(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149236
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】車両室内照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/64 20170101AFI20231005BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231005BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20231005BHJP
B60Q 3/76 20170101ALI20231005BHJP
H01H 36/00 20060101ALN20231005BHJP
F21W 106/00 20180101ALN20231005BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
B60Q3/64
F21V8/00 340
B60Q3/74
B60Q3/76
H01H36/00 J
F21W106:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057696
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】川元 聡
【テーマコード(参考)】
3K040
3K244
5G046
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040FB02
3K040GA02
3K040GA04
3K040GB01
3K040GC01
3K244AA09
3K244AA10
3K244BA11
3K244BA14
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244EA08
3K244EA16
3K244EA24
3K244ED03
3K244ED12
3K244ED13
5G046AB02
5G046AC21
5G046AE27
(57)【要約】
【課題】光度の減衰が少ない安価に構成できる車両室内照明装置を提供する。
【解決手段】光源610と、透光性のカバー300と、を備え、カバー300には、光源610からの照明光が照射される入光部310と、車両室内側とは反対側の面に形成され、カバー300内に入光した照明光を車両室内側に向けて反射させる反射部320と、を設け、入光部310は、光源610からの照明光の一部を、車両室内側に通過させる透光部311と、光源610からの照明光の一部を、カバー300の内部に向けて入光させる入射部312を有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
車両室内側に配設され、前記光源を覆う透光性のカバーと、
を備え、
前記カバーには、前記光源からの照明光が照射される入光部と、車両室内側とは反対側の面に形成され、前記カバー内に入光した照明光を車両室内側に向けて反射させる反射部と、が設けられ、
前記入光部は、前記光源からの照明光の一部を、車両室内側に通過させる透光部と、前記光源からの照明光の一部を、前記カバーの内部に向けて入光させる入射部を有していることを特徴とした車両室内照明装置。
【請求項2】
前記入光部は、前記透光部としての底面および前記入射部としての側壁を備えた凹部を備え、
前記入射部には、前記光源からの光軸の中心部から前記光軸の径方向外側に向かって、回路基板に近づく方向への傾斜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両室内照明装置。
【請求項3】
前記カバーと前記光源との間には、前記光源から前記入光部までの導光通路としての導光筒部が設けられ、前記凹部の前記透光部と前記入射部は、前記導光筒部の内部空間と前記光軸方向に対向して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両室内照明装置。
【請求項4】
前記導光通路には、前記光源の光を前記入光部まで導く導光レンズが配設され、前記導光レンズの端部は、前記凹部内まで進入していることを特徴とする請求項3に記載の車両室内照明装置。
【請求項5】
前記入光部は、前記入射部としての側壁を有する凹部と、
該凹部の底面から回路基板の方向に突出し、その頂面が前記光源と対向する前記透光部と、
該透光部の外周面が径方向に傾斜して形成され、前記光源からの光を前記入射部に向けて反射する反射面と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両室内照明装置。
【請求項6】
操作を検出する操作検出部を備え、
該操作検出部の近傍に、前記操作検出部の操作位置を指し示す形状となるように前記反射部を集合させて配置していることを特徴とする請求項1に記載の車両室内照明装置。
【請求項7】
前記反射部を、図形、数字、または、文字形状となるように集合させて配置していることを特徴とする請求項1に記載の車両室内照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両室内を照明する照明装置として、室内の所定の箇所を照明する直接照明と、室内の雰囲気を向上させる間接照明とを備えたものがある。
この種の照明装置として、光源となるLEDと、LEDの光を拡散する光拡散部材と、ホログラム処理等が施されて光拡散部材からの拡散光を車両室内側に反射する光学シートと、車両室内側へ進行する拡散光を直接車両室内に出射する第1光透過部(直接照明部)と、光学シートにより反射された光を車両室内に出射する第2光透過部(間接照明部)と、を有する透光性の透明カバーとを備え、透明カバーによってLED、光拡散部材、及び、光学シートを車両室内側から覆うようにして構成されたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1で開示される技術は、光源から光を拡散する光拡散部材の他に、さらに、拡散光を間接照明用に拡散する光学シート、及び、透明カバーを設ける必要がある。
また、光源からの光は、拡散光部材を透過した後に、さらに透明カバーを透過することにより、車両室内に照射される照明光の光度が減衰してしまう可能性があるという課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、光度の減衰が少ない安価に構成できる車両室内照明装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、光源と、車両室内側に配設され、前記光源を覆う透光性のカバーと、を備え、前記カバーには、前記光源からの照明光が照射される入光部と、車両室内側とは反対側の面に形成され、前記カバー内に入光した照明光を車両室内側に向けて反射させる反射部と、を設け、前記入光部は、前記光源からの照明光の一部を、車両室内側に通過させる透光部と、前記光源からの照明光の一部を、前記カバーの内部に向けて入光させる入射部を備えている車両室内照明装置を提案している。
【発明の効果】
【0007】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、光度の減衰が少ない安価に構成できる車両室内照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る車両室内照明装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示されるカバーを示す図であり、(a)は正面視上方から見た斜視図であり、(b)後方の上方から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示される第1の実施形態に係る車両室内照明装置を示す断面図(
図1のA-A線位置の断面図)である。
【
図4】
図3に示されるIL1部を拡大した断面図(
図1のA-A線位置の断面図)である。
【
図5】第2の実施形態に係る車両室内照明装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図6】
図5に示される第2の実施形態に係る車両室内照明装置を示す断面図(
図5のB-B線位置の断面図)である。
【
図7】
図6に示されるIL2部を拡大した断面図(
図5のB-B線位置の断面図)である。
【
図8】第3の実施形態に係る車両室内照明装置の全体構成を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示される第3の実施形態に係る車両室内照明装置を示す断面図(
図8のC-C線位置の断面図)である。
【
図10】
図8に示されるIL3部を拡大した断面図(
図8のC-C線位置の断面図)である。
【
図11】第3の実施形態に係る車両室内照明装置の表示例(a)および(b)を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
図1~
図4を用いて、本実施形態に係る車両室内照明装置10について説明する。本実施形態の車両室内照明装置10は、車両室内の天井等に配置される照明装置である。なお、図面に適宜示される矢印FRは、
図1に示す車両室内照明装置10の前方(正面視方向)を示し、矢印UPは上方を示し、矢印RHは右方を示している。また、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、車両室内照明装置10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
【0010】
<車両室内照明装置10の構成>
本実施形態に係る車両室内照明装置10は、例えば、ルームランプ、リーディングランプ等として車両室内の天井部等に固定配設される。車両室内照明装置10は、車両から図示しないハーネスが接続されることにより、電源等の供給を受ける。
【0011】
本実施形態に係る車両室内照明装置10は、
図1に示されるように、ベゼル100と、スイッチノブ200と、カバー300と、ケース400と、導光レンズ500と、回路基板600と、光源610と、光源620と、リッド700と、を含んで構成される。
【0012】
(ベゼル100について)
ベゼル100は、車両室内側に設置されるフレームである。ベゼル100は、正面視で略矩形の形状に非透過性の樹脂等により形成されている。ベゼル100は、中央部に開口部を有し、開口部にはスイッチノブ200およびカバー300が組み込まれる。また、ベゼル100は、開口部以外の箇所から照明光が漏れ出すのを防ぐ遮光壁として構成されている。
【0013】
(スイッチノブ200について)
スイッチノブ200は、照明の点灯等の操作を行うための入力装置である。スイッチノブ200は、正面視で略矩形の形状に樹脂等により一体に形成されている。本実施形態では、スイッチノブ200には、例えば、4種類の機能用スイッチが設けられ、いずれかの機能用スイッチの押圧操作が行われた場合には、それぞれの独立した機能動作を行う。スイッチノブ200の後方には、後方に延在された略円筒状の棒状の押しピン210が形成され、回路基板600上に実装されている図示しないプッシュスイッチと押しピン210の先端部が近接して配設されている。また、スイッチノブ200の表側には、操作位置を指し示す複数のシンボルマーク(本実施の形態では4箇所)が設けられている。
【0014】
(カバー300について)
カバー300は、光源610からの照明光が照射されることにより、直接照明(スポット照明)およびカバー300の全体が光ることによる間接照明として車内へ照明を照射する。また、カバー300は、外部との接触を防ぐことにより光源610および620を保護する。
【0015】
カバー300は、ベゼル100に組み込まれることによりカバー300の前方の面が車両室内側に配設され、後方の面は、光源610および620を覆うように配設される。カバー300は、後方に開口された有底箱形状であり、透過性樹脂等により形成されている。カバー300の前方の面は、
図2(a)に示されるように、車両室内側に面し、凹凸を設けていない平面が形成されている。一方、カバー300の後方の面には、
図2(b)の一点鎖線で示される入光部310と、破線で示される反射部320とを有し、入光部310には凹部RF1が形成されている。なお、カバー300の前方の面は、曲面であってもよい。
【0016】
入光部310には、光源610からの照射光が照射される。入光部310は、光源610からの光軸ALに、入光部310の中心が位置するように、光源610の前方に対向して形成されている。入光部310は、カバー300の後方の面の中央部に、前方に凹んだ凹形状を成しており、透光部311を底面とし、入射部312を周囲の壁面とする凹部RF1を形成している。
【0017】
透光部311は、光源610からの照明光の一部を、車両室内側に通過させる。透光部311からの照明光は、直接照明(スポット照明)として照射される。透光部311は、光源610からの光軸ALを中心に位置させ、光源610の前方に回路基板600と平行になる略矩形の平面として形成されている。透光部311の周囲には入射部312が隣接して形成されている。透光部311の前後方向の厚さは、後述する反射部320が形成されたカバー300の部分の厚さより薄い。
【0018】
入射部312は、光源610からの照明光の一部を、カバー300の内部に向けて入光させる。入射部312は、透光部311の周囲を囲うように設けられた略矩形形状の平面であり、透光部311の周囲に複数設けられている。入射部312は、光源610の光軸ALの中心部から光軸ALの径方向外側に向かって、回路基板600に近づく方向への傾斜が設けられている。
【0019】
反射部320は、カバー300の車両室内側とは反対側の面に形成されている。反射部320は、カバー300内に入光した照明光を車両室内側に向けて反射させ、カバー300の後方の面に、例えば、略三角錐形状等の傾斜形状を有した微小な突起の集合体として形成されている。具体的には、反射部320は、
図2(b)の太破線で囲まれた範囲に示される略矩形、又は、矩形の枠形状に、微小な傾斜形状を含んだ突起を集合させて形成されている。反射部320は、照射された照射光を前方に向けて乱反射させる。
【0020】
(ケース400について)
ケース400は、
図3に示されるように、カバー300と回路基板600の間に配設され、回路基板600に実装された光源610および620からの照射光をカバー300まで導く導光通路である。ケース400は、後方に開口された有底箱形状であり、非透過性樹脂等により形成されている。光源610および光源620を囲むように導光通路が形成されている。当該導光通路は、回路基板600に近接して配設されている。ケース400は、光源610の前方に設けられた導光通路としての導光筒部410と、導光筒部410の左右方向の両側に設けられた光源620の導光通路としての導光筒部420と、を有している。
【0021】
導光筒部410は、光源610からの照明光を入光部310へ導く。導光筒部410は、正面視で略矩形の開口部を有し、前後方向に延在した略直方体状の貫通した空間として形成されている。導光筒部420は、光源620からの照明光を車両室内側へ導く。導光筒部420は、正面視で略円形の開口部を有し、前方に向かうに従い円の直径が大きくなるように前後方向に延在した略円錐形状の貫通した空間として形成されている。
【0022】
(導光レンズ500について)
導光レンズ500は、ケース400の導光筒部410内に配設され、光源610から照射される照明光を入光部310まで導く。また、導光レンズ500の端部は、カバー300に設けられた凹部RF1内まで進入している。
【0023】
導光レンズ500は、正面視で略矩形の前後方向に延在した棒状の直方体をなし、透光性樹脂等で形成されている。導光レンズ500の後端部は、回路基板600と平行な長方形の平面が形成され、光源610と対向している。一方、導光レンズ500の前方端には、カバー300の凹部RF1に対向する平面が形成されている。具体的には、透光部311に対向して、先端部に透光部311に平行な平面である透過面510が形成されている。また、入射部312に対向して、先端部側面に、先端部の平面の辺から外周に向かうにつれて回路基板側に近づく方向への傾斜を有した平面である反射面520が形成されている。導光レンズ500の端部である透過面510および反射面520は、カバー300の凹部RF1内に進入した状態で配設されている。
【0024】
(回路基板600について)
回路基板600は、光源610および光源620を実装している。回路基板600は、正面視で略長方形の板状に形成され、長辺が左右方向に延在するように配設されている。回路基板600は、カバー300と平行となるように配置されている。光源610は、回路基板600の略中央に実装され、光源620は、回路基板600の左右方向に実装されている。また、回路基板600は、車両から電源等の供給を受けるために、図示しないハーネスが接続される。回路基板600には、スイッチノブ200の操作を受ける図示しないプッシュスイッチが実装されている。プッシュスイッチは、スイッチノブ200から延在した押しピン210の端部に対向し近接して実装される。
【0025】
(リッド700について)
リッド700は、車両室内照明装置10の最後方に位置し、スイッチノブ200と、カバー300と、ケース400と、導光レンズ500と、回路基板600と、を覆うように、ベゼル100との間に挟んで嵌合し外形を形成する。また、リッド700は、回路基板600を止めネジ等により固定している。
【0026】
<作用・効果>
上記のように構成された車両室内照明装置10は、点灯用のスイッチノブ200が押された場合には、車両から接続されたハーネスから供給される電源を用いて、回路基板600に実装された光源610および光源620を点灯させる。
【0027】
回路基板600の左右部に設けられた光源620から照射された照明光は、
図3に示されるように、ケース400に設けられた導光筒部420を介してカバー300を透過し、車両室内へ直接照明として出射される。この際、車両室内に出射されるまでの間に、反射および拡散することなく、強い照明光を所定の範囲に出射する。
【0028】
また、回路基板600の中央部に設けられた光源610から照射された照明光は、
図4の破線矢印AAに示されるように、導光筒部410に収容されている導光レンズ500の内部を通り、導光レンズ先端部側面に設けられた透過面510および反射面520に到達する。透過面510に到達した照明光は、カバー300が有する透光部311を透過し、車両室内へ直接照明として出射される。この際、車両室内に出射されるまでの間に、反射および拡散することなく、強い照明光を狭い範囲に出射する。
【0029】
一方、反射面520に到達した照明光は、
図4の一点鎖線矢印BBに示されるように、反射面520が有する傾斜により反射し、カバー300の内部方向に導光される。反射面520に反射された照明光は、当該反射した反射面520とは反対側に設けられた反射面520を透過し、カバー300の入光部に設けられた入射部312を通してカバー300の内部へ到達する。この際、反射面520は、入射部312に対向した傾斜を有した平面が形成されていることにより、照射光は減衰せずにカバー300内部に到達する。
【0030】
カバー300内部に到達した照射光は、カバー300の車両室内側とは反対側の面に形成された反射部320に到達する。反射部320は、例えば、略三角錐形状等の傾斜形状を有した微小な突起の集合体として形成されている。反射部320に照射された照射光は、反射部320に形成された微小な平面により、前方に向けて乱反射する。また、反射部320は、カバー300の広い範囲に形成されていることにより、照射光は、カバー300の車両室内平面全体から出射する。そして、カバー300の車両室内に向いている面の全体から間接照明として照射光を出射する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る車両室内照明装置10は、回路基板上に設けられた光源610および光源620と、車両室内側に配設され、光源610および光源620を覆う透光性のカバー300と、を備え、カバー300には、光源610からの照明光が照射される入光部310と、車両室内側とは反対側の面に形成されカバー300内に入光した照明光を車両室内側に向けて反射させる反射部320と、を設け、入光部310は、光源610からの照明光の一部を、車両室内側に通過させる透光部311と、光源610からの照明光の一部を、カバー300の内部に向けて入光させる入射部312を有している。そのため、カバー300は、光源610および光源620を外部との接触が無いように覆うことで保護をしつつ、光源610の照射光を、透光部311と入射部312とにより分光させることにより、直接照明と間接照明とを1箇所の光源610から照射させることができる。また、入光部310には、透光部311としての底面および入射部312としての側壁を備えた凹部RF1を備え、入射部312は、光源610からの光軸の中心部から当該光軸の径方向外側に向かって、回路基板600に近づく方向への傾斜が設けられている。そのため、光源610からの照射光が照射される入光部310に、傾斜が設けられた入射部312が設けられることにより、間接照明に使用する照射光を、簡単な構成で減衰が少ない状態で分光させることができる。また、カバー300と回路基板600との間には、光源610から入光部310までの導光通路としての導光筒部410を設け、凹部RF1の透光部311と入射部312は、導光筒部410の内部空間と光源610光軸に対向して配置されている。また、導光通路としての導光筒部410には、光源620の光を入光部310まで導く導光レンズ500が配置され、導光レンズ500の端部は、凹部RF1内まで進入している。そのため、光源610から照射される照射光は、導光筒部410に囲われた状態で入光部310まで導光し、導光レンズ500の端部に設けられている透過面510および反射面520は、入光部310が設けられている凹部RF1まで進入していることにより、照射光の減衰が少ない状態で入光部310に照射光を到達させることができる。また、入射部312から入射された照明光は、カバー300内を通って反射部320まで導光されるため、カバー300単体で導光、反射、及び、保護カバーの機能部品を構成でき、薄型化も可能となる。したがって、少ない部品点数で簡単な構成とすることが可能となり、光度の減衰が少ない安価な車両室内照明装置を提供することができる。
【0032】
<第2の実施形態>
次に、
図5~
図7を用いて、本実施形態に係る車両室内照明装置10Aについて説明する。なお、
図5~
図7では、第1の実施形態の車両室内照明装置10と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
【0033】
<車両室内照明装置10Aの構成>
本実施形態に係る車両室内照明装置10Aは、
図5に示されるように、ベゼル100と、スイッチノブ200と、カバー300Aと、ケース400Aと、回路基板600と、光源610と、光源620と、リッド700と、を含んで構成される。
【0034】
(カバー300Aについて)
カバー300Aは、後方に開口された有底箱形状であり、透過性樹脂等により形成されている。カバー300Aは、
図6及び
図7に示されるように、後方の面には入光部310Aと、反射部320とを有し、入光部310Aには前方に凹んだ凹部RF2を形成している。
【0035】
入光部310Aには、光源610からの照射光が照射される。入光部310Aは、光源610からの光軸ALに、入光部310Aの中心が位置するように、光源610の前方に対向して形成されている。入光部310Aは、カバー300の後方の面の中央部に、前方に凹んだ凹形状をなしており、透光部311Aを底面とし、光軸ALの径方向外側に入射部312Aを周囲の壁面として凹部RF2を形成している。凹部RF2には、凹部RF2の底面の中央部に、略矩形の平面を回路基板600方向に向けて突出させた、断面が略台形の形状をなす凸部が形成されている。凹部RF2には、透光部311Aと、入射部312Aと、反射面313が形成されている。
【0036】
透光部311Aは、凹部RF2内の凸部の頂面に形成された略矩形の平面である。凸部の頂面に形成された平面は、光源610からの光軸ALを凸部頂面の中心に位置させ、光源610の前方に回路基板600と平行になる平面として形成されている。
【0037】
入射部312Aは、凹部RF2の光軸ALの径方向外側の壁面部により形成された略矩形形状の平面であり、凹部RF2の周囲を囲うように複数設けられている。入射部312Aは、光軸ALと略平行に形成されている。
【0038】
反射面313は、凹部RF2の中央部の凸部の壁面と、凹部RF2の底面に形成された略矩形の平面とにより形成されている。凹部RF2の中央部の凸部の壁面は、当該凸部の周囲を囲うように複数形成されている。反射面313凹部RF2の中央部の凸部の壁面は、光源610の光軸ALの中心部から光軸ALの径方向外側に向かって、車両室内に近づく方向への傾斜が設けられている。また、凹部RF2の底面に形成された略矩形の平面は、当該凸部の周囲を囲うように形成され、光源610の前方に回路基板600と平行になる平面として形成されている。反射面313は、蒸着処理等によりミラー状に形成されている。
【0039】
(ケース400Aについて)
ケース400Aは、カバー300Aと回路基板600の間に配設され、回路基板600に実装された光源610および620からの照射光をカバー300Aまで導く導光通路である。
【0040】
ケース400Aに形成された導光筒部410Aは、
図7に示されるように、光源610からの照明光を入光部310Aへ導く。導光筒部410Aは、正面視で略矩形の開口部を有し、前後方向に延在した略直方体状の貫通した空間として形成されている。また、導光筒部410Aの車両室内側端部は、光源610からの照明光が外側の透光部311Aに照射されるように、光軸ALの径方向外側に向かって傾斜して広がっている。
【0041】
<作用・効果>
上記のように構成された車両室内照明装置10Aは、点灯用のスイッチノブ200が押された場合には、車両から接続されたハーネスから供給される電源を用いて、回路基板600に実装された光源610および光源620を点灯させる。
【0042】
回路基板600の中央部に設けられた光源610から照射された照明光は、
図7の破線の矢印AAに示されるように、導光筒部410Aの内部を通り、カバー300Aが有する透光部311Aを透過し、車両室内へ直接照明として出射される。この際、車両室内に出射されるまでの間に、反射および拡散することなく、強い照明光を狭い範囲に出射する。
【0043】
一方、反射面313に到達した照明光は、
図7の一点鎖線の矢印BBに示されるように、反射面313が有する傾斜により反射し、入射部312Aを通してカバー300Aの内部へ到達する。この際、反射面313は、照明光が入射する入射部312Aに対向した傾斜を有した平面が形成されていることにより、照射光は減衰せずにカバー300A内部に到達する。
【0044】
カバー300A内部に到達した照射光は、カバー300Aの車両室内側とは反対側の面に形成された反射部320に到達し、前方に向けて乱反射する。そして、カバー300Aの車両室内に向いている面の全体から間接照明として照射光を出射する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る車両室内照明装置10Aは、カバー300Aが有する入光部310Aは、入射部312Aとしての側壁を有する凹部RF2と、凹部RF2の底面から回路基板600方向に突出し、その頂面が光源610と対向する透光部311Aと、透光部311Aの外周面が径方向に傾斜して形成され、光源610からの光を入射部312Aに向けて反射する反射面313と、を備えている。つまり、光源610からの照射光が照射される入光部310Aに、透光部311Aと、入射部312Aと反射面313とが設けられている。そして、1箇所の光源610から、1箇所の入光部310Aに照射することにより、直接照明に利用される透光部311Aを通った照射光と、間接照明に利用される入射部312Aを通った照射光とに、照射光を分配することができる。また、入射部312Aから入射された照明光は、カバー300A内を通って反射部320まで導光されるため、カバー300A単体で分光、導光、反射、及び、保護カバーの機能部品を構成でき、薄型化も可能となる。そのため、少ない部品点数で簡単な構成とすることが可能となり、光度の減衰が少ない安価な車両室内照明装置を提供することができる。
【0046】
<第3の実施形態>
次に、
図8から
図10を用いて、本実施形態に係る車両室内照明装置10Bについて説明する。なお、
図8~
図10では、第1の実施形態の車両室内照明装置10と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
【0047】
<車両室内照明装置10Bの構成>
本実施形態に係る車両室内照明装置10Bは、
図8に示されるように、ベゼル100Bと、カバー300Bと、ケース400Bと、回路基板600と、光源610と、光源620と、リッド700と、操作検出部800と、を含んで構成される。
【0048】
(ベゼル100Bについて)
ベゼル100Bは、例えば、左側部および右側部に開口部を有し、開口部にはカバー300Bが組み込まれる。ベゼル100Bは、直接照明の照射光を出射する前後方向に貫通した略矩形の開口部を中央部に有している。また、ベゼル100Bは、開口部以外の箇所から照明光が漏れ出すのを防ぐ遮光壁として構成されている。ベゼル100Bの開口部は、左右の開口部が連接している形状であってもよい。
【0049】
(カバー300Bについて)
カバー300Bは、後方に開口された有底箱形状であり、透過性樹脂等により形成されている。カバー300Bは、
図9に示されるように、後方の面には入光部310Bを有し、入光部310Bには前方に凹んだ凹部RF3を形成している。
【0050】
入光部310Bには、光源610からの照射光が照射される。入光部310Bは、光源610からの光軸ALに、入光部310Bの中心が位置するように、光源610の前方に対向して形成されている。入光部310Bは、カバー300の後方の面の中央部に、正面視で略矩形の平面に形成された透光部311Bを底面とし、光軸ALの径方向外側に入射部312Bを周囲の壁面として凹部RF3を形成している。また、凹部RF3には、透光部311Bと、入射部312Bとが形成されている。
【0051】
透光部311Bは、凹部RF3の底面に形成された略矩形の平面で形成されている。透光部311Bの平面は、光源610からの光軸ALを中心に位置させ、光源610の前方に回路基板600と平行になる平面として形成されている。
【0052】
入射部312Bは、凹部RF3の光軸ALの径方向外側の壁面部に形成された略矩形形状の平面であり、凹部RF3の周囲を囲うように複数設けられている。入射部312Bには、光源610の光軸ALの中心部から光軸ALの径方向外側に向かって、回路基板600に近づく方向への傾斜が設けられている。
【0053】
反射部320Bは、後述する操作検出部800の近傍に、操作検出部800の操作位置を指し示す形状となるように集合させて配置されている。あるいは、反射部320Bは、図形、数字あるいは文字形状となるように集合させて配置されている。反射部320Bは、個々の反射部の角度、高さ、形状等を異なる形状に形成することにより、操作位置を指し示すシンボルマークあるいはロゴ等を照明光で表示させる。
【0054】
(ケース400Bについて)
ケース400Bは、カバー300Bと回路基板600の間に配設され、回路基板600に実装された光源610および620からの照射光を入光部310Bまで導く導光通路である。
【0055】
ケース400Bに形成された導光筒部410Bは、
図9に示されるように、光源610からの照明光を入光部310Bへ導く。導光筒部410Bは、正面視で略矩形の開口部を有し、前後方向に延在した略直方体状の貫通した空間として形成されている。
【0056】
(操作検出部800について)
操作検出部800は、ユーザの操作を検出する、例えば、静電容量センサである。操作検出部800は、後方からの照射光を透過させる透過性のシート上に形成されている。操作検出部800は、カバー300Bとケース400Bとの間で、かつ、ベゼル100Bの開口部に対応する位置に配設され、図示しないフレキシブル基板等により回路基板600に接続される。操作検出部800の操作は、回路基板600の図示しない制御回路により検出され、制御回路は、照明の点灯等を実行する。なお、操作検出部800は、透過性のシートでなく、回路基板600上に形成されていてもよい。
【0057】
<作用・効果>
上記のように構成された車両室内照明装置10Bは、点灯用の操作検出部800がユーザの操作を検出した場合には、車両から接続されたハーネスから供給される電源を用いて、回路基板600に実装された光源610および光源620を点灯させる。
【0058】
回路基板600の中央部に設けられた光源610から照射された照明光は、
図10の破線の矢印AAに示されるように、導光筒部410Bの内部を通り、カバー300Bが有する透光部311Bを透過し、ベゼル100Bの中央部に開口された開口部から車両室内へ直接照明として出射される。この際、車両室内に出射されるまでの間に、反射および拡散することなく、強い照明光を狭い範囲に出射する。
【0059】
一方、入射部312Bに到達した照明光は、
図10の一点鎖線の矢印BBに示されるように、入射部312Bを通してカバー300Aの内部へ減衰せずに到達する。
【0060】
カバー300Bの内部に到達した照射光は、カバー300Bの車両室内側とは反対側の面に形成された反射部320Bに到達し、前方に向けて乱反射する。反射部320Bは、
図11(a)および
図11(b)に示されるように、操作検出部800の近傍に形成され、個々の反射部の角度、高さ、形状等を異なる形状に形成することにより、照明光が意図する位置に照射されるように配置される。そのため、出射される照明光は、操作位置を指し示す形状とすることができる。あるいは、出射される照明光は、図形、数字あるいは文字形状とすることができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る車両室内照明装置10Bは、操作を検出する操作検出部800を備え、操作検出部800の近傍に、反射部320Bを、操作検出部800の操作位置を指し示す形状となるように集合させて配置している。あるいは、本実施形態に係る車両室内照明装置10Bは、反射部320Bを、図形、数字、および、文字形状となるように集合させて配置している。そのため、1箇所の光源610から、1箇所の入光部310Aに照射された照明光を、個々の反射部の角度、高さ、形状等を異なる形状に形成された反射部320Bに導光させることにより、操作位置を指し示すシンボルマーク等の形状あるいはロゴ等の意匠を照明光で表示させることができる。また、入射部312Bから入射された照明光は、カバー300A内を通って反射部320まで導光されるため、カバー300B単体で分光、導光、反射、及び、保護カバーの機能部品を構成でき、薄型化も可能となる。したがって、少ない部品点数で簡単な構成とすることが可能となり、付加価値を向上させるとともに、光度の減衰が少ない安価な車両室内照明装置を提供することができる。
【0062】
なお、第1の実施形態~第3の実施形態では、反射部320および反射部320Bは、カバー300~カバー300Bの後面から内部(前方)に向けて形成されている例を示したが、カバー300~カバー300Bの後面から外側(後方)に突出した形状でもよい。
【0063】
第1の実施形態~第3の実施形態では、光源610および620を同時に点灯させるように構成しているが、別々に点灯するように構成してもよい。
また、第1の実施形態~第3の実施形態では、光源610はスイッチノブ200の操作に応じて点灯するようにしているが、車両の前照灯と連動して点灯及び消灯するように構成してもよい。
【0064】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0065】
10;操作入力装置
100;ベゼル
100B;ベゼル
200;スイッチノブ
300;カバー
300A;カバー
300B;カバー
311;透光部
311A;透光部
311B;透光部
312;入射部
312A;入射部
312B;入射部
313;反射面
320;反射部
400;ケース
400A;ケース
400B;ケース
410;導光筒部
500;導光レンズ
600;回路基板
610;光源
700;リッド
800;操作検出部
AL;光軸
RF1;凹部
RF2;凹部
RF3;凹部