(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014932
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】ビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物、ビール風味発泡性飲料の呈味改善方法、及びビール風味発泡性飲料
(51)【国際特許分類】
A23L 2/52 20060101AFI20230124BHJP
C12C 5/02 20060101ALI20230124BHJP
C12G 3/04 20190101ALI20230124BHJP
【FI】
A23L2/52
C12C5/02
C12G3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119167
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】390033145
【氏名又は名称】焼津水産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 恭世
(72)【発明者】
【氏名】長島 英里子
(72)【発明者】
【氏名】相澤 光輝
(72)【発明者】
【氏名】久保村 大樹
【テーマコード(参考)】
4B115
4B117
4B128
【Fターム(参考)】
4B115LG03
4B115LH11
4B117LC02
4B117LK12
4B117LP10
4B128CP16
(57)【要約】
【課題】ビール風味発泡性飲料の過度な刺激を抑制し、飲みやすさを改善する。
【解決手段】フコースを有効成分として含有するビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物、ビール風味発泡性飲料中に、フコースを含有させるビール風味発泡性飲料の呈味改善方法、フコースを含有し、ノンアルコールであるビール風味発泡性飲料により、上記課題を解決することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フコースを有効成分として含有することを特徴とするビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物。
【請求項2】
前記ビール風味発泡性飲料が、ノンアルコールである、請求項1記載の呈味改善用組成物。
【請求項3】
前記ビール風味発泡性飲料の過度な刺激的な味を抑制し、飲みやすさを改善するために用いられる、請求項1又は2記載のビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物。
【請求項4】
前記ビール風味発泡性飲料が、麦芽使用率67%未満の飲料である、請求項1~3のいずれか1項に記載のビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物。
【請求項5】
ビール風味発泡性飲料中に、フコースを含有させることを特徴とするビール風味発泡性飲料の呈味改善方法。
【請求項6】
前記ビール風味発泡性飲料が、ノンアルコールである、請求項5記載のビール風味発泡性飲料の呈味改善方法。
【請求項7】
ビール風味発泡性飲料中に、フコースを0.0001~2質量%含有させる、請求項5又は6記載のビール風味発泡性飲料の呈味改善方法。
【請求項8】
フコースを含有し、ノンアルコールであることを特徴とするビール風味発泡性飲料。
【請求項9】
フコースを0.0001~2質量%含有する、請求項8記載のビール風味発泡性飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール、発泡酒、ノンアルコールビールなどのビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物、ビール風味発泡性飲料の呈味改善方法、及びビール風味発泡性飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
ビール、発泡酒、ノンアルコールビールなどのビール風味発泡性飲料は、ビール特有の風味を有する発泡性飲料である。近年では、消費者の健康志向や、比較的安価であることから、発泡酒、ノンアルコールビールなどの需要が増大しつつある。
【0003】
一般的なビールは、麦芽・ホップ・水のほかに、副原料として、米・コーンスターチ・糖類等を用いて作られている。具体的には、細かく砕いた麦芽と米などの副原料を温水と混ぜ合わせ、適度な温度で、適当な時間保持し、麦芽の酵素の働きででんぷん質を分解して糖化液とし、この糖化液をろ過してホップを加え、煮沸して麦汁を得る。この麦汁に酵母を加えて発酵タンクに入れ、7~8日間発酵させることによって、麦汁中の糖分のほとんどがアルコールと炭酸ガスに分解され、ビールができる。
【0004】
一方、ノンアルコールビールは、例えば、麦汁、穀物液汁、ホップなどを含む原材料を仕込み、濃度調節、加熱殺菌、冷却、貯蔵、濾過などの工程を経て、酵母による発酵をせずに作られる。
【0005】
また、ノンアルコールビールとしては、麦汁を用いずに、着色料(例えば、カラメル色素)、甘味料(例えば、高甘味度甘味料)、調味成分(例えば、アミノ酸)、香料(例えば、ビールの代表的な香気成分である酢酸エチル、酢酸イソアミル、イソアミルアルコールなどを含んだ市販のビールフレーバー)、異性化ホップエキスなどの苦味成分、酵母エキスなどを原料として作られるものもある。
【0006】
これらのビール風味発泡性飲料は、ビール特有の苦味成分などに由来する刺激的な味があり、この刺激的な味が過剰になると、人によっては飲みにくくなる場合がある。特に、酵母発酵をせずに、香料や苦味成分によってビール風味を作りだすノンアルコールビールにおいて、この傾向が強くなっている。
【0007】
ノンアルコールビールの風味を改善する技術として、下記特許文献1には、D-プシコース0.03~0.5質量%及びアセスルファムK0.0003~0.002質量%を含有するノンアルコールビールテイスト飲料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、ビール風味発泡性飲料は、ビール特有の苦味成分などに由来する刺激的な味があり、この刺激的な味が過剰になると、人によっては飲みにくくなるという問題があった。
【0010】
前記特許文献1は、モルト風味が増強されたノンアルコールビールテイスト飲料を提供するものであるが、ビール特有の刺激的な味を抑制して、飲みやすいビールにするという課題に対して有効な技術ではなかった。
【0011】
したがって、本発明の目的は、ビール風味発泡性飲料の過度な刺激的な味を抑制し、飲みやすさを改善するのに有効なビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物、ビール風味発泡性飲料の呈味改善方法、及びビール風味発泡性飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らが鋭意研究したところ、フコースに、ビール風味発泡性飲料の過度な刺激的な味を抑制し、飲みやすさを改善する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明の第1は、フコースを有効成分として含有することを特徴とするビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物を提供するものである。
【0014】
本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物は、ノンアルコールのビール風味発泡性飲料に好適である。
【0015】
また、本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物は、ビール風味発泡性飲料の過度な刺激的な味を抑制し、飲みやすさを改善するために用いられることが好ましい。
【0016】
本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物は、麦芽使用率67%未満のビール風味発泡性飲料に好適である。
【0017】
本発明の第2は、ビール風味発泡性飲料中に、フコースを含有させることを特徴とするビール風味発泡性飲料の呈味改善方法を提供するものである。
【0018】
本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善方法においては、前記ビール風味発泡性飲料が、ノンアルコールであることが好ましい。
【0019】
また、本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善方法においては、ビール風味発泡性飲料中に、フコースを0.0001~2質量%含有させることが好ましい。
【0020】
本発明の第3は、フコースを含有し、ノンアルコールであることを特徴とするビール風味発泡性飲料を提供するものである。
【0021】
本発明のビール風味発泡性飲料は、フコースを0.0001~2質量%含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、フコースを含有させることにより、ビール風味発泡性飲料の過度な刺激を抑制し、飲みやすい飲料とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、ビール風味発泡性飲料中に、その呈味を改善するためにフコースを含有させるものである。
【0024】
本発明の対象となるビール風味発泡性飲料としては、例えばビール、発泡酒、ノンアルコールビール、ビール風味の清涼飲料水などが挙げられる。
【0025】
ビールは、前述したように、麦芽・ホップ・米・コーンスターチ・糖類等を原料とし、麦芽の酵素の働きででんぷん質を分解して糖化液とし、この糖化液をろ過してホップを加え、煮沸して麦汁を得て、この麦汁に酵母を加えて発酵させることにより製造することができる。
【0026】
発泡酒は、ビールに対して、麦芽使用率を下げて、その代わりに大麦、米、糖類などの割合を増やしたビール風アルコール飲料である。具体的には、麦芽使用率(水とホップを除いた原料のうち、麦芽が占める重量の割合)が67%未満のものを意味する。
【0027】
ノンアルコールビールは、前述したように、例えば、麦汁、穀物液汁、ホップなどを含む原材料を仕込み、濃度調節、加熱殺菌、冷却、貯蔵、濾過などの工程を経て、酵母による発酵をせずに作られる。
【0028】
また、麦汁を用いずに、着色料、甘味料、調味成分、香料、異性化ホップエキスなどの苦味成分、酵母エキスなどを原料として作られるものもある。香料としては、例えば酢酸エチル、酢酸イソアミル、イソアミルアルコールなどを含むものが用いられる。
【0029】
なお、本発明において、ノンアルコールとは、アルコール(エタノール)濃度が1v/v%未満であることを意味し、好ましくは、アルコール(エタノール)濃度が0.00v/v%である。
【0030】
ビールにおいては、ホップ由来のイソアルファ酸等により苦味が付与されることが知られている。また、ノンアルコールビールにおいては、ビール風味を出すために、着色料、甘味料、調味成分、香料、異性化ホップエキス、酵母エキスなどの多岐に渡る原料が配合されており、苦味や雑味がより強く感じられる傾向がある。
【0031】
これらのビール風味発泡性飲料において、上記のような苦味や雑味が過度になると、飲みにくくなるという問題があった。この問題は、麦汁を減らす、あるいは用いずに、香料や、ホップエキスなどによって味付けをしている発泡酒や、更に、酵母による発酵をしていないノンアルコールビールにおいて、特に顕著であった。
【0032】
フコースを添加すると、これらの多岐にわたる原料の味をうまくまとめて、飲みやすくする効果が得られる。
【0033】
したがって、本発明は、通常のビールにも効果的であるが、ノンアルコールのビール風味発泡性飲料や、麦芽使用率が67%未満のビール風味発泡性飲料に対して、特に有効である。
【0034】
本発明における「呈味改善」とは、例えば、上記のようなビール風味発泡性飲料に特有の刺激的な味を抑制したり、苦味、渋味、酸味、収斂味、辛味、雑味などを抑制したり、軽さやすっきり感を向上したりして、飲みやすさを改善することを含む意味である。
【0035】
本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善用組成物は、フコースを有効成分として含有するものである。
【0036】
本発明に用いられるフコースとしては、特に制限はないが、飲食品等の形態に適したものとしては、天然物原料から調製されたものを用いることが好ましい。例えば、本出願人によるWO2018/180727号公報に開示した方法により、アスコフィラムノドサムやモズク等の海藻から抽出して得られるフコースを構成糖の一部とする多糖類の加水分解物から、フコースを効率的に調製することができるので、そのような方法により調製されたものを用いることが好ましい。
【0037】
以下には、フコースの調製方法について更に詳細に説明する。ただし、本発明に用いられるフコースは、以下に例示する調製方法によるものに限定されるものではない。
【0038】
・フコースを構成糖の一部とする多糖類の抽出方法
原料の海藻としては、褐藻類が好ましく、特にアスコフィラムノドサム、オキナワモズクが好ましく用いられる。原料の海藻からフコースを構成糖の一部とする多糖類を抽出する方法としては、原料に、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、又は、酢酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、ギ酸、プロピオン酸等の有機酸の水溶液を、pH1~5、原料濃度が乾燥物として0.1~10重量%となるように加え、10~100℃にて0~24時間撹拌して抽出する方法が挙げられる。好ましくは、原料に、塩酸を、pH2~5、原料濃度が乾燥物として3~8.5重量%となるように加え、70~90℃にて1~3時間抽出する。更に好ましくは、ミキサーなどで原料を粉砕してから抽出を行う。
【0039】
・フコースを構成糖の一部とする多糖類から低分子画分を除去する方法
上記手段により得られた抽出液を濾過した後、マンニトール等の低分子物質を除去する。その手段や条件等に特に制限はないが、例えば、公知の方法に準じた限外濾過などによる手段であれば、得られた抽出液をそのままその手段に供することが可能であり、工業的な量産化生産にも適しているので好ましい。より詳細には、その分子量分画の手段が、少なくともマンニトールを透過することが可能な限外濾過膜を用いるものであることが好ましい。更により詳細には、その分子量分画の手段が、分画分子量200~200,000の限外濾過膜を用いるものであることが好ましく、分画分子量500~30,000の限外濾過膜を用いるものであることがより好ましい。
【0040】
・フコースを構成糖の一部とする多糖類の加水分解
上記のようにして得られたフコースを構成糖の一部とする多糖類を原料として、加水分解を行う。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、クエン酸、シュウ酸、乳酸、コハク酸、ギ酸、プロピオン酸等の有機酸を、pH0.1~5、抽出物の乾燥物換算濃度が0.1~25質量%となるように加え、10~100℃にて0~24時間撹拌して加水分解する方法が挙げられる。好ましくは、抽出物に、塩酸を、pH0.1~3、抽出物の乾燥物換算濃度が3~6質量%となるように加え、50~70℃にて1~5時間撹拌して加水分解する。
【0041】
反応終了後、速やかに反応液を冷却し、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤によりpH7~8に中和する。この中和液を活性炭脱色、濾過、電気透析装置による脱塩することにより、フコース含有加水分解物を得ることができる。
【0042】
・フコースの分画・精製
上記加水分解物からフコースに富む画分を分離し回収する。その手段や条件等に特に制限はない。例えば、公知の方法に準じた限外濾過、脱塩、イオン交換、電気泳動、分子排斥クロマトグラフィー、モレキュラーシーブなどによる手段が挙げられる。この分離・回収により、残存するアルギン酸等の不純物が除かれて、高純度のフコースが得られる。例えば、典型的にはフコースを乾燥物換算濃度で10質量%以上含有する、より典型的には20質量%以上含有する、更により典型的には30質量%以上含有する、特に典型的には40質量%以上含有するフコース含有組成物を得ることができる。さらに、公知の方法に準じた結晶化、煎糖化、遠心分離、クロマトグラフィー分離等の手段により、フコースを高度に精製することができる。これにより、典型的にはフコースを乾燥物換算濃度で90質量%以上含有する、より典型的には95質量%以上含有する、更により典型的には98質量%以上含有する、特に典型的には99質量%以上含有するフコース含有組成物を得ることができる。
【0043】
本発明においては、フコースとして海藻由来組成物を用いる場合には、フコースを乾燥物当たり80質量%以上含有する海藻由来組成物を用いることが好ましく、85質量%以上含有する海藻由来組成物を用いることがより好ましく、90質量%以上含有する海藻由来組成物を用いることが更により好ましく、95質量%以上含有する海藻由来組成物を用いることが最も好ましい。この場合、その海藻由来組成物のフコース以外の糖類の含有量は、乾燥物当たり0.001質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、0.001質量%以上10質量%以下であることが更により好ましく、0.001質量%以上5質量%以下であることが特に好ましく、0.001質量%以上3質量%以下であることが最も好ましい。
【0044】
本発明のビール風味発泡性飲料の呈味改善方法は、前述したようなビール風味発泡性飲料中に、フコースを含有させることを特徴とする。この場合、ビール風味発泡性飲料中に、フコースを0.0001~2質量%含有させることが好ましく、0.001~2質量%含有させることがより好ましく、0.001~1質量%含有させることが最も好ましい。
【0045】
フコースの添加時期は、特に限定されず、例えばビール風味発泡性飲料の原料中に添加してもよく、製造工程のいずれかの工程で添加してもよく、出来上がった製品に対して添加してもよい。
【0046】
本発明のビール風味発泡性飲料は、フコースを含有し、ノンアルコールであることを特徴とする。前述したように、ノンアルコールビールは、麦汁を減らす、あるいは用いずに、香料や、ホップエキスなどによって味付けをしており、かつ、酵母による発酵をしていないため、刺激的な味が特に顕著に出る傾向があるが、フコースを含有させることにより味をマイルドにして、飲みやすくすることができる。
【0047】
なお、ビール風味発泡性飲料中におけるフコースの含有量は、前述した範囲とすることが好ましい。
【実施例0048】
以下に実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0049】
[ビール風味発泡性飲料]
ビール風味発泡性飲料として、下記のものを用いた。
(1)「アサヒ ドライゼロフリー」(商品名、アサヒビール株式会社製、ノンアルコールビール)
(2)「キリン グリーンズフリー」(商品名、キリンビール株式会社製、ノンアルコールビール)
(3)「サントリー からだを想うオールフリー」(商品名、サントリービール株式会社製、ノンアルコールビール)
(4)「サッポロ うまみ搾り」(商品名、サッポロビール株式会社製、ノンアルコールビール)
(5)「キリン カラダフリー」(商品名、キリンビール株式会社製、ノンアルコールビール)
(6)「ヴェリタスブロイ(ドイツ)」(商品名、輸入者:株式会社パナバック、ノンアルコールビール)
(7)「アサヒ スーパードライ」(商品名、アサヒビール株式会社製、ビール)
(8)「キリン 一番搾り」(商品名、キリンビール株式会社製、ビール)
(9)「キリン 淡麗生」(商品名、キリンビール株式会社製、発泡酒)。
【0050】
[フコース]
本出願人によるWO2018/180727号公報に開示した方法で得られた、海藻由来のフコース結晶品(純度93.5%、焼津水産化学工業株式会社)を使用した。
【0051】
[試験方法]
前述したそれぞれのビール風味発泡性飲料に、フコースを0.001質量%、0.01質量%、0.1質量%、1質量%となるように添加し、調製した各試料を、よく訓練された5名以上の評価者により試飲し、それぞれフコースを添加しないブランクと比較したときの呈味変化と飲みやすさに関して評価を行った。評価は、まろやかであるか、刺激的であるか、飲みやすいか、飲みにくいか、の観点により、下記表1に示す評価基準で行った。
【0052】
【0053】
[試験結果]
試験結果を下記表2に示す。
【0054】
【0055】
上記表2に示すように、いずれのビール風味発泡性飲料においても、フコースを添加することにより、ブランクに比べて飲みやすくなることがわかる。また、その効果は、フコースの添加量を増加させるほど高くなるが、0.1質量%を超えると、それほど改善効果は高まらないことがわかる。