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特開2023-149355整備作業ダイヤ作成装置及び整備作業ダイヤ作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149355
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】整備作業ダイヤ作成装置及び整備作業ダイヤ作成方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 27/12 20220101AFI20231005BHJP
【FI】
B61L27/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057883
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】武内 陽子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 怜
(72)【発明者】
【氏名】田中 峻一
(72)【発明者】
【氏名】小久保 達也
(72)【発明者】
【氏名】小泉 匡秀
(72)【発明者】
【氏名】前田 勇二
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161JJ31
(57)【要約】
【課題】整備作業ダイヤを自動的に作成する技術を提供すること。
【解決手段】列車ダイヤ作成装置1は、作業員グループ毎に、当該作業員グループの始業時刻から終業時刻までの間に、折り返し列車ダイヤ10に定められた折り返し列車のうちの当該作業員グループによる整備作業列車と、当該作業員グループについて設定された固定作業と、を時系列に割り当てた整備作業ダイヤの候補解であって、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解、を複数生成する。そして、生成された候補解の中から、所与の評価指標に基づいて最終解を選択する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与の折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車の番線及び時刻が定められた折り返し列車ダイヤを取得する折り返し列車ダイヤ取得手段と、
始業時刻及び終業時刻を定めた複数の作業員グループを設定する作業員グループ設定手段と、
前記設定された作業員グループ毎に、開始時刻及び終了時刻を定めた固定作業を設定する固定作業設定手段と、
前記設定された作業員グループ毎に、当該作業員グループの前記始業時刻から前記終業時刻までの間に、前記折り返し列車ダイヤに定められた折り返し列車のうちの当該作業員グループによる整備作業列車と、当該作業員グループについて設定された前記固定作業と、を時系列に割り当てた整備作業ダイヤの候補解であって、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の前記番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解、を複数生成する候補解生成手段と、
前記生成された候補解の中から、所与の評価指標に基づいて最終解を選択する選択手段と、
を備える整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項2】
前記選択手段は、当該候補解において同一の作業員グループに割り当てられた前後の整備作業列車の前記番線が異なることによる番線移動時間に基づく評価指標を用いて当該候補解を評価して、前記最終解を選択する、
請求項1に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項3】
前記候補解生成手段は、先に生成した候補解について前記作業員グループ間で前記整備作業列車を入れ替えることで、新たな候補解を生成する、
請求項1又は2に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項4】
1本の折り返し列車に対する前記整備作業の基本作業時間が定められており、
前記候補解生成手段は、同一の作業員グループについて、前記整備作業列車に係る前記基本作業時間に基づく作業期間と、前記固定作業に係る前記開始時刻から前記終了時刻までの固定作業期間と、の重複時間が所与の重複時間条件を満たすように前記候補解を生成する、
請求項1~3の何れか一項に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項5】
前記候補解生成手段は、
前記折り返し列車ダイヤに定められた全ての折り返し列車が、何れかの前記作業員グループの前記整備作業列車として割り当てられたか否かに基づいて、前記候補解の生成成否を判定する成否判定手段と、
前記重複時間条件を変更する重複時間条件変更手段と、
を有する、
請求項4に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項6】
前記候補解生成手段は、同一の作業員グループに割り当てる前記整備作業列車の本数に係る割り当て上限本数条件を満たす候補解を生成する、
請求項1~5の何れか一項に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項7】
前記候補解生成手段は、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の時間間隔が所定の短時間条件を満たす場合に、当該前後の整備作業列車のうちの後者の整備作業列車の整備作業に係る作業時間を、所与の加算時間だけ加算した作業時間として候補解を生成する、
請求項1~6の何れか一項に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項8】
前記選択手段は、
当該候補解において同一の作業員グループに割り当てられた前後の整備作業列車の時間間隔が所定の短時間条件を満たす数に基づく評価指標と、
当該候補解における各作業員グループ間での整備作業列車の割り当て時間分布のバラツキを示す評価指標と、
のうちの少なくとも1つを用いて当該候補解を評価して、前記最終解を選択する、
請求項1~7の何れか一項に記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項9】
前記作業員グループには、整備作業の種類が異なる複数の区分があり、
前記区分毎に、前記作業員グループ設定手段が作業員グループを設定し、前記固定作業設定手段が固定作業を設定し、前記候補解生成手段が候補解を生成し、前記選択手段が最終解を選択する、
請求項1~8の何れかに記載の整備作業ダイヤ作成装置。
【請求項10】
所与の折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車について、作業員グループを割り当てた整備作業ダイヤを作成する整備作業ダイヤ作成方法であって、
前記折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車の番線及び時刻が定められた折り返し列車ダイヤを取得することと、
始業時刻及び終業時刻を定めた複数の作業員グループを設定することと、
前記設定された作業員グループ毎に、開始時刻及び終了時刻を定めた固定作業を設定することと、
前記設定された作業員グループ毎に、当該作業員グループの前記始業時刻から前記終業時刻までの間に、前記折り返し列車ダイヤに定められた折り返し列車のうちの当該作業員グループによる整備作業列車と、当該作業員グループについて設定された前記固定作業と、を時系列に割り当てた整備作業ダイヤの候補解であって、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の前記番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解、を複数生成することと、
前記生成された候補解の中から、所与の評価指標に基づいて最終解を選択することと、
を含む整備作業ダイヤ作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整備作業ダイヤ作成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道では、折り返し駅において折り返し運用される折り返し列車に対する車内清掃などの整備作業が行われる。整備作業を行う作業員がどの折り返し列車にどの順番で整備作業を行うかを定めたダイヤとして整備作業ダイヤがある。折り返し列車のダイヤが日ごとに異なっていたり、当日の作業員の人数や勤務時間などが異なることから、整備作業ダイヤは日ごとに作成する必要がある。しかし、コンピュータを用いて整備作業ダイヤを自動的に作成する技術は知られていない。なお、本明細書では、説明を分かり易くするために、「整備作業ダイヤの案」を作成する場合を含めて、整備作業ダイヤを作成することとして説明する。
【0003】
なお、類似の技術として、訪問介護・看護サービスを想定し、複数のタスクに対する人員配置を簡易且つ効率良く決定する技術(特許文献1参照)や、運転整理に伴って車両運用が変更された場合の清掃等の作業の再設定を行う技術(特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-082784号公報
【特許文献2】特開2017-81267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、タスクが先にあり、各タスクについて実行可能な人員を割り当てていく技術であるため、割り当てられる側の人員にとって、不公平/不平等な割り当て結果になるといった、特定の人員に対して強行的な割り当て結果になるかどうかを考慮していない。特許文献2の技術は、変更された車両運用が先にあり、変更された車両運用の間合いに、作業可能な作業を作業者自らが選択指定する方法で作業計画が作成される(例えば[0010]段落)。そのため、作業者それぞれの労働条件に適した作業計画になるのか、特定の作業者に対して強行的な作業計画にならないかは、選択指定する者の裁量にかかっている上、そもそも作業計画を自動的に作成できない。以上の通り、類似の技術は、そのまま整備作業ダイヤの作成に適用することが困難である。特に、整備作業ダイヤは、作業員の人数や、各作業員の勤務時間や休憩時間、固定作業の時間などが予め定められており、これを所与として作成する必要がある。また、整備作業ダイヤには、各作業員に割り当てる作業の平準化や、各作業員が連続して作業する時間の最小化、といった特有の要求があり、これらを考慮して作成する必要がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、整備作業ダイヤを自動的に作成する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、
所与の折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車の番線及び時刻が定められた折り返し列車ダイヤを取得する折り返し列車ダイヤ取得手段(例えば、図11の取得部202)と、
始業時刻及び終業時刻を定めた複数の作業員グループを設定する作業員グループ設定手段(例えば、図11の作業員グループ設定部204)と、
前記設定された作業員グループ毎に、開始時刻及び終了時刻を定めた固定作業を設定する固定作業設定手段(例えば、図11の固定作業設定部206)と、
前記設定された作業員グループ毎に、当該作業員グループの前記始業時刻から前記終業時刻までの間に、前記折り返し列車ダイヤに定められた折り返し列車のうちの当該作業員グループによる整備作業列車と、当該作業員グループについて設定された前記固定作業と、を時系列に割り当てた整備作業ダイヤの候補解であって、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の前記番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解、を複数生成する候補解生成手段(例えば、図11の候補解生成部208)と、
前記生成された候補解の中から、所与の評価指標に基づいて最終解を選択する選択手段(例えば、図11の選択部212)と、
を備える整備作業ダイヤ作成装置である。
【0008】
他の発明として、
所与の折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車について、作業員グループを割り当てた整備作業ダイヤを作成する整備作業ダイヤ作成方法であって、
前記折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車の番線及び時刻が定められた折り返し列車ダイヤを取得することと、
始業時刻及び終業時刻を定めた複数の作業員グループを設定することと、
前記設定された作業員グループ毎に、開始時刻及び終了時刻を定めた固定作業を設定することと、
前記設定された作業員グループ毎に、当該作業員グループの前記始業時刻から前記終業時刻までの間に、前記折り返し列車ダイヤに定められた折り返し列車のうちの当該作業員グループによる整備作業列車と、当該作業員グループについて設定された前記固定作業と、を時系列に割り当てた整備作業ダイヤの候補解であって、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の前記番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解、を複数生成すること(例えば、図3のステップS1~S21)と、
前記生成された候補解の中から、所与の評価指標に基づいて最終解を選択すること(例えば、図3のステップS23)と、
を含む整備作業ダイヤ作成方法を構成してもよい。
【0009】
第1の発明等によれば、整備作業ダイヤを自動的に作成することができる。つまり、設定した作業員グループ毎に、始業時刻から終了時刻までの間に、整備作業の対象となる整備作業列車と当該グループに設定した固定作業とを割り当てたダイヤの候補解であって、同一グループに割り当てた前後の整備作業の番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解を複数生成する。そして、生成した候補解の中から所与の評価指標に基づいて整備作業ダイヤの最終解を選択する。これにより、作業員にとって番線移動が困難な強行的な整備作業ダイヤとはならずに、所与の評価指標に基づく適切な整備作業ダイヤを作成することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記選択手段は、当該候補解において同一の作業員グループに割り当てられた前後の整備作業列車の前記番線が異なることによる番線移動時間に基づく評価指標を用いて当該候補解を評価して、前記最終解を選択する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0011】
第2の発明によれば、例えば、同一の作業員グループに割り当てられた整備作業に係る番線移動時間が少ない候補解を整備作業ダイヤの最終解として選択する、といったことが可能となる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記候補解生成手段は、先に生成した候補解について前記作業員グループ間で前記整備作業列車を入れ替えることで、新たな候補解を生成する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0013】
第3の発明によれば、先に生成した候補解について作業員グループ間で整備作業列車を入れ替えることで、新たな候補解を生成することができる。例えば、同じ時間帯の整備作業列車を入れ替えることで、新たな候補解を生成することが可能となる。また、連続している整備作業の一方を別の作業員グループの整備作業と入れ替えることで、整備作業の連続を解消した候補解を生成することが可能となる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3の発明において、
1本の折り返し列車に対する前記整備作業の基本作業時間が定められており、
前記候補解生成手段は、同一の作業員グループについて、前記整備作業列車に係る前記基本作業時間に基づく作業期間と、前記固定作業に係る前記開始時刻から前記終了時刻までの固定作業期間と、の重複時間が所与の重複時間条件を満たすように前記候補解を生成する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0015】
第4の発明によれば、重複時間条件とする重複時間を何分とするかによって、同一の作業員グループに割り当てる整備作業の作業期間と固定作業期間との重複を許容するか否か、どの程度許容するかといったことを任意に設定した整備作業ダイヤの候補解を生成することができる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、
前記候補解生成手段は、
前記折り返し列車ダイヤに定められた全ての折り返し列車が、何れかの前記作業員グループの前記整備作業列車として割り当てられたか否かに基づいて、前記候補解の生成成否を判定する成否判定手段と、
前記重複時間条件を変更する重複時間条件変更手段と、
を有する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0017】
第5の発明によれば、全ての折り返し列車が作業員グループの整備作業列車として割り当てられていないことから候補解の生成成否を否定と判定した場合に、重複時間条件を緩和するように変更することができる。この結果、同一の作業員グループに割り当てる整備作業の作業期間と固定作業期間との許容重複時間が増加し、全ての折り返し列車が作業員グループの整備作業列車として割り当てられた候補解の生成可能性を向上させることができる。
【0018】
第6の発明は、第1~第5の何れかの発明において、
前記候補解生成手段は、同一の作業員グループに割り当てる前記整備作業列車の本数に係る割り当て上限本数条件を満たす候補解を生成する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0019】
第6の発明によれば、例えば、同一の作業員グループに割り当てる整備作業列車の本数が上限本数以下である候補解を生成することができる。これにより、作業員グループ間の作業に関する公平性/平等性を高めることができる。
【0020】
第7の発明は、第1~第6の何れかの発明において、
前記候補解生成手段は、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の時間間隔が所定の短時間条件を満たす場合に、当該前後の整備作業列車のうちの後者の整備作業列車の整備作業に係る作業時間を、所与の加算時間だけ加算した作業時間として候補解を生成する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0021】
第7の発明によれば、例えば、同一の作業員グループに、整備作業の時間間隔が短い連続する整備作業を割り当てた場合に、後者の整備作業に係る作業時間に所与の加算時間を加算した候補解を生成することができる。これにより、複数の整備作業を短い時間間隔で連続して行った作業員グループを考慮に入れた整備作業ダイヤを作成することができる。
【0022】
第8の発明は、第1~第7の何れかの発明において、
前記選択手段は、
当該候補解において同一の作業員グループに割り当てられた前後の整備作業列車の時間間隔が所定の短時間条件を満たす数に基づく評価指標と、
当該候補解における各作業員グループ間での整備作業列車の割り当て時間分布のバラツキを示す評価指標と、
のうちの少なくとも1つを用いて当該候補解を評価して、前記最終解を選択する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0023】
第8の発明によれば、例えば、同一の作業員グループに整備作業の時間間隔が短い連続する整備作業を割り当てた場合の連続回数が少ない候補解や、各作業員グループ間での整備作業の割り当て時間分布のバラツキが小さい候補解を、整備作業ダイヤの最終解として選択することができる。
【0024】
第9の発明は、第1~第8の何れかの発明において、
前記作業員グループには、整備作業の種類が異なる複数の区分があり、
前記区分毎に、前記作業員グループ設定手段が作業員グループを設定し、前記固定作業設定手段が固定作業を設定し、前記候補解生成手段が候補解を生成し、前記選択手段が最終解を選択する、
整備作業ダイヤ作成装置である。
【0025】
第9の発明によれば、整備作業の種類が異なる複数の作業員グループの区分毎に候補解を生成して最終解を選択し、選択した区分毎に最終解の集合を最終的な整備作業ダイヤとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】整備作業ダイヤの作成の概要図。
図2】整備作業ダイヤを作成するためのグラフ構造の説明図。
図3】整備作業ダイヤ作成処理のフローチャート。
図4】候補解の生成の説明図。
図5】初期解生成処理のフローチャート。
図6】作業員グループに現在時刻を初期設定した状態のグラフ構造の一例。
図7】最初及び最後の整備作業を割り当てた状態のグラフ構造の一例。
図8】追加作業を割り当てた状態のグラフ構造の一例。
図9】現在時刻が固定作業の開始時刻を超過している状態のグラフ構造の一例。
図10】初期解が生成された状態のグラフ構造の一例。
図11】整備作業ダイヤ作成装置の機能構成例。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
【0028】
[概要]
本実施形態は、折り返し駅における折り返し列車の整備作業の計画である整備作業ダイヤを作成するものである。作成する整備作業ダイヤは、最終的に運用する整備作業ダイヤの案であってもよいことは勿論である。そのため、整備作業ダイヤの案を作成することも、本実施形態の整備作業ダイヤを作成することに含まれる。
【0029】
図1は、本実施形態の概要を示す図である。図1に示すように、折り返し駅における折り返し列車ダイヤ10のデータである折り返し列車ダイヤデータ310(図11参照)と、折り返し列車ダイヤ10で定められる各折り返し列車を対象とする整備作業に関する整備作業データ320と、整備作業を行う複数の作業員グループに関する作業員グループデータ330とが整備作業ダイヤ作成装置1に与えられる。整備作業ダイヤ作成装置1は、これらのデータを用いて整備作業ダイヤ20(より正確には整備作業ダイヤ20のデータである整備作業ダイヤデータ370(図11参照))を作成する。
【0030】
折り返し列車ダイヤ10は、折り返し駅において折り返し運用される各折り返し列車について、列車番号と、番線と、着発時刻(着時刻及び発時刻)とを定めた列車ダイヤである。
【0031】
整備作業データ320は、各整備作業について、対象の折り返し列車の列車番号である作業番号と、作業の内容と、開始時刻と、終了時刻とを含む。整備作業の内容は、例えば、車内清掃、車内の落とし物確認、給水などである。整備作業の開始時刻及び終了時刻は、該当する折り返し列車の着発時刻に応じて定められる。つまり、該当する折り返し列車の着時刻から発時刻までの期間内であって、予め定められた1本の折り返し列車に対する整備作業の基本作業時間(例えば、10分)以上となるように定められる。
【0032】
作業員グループデータ330は、各作業員グループについて、グループIDと、区分と、始業時刻と、終業時刻と、固定作業データ332とを含む。区分は、担当する整備作業の種類であり、車内清掃を担当する清掃担当、車内清掃の管理や落とし物確認を担当する清掃管理担当、給水を担当する給水担当などである。固定作業データ332は、該当する作業員グループが必ず行う作業として定められた固定作業に関するデータであり、固定作業番号と、作業の内容と、開始時刻と、終了時刻とを含む。固定作業の内容は、例えば、休憩、班会議、整備作業に必要な準備作業などであり、駅ホームとは別の場所で行われる作業である。固定作業の開始時刻及び終了時刻は、固定作業の内容に応じた作業時間を確保するように定められる。
【0033】
整備作業ダイヤ20は、各作業員グループに、始業時刻から終業時刻までの勤務期間に、当該グループによる整備作業(整備作業列車)と、当該グループに定められた固定作業とを時系列に割り当てたスケジュールのデータである。
【0034】
本実施形態では、グラフ構造を用いて整備作業ダイヤを作成する。図2は、整備作業ダイヤを作成するためのグラフ構造を説明する図である。本実施形態で用いるグラフ構造は、2つのノード間を、時間経過に沿った有向アークで繋いだ構造である。ノードは、作業員グループに割り当てられる作業を表し、アークは、作業員グループの作業間の移動を表す。図2においては、横方向を時刻として各ノードを配置している。また、整備作業ノードについては、縦方向を折り返し駅の番線として各ノードを配置している。また、始業ノード、終業ノード、及び、固定作業ノードには、該当する作業員グループのグループIDを、整備作業ノードには、該当する折り返し列車の列車番号を、それぞれ付加表示している。
【0035】
ノードの種類には、各作業員グループの始業及び終業を表す始業ノード及び終業ノードと、各作業員グループに定められている固定作業を表す固定ノードと、各折り返し列車に対して行われる整備作業を表す整備作業ノードと、必要に応じて行われる追加作業を表す追加ノードとがある。
【0036】
各ノードには開始時刻及び終了時刻が設定され、開始時刻から終了時刻までの期間が、該当する作業の作業期間となる。図2において、ノードを表す四角形の左辺の位置が開始時刻であり、右辺の位置が終了時刻である。追加ノードを除く各ノードには、種類に応じて開始時刻及び終了時刻が予め設定される。つまり、始業ノードについては、該当する作業員グループの始業時刻が開始時刻として設定され、開始時刻から所定時間経過後の時刻が終了時刻として設定される。終業ノードについては、該当する作業員グループの終業時刻が終了時刻として設定され、終了時刻から所定時間遡った時刻が開始時刻として設定される。整備作業ノードについては、該当する列車を整備作業する開始時刻及び終了時刻が、開始時刻及び終了時刻として設定される。
【0037】
追加ノードが表す追加作業は、例えば、短時間の休憩、整備作業のための準備作業、などの駅ホームとは別の場所で行われる作業であり、後述する制約条件の1つとして追加される作業である。追加ノードは、整備作業ダイヤの作成前では未設定であるが、整備作業ダイヤの作成途中において設定される。具体的には、該当の作業員グループに、追加作業の内容に応じて定められる作業時間を確保するように、開始時刻及び終了時刻が設定されて割り当てられることで設定される。
【0038】
このようなグラフ構造を用いた整備作業ダイヤの作成にあたっては、先ず、各作業員グループに係る始業・終業ノードや固定ノード、折り返し列車に係る整備作業ノードを設定する。そして、各作業員グループについて、始業ノードから終業ノードまでの間に整備作業ノードや固定作業ノードを時系列に分岐しないようにアークで繋ぐことで、整備作業ダイヤを作成する。
【0039】
[処理の流れ]
図3は、整備作業ダイヤ作成装置1が行う整備作業ダイヤを作成する整備作業ダイヤ作成処理の流れを説明する図である。本実施形態では、より適切な整備作業ダイヤを短時間で作成するために、メタヒューリスティック手法の1つであるタブーサーチを応用して整備作業ダイヤの作成を行う。
【0040】
整備作業ダイヤ作成処理では、先ず、初期解生成処理を行って整備作業ダイヤの最初の候補解である初期解を生成する(ステップS1)。初期解生成処理の詳細については後述する(図5参照)。整備作業ダイヤの初期解は、所定の制約条件を満たすように生成する。
【0041】
制約条件には、(A)始業時刻や固定作業の終了時刻が早い作業員グループから順に整備作業を割り当てる作業割り当て順序制約と、(B)全ての折り返し列車の整備作業に何れか1つのみの作業員グループを割り当てる割り当て制約と、(C)各作業員グループに割り当てる整備作業の数(整備作業列車の本数)の差(バラツキ)が所定数以内である作業本数差上限制約と、(D)1つの作業員グループに割り当てる整備作業の数(整備作業列車の本数)が所定の割り当て上限本数条件を満たす作業本数上限制約と、(E)1つの作業員グループに所定数の整備作業を連続して割り当てた場合には所定の追加作業を追加する連続作業本数制約と、(F)1つの作業員グループに前後の整備作業の番線が異なる場合の移動時間が所定の番線移動所要時間条件を満たさない整備作業を割り当てない番線移動時間制約と、(G)1つの作業員グループに割り当てる前後の整備作業の作業期間と固定作業の固定作業期間との重複時間が所定の重複時間条件を満たす作業重複制約とが含まれる。番線移動所要時間条件は、1つとしてもよいし、移動する番線の組み合わせ毎に定めるとしてもよい。
【0042】
整備作業ダイヤの初期解を生成すると、当該初期解について、全ての折り返し列車が何れか1つの作業員グループの整備作業列車として割り当てられているか否か(制約条件(B)を満たすか)を判定する。全ての折り返し列車が割り当てられていないならば(ステップS3:NO)、制約条件を緩和した後(ステップS5)、再度、初期解生成処理を行って初期解を生成する(ステップS7)。制約条件の緩和としては、例えば、整備作業の作業期間と固定作業の作業期間とが部分的に重複すること許容する重複時間条件となる重複許容時間を長くする(制約条件の(G)の緩和)、がある。具体的には、重複許容時間を「0分」から「1分」とすることで、ある作業員グループの休憩時間(固定作業の一例)が“1分足りない”といった軽微な制約条件の違反を許容した初期解を生成することができる。更に、制約条件の緩和として、作業員グループの始業時間を所定時間早める、作業員グループの終業時間を所定時間遅らせる、作業員グループ数を増やす、といったように、入力データとなる作業員グループについてのパラメータを変更するようにしてもよい。
【0043】
再生成した初期解でも、全ての折り返し列車が割り当てられていないならば(ステップS9:NO)、その初期解と、未割当の折り返し列車(整備作業)とを、処理結果として出力する(ステップS11)。
【0044】
一方、生成した初期解について、全ての折り返し列車が何れか1つの作業員グループの整備作業列車として割り当てられているならば(ステップS3:YES、又は、ステップS9:YES)、初期解を最初の暫定解としてタブーリスト及び暫定解リストに追加する(ステップS13)。そして、更なる候補解を生成する(ステップS15)。更なる候補解は、暫定解を一部変更するようにして生成する。いわば“種”とも言える1つの解(暫定解)から、新たな解(新たな候補解)を生成する。ステップS15~S21の繰り返しにおいて、この“種”とも言える元の1つの解(暫定解)を入れ替えてゆくことになるが、この入れ替えること(=ステップS15~S21の新たな繰り返しを行うこと)を以下では「遷移」と呼ぶ。また、“種”とも言える元の1つの解(暫定解)から生成する候補解の数は1つでもよいが、本実施形態では2以上を生成することとして説明する。
【0045】
図4は、1つの暫定解から新たな複数の候補解を生成する方法を説明する図である。図4では、上側に整備作業ダイヤの暫定解の一例を示し、下側に新たな2つの候補解の一例を示している。本実施形態では、暫定解における2つの作業員グループ間で、番線移動時間、連続作業時間、作業本数及び作業順序の全ての条件を満たす1又は複数の整備作業列車を入れ替えることで、新たな候補解を生成する。
【0046】
番線移動時間の条件とは、入れ替え後の解において、前後の整備作業の番線が異なる場合の番線間の移動時間の合計が所定時間以下であること(制約条件(F)に相当)、である。連続作業時間の条件とは、入れ替え後の解において、前後の整備作業に連続する各整備作業の作業時間の合計が所定時間以下であること、である。“整備作業が連続する”とは、当該整備作業間の時間間隔が所定時間以下であること、を意味する。作業本数の条件とは、入れ替え後の解において、1つの作業員グループに割り当てる整備作業の数(整備作業列車の本数)が所定数以下であること(制約条件(D)に相当)、である。作業順序の条件とは、入れ替え後の解において、整備作業と作業順序が入れ替わらないこと、である。
【0047】
このように、暫定解における2つの作業員グループ間で番線移動時間、連続作業時間、作業本数及び作業順序の全ての条件を満たす1又は複数の整備作業列車の組み合わせの全てについて、当該組み合わせの整備作業を入れ替えることで新たな複数の候補解を生成する。入れ替える整備作業の数(1又は複数)は、入れ替え後の解における各作業員グループに割り当てる整備作業の数(整備作業列車の本数)の差(バラツキ)が所定数以内となるようにするとよい。これにより、制約条件(C)を満たす候補解を生成することができる。
【0048】
なお、初期解の再生成の結果、何れの作業員グループにも未割当の整備作業列車がある場合において、再生成された初期解にその未割当の整備作業列車を追加することで候補解を生成するようにしてもよい。つまり、何れかの作業員グループに未割当の整備作業列車を追加で割り当てた解であって、番線移動時間、連続作業時間、作業本数及び作業順序の全ての条件を満たす全て候補解を生成する。
【0049】
図4の例では、暫定解における“作業員グループA,D”間で1つの整備作業列車を入れ替えることで、1つ目の新たな候補解を生成している。また、暫定解における“作業員グループA,C”間で1つの整備作業を入れ替えることで、2つ目の新たな候補解を生成している。
【0050】
2つ目の候補解では、暫定解において“作業員グループC”の整備作業について入れ替えを行った結果、“作業員グループC”の整備作業の連続が解消されて追加作業が不要となっている。この“作業員グループC”の追加作業は、1つの作業員グループに所定の短時間条件を満たす時間間隔で整備作業を連続して割り当てたことで追加されたからである(制約条件(E))。後述のように、整備作業が連続する回数(=所定の短時間条件を満たす時間間隔で整備作業が連続する回数)が低いほうが、候補解を評価する評価値が高評価を示す値となる。そのため、直後に追加作業が追加されている整備作業を優先して入れ替えるようにして候補解を生成することで、整備作業の連続が解消されてより評価値の高い候補解を生成することが可能となる。
【0051】
図3に戻り、候補解を複数生成すると、生成した候補解の中から、タブーリストに含まれておらず、かつ、最も評価値が良い候補解を新たな暫定解として選択するとともに、暫定解リストに追加する(ステップS17)。新たな暫定解は、次に遷移した場合のステップS19において更なる解(更なる候補解)を生成するための元となる“種”とも言える解である。暫定解リストは、過去の暫定解を、算定した評価値と対応づけて格納したリストである。
【0052】
ステップS17で新たな暫定解を選択するが、その直前の暫定解をタブーリストへ追加してタブーリストを更新する(ステップS19)。タブーリストは、FIFO(First In First Out)方式で規定数の候補解(ここでは暫定解となる)を格納するリストである。そのため、タブーリストに規定数の候補解が格納されている場合には、格納されたタイミングが最も古い候補解をリストから削除し、ステップS17で選択した新たな暫定解の直前の暫定解を新たに追加することでタブーリストを更新する。規定数は2以上とする。ここで、タブーリストに新たに追加する解を、ステップS17で選択した新たな暫定解ではなく、直前の暫定解とする理由は、次の遷移(ステップS15~S21の処理を新たに行うとき)においては、暫定解を一部変更することで新たな候補解を生成するためである。一部変更ということは、暫定解とは異なる解が必ず生成されることを意味するため、変更の元となる解をわざわざタブーリストに格納する必要がない。そのため、ステップS17で選択した新たな暫定解ではなく、その直前の暫定解をタブーリストに追加する。
【0053】
候補解の評価値は、所定の評価指標に基づいて算出する。評価指標には、(α)各作業員グループに割り当てた前後の整備作業の番線が異なる場合の番線間の移動時間の合計である番線移動時間と、(β)各作業員グループに割り当てた整備作業が連続する回数の合計である連続整備作業数と、(γ)各作業員グループ間での整備作業(整備作業列車)の割り当て時間分布のバラツキと、(δ)各作業員グループに割り当てた整備作業の数(整備作業列車本数)の差である作業本数差とが含まれる。
【0054】
評価指標(γ)の割り当て時間分布バラツキは、分散を用いてもよいし、偏差の平方和を用いてもよい。後者の例であれば、先ず、始業時刻から終業時刻までの各時間帯について、各作業員グループに割り当てられた整備作業の平均数を求める。次に、作業員グループ毎に、各時間帯について、求めた平均数と当該作業員グループに割り当てられた整備作業の数との差の二乗を求めて合計し、この合計値を当該グループのバラツキとする。なお、合計値の平方根を、バラツキとすることとしてもよい。
【0055】
また、評価指標(δ)の作業本数差は、例えば、各作業員グループに割り当てた整備作業の数(整備作業列車の本数)のうちの最大数と最小数との差、とすることができる。或いは、各作業員グループに割り当てた整備作業の合計数(整備作業列車の本数)の平均数を求め、この平均数と、各作業員グループに割り当てた整備作業の合計数(整備作業列車の本数)との差の二乗を作業本数差としてもよい。
【0056】
そして、候補解それぞれについて、これらの4つの評価指標(α)~(δ)それぞれの値を求め、評価指標毎に重み付けした合計を当該候補解の指標値として算出する。重み付けを変えることで、何れの評価指標を重要視するかを自由に設定することができる。
【0057】
ステップS19に続いて、終了条件を満たすかを判定する。終了条件は、例えば、候補解の生成及び暫定解の選択(ステップS15~S19)の繰り返し回数としたり、評価の指標値が所定の高評価条件を満たす暫定解が得られたこと、等とすることができる。終了条件を満たさないならば(ステップS21:NO)、ステップS15~S19の処理を繰り返すためにステップS15に遷移し、ステップS17で選択した暫定解を元に新たな候補解を複数生成する(ステップS15)。終了条件を満たすならば(ステップS21:YES)、暫定解リストに格納された過去の暫定解(候補解)のうち評価値が最良の解を、整備作業ダイヤの最終解として出力する(ステップS23)。以上の処理を行うと、本処理は終了となる。
【0058】
図5は、初期解生成処理の流れを説明するフローチャートである。初期解生成処理について、図6図10のグラフ構造を参照しながら説明する。先に処理の概要を説明すると、各作業員グループについて、始業時刻から、時間経過に従って、整備作業や当該グループに定められた固定作業を開始時刻が早い順に割り当ててゆくことで、整備作業ダイヤを作成する。
【0059】
図6図10は、初期解生成処理による初期解の生成過程における、グラフ構造の一例を示す図である。図6図10では、同じ1つの区分について4つの“作業員グループA~D”があり、この“作業員グループA~D”それぞれに1つの固定作業があり、20個の“整備作業1M,3M,・・,39M”があることを例としている。
【0060】
図5に示すように、初期解生成処理では、先ず、対象とする作業員グループの区分を選択する(ステップS101)。そして、選択した区分の作業員グループについて、ステップS103~S131の処理を行う。先ず、選択した区分の各作業員グループについて、始業ノードをもとに現在時刻を初期設定する(ステップS103)。具体的には、始業ノードの終了時刻を現在時刻として初期設定する。
【0061】
図6は、各作業員グループの始業ノードを選択して、各作業員グループの現在時刻を初期設定した状態のグラフ構造の一例である。“作業員グループA~D”それぞれの現在時刻として、始業ノードの終了時刻が初期設定されている。
【0062】
図5に戻り、次いで、現在時刻が早い順に、各作業員グループに、未割当の整備作業のうち開始時刻が最も早い整備作業を、最初の整備作業として割り当て、割り当てた整備作業の終了時刻を当該グループの現在時刻として更新する(ステップS105)。また、終了ノードの開始時刻が遅い順に、各作業員グループに、未割当の整備作業のうち終了時刻が最も遅い整備作業を、最後の整備作業として割り当てる(ステップS107)。
【0063】
図7は、各作業員グループに最初及び最後の整備作業を割り当てた状態のグラフ構造の一例である。初期設定した現在時刻は、“作業員グループA,B,C,D”の順に早いので、この順に最初の整備作業が割り当てられている。そして、割り当てた最初の整備作業の終了時刻が、各作業員グループの現在時刻として更新されている。また、終業ノードの開始時刻は、“作業員グループD,C,B,A”の順に遅いので、この順に、最後の整備作業が割り当てられている。
【0064】
図5に戻り、続いて、作業員グループのうち、現在時刻が最も早い1つの作業員グループを選択して対象作業員グループとし、対象作業員グループに、未割当であって開始時刻が最も早い整備作業を次の整備作業として割り当て、割り当てた整備作業の終了時刻を当該グループの現在時刻として更新する(ステップS109)。これにより、制約条件(A)を満たす。このとき、次の整備作業として、直前の整備作業と同じ番線の整備作業を優先する。異なる番線の整備作業を次の作業として割り当てる場合には、整備作業間の移動時間(前の整備作業の終了時刻から後の整備作業の開始時刻までの時間)が所定の番線移動所要時間条件を満たす整備作業を次の整備作業とする(制約条件(F))。
【0065】
次いで、新たな整備作業を割り当てたことで、対象作業員グループに割り当てた所定数の整備作業が“連続”することになったかを判定する。整備作業が“連続”するとは、2つの整備作業間の時間間隔(前の整備作業の終了時刻から後の整備作業の開始時刻までの時間間隔)が、所定の短時間条件を満たすかによって判定する。短時間条件は、例えば、所定時間以下であること、と定めることができる。
【0066】
所定数の整備作業が連続すると判定したならば(ステップS111:YES)、最後の整備作業(つまり、新たに割り当てた整備作業)の直後に、連続した整備作業の数に応じた種類の追加作業を追加して割り当て、その追加作業の種類に応じた時間を加算して対象作業員グループの現在時刻を更新する(ステップS113)。なお、整備作業の直後に追加作業を追加して割り当てることから、整備作業の作業時間を追加作業の作業時間だけ加算したとみなすこともできる。これにより、制約条件(E)を満たす。
【0067】
図8は、対象作業員グループに追加作業を追加で割り当てた状態のグラフ構造の一例を示す図である。図8の例では、対象作業員グループである“作業員グループA”に割り当てた2つの“整備作業1M,9M”が“連続”しており、後の“整備作業9M”の直後に追加作業(図8では追加ノード)が追加して割り当てられている。そして、“作業員グループA”の現在時刻が、“整備作業9M”の終了時刻に追加作業の作業時間を加算した時刻に更新されている。
【0068】
図5に戻り、続いて、対象作業員グループの現在時刻が、当該グループに定められた固定作業の開始時刻に対して超過しており、かつ、その超過時分が所定の許容時分を超えるかを判定する。超過時分が許容時分を超過するならば(ステップS115:YES)、バックトラックして、つまり、直前に割り当てた整備作業の割り当てをキャンセルして、その前の整備作業から固定作業に繋ぐ。そして、固定作業の終了時刻を、対象作業員グループの現在時刻として更新する(ステップS117)。
【0069】
図9は、現在時刻が固定作業の開始時刻を超過している状態のグラフ構造の一例を示す図である。図9の例では、対象作業員グループである“作業員グループA”に新たな“整備作業17M”の割り当てを試みたが、“整備作業17M”の終了時刻が“12:10”であり、“作業員グループA”の固定作業“固定A”の開始時刻“12:00”を“10分”超過する。超過時分である“10分”は許容時分である“5分”を超過しているため、“整備作業17M”の割り当てをキャンセルして、その直前の“整備作業9M”から固定作業にアークを設定して繋いでいる。
【0070】
図5に戻り、対象作業員グループの現在時刻が、最後の整備作業の開始時刻を超過したかを判定し、超過しているならば(ステップS119:YES)、バックトラックして、つまり、直前に割り当てた整備作業の割り当てをキャンセルして、その前の整備作業から最後の整備作業へ繋ぐ(ステップS121)。最後の整備作業へ繋がれたならば、対象作業員グループについて、始業ノードから終業ノードへ到達したことになる。つまり、対象作業員グループの始業時刻から終業時刻までの間に、当該グループによる整備作業と、当該グループに定められた固定作業とを時系列に割り当てたことになる。
【0071】
一方、現在時刻が最後の整備作業の開始時刻を超過していないならば(ステップS119:NO)、対象作業員グループに割り当て済みの整備作業の数が所定の上限数に到達したかを判定する。上限数に到達しているならば(ステップS123:YES)、直前に割り当てた整備作業から最後の整備作業へ繋ぐ(ステップS125)。これにより、制約条件(D)を満たす。
【0072】
その後、全ての作業員グループについて終業ノードに到達したかを判定し、到達していないならば(ステップS127:NO)ステップS109に戻る。全ての作業員グループについて終業ノードに到達したならば(ステップS127:YES)、未割当の整備作業を抽出する(ステップ129)。ここまでが、選択した区分の作業員グループについての処理である。
【0073】
続いて、全ての区分を選択したかを判定し、未選択の区分があるならば(ステップS131:NO)、ステップS101に戻る。全ての作業員グループの区分を選択済みならば(ステップS131:YES)、作業員グループ別の整備作業や固定作業等の割り当ての集合を、整備作業ダイヤの初期解とする(ステップS133)。以上の処理を行うと、本処理は終了となる。
【0074】
図10は、初期解が生成された状態のグラフ構造の一例を示す図である。但し、図面がうるさくなることから、“整備作業9M”以外については、追加ノードの図示を省略している。図10では、“作業員グループA~D”の全てについて、始業ノードから整備作業や固定作業等を介して終業ノードへ到達している。但し、“整備作業21M”は、何れの作業員グループにも割り当てられていない(未割当)。従って、図10の初期解では、整備作業ダイヤ作成処理(図3)のステップS3において“NO”と判定され、制約条件が緩和されて、再度、初期解生成処理が実行されることとなる。
【0075】
[機能構成]
図11は、整備作業ダイヤ作成装置1の機能構成の一例である。図11によれば、整備作業ダイヤ作成装置1は、操作部102と、表示部104と、音出力部106と、通信部108と、処理部200と、記憶部300とを備えて構成され、一種のコンピュータシステムとして実現される。なお、整備作業ダイヤ作成装置1は、1台のコンピュータで実現してもよいし、複数台のコンピュータを接続して構成することとしてもよい。
【0076】
操作部102は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力装置で実現され、なされた操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。表示部104は、例えば液晶ディスプレイやタッチパネル等の表示装置で実現され、処理部200からの表示信号に基づく各種表示を行う。音出力部106は、例えばスピーカ等の音出力装置で実現され、処理部200からの音信号に基づく各種音出力を行う。通信部108は、例えば無線通信モジュールやルータ、モデム、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等で実現される通信装置であり、所与の通信ネットワークに接続して外部装置とのデータ通信を行う。
【0077】
処理部200は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の演算装置や演算回路で実現されるプロセッサーであり、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ、操作部102や通信部108からの入力データ等に基づいて、整備作業ダイヤ作成装置1の全体制御を行う。
【0078】
また、処理部200は、機能的な処理ブロックとして、取得部202、作業員グループ設定部204、固定作業設定部206、候補解生成部208、評価部210、及び、選択部212を有する。処理部200が有するこれらの各機能部は、処理部200がプログラムを実行することでソフトウェア的に実現することも、専用の演算回路で実現することも可能である。本実施形態では、前者のソフトウェア的に実現することとして説明する。
【0079】
取得部202は、所与の折り返し駅において整備作業の対象となる各折り返し列車の番線及び時刻が定められた折り返し列車ダイヤ10を取得する。例えば、操作部102を介したユーザの操作入力によって取得することとしてもよいし、折り返し列車ダイヤ10のデータを記憶媒体から読み出したり、通信部108を介して外部装置から入力することで取得することとしてもよい。取得した折り返し列車ダイヤ10は、折り返し列車ダイヤデータ310として記憶される。
【0080】
作業員グループ設定部204は、始業時刻及び終業時刻を定めた複数の作業員グループを設定する。また、整備作業の種類が異なる作業員グループの複数の区分毎に、作業員グループを設定する。例えば、操作部102を介した操作入力によって設定することとしてもよいし、作業員グループに係るデータを記憶媒体から読み出したり、通信部108を介して外部装置から入力して設定することとしてもよい。設定した作業員グループに関するデータは、作業員グループデータ330として記憶される。
【0081】
固定作業設定部206は、設定された作業員グループ毎に、開始時刻及び終了時刻を定めた固定作業を設定する。また、整備作業の種類が異なる作業員グループの複数の区分毎に、各作業員グループの固定作業を設定する。例えば、操作部102を介した操作入力によって設定することとしてもよいし、当該データを記憶媒体から読み出したり、通信部108を介して外部装置から入力して設定することとしてもよい。設定した固定作業に関するデータは、作業員グループデータ330に含まれる固定作業データ332として記憶される。
【0082】
候補解生成部208は、設定された作業員グループ毎に、当該作業員グループの始業時刻から終業時刻までの間に、折り返し列車ダイヤに定められた折り返し列車のうちの当該作業員グループによる整備作業列車と、当該作業員グループについて設定された固定作業と、を時系列に割り当てた整備作業ダイヤの候補解であって、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解、を複数生成する(図3のステップS15が相当)。
【0083】
また、候補解生成部208は、1本の折り返し列車に対する整備作業の基本作業時間が定められており、同一の作業員グループについて、整備作業列車に係る基本作業時間に基づく作業期間と、固定作業に係る開始時刻から終了時刻までの固定作業期間と、の重複時間が所与の重複時間条件を満たすように候補解を生成する(図5のステップS115~117が相当。図9参照)。重複時間条件は、許容する重複時間をゼロ以下とすることで重複無しとすることとしてもよいし、許容する重複時間の条件を具体的に設定(例えば5分以下)することとしてもよい。
【0084】
また、候補解生成部208は、折り返し列車ダイヤに定められた全ての折り返し列車が、何れかの作業員グループの整備作業列車として割り当てられたか否かに基づいて、候補解の生成成否を判定し(図3のステップS3が相当)、重複時間条件を変更する(図3のステップS5が相当)。候補解が生成できない場合には、重複時間条件を緩和する(時間の閾値を大きくする)ように変更すると好適である。
【0085】
また、候補解生成部208は、同一の作業員グループに割り当てる整備作業列車の本数に係る割り当て上限本数条件を満たす候補解を生成する(制約条件(D)。図5のステップS123~S125が相当)。
【0086】
また、候補解生成部208は、同一の作業員グループに割り当てた前後の整備作業列車の時間間隔が所定の短時間条件を満たす場合に、当該前後の整備作業列車のうちの後者の整備作業列車の整備作業に係る作業時間を、所与の加算時間だけ加算した作業時間として候補解を生成する(制約条件(E)。図5のステップS111~S113が相当。図8参照)。
【0087】
また、候補解生成部208は、先に生成した候補解(暫定解)について作業員グループ間で整備作業列車を入れ替えることで、新たな候補解を生成する(図4参照)。
【0088】
また、候補解生成部208は、整備作業の種類が異なる作業員グループの複数の区分毎に、候補解を生成する。
【0089】
候補解生成部208の処理内容をより具体的に説明すると、候補解生成部208は、初期解生成処理(図5参照)を行うことで、最初の候補解(最初の暫定解でもある)である初期解を生成する。この初期解は、少なくとも、折り返し列車ダイヤに定められた全ての折り返し列車が、何れかの作業員グループの整備作業列車として割り当てられるように生成する(制約条件(B))。割り当てられない初期解が生成された場合には、同一の作業員グループについて、整備作業の作業期間と固定作業期間との重複時間が満たすべき重複時間条件(制約条件(G))を緩和するように変更して、再度、初期解生成処理を行って初期解を生成する。全ての折り返し列車が何れかの作業員グループの整備作業列車として割り当てられた初期解が生成できた場合には、当該初期解を最初の暫定解としてタブーリスト340に追加する。
【0090】
次いで、候補解生成部208は、暫定解における2つの作業員グループ間で整備作業列車を入れ替えることで、新たな複数の候補解を生成する。生成した新たな候補解それぞれは、評価部210によって評価されて評価値が算出される。そして、生成した新たな候補解のうち、タブーリスト340に含まれておらず、かつ、最も評価値が良い候補解を新たな暫定解として選択し、評価値と対応付けて暫定解リスト360に追加する。また、直前までの暫定解をタブーリスト340にFIFO方式で追加することで、タブーリスト340を更新する。以降同様に、新たな暫定解を元に、更なる候補解の生成、次の暫定解の選択、暫定解リスト360及びタブーリスト340の更新、を繰り返す遷移を繰り返す。
【0091】
評価部210は、候補解生成部208により生成された候補解を、所与の評価指標に基づいて評価する。評価指標には、(α)各作業員グループに割り当てた前後の整備作業の番線が異なる場合の番線間の移動時間の合計である番線移動時間と、(β)各作業員グループに割り当てた整備作業が連続する回数の合計である連続整備作業数と、(γ)各作業員グループ間での整備作業(整備作業列車)の割り当て時間分布のバラツキと、(δ)各作業員グループに割り当てた整備作業の数(整備作業列車本数)の差である作業本数差とが含まれる。評価部210は、候補解についてこれらの複数の評価指標それぞれの値を求め、評価指標毎に重み付けした合計値を当該候補解の評価値として算出する。
【0092】
選択部212は、作成された候補解の中から、所与の評価指標に基づいて最終解を選択する(図3のステップS23が相当)。具体的には、選択部212は、暫定解リスト360に格納された暫定解(候補解)の中から、評価値に基づいて最終解を選択する。最終解は1つのみを選択してよいし、評価値順に複数を選択してもよい。
【0093】
記憶部300は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のIC(Integrated Circuit)メモリやハードディスク等の記憶装置で実現され、処理部200が整備作業ダイヤ作成装置1を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶しているとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が実行した演算結果や、操作部102や通信部108からの入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、整備作業ダイヤ作成プログラム302と、折り返し列車ダイヤデータ310と、整備作業データ320と、作業員グループデータ330と、タブーリスト340と、暫定解リスト360と、整備作業ダイヤデータ370とが記憶される。
【0094】
整備作業ダイヤ作成プログラム302は、整備作業ダイヤ作成装置1が読み出して実行することで、整備作業ダイヤを作成する整備作業ダイヤ作成処理(図2参照)を整備作業ダイヤ作成装置1に実現させるためのプログラムである。
【0095】
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、整備作業ダイヤを自動的に作成することができる。つまり、設定した作業員グループ毎に、始業時刻から終了時刻までの間に、整備作業の対象となる整備作業列車と、当該グループに設定した固定作業とを割り当てたダイヤの候補解であって、同一グループに割り当てた前後の整備作業の番線が異なる場合の番線移動所要時間条件を満たす候補解を複数生成する。そして、生成した候補解の中から所与の評価指標に基づいて整備作業ダイヤの最終解を選択する。これにより、作業員にとって番線移動が困難な強行的な整備作業ダイヤとはならずに、所与の評価指標に基づく適切な整備作業ダイヤを作成することができる。
【0096】
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0097】
例えば、暫定解リスト360には、暫定解を、評価値と対応付けて記憶することとして説明したが、過去に生成した候補解全てを、評価値と対応付けて記憶することとしてもよい。その場合、暫定解リスト360は、候補解リストと呼ぶことができる。
【0098】
また、上記実施形態では、タブーリストを応用した実施例について説明したが、タブーリストを利用しないこととしてもよい。その場合、図3のステップS15では、タブーリストを参照せず、単に、ステップS13で生成された候補解の中から評価値が最良の解を新たに暫定解として選択することとする。そして、生成した候補解は、評価値と対応づけて全て候補解リストに記憶しておき、最終的に最良の候補解を最終解として出力する。
【0099】
また、上記実施形態では、暫定解から新たな候補解を生成する方法として、2つの作業員グループ間で整備作業列車を入れ替えることとして説明したが、3つ以上の作業員グループ間でローテーションのように整備作業列車を入れ替えることとしてもよい。また、整備作業列車の入れ替え以外の方法を採用してもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…整備作業ダイヤ作成装置
200…処理部
202…取得部
204…作業員グループ設定部
206…固定作業設定部
208…候補解生成部
210…評価部
212…選択部
300…記憶部
302…整備作業ダイヤ作成プログラム
310…折り返し列車ダイヤデータ
320…整備作業データ
330…作業員グループデータ
332…固定作業データ
340…タブーリスト
360…暫定解リスト
370…整備作業ダイヤデータ
10…折り返し列車ダイヤ
20…整備作業ダイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11