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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149177
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】床構造体
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20231005BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E04F15/02 101G
E04F15/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057608
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川又 周太
(72)【発明者】
【氏名】青▲柳▼ 有輝
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA25
2E220AA26
2E220AA39
2E220AA51
2E220AB04
2E220AB23
2E220AB24
2E220AC03
2E220AC11
2E220BA01
2E220CA02
2E220CA74
2E220DA19
2E220DA21
2E220FA11
2E220FA14
2E220FA18
2E220GA32Y
2E220GA32Z
(57)【要約】
【課題】 少ない部品数でユニット同士の連結を行うことができ、耐久性に優れた床構造を提供すること。
【解決手段】 複数のデッキ材と、これらのデッキ材を連結するバー材と、から置床ユニットを構成する一方、前記複数の置床ユニットの少なくとも一部に、前記バー材を前記デッキ材の幅方向の外側に突出して形成された第一凸部、および前記デッキ材の長さ方向の外側にズラして形成された第二凸部の一方または両方と、前記バー材をデッキ材の幅方向の内側に引っ込めて形成された第一凹部、およびデッキ材の長さ方向の内側にズラして形成された第二凹部の一方または両方とを設けて、所定の置床ユニットの第一凸部または第二凸部を隣接配置される別の置床ユニットの第一凹部または第二凹部内に配置して、当該第一凸部または第二凸部を別の置床ユニットのデッキ材に固定することにより置床ユニット同士を連結した。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で正方形または長方形の床面を形成する置床ユニットを敷き詰めて構成される床構造体において、
前記置床ユニットが、長さ方向を揃えて幅方向に並置される複数のデッキ材と、これらのデッキ材の幅方向を長手方向として各デッキ材間に掛け渡され、デッキ材の底面に取着されて各デッキ材を連結するバー材と、から構成される一方、
前記複数の置床ユニットの少なくとも一部に、前記バー材を前記デッキ材の幅方向の外側に突出して形成された第一凸部、およびデッキ材の長さ方向の外側にズラして形成された第二凸部の一方または両方と、前記バー材をデッキ材の幅方向の内側に引っ込めて形成された第一凹部、およびデッキ材の長さ方向の内側にズラして形成された第二凹部の一方または両方とが設けられて、所定の置床ユニットの第一凸部または第二凸部を隣接配置される別の置床ユニットの第一凹部または第二凹部内に配置して、当該第一凸部または第二凸部を別の置床ユニットのデッキ材に固定することにより置床ユニット同士が連結されている、床構造体。
【請求項2】
前記置床ユニットが少なくともバー材を2本以上備え、各バー材がデッキ材の長さ方向の両端側に配置されている、請求項1記載の床構造体。
【請求項3】
前記複数の置床ユニットの少なくとも一部に、前記バー材を前記デッキ材の長さ方向の外側に突出し、かつ、前記デッキ材の幅方向の外側にズラして形成された第三凸部と、前記バー材を前記デッキ材の長さ方向の内側に引っ込め、かつ、前記デッキ材の幅方向の内側にズラして形成された第三凹部とが設けられて、所定の置床ユニットの第三凸部を対角線上に配置される別の置床ユニットの第三凹部内に配置して、当該第三凸部を別の置床ユニットのデッキ材に固定することにより置床ユニット同士が連結されている、請求項1または2に記載の床構造体。
【請求項4】
前記複数の置床ユニットが、対向する二辺に第一凸部と第一凹部を備え、別の対向する二辺に第二凸部と第二凹部を備えた第一置床ユニットと、対向する二辺にそれぞれ第一凸部を備え、別の対向する二辺に第二凸部と第二凹部を備えた第二置床ユニットと、対向する二辺に第一凸部と第一凹部を備え、別の対向する二辺にそれぞれ第二凸部を備えた第三置床ユニットと、対向する二辺にそれぞれ第一凸部を備え、別の対向する二辺にそれぞれ第二凸部を備えた第四置床ユニットと、を含んで構成されている、請求項1~3の何れか一つに記載の床構造体。
【請求項5】
前記複数の置床ユニットを敷き詰めて床面全体が形成されると共に、この床面全体の外周を形成する置床ユニットの一辺に前記第一凸部または第二凸部が設けられ、当該第一凸部または第二凸部に外縁材が取着されている、請求項1~4の何れか一つに記載の床構造体。
【請求項6】
前記複数の置床ユニットにより形成される床面全体において、隣接配置される置床ユニットのデッキ材の向きを一方向に揃えて流し貼り状の柄が形成されるように、或いは隣接配置される置床ユニットのデッキ材の向きを変えて市松貼り状の柄が形成されるように置床ユニットが配置されている、請求項1~5の何れか一つに記載の床構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユニットを敷き詰めて構成される床構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、屋内の二重床や屋外のデッキ床等、複数のユニットを敷き詰めて構成される床構造が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。これらの床構造としては、文献1に記載されているようなユニット同士を接続部材を介して連結するものや、ユニットの側縁部を相欠き形状として嵌め合わせた状態でボルト等により連結するものが一般的である。
【0003】
しかしながら、上記従来の床構造において接続部材を用いる場合にはユニット以外の接続部材が必要となるため、部品数が増えてコストが高く付く。またユニットの側縁部を相欠き形状とする方法も、床板を加工して段差部を形成するか、板部材を床板の側縁部に沿って取り付けて段差部を形成する必要があるため、製造コストが高く付く。
【0004】
また上記文献1に記載された接続部材を用いる床構造は、ユニット同士の境界部分に下方向の負荷が加わった場合、接続部材に負荷が集中してしまうため、沢山の人が歩行する用途等、床面に繰り返し負荷が加わる用途や、プランター等の重量物を載せる用途等、床面に大きな負荷が加わる用途において接続部材の破損が生じ易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3943227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを課題としており、要約すると少ない部品数でユニット同士の連結を行うことができ、繰り返しの負荷や大きな負荷が床面に加わる場合でも耐久性に優れた床構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決する手段として、平面視で正方形または長方形の床面を形成する置床ユニットを敷き詰めて構成される床構造体において、前記置床ユニットを、長さ方向を揃えて幅方向に並置される複数のデッキ材と、これらのデッキ材の幅方向を長手方向として各デッキ材間に掛け渡され、デッキ材の底面に取着されて各デッキ材を連結するバー材と、から構成する一方、前記複数の置床ユニットの少なくとも一部に、前記バー材を前記デッキ材の幅方向の外側に突出して形成された第一凸部、および前記デッキ材の長さ方向の外側にズラして形成された第二凸部の一方または両方と、前記バー材をデッキ材の幅方向の内側に引っ込めて形成された第一凹部、およびデッキ材の長さ方向の内側にズラして形成された第二凹部の一方または両方とを設けて、所定の置床ユニットの第一凸部または第二凸部を隣接配置される別の置床ユニットの第一凹部または第二凹部内に配置して、当該第一凸部または第二凸部を別の置床ユニットのデッキ材に固定することにより置床ユニット同士を連結する構成を採用した。
【0008】
また上記置床ユニットについては、少なくともバー材を2本以上備え、各バー材をデッキ材の長さ方向の両端側に配置することにより、置床ユニットを平面視において縦横に並べて連結することができる。
【0009】
また本発明では、上記複数の置床ユニットの少なくとも一部に、前記バー材を前記デッキ材の長さ方向の外側に突出し、かつ、前記デッキ材の幅方向の外側にズラして形成された第三凸部と、前記バー材を前記デッキ材の長さ方向の内側に引っ込め、かつ、前記デッキ材の幅方向の内側にズラして形成された第三凹部とを設けて、所定の置床ユニットの第三凸部を対角線上に配置される別の置床ユニットの第三凹部内に配置して、当該第三凸部を別の置床ユニットのデッキ材に固定することにより置床ユニット同士を連結することができる。
【0010】
また本発明では、上記複数の置床ユニットを、対向する二辺に第一凸部と第一凹部を備え、別の対向する二辺に第二凸部と第二凹部を備えた第一置床ユニットと、対向する二辺にそれぞれ第一凸部を備え、別の対向する二辺に第二凸部と第二凹部を備えた第二置床ユニットと、対向する二辺に第一凸部と第一凹部を備え、別の対向する二辺にそれぞれ第二凸部を備えた第三置床ユニットと、対向する二辺にそれぞれ第一凸部を備え、別の対向する二辺にそれぞれ第二凸部を備えた第四置床ユニットと、を含んで構成することにより、複数の置床ユニットを敷き詰めて形成される床面全体の外周に第一凸部または第二凸部を配置することができる。
【0011】
更に上記複数の置床ユニットを敷き詰めて床面全体を形成し、この床面全体の外周を形成する置床ユニットの一辺に前記第一凸部または第二凸部を設ける場合には、当該第一凸部または第二凸部に外縁材を取着することにより床面の一体性を高めることができる。
【0012】
また上記複数の置床ユニットにより形成される床面全体については、隣接配置される置床ユニットのデッキ材の向きを一方向に揃えて流し貼り状の柄が形成されるように、或いは隣接配置される置床ユニットのデッキ材の向きを変えて市松貼り状の柄が形成されるように置床ユニットを配置することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の床構造は、デッキ材を連結するバー材によって側縁部に凸部を凹部を形成し、所定の置床ユニットの凸部を隣り合う別の置床ユニットの凹部内に配置した状態で、置床ユニット同士をネジ留め等で連結できるため、従来技術に用いられているような接続部材が不要となる。また上記置床ユニットの凸部と凹部は、バー材の長さや取り付け位置を調整するだけで形成することができるため、置床ユニットの製造も容易に行える。
【0014】
しかも、本発明の床構造は、上記置床ユニットの床面および置床ユニット同士の境界部分に負荷が加わった場合でもバー材によって支持できるため、接続部材の破損等が起きる心配はなく、床面に繰り返し負荷が加わる用途や床面に大きな負荷が加わる用途でも問題なく使用できる。また本発明の床構造は分解組立も容易に行えるため、イベント等で一時的に使用する用途にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態における床構造体を表す平面図及び底面図である。
図2】本発明の第一実施形態における床構造体を分解した状態を表す説明分解図である。
図3】本発明の第一実施形態における置床ユニットを表す平面図である。
図4】本発明の第一実施形態における床構造体の変更例を表す平面図及び底面図である。
図5】本発明の第一実施形態における床構造体の変更例を表す平面図及び底面図である。
図6】本発明の第一実施形態における床構造体の変更例を表す平面図及び底面図である。
図7】本発明の第二実施形態における置床ユニットを表す平面図である。
図8】本発明の第二実施形態における床構造体を表す平面図及び底面図である。
図9】本発明の第二実施形態における床構造体の変更例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
『第一実施形態』
本発明の第一実施形態を図1図6に基づいて説明する。なお図中、符号Fで指示するものは、床構造体であり、符号Uで指示するものは、置床ユニットである。また符号1で指示するものは、デッキ材であり、符号2で指示するものは、バー材である。また符号3で指示するものは、外縁材である。
【0017】
「床構造体の構成」
[1]基本構成
本実施形態の床構造体Fの基本構成について説明する。本実施形態では、図1(a)(b)及び図2に示すように平面視で正方形の床面を形成する複数の置床ユニットUを敷き詰めて床構造体Fを構成している。各置床ユニットUは、図3(a)~(d)に示すように長さ方向を揃えて幅方向に並置される複数のデッキ材1と、これらのデッキ材1の幅方向を長手方向として各デッキ材1間に掛け渡されたバー材2とから構成している。各バー材2は、図1(b)及び図2に示すようにデッキ材1の底面に取着して各デッキ材1を連結している。
【0018】
本実施形態で使用する図3(a)~(f)の置床ユニットUは、バー材2をデッキ材1の幅方向の外側に突出して形成された第一凸部C1、またはデッキ材1の長さ方向の外側にズラして形成された第二凸部C2の一方または両方を外周部位に備えている。更に図3(a)~(f)の置床ユニットUは、バー材2をデッキ材1の幅方向の内側に引っ込めて形成された第一凹部R1、およびデッキ材1の長さ方向の内側にズラして形成された第二凹部R2の一方または両方を外周部位に備えている。
【0019】
本実施形態の置床ユニットUは、図2に示すように置床ユニットUの第一凸部C1または第二凸部C2を隣接配置される別の置床ユニットUの第一凹部R1または第二凹部R2内に配置して、第一凸部C1または第二凸部C2を別の置床ユニットUのデッキ材1に固定することにより置床ユニットU・U同士を平面視でタテヨコ方向に連結できる。これによりデッキ材1を連結するバー材2によって置床ユニットU・Uの連結も行える。各置床ユニットUおよびその連結方法の具体的な内容については後述する。
【0020】
更に本実施形態では、上記置床ユニットUを敷き詰めて床面全体を形成した際に、図1(b)に示すように床面全体の外周を形成する置床ユニットUの一辺にそれぞれ第一凸部C1または第二凸部C2を設けている。そして、これらの第一凸部C1および第二凸部C2に対し図1(a)及び図2に示すように外縁材3を取着して、デッキ材1の端部を隠すと共に床面の外周を外縁材3で囲うことで床構造体Fの外枠を形成している。
【0021】
[2]置床ユニット
[2-1]第一置床ユニット
図3(a)に示す正方形型の第一置床ユニットU1は、平面視で対向する二辺(左側縁部と右側縁部)に第一凸部C1と第一凹部R1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)に、第二凸部C2と第二凹部R2を備えている。更に第一置床ユニットU1の左上隅部には、バー材2をデッキ材1の長さ方向の外側に突出し、かつ、デッキ材1の幅方向の外側にズラして形成された第三凸部C3を設け、右下隅部には、バー材2をデッキ材1の長さ方向の内側に引っ込め、かつ、デッキ材1の幅方向の内側にズラして形成された第三凹部R3を設けている。なお上記第一凸部C1、第二凸部C2、及び第三凸部C3、並びに第一凹部R1、第二凹部R2、及び第三凹部R3は図面上点線で囲まれる部分を中心とする部位(範囲)の名称であり、同一のバー材2に一つまたは複数の凸部が形成される。
【0022】
上記第一置床ユニットU1は、図1及び図2に示される9個の置床ユニットUのうち、左上の4個に使用される。そして、図2に示すように第一置床ユニットU1の第一凹部R1内に第一置床ユニットU1の第一凸部C1を配置してヨコ方向の連結を行い、第一置床ユニットU1の第二凹部R2内に、別の第二置床ユニットU2の第二凸部C2を配置してタテ方向の連結を行っている。斜め方向の連結に関しては、第一置床ユニットU1の第三凸部C3を対角線上に配置される別の第一置床ユニットU1の第三凹部R3内に配置して、この第三凸部C3を別の第一置床ユニットU1のデッキ材1に固定することにより置床ユニットU1・U1同士を連結している。
【0023】
上記床構造体Fに使用される4個の第一置床ユニットU1のうち、図2中の左側と上側に配置される3個の第一置床ユニットU1には、床面全体の外周を形成する左側および上側の一辺に第一凸部C1および第二凸部C2を形成し、これらの上面に外縁材3をそれぞれ取着している。
【0024】
[2-2]第二置床ユニット
図3(b)に示す正方形型の第二置床ユニットU2は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)に第二凸部C2と第二凹部R2を備えている。更に第二置床ユニットU2の左上及び右上の隅部にそれぞれ第三凸部C3を設けている。この第二置床ユニットU2は、図1及び図2に示される9個の置床ユニットU・U…のうち、右上の2個に使用される。そして、図2に示すように第一置床ユニットU1の第一凹部R1内に第二置床ユニットU2の第一凸部C1を配置してヨコ方向の連結を行い、第二置床ユニットU2の第二凹部R2内に、別の第二置床ユニットU2の第二凸部C2を配置してタテ方向の連結を行い、第一置床ユニットU1の第三凹部R3内に第二置床ユニットU2の第三凸部C3を配置して斜め方向の連結を行っている。
【0025】
上記床構造体Fに使用される図2中の2個の第二置床ユニットU2には、床面全体の外周を形成する右側および上側の一辺に第一凸部C1および第二凸部C2を形成し、これらの上面に外縁材3・3…をそれぞれ取着している。
【0026】
[2-3]第三置床ユニット
図3(c)に示す正方形型の第三置床ユニットU3は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)に第一凸部C1と第一凹部R1備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)にそれぞれ第二凸部C2を備えている。更に第三置床ユニットU3の左上及び左下の隅部にそれぞれ第三凸部C3を設けている。この第三置床ユニットU3は、図1及び図2に示される9個の置床ユニットUのうち、左下の2個に使用される。そして、図2に示すように第一置床ユニットU1の第二凹部R2内に第三置床ユニットU3の第二凸部C2を配置してタテ方向の連結を行い、第三置床ユニットU3の第一凹部R1内に、別の第三置床ユニットU3の第一凸部C1を配置してヨコ方向の連結を行い、第一置床ユニットU1の第三凹部R3内に第三置床ユニットU3の第三凸部C3を配置して斜め方向の連結を行っている。
【0027】
上記床構造体Fに使用される図2中の2個の第三置床ユニットU3には、床面全体の外周を形成する左側および下側の一辺に第一凸部C1および第二凸部C2を形成し、これらの上面に外縁材3をそれぞれ取着している。
【0028】
[2-4]第四置床ユニット
図3(d)に示す正方形型の第四置床ユニットU4は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)にそれぞれ第二凸部C2を備えている。更に第四置床ユニットU4の左右上下の各隅部にそれぞれ第三凸部C3を設けている。この第四置床ユニットUは、図1及び図2に示される9個の置床ユニットUのうち、右下の1個に使用される。そして、図2に示すように第二置床ユニットU2の第二凹部R2内に第四置床ユニットU4の第二凸部C2を配置してタテ方向の連結を行い、第三置床ユニットU3の第一凹部R1内に、第四置床ユニットU4の第一凸部C1を配置してヨコ方向の連結を行い、第一置床ユニットU1の第三凹部R3内に第四置床ユニットU4の第三凸部C3を配置して斜め方向の連結を行っている。
【0029】
上記床構造体Fに使用される図2中の第三置床ユニットU3には、床面全体の外周を形成する右側および下側の一辺に第一凸部C1および第二凸部C2を形成し、これらの上面に外縁材3をそれぞれ取着している。
【0030】
[3]流し貼り状の床構造体
上記4種類の第一置床ユニットU1、第二置床ユニットU2、第三置床ユニットU3および第四置床ユニットU4を組み合わせて並べることで、図1(a)(b)に示すデッキ材の向きが一方向に揃った流し貼り状の柄の床構造体Fを構成できる。また図1(b)に示すように各置床ユニットUのバー材2が一列に並ぶことで根太の効果を奏し、使用時に床面に負荷が加わった場合でもバー材2・2間のデッキ材1がしなることで負荷を分散して吸収することができる。
【0031】
[4]置床ユニットの変更例
[4-1]第五置床ユニット
図3(e)に示す正方形型の第五置床ユニットU5は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1と第一凹部R1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)に第二凸部C2と第二凹部R2を備えている。更に第五置床ユニットU5の左下隅部に第三凸部C3を設け、右上隅部に第三凹部R3を設けている。図3(a)の第一置床ユニットU1を上下対称の形状としたものが第五置床ユニットU5である。
【0032】
[4-2]第六置床ユニット
図3(f)に示す正方形型の第六置床ユニットU6は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)の一辺(左側縁部)に第一凸部C1(左下)と第一凹部R1(左上)の両方を設け、もう一方の一辺(右側縁部)に第一凸部C1(右上及び右下)を形成している。また別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)には、それぞれ第二凸部C2を設け、更に第六置床ユニットU6の左下、右上、右下の各隅部に第三凸部C3を設けている。
【0033】
[5]床構造体の変更例
[5-1]正方形型の市松貼り状の床構造体
上記第一置床ユニットU1、第二置床ユニットU2、第三置床ユニットU3および第五置床ユニットU5を組み合わせて並べることで、図4(a)(b)に示すデッキ材の向きが交互に異なる市松貼り状の柄の床構造体Fを構成できる。また図4(a)(b)に示すように各置床ユニットUのバー材2がロの字型またはコの字型に並ぶことで根太または台座の効果を奏し、使用時に床面に負荷が加わった場合でもバー材2・2間のデッキ材1がしなることで負荷を分散して吸収することができる。
【0034】
[5-2]十字型の流し貼り状の床構造体
上記第二置床ユニットU2、第三置床ユニットU3、第四置床ユニットU4、第五置床ユニットU5および第六置床ユニットU6を組み合わせて並べることで、図5(a)(b)に示す十字型の床構造体Fを構成できる。またこの床構造体Fは、デッキ材1の向きが一方向に揃った流し貼り状の柄に形成することができ、置床ユニットUのバー材2が一列に並ぶことで根太の効果も奏する。床面全体の外周を形成する置床ユニットUの一辺にそれぞれ第一凸部C1または第二凸部C2を設けて外縁材3を取着することで床構造体Fの十字型の外枠を形成できる。
【0035】
[5-3]十字型の市松貼り状の床構造体
上記第一置床ユニットU1、第二置床ユニットU2、第三置床ユニットU3、第四置床ユニットU4、第五置床ユニットU5および第六置床ユニットU6’を組み合わせて並べることで、図6(a)(b)に示す十字型の床構造体Fを構成できる。ここで使用される第六置床ユニットU6’は、図3(e)に示す第六置床ユニットU6を上下対称の形状としたものである。またこの床構造体Fは、デッキ材1の向きが交互に異なる市松貼り状の柄に形成することができ、各置床ユニットUのバー材2がロの字型またはコの字型に並ぶことで台座の効果を奏する。更に床面全体の外周を形成する置床ユニットUの一辺に外縁材3を取着することで床構造体Fの十字型の外枠を形成できる。
【0036】
[5-4]その他の変更例
上記床構造体Fの柄や形状としては、上記以外のものを採用することもでき、例えば、流し貼り状の柄と市松貼りの柄を部分的に組み合わせた柄に構成することもできる。また上記床構造体Fの床面全体の形状は平面視で正方形型や長方形型、十字型以外にも、施工場所の形状に沿った複雑な形状を採用することもできる。
【0037】
[6]デッキ材
次に上記置床ユニットUの各構成要素について説明する。まず上記デッキ材1の材料に関しては、本実施形態では木質プラスチック製の板材を使用しているが、屋外または屋内の床材として使用される一般的な材料であれば、その他のプラスチック材料(例えば、ポリプロピレンやABS樹脂、塩化ビニル樹脂などを単体または組み合わせたもの)、木材または金属材料(例えば、アルミニウムやステンレス等)などを使用することもでき、特に限定されない。
【0038】
上記デッキ材1の形状に関しては、幅方向に並べたデッキ材1同士を接続するためのさね部(凸条部)やほぞ部(凹溝部)を左右側縁部に設けることもできる。本実施形態では、両側にほぞ部を形成してデッキ材1・1同士を雇いざね矧ぎによって接続している。デッキ材1の幅寸法に関しても、本実施形態では4枚並べて置床ユニットUの床面を形成しているが、幅を大きくして並べる枚数を減らすこともでき、逆に幅を小さくすることで並べる枚数を増やすこともできる。
【0039】
[7]バー材
上記バー材2の材料に関しては、本実施形態ではアルミの角パイプを使用しているが、所定の剛性を有する材料であればその他の金属材料やプラスチック材料を使用することもできる。また上記バー材2の形状に関しても、板状または棒状の形態であれば特に限定されず、バー材2の下面に緩衝材を設けて接地面を形成することもできる。また本実施形態では、一つの置床ユニットUにバー材2を2本使用して、各バー材2をデッキ材1の長さ方向の両端側に配置しているが、バー材3は3本以上使用することもできる(第二実施形態で説明する)。
【0040】
上記バー材2とデッキ材1の固定手段に関しては、本実施形態ではビス留めにより両者を固定しているが、それ以外の固定手段、例えば、ボルト留めや接着、溶着、凹凸嵌合、連結部材等により両者を固定することもできる。また本実施形態では、置床ユニットUの両側のデッキ材1・1とバー材2をビス留めしているが、全てのデッキ材1とバー材2をビス留めすることもできる。
【0041】
[8]外縁材
上記外縁材3に関しては、本実施形態では上記デッキ材1と同じ木質プラスチック製の棒材を使用しているが、その他のプラスチック材料や金属材料を使用することもでき、デッキ材1と異なる材料を使用することもできる。また外縁材3の形状に関しても、本実施形態では角形断面のものを使用しているが、円形断面やL型断面のものを使用することもできる。また本実施形態では、各置床ユニットUに個別に外縁材3を取着しているが、床構造体Fを構築した後に複数の置床ユニットUを跨いで長尺の外縁材3を取着することもできる。
【0042】
[9]置床ユニット同士及び外縁材の連結手段
上記隣り合う置床ユニットU・U同士の連結手段に関しては、本実施形態では、ネジ留めを採用することにより置床ユニットUの分解組み立てが容易に行えるようにしている。具体的には。バー材2の第一凸部C1、第二凸部C2、第三凸部C3に形成された貫通孔にネジ材を通し、デッキ材1の第一凹部R1、第二凹部R2、第三凹部R3に形成された雌ネジ部にネジ材を螺着することにより、置床ユニットU・U同士の連結を行えるようにしている。また外縁材3の連結手段に関しても、バー材2の第一凸部C1、第二凸部C2、第三凸部C3に形成された貫通孔にネジ材を通して、外縁材3に形成された雌ネジ部にネジ材を螺着することにより、外縁材の取り付けを行えるようにしている。また本実施形態では、上記第一凸部C1、第二凸部C2、及び第三凸部C3に上向きの突起が形成され、これらの突起を、対応する第一凹部R1、第二凹部R2、及び第三凹部R3の穴部、或いは外縁材3の穴部に嵌合させることで両者の位置決め・連結を行えるようにしている。
【0043】
『第二実施形態』
[1]長方形型の置床ユニット
[1-1]第七置床ユニット
図7(a)に示す長方形型の第七置床ユニットU7は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1及び第一凹部R1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)に第二凸部C2と第二凹部R2を備えている。更に第七置床ユニットU7の左上隅部に第三凸部C3を備え、右下隅部に第三凹部R3を備えている。この第七置床ユニットU7は、デッキ材1の長さ方向の両端側にバー材2を設けるだけでなく、デッキ材1の長さ方向の中間位置にもバー材2を配置して、この中間位置のバー材2により第七置床ユニットU7の中間位置にも両端と同様の第一凸部C1及び第一凹部R1を形成している。
【0044】
[1-2]第八置床ユニット
図7(b)に示す長方形型の第八置床ユニットU8は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)に第二凸部C2と第二凹部R2を備えている。更に第八置床ユニットU8の左上及び右上の各隅部には第三凸部C3を設けている。この第八置床ユニットU8も、デッキ材1の長さ方向の中間位置にバー材2を配置して、この中間位置のバー材2により第八置床ユニットU8の中間位置にも両端と同様の第一凸部C1を形成している。
【0045】
[1-3]第九置床ユニット
図7(c)に示す長方形型の第九置床ユニットU9は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1及び第一凹部R1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)にそれぞれ第二凸部C2を備えている。更に第九置床ユニットU9の左上及び左下の各隅部には第三凸部C3を設けている。この第九置床ユニットU9も、デッキ材1の長さ方向の中間位置にバー材2を配置して、この中間位置のバー材2により第九置床ユニットU9の中間位置にも両端と同様の第一凸部C1及び第一凹部R1を形成している。
【0046】
[1-4]第十置床ユニット
図7(d)に示す長方形型の第十置床ユニットU10は、対向する二辺(左側縁部と右側縁部)にそれぞれ第一凸部C1を備え、別の対向する二辺(上側縁部と下側縁部)にそれぞれ第二凸部C2を備えている。更に第十置床ユニットU10の左右上下の各隅部には第三凸部C3を設けている。この第十置床ユニットU10も、デッキ材1の長さ方向の中間位置にバー材2を配置して、この中間位置のバー材2により第十置床ユニットU10の中間位置にも両端と同様の第一凸部C1を形成している。
【0047】
[2]レンガ貼り状の床構造体
第一実施形態の第一置床ユニットU1、第三置床ユニットU3および第五置床ユニットU5並びに上記第七置床ユニットU7、第八置床ユニットU8および第九置床ユニットU9を組み合わせて並べることで、図8(a)(b)に示すレンガ貼り状の柄の床構造体Fを構成できる。また図8(b)に示すように各置床ユニットUのバー材2が一列に並ぶことで根太の効果を奏し、使用時に床面に負荷が加わった場合でもバー材2・2間のデッキ材1がしなることで負荷を分散して吸収することができる。また長方形型の置床ユニットUを使用することで正方形型の置床ユニットUを使用するよりも、バー材2の使用本数および連結作業の回数を減らすことができる。
【0048】
[3]レンガ貼り状の床構造体の変更例
本実施形態では、流し貼り状の柄の床構造体Fを構成しているが、第一実施形態の第二置床ユニットU2、第三置床ユニットU3、第四置床ユニットU4および第五置床ユニットU5並びに上記第七置床ユニットU7、第八置床ユニットU8および第十置床ユニットU10を組み合わせて並べることで、図9(a)に示す市松貼り状の柄の床構造体Fを構成できる。また他にも、上記第一置床ユニットU1から第十置床ユニットU10を組み合わせて並べることで図9(b)に示すような複雑なブロック模様の床構造体Fを構成できる。
【符号の説明】
【0049】
1 デッキ材
2 バー材
3 外縁材
U 置床ユニット
1 第一置床ユニット
2 第二置床ユニット
3 第三置床ユニット
4 第四置床ユニット
5 第五置床ユニット
6 第六置床ユニット
7 第七置床ユニット
8 第八置床ユニット
9 第九置床ユニット
10 第十置床ユニット
1 第一凸部
2 第二凸部
3 第三凸部
1 第一凹部
2 第二凹部
3 第三凹部
F 床構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9