係る測定値である。また、本実施例では、一例として、測定値に係るパラメータは、その大きさ(以下、「測定値」レベルとも称する)が排尿量の増加に伴い増加するパラメータであるとする。
【0022】
通信モジュール420は、センシング部410に電気的に接続される。例えば、通信モジュール420は、センシング部410にコネクタ412や配線414を介して接続されてよい。
【0023】
通信モジュール420は、通信機能を有し、センシング部410を介して得られる上述した測定データをサーバ31に送信する。なお、本実施例では、測定装置41は、ユーザ端末21を介してサーバ31に測定データ等を送信するが、ユーザ端末21を介さずにサーバ31に測定データ等を送信してもよい。
【0024】
サーバ31は、1つ以上のサーバコンピュータにより形成されてよい。サーバ31は、測定装置41から送信されるユーザの測定データ等に基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果等を生成する。
【0025】
図3は、サーバ31のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
図3に示す例では、サーバ31は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、及び入力部107を含む。
【0027】
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0028】
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」又は「アプリケーション」と省略する場合がある)などのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0029】
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0030】
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0031】
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介してサーバ31にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、サーバ31により実行可能となる。
【0032】
ネットワークI/F部106は、ネットワーク4を介して接続されたユーザ端末21等とのインターフェースである。
【0033】
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。
【0034】
なお、図3に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムをサーバ31に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105をサーバ31に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0035】
図4は、ユーザ端末21のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
図4に示す例では、ユーザ端末21は、制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、ドライブ装置204、ネットワークI/F部206、入力部207、及び出力装置208を含む。
【0037】
制御部201は、主記憶部202や補助記憶部203に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部207や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0038】
主記憶部202は、ROMやRAMなどである。主記憶部202は、制御部201が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0039】
補助記憶部203は、HDDやSSDなどであり、アプリなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0040】
ドライブ装置204は、記録媒体205、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0041】
記録媒体205は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体205に格納されたプログラムは、ドライブ装置204を介してユーザ端末21にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、ユーザ端末21により実行可能となる。
【0042】
ネットワークI/F部206は、ネットワーク4を介して接続されたサーバ31等とのインターフェースである。また、ネットワークI/F部206は、測定装置41とのインターフェースを含んでよい。ユーザ端末21と測定装置41との間の接続は、ネットワーク4とは異なるネットワークによる有線接続であってもよいし、ネットワーク4を介した接続であってもよい。例えば、測定装置41は、Bluetooth(登録商標)のような無線通信技術を利用して、ユーザ端末21に接続されてもよい。
【0043】
入力部207は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。なお、入力部207は、出力装置208のディスプレイ装置に設けられるタッチパネルにより実現されてもよい。
【0044】
出力装置208は、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置や、スピーカー等の音声出力装置等を含んでよい。
【0045】
なお、図4に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラム(アプリ)をユーザ端末21に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体205に記録し、このプログラムが記録された記録媒体205をユーザ端末21に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体205は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体205は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0046】
次に、図5以降を参照して、上述した情報処理システム1の構成例を順に説明していく。
【0047】
以下では、サーバ31が、情報処理装置の一例を実現するが、後述するように、一のユーザ端末21が、情報処理装置の一例を実現してもよいし、サーバ31とユーザ端末21が、連携して情報処理装置の一例を実現してもよい。
【0048】
図5は、ユーザ端末21及びサーバ31のそれぞれの各種機能(案内情報生成機能に関連した各種機能)の一例を示す機能ブロック図である。図6は、ユーザ端末21からサーバ31への送信データの説明図である。図7は、測定データの一例を示す図である。図8は、ユーザデータ記憶部312内のデータの一例の説明図である。図9は、測定データ記憶部320内のデータの一例の説明図である。図10及び図10Aは、アンケート回答情報の一例の説明図である。図11は、測定データに基づく個別吸収量の算出方法の説明図である。図12は、軽失禁イベント情報の一例の説明である。図13は、商品データ記憶部334内のデータの一例の説明図である。図14は、トイレデータ記憶部343内のデータの一例の説明図である。なお、図8等において、表内の“***”は何らかの情報が入っていることを示し、“・・・”は同様の態様で連続する場合があることを示す省略記号を表す。
【0049】
ユーザ端末21は、測定データ取得部210と、測定データ送信部212と、行動関連情報生成/送信部213と、アンケート回答送信部214と、案内情報出力部231と、通知処理部218と、を含む。測定データ取得部210から通知処理部218の各機能は、図4に示したユーザ端末21の制御部201が、記憶装置(例えば補助記憶部203)内のプログラムを実行することで実現できる。以下では、一例として、ユーザ端末21には、専用のアプリケーション(以下、「案内情報生成アプリ」と称する)が実装されており、ユーザ端末21の制御部201が案内情報生成アプリを実行することで、測定データ取得部210から通知処理部218の各機能が実現されるものとする。なお、ユーザは、案内情報生成アプリをユーザ端末21にダウンロードする際に、ユーザID等の初期登録を行うものとする。なお、案内情報生成アプリは、ユーザ端末21にインストールされるネイティブアプリの形態に代えて、Webアプリの形態であってもよい。
【0050】
測定データ取得部210は、測定装置41から上述した測定データを取得する。図7では、横軸に時間を取り、縦軸に測定データの測定値レベル(測定値の大きさ)を取り、測定値レベルの変化態様(時系列波形)が模式的に示されている。測定データは、例えば図7に示すような時系列データであってよいし、当該時系列データから抽出された特徴量のデータであってもよい。
【0051】
測定データ送信部212は、測定データ取得部210により取得された測定データをサーバ31に送信する。この場合、測定データ送信部212は、測定データを、ユーザIDに紐付けて送信してよい。なお、測定データは、加工等の処理を受けることなくサーバ31に送信されてもよいし、圧縮処理等の処理を経てサーバ31に送信されてもよい。
【0052】
図6の上側には、ユーザ端末21からサーバ31に送信される一例による送信データ600の説明図として、送信データ600に含まれてよい各種情報が示されている。この場合、送信データは、ユーザID、パッドID、種別情報(図6には、「パッド種別」と表記)、測定データ、時間情報、行動関連情報、及び外部環境情報を含む。
【0053】
パッドIDは、ユーザ端末21において吸収性物品7ごとに付与されるIDであってよく、吸収性物品7を交換するごとに新規に発行される。
【0054】
種別情報は、現在装着中の吸収性物品7の種別(複数種類の製品のうちの、一の種類)を表す情報である。吸収性物品7の種別は、新たな吸収性物品7の装着の際に、当該新たな吸収性物品7に付与されてよい二次元バーコードをユーザ端末21が読み取ることで、ユーザ端末21側で取得されてもよいし、ユーザにより入力されてもよい。あるいは、吸収性物品7の種別は、予め登録されていてもよい(図8の製品情報参照)。この場合、吸収性物品7の種別情報は、送信データに含められなくてもよい。時間情報は、測定データの取得された時間を表す。測定データは、図7に示すような時系列のデータであってもよく、この場合、時間情報は、測定データの開始時点と終了時点を表してよい。行動関連情報は、後述する。
【0055】
測定データ送信部212は、測定データ取得部210が測定装置41を介して取得している測定データをリアルタイムにサーバ31に送信してもよいし、測定データ取得部210が測定装置41を介して取得した測定データを所定の記憶領域に格納した上で、オフラインで測定データをサーバ31に送信してもよい。
【0056】
なお、上述したように測定装置41がサーバ31に測定データを送信するような変形例も可能であり、かかる変形例の場合、測定データ取得部210及び測定データ送信部212は省略されてもよい。
【0057】
行動関連情報生成/送信部213は、ユーザに係る行動関連情報を生成し、生成した行動関連情報をサーバ31に送信する。行動関連情報は、吸収性物品7を装着したユーザの行動に関連する情報である。行動関連情報は、移動履歴や行き先を特定する情報、滞在時間等を含んでよい。例えば、行動関連情報は、ユーザ端末21に備わる各種センサ(例えばGPS(Global Positioning System)等に基づく位置センサや加速度センサ等)により取得される位置情報や加速度情報に基づいて生成されてよい。この場合、行動関連情報は、ユーザ端末21の位置情報の履歴、位置情報の変化態様(例えば移動速度)等を含んでよい。また、行動関連情報は、ユーザの姿勢(立位、座位、背臥位等)を表す姿勢情報を含んでもよい。
【0058】
行動関連情報生成/送信部213は、行動関連情報に加えて、外部環境情報を生成し、生成した外部環境情報をサーバ31に送信してもよい。外部環境情報は、ユーザを取り巻く外部環境に関する情報であり、気温、湿度、天気等を含んでよい。外部環境情報は、ユーザ端末21に備わる各種センサや外部データ(例えば外部から入手可能な気象情報)に基づいて取得されてもよい。なお、変形例では、外部環境情報は、サーバ31側で取得されてもよい。サーバ31は、一のユーザに係る行動関連情報と、外部から入手可能な気象情報とに基づいて、当該一のユーザの周辺環境を特定できるためである。
【0059】
アンケート回答送信部214は、一の吸収性物品7の装着終了時(例えば交換による装着終了時)にユーザ入力に基づいて、所定アンケートに対する回答情報を生成し、生成した回答情報をサーバ31に送信する。所定アンケートは、今回使用した吸収性物品7に対する使用感等に関するアンケートであってよい。所定アンケートは、例えば、むれ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ずれ、めくれ、余力(吸収性物品7の表示吸収目安に対する余力)等に関するアンケートであってよい。また、所定アンケートには、ユーザの悩みに関するアンケートを含めることができる。
【0060】
図6の下側には、ユーザ端末21のアンケート回答送信部214からサーバ31に送信される一例による送信データ602の説明図として、送信データ602に含まれてよい各種情報が示されている。所定アンケートに対する回答情報は、図6に示される、ユーザIDや、使用した吸収性物品7に係るパッドIDとともにサーバ31に送信されてよい。
【0061】
案内情報出力部231は、後述するようにサーバ31から送信されるパッドの使用に関連する案内情報を出力(通知)する。
【0062】
通知処理部218は、後述するようにサーバ31から送信される通知情報の出力指示を受信すると、当該出力指示に応答して、各種通知を行う。各種通知情報は、出力装置208を介して出力されてよい。各種通知の出力方法の一例は、後出の図14を参照して後述する。
【0063】
サーバ31は、ユーザデータ管理部310、ユーザデータ記憶部312と、測定データ取得部314、記憶処理部316、軽失禁イベント検出部317、軽失禁イベント情報生成部318、総吸収量情報生成部319、測定データ記憶部320、案内情報生成部341、商品データ管理部332、通知生成部324、トイレデータ管理部342、商品データ記憶部334、及びトイレデータ記憶部343を含む。
【0064】
ユーザデータ管理部310、測定データ取得部314、記憶処理部316、軽失禁イベント検出部317、軽失禁イベント情報生成部318、総吸収量情報生成部319、案内情報生成部341、商品データ管理部332、通知生成部324、及びトイレデータ管理部342の各機能は、図3に示したサーバ31の制御部101が、記憶装置(例えば主記憶部102等)内のプログラムを実行することで実現できる。ユーザデータ記憶部312、測定データ記憶部320、商品データ記憶部334、及びトイレデータ記憶部343は、図3に示したサーバ31の記憶装置(例えば補助記憶部103)により実現できる。
【0065】
ユーザデータ管理部310は、情報処理システム1の各ユーザに係る各種基本情報を管理する。本実施例では、一例として、ユーザデータ管理部310は、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータを管理(生成や更新)する。例えば、ユーザデータ管理部310は、新たなユーザの初期登録の際、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータに、当該新たなユーザに係る各種基本情報を追加する。また、ユーザデータ管理部310は、登録済のユーザに係る各種基本情報の更新や変更等を行う。
【0066】
ユーザデータ記憶部312には、情報処理システム1の各ユーザに係るユーザデータが記憶される。図8に示す例では、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータは、ユーザIDに対応付けられる態様で、ユーザ名、認証情報、年齢、性別、製品情報等を含む。製品情報は、ユーザが使用している吸収性物品7の種別(複数種類の製品のうちの、一の種類)を表す情報であってよい。なお、認証情報は、案内情報生成アプリのログインの際のパスワード等の情報を含んでよい。
【0067】
測定データ取得部314は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ600(図6参照)を受信することで、送信データ600内の測定データを取得する。測定データ取得部314は、受信した測定データに対して、後述する案内情報生成部341による算出用の前処理を実行してもよい。かかる前処理は、フィルタリング処理等を含んでよい。
【0068】
記憶処理部316は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ600(図6参照)を受信すると、送信データ600を測定データ記憶部320に記憶してよい。
【0069】
図9に示す例では、測定データ記憶部320内のデータは、パッドIDごとに、種別情報(図9には、「パッド種別」と表記)と、測定データと、時間情報と、行動関連情報と、総吸収量情報とを含む。測定データ記憶部320内のデータのうちの、総吸収量情報以外のデータ又は情報は、送信データ600内の同データ又は同情報に対応してよく、総吸収量情報は、後述する総吸収量情報生成部319により生成される。
【0070】
また、記憶処理部316は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ602(図6参照)を受信すると、送信データ602(以下、アンケート回答情報)を測定データ記憶部320に記憶してよい。図10に示す例では、アンケート回答情報は、パッドIDごとに、蒸れ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ズレ、めくれ、表示吸収目安に対する余力、及び取替理由を含む。なお、表示吸収目安に対する余力は、ユーザの目視による判断に基づいてよい。図10Aに示す例では、アンケート回答情報は、ユーザの悩みに関する情報であり、悩みの具体的な内容(項目A、項目B、・・・)に対する悩みの有無や症状の程度であってもよい。
【0071】
軽失禁イベント検出部317は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、吸収性物品7における体液の吸収イベントを検出する。本明細書では、吸収性物品7における体液の吸収イベントは、ユーザの軽失禁イベントに起因して生じることを想定しており、従って、以下では、吸収イベントを、軽失禁イベントとも称する。
【0072】
ところで、測定データは、軽失禁イベントに起因した液体(尿)に応じた特有の変化が発生する。軽失禁イベント検出部317は、かかる変化に基づいて、軽失禁イベントを検出できる。例えば、図7に示した測定データの場合、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、図7に示すような特有の変化を示す。具体的には、軽失禁イベントが発生すると、急激に立ち上がり、その後減少して、比較的変動が少ない値に収束する。この際、収束する値は、当該軽失禁イベントが発生する前の値よりも有意に大きい。このようにして、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、急激な立ち上がりピークを伴いつつ、増加していく。この場合、軽失禁イベント検出部317は、急激な立ち上がりピークに基づいて、軽失禁イベントを検出できる。
【0073】
軽失禁イベント情報生成部318は、軽失禁イベント検出部317が一の軽失禁イベントを検出すると、当該一の軽失禁イベントに係る軽失禁イベント情報を生成する。図12に示す例では、軽失禁イベント情報は、軽失禁イベントIDごとに、パッドID、日時情報、場所情報、外部環境情報、個別吸収量情報、吸収位置情報、及び態様情報を含む。
【0074】
この場合、パッドIDは、軽失禁イベントの際に利用していた吸収性物品7に付与されたパッドIDに対応し、日時情報及び場所情報は、軽失禁イベントの発生日時及び発生場所(例えば自宅や、外出先、職場)を表し、外部環境情報は、軽失禁イベントの発生時の外部環境を表す。パッドID、日時情報、場所情報、外部環境情報は、上述した送信データ600内の、対応する同情報に対応してよい。
【0075】
個別吸収量情報は、軽失禁イベントごとの吸収性物品7における体液の吸収量(以下、「個別吸収量」とも称する)を表す。
【0076】
ところで、測定データは、吸収性物品7における体液の吸収量(軽失禁イベントに起因した液体(尿)の量)に応じた特有の変化が発生する。従って、個別吸収量は、測定データに基づいて算出できる。すなわち、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、特有の変化を示す。軽失禁イベント情報生成部318は、かかる変化に基づいて、吸収性物品7における体液の吸収量を算出できる。なお、図7には、軽失禁イベントの発生タイミングが、EVT11からEVT15で示されている。
【0077】
具体的には、軽失禁イベントが発生すると、図7に示すように、測定データに係る測定値レベルが急激に立ち上がり、その後減少して、比較的変動が少ない値に収束する。この際、収束する値は、当該軽失禁イベントが発生する前の値よりも有意に大きい。このようにして、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、急激な立ち上がりピークを伴いつつ、増加していく。
【0078】
軽失禁イベントごとの測定データに係る測定値レベルの増加態様は、各軽失禁イベントにおける体液の吸収量(すなわち軽失禁に起因した体液の量)に相関する。このような相関関係は、吸収性物品7の種別ごとに、試験結果に基づいて導出できる。軽失禁イベント情報生成部318は、このような相関関係に基づいて、軽失禁イベントごとの個別吸収量を算出してよい。なお、相関関係は、吸収性物品7の種別ごとに異なりうるので、種別情報ごとに適合されてよい。
【0079】
また、軽失禁イベントごとの個別吸収量は、所定パラメータの各値を入力とする機械学習モデルに基づいて算出されてもよい。機械学習モデルは、教師付き及び教師無しで構成されたモデルのいずれであってもよい。例えば、機械学習モデルは、人工知能(AI)を利用して、測定データ又はその特徴量を入力して軽失禁イベントごとの個別吸収量を算出することも可能である。人工知能の場合は、機械学習により得られる畳み込みニューラルネットワークを実装することで実現できる。機械学習では、例えば、測定データを用いて、軽失禁イベントごとの個別吸収量に係る誤差が最小になるような畳み込みニューラルネットワークの重み等が学習されてよい。
【0080】
態様情報は、どのような態様で軽失禁が発生したかを表す情報である。態様情報は、“ちょろちょろ”や“ある程度まとまって(ドバっと)”といった具合に、ユーザの感覚に基づく情報であってよい。この場合、態様情報は、上述した送信データ602(アンケート回答情報)に基づいて生成されてもよい。あるいは、態様情報は、ユーザからのアンケート回答情報に基づくことなく、個別吸収量の算出値に応じて生成されてもよい。例えば、個別吸収量の算出値が所定閾値よりも小さい軽失禁イベントの場合に、比較的少量の軽失禁態様を表す態様情報が対応付けられてもよく、個別吸収量の算出値が所定閾値よりも大きい軽失禁イベントの場合に、比較的大量の軽失禁態様を表す態様情報が対応付けられてもよい。
【0081】
総吸収量情報生成部319は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、パッドIDごとに、吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を算出し、当該積算値を表す総吸収量情報を生成(更新)する。具体的には、総吸収量情報生成部319は、パッドIDごとに、軽失禁イベント情報生成部318により算出される個別吸収量を積算することで、吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を算出する。すなわち、総吸収量情報生成部319は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて軽失禁イベント検出部317が一の軽失禁イベントを検出すると、当該一の軽失禁イベントに関して軽失禁イベント情報生成部318が算出した個別吸収量を前回値(初期値は0)に積算することで、吸収量の積算値を算出する。
【0082】
なお、測定データが比較的短い更新周期で更新される場合、軽失禁イベント検出部317により比較的短時間で軽失禁イベントを検出されるので、総吸収量情報生成部319は、図9に示した総吸収量情報を比較的短い更新周期で更新できる。この場合、図9に示した総吸収量情報は、実質的に現時点における吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を表すことができる。図11には、横軸に時間を取り、縦軸を測定データに係る測定値レベルとした図7に示した測定データ1008とともに、縦軸を吸収量とした吸収量の積算値の時系列1010が模式的に示されている。図11において、軽失禁イベントの発生タイミングは、EVT11からEVT15で示されている。
【0083】
軽失禁イベント検出部317における検出結果、軽失禁イベント情報生成部318及び総吸収量情報生成部319において生成された各種情報のうち、必要なものは、適宜、記憶処理部316により測定データ記憶部320に記憶、更新され、案内情報生成部341における案内情報の生成に利用される。
【0084】
案内情報生成部341は、ユーザごとに、測定データ記憶部320内の測定データ等に基づいて、各ユーザに対する案内情報を生成し、ユーザ端末21に向けて適時、送信する。推奨情報等を送信するタイミングは任意であるが、例えば、案内情報を生成した時点を起点として定めることができる。案内情報を送信するタイミングは、通知生成部324から対応するユーザのユーザ端末21に向けて案内情報の出力指示が送信されるのと実質的に同時であってもよい。
【0085】
商品データ管理部332は、商品データ記憶部334に記憶される商品データである、各種パッドに関するデータを管理する。例えば、商品データ管理部332は、新たに商品化されたパッドに関する商品データを商品データ記憶部334に記憶する。また、商品データ管理部332は、すでに商品化されているパッドの商品データに変更があった場合、商品データ管理部334の商品データを更新する。
【0086】
商品データ記憶部334には、各種パッドに関するデータである商品データが記憶される。商品データには、パッドの性能、販売地域、価格等を含めることができる。
【0087】
図13に示す例では、これらのデータに対応して、商品データ記憶部334内に、パッドの種別を特定する種別情報(図13には、「パッド種別」と表記)ごとに、当該パッドの性能を示す性能情報(性能情報A、性能情報B、・・・)と、販売地域情報と、価格情報とを含むデータを格納している。性能情報には、当該パッドに対するメーカーや他の機関等による測定や試験に基づく性能情報のほか、測定データ記憶部320に記憶されたアンケート回答情報に基づいて導かれた性能情報を含めることができる。なお、性能情報には、当該パッドの吸収量(表示吸収目安)が含まれる。当該パッドの吸収量(表示吸収目安)は、漏れなどの問題が生じない目安ないし設計値としての最大吸収量である。
【0088】
通知生成部324は、案内情報生成部341において生成された案内情報の出力指示を、対応するユーザに係るユーザ端末21に送信する。この場合、ユーザ端末21の通知処理部218は、出力指示に応答して案内情報の通知を行う。
【0089】
トイレデータ管理部342は、外出したユーザが使用可能なトイレについてのトイレ情報を管理する。トイレデータ管理部342は、トイレ情報を取得し、トイレデータ記憶部343に記憶、更新する。
【0090】
トイレデータ記憶部343には、トイレ情報が記憶される。トイレ情報には、外出したユーザが使用可能なトイレの位置情報が含まれる。トイレの位置情報は、例えば、マップと連動して全国のトイレを検索することができる既存のアプリを用いて取得することができる。また、ユーザ同士で共有できる情報として、トイレの位置情報を各ユーザにおいて申告し、これを登録してもよい。また、例えば、トイレのドア等に設けられたセンサなどを介して、当該トイレの使用状況(例えば、混雑の程度などを示す情報)が取得できる場合には、使用状況をトイレ情報に含めることができる。また、トイレの使用状況をAIを利用して予測してもよい。この場合、例えば、トイレが設置されている施設やトイレ周辺の混雑状況を、季節、曜日、天候などに基づいて予測し、トイレの使用状況に反映させてもよい。
【0091】
図14に示す例では、トイレデータ記憶部343内に、トイレを特定するトイレIDごとに、当該トイレの位置情報と使用状況とが記憶されている。
【0092】
上記のように、案内情報生成部341は、ユーザごとに、測定データ記憶部320内の測定データ等に基づいて、各ユーザに対する案内情報を生成する。
【0093】
案内情報生成部341は、案内情報として、ユーザに装着中のパッドの交換時期を知らせる情報やユーザの近くにあるトイレに関する情報を提示してもよい。
【0094】
図15は、案内情報生成部341による処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、ユーザによるユーザ端末21への操作に従って、開始される。
【0095】
図15のステップS102では、案内情報生成部341は、測定データ記憶部320から当該ユーザが装着しているパッドのパッドID(パッドの種類)を取得する。
【0096】
ステップS104では、案内情報生成部341は、測定データ記憶部320から当該ユーザが装着しているパッドにおける最新の総吸収量(吸収量の積算値)を取得する。
【0097】
ステップS106では、案内情報生成部341は、商品データ記憶部334から、当該ユーザが装着しているパッドの吸収量(表示吸収目安)を取得する。
【0098】
ステップS108では、案内情報生成部341は、ステップS104で取得された最新の総吸収量情報が示す現在の総吸収量(吸収量の積算値)と、ステップS106で取得されたパッドの吸収量(表示吸収目安)とに基づいて、当該ユーザが装着しているパッドの吸収量の余力を算出する。また、案内情報生成部341は、算出された吸収量の余力に基づいて案内情報を作成し、当該ユーザのユーザ端末21に向けて送信する。
【0099】
図16は、ユーザ端末21に表示される案内情報の画面例を示す図である。ステップS108において、上記案内情報がユーザ端末21に送信されると、案内情報出力部231からの出力により、例えば、図16に示すような表示画面が、ユーザ端末21の出力装置208としてのディスプレイ装置に表示される。この表示では、電池の残容量に模した吸収量の余力が、総吸収量情報の総吸収量が大きくなるほど、少なくなる態様で変化されることで、ユーザにパッドの交換時期を知らせている。これにより、外出時におけるユーザの不安感を払拭することができる。また、電池の残容量のような、軽失禁を示唆又は想起しない表示を利用して総吸収量情報を通知することで、軽失禁に悩むユーザにとって安心感のある通知を実現できる。すなわち、万が一他人に見られても平気な通知を実現できる。
【0100】
なお、吸収量の余力を示す代わりに、総吸収量(吸収量の積算値)がパッドの吸収量(表示吸収目安)に到達すると予測される残り時間を示してもよい。
【0101】
ステップS110では、案内情報生成部341は、現在時刻からステップS108で算出された交換時期までの時間が一定の基準時間よりも短いか否か判断し、判断が肯定されればステップS112へ処理を進め、判断が否定されれば処理をステップS104へ進める。
【0102】
ステップS112では、案内情報生成部341は、測定データ記憶部320から取得される当該ユーザの最新の位置を取得する。当該ユーザの最新の位置は、例えば、行動関連情報(図6)から取得できる。
【0103】
ステップS114では、案内情報生成部341は、ステップS112で取得された当該ユーザの最新の位置の近傍にあるトイレに関するトイレ情報をトイレデータ記憶部343から取得する。
【0104】
ステップS116では、案内情報生成部341は、ステップS114で取得されたトイレ情報を、案内情報として当該ユーザのユーザ端末21に送信し、ステップS104へ処理を進める。
【0105】
ステップS116において、トイレの位置などを示す案内情報がユーザ端末21に送信されると、適時、案内情報出力部231からの出力により、例えば、ユーザ端末21の近傍のマップが表示装置208に表示され、位置情報(図14)に基づきマップ上にトイレの位置が表示される。また、例えば、トイレ情報のうちの使用状況(図14)として、トイレの混雑の程度を示す情報が含まれる場合には、マップ上のトイレの位置に対応付けて、混雑状況を示す表示を追加してもよい。これより、当該ユーザは、トイレの位置や混雑状況を容易に認識することができる。このように、パッドの交換時期が近づくと(ステップS110の判断が肯定されると)、近傍のトイレの位置が通知されるので、ユーザの不安感が取り除かれ、ユーザは安心して外出することが可能となる。
【0106】
案内情報生成部341は、測定データ記憶部320に記憶されたアンケート回答情報に基づき、案内情報を生成することができる。例えば、アンケート回答情報において当該ユーザが悩みを持っていることが示される場合、案内情報生成部341は、ユーザの悩みに即した案内情報を生成することができる。例えば、アンケート回答情報において、図10Aにおける悩みの具体的な内容(例えば、項目A)に対する悩みがある場合、同じ悩みや同等の程度の症状を有するユーザ間の交流サイトへの誘導のための案内情報が生成されてもよい。この場合、ユーザは、案内情報に従って、交流サイトにアクセスすることにより、同じような悩みをもつ他のユーザとの交流ができ、これにより、悩みの軽減や症状の改善等を図ることができる。
【0107】
通知生成部324は、案内情報生成部341により生成された案内情報をユーザに通知することができる。具体的には、通知生成部324は、対応するユーザのユーザ端末21に向けて案内情報の出力指示を送信する。この場合、ユーザ端末21の案内情報出力部231は、案内情報を出力(通知)し、例えば、出力装置208としてのディスプレイ装置に表示する。なお、案内情報の通知は、プッシュ型であってもよいし、プル型であってもよい。また、案内情報の扱いの安全性を高めるために、ユーザによる認証情報の照合を条件として、案内情報のアクセス(閲覧)等が可能とされてもよい。
【0108】
以上のように、本実施例によれば、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報として、ユーザに案内情報が提供される。ユーザは案内情報に基づいて、パッドの交換時期までの時間や近傍のトイレに関する情報を取得することができるので、例えば、外出時の不安を払拭することができる。また、ユーザの悩みに関連した情報を取得することができるので、例えば、悩みの軽減や症状の改善を図ることができる。
【0109】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素の全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0110】
例えば、上述した実施例において、各ユーザに係る測定データは、プライバシーを考慮した匿名のユーザのデータとして、医療機関での研究等に利用されてもよいし、吸収性物品7の開発等に利用されてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 情報処理システム
4 ネットワーク
7 吸収性物品
21 ユーザ端末
31 サーバ
41 測定装置
208 出力装置
210 測定データ取得部
212 測定データ送信部
213 行動関連情報生成/送信部
214 アンケート回答送信部
215 症状分析結果出力部
218 通知処理部
231 案内情報出力部
310 ユーザデータ管理部
312 ユーザデータ記憶部
314 測定データ取得部
316 記憶処理部
317 軽失禁イベント検出部
318 軽失禁イベント情報生成部
319 総吸収量情報生成部
320 測定データ記憶部
324 通知生成部
341 案内情報生成部
342 トイレデータ管理部
332 商品データ管理部
334 商品データ記憶部
343 トイレデータ記憶部
410 センシング部
412 コネクタ
414 配線
420 通信モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図11
図12
図13
図14
図15
図16