IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NTN株式会社の特許一覧

特開2023-149189アブソリュート式回転センサ付軸受装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149189
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】アブソリュート式回転センサ付軸受装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 41/00 20060101AFI20231005BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F16C41/00
F16C19/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057624
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】高田 声一
(72)【発明者】
【氏名】浜北 康之
【テーマコード(参考)】
3J217
3J701
【Fターム(参考)】
3J217JA02
3J217JA12
3J217JA24
3J217JA34
3J217JA36
3J217JA38
3J217JB17
3J217JB26
3J217JB52
3J217JB56
3J217JB84
3J217JB87
3J701AA02
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA77
3J701FA26
3J701FA46
3J701GA60
(57)【要約】
【課題】複列トラック式の回転センサを有し、かつ組み立ておよび搬送が容易なアブソリュート式回転センサ付軸受装置を提供する。
【解決手段】軸受(3)と、前記軸受に支持される回転軸に固定され、2列の磁気トラックを有する被検出部(19)を有する環状の被検出部材(5)と、前記軸受(3)の固定側軌道輪(11)に固定され、前記被検出部(19)の回転を非接触で検知する回転センサ(7)と、前記回転センサ(7)が搭載されたセンサ基板(23)と、前記センサ基板(23)が取り付けられたセンサハウジング(21)とを備えるアブソリュート式回転センサ付軸受装置(1)において、前記被検出部材5が前記軸受の回転側軌道輪に対して当接および当接解除可能となるように、前記軸受の軸心方向に平行な方向に進退可能に構成されたねじ部材(43)を前記センサハウジング(21)に設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転側軌道輪、前記回転側軌道輪に対向するように配置された固定側軌道輪、および前記回転側軌道輪と前記固定側軌道輪との間に介在する転動体を有する軸受と、
前記軸受が支持する回転軸に固定される環状の被検出部材であって、環状の芯金と、前記芯金の周方向に渡って設けられた2列の磁気トラックを有する被検出部とを有する被検出部材と、
前記軸受の前記固定側軌道輪に固定された、前記被検出部の回転を非接触で検知する回転センサと、
前記回転センサが搭載されたセンサ基板と、
前記センサ基板が取り付けられたセンサハウジングと
前記センサハウジングに設けられたねじ部材であって、前記被検出部材が前記軸受の回転側軌道輪に対して当接および当接解除可能となるように、前記軸受の軸心方向に平行な方向に進退可能に構成されたねじ部材と、
を備える
アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアブソリュート式回転センサ付軸受装置において、
前記被検出部と前記回転センサとは、互いに径方向に対向するように設けられており、
前記センサハウジングは、
前記固定側軌道輪に固定された円筒状部と、前記センサ基板を収容する収容部とを有する本体部と、
前記本体部に、前記軸受と反対側から取り付けられる蓋部と、
を備え、
前記ねじ部材は、前記蓋部に設けられたねじ部に螺合する環状部材として形成されている、
アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【請求項3】
請求項1に記載のアブソリュート式回転センサ付軸受装置において、
前記被検出部と前記回転センサとは、互いに軸心方向に対向するように設けられており、
前記センサハウジングは、前記固定側軌道輪に固定された、中央部分に貫通孔を有する円板状部と、前記センサ基板を収容する収容部とを備え、
前記ねじ部材は、前記円板状部の軸心方向の貫通孔として周方向に複数形成されたねじ孔に螺合している、
アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアブソリュート式回転センサ付軸受装置において、前記センサハウジングの収容部の前記被検出部に対向する壁部に、軸心方向に貫通する貫通窓が形成されており、前記貫通窓に、前記回転センサの対向面が、前記壁部の前記軸受側壁面と同一面上に位置するように配置されている、アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアブソリュート式回転センサ付軸受装置において、前記センサ基板における、前記壁部の前記軸受側壁面および前記回転センサの対向面と同一面上にない箇所に、前記回転センサからの信号を出力する信号出力ケーブルが取り付けられている、アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のアブソリュート式回転センサ付軸受装置において、
前記回転センサが、前記センサ基板に搭載された第1回転センサと、前記センサハウジングにおける前記第1回転センサから180°位相の異なる位置に配置された第2回転センサとを含み、
前記センサ基板に、前記第1回転センサからの信号を出力する第1信号出力ケーブルと、前記第2回転センサからの信号を出力する第2信号出力ケーブルと、前記第1回転センサからの信号と前記第2回転センサからの信号との合成信号を出力する第3信号出力ケーブルとが取り付けられている、
アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のアブソリュート式回転センサ付軸受装置において、
回転翼および該回転翼を回転させるモータを有する駆動部を複数備え、前記回転翼の回転によって飛行する電動垂直離着陸機に搭載される軸受装置であって、
前記駆動部の回転軸を回転可能に支持する軸受を備える、アブソリュート式回転センサ付軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アブソリュート式の回転センサを備える軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ロボットの関節部等を回転自在に支持する軸受として、高精度な制御が可能なアブソリュート式回転センサを備えた軸受装置が使用されている。アブソリュート式回転センサ付軸受装置として、例えば、1個の原点検出部と2個の絶対角度検出部を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この軸受装置では、合計3個のセンサやこれらセンサに接続されるケーブル等が必要で部品点数が多いうえ、2個の絶対角度検出部は互いに90°位相差を有するように位置決めされることが必要であることから、組み立て作業が煩雑化する。
【0004】
そこで、軸受と組み合わせるアブソリュート式回転センサとして、複列トラック式の回転センサを用いることが考えられる。この複列トラック式の回転センサは、環状の芯金の周面に角度検出用の磁気トラック(主トラック)と位相差検出用に磁気トラック(副トラック)の2列の磁気トラックを備えることにより、1個のセンサのみを用いた場合であっても回転角度、回転速度、回転方向等を高精度に検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4587656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、複列トラック式の回転センサを軸受に組み合わせることにより、少ない部品点数で、かつ組み立てや搬送が容易なアブソリュート式回転センサ付軸受装置を実現できると期待される。しかし、複列トラック式の回転センサを軸受に組み合わせる場合の具体的な構成は提案されていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、複列トラック式の回転センサを軸受に組み合わせることにより、少ない部品点数で構成を簡素化でき、かつ組み立ておよび搬送が容易なアブソリュート式回転センサ付軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するために、本発明に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置は、
回転側軌道輪、前記回転側軌道輪に対向するように配置された固定側軌道輪、および前記回転側軌道輪と前記固定側軌道輪との間に介在する転動体を有する軸受と、
前記軸受が支持する回転軸に固定される環状の被検出部材であって、環状の芯金と、前記芯金の周方向に渡って設けられた2列の磁気トラックを有する被検出部とを有する被検出部材と、
前記軸受の前記固定側軌道輪に固定された、前記被検出部の回転を非接触で検知する回転センサと、
前記回転センサが搭載されたセンサ基板と、
前記センサ基板が取り付けられたセンサハウジングと
前記センサハウジングに設けられたねじ部材であって、前記被検出部材が前記軸受の回転側軌道輪に対して当接および当接解除可能となるように、前記軸受の軸心方向に平行な方向に進退可能に構成されたねじ部材と、
を備えている。
なお、本明細書において、「センサハウジングに設けられたねじ部材」とは、センサハウジングに設けられたねじ部に螺合するねじ部材、またはセンサハウジングに設けられた挿通孔に挿通されたねじ部材を意味する。
【0009】
この構成によれば、回転センサの被検出部を複列トラック式とするとともに、回転センサをセンサ基板に実装した状態でセンサハウジングに取り付けるので、少ない部品点数で軸受装置の構成が簡素化され、かつ組み立て作業が容易になる。しかも、被検出部材を軸受の回転側軌道輪ではなく回転軸に直接取り付けるので、軸受や軸受への取付部材の振れによる影響を受けることがなく、安定して精度の高いセンサ出力を確保することができる。さらに、上記構成では、軸受装置を回転軸に取り付ける前の段階においては、被検出部材はどこにも固定されていない状態であるが、センサハウジングに設けたねじ部材によって被検出部材を軸受側へ押し付けることができる。したがって、軸受装置の搬送時において被検出部材のがたつきを防止することができるので、軸受装置の搬送作業を容易化できる。さらに、軸受装置の回転軸への組込み時には、ねじ部材を後退させるという簡単な作業によって被検出部材の軸受への当接を解除できるので、軸受装置を回転軸へ組み込む作業も容易になる。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記被検出部と前記回転センサとは、互いに径方向に対向するように設けられており、前記センサハウジングは、前記固定側軌道輪に固定された円筒状部と、前記センサ基板を収容する収容部とを有する本体部と、前記本体部に、前記軸受と反対側から取り付けられる蓋部とを備え、前記ねじ部材は、前記蓋部のねじ部に螺合する環状部材として形成されていてもよい。この構成によれば、いわゆるラジアルギャップ型の軸受装置において、簡易な構造によって上述した軸受装置の搬送作業を容易化を実現できる。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記被検出部と前記回転センサとは、互いに軸心方向に対向するように設けられており、前記センサハウジングは、前記固定側軌道輪に固定された、中央部分に貫通孔を有する円板状部と、前記センサ基板を収容する収容部とを備え、前記ねじ部は、前記円板状部の軸心方向の貫通孔として周方向に複数形成されていてもよい。この構成によれば、いわゆるアキシアルギャップ型の軸受装置において、簡易な構造によって上述した軸受装置の搬送作業を容易化を実現できる。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記センサハウジングの収容部の前記被検出部に対向する壁部に、軸心方向に貫通する貫通窓が形成されており、前記貫通窓に、前記回転センサの対向面が、前記壁部の前記軸受側壁面と同一面上に位置するように配置されていてもよい。この構成によれば、回転センサの対向面をセンサハウジングの壁面と同一面とすることにより、ねじ部材の突出長さを調整することで、高精度なアキシアルギャップの調整を容易に行うことが可能になる。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記センサ基板における、前記壁部の前記軸受側壁面および前記回転センサの対向面と同一面上にない箇所に、前記回転センサからの信号を出力する信号出力ケーブルが取り付けられていてもよい。この構成によれば、高精度なアキシアルギャップの調整および信号出力ケーブルの配線を容易に行うことが可能になる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記回転センサが、前記センサ基板に搭載された第1回転センサと、前記センサハウジングにおける前記第1回転センサから180°位相の異なる位置に配置された第2回転センサとを含み、前記センサ基板に、前記第1回転センサからの信号を出力する第1信号出力ケーブルと、前記第2回転センサからの信号を出力する第2信号出力ケーブルと、前記第1回転センサからの信号と前記第2回転センサからの信号との合成信号を出力する第3信号出力ケーブルとが取り付けられていてもよい。この構成によれば、2つの回転センサの合成信号を用いることにより、単一の回転センサを設けた場合に比べて、一層回転センサによる検出精度を一層高めることができる。さらには、2つの回転センサの信号をそれぞれ出力することにより、検出系統に冗長性をもたせることができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る軸家装置は、回転翼および該回転翼を回転させるモータを有する駆動部を複数備え、前記回転翼の回転によって飛行する電動垂直離着陸機に搭載される軸受装置であって、前記駆動部の回転軸を回転可能に支持する軸受を備えていてもよい。この構成によれば、上記軸受装置を自動車に代わる移動手段として期待される電動垂直離着陸機(いわゆる空飛ぶクルマ)に適用した場合においても、上述した利点を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置によれば、複列トラック式の回転センサを軸受に組み合わせることにより、少ない部品点数で構成を簡素化でき、かつ組み立てが容易な構成とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置の概略構成を示す縦断面図である。
図2図1の軸受装置に用いられる被検出部材を示す縦断面図である。
図3図1の軸受装置に用いられる被検出部材を示す平面図である。
図4図1の軸受装置に用いられるセンサハウジングを示す正面図である。
図5図1の軸受装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。
図6A図1の軸受装置に用いられる軸受のラジアル内部隙間を模式的に示す断面図である。
図6B図1の軸受装置に用いられる軸受のアキシアル内部隙間を模式的に示す断面図である。
図6C図1の軸受装置に用いられる軸受のアキシアル内部隙間を模式的に示す断面図である。
図7図1の軸受装置の組み立て方法の一例を示す模式図である。
図8図1図7の組み立て方法に用いられる押し部材および台座を示す正面図である。
図9図1の軸受装置に用いられる回転センサの位置合わせ方法の一例を示す模式図である。
図10図1の軸受装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。
図11図1の軸受装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。
図12図1の軸受装置の一変形例の概略構成を示す正面図である。
図13図1の軸受装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。
図14図12の軸受装置の一適用例を示す概略図である。
図15図1の軸受装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。
図16図9の軸受装置の組み立て方法の一例を示す模式図である。
図17】本発明の他の実施形態に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置の概略構成を示す縦断面図である。
図18図17の軸受装置に用いられる被検出部材を示す縦断面図である。
図19図17の軸受装置に用いられるセンサハウジングを示す正面図である。
図20図17の軸受装置の組み立て方法の一例を示す模式図である。
図21】本発明のさらなる他の実施形態に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置の概略構成を示す縦断面図である。
図22図17の軸受装置の組み立て方法の一例を示す模式図である。
図23図17の軸受装置の一変形例の概略構成を示す縦断面図である。
図24】本発明の一実施形態に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置が適用される電動垂直離着陸機を示す斜視図である。
図25図24の電動垂直離着陸機の駆動部におけるモータの一部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態を図面に従って説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0019】
図1に、本発明の一実施形態に係るアブソリュート式回転センサ式軸受装置(以下、単に「軸受装置」という。)1を示す。軸受装置1は、軸受3と、回転検出の対象となる環状の被検出部材5と、回転センサ7とを備える。
【0020】
本実施形態の軸受3は、深溝玉軸受として構成されており、内輪9と、内輪9に対向するように配置された外輪11と、内輪9と外輪11との間に介在する転動体13であるボールとを備えている。この例では、軸受3は内輪回転タイプとして構成されている。すなわち、内輪9が回転側軌道輪として、かつ外輪11が固定側軌道輪として構成されている。
【0021】
なお、本明細書において、「径方向」,「軸心方向」,「周方向」とは、特に示した場合を除き、軸受3の径方向、軸心方向、周方向をそれぞれ意味する。
【0022】
被検出部材5は、軸受3が回転自在に支持する回転軸15に取り付けられている。図2に示すように、被検出部材5は、環状の芯金17と、芯金17の周方向に渡って設けられた2列の磁気トラックを有する被検出部19とを有する。より具体的には、芯金17は、円筒状部17aと、円筒状部17aよりも小径の取付部17bとを有しており、被検出部19は円筒状部17aの外周面に形成されている。
【0023】
具体的には、本実施形態の被検出部材5は、芯金17を含む円環状の未着磁の磁性部材を形成した後に、この未着磁の磁性部材の表面に着磁極対数の異なる複列(この例では2列)の磁気トラックを着磁して形成される。複列の磁気トラックが被検出部19となる。前記未着磁の磁性部材は、例えば、金属環からなる芯金17の外周面に磁性粉を混練したゴム材料を、芯金17とともに金型に入れて加硫接着することや、またはプラスチック材料と磁性粉を混合したものと芯金17とを一体成形することなどにより形成される。芯金17は、例えば鉄系の圧延鋼板をプレス成形することにより形成される。
【0024】
芯金17の円筒状部17aの外周面に被検出部19が形成されている。図3に示すように、被検出部19の2列の磁気トラックについて着磁パターンを異ならせ、例えば1回転で1極対の差を発生させることを利用して回転軸15の絶対角の検出を可能にしている。被検出部材5としてこのような複列の着磁トラックを用いることにより、1つの回転センサ7のみによる高精度な回転検出が可能になる。
【0025】
図1に示すように、本実施形態では、軸受3の固定側軌道輪である外輪11に、被検出部19の回転を非接触で検知する1つの回転センサ7が取り付けられている。具体的には、センサハウジング21に、回転センサ7が搭載されたセンサ基板23が取り付けられている。
【0026】
本実施形態では、被検出部と回転センサ7とは、いわゆるラジアルギャップ型として構成されている。すなわち、被検出部と回転センサ7とは、互いに径方向に対向するように設けられている。図示の例では、回転センサ7は、被検出部材5の外周面の被検出部19に対向するように、センサ基板23の、径方向の内側を向く面に搭載されている。以下の説明では、センサ基板23の回転センサ7が搭載されている面を表面と呼び、その反対側の面を裏面と呼ぶ。回転センサ7として、この例では、磁束密度に対応した出力信号を発生する磁気センサを用いている。センサ基板23の裏面にはコネクタ25が搭載されており、コネクタ25を介して、回転センサ7に、回転センサ7の信号の外部への出力を行うための信号出力ケーブル27が接続されている。なお、信号出力ケーブル27は回転センサ7への給電等を行うためにも用いられる。
【0027】
図4に示すように、センサハウジング21は、軸受3(図1)と同心状に配置された円筒状部29と、円筒状部29から径方向外方に突出する形状を有する収容部31とを有する本体部33を備える。収容部31にセンサ基板23が収容される。収容部31は、円筒状部29から突設された凸部として形成されている。収容部31の内壁面に、センサ基板23が挿入され、かつセンサ基板23を軸心方向及び径方向に位置決めする取付溝35が形成されている。
【0028】
収容部31の外側の側壁面は、当該収容部31に外嵌する部材を軸心方向に直交する方向にガイド可能なガイド面37として形成されている。より具体的には、図4に示すように、センサハウジング21の収容部31は、円筒状部29から突出する部分が略方形に形成されており、径方向外側覆う頂壁31aと、頂壁31aの軸心方向の一方側(軸受3側)端部の一辺から頂壁31aに直交する方向に延びる正面壁31b(図1)と、頂壁31aの両端部の各辺から頂壁31aに直交する方向に延びる2つの側壁31cとを有する。すなわち、収容部31の2つの側壁31cは、正面壁31bの両端部の各辺から軸受3と反対側に垂直に、互いに平行に延びる外側の側壁面を有する。これら2つの側壁面が、当該収容部31に外嵌する部材を軸心方向に直交する方向にガイド可能なガイド面37として機能する。また、収容部31の上記2つの側壁31cの各内壁面に、軸心方向に平行に延びる取付溝35が形成されている。
【0029】
図1に示すように、センサハウジング21は、本体部33に、軸受3と反対側から着脱自在に取り付けられる蓋部39を備えている。センサハウジング21の軸受3と反対側の開口は、収容部31も含めて、蓋部39によって覆われている。
【0030】
さらに、図1に示すセンサハウジング21には、ねじ部41が設けられている。このねじ部41に、ねじ部材43が螺合する。具体的には、ねじ部材43は、被検出部材5が軸受3の回転側軌道輪に対して当接および当接解除可能となるように、軸心方向に平行な方向に進退可能に構成されている。換言すれば、ねじ部材43は、センサハウジング21の軸受3側壁面から軸受3側に突出可能に構成されている。具体的には、ねじ部41は、蓋部39の軸心方向の貫通孔として形成されている。本実施形態では、ねじ部41は、蓋部39の中央部分において軸心方向に貫通する貫通孔の内周面に形成されており、ねじ部材43は、このような蓋部39のねじ部41に内径側から螺合する環状部材として形成されている。
【0031】
本実施形態では、センサハウジング21は、外環部材45を介して軸受3の固定側部材である外輪11に取り付けられている。具体的には、外環部材45は、センサハウジング21の円筒状部29の外周面に嵌合する円筒状の大径部と、外輪11の内周面に嵌合する円筒状の小径部とを有している。なお、センサハウジング21は、軸受3の固定側部材(この例では外輪11)に直接取り付けられてもよい。
【0032】
他方、この例では、被検出部材5が単一部材として形成され、上述のように回転軸15に直接取り付けられているが、図5に示すように、被検出部材5は、その一部として環状のアダプタ部材47を備えており、アダプタ部材47を介して回転軸15に取り付けられてもよい。
【0033】
センサハウジング21の収容部31が上記のように形成されていることにより、後述する軸受装置1の組み立て工程において、回転センサ7と被検出部19の正確な位置決め作業が容易になる。
【0034】
図6A図6Cに示すように、玉軸受3においては、一般的に、転動体13は、内輪9および外輪11との間にラジアル内部隙間δおよびアキシアル内部隙間δ1,δ2が存するように組込まれている。なお、ラジアル内部隙間δ、アキシアル内部隙間δ1,δ2とは、内輪9または外輪11のいずれか一方を固定し、他方にラジアル方向またはアキシアル方向に移動させたときの移動量のことである。一般的に、アキシアル内部隙間δ1,δ2はラジアル内部隙間δの8倍~10倍の大きさになる。アキシアル内部隙間δ1,δ2が形成されていることにより、例えば玉軸受3の外輪11を固定した場合、内輪9は、内輪9,外輪11の軌道輪溝底を中心にアキシアル方向に同じ寸法だけ移動可能になる。
【0035】
そのため、軸受3が、内輪9,外輪11の各軌道輪溝の中心が揃うようにセットされた状態で、図1の回転センサ7を軸受3の外輪11側に固定したセンサハウジング21に取付ける場合には、被検出部材5のアキシアル方向の移動量は、軌道輪の溝底を中心にラジアル内部隙間δの4倍~5倍に収まる。しかし、軸受3の内輪9,外輪11の各軌道輪溝の中心が揃うようにセットされていない場合には、内輪9がアキシアル方向の一方向に偏った状態で回転センサ7が組込まれることがある。この場合、軸受3がこの反対方向へ移動すると最大でラジアル内部隙間δの8倍~10倍の距離アキシアル方向に動くおそれがある。その結果、回転センサ7の中央と、被検出部19の2列のトラックの中央の位置が大きくずれてしまい、回転センサ7が被検出部19の回転を検知できない場合が生じ得る。
【0036】
このような不具合を回避するため、本実施形態の軸受装置1は、組立て工程において、図7に示すように、以下に説明する方法によって軸心方向の位置決めを行う。なお、図7において、各ステップの上部に平面図を、下部に縦断面図を示す。
【0037】
軸受3にセンサハウジング21の本体部33を組付けた状態で、台座49に鉛直方向に取付けた位置決め用の仮軸51に、軸受3の内輪9を嵌合させる。このとき、軸受3が下方に、本体部33が上方に位置するように仮軸51に挿入される。次に、このように配置された軸受3の上方から、被検出部19に複列の磁気トラックが着磁された被検出部材5を仮軸51に嵌合させる。これにより、被検出部材5が、センサハウジング21の本体部33の内方において、軸受3の回転側軌道輪である内輪に当接した状態となる。
【0038】
台座49の上面には、平面視でセンサハウジング21の収容部31の中央を通過する軸受3の径方向に沿って延びるガイド溝53が形成されている。台座49のガイド溝53上の位置に、全体として略方形の押し部材55が設置される。図8に示すように、押し部材55の底面には、ガイド溝53に係合する形状のガイド凸部57が設けられており、ガイド凸部57がガイド溝53に係合するように押し部材55が設置される(ステップA)。
【0039】
この状態で、図7に示すように、押し部材55の上側部分はセンサハウジング21の収容部31に対向している。押し部材55の上側部分には、センサハウジング21の収容部31の外形に対応する形状の凹部であるガイド凹部55aが形成されている。このような構造を有する押し部材55を、ガイド凹部55aを収容部31のガイド面37に沿わせるように、ガイド溝53上を軸受3の中心に向けて押し込む。これにより、押し部材55のガイド凹部55aの下方に形成された平面状の押圧部57が、軸受3の外輪11の外周面に押し付けられ、転動体13が軸受3内輪9,外輪11の各軌道輪溝底9a,11aに当接するので、軸受3の内輪9と外輪11が軌道輪溝底9a,11aを基準に整列する(ステップB)。
【0040】
このように、センサハウジング21の収容部31に押し部材55をガイド可能なガイド面37を設けたことにより、ガイド面37を利用して軸心方向に直交する方向に押し付ける作業を容易かつ確実に行うことが可能になる。これにより、軸受3内の転動体13と軌道輪9,11間の隙間の影響によるセンサ位置のずれが最小限となるような位置決めをすることが可能になる。したがって、精度の高い回転検出が可能な軸受装置1を簡易な作業で組み立てることができる。
【0041】
ここで、上記のように位置決めされた軸受3および被検出部材5に対して、回転センサ7の回転センサ7を軸心方向に位置決めする方法について説明する。この例では、被検出部材5の端部を基準としてセンサ基板23が位置決めされる。具体的には、図2に示すように、被検出部材5の被検出部19の2列のトラックの各幅寸法を同一のLとする。さらに、図9に示すように、センサ基板23の幅寸法(軸受3の軸心法寸法)を、被検出部19全体の幅寸法と同一の2Lに設定したうえで、回転センサ7の中央位置Mのセンサ基板23の端面からの距離がLになるようにセンサ21を実装してセンサ基板23を用意する。このように作製したセンサ基板23を、図7に示す、位置決めされた状態の軸受3に取り付けられたセンサハウジング21の取付溝35に挿入し、被検出部19およびセンサ基板23の、軸受3の反対側の各端面の位置を一致させる。これにより、軸受3の軌道輪溝底9a,11aを基準として、被検出部19の2列のトラック間の境界線と回転センサ7の中央位置Mを一致させることができる。特に、被検出部材5の端部を基準とすることで、簡易的に回転センサ7の位置決めをすることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、取付溝35の軸心方向の内寸を、収容部31の軸受3と反対側の端面から、センサ基板23の幅寸法と同一長さに設定している。これにより、単にセンサ基板23を取付溝35に挿入し、軸受3側の端部まで押し込むことによって、被検出部19と回転センサ7の位置決めを簡易的に行うことができる。
【0043】
また、センサハウジング21の収容部31は、軸受3と反対側から取付溝35にセンサ基板23を挿入可能に構成されている。具体的には、図1に示すように、収容部31も含めてセンサハウジング21の本体部33の、軸受3と反対側の端部は開口しており、センサハウジング21の蓋部39は、上述したように、この端部に着脱自在に構成されている。したがって、上記の位置決め段階では、センサハウジング21の蓋部39を取り外しておくことで、収容部31に、軸受3と反対側から取付溝35にセンサ基板23を挿入することが可能になっている。
【0044】
次に、回転センサ7と被検出部19との間の径方向のギャップ(以下、「センサギャップ」という。)ΔTを確保する方法について説明する。図4に示すように、センサハウジング21の中央から取付溝35の底面までの距離をT1、被検出部材5の被検出部19の外周面の半径寸法をT2,センサ実装後のセンサ基板23の表面23aからセンサ表面(被検出部19に対向する面)までの距離をT3としたとき、下記の式を満足するように、取付溝35の位置、回転センサ7及びセンサ基板23の寸法を予め設定しておく。
ΔT=T1-T2-T3
【0045】
これにより、図7と共に説明した方法によって軸受3側の軸心方向の位置決めが成された状態で、単にセンサ基板23をセンサハウジング21の収容部31の取付溝35に挿入することによってセンサギャップΔTを保持することが可能になる。
【0046】
次に、図7に示すように、軸受3に対して回転センサ7がこのように位置決めされた状態で、センサハウジング21の本体部33に蓋部39を取り付ける。具体的には、本実施形態では、蓋部39が本体部33に取り付けられる前の時点で、蓋部39のねじ部41に、環状のねじ部材43が、蓋部39の軸受側端面からねじ部材43が突出しない状態で螺合している。この状態の蓋部39を、センサハウジング21の本体部33に嵌合させることによって固定する。なお、蓋部39を本体部33に固定する方法は、嵌合に限らず、例えば接着やボルト締結等、任意の方法であってよい。
【0047】
このように蓋部39を本体部33に固定した状態から、ねじ部材43を回転させて、軸受3側に押し込む(ステップC)。これにより、ねじ部材43と被検出部材5とが当接し、かつ被検出部材5と軸受3の内輪(回転側軌道輪)とが当接した状態となる。
【0048】
軸受装置1をこのように構成したことにより、軸受装置1を回転軸15に取り付ける前の段階においては、被検出部材5はどこにも固定されていない状態であるが、センサハウジング21に設けたねじ部材43によって被検出部材5を軸受側へ押し付けることができる。したがって、軸受装置1の搬送時において被検出部材5のがたつきを防止することができるので、軸受装置1の搬送作業を容易化できる。さらに、軸受装置1の回転軸15への組込み時には、ねじ部材43を後退させるという簡単な作業によって被検出部材5の軸受3への当接を解除できるので、軸受装置1を回転軸15へ組み込む作業も容易になる。
【0049】
なお、ねじ部材43によって内輪9(回転側軌道輪)が押し込まれることによって外輪11(固定側軌道輪)が脱落することを防止する構成を採用してもよい。具体的には、例えば、外環部材45の外輪11への圧入力を高めることによって脱落を防止してもよい。図10に一変形例として示すように、外環部材45の外輪11への嵌合部に外径側に湾曲する凸部59を設け、外輪11の内周面に凸部が係合する凹部61を設けてもよい。あるいは、図11に他の変形例として示すように、外環部材45の外輪11への嵌合部表面の一部を、センサハウジング21側から切り取り外径側に折り曲げて形成した爪部63を設け、外輪11の内周面に爪部63が係合する凹部65を設けてもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、軸受装置1を組み立てた後のアキシアル隙間量を、転動体のボール径Brに対して所定の比率以下となるように設定している。具体的には、実用上使用される回転センサ7が検知可能な軸心方向の振れ幅の上限値Vmと、種類の軸受のボール径Brに基づいて、アキシアル隙間量がボール径Brの(Vm/Br)倍以下となるように設定している。
【0051】
また、図1に示すように、収容部31は、収容部31の内壁面とセンサ基板23との間の空間に充填された樹脂材67を有している。樹脂材67は、センサ基板23に搭載された回転センサ7も含めて覆っている。樹脂材67を充填する方法としては、例えば、コネクタ25に信号出力ケーブル27を挿入し、回転センサ7と被検出部材5の間に樹脂材遮断板(図示せず)を挿入し、センサハウジング21の収容部31内部を樹脂材67で固定する。その場合、コネクタ25内部へ樹脂材67の侵入を防止するために、コネクタ25にコーキング剤を塗布してもよい。樹脂材遮断板を取り外した後に、センサハウジング21の本体部33を覆う蓋部39を取り付ける。このように、樹脂材67を充填することにより、センサハウジング21に取り付けられた回転センサ7およびセンサ基板23を確実に固定することができる。
【0052】
なお、上記実施形態においては、回転センサ7を1つのみ設けた例について説明したが、図12に一変形例として示すように、センサハウジング21に、180°位相の異なる2つの回転センサ7が設けられていてもよい。
【0053】
具体的には、回転センサ7として、収容部31内のセンサ基板23(同図の第1センサ基板23A)に搭載された第1回転センサ7Aと、センサハウジング21における第1回転センサ7Aから180°位相の異なる位置に配置されたセンサ基板23(同図の第2センサ基板23B)に搭載された第2回転センサ7Bとが設けられている。
【0054】
図13に示すように、センサ基板23には、第1回転センサ7Aからの信号を出力する第1信号出力ケーブル27Aと、第2回転センサ7Bからの信号を出力する第2信号出力ケーブル27Bと、第1回転センサ7Aからの信号と第2回転センサ7Bからの信号との合成信号を出力する第3信号出力ケーブル27Cとが取り付けられている。すなわち、第2回転センサ7Bは、第2回転センサ7Bからの信号をセンサ基板23上の処理装置(例えばマイコン)に送信する送信ケーブル69を介してセンサ基板23に接続されている。センサハウジング21の本体部33の外周面には、ケーブル溝71が形成されており、このケーブル溝71に送信ケーブル69が配設されている。
【0055】
この構成によれば、2つの回転センサ7の合成信号を用いることにより、単一の回転センサ7を設けた場合に比べて、回転センサ7による検出精度を一層高めることができる。さらには、2つの回転センサ7の信号をそれぞれ出力することにより、検出系統に冗長性をもたせることができる。
【0056】
また、このように第1回転センサ7Aと第2回転センサ7Bを設けた場合、以下に説明するように、事前に被検出部材5の回転軸15への取付精度を確認することが可能になる。
【0057】
被検出部材5を回転軸15へ取り付ける際、ラジアル振れやアキシアル振れが無いように被検出部材5を組込む必要がある。これらの振れが大きいと、被検出部19と回転センサ7とのギャップ(被検出部19と磁気センサ間の距離)が変化し、正確な検知が困難になる。もっとも、回転軸15へ被検出部材5を取り付けた際に、測定器具の取付け箇所や測定に要するスペースの不足等の問題で被検出部材5の取付け精度の確認が行えない場合がある。そこで、このような場合に、図14に示すように、軸受装置1から被検出部材5を除いた構成の取付け精度検知用軸受装置73を作製して取付精度を事前に測定する。具体的には、取付け精度検知用軸受装置73に、回転軸15に組込んだ被検出部材5を挿入し、回転軸15を回転させ、取付け精度検知用軸受装置73の第1回転センサ7Aと第2回転センサ7Bの合成信号と、第1回転センサ7Aまたは第2回転センサ7Bの信号との精度比較を行い、この結果により被検出部材5の取付け精度の確認を行う。
【0058】
なお、上記実施形態においては、軸受3を内輪回転タイプとして構成した例について説明したが、図15に他の変形例として示すように、軸受3が外輪回転タイプであっても本発明を適用することができる。なお、以下の説明では、図1図14と共に説明した実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0059】
本実施形態に係る軸受3は、外輪回転タイプとして構成されている。すなわち、内輪9が固定側軌道輪として、外輪11が回転側軌道輪として構成されている。また、本実施形態では、被検出部材5は、軸受3が支持する回転軸15に取り付けられており、回転センサ7およびセンサユニットを含む回転センサ7は、固定側軌道輪である内輪9に取り付けられている。
【0060】
本実施形態では、センサハウジング21の蓋部39の外周面にねじ部41が設けられており、このねじ部41に、環状部材の内周面にねじ部を有するねじ部材43が螺合する。
【0061】
センサハウジング21には、軸心方向の軸受3と反対側に突出する全体として略方形のガイド部75が設けられている。ガイド部75は、センサハウジング21に突設された凸部として形成されている。ガイド部75の側面が、センサハウジング21のガイド部75に外嵌する部材(図16に示す押し部材55)を軸心方向に直交する方向にガイド可能なガイド面37として形成されている。このような構成とすることにより、図16に示すように、ガイド面37を利用して、軸心方向に直交する方向に軸受3を押し付ける作業を容易かつ確実に行うことが可能になる。これにより、軸受3内の転動体13と軌道輪9,11間の隙間の影響によるセンサ位置のずれが最小限となるような位置決めをすることが可能になる。したがって、精度の高い回転検出が可能な軸受装置1を簡易な作業で組み立てることができる。
【0062】
次に、図17に示す、本発明の他の実施形態に係るアブソリュート式回転センサ付軸受装置1について説明する。本実施形態では、被検出部19と回転センサ7とは、いわゆるアキシアルギャップ型として構成されている。すなわち、被検出部19と回転センサ7とは、互いに軸心方向に対向するように設けられている。なお、以下の説明では、図1図16と共に説明した実施形態と共通する点については説明を省略する場合がある。
【0063】
本実施形態においても、軸受装置1は、深溝玉軸受である軸受3と、回転検出の対象となる環状の被検出部材5と、回転センサ7とを備える。本実施形態の被検出部材5の芯金17は、図18に示すように、フランジ状部17cと、フランジ状部17cよりも小径の円筒状の取付部17dとを有している。被検出部19はフランジ状部17cの軸受と反対側を向く面上に形成されている。
【0064】
図19に示すように、センサハウジング21は、固定側軌道輪である外輪11に固定される、中央部分に貫通孔を有する円板状部77と、センサ基板23(図17)を収容する収容部31とを備えている。
【0065】
具体的には、本実施形態のセンサハウジング21は、全体として、中央部分に回転軸15を挿通させるための貫通孔を有するほぼ円板状に形成されており、その周方向の一部(図示の例では周方向の約1/4を占める部分)に収容部31が形成されている。図17に示すように、収容部31は、円板状部77から軸受と反対側に突設された凸部として形成されている。
【0066】
センサハウジング21の収容部31における、被検出部19に対向する壁部31aに、軸心方向に貫通する貫通窓79が形成されており、貫通窓79に、センサ基板23に搭載された回転センサ7の対向面7aが、壁部31aの軸受側壁面と同一面上に位置するように配置されている。また、センサ基板23における、壁部31aの軸受側壁面および回転センサ7の対向面7aと同一面上にない箇所(この例では軸受3と反対側の面)に、コネクタ25を介して、回転センサ7からの信号を出力する信号出力ケーブル27が取り付けられている。
【0067】
本実施形態では、センサハウジング21のねじ部41は、図19に示すように、円板状部77に形成された軸心方向の貫通孔であるねじ孔として周方向に複数(図示の例では3つ)形成されている。各ねじ部41に、無頭ねじであるねじ部材43が螺合される。本実施形態においても、ねじ部材43は、センサハウジング21の軸受側壁面から軸受3側に突出可能に構成されている。
【0068】
このように構成された本実施形態の軸受装置1は、組立て工程において、図20に示すように、以下に説明する方法によって軸心方向の位置決めを行う。なお、図20において、各ステップの上部に平面図を、下部に縦断面図を示す。
【0069】
センサハウジング21を固定するための外環部材45が外輪11に取り付けられた状態の軸受3の内輪9を、台座49に鉛直方向に取付けた位置決め用の仮軸51に嵌合させる。次に、このように配置された軸受3の上方から、被検出部材5を仮軸51に嵌合させる。これにより、被検出部材5が、センサハウジング21の本体部33の内方において、軸受3の回転側軌道輪である内輪9に当接した状態となる(ステップA)。
【0070】
台座49の上面には、平面視で軸受3の回転中心を通過する軸受径方向に沿って延びるガイド溝53が形成されている。台座49のガイド溝53上の位置に、全体として略方形の押し部材55が設置される。押し部材55の底面には、ガイド溝53に係合する形状のガイド凸部57が設けられており、ガイド凸部57がガイド溝53に係合するように押し部材55が設置される。なお、本実施形態に係る押し部材55の上面には、後述する位置合せ部材81が嵌合される嵌合突起83が設けられている。
【0071】
このような構造を有する押し部材55を、ガイド凹部55aを収容部31のガイド面37に沿わせるように、ガイド溝53上を軸受3の中心に向けて押し込む。これにより、押し部材55の押圧部57が、軸受3の外輪11の外周面に押し付けられ、転動体13が軸受3の内輪9,外輪11の各軌道輪溝底9a,11aに当接するので、軸受3の内輪9と外輪11が軌道輪溝底9a,11aを基準に整列する。
【0072】
この状態で、被検出部材5の上方から、センサハウジング21を仮軸51に嵌合させる(ステップB)。センサハウジング21には、仮軸51に嵌合される前に、上述したように、センサ基板23に搭載された回転センサ7の対向面が、壁部31aの軸受側壁面と同一面上に位置するようにセンサ基板23が取り付けられている。さらに、センサハウジング21のねじ部41に、各ねじ部材43が、センサハウジング21の軸受3側端面から所定のアキシアルギャップに相当する長さ分突出した状態で螺合されている。
【0073】
このように被検出部材5の被検出部19と回転センサ7の対向面との間のアキシアルギャップが確保された状態で、位置合せ部材81を押し部材55の上部に取り付けることによりセンサハウジング21の収容部31の周方向位置を調整したうえで、センサハウジング21を軸受3の外輪11(固定側軌道輪)に固定する(ステップC)。この例では、外環部材45の軸受3と反対側の端部を径方向内側に折り曲げることにより、センサハウジング21を外輪11に固定する。
【0074】
その後、押し部材55および位置合せ部材81を軸受3およびセンサハウジング21から外し、ねじ部材43を増し締めすることにより、ねじ部材43と被検出部材5とが当接し、かつ被検出部材5と軸受3の内輪9(回転側軌道輪)とが当接した状態となる(ステップD)。
【0075】
なお、軸受装置1が本実施形態に係るアキシアルギャップ型である場合にも、軸受3を外輪回転タイプとすることができる。
【0076】
上記の各実施形態では、軸受3が、軸心方向に対称の構造を有する玉軸受の一例である深溝玉軸受である例について説明したが、各実施形態が適用される軸受3の種類はこれに限定されない。例えば、各実施形態に係る軸受装置1は、軸心方向に非対称な構造を有する転がり軸受、例えば円すいころ軸受やアンギュラ玉軸受にも適用することができる。
【0077】
軸心方向に非対称な構造を有する転がり軸受については、ラジアルギャップ型とアキシアルギャップ型のいずれを適用することもできるが、被検出部材5側へ負荷がかかりにくいアキシアルギャップ型を適用することが好ましい。
【0078】
また、軸心方向に非対称な構造を有する転がり軸受に、各実施形態を適用した場合の軸受装置1の基本的な構造は、上記各実施形態で示したものと同様となるが、軸心方向に非対称な構造を有する転がり軸受の場合、対称構造の軸受と異なり、予圧方向、すなわちアキシアル内部隙間をなくす方向が決まっている。したがって、軸受装置1の組み立て工程において、軸心方向の位置決めをするための方法が、上記で説明した実施形態と異なる。以下、この点について詳細に説明する。
【0079】
本発明のさらなる他の実施形態として、図21に、円すいころ軸受を軸受3として用いて、アキシアルギャップ型の軸受装置1を構成した例を示す。この軸受装置1は、上述した各実施形態と同様に、回転検出の対象となる環状の被検出部材5と、回転センサ7と、センサハウジング21とを備える。
【0080】
なお、軸心方向に非対称な構造を有する転がり軸受については、ラジアルギャップ型とアキシアルギャップ型のいずれを適用することもできるが、円すいころ軸受の場合、転動体は円すいころ(ローラ)であり、ボールに比べて剛性が大きいため予圧量が大きくなる。このため、予圧負荷位置を被検出部材5の着磁位置から外して、予圧により着磁部である被検出部19の変形を防止するためにアキシアルギャップ型とすることが好ましい。
【0081】
このような構成を有する本実施形態の軸受装置1は、組立て工程において、図22に示すように、以下に説明する方法によって軸心方向の位置決めを行う。
【0082】
軸受側の前工程として、軸受3の外輪11(固定側軌道輪)に、センサハウジング21を固定するための外環部材45を固定(この例では圧入)するとともに、センサハウジング21の内方において、内輪9(回転側軌道輪)に被検出部材5を取付ける。被検出部材5における内輪9に当接する部分には、内輪の端部形状に対応する仮止め用凹部が形成されており、この仮止め用凹部を内輪9の端部に嵌合させることにより、内輪9に被検出部材5を取付ける。
【0083】
他方、センサハウジング21側では、上述したように、センサ基板23に搭載された回転センサ7の対向面が、壁部3aの軸受側壁面と同一面上に位置するようにセンサ基板23が取り付けられている。さらに、センサハウジング21のねじ部41に、各ねじ部材43が、センサハウジング21の軸受3側端面から所定のアキシアルギャップに相当する長さ分突出した状態で螺合されている。
【0084】
次に、上述の前工程を施した軸受3の内輪9を、台座49に鉛直方向に取付けた位置決め用の仮軸51に嵌合させる。このとき、軸受3における予圧が付与される向きが鉛直方向下向きとなるように、軸受3を仮軸51に嵌合させる(ステップA)。この状態での内輪9の停止位置が軸心方向の基準となる。すなわち、予圧方向が定まっている、軸心方向に非対称な構造を有する軸受では、深溝玉軸受を使用した例と異なり、軸受3の内輪9,外輪11の軌道輪溝底を基準として位置決めするための押し部材55の使用を省略することができる。
【0085】
その後、被検出部材5の上方から、センサハウジング21を仮軸51に嵌合させる(ステップB)。このように被検出部材5の被検出部19と回転センサ7の対向面との間のアキシアルギャップが確保された状態で、センサハウジング21を軸受3の外輪11(固定側軌道輪)に固定する。この例では、外環部材45の軸受3と反対側の端部をセンサハウジング21にボルト固定することにより、センサハウジング21を外輪11に固定している(ステップC)。
【0086】
次に、図23に示す、本実施形態に係る軸受装置1をアンギュラ玉軸受に適用した変形例について説明する。この例では、アンギュラ玉軸受である軸受3によって機械装置のスピンドルである回転軸15を回転自在に支持している。この軸受装置1では、センサハウジング21の周方向に複数設けられたボルト挿通孔87に挿通され、スピンドルハウジング89のボルト孔91に螺合する、ねじ部材43であるボルトの締め付けによって、被検出部材5が軸受側に押し付けられる。
【0087】
アンギュラ玉軸受が2列背面組合せで用いられる場合、2列の軸受の外輪同士が、直接的、または間接的に当接している状態から、離間する内輪同士を押し合わせることにより、既定の予圧量(定位置予圧)が付与される。また、アンギュラ玉軸受が2列正面組合せで用いられる場合、2列の軸受の内輪同士が、直接的、または、間接的に当接している状態から、離間している外輪同士を押し合わせることにより、既定の予圧量(定位置予圧)が付与される。
【0088】
このように、アンギュラ玉軸受は、内輪端面と外輪端面の軸心方向の位置が一致した状態で使用される。この時、内輪に被検出部材5、外輪11に回転センサ7を内蔵したセンサハウジング21の蓋部39をそれぞれ当接させることで、回転センサ7と被検出部材5を軸受の幅面を基準として組み込むことができ、両者の位置を高精度に保持できる。これにより、回転軸15の回転情報の検出を正確に行うことができる。
【0089】
本回転センサ7付軸受がアキシアルギャップ型の場合には、外輪幅面を基準として、被検出部材5の着磁側端面の位置を設定し、その面に対向し、必要なギャップ量を考慮した位置に回転センサ7を設置する。径方向の基準は回転軸15の中心とし、ここから被検出部19の着磁トラックの境界位置を設定し、この境界位置に回転センサ7の中央部が対向するよう、蓋部39への回転センサ7の取付け位置を設定する。
【0090】
上記の各実施形態において例示したように、軸受の種類に応じて適切な基準位置を容易に設定することができる。
【0091】
以上説明した各実施形態に係るアブソリュート式回転センサ付軸受装置1によれば、回転センサ7の被検出部19を複列トラック式とするとともに、回転センサ7をセンサ基板23に実装した状態でセンサハウジング21に取り付けるので、少ない部品点数で軸受装置1の構成が簡素化され、かつ組み立て作業が容易になる。しかも、被検出部材5を軸受の回転側軌道輪ではなく回転軸15に直接取り付けるので、軸受3や軸受3への取付部材の振れによる影響を受けることがなく、安定して精度の高いセンサ出力を確保することができる。さらに、上記構成では、軸受装置1を回転軸15に取り付ける前の段階においては、被検出部材5はどこにも固定されていない状態であるが、センサハウジング21に設けたねじ部材43によって被検出部材5を軸受3側へ押し付けることができる。したがって、軸受装置1の搬送時において被検出部材5のがたつきを防止することができるので、軸受装置1の搬送作業を容易化できる。さらに、軸受装置1の回転軸15への組込み時には、ねじ部材43を後退させるという簡単な作業によって被検出部材5の軸受への当接を解除できるので、軸受装置1を回転軸15へ組み込む作業も容易になる。
【0092】
次に、上記で説明した実施形態に係る軸受装置1の適用例について説明する。この軸受装置1の用途は特に限定されないが、例えば、図24に示す、電動垂直離着陸機101に使用することができる。
【0093】
近年、自動車に代わる移動手段として飛行可能な自動車、いわゆる空飛ぶクルマが注目されている。空飛ぶクルマは、上記の社会的問題の解消に期待されており、地域内移動、地域間移動、観光・レジャー、救急医療、災害救助など、様々な場面での活用が期待されている。
【0094】
空飛ぶクルマとして、同図に示すような垂直離着陸機(VTOL;Vertical Take-Off and Landing aircraft)が注目されている。垂直離着陸機は、空と離発着場を垂直に昇降できることから、滑走路が必要とならず、利便性に優れる。特に、近年ではCOの削減に向けた社会的要請などからバッテリとモータで飛行するタイプの電動垂直離着陸機101(eVTOL)が開発の主流となっている。
【0095】
図11に示す電動垂直離着陸機101は、機体中央に位置する本体部103と、前後左右に配置された4つの駆動部105を有するマルチコプターである。駆動部105は、電動垂直離着陸機101の揚力および推進力を発生させる装置であり、駆動部105の駆動によって電動垂直離着陸機101が飛行する。電動垂直離着陸機101において駆動部105は複数あればよく、4つに限定されない。
【0096】
本体部103は乗員(例えば1~2名程度)が搭乗可能な居住空間を有している。この居住空間には、進行方向や高度などを決めるための操作系や、高度、速度、飛行位置などを示す計器類などが設けられている。本体部103からは4本のアーム107がそれぞれ延び、各アーム107の先端に駆動部105が設けられている。図示の例において、アーム107には、回転翼109を保護するため、回転翼109の回転周囲を覆う回転翼111が一体に設けられている。また、本体部103の下部には、着陸時に機体を支えるスキッド113が設けられている。
【0097】
駆動部105は、回転翼109と、該回転翼109を回転させるモータ115とを有する。駆動部105において、回転翼109はモータ115を挟んで軸方向両側に一対設けられている。各回転翼109は、径方向外側へ延びる2枚の羽根をそれぞれ有する。
【0098】
本体部103には、バッテリ(図示せず)および制御装置(図示せず)が設けられている。制御装置はフライトコントローラとも呼ばれる。電動垂直離着陸機101の制御は、制御装置によって、例えば以下のように実施される。制御装置が、現姿勢と目標姿勢の差から揚力を調整すべきモータ115に回転数変更の指令を出力する。その指令に基づいて、モータ115に備えられたインバータがバッテリからモータ115へ送る電力量を調整し、モータ115(および回転翼109)の回転数が変更される。また、モータ115の回転数の調整は、複数のモータ115に対して、同時に実施され、それによって機体の姿勢が決まる。
【0099】
図25に、駆動部105におけるモータ115の一部断面図を示す。モータ115の回転軸117の一端側(図上側)には上述の回転翼109が取り付けられ、他端側(図下側)にはロータが取り付けられる。ロータは、ハウジング119に固定されたステータに対向配置され、該ステータに対して回転可能になっている。なお、モータ115は、アウターロータ型のブラシレスモータや、インナーロータ型のブラシレスモータの構成を採用できる。
【0100】
モータ115は、ハウジング(装置ハウジング)119と、ロータ(図示せず)と、ステータ(図示せず)と、インバータ(図示せず)と、2個の軸受3とを備える。この例では、軸受3として、内輪回転タイプの転がり軸受3(より具体的には深溝玉軸受)を用いている。
【0101】
ハウジング119は外筒119aと内筒119bを有し、これらの間には冷却媒体流路119cが設けられている。この冷却媒体流路119cに冷却媒体を流すことにより、過度の温度上昇を防止できる。ハウジング119の材質は特に限定されず、例えば鉄系材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などを用いることができる。
【0102】
軸受3は、ハウジング119内で回転軸117を回転自在に支持している。図25において、軸受3の外輪11の外径形状は、ハウジング119内周の嵌合部と同一の形状であり、ハウジング119に対して、軸受ハウジングなどを介さずに直接嵌合される。2個の軸受3の間には内輪間座121、外輪間座123が挿入され、予圧が印加されている。
【0103】
なお、駆動部105における軸受3構成は、図25の例に限定されない。図25では、モータ115の回転軸117と回転翼109の回転軸とを同一の回転軸117とした例を示したが、モータ115の回転軸117と回転翼109の回転軸とが伝達機構を介して接続された構成であってもよい。この場合、駆動部105における回転軸117を支持する軸受3は、モータ115の回転軸117を支持する軸受3でもよく、回転翼109の回転軸を支持する軸受3でもよい。
【0104】
本実施形態においても、軸受3に、上記で説明した構成を有する被検出部材5と、回転センサ7とが取り付けられた軸受装置1が設けられており、高精度の回転検出を行うことができる。
【0105】
なお、本実施形態においても、軸受3は例示した深溝玉軸受に限定されず、例えばアンギュラ玉軸受や円すいころ軸受を用いてもよい。
【0106】
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1 アブソリュート式回転センサ式軸受装置
3 軸受
5 被検出部材
7 回転センサ
9 内輪(回転側軌道輪)
11 外輪(固定側軌道輪)
13 転動体
15 回転軸
17 芯金
19 被検出部
21 センサハウジング
23 センサ基板
41 ねじ部
43 ねじ部材
101 電動垂直離着陸機
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25