(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149232
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
A47F 3/04 20060101AFI20231005BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A47F3/04 H
F25D17/08 319E
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057686
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中居 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大野 将昭
(72)【発明者】
【氏名】根岸 正樹
【テーマコード(参考)】
3B110
【Fターム(参考)】
3B110AA11
3B110BA05
3B110CA20
(57)【要約】
【課題】設置に必要な空間の縮小を図ることができるショーケースを提供する。
【解決手段】ショーケース1は、内部に商品が陳列される空間である陳列室11が設けられるケース本体10と、陳列室11に開口する冷気吹出口43が設けられる冷気ダクト40と、を備え、冷気吹出口43の縁部17のうち、冷気ダクト40の風が流れる向きにおける下流側に位置する箇所には、陳列室11に向かって延伸する整風部材が設けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に商品が陳列される空間である陳列室が設けられるケース本体と、
前記陳列室に開口する冷気吹出口が設けられる冷気ダクトと、を備え、
前記冷気吹出口の縁部のうち、前記冷気ダクトの風が流れる向きにおける下流側に位置する箇所には、前記陳列室に向かって延伸する整風部材が設けられる
ことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
前記整風部材と、前記縁部との間には、前記整風部材と前記縁部との間に隙間を形成するスペーサが設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のショーケース。
【請求項3】
前記冷気吹出口には、前記整風部材よりも前記冷気ダクトの風が流れる向きにおける上流側に配置される他の整風部材が設けられ、
前記整風部材によって整風される冷気が通過する前記冷気ダクトの幅寸法は、前記他の整風部材によって整風される冷気が通過する前記冷気ダクトの幅寸法よりも小さく形成される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、冷蔵ショーケースの冷却性能が低下しないようにすると共に、板状に構成された整風部材の取付構造を提供するショーケースを開示する。このショーケースは、外箱と商品が陳列される内箱との間に、冷気循環用の流路を形成し、流路の一方に冷気の吹出部を設け、吹出部の下方における流路内に、内箱と外箱とを連結する補強部材を設け、この補強部材の上端部に、吹出部まで延出する上向片を設け、この上向片に、吸込部側を向く整風部材を取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、簡易な構成で冷却機能の向上を図ることができるショーケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示におけるショーケースは、内部に商品が陳列される空間である陳列室が設けられるケース本体と、前記陳列室に開口する冷気吹出口が設けられる冷気ダクトと、を備え、前記冷気吹出口の縁部のうち、前記冷気ダクトの風が流れる向きにおける下流側に位置する箇所には、前記陳列室に向かって延伸する整風部材が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、簡易な構成で冷却機能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、冷蔵ショーケースの冷却性能が低下しないようにすると共に、板状に構成された整風部材の取付構造を提供する技術があった。このショーケースは、外箱と商品が陳列される内箱との間に、冷気循環用の流路を形成し、流路の一方に冷気の吹出部を設け、吹出部の下方における流路内に、内箱と外箱とを連結する補強部材を設け、この補強部材の上端部に、吹出部まで延出する上向片を設け、この上向片に、吸込部側を向く整風部材を取り付ける。
【0009】
しかしながら、このようなショーケースでは、整風部材の取り付けのために、冷気の流路内に所定の部材が配置されることがある。これによって、当該ショーケースでは、部品点数が増加すると共に、冷却機能が低下する虞がある。さらに、側面が透明部材で形成されるショーケースでは、及び外観の意匠性の低下が生じる虞があると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、易な構成で冷却機能の向上を図ることができるショーケースを提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図4を用いて、実施の形態1を説明する。各図に示す符号FRは、設置面に設置されて通常使用される状態における空気調和装置のショーケースの前方を示し、符号UPは、当該ショーケースの上方を示し、符号LHは、当該ショーケースの左方を示す。以下の説明において、各方向は、これらのショーケースの方向に沿った方向である。
【0012】
[1-1.構成]
[1-1-1.ショーケースの構成]
図1は、本実施の形態に係るショーケースの斜視図である。
図2は、ショーケース1を背面から視た分解斜視図である。
図1に示すように、ショーケース1は、所謂平型の冷凍・冷蔵ショーケースである。ショーケース1は、ケース本体10を備える。ケース本体10は、平面視矩形で、内部に空間Sが設けられる略箱型に形成される。ケース本体10の上面全体には、開口であるケース開口9が設けられる。し、ケース本体10は、ケース本体10の底面を形成する底壁18と、当該底壁18の辺の各々から起立する断熱壁12を備える。ケース本体10は、周方向全体に亘って、断熱壁12の各々によって側面の下方側が形成される。当該断熱壁12の上方には、ケース本体10の周方向全体に亘って、アクリル樹脂等の透明部材によって形成される透明壁14が起立して設けられる。すなわち、ケース本体10の各側面は、断熱壁12の各々と、透明壁14の各々とで形成される。この透明壁14には、内部に空気が封入された空間15(
図2)が設けられる。当該空間15は、断熱空気層として機能する。
【0013】
図2は、ショーケース1を
図1の平面IIで切断した縦断面図である。平面IIは、ショーケース1の左右方向における略中央を通過する。
図2では、冷気の流れと当該冷気によって形成されるエアカーテンとを矢印Aで示す。
図2に示すように、ケース本体10の内部空間には、ショーケース1の上下方向に交差する方向に沿って延びる底板16が設けられる。底板16は、平面視で矩形に形成され、ケース本体10の内部空間を上下に仕切る。底板16は、ショーケース1の上下方向において、断熱壁12の上端、及び透明壁14の下端と略同一の高さに配置される。
【0014】
ケース本体10の空間Sにおいて、底板16の上方、且つ透明壁14で囲まれた空間が商品等の陳列物が配置される陳列室11となる。上述の通り、ケース本体10は、上面全体がケース開口9によって開口するため、陳列室11は、ショーケース1の外部に連通する空間であると共に、ケース開口9を介して外部からアクセス可能である。
ケース本体10の内部空間において、底板16の下方に位置し、断熱壁12の各々と、底壁18とで囲まれた空間が熱交換室13となる。
熱交換室13には、蒸発器20と、蒸発器20に送風する送風機22が配置される。
【0015】
ケース本体10は、箱型の機械室ユニット30の上面に載置される。機械室ユニット30の内部空間である機械室31には、凝縮器24、凝縮器24に送風する送風機26、圧縮機28、電装部品29等が配置されている。圧縮機28と、凝縮器24と蒸発器20とは、冷媒配管23により接続され、冷凍サイクルを形成する。
【0016】
ケース本体10には、陳列室11に冷気を送り出す冷気の流路を形成する一対の冷気ダクト40が設けられる。冷気ダクト40の各々は、ショーケース1の前後方向に位置する透明壁14の各々と、当該透明壁14よりもケース本体10の内部側、すなわち陳列室11側に起立して設けられる内部壁42の各々と、当該透明壁14、及び内部壁42の両端にいずれも連結される側板44によって形成される。陳列室11と、冷気ダクト40の内部空間の各々とは、内部壁42の各々によって仕切られる。
【0017】
内部壁42の各々は、底板16からショーケース1の前後方向に位置する透明壁14の各々に沿って起立して設けられる板状部材である。内部壁42の上端は、透明壁14の上端よりも下方に位置する。内部壁42の各々は、透明壁14と同様に、ショーケース1の左右方向全体に亘って設けられる。
側板44は、透明壁14、及び内部壁42の両端に配置され、当該両端で透明壁14と内部壁42とを連結する板状部材である。この側板44は、ショーケース1の左右方向に位置する透明壁14に沿って起立して設けられる。
【0018】
図3は、冷気吹出口43を示す正面図である。
図3に示すように、冷気ダクト40の各々には、透明壁14の各々の上端と、内部壁42の上端と、これらの両端に位置する一対の側板44とで囲まれるダクト開口41が設けられる。ダクト開口41の各々は、陳列室11に向かって開口すると共に、互いに対向して開口する。ダクト開口41の各々は、ショーケース1の左右方向全体に亘って延びて形成される。
本実施の形態では、ショーケース1の後方側に位置するダクト開口41は、冷気が吹き出す冷気吹出口43となり、ショーケース1の前方側に位置するダクト開口41は、冷気が吸込まれる冷気吸込口45となる。
【0019】
図4は、
図2のIVで示す箇所の拡大図である。
図4では、第1整風部材50にガイドされる冷気を矢印A1で示し、第2整風部材60にガイドされる冷気を矢印A2で示す。
一方の冷気ダクト40の内部において、冷気吹出口43に接近する位置には、第1整風部材50が設けられる。第1整風部材50は、ショーケース1の左右方向全体に亘って延びる長尺の板状部材である。
図4に示すように、第1整風部材50は、長手方向に直交する方向の一端51が内部壁42の上端に連結される。内部壁42の上端は、冷気吹出口43の下縁である縁部19、すなわち、冷気吹出口43の縁部のうち、冷気ダクト40の風が流れる向きにおける上流側の縁部を形成する。このため、冷気吹出口43において、第1整風部材50は、当該冷気吹出口43を挟んで、ケース開口9の反対側に位置する縁部19に配置される。
【0020】
さらに、第1整風部材50は、長手方向に直交する方向において、透明壁14に接近するように延びた後に、当該透明壁14から所定の間隔D1を空けて、上方に向かって折り曲げられる。さらに、第1整風部材50は、長手方向に直交する方向の他端53が冷気吹出口43に接近する位置に配置されるように、陳列室11側に向かって折り曲げられる。このように折り曲げられた第1整風部材50は、ショーケース1の左右方向から視て、長手方向に直交する方向に沿って、略C字状に折り曲げられる。これによって、他端53は、一端51から所定の幅寸法を空けて当該一端51の上方に配置される。
このように折り曲げられた第1整風部材50は、透明壁14から所定の間隔D1を空けて、冷気ダクト40の内部に配置される。
【0021】
図3に示すように、第1整風部材50には、一端51から、透明壁14に最も接近する箇所である折り曲げ部57までの平面に、貫通孔である送風孔55が設けられる。この送風孔55は、第1整風部材50の長手方向全体に亘って複数が設けられる。
送風孔55のショーケース1の前後方向に沿った開口幅D2の幅寸法は、間隔D1の幅寸法よりも大きくなっている。
【0022】
一方の冷気ダクト40の内部において、冷気吹出口43に接近する位置には、第2整風部材60が設けられる。第2整風部材60は、ショーケース1の左右方向全体に亘って延びる長尺の板状部材である。
図4に示すように、第1整風部材50は、長手方向に直交する方向の一端61が透明壁14の上端における、冷気ダクト40の内部に面する縁部17に連結される。
【0023】
縁部17は、冷気吹出口43の上縁、即ち、冷気吹出口43の縁部のうち、冷気ダクト40の風が流れる向きにおける下流側の縁部を形成する。すなわち、第2整風部材60は、冷気吹出口43を挟んで、第1整風部材50よりも下流側の位置、かつ、第1整風部材50よりもケース開口9に接近する位置に配置される。換言すれば、第2整風部材60は、全体が第1整風部材50よりも上方に位置すると共に、ショーケース1の外部側に位置する。
本実施の形態では、一端61は、締結部材であるねじ部材70によって、第2整風部材60の長手方向に沿って、所定の間隔を空けて複数個所で縁部17に締結される。
【0024】
さらに、一端61と、縁部17との締結カ所において、当該一端61と、縁部17との間には、例えばワッシャー等のスペーサ72が挟み込まれる。
これによって、一端61と、縁部17との間に、ショーケース1の左右方向沿って延びる、複数の間隙D3が形成される。この間隙D3の幅寸法は、間隔D1よりも短い幅寸法となっている。
【0025】
このように、ショーケース1では、冷気ダクト40の内部に、第2整風部材60を支持するための他の部材を設けることなく、締結部材と、スペーサ72のみで第2整風部材60を冷気ダクト40に取り付けることができる。このため、ショーケース1では、部品点数の増加を抑制しつつ、第2整風部材60を設けることができる。加えて、透明壁14が用いられたショーケース1であっても、側方から見た場合に透明壁14を介して視認されにくい位置に第2整風部材60が設けられ、また、部品点数の増加が抑制されることで、意匠性の低下を抑制できる。
【0026】
ねじ部材70の各々のねじ頭は、縁部17において、透明壁14の空間15の内部に配置される。すなわち、ねじ部材70の各々と、スペーサ72の各々とは、いずれも全体がショーケース1の外部に露出することなく設けられる。このため、ショーケース1では、意匠性の低下を抑制しつつ、第2整風部材60を設けることができる。
【0027】
第2整風部材60の他端63は、冷気吹出口43、及び陳列室11に向かって延伸する。他端63は、冷気吹出口43よりも、冷気ダクト40の外方、すなわち陳列室11側に突出しない位置に配置される。
【0028】
[1-2.動作]
以上のように構成されたショーケース1について、その動作を以下説明する。
ショーケース1が作動すると、圧縮機28から冷媒が吐出され、凝縮器24で凝縮された後に、蒸発器20に供給される。蒸発器20で蒸発した冷媒は、圧縮機28に還流する。
【0029】
熱交換室13の内部の空気は、送風機22によって、蒸発器20に送り出される。送り出された空気は、蒸発器20によって冷却された後に、一方の冷気ダクト40を通って冷気吹出口43から冷気として陳列室11に吹き出される。この冷気によって、陳列室11の内部が冷却される。さらに陳列室11の内部を冷却した冷気は、冷気吸込口45から冷気ダクト40に流れ込む。
このように、熱交換室13の内部で生成された冷気は、ショーケース1の内部を循環する。
【0030】
冷気吹出口43から前下方に吹き出されて冷気吸込口45に吸い込まれる冷気の流れは、ケース開口9に沿って流れるエアカーテンを形成する。このエアカーテンによって、ケース本体10の外側の外気と陳列室11の内部の空気とを熱的に遮断し、外気による陳列室11の内部の温度上昇が低減される。
【0031】
図4に示すように、冷気吹出口43において、冷気Aは、第1整風部材50、及び第2整風部材60によって整風される。第1整風部材50は、冷気ダクト40の風が流れる向き、すなわち冷気Aが流れる向きにおいて、第2整風部材60の上流側に配置される。
【0032】
冷気吹出口43付近において、冷気ダクト40を流れる冷気Aは、送風孔55の各々、あるいは間隔D1のいずれかを通過する。送風孔55の開口幅D2は、間隔D1よりも長い幅寸法であるため、送風孔55の各々を通過した冷気A1は、間隔D1を通過した冷気A2よりも流量が多く、かつ流速が速くなる。送風孔55の各々を通過した冷気A1は、第1整風部材50にガイドされ、冷気吹出口43から所定の流量、及び流速で陳列室11に吹き出される。陳列室11に吹き出された冷気A1は、陳列室11を冷却すると共に、ケース開口9に沿って流れ、エアカーテンを形成する。
【0033】
一方、間隔D1を通過した冷気A2は、第1整風部材50よりも上方に移動し、第2整風部材60にガイドされて冷気吹出口43から陳列室11に吹き出される。
上述の通り、冷気吹出口43において、第2整風部材60は、冷気ダクト40の風が流れる向きにおける下流側に位置する縁部17に設けられる。このため、第2整風部材60にガイドされた冷気A2は、第1整風部材50にガイドされた冷気よりも上方、すなわちケース本体10の外側の外気に接近して吹き出される。
【0034】
第2整風部材60にガイドされた冷気A2は、送風孔55の開口幅D2よりも短い幅寸法である間隔D1を通過するため、第1整風部材50にガイドされた冷気A1よりも流量が少なく、また、流速が遅くなる。このため、第2整風部材60にガイドされた冷気A2は、渦が生じることが低減され、外気を巻き込むことが抑制される。
【0035】
この第2整風部材60にガイドされた冷気A2が第1整風部材50にガイドされた冷気A1を外気から遮蔽するように流れることで、ショーケース1では、外気が陳列室11の内部に巻き込まれることが抑制され、より効率良く冷気を陳列室11に送り出すことができる。
【0036】
加えて、冷気吹出口43において、流量が多く、また、流速が速い冷気A1がより外気から遠ざかる位置から、陳列室11に吹き出されることで、ショーケース1では、より効率良く陳列室11を冷却することができる。
【0037】
また、間隔D1を通過した冷気A2の一部は、間隙D3を通って、第2整風部材60の上面側を流れる。これによって、第2整風部材60が冷却される。このため、外気による第2整風部材60の上面の温度上昇が防がれ、結露が生じることが抑制される。
【0038】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、ショーケース1は、内部に商品が陳列される空間である陳列室11が設けられるケース本体10と、陳列室11に開口する冷気吹出口43が設けられる冷気ダクト40と、を備える。冷気吹出口43の縁部17のうち、冷気ダクト40の風が流れる向きにおける下流側に位置する箇所には、陳列室11に向かって延伸する第1整風部材50が設けられる。
【0039】
これにより、固定構造を追加することなく、簡易な構造で第2整風部材60を冷気ダクト40に取り付けることができる。このため、ショーケース1では、部品点数の増加を抑制できると共に、透明壁14が用いられるショーケース1であっても、意匠性の低下を抑制できる。
【0040】
本実施の形態のように、冷気ダクト40と、縁部17との間には、第2整風部材60と、縁部17との間とに隙間である間隙D3を形成するスペーサ72が設けられる。
これにより、第2整風部材60が冷却される。このため、外気による第2整風部材60の上面の温度上昇が防がれ、結露が生じることが抑制される。
【0041】
本実施の形態のように、冷気吹出口43には、第2整風部材60よりも冷気ダクト40の風が流れる向きにおける上流側に配置される第1整風部材50が設けられる。第2整風部材60によって整風される冷気が通過する冷気ダクト40の間隔D1は、第1整風部材50によって整風される冷気が通過する送風孔55の開口幅D2よりも小さく形成される。
これにより、第2整風部材60にガイドされた冷気が第1整風部材50にガイドされた冷気を外気から遮蔽するように流れる。このため、ショーケース1では、外気が陳列室11の内部に巻き込まれることが抑制され、より効率良く冷気を陳列室11に送り出すことができる。
【0042】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0043】
上述した実施形態では、ショーケース1は、平型としたが、これに限らず、棚を備えるタイプやリーチインタイプ等といった他の形態のショーケースであってもよい。
【0044】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本開示は、ショーケースに適用可能である。具体的には、ダクトから吹き出された冷気によってエアカーテンを形成するショーケースなどに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 ショーケース
10 ケース本体
11 陳列室
17 縁部
40 冷気ダクト
41 ダクト開口
43 冷気吹出口
50 第1整風部材(整風部材)
60 第2整風部材(他の整風部材)
D1 間隔(冷気ダクトの幅寸法)
D2 開口幅(冷気ダクトの幅寸法)