(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149332
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】低糖質どら焼き風食品
(51)【国際特許分類】
A21D 13/06 20170101AFI20231005BHJP
【FI】
A21D13/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057847
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 まどか
(72)【発明者】
【氏名】堀田 竜之介
【テーマコード(参考)】
4B032
【Fターム(参考)】
4B032DB40
4B032DG07
4B032DG08
4B032DK02
4B032DK05
4B032DK14
4B032DK15
4B032DK18
4B032DK38
4B032DK46
4B032DK47
4B032DL03
4B032DL04
4B032DP08
4B032DP40
(57)【要約】
【課題】穀粉を使用しなくても、どら焼きの生地と同様な食感と外観を有するどら焼き風食品を作製するための調理済生地及びそれを用いたどら焼き風食品を提供すること。
【解決手段】どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地であって、穀粉の含有量が、前記加熱調理用生地全体中30重量%以下であり、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、甘味を呈する材料1~55重量部を含有する、どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地であって、
穀粉の含有量が、前記加熱調理用生地全体中30重量%以下であり、
前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、甘味を呈する材料1~55重量部を含有する、どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【請求項2】
前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、シクロデキストリンを0.4~0.6重量部含有する、請求項1に記載のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【請求項3】
前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、55℃以上でゲル化する増粘剤を1.0~1.8重量部含有する、請求項1又は2に記載のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【請求項4】
前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、重曹及び/又はベーキングパウダーを1~3重量部含有する、請求項1~3の何れか1項に記載のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【請求項5】
前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、餅粉を2~10重量部含有する、請求項1~4の何れか1項に記載のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【請求項6】
前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、はちみつを3~7重量部含有する、請求項1~5の何れか1項に記載のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地が加熱調理された、どら焼き風食品を作製するための調理済生地。
【請求項8】
請求項7に記載のどら焼き風食品を作製するための調理済生地に、餡が挟まれた、どら焼き風食品。
【請求項9】
全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、甘味を呈する材料1~55重量部、を混合及び撹拌してどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地を得、
前記加熱調理用生地を145~155℃で2~3分間加熱調理して、どら焼き風食品を作製するための調理済生地を得、
前記調理済生地100重量部に対して餡を10~15重量部挟むことを特徴とする、どら焼き風食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低糖質どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地、該生地が加熱調理されたどら焼き風食品を作製するための調理済生地、及び該調理済生地に餡等が挟まれたどら焼き風食品とそのどら焼き風食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
どら焼きは、パンケーキに似た生地にあんこを挟んだ、洋風な見た目の和菓子である。中身に使うあんこは、粒あんであることが殆どだが、白あんや、甘く煮た栗、あんこと餅等がある。どら焼きの生地は、焼き上がったものを冷ましても、柔らかいまま保たれていて、生地に配合される主な材料は、パンケーキと違って乳製品はほとんど含まず、小麦粉、卵、砂糖の他に、膨らませるための重曹、しっとり感を出す蜂蜜、また、みりんや日本酒、水飴、黒糖等様々な材料が入っている。
【0003】
一方、昨今、肥満や糖尿病の治療を目的として、糖質の摂取を減らすために炭水化物の摂取比率や摂取量を制限する食事療法の一種である低炭水化物ダイエットが流行ってきており、このような食事は「炭水化物制限食」や「ローカーボ・ダイエット(ロカボ)」とも呼ばれる。炭水化物を多く含む食品としては、米や小麦粉を多く含む食品、即ちご飯、パン、麺類、ケーキ等が挙げられる。最近では、低糖質パンとして、小麦粉の一部を大豆粉、小麦ふすま(ブラン)、食物繊維等で代替したパン等が売られている。
【0004】
これまで、小麦粉をできるだけ減らしたどら焼き生地として、ショ糖代替甘味料材41%、薄力小麦粉材31%、全卵24%、粉末油脂3%、膨張剤1%の配合で作製された低糖質どら焼き生地が開示されている(特許文献1)。
【0005】
しかし、小麦粉をできるだけ減らすために、一部を大豆粉末及び活性グルテンなどに置き換えただけであり、小麦粉の使用をなくせていない、即ち小麦粉中の糖質を無くすことができていない上に、大豆粉末や活性グルテンを含有するため風味の面でも好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
我々は、小麦粉を全く使用しないどら焼きの作製を検討し、食感と外観が従来のどら焼きと同様な低糖質食品を得るに至った。即ち、本発明の目的は、穀粉を使用しなくても、どら焼きの生地と同様な食感と外観を有するどら焼き風食品を作製するための調理済生地及びそれを用いたどら焼き風食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、全卵;コーンスターチ;乳化剤を特定量含有する起泡性組成物; 酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物;並びに甘味を呈する材料を夫々特定量含有する、どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地が加熱調理された、どら焼き風食品を作製するための調理済生地は、穀粉を含まなくてもどら焼きの生地と同様な食感と外観であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の第一は、どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地であって、穀粉の含有量が、前記加熱調理用生地全体中30重量%以下であり、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、甘味を呈する材料1~55重量部を含有する、どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地に関する。好ましい実施態様は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、シクロデキストリンを0.4~0.6重量部含有する、前記どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地に関する。前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、55℃以上でゲル化する増粘剤を1.0~1.8重量部含有する、前記どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地に関する。前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、重曹及び/又はベーキングパウダーを1~3重量部含有する、前記どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地に関する。前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、餅粉を2~10重量部含有する、前記どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地に関する。前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、はちみつを3~7重量部含有する、前記どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地に関する。本発明の第二は、前記どら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地が加熱調理された、どら焼き風食品を作製するための調理済生地に関する。本発明の第三は、前記どら焼き風食品を作製するための調理済生地に、餡が挟まれた、どら焼き風食品に関する。本発明の第四は、全卵100重量部に対して、コーンスターチ4~10重量部、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含む起泡性組成物6~20重量部、酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物25~40重量部、甘味を呈する材料1~55重量部、を混合及び撹拌してどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地を得、前記加熱調理用生地を145~155℃で2~3分間加熱調理して、どら焼き風食品を作製するための調理済生地を得、前記調理済生地100重量部に対して餡を10~15重量部挟むことを特徴とする、どら焼き風食品の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に従えば、穀粉を使用しなくても、どら焼きの生地と同様な食感と外観を有するどら焼き風食品を作製するための調理済生地及びそれを用いたどら焼き風食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。本発明のどら焼き風食品を作製するための加熱調理用生地は、穀粉をできるだけ含まず、そして好適には全く含まず、全卵;コーンスターチ;乳化剤を特定量含有する起泡性組成物;酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物;並びに甘味を呈する材料を夫々特定量含むことを特徴とする。そして、該加熱調理用生地を加熱調理することで、どら焼き風食品を作製するための調理済生地が得られ、該調理済生地に、餡を挟むことでどら焼き風食品が得られる。
【0012】
前記穀粉とは、穀物を挽いて粉状にしたものであり、一般的に菓子生地に用いられるものを指す。例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、大豆粉、トウモロコシ粉等が挙げられる。なお、本発明における穀粉には、穀物から澱粉粒のみを取り出したものは含まない。
【0013】
前記穀粉の含有量は、前記加熱調理用生地全体中30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。低糖質の観点から、できるだけ少ないほうが好ましく、食品表示の観点からは、低糖質であることを強調でき、また本発明の効果をより享受できるため、全く含有しない(0重量%である)方が好ましい。
【0014】
なお、前記トウモロコシ粉は、トウモロコシを乾燥させ、種皮と胚芽を取り除いて粉にしたものであるが、風味や食感の観点から、トウモロコシ粉を含有させる場合は、前記加熱調理用生地全体中30重量%以下であることが好ましく、20重量%以下であることがより好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。
【0015】
また、穀物から澱粉粒のみを取り出したものの内、トウモロコシ由来であるコーンスターチ以外の澱粉粒の含有量は、前記加熱調理用生地全体中2重量%未満であることが好ましく、0重量%がより好ましい。
【0016】
前記全卵は、液状であり、鶏卵から卵殻を取り除いて得られた内容物、又は液卵黄と液卵白の混合液である。卵殻を取り除いた内容物そのままでも良いし、卵黄と卵白を一緒に溶きほぐして調整しても良いし、卵黄と卵白に分離して夫々溶きほぐしたものを混合し調整しても良い。その場合、液卵黄/液卵白(乾燥質量比)は1.2~3が好ましく、1.5~2.7がより好ましく、1.7~2.5が更に好ましい。また、上記全卵、液卵黄、液卵白は冷凍保存したものを解凍して使用しても良い。用いる卵としては、鶏、鶉、鴨、アヒル等、食用に供される鳥類の卵が挙げられる。中でも、入手のし易さから鶏卵を用いることが好ましい。
【0017】
前記コーンスターチは、トウモロコシから取り出した澱粉である。前記コーンスターチは、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して4~10重量部含有することが好ましく、6~9重量部含有することがより好ましく、7~9重量部含有することが更に好ましい。4重量部より少ないと、加熱調理直後の生地が萎みやすくなったり、調理済生地の噛みだしのふんわり感が劣る場合があり、10重量部よりも多いと、調理済生地において噛みだしのふんわり感が無く、硬くパサついた食感になる場合がある。なお、前記トウモロコシ粉は澱粉粒を含むが、コーンスターチとしての働きを充分にしないため、本発明においてトウモロコシ粉を使用しても、そこに含まれる澱粉粒は、コーンスターチとして勘定しない。
【0018】
前記コーンスターチは、コストの観点から含有量が多い方が好ましいが、一部をアミロペクチン含有量が80%以下の澱粉に置き換えても良い。上記澱粉の種類としては、アミロペクチン含有量を満たせば特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、サゴ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、及び、それらの化学的及び/又は物理的処理が施された加工澱粉等が挙げられる。
【0019】
前記乳化剤を特定量含有する起泡性組成物は、少なくとも乳化剤、糖類、水を含有し、その他必要に応じて、食用油脂、エタノール製剤、着色料、増粘多糖類、塩類等を適宜含む起泡剤である。前記起泡性組成物は、乳化剤を起泡性組成物全体中5~30重量%含有することが好ましく、10~25重量%がより好ましく、12~20重量%が更に好ましい。5重量%より少ないと、加熱調理用生地を十分に含気させることができない場合があり、30重量%より多いと、効果が頭打ちになったり、苦味や嫌味を感じるため、素材の風味が損なわれる場合がある。
【0020】
前記乳化剤は、モノグリセリド、モノグリセリドに有機酸がエステル結合したグリセリド誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。
【0021】
前記起泡性組成物は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して6~20重量部含有することが好ましい。より好ましくは10~17重量部、更に好ましくは12~14重量部である。6重量部より少ないと、生地が十分に起泡せず加熱調理時に生地が十分に膨らまず、食感のしっとり感及び噛みだしのふんわり感が劣る場合があり、20重量部より多いと、調理済生地において噛みだしのふんわり感が無く、ねちゃついた食感になったり、乳化剤の風味により、調理済生地の風味が劣る場合がある。
【0022】
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物において、酸でカゼインタンパク質を凝固させることとしては、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊牛乳、成分調整牛乳及び加工乳等の乳や、生クリーム等の乳製品に、乳酸菌、レモン汁、クエン酸、酢酸等の酸を加えて、乳及び乳製品中のカゼインタンパク質を凝固させることが挙げられる。また、常温とは5~35℃をいい、ペースト状とは、力が加えられていない状態では流動性がなく、力が加えられると流動性を生じるような性状をいう。
【0023】
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物としては、例えば、クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、カッテージチーズ、フロマージュブラン、サワークリーム、ヨーグルト等が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。特に、生地への混ざりやすさや保形性の観点からはクリームチーズを使用することが好ましい。
【0024】
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物は、市販されているものを使用しても良いし、カゼインタンパク質を溶解した水と油脂とを混合し乳化させ、これに乳酸を加えてカゼインタンパク質を凝固させて作製したペーストを用いてもよい。
【0025】
前記酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物の含有量は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して25~40重量部であることが好ましい。より好ましくは27~37重量部、更に好ましくは30~34重量部である。25重量部より少ないと加熱調理後に生地が萎みやすくなって厚みがでず、食感のしっとり感及び噛みだしのふんわり感が劣る場合があり、40重量部より多いとペースト状の組成物の風味により、調理済生地の風味が劣る場合がある。
【0026】
前記甘味を呈する材料として、糖類、糖アルコール及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。そして、大量生産の可否の観点では糖類、糖アルコール、及び高甘味甘味料からなる群より選ばれる少なくとも1種であれば種類は問わないが、健康の観点からより低糖質にするには、糖アルコール及び高甘味甘味料を使用することが好ましい。生地中の分散性の良さや味の観点からは、糖類であるグラニュー糖が好ましい。また、焼き色を付観点からはメイラード反応を起こしやすい上白糖が好ましく、生地中の分散性の良さの観点からはグラニュー糖が好ましい。
【0027】
前記糖類としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ等が挙げられる。
【0028】
前記糖アルコールとしては、糖類のカルボニル基が還元されたアルコールをいう。例えば、還元水飴、エリスリトール、トレハロース、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、マンニトール、ラクチトール、還元パラチノース、グリセリン等が挙げられる。
【0029】
前記高甘味甘味料とは、砂糖(スクロース)の甘味度を1とした相対甘味度が50以上の甘味料をいう。例えば、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、ラカンカ抽出物、スクラロース、ネオテーム、サッカリン、カンゾウ等が挙げられる。
【0030】
前記甘味を呈する材料は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して1~55重量部含有することが好ましい。より好ましくは2~31重量部、更に好ましくは2~8重量部である。含有量が1重量部より少ないと加熱調理後に生地が萎みやすくなったり、甘味が不十分と感じる場合があり、55重量部より多いと甘味が強すぎてしまったり、糖類を使用する場合は、調理済生地中の糖質量が多くなってしまうため低糖質の観点から好ましくない。
【0031】
本発明の加熱調理用生地は、乳化を安定させ気泡が消泡しにくくする目的としてシクロデキストリンを含有することが好ましく、特に、デポジッターを用いて機械充填し大量生産する場合にはシクロデキストリンを含有することが好ましい。
【0032】
前記シクロデキストリンは、グルコースが環状に結合した環状オリゴ糖である。結合するグルコースの個数によって、α-シクロデキストリン(6個)、β-シクロデキストリン(7個)、γ-シクロデキストリン(8個)と称される。本発明で用いるシクロデキストリンは上記のいずれでもよく、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いればよい。
【0033】
前記シクロデキストリンは、乳化を安定させ気泡が消泡しにくくなることから、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して0.4~0.6重量部含有することが好ましい。より好ましくは0.4~0.5重量部、更に好ましくは0.4~0.46重量部である。0.4重量部より少ないと、乳化を安定させ気泡が消泡しにくくする効果が十分に得られない場合があり、0.6重量部より多いと、調理済生地において噛みだしのふんわり感が無く、硬い食感になる場合がある。
【0034】
前記シクロデキストリンは効果を最大限発揮させるために乳化油脂組成物に含有させた状態で他の成分と配合するのが好ましく、特に水中油型乳化油脂組成物の水相に含有させた状態で他の成分と配合するのが好ましい。
【0035】
前記水中油型乳化油脂組成物に使用する油脂の種類としては、食用油脂であれば、特に限定はないが、常温で結晶を有する油脂は起泡力を著しく低下させるので、該食用油脂の曇点は0℃以下であることが好ましい。具体例としては、ナタネ油、コーン油、大豆油、綿実油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマワリ油等の液状油が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を使用できる。
【0036】
本発明の加熱調理用生地は、加熱調理後の生地の萎みを抑制し、どら焼き特有の膨らみのある円盤状にする目的として、55℃以上でゲル化する増粘剤を含有することが好ましい。
【0037】
前記55℃でゲル化する増粘剤は、分散液を加熱することでゲル化する性質を持つ増粘剤であり、例えば、カードランやメチルセルロースが挙げられる。特に前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して、コーンスターチの含有量が6重量部より少ない場合や酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペーストの組成物の含有量が28重量部より少ない場合は、加熱調理後の生地が萎みやすくなる場合があるため、前記増粘剤を含有することが好ましい。
【0038】
前記55℃以上でゲル化する増粘剤は、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して1.0~1.8重量部含有することが好ましい。より好ましくは1.2~1.7重量部、更に好ましくは1.4~1.6重量部である。1.0重量部より少ないと生地を萎みにくくする効果が十分に得られない場合があり、1.8重量部より多いと、調理済生地においてパサツキ感が感じられたり、硬くなり噛みだしのふんわり感が劣る場合がある。
【0039】
本発明の加熱調理用生地は、より火抜けを良くし、噛みだしのふんわり感を得る目的で重曹及び/又はベーキングパウダーを含有することが好ましい。
【0040】
前記重曹とは炭酸水素ナトリウムを指し、一般に食品用として市販されているものを用いることができる。
【0041】
前記ベーキングパウダーは、膨張剤の一種であり、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムをガス発生剤として、それらに酸又は酸性物質(酒石酸、クエン酸、第1リン酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、ミョウバン等)を配合した混合剤を指し、一般に食品用として市販されているものを用いることができる。
【0042】
前記重曹及び/又はベーキングパウダーは、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して1~3重量部含有することが好ましい。より好ましくは1.3~2.4重量部、更に好ましくは1.4~1.8重量部である。1重量部より少ないと、より火抜けを良くし、調理済生地の噛みだしのふんわり感を得る効果が十分に得られない場合があり、3重量部より多いと加熱調理後に生地が膨らみすぎて、中に空洞ができたり、気泡が破裂して表面に亀裂が発生したり、異味を感じて調理済生地の風味が劣る場合がある。前記重曹及び/又はベーキングパウダーは、どちらか一方のみの使用でもよいし、併用しても良い。
【0043】
本発明の加熱調理用生地は、調理済生地においてより普通のどら焼きに近いしっとりと弾力のある食感にする目的で餅粉を含有することが好ましい。前記餅粉とは、もち米を精米、水洗いし粉にしてから乾燥させたものをいう。市販されている餅粉を使用しても良いし、もち米を粉にして使用しても良い。
【0044】
前記餅粉は低糖質の観点からは含有しないことが好ましいが、普通のどら焼きの食感により近づけるには、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して2~10重量部含有することが好ましい。より好ましくは2~7重量部、更に好ましくは2~4重量部である。含有量が10重量部より多いと、調理済生地において食感がもっちりしすぎて噛みだしのふんわり感が劣る場合がある。
【0045】
本発明の加熱調理用生地は、より普通のどら焼きの風味や外観に近づける目的ではちみつを含有することが好ましい。前記はちみつは、ミツバチが花から集めて巣に蓄えた蜜であり、市販されているものを使用すればよく、蜜源となる花の種類は問わない。
【0046】
前記はちみつは、低糖質の観点からは含有しないことが好ましいが、普通のどら焼きの風味や外観により近づけるためには、前記加熱調理用生地に含まれる全卵100重量部に対して3~7重量部含有することが好ましい。より好ましくは3~6重量部、更に好ましくは3~5重量部である。含有量が7重量部より多いと、加熱調理後の生地がべたつく場合がある。
【0047】
前記加熱調理用生地は、効果を阻害しない範囲において、必要に応じ、一般的に菓子生地に用いられる上記以外の成分を含有することができる。そのような成分として、例えば油脂、増粘多糖類、塩類、着色料、香料、風味を付与する素材等を挙げることができる。
【0048】
前記油脂の種類としては、食用油脂であれば、特に限定はないが、常温で結晶を有する油脂は起泡力を著しく低下させるので、該食用油脂の曇点は0℃以下であることが好ましく、水を含有させて乳化させた油中水型乳化油脂組成物、又は水中油型乳化油脂組成物として使用しても良い。
【0049】
前記増粘多糖類としては、前記55℃でゲル化する増粘剤を除く一般に食品に用いられている増粘多糖類であれば特に制限はなく、例えばキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、タマリンドガム、アラビアガム、カルボキシメチルセルロース、寒天、ゼラチン、アルギン酸、グルコマンナン等が挙げられる。
【0050】
前記塩類としては、一般に食品に用いられている塩類であれば特に制限はなく、例えば、食塩、塩化ナトリウム等が挙げられる。
【0051】
前記着色料としては、食品添加物として使用が認められるものであれば使用できる。例えば、カロチン色素、カラメル色素、ベニコウ色素、コチニール色素、ベニバナ色素、クチナシ色素等の天然着色料や食用タール系色素等の合成着色料が挙げられる。
【0052】
前記香料としては、例えば、ミルク香料、バター香料、チーズ香料等が挙げられる。
【0053】
前記風味を付与する素材としては、一般に食品に風味を付与するために用いられている素材であれば特に制限はなく、例えば、ココア粉、粉末抹茶、粉チーズ、きな粉、コーヒー豆粉末、小豆粉末、全粉乳、脱脂粉乳、野菜や果実等の乾燥粉末、野菜や果実類のピューレや搾汁、茶の抽出液、果物や野菜のペースト、ナッツペースト、みりん、醤油、日本酒、酒粕等が挙げられる。
【0054】
前記加熱調理用生地を加熱調理することにより、調理済生地が得られる。加熱調理の方法としては、例えば、焼成が挙げられる。そして、前記調理済生地2枚で餡を挟むことで、どら焼き風食品を製造することができる。前記餡とは具材を煮詰めて練ったペースト状のものを指す。前記餡の種類としては、小豆餡;白いんげん餡;ずんだ餡;緑豆餡;サツマイモ餡;栗餡;南瓜餡;胡麻餡の他;バナナ、イチゴ等のフルーツを使用したフルーツ餡;ピーナッツ、クルミ等のナッツ類類を使用した餡;抹茶、紅茶等の茶類を使用した餡等が挙げられる。前記餡は市販されているものを使用しても良いし、具材を煮詰めて作製したペーストを使用してもよい。また、上記餡と一緒にホイップクリームやバタークリーム、カスタードクリーム等のクリームを挟んでも良いし、上記クリームのみを挟んでも良い。使用する餡の種類は問わないが、低糖質の観点からは、より糖質の含有量の低いものを用いることが好ましい。
【0055】
本発明の調理済生地の製造方法の一実施形態を以下に例示する。まず、前記全卵、前記起泡性組成物、及び、必要に応じてはちみつを混合する。そこに、前記コーンスターチ、前記甘味を呈する材料、必要に応じてシクロデキストリン、55℃以上でゲル化する増粘剤、重曹及び/又はベーキングパウダー、餅粉を混合し、卓上ミキサーを用いて中速で撹拌し、比重0.31~0.33になるまで含気させる。ここで、前記シクロデキストリンを含有する水中油型乳化油脂組成物を使用する場合は、油脂と水とシクロデキストリンを混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させて作製すれば良い。なお、生地の比重(g/ml)は、生地を100mlの計量カップに入れて、質量(g)を測定し、容量(ml)で除して算出する。
【0056】
そして更に酸でカゼインタンパク質を凝固させた常温でペースト状の組成物(クリームチーズ)を混合し、卓上ミキサーを用いて285rpmで撹拌し、最終比重0.36~0.38の加熱調理用生地を作製した。その際、各成分の含有量は、上述した通りになるよう調整すればよい。
【0057】
次に、上記で作製した加熱調理用生地を、145~155℃に予熱した銅板に15~25g絞り2~3分間加熱調理後、更に上面に赤外線バーナーをセットし弱火で1~2分間加熱調理することで、前記調理済生地を得ることができる。その際、加熱調理前の生地に含まれる水分の内、15重量%程度が蒸発するため、調理済生地全体中の穀粉の含有量は、35.3重量%以下となる。
【0058】
そして、前記調理済生地100重量部に対して餡を10~15重量部挟むことにより、どら焼き風食品を得ることができる。
【実施例0059】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
【0060】
実施例、比較例及び製造例で使用した原料は以下の通りである。
1)キユーピータマゴ(株)製「殺菌全卵」
2)日本製粉(株)製「バイオレット」
3)(株)カネカ製「クレビスGL(乳化剤含有量:16.4重量%)」
4)三井製糖(株)製「上白糖」
5)(株)加藤美蜂園本舗製「サクラ印ハチミツ」
6)日本コーンスターチ(株)製「コーンスターチ」
7)火乃国食品工業株式会社(株)製「粉の郷 もち粉」
8)三菱商事ライフサイエンス(株)製「カードランNS」
9)ベル ジャポン(株)製「kiri クリームチーズ」
10)(株)カネカ製「ACクリームCR」
11)(株)アイコク製「ベーキングパウダーZアップ」
12)サラヤ(株)製「ラカントS」
【0061】
<外観の評価>
外観の評価として、実施例及び比較例で得られた調理済生地の厚さを測定して生地の膨らみ具合を評価した。作製した生地を縦半分にカットし、生地中心部の厚みを測定して以下の基準で評価した。
5点:生地中心部の厚みが12mm以上である。
4点:生地中心部の厚みが9mm以上12mm未満である。
3点:生地中心部の厚みが6mm以上9mm未満である。
2点:生地中心部の厚みが3mm以上6mm未満である。
1点:生地中心部の厚みが3mm未満である。
【0062】
<食感(しっとり感)評価>
製造例2で得られた調理済どら焼き生地、並びに実施例及び比較例で得られた調理済生地を、熟練した10人のパネラーに食してもらい、しっとりさの観点で官能評価をし、各人の評価値の平均値を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りであった。
5点:製造例2と同等のしっとり感がある。
4点:製造例2と比較して、ややしっとり感がある。
3点:製造例2と比較して、しっとり感が少なく感じられるが品質的には問題ない。
2点:製造例2と比較して、しっとり感が無く、ややパサついた食感である。
1点:製造例2と比較して、パサついている。
【0063】
<食感(ふんわり感)の評価>
製造例2で得られた調理済どら焼き生地、並びに実施例及び比較例で得られた調理済生地を、熟練した10人のパネラーに食してもらい、噛みだしのふんわり感の観点で官能評価をし、各人の評価値の平均値を評価値とした。その際の評価基準は以下の通りであった。
5点:製造例2と同等のふんわり感がある。
4点:製造例2と比較して、ややふんわり感がある。
3点:製造例2と比較して、ふんわり感が少なく感じられるが品質的には問題ない。
2点:製造例2と比較して、ふんわり感が無く、やや硬い又はややねちゃついた食感である。
1点:製造例2と比較して、硬い、又はねちゃついている。
【0064】
<総合評価>
調理済生地の外観、食感のしっとり感とふんわり感の各評価結果を基に、総合評価を行った。評価基準は以下の通りである。
A:外観、しっとり感、ふんわり感の評価が全て4.5点以上5.0点以下を満たすもの。
B:外観、しっとり感、ふんわり感の評価が全て4.0点以上5.0点以下であって、且つ4.0点以上4.5点未満が少なくとも一つあるもの。
C:外観、しっとり感、ふんわり感の評価が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0点以上4.0点未満が少なくとも一つあるもの。
D:外観、しっとり感、ふんわり感の評価が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0点以上3.0点未満が少なくとも一つあるもの。
E:外観、しっとり感、ふんわり感の評価が2.0点未満のものが少なくとも一つあるもの。
【0065】
(製造例1)水中油型乳化油脂組成物1の作製
菜種油(カネカ社製):68重量部に、水:29.85重量部、シクロデキストリン(塩水港精糖(株)製「デキシーパールβ-100」):2.15重量部を混ぜてプロペラミキサーにて攪拌混合して乳化させ、水中油型乳化油脂組成物1を得た。
【0066】
(製造例2)小麦粉を含有する調理済どら焼き生地の作製
表1の配合に従って、全卵:100重量部、起泡性組成物:12重量部、はちみつ10重量部、水:15重量部をボウルに入れて混ぜた。卓上ミキサー(HOBART CANADA社製「ホバートミキサー MODEL N-50」)にワイヤーホイッパーを取り付けて285rpmで混合したあと、比重0.30になるまで含気させた。そこに予め篩っておいた薄力粉:110重量部、上白糖:75重量部を投入し、再度ホイッパーで最終比重が0.35になるよう調整した。得られた生地を、150℃に予熱した銅板((株)山下金物製「ガス式銅板パンケーキグリドル」)に20g絞り、2分30秒間加熱調理後、更に上面に赤外線バーナー((株)正英製作所製「シュバンクバーナー」)をセットし弱火で1分30秒間加熱調理して小麦粉を含有する調理済どら焼き生地を作製した。得られた小麦粉を含有する調理済どら焼き生地の食感のしっとり感と噛みだしのふんわり感を評価し、実施例及び比較例の食感の評価の基準とした。
【0067】
(実施例1)調理済生地の作製
表2の配合に従って、全卵:100重量部、起泡性組成物:13量部、水中油型乳化油脂組成物1:20重量部、はちみつ:4重量部をボールに入れて混合した。そこに、コーンスターチ:8重量部、ベーキングパウダー:1.6重量部、甘味を呈する材料として糖アルコールと高甘味甘味料の混合物:2重量部、増粘剤としてカードラン1.5重量部、餅粉3重量部を入れて、卓上ミキサーにワイヤーホイッパーを取り付けて285rpmで攪拌し、比重0.32になるまで含気させた。更にクリームチーズ:32重量部を混合し285rpmで撹拌して最終比重0.37の加熱調理用生地を作製した。作製した生地を、150℃に予熱した銅板に20g絞り、2分30秒間加熱調理後、更に上面に赤外線バーナーをセットし弱火で1分30秒間加熱調理して調理済生地を作製した。得られた調理済生地について、外観、食感のしっとり感とふんわり感の評価を行い、それらの評価結果を表2及び表3にまとめた。
【0068】
(実施例2~11,比較例1~5)調理済生地の作製
表2及び表3の配合に従って、コーンスターチ、起泡性組成物、餅粉、増粘剤、甘味を呈する材料、及びはちみつの配合量、並びに酸でカゼインたんぱく質を凝固させた常温でペースト状の組成物及び水中油型乳化油脂組成物の配合量と種類を変更した以外は実施例1と同様にして調理済生地を得た。得られた調理済生地について、食感のしっとり感とふんわり感の評価を行い、それらの評価結果を表2及び表3にまとめた。
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
表2より、実施例1~11で得た調理済生地はいずれも、発明の要件を満足するものであり、外観、食感のしっとり感とふんわり感の評価が良好であったことが分かる。
【0073】
一方、表3より以下のことが分かる。比較例1で得た調理済生地は、全卵100重量部に対するコーンスターチの含有量が2重量部と少ないものであり、外観、食感のふんわり感の評価が低かった。
【0074】
比較例2で得た調理済生地は、全卵100重量部に対するコーンスターチの含有量が20重量部と多いものであり、食感のしっとり感とふんわり感の評価が低かった。
【0075】
比較例3で得た調理済生地は、全卵100重量部に対する起泡性組成物の含有量が3重量部と少ないものであり、外観、食感のしっとり感とふんわり感、全てが低い評価であった。
【0076】
比較例4で得た調理済生地は、全卵100重量部に対する起泡性組成物の含有量が22重量部と多いものであり、食感のふんわり感の評価が低かった。
【0077】
比較例5で得た調理済生地は、全卵100重量部に対する酸でカゼインたんぱく質を凝固させた常温でペースト状の組成物の含有量が20重量部と少ないものであり、食感のしっとり感とふんわり感の評価が低かった。