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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149351
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】魚釣用スピニングリール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/01 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A01K89/01 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057879
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】堀江 博典
(72)【発明者】
【氏名】對馬 大輔
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108BE04
(57)【要約】
【課題】一方向クラッチを組み込んだ魚釣用スピニングリールにおいて、リール本体の小型化、軽量化が図れる構造を提供する。
【解決手段】本発明の魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作によって回転駆動される駆動軸と、駆動軸に配設され、内輪21と外輪27と複数の転がり部材25を保持した保持器23とを有する一方向クラッチ20と、リール本体に形成され、一方向クラッチ20を収容する円筒部2Cとを有する。外輪27に径方向外方に突出する度当て27cを設けると共に、円筒部2Cの円周壁2aを径方向に貫通する切欠部2cを形成し、切欠部2cに外輪27の度当て27cを径方向に露出するように配設して外輪27を回り止め固定したことを特徴とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作によって回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸に配設され、内輪と外輪と複数の転がり部材を保持した保持器とを有する一方向クラッチと、
前記リール本体に形成され、前記一方向クラッチを収容する円筒部と、
を有する魚釣用スピニングリールにおいて、
前記外輪に径方向外方に突出する度当てを設けると共に、前記円筒部の円周壁を径方向に貫通する切欠部を形成し、
前記切欠部に前記外輪の度当てを径方向に露出するように配設して外輪を回り止め固定したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項2】
前記切欠部は、前記円周壁の周方向に等間隔で2箇所以上形成されており、前記度当ては、前記切欠部と同数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項3】
前記円周壁の外周面の径と、前記外輪の最外径が同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項4】
前記円筒部と一方向クラッチを包み込む防水キャップを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
【請求項5】
リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作によって回転駆動される駆動軸と、
前記駆動軸に配設され、内輪と外輪と複数の転がり部材を保持した保持器とを有する一方向クラッチと、
を有する魚釣用スピニングリールにおいて、
前記外輪に径方向外方に突出する度当てを設け、
前記リール本体に、前記度当ての両側面の2点で当て付いて前記外輪の回転を規制する当接部を設けたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
【請求項6】
前記当接部は、前記度当ての最外径位置よりも径方向内側に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用スピニングリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、詳細には、ロータの逆回転を防止する一方向クラッチを組み込んだ魚釣用スピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
魚釣用スピニングリールは、ハンドルの巻き取り回転操作によって連動回転するロータ及び前後動するスプールを備えた構造である。一般的に魚釣用スピニングリールには、ハンドルの回転操作でロータの釣糸巻き取り方向の回転を許容すると共に、ハンドルを逆回転させようとした際、ロータの逆回転を防止する逆転防止機構が組み込まれている。
【0003】
前記逆転防止機構は、例えば、特許文献1に開示されているように、ハンドルの回転操作で一体回転するピニオンギアに回り止め嵌合される内輪と、内輪の径方向外方に配設され、複数の転がり部材を保持した保持器と、保持器の径方向外方に配設された外輪とを備えた一方向クラッチで構成されている。前記外輪には、その外周に周方向に所定間隔を置いて係止部が形成されており、この係止部を、リール本体に一体化された円筒部の内面に形成された係止溝に嵌合させることで、外輪は、リール本体に対して回り止め固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-23965号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した一方向クラッチは、リール本体に形成された円筒部内に収納される構造となっている。すなわち、外輪全体を円筒部内に収納し、外輪の外周面と円筒部の内周面に形成された凹凸を係合させて外輪を回り止め固定する構造であるため、リール本体を小型化、軽量化することには限界があり、改良すべき余地がある。
【0006】
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、一方向クラッチを組み込んだ魚釣用スピニングリールにおいて、リール本体の小型化、軽量化が図れる構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作によって回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸に配設され、内輪と外輪と複数の転がり部材を保持した保持器とを有する一方向クラッチと、前記リール本体に形成され、前記一方向クラッチを収容する円筒部と、を有しており、前記外輪に径方向外方に突出する度当てを設けると共に、前記円筒部の円周壁を径方向に貫通する切欠部を形成し、前記切欠部に前記外輪の度当てを径方向に露出するように配設して外輪を回り止め固定したことを特徴とする。
【0008】
上記した構成の魚釣用スピニングリールは、リール本体に設けられる円筒部の円周壁に、径方向に貫通する切欠部を形成し、ここに外輪の度当てを径方向に露出するように配設して外輪を回り止め固定している。このように、一方向クラッチの外輪を、リール本体の円筒部の内周面で回り止め固定しないことから、円筒部を可及的に小径化することが可能となり、リール本体の小型化、及び、軽量化を図ることが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に支持されたハンドルの回転操作によって回転駆動される駆動軸と、前記駆動軸に配設され、内輪と外輪と複数の転がり部材を保持した保持器とを有する一方向クラッチと、を有しており、前記外輪に径方向外方に突出する度当てを設け、前記リール本体に、前記度当ての両側面の2点で当て付いて前記外輪の回転を規制する当接部を設けたことを特徴とする。
【0010】
上記した魚釣用スピニングリールは、一方向クラッチの外輪に径方向に突出する度当てを形成しており、リール本体に、前記度当ての両側面の2点で当て付いて外輪の回転を規制する当接部を設けたことで、外輪を回り止め固定する部分の構造を簡略化することができ、これにより、リール本体の小型化、及び、軽量化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一方向クラッチを組み込んだ魚釣用スピニングリールにおいて、リール本体の小型化、軽量化が図れる構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示す分解斜視図。
図2図1に示した魚釣用スピニングリールの主要部の軸方向断面図。
図3図2のA-A線に沿った断面図。
図4】一方向クラッチの固定状態を示す斜視図。
図5図4に示す一方向クラッチに保持器のカバー部材を配置した状態を示す斜視図。
図6】本発明に係る魚釣用スピニングリールの第2の実施形態を示す分解斜視図。
図7】一方向クラッチの固定状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示す図である。最初に魚釣用スピニングリールの全体構成の概略について説明する。なお、以下の説明において、前方及び後方は、図2で示す方向を意味する。
【0014】
本実施形態に係る魚釣用スピニングリール(以下、リールと称する)1のリール本体2には、釣竿に装着されるリール脚2Aが一体形成されている。リール本体2の前方には、回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール(図示せず)とが配設されている。
【0015】
前記ロータ3は、スプールの周囲を回転する一対の腕部3aを備えており、各腕部3aの夫々の前端部には、ベール5の基端部を取り付けたベール支持部材3bが釣糸巻き取り位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されている。この場合、ベール5の一方の基端部は、ベール支持部材3bに一体的に設けられた釣糸案内部(ラインローラ)6に取り付けられている。
【0016】
前記リール本体2内には、ハンドル軸が軸受けを介して回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドルが取り付けられている。前記ハンドル軸には、ハンドルを回転操作した際、その駆動力を前記ロータ3に伝達してロータを回転駆動する駆動力伝達機構10が設けられている。
【0017】
駆動力伝達機構10は、公知のように、前記ハンドル軸に一体回転可能に装着された駆動ギアと、この駆動ギアに噛合するピニオン歯部を具備したピニオン11とを備えている。前記ピニオン11は、ハンドル軸と直交する前後方向に延出し、内部に軸方向に延在する空洞部11aが形成された回転駆動部(駆動軸)としての機能を有する。この場合、空洞部11aには、ハンドルを回転操作した際にスプールを前後動させる公知のオシレート機構と係合するスプール軸が挿通され、その先端に前記スプールが装着される。
【0018】
前記ピニオン11は、リール本体1に回転可能に支持されている。また、ピニオン11はスプール側に向けて延出しており、ピニオン11の先端部には前記ロータ3が一体回転可能に取り付けられている。ロータ3は、中心部分に形成されたボス部3Aの貫通孔がピニオン11の先端に外嵌され、ナット(図示せず)を締め付けることで固定される。また、前記ピニオン11上には、逆転防止装置を構成する一方向クラッチ20が配設されている。
【0019】
上記した構成により、ハンドルを巻き取り操作すると、駆動力伝達機構10を介してロータ3が回転駆動される共に、オシレート機構及びスプール軸を介してスプールが前後方向に往復動される。したがって、釣糸は、回転駆動されるロータ3の釣糸案内部6を介してスプールに均等に巻回されるようになる。
【0020】
次に、本実施形態の一方向クラッチ20について、図1から図4を参照して説明する。
図1に示すように、リール本体2のスプール側には、略円板形状に形成された基部2Bが配設されており、基部2Bの表面部分には、円筒部2Cが軸方向に向けて形成されている。前記ピニオン11は、前記円筒部2Cの中心部分を貫いて回転可能に支持されており、その中間部に一方向クラッチ20が配設されている。
【0021】
前記ピニオン11は、ハンドルの回転操作によって駆動ギアを介して回転駆動され、前記一方向クラッチ20は、ピニオン11の中間部分に配設されて、ピニオン11の釣糸巻き取り方向の回転を許容すると共に逆回転を防止する。
前記一方向クラッチ20は、内輪21と、外輪27と、複数の転がり部材25を保持した保持器23とを有しており、更に、保持器23と共に一体化されるカバー部材23A(図5参照)を有している。これらの要素(一部の要素でも良い)は予めユニット化しておくことが可能である。
【0022】
前記内輪21は、ピニオン11に対して回り止めされており、ピニオン11と共に一体回転する駆動軸としての機能を有する。具体的には、ピニオン11の断面は、部分的に非円形部が形成された形状となっており、この部分に内輪21の非円形部を嵌合させることで、内輪21はピニオン11と共に一体回転する。
前記保持器23は、内輪21の径方向外方に配設されており、周方向に一定間隔おいて配設される保持部23aを備えている。各保持部23aには、付勢バネ24が配設されており、保持部間に配設される転がり部材25を周方向(図3では、反時計回り方向;逆回転方向)に付勢している。
【0023】
前記外輪27は、保持器23の径方向外方に配設され、略リング形状に形成されている。外輪27の内周面には、夫々の転がり部材25の回転を阻止する楔領域27aと、転がり部材25を自由に回転させるフリー領域27bが形成されている。前記保持器23に保持されている各転がり部材25は、付勢バネ24によって常時、楔領域側に付勢された状態となっている。また、外輪27の外周面27dは、以下の度当て27cが形成される部分を除いて円形状に形成されている。
【0024】
前記外輪27の一部には、径方向外方に突出するように突出片27cが設けられている。この突出片は、外輪27の回転を規制する度当てとしての機能を備えている(以下、度当て27cと称する)。度当て27cは、外輪27の外周面27dから径方向外方に突出するように一体形成されており、1個所以上設けられる。この場合、外輪には、大きなトルクが掛かって、1個所では応力が集中して偏り等が生じる可能性があるので、等間隔で2個以上形成することが好ましい。本実施形態では、180°間隔で中心軸Xを挟んで対向するように2個所設けられている。前記度当て27cは、周方向に一定の幅を有しており、周方向の両サイド27e,27fが回り止め機能を有する。
【0025】
前記リール本体2に突出形成された円筒部2Cには、その円周壁2aを径方向に貫通する切欠部2cが形成されている。この切欠部2cは、外輪27の前記度当て27cが嵌合できる程度に形成されており、この切欠部2cに度当て27cを嵌合し、前記露出側の表面27gを径方向に露出するように配設することで、外輪27は回り止め固定(回転が規制)される。
【0026】
前記切欠部2cは、円周壁2aに1個所以上形成されていれば良いが、本実施形態では、円周方向に等間隔で2箇所(180°間隔で軸心Xに対して対称となる2個所)形成されている。すなわち、切欠部については、外輪27の度当てと同数設けておけば良い。
【0027】
前記度当て27cの外面は、円筒部2Cの切欠部2c部分で径方向に露出しており、指を当て付けて摘まむことが可能となっている。このため、度当てによって外輪27が摘まみ易くなり、一方向クラッチ20の着脱作業性の向上が図れるようになる。
【0028】
また、上記した構成では、円筒部2Cの円周壁2aの径(円周壁の外周面の径)と、前記外輪27の最外径(度当て27cの露出側の表面27g部分の径)が同一となるように構成されている。この場合、外輪27は、円周壁2a内に嵌合させて両者の間に隙間が生じるように構成されており、これにより回転性能を確保しつつガタ付きを防止し、径方向の小型化を図ることが可能となる。また、多少の隙間を持たせることで着脱操作を容易に行うことができる。
【0029】
上記したように構成された一方向クラッチ20は、ユニット化されて円筒部2C内に組み込まれる。この場合、図4に示した外輪27の表面部分には、図5に示すように、保持器23及び外輪27をカバーする蓋体(カバー部材)23Aが装着され、前記外輪27は、保持器23及びカバー部材23Aに挟持された状態となっている。また、カバー部材23A上には、電食防止プレート(防食プレート)等を装着しても良い。さらに、一方向クラッチ20の軸方向の移動を規制するように、一方向クラッチに隣接して規制プレートを配設しても良い。或いは、図1及び図2に示すように、一方向クラッチ20に対する防水、防塵効果を高めるように、磁気シール機構50を配設しても良い。
【0030】
この磁気シール機構50は、公知のように、駆動軸(内輪21)の外周面との間に微小隙間を介在して配設されるリング形状の磁性板(極板)51,52と、磁性板間に挟持されるリング状の磁石53とを備え、駆動軸と磁性板との間の隙間に磁性流体を充填した構成となっている(図1図2参照)。
【0031】
また、本実施形態では、前記円筒部2Cと前記一方向クラッチ20を包み込むように、リール本体に防水キャップ60を設けている。この防水キャップ60は、一方向クラッチ20を包囲する円筒部61と、スプール側の開口を閉塞するカバー部62とを備えた形状となっており、カバー部62の内面に、前記磁気シール機構50の磁性板51が密着されている。
【0032】
上記した構成の一方向クラッチ20によれば、ハンドル(ロータ3)の釣糸繰出し方向の回転(逆回転)が防止される。
すなわち、ハンドルを釣糸巻き取り方向に回転操作してピニオン11が回転駆動される(図3の時計回り方向に回転駆動される)と、ピニオン11と共に内輪21も同方向に回転する。この際、保持器23に保持される転がり部材25は、外輪27のフリー領域27bに移動するので、内輪21の回転力が外輪27に伝達されずピニオン11と共にロータ3は支障なく回転することができる。
【0033】
これに対して、ピニオン11と共に内輪21が逆回転(ロータ3が釣糸繰出し方向に回転)しようとすると、保持器23に保持される転がり部材25は、反時計回る方向に転動すると共に付勢バネ24によって外輪27の楔領域27aに位置するため、内輪21の回転力が外輪27に伝達される。外輪27は度当て27cによって回転が規制されているため、これがストッパとなって、ピニオン11及びロータ3の逆回転が阻止される。
【0034】
そして、上記した構成では、リール本体側の円筒部2Cの円周壁2aに、径方向に貫通する切欠部2cを形成すると共に、ここに一方向クラッチ20の外輪27に形成された度当て27cを径方向に露出するように配設し、外輪27を回り止め固定している。
すなわち、外輪27を、従来のように、円筒部の内周面に形成した溝や突起等で回り止め固定しないため、円筒部2Cを可及的に小径化、更には、薄肉厚化することが可能となり、リール本体の小型化、及び、軽量化を図ることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態では、一方向クラッチ20のスプール側に磁気シール機構50を配設すると共に、円筒部2Cと一方向クラッチ20を包み込むように、防水キャップ60を設けたため、水分や塵等の異物が浸入することが防止され、耐久性を高めることが可能となる。
【0036】
図6及び図7は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの第2の実施形態を示す図である。
本実施形態の一方向クラッチ20は、第1の実施形態と同様な構成であり、外輪27に180°間隔で度当て27cを形成している。なお、本実施形態の一方向クラッチも、図5に示した構成と同様、保持器23のカバー部材23A、及び、電食防止プレートが装着される構成であっても良い。
【0037】
本実施形態では、リール本体2に、外輪27の度当て27cの側面が当て付いて外輪の回転を規制する当接部2Eを形成している。当接部2Eについては、第1の実施形態のように、円筒状に構成するのではなく、軸方向に突出して、度当て27cの側面が当て付いて回転を規制する構造であれば良い。このため、度当てを外輪に1つ設ける構成であれば、その両方向の回転を規制するように、度当ての周方向両側の2点で当て付くように設置すれば良い。
【0038】
なお、本実施形態では、度当て27cは、外輪27に180°間隔で2個所形成しているため、各度当ての周方向両側に当接部2Eが設けられており、それぞれ度当ての周方向両側の2点(当接部2Eの側面2E´)で当て付くように構成している。
【0039】
このような構成によれば、上記した第1の実施形態のように、切欠部を有する円筒部を設けなくても、一方向クラッチを回り止め固定することができ、更に、軽量化、小型化を図ることが可能となる。また、このような構成では、当接部の周囲にスペースが生じるため、一方向クラッチ20を容易に着脱することが可能となる。
【0040】
さらに、このような当接部2Eは、外輪27の度当て27cの最外径位置よりも径方向内側で、2点当接するように形成することが好ましい。
このような構成では、当接部2Eを薄肉厚化することができるので、より軽量化を図ることが可能となる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上記した構成の度当て27cについては、その形状については適宜、変形することが可能である。例えば、度当ての露出側の表面27gは、円筒部2Cの切欠部2c内において、円筒部2Cから径方向に突出していても良いし、突出しないようにしても良い。また、図7に示す構成では、度当ての周方向両側で、当接部2Eに当て付くように構成したが、度当ての中央部分に、軸方向に沿って凹所を形成しておき、この凹所に嵌まり込むように当接部を形成しても良い。或いは、度当て27cの両サイドに当て付くように、断面コの字型で軸方向に延出する当接部をリール本体に設けても良い。
【0042】
さらに、上記した実施形態では、保持器23を固定状態にしてロータの逆回転を防止したが、リール本体の外部に突出する操作部材を設け、操作部材の操作で保持器を回動させることで転がり部材をフリー領域に位置させ、ロータの逆回転を許容するような構造であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
1 魚釣用スピニングリール
2 リール本体
2C 円筒部
2c 切欠部
3 ロータ
20 一方向クラッチ
27 外輪
27c 度当て
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7