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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149383
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】コンバータレンズ、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/10 20060101AFI20231005BHJP
   G02B 13/08 20060101ALI20231005BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20231005BHJP
   G02B 13/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G02B15/10
G02B13/08
G02B13/18
G02B13/04 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057927
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西 友里奈
(72)【発明者】
【氏名】菊池 翔平
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087KA09
2H087KA10
2H087LA03
2H087LA27
2H087LA28
2H087LA30
2H087MA07
2H087PA12
2H087PA14
2H087PA15
2H087PA16
2H087PA18
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB14
2H087PB16
2H087PB17
2H087PB20
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA15
2H087QA17
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA06
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087SA89
(57)【要約】
【課題】小型で汎用性が高く、高画質化を図ることを可能にする。
【解決手段】本開示のコンバータレンズは、結像光学系に対して像面側に配置され、結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズであって、少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備え、複数のレンズとして、コンバータレンズ内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズを有し、第1の単レンズまたは第1の接合レンズの物体側の面が、結像光学系の1次結像点よりも物体側に配置されており、1次結像点はコンバータレンズを構成する複数のレンズの外部に存在し、所定の条件式を満足する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結像光学系に対して像面側に配置され、前記結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズであって、
少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備え、
前記複数のレンズとして、前記コンバータレンズ内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズを有し、
前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側の面が、前記結像光学系の1次結像点よりも物体側に配置されており、
前記1次結像点は前記コンバータレンズを構成する前記複数のレンズの外部に存在し、
以下の条件式を満足する
コンバータレンズ。
0.01≦da/db≦0.175 ……(1)
0.01≦dc/db≦0.165 ……(2)
ただし、
da:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から前記1次結像点までの距離
db:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から2次結像点までの距離
dc:前記1次結像点に最も近い位置にあるレンズ面頂点から前記1次結像点までの距離
とする。
【請求項2】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載のコンバータレンズ。
-5.0≦db/f1≦5.0 ……(3)
ただし、
f1:前記1次結像点よりも物体側に配置されている前記コンバータレンズのレンズ群の焦点距離
とする。
【請求項3】
前記複数のレンズとして、前記1次結像点の直後に配置された第2の単レンズまたは第2の接合レンズ、をさらに有し、
以下の条件式を満足する
請求項1に記載のコンバータレンズ。
0.01≦f2/db≦5.0 ……(4)
ただし、
f2:前記第2の単レンズまたは前記第2の接合レンズの焦点距離
とする。
【請求項4】
さらに、以下の条件式を満足する
請求項1に記載のコンバータレンズ。
-1.0≦f3/db≦-0.01 ……(5)
ただし、
f3:前記コンバータレンズにおいて最も像面側に配置されているレンズの焦点距離
とする。
【請求項5】
前記コンバータレンズ内に開口絞りが配置されており、前記結像光学系に前記コンバータレンズが装着された状態において、前記コンバータレンズ内の前記開口絞りによってFナンバーを変更する
請求項1に記載のコンバータレンズ。
【請求項6】
垂直方向の焦点距離と水平方向の焦点距離とが異なる
請求項1に記載のコンバータレンズ。
【請求項7】
結像光学系に対して像面側に配置され、前記結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズと、前記コンバータレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記コンバータレンズは、
少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備え、
前記複数のレンズとして、前記コンバータレンズ内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズを有し、
前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側の面が、前記結像光学系の1次結像点よりも物体側に配置されており、
前記1次結像点は前記コンバータレンズを構成する前記複数のレンズの外部に存在し、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.01≦da/db≦0.175 ……(1)
0.01≦dc/db≦0.165 ……(2)
ただし、
da:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から前記1次結像点までの距離
db:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から2次結像点までの距離
dc:前記1次結像点に最も近い位置にあるレンズ面頂点から前記1次結像点までの距離
とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンバータレンズ、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置(カメラ)に用いられる撮影光学系として、撮像装置に対して着脱可能なレンズ装置であるマスターレンズと撮像装置との間に装着されるコンバータレンズがある。コンバータレンズをマスターレンズに装着することによって、撮影機能の拡張または撮影倍率の拡大等が可能になる。コンバータレンズの構成としては、マスターレンズによって形成された像を、再度結像させる再結像コンバータレンズがある(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-118807号公報
【特許文献2】特開2018-72366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2で提案されている再結像コンバータレンズの構成では、小型化や高画質化を図ることは困難である。
【0005】
小型で汎用性が高く、高画質化を図ることが可能なコンバータレンズ、およびそのようなコンバータレンズを備えた撮像装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズは、結像光学系に対して像面側に配置され、結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズであって、少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備え、複数のレンズとして、コンバータレンズ内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズを有し、第1の単レンズまたは第1の接合レンズの物体側の面が、結像光学系の1次結像点よりも物体側に配置されており、1次結像点はコンバータレンズを構成する複数のレンズの外部に存在し、以下の条件式を満足する。
0.01≦da/db≦0.175 ……(1)
0.01≦dc/db≦0.165 ……(2)
ただし、
da:第1の単レンズまたは第1の接合レンズの物体側面頂点から1次結像点までの距離
db:第1の単レンズまたは第1の接合レンズの物体側面頂点から2次結像点までの距離
dc:1次結像点に最も近い位置にあるレンズ面頂点から1次結像点までの距離
とする。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置は、結像光学系に対して像面側に配置され、結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズと、コンバータレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、コンバータレンズを、上記本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズによって構成したものである。
【0008】
本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズ、または撮像装置では、小型で汎用性が高く、高画質化を図ることが可能となるように、レンズ構成の最適化が図られている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第1の構成例(実施例1)を示す垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。
図2図1に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図3図1に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図4図1に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図5図1に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図6】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第1の構成例(実施例1)を示す水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
図7図6に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図8図6に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図9図6に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図10図6に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図11】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第2の構成例(実施例2)を示すレンズ断面図である。
図12図11に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図13図11に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図14図11に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図15図11に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図16】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第3の構成例(実施例3)を示す垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。
図17図16に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図18図16に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図19図16に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図20図16に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図21】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第3の構成例(実施例3)を示す水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
図22図21に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図23図21に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図24図21に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図25図21に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図26】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第4の構成例(実施例4)を示す垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。
図27図26に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図28図26に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図29図26に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図30図26に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図31】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第4の構成例(実施例4)を示す水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
図32図31に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図33図31に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図34図31に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図35図31に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図36】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第5の構成例(実施例5)を示す垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。
図37図36に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図38図36に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図39図36に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図40図36に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図41】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第5の構成例(実施例5)を示す水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
図42図41に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図43図41に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図44図41に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図45図41に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図46】一実施の形態に係るコンバータレンズを装着した光学系の第6の構成例(実施例6)を示すレンズ断面図である。
図47図46に示した光学系の無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図48図46に示した光学系の近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図49図46に示した光学系の無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図50図46に示した光学系の近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図51】一実施の形態に係るコンバータレンズが装着されるマスターレンズの実施例を示すレンズ断面図である。
図52図51に示したマスターレンズの無限遠合焦時における縦収差を示す収差図である。
図53図51に示したマスターレンズの近距離合焦時における縦収差を示す収差図である。
図54図51に示したマスターレンズの無限遠合焦時における横収差を示す収差図である。
図55図51に示したマスターレンズの近距離合焦時における横収差を示す収差図である。
図56】撮像装置の一構成例を示すブロック図である。
図57】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図58】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
図59】内視鏡システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図60図59に示すカメラ及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
図61】顕微鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.比較例
1.レンズの基本構成
2.作用・効果
3.撮像装置への適用例
4.レンズの数値実施例
5.応用例
6.その他の実施の形態
【0011】
<0.比較例>
マスターレンズに再結像コンバータレンズを装着したときの全長小型化のためには、コンバータレンズの最も物体側に配置されているレンズの位置が重要になる。特許文献1、2で提案されている構成では、コンバータレンズの最も物体側に配置されているレンズの位置が適切ではなく、全長が大型化してしまっていたり、バックフォーカスの長いレンズにしか対応が困難な構成となっている。また、特許文献1、2で提案されている構成では、1次結像点がコンバータレンズを構成するレンズに近い位置もしくはレンズの内部に存在しているため、画質が当該レンズの硝材内部の欠陥に大きく左右されてしまう。
【0012】
<1.レンズの基本構成>
図1および図6は、本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の第1の構成例を示しており、後述する実施例1の構成に相当する。図11は、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の第2の構成例を示しており、後述する実施例2の構成に相当する。図16および図21は、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の第3の構成例を示しており、後述する実施例3の構成に相当する。図26および図31は、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の第4の構成例を示しており、後述する実施例4の構成に相当する。図36および図41は、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の第5の構成例を示しており、後述する実施例5の構成に相当する。図46は、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の第6の構成例を示しており、後述する実施例6の構成に相当する。
【0013】
図1等において、Z1は光軸を示す。第1ないし第6の構成例に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1~6と像面との間には、撮像素子保護用のカバーガラス等の光学部材が配置されていてもよい。また、カバーガラスの他にも、光学部材として、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等の各種の光学フィルタが配置されていてもよい。
【0014】
以下、本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズCLの構成を、適宜図1等に示した各構成例に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1~6に対応付けて説明するが、本開示による技術は、図示した構成例に限定されるものではない。
【0015】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、結像光学系に対して像面側に配置され、結像光学系によって形成された像を再結像させる再結像コンバータレンズである。図51には、結像光学系の一実施例としてのマスターレンズMLの構成例を示す。図1等に示した各構成例に係る光学系1~6は、図51に示したマスターレンズMLの像面側に一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着したものとなっている。
【0016】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、結像光学系に対して像面側に配置され、少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備える。
【0017】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、複数のレンズとして、コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されたレンズL11を有する。レンズL11は、第1の単レンズまたは第1の接合レンズである。
【0018】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLにおいて、最も物体側に配置されたレンズL11の物体側の面は、結像光学系の1次結像点P1よりも物体側に配置されている。また、1次結像点P1はコンバータレンズCLを構成する複数のレンズの外部に存在する。換言すれば、1次結像点P1がコンバータレンズCLを構成する各レンズの内部には位置していない構成となっている。
【0019】
その他、一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、後述する所定の条件式等をさらに満足していてもよい。
【0020】
<2.作用・効果>
次に、本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズCLの作用および効果を説明する。併せて、本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズCLにおける、より好ましい構成と、その作用および効果を説明する。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0021】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLによれば、小型で汎用性が高く、高画質化を図ることが可能となるように、レンズ構成の最適化が図られている。これにより、小型で汎用性が高く、高画質化を図ることが可能なコンバータレンズCL、およびそのようなコンバータレンズCLを備えた撮像装置を提供することが可能となる。
【0022】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11の物体側の面を1次結像点P1よりも物体側に配置することにより、マスターレンズMLにコンバータレンズCLを装着したときの全長を短縮することができる。また、レンズL11の物体側の面が1次結像点P1よりも物体側に位置する量を適切に設定することによって、バックフォーカスの短いマスターレンズMLにおける最も像面側に配置されているレンズと、コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11との干渉を防ぐことが可能となる。これにより、マスターレンズMLのバックフォーカスの長さに関わらずコンバータレンズCLをマスターレンズMLに装着可能になる。
【0023】
さらに、1次結像点P1がコンバータレンズCLを構成するレンズの外部に存在するようにし、かつ、1次結像点P1に最も近い位置にあるレンズ面頂点から1次結像点P1までの距離を一定以上に保つことで、コンバータレンズCLを構成するレンズの硝材内部の欠陥による画質の劣化を防ぐことができる。
【0024】
一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、以下の条件式(1),(2)を満足してもよい。
0.01≦da/db≦0.175 ……(1)
0.01≦dc/db≦0.165 ……(2)
ただし、
da:コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11(第1の単レンズまたは第1の接合レンズ)の物体側面頂点から1次結像点P1までの距離
db:コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11(第1の単レンズまたは第1の接合レンズ)の物体側面頂点から2次結像点P2までの距離
dc:1次結像点P1に最も近い位置にあるレンズ面頂点から1次結像点P1までの距離
とする。
【0025】
条件式(1)は、コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11の物体側の面が1次結像点P1よりも物体側に位置する量を適切に設定するための条件式である。この条件式により、マスターレンズMLのバックフォーカスの長さによるるコンバータレンズCLの装着の可否に左右されずに全長の短縮化を達成できる。条件式(1)の下限を下回ると、コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11がより像面側に配置されてしまい、マスターレンズMLにコンバータレンズCLを装着したときの全長が大型化してしまう。一方、条件式(1)の上限を上回ると、コンバータレンズCL内において最も物体側に配置されているレンズL11がより物体側に配置されてしまい、バックフォーカスの短いマスターレンズMLにコンバータレンズCLを装着することが困難となり、汎用性が低下する。
【0026】
条件式(2)は、1次結像点P1に最も近い位置にあるレンズ面頂点から1次結像点P1までの距離を一定以上に保つための条件式である。この条件式により、画質がコンバータレンズCLを構成するレンズの硝材内部の欠陥に大きく左右されてしまうことを防ぐことが可能となる。条件式(2)の下限を下回ると、1次結像点P1に最も近い位置にあるレンズ面頂点から1次結像点P1までの距離が短くなりすぎ、コンバータレンズCLを構成するレンズの硝材内部の欠陥の影響を受けやすくなり画質が劣化しやすくなる。一方、条件式(2)の上限を上回ると、1次結像点P1に最も近い位置にあるレンズ面頂点から1次結像点P1までの距離が長くなりすぎ、全長方向に大型化してしまう。
【0027】
なお、条件式(1),(2)の数値範囲を下記条件式(1A),(2A)のように設定することで、より高い効果を得ることができる。
0.03≦da/db≦0.17 ……(1A)
0.01≦dc/db≦0.15 ……(2A)
【0028】
また、一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、以下の条件式(3)を満足してもよい。
-5.0≦db/f1≦5.0 ……(3)
ただし、
f1:1次結像点P1よりも物体側に配置されているコンバータレンズCLのレンズ群の焦点距離
とする。
【0029】
条件式(3)は、1次結像点P1よりも物体側に配置されているコンバータレンズCLのレンズ群の焦点距離を適切に設定するための条件式である。この条件式により、1次結像点P1までの周辺光線の広がりを防ぐことができ、コンバータレンズCLを径方向に小型化できる。条件式(3)の下限を下回ると、1次結像点P1までの周辺光線が広がってしまい、コンバータレンズCLの小型化が困難となる。一方、条件式(3)の上限を上回ると、1次結像点P1よりも物体側に配置されているコンバータレンズCLのレンズ群のパワーが大きくなり収差補正が困難になる。
【0030】
なお、条件式(3)の数値範囲を下記条件式(3A)のように設定することで、より高い効果を得ることができる。
-3.0≦db/f1≦3.0 ……(3A)
【0031】
また、一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、複数のレンズとして、1次結像点P1の直後に配置されたレンズL21をさらに有し、以下の条件式(4)を満足してもよい。1次結像点P1の直後に配置されたレンズL21は、第2の単レンズまたは第2の接合レンズである。
0.01≦f2/db≦5.0 ……(4)
ただし、
f2:1次結像点P1の直後に配置されたレンズL21(第2の単レンズまたは第2の接合レンズ)の焦点距離
とする。
【0032】
条件式(4)を満足することにより、1次結像点P1の直後に配置されたレンズL21が適切な正の屈折力となり、1次結像点P1よりも後ろの周辺光線の広がりを抑制し、径方向の小型化に有利な構成となる。条件式(4)の条件を外れると、小型化に不利となる。
【0033】
なお、条件式(4)の数値範囲を下記条件式(4A)のように設定することで、より高い効果を得ることができる。
0.1≦f2/db≦3.0 ……(4A)
【0034】
また、一実施の形態に係るコンバータレンズCLは、以下の条件式(4)を満足してもよい。
-1.0≦f3/db≦-0.01 ……(5)
ただし、
f3:コンバータレンズCLにおいて最も像面側に配置されているレンズの焦点距離
とする。
【0035】
条件式(5)を満足することにより、コンバータレンズCLを装着するマウントの前のレンズが適切な負の屈折力となり、マウント径の小型化に有利な構成となる。条件式(5)の条件を外れると、マウント径の小型化に不利となる。
【0036】
なお、条件式(5)の数値範囲を下記条件式(5A)のように設定することで、より高い効果を得ることができる。
-0.7≦f3/db≦-0.1 ……(5A)
【0037】
また、一実施の形態に係るコンバータレンズCLにおいて、コンバータレンズCL内に開口絞りStが配置されていてもよい。そして、結像光学系にコンバータレンズCLが装着された状態において、コンバータレンズCL内に開口絞りStによってFナンバーを変更(調節)するようにしてもよい。これにより、マスターレンズMLからコンバータレンズCLへ入射する複数のマージナル光線が重なる角度の範囲内にコンバータレンズCLの主光線が入るように設計することが可能となり、コンバータレンズCLの径方向の小型化に有利な構成となる。
【0038】
また、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを、垂直方向(垂直断面方向)の焦点距離と水平方向(水平断面方向)の焦点距離とが異なるような、いわゆるアナモルフィックレンズの構成にしてもよい。これにより、垂直方向と水平方向とで焦点距離を変え、任意のアスペクト比の変換倍率によって光線を効率的に集光させ、コンバータレンズCLが装着される撮像装置における撮像素子面を有効に活用できる。なお、後述する実施例1,3~5に示すコンバータレンズCLがアナモルフィックレンズの構成となっている。
【0039】
<3.撮像装置への適用例>
次に、本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズCLの具体的な撮像装置への適用例を説明する。
【0040】
図56は、一実施の形態に係るコンバータレンズCLを適用した撮像装置100の一構成例を示している。この撮像装置100は、例えばデジタルスチルカメラであり、カメラブロック110と、カメラ信号処理部20と、画像処理部30と、LCD(Liquid Crystal Display)40と、R/W(リーダ/ライタ)50と、CPU(Central Processing Unit)60と、入力部70と、レンズ駆動制御部80とを備えている。
【0041】
カメラブロック110は、撮像機能を担うものであり、撮像レンズ111と、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子112とを有している。撮像素子112は、撮像レンズ111によって形成された光学像を電気信号へ変換することで、光学像に応じた撮像信号(画像信号)を出力するようになっている。撮像レンズ111として、図1等に示した各構成例に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1~6を適用可能である。
【0042】
カメラ信号処理部20は、撮像素子112から出力された画像信号に対してアナログ-デジタル変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行うものである。
【0043】
画像処理部30は、画像信号の記録再生処理を行うものであり、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行うようになっている。
【0044】
LCD40は、ユーザの入力部70に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。R/W50は、画像処理部30によって符号化された画像データのメモリカード1000への書き込み、およびメモリカード1000に記録された画像データの読み出しを行うものである。メモリカード1000は、例えば、R/W50に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
【0045】
CPU60は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能するものであり、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御するようになっている。入力部70は、ユーザによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等からなる。入力部70は例えば、シャッタ操作を行うためのシャッタレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等によって構成され、ユーザによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力するようになっている。レンズ駆動制御部80は、カメラブロック110に配置されたレンズの駆動を制御するものであり、CPU60からの制御信号に基づいて撮像レンズ111の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御するようになっている。
【0046】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
撮影の待機状態では、CPU60による制御の下で、カメラブロック110において撮影された画像に相当する画像信号が、カメラ信号処理部20を介してLCD40に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、例えば入力部70からのズーミングやフォーカシングのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいて撮像レンズ111の所定のレンズが移動する。
【0047】
入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック110の図示しないシャッタが動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W50に出力され、メモリカード1000に書き込まれる。
【0048】
なお、フォーカシングは、例えば、入力部70のシャッタレリーズボタンが半押しされた場合や記録(撮影)のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80が撮像レンズ111の所定のレンズを移動させることにより行われる。
【0049】
メモリカード1000に記録された画像データを再生する場合には、入力部70に対する操作に応じて、R/W50によってメモリカード1000から所定の画像データが読み出され、画像処理部30によって伸張復号化処理が行われた後、再生画像信号がLCD40に出力されて再生画像が表示される。
【0050】
なお、上記した実施の形態においては、撮像装置をデジタルスチルカメラ等に適用した例を示したが、撮像装置の適用範囲はデジタルスチルカメラに限られることはなく、他の種々の撮像装置に適用可能である。例えば、デジタル一眼レフカメラ、デジタルノンレフレックスカメラ、デジタルビデオカメラ、および監視カメラ等に適用することができる。また、カメラが組み込まれた携帯電話や、カメラが組み込まれた情報端末等のデジタル入出力機器のカメラ部等として広く適用することができる。また、レンズ交換式のカメラにも適用することができる。
【実施例0051】
<4.レンズの数値実施例>
次に、本開示の一実施の形態に係るコンバータレンズCLを装着した光学系の具体的な数値実施例について説明する。ここでは、図1等に示した各構成例に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1~6に、具体的な数値を適用した実施例を説明する。
【0052】
なお、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。「Si」は、最も物体側から順次増加するようにして符号を付したi番目の面の番号を示している。「rYi」は、垂直断面方向(YZ断面方向)におけるi番目の面の近軸の曲率半径の値(mm)を示す。また、「rXi」は、水平断面方向(XZ断面方向)におけるi番目の面の近軸の曲率半径の値(mm)を示す。なお、垂直断面方向と水平断面方向とが同じ形状の場合、i番目の面の近軸の曲率半径の値(mm)を「ri」として示す。「di」はi番目の面とi+1番目の面との間の光軸上の間隔の値(mm)を示す。「ndi」はi番目の面を有する光学要素の材質のd線(波長587.6nm)に対する屈折率の値を示す。「νdi」はi番目の面を有する光学要素の材質のd線におけるアッベ数の値を示す。「φi」はi番目の面の有効径の値(mm)を示す。「ri」,「rYi」,「rXi」の値が「∞」となっている部分は平面、または絞り面等を示す。面番号(Si)の欄の「ASP」は、当該面が非球面形状で構成されていることを示す。面番号の欄の「STO」は該当位置に開口絞りStが配置されていることを示す。面番号の欄の「OBJ」は、当該面が物体面(被写体面)であることを示す。面番号の欄の「IMG」は、当該面が像面であることを示す。「f」は全系の焦点距離を示す(単位:mm)。「Fno」は開放F値(Fナンバー)を示す。「ω」は半画角を示す(単位:°)。「Y」は像高を示す(単位:mm)。「L」は光学全長(最も物体側の面から像面IMGまでの光軸上の距離)を示す(単位:mm)。
【0053】
また、各実施例において用いられるレンズには、レンズ面が非球面によって構成されるものがある。非球面形状は、以下の式によって定義される。なお、後述する非球面係数を示す各表において、「E-i」は10を底とする指数表現、すなわち、「10-i」を表しており、例えば、「0.12345E-05」は「0.12345×10-5」を表している。
【0054】
(非球面の式)
x=c22/(1+(1-(1+k)c221/2)+A4・y4+A6・y6+A8・y8+A10・y10+A12・y12
ここで、レンズ面の頂点から光軸方向の距離(サグ量)を「x」、光軸と垂直な方向の高さを「y」、レンズ面の頂点での近軸曲率(曲率半径の逆数)を「c」、円錐(コーニック)定数を「k」とする。A4、A6、A8、A10、およびA12は、それぞれ第4次、第6次、第8次、第10次、および第12次の非球面係数である。
【0055】
[マスターレンズの数値実施例]
[表1]に、図51に示したマスターレンズMLの基本的なレンズデータを示す。[表2]には、マスターレンズMLにおける全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表3]には、マスターレンズMLにおいてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表2]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表3]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表4]には、マスターレンズMLにおける、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表5]には、マスターレンズMLの各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0056】
マスターレンズMLは、第1レンズ群MG1ないし第3レンズ群MG3が物体側から像面側へ向かって順に配置された構成とされている。開口絞りStは、第1レンズ群MG1と第2レンズ群MG2との間に配置されている。
【0057】
第1レンズ群MG1は、物体側から像面側に向かって順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズML11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズML12と、接合レンズからなる正レンズML13と、接合レンズからなる負レンズML14と、正レンズML15とからなる。
【0058】
第2レンズ群MG2は、物体側から像面側に向かって順に、正レンズML21と、接合レンズからなる負レンズML22と、正レンズML23と、負レンズML24と、負レンズML25とからなる。
【0059】
第3レンズ群MG3は、正レンズML26からなる。
【0060】
物体距離が無限遠から近距離へと変化するフォーカシングの際には、第2レンズ群MG2(第15面~第25面)が光軸方向を移動する。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
図52には、図51に示したマスターレンズMLの無限遠合焦時における縦収差を示す。図53には、図51に示したマスターレンズMLの近距離合焦時における縦収差を示す。図54には、図51に示したマスターレンズMLの無限遠合焦時における横収差を示す。図55には、図51に示したマスターレンズMLの近距離合焦時における横収差を示す。
【0067】
図52および図53には、縦収差として、球面収差、非点収差(像面湾曲)、および歪曲収差を示す。図52および図53における球面収差図と、図54および図55における横収差図において、実線はd線(587.56nm)、一点鎖線はg線(435.84nm)、破線はC線(656.27nm)における値を示す。図52および図53における非点収差図において、Tはサジタル像面、Sはタンジェンシャル像面における値を示す。図52および図53における非点収差図および歪曲収差図には、d線における値を示す。
【0068】
[コンバータレンズCLを装着した光学系の数値実施例]
以下の実施例1~6は、図51に示したマスターレンズMLにコンバータレンズCLを装着した光学系1~6の数値実施例である。以下の実施例1~6を示す数値データ([表6]等)において、第1面から第27面は、上記[表1]~[表5]に示したマスターレンズMLの第1面から第27面と同じであるため、レンズデータでは適宜、数値を省略する。以下の実施例1~6を示す数値データ([表6]等)において、第28面以降が、コンバータレンズCLを示す数値データである。
【0069】
以下で示すコンバータレンズCLを装着した光学系1~6において、フォーカシングの際には、マスターレンズMLの第2レンズ群MG2(第15面~第25面)が光軸方向を移動する。
【0070】
以下で示すコンバータレンズCLを装着した光学系1~6において、コンバータレンズCL内に開口絞りStが配置されている。光学系1~6では、マスターレンズMLにコンバータレンズCLが装着された状態において、コンバータレンズCL内の開口絞りStによってFナンバーを変更(調節)する。
【0071】
[実施例1]
図1は、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1の垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。図6は、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1の水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
【0072】
[表6]に、図1および図6に示した実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1の基本的なレンズデータを示す。[表7]には、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表8]には、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1においてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表7]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表8]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表9]には、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表10]には、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0073】
実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1は、物体側から像面側に向かって順に、1次結像点P1より物体側に配置されたレンズ群と、1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群と、開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群とを備える。
【0074】
1次結像点P1より物体側に配置されているレンズ群は、接合レンズからなるレンズL11より構成されている。レンズL11は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0075】
1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL21~L30からなる。レンズL21は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL22は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL23は、正レンズである。レンズL24は、トロイダルレンズである。レンズL25は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL26は、接合レンズであり、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL27は、正レンズである。レンズL28は、トロイダルレンズである。レンズL29は、正レンズである。レンズL30は、トロイダルレンズである。
【0076】
開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL31~L34からなる。レンズL31は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL32は、負レンズである。レンズL33は、正レンズである。レンズL34は、負レンズである。
【0077】
以上の構成により、小型で汎用性が高く、高画質化を実現している。
【0078】
【表6】
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【表10】
【0083】
図2には、図1に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の無限遠合焦時における縦収差を示す。図3には、図1に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の近距離合焦時における縦収差を示す。図4には、図1に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の無限遠合焦時における横収差を示す。図5には、図1に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の近距離合焦時における横収差を示す。図7には、図6に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の無限遠合焦時における縦収差を示す。図8には、図6に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の近距離合焦時における縦収差を示す。図9には、図6に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の無限遠合焦時における横収差を示す。図10には、図6に示したコンバータレンズCLを装着した光学系1の近距離合焦時における横収差を示す。
【0084】
図2図3図7、および図8には、縦収差として、球面収差、非点収差(像面湾曲)、および歪曲収差を示す。図2図3図7、および図8における球面収差図と、図4図5図9、および図10における横収差図において、実線はd線(587.56nm)、一点鎖線はg線(435.84nm)、破線はC線(656.27nm)における値を示す。図2図3図7、および図8における非点収差図において、Xはサジタル像面に相当する値、Yはタンジェンシャル像面に相当する値を示す。図2図3図7、および図8における非点収差図および歪曲収差図には、d線における値を示す。
以降の実施例3~5における収差図についても同様である。
【0085】
各収差図から分かるように、実施例1に係るコンバータレンズCLを装着した光学系1は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0086】
[実施例2]
図11は、実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2のレンズ断面図である。
【0087】
[表11]に、図11に示した実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2の基本的なレンズデータを示す。[表12]には、実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表13]には、実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2においてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表12]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表13]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表14]には、実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表15]には、実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0088】
実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2は、物体側から像面側に向かって順に、1次結像点P1より物体側に配置されたレンズ群と、1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群と、開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群とを備える。
【0089】
1次結像点P1より物体側に配置されているレンズ群は、単レンズからなるレンズL11より構成されている。レンズL11は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0090】
1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL21~L29からなる。レンズL21は、接合レンズであり、正レンズである。レンズL22は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL23は、正レンズである。レンズL24は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL25は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL26は、接合レンズであり、負レンズである。レンズL27は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。 ンズL28は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL29は、正レンズである。
【0091】
開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL31~L34からなる。レンズL31は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL32は、負レンズである。レンズL33は、正レンズである。レンズL34は、負レンズである。
【0092】
以上の構成により、小型で汎用性が高く、高画質化を実現している。
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】
【表13】
【0096】
【表14】
【0097】
【表15】
【0098】
図12には、図11に示したコンバータレンズCLを装着した光学系2の無限遠合焦時における縦収差を示す。図13には、図11に示したコンバータレンズCLを装着した光学系2の近距離合焦時における縦収差を示す。図14には、図11に示したコンバータレンズCLを装着した光学系2の無限遠合焦時における横収差を示す。図15には、図11に示したコンバータレンズCLを装着した光学系2の近距離合焦時における横収差を示す。
【0099】
図12および図13には、縦収差として、球面収差、非点収差(像面湾曲)、および歪曲収差を示す。図12および図13における球面収差図と、図14および図15における横収差図において、実線はd線(587.56nm)、一点鎖線はg線(435.84nm)、破線はC線(656.27nm)における値を示す。図12および図13における非点収差図において、Tはサジタル像面、Sはタンジェンシャル像面における値を示す。図12および図13における非点収差図および歪曲収差図には、d線における値を示す。
以降の実施例6における収差図についても同様である。
【0100】
各収差図から分かるように、実施例2に係るコンバータレンズCLを装着した光学系2は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0101】
[実施例3]
図16は、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3の垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。図21は、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3の水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
【0102】
[表16]に、図16および図21に示した実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3の基本的なレンズデータを示す。[表17]には、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表18]には、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3においてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表17]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表18]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表19]には、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表20]には、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0103】
実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3は、物体側から像面側に向かって順に、1次結像点P1より物体側に配置されたレンズ群と、1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群と、開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群とを備える。
【0104】
1次結像点P1より物体側に配置されているレンズ群は、接合レンズからなるレンズL11より構成されている。レンズL11は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0105】
1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL21~L29からなる。レンズL21は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL22は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL23は、正レンズである。レンズL24は、シリンドリカルレンズである。レンズL25は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL26は、接合レンズであり、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL27は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL28は、シリンドリカルレンズである。レンズL29は、正レンズである。
【0106】
開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL31~L34からなる。レンズL31は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL32は、負レンズである。レンズL33は、正レンズである。レンズL34は、負レンズである。
【0107】
以上の構成により、小型で汎用性が高く、高画質化を実現している。
【0108】
【表16】
【0109】
【表17】
【0110】
【表18】
【0111】
【表19】
【0112】
【表20】
【0113】
図17には、図16に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の無限遠合焦時における縦収差を示す。図18には、図16に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の近距離合焦時における縦収差を示す。図19には、図16に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の無限遠合焦時における横収差を示す。図20には、図16に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の近距離合焦時における横収差を示す。図22には、図21に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の無限遠合焦時における縦収差を示す。図23には、図21に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の近距離合焦時における縦収差を示す。図24には、図21に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の無限遠合焦時における横収差を示す。図25には、図21に示したコンバータレンズCLを装着した光学系3の近距離合焦時における横収差を示す。
【0114】
各収差図から分かるように、実施例3に係るコンバータレンズCLを装着した光学系3は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0115】
[実施例4]
図26は、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4の垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。図31は、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4の水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
【0116】
[表21]に、図26および図31に示した実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4の基本的なレンズデータを示す。[表22]には、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表23]には、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4においてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表22]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表23]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表24]には、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表25]には、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0117】
実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4は、物体側から像面側に向かって順に、1次結像点P1より物体側に配置されたレンズ群と、1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群と、開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群とを備える。
【0118】
1次結像点P1より物体側に配置されているレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、単レンズからなるレンズL11と、レンズL12とからなる。レンズL11は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL12は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。
【0119】
1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL21~L30からなる。レンズL21は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL22は、負レンズである。レンズL23は、正レンズである。レンズL24は、シリンドリカルレンズである。レンズL25は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL26は、接合レンズであり、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL27は、正レンズである。レンズL28は、シリンドリカルレンズである。レンズL29は、正レンズである。レンズL30は、シリンドリカルレンズである。
【0120】
開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL31~L34からなる。レンズL31は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL32は、負レンズである。レンズL33は、正レンズである。レンズL34は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。
【0121】
以上の構成により、小型で汎用性が高く、高画質化を実現している。
【0122】
【表21】
【0123】
【表22】
【0124】
【表23】
【0125】
【表24】
【0126】
【表25】
【0127】
図27には、図26に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の無限遠合焦時における縦収差を示す。図28には、図26に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の近距離合焦時における縦収差を示す。図29には、図26に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の無限遠合焦時における横収差を示す。図30には、図26に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の近距離合焦時における横収差を示す。図32には、図23に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の無限遠合焦時における縦収差を示す。図33には、図23に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の近距離合焦時における縦収差を示す。図34には、図23に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の無限遠合焦時における横収差を示す。図35には、図23に示したコンバータレンズCLを装着した光学系4の近距離合焦時における横収差を示す。
【0128】
各収差図から分かるように、実施例4に係るコンバータレンズCLを装着した光学系4は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0129】
[実施例5]
図36は、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5の垂直断面方向(YZ断面方向)のレンズ断面図である。図41は、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5の水平断面方向(XZ断面方向)のレンズ断面図である。
【0130】
[表26]に、図36および図41に示した実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5の基本的なレンズデータを示す。[表27]には、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表28]には、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5においてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表27]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表28]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表29]には、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表30]には、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0131】
実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5は、物体側から像面側に向かって順に、1次結像点P1より物体側に配置されたレンズ群と、1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群と、開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群とを備える。
【0132】
1次結像点P1より物体側に配置されているレンズ群は、接合レンズからなるレンズL11より構成されている。レンズL11は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。
【0133】
1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL21~L30からなる。レンズL21は、正レンズである。レンズL22は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL23は、正レンズである。レンズL24は、シリンドリカルレンズである。レンズL25は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL26は、接合レンズであり、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL27は、正レンズである。レンズL28は、シリンドリカルレンズである。レンズL29は、正レンズである。レンズL30は、シリンドリカルレンズである。
【0134】
開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL31~L34からなる。レンズL31は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL32は、負レンズである。レンズL33は、正レンズである。レンズL34は、負レンズである。
【0135】
以上の構成により、小型で汎用性が高く、高画質化を実現している。
【0136】
【表26】
【0137】
【表27】
【0138】
【表28】
【0139】
【表29】
【0140】
【表30】
【0141】
図37には、図36に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の無限遠合焦時における縦収差を示す。図38には、図36に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の近距離合焦時における縦収差を示す。図39には、図36に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の無限遠合焦時における横収差を示す。図40には、図36に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の近距離合焦時における横収差を示す。図42には、図41に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の無限遠合焦時における縦収差を示す。図43には、図41に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の近距離合焦時における縦収差を示す。図44には、図41に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の無限遠合焦時における横収差を示す。図45には、図41に示したコンバータレンズCLを装着した光学系5の近距離合焦時における横収差を示す。
【0142】
各収差図から分かるように、実施例5に係るコンバータレンズCLを装着した光学系5は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0143】
[実施例6]
図46は、実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6のレンズ断面図である。
【0144】
[表31]に、図46に示した実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6の基本的なレンズデータを示す。[表32]には、実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6における全系の焦点距離f、F値、全画角2ω、像高Y、および光学全長Lの値を示す。[表33]には、実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6においてフォーカシングの際に可変となる面間隔のデータを示す。なお、[表32]には、物体距離(d0)が無限遠の場合における値を示す。[表33]には、物体距離(d0)が無限遠の場合と近距離の場合とにおける値を示す。[表34]には、実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6における、非球面の形状を表す係数の値を示す。[表35]には、実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6の各レンズ群の始面と焦点距離(単位:mm)とを示す。
【0145】
実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6は、物体側から像面側に向かって順に、1次結像点P1より物体側に配置されたレンズ群と、1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群と、開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群とを備える。
【0146】
1次結像点P1より物体側に配置されているレンズ群は、単レンズからなるレンズL11より構成されている。レンズL11は、正レンズである。
【0147】
1次結像点P1より像面側かつ開口絞りStよりも物体側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL21~L30からなる。レンズL21は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL22は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL23は、正レンズである。レンズL24は、正レンズである。レンズL25は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL26は、接合レンズであり、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL27は、正レンズである。レンズL28は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。レンズL29は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL30は、正レンズL30である。
【0148】
開口絞りStよりも像面側に配置されたレンズ群は、物体側から像面側に向かって順に、レンズL31~L34からなる。レンズL31は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズである。レンズL32は、負レンズである。レンズL33は、正レンズである。レンズL34は、負レンズである。
【0149】
以上の構成により、小型で汎用性が高く、高画質化を実現している。
【0150】
【表31】
【0151】
【表32】
【0152】
【表33】
【0153】
【表34】
【0154】
【表35】
【0155】
図47には、図46に示したコンバータレンズCLを装着した光学系6の無限遠合焦時における縦収差を示す。図48には、図46に示したコンバータレンズCLを装着した光学系6の近距離合焦時における縦収差を示す。図49には、図46に示したコンバータレンズCLを装着した光学系6の無限遠合焦時における横収差を示す。図50には、図46に示したコンバータレンズCLを装着した光学系6の近距離合焦時における横収差を示す。
【0156】
各収差図から分かるように、実施例6に係るコンバータレンズCLを装着した光学系6は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有している。
【0157】
[各実施例のその他の数値データ]
[表36]には、上述の各条件式に関する値を、各実施例についてまとめたものを示す。[表36]から分かるように、各条件式について、各実施例の値がその数値範囲内となっている。
【0158】
【表36】
【0159】
<5.応用例>
[5.1 第1の応用例]
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0160】
図57は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図57に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
【0161】
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図57では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
【0162】
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
【0163】
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
【0164】
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0165】
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
【0166】
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0167】
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
【0168】
ここで、図58は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0169】
なお、図58には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0170】
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
【0171】
図57に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
【0172】
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
【0173】
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
【0174】
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0175】
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
【0176】
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
【0177】
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
【0178】
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
【0179】
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
【0180】
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
【0181】
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
【0182】
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
【0183】
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
【0184】
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図57の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
【0185】
なお、図57に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
【0186】
以上説明した車両制御システム7000において、本開示のコンバータレンズ、および撮像装置は、撮像部7410、および撮像部7910,7912,7914,7916,7918に適用することができる。
【0187】
[5.2 第2の応用例]
本開示に係る技術は、医療イメージングシステムに適用することができる。医療イメージングシステムは、イメージング技術を用いた医療システムであり、例えば、内視鏡システムや顕微鏡システムである。
【0188】
[内視鏡システム]
内視鏡システムの例を図59図60を用いて説明する。図59は、本開示に係る技術が適用可能な内視鏡システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図60は、内視鏡5001およびCCU(Camera Control Unit)5039の構成の一例を示す図である。図59では、手術参加者である術者(例えば、医師)5067が、内視鏡システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図59に示すように、内視鏡システム5000は、医療イメージング装置である内視鏡5001と、CCU5039と、光源装置5043と、記録装置5053と、出力装置5055と、内視鏡5001を支持する支持装置5027と、から構成される。
【0189】
内視鏡手術では、トロッカ5025と呼ばれる挿入補助具が患者5071に穿刺される。そして、トロッカ5025を介して、内視鏡5001に接続されたスコープ5003や術具5021が患者5071の体内に挿入される。術具5021は例えば、電気メス等のエネルギーデバイスや、鉗子などである。
【0190】
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体内を映した医療画像である手術画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された手術画像を見ながら術具5021を用いて手術対象に処置を行う。なお、医療画像は手術画像に限らず、診断中に撮像された診断画像であってもよい。
【0191】
[内視鏡]
内視鏡5001は、患者5071の体内を撮像する撮像部であり、例えば、図60に示すように、入射した光を集光する集光光学系50051と、撮像部の焦点距離を変更して光学ズームを可能とするズーム光学系50052と、撮像部の焦点距離を変更してフォーカス調整を可能とするフォーカス光学系50053と、受光素子50054と、を含むカメラ5005である。内視鏡5001は、接続されたスコープ5003を介して光を受光素子50054に集光することで画素信号を生成し、CCU5039に伝送系を通じて画素信号を出力する。なお、スコープ5003は、対物レンズを先端に有し、接続された光源装置5043からの光を患者5071の体内に導光する挿入部である。スコープ5003は、例えば硬性鏡では硬性スコープ、軟性鏡では軟性スコープである。スコープ5003は直視鏡や斜視鏡であってもよい。また、画素信号は画素から出力された信号に基づいた信号であればよく、例えば、RAW信号や画像信号である。また、内視鏡5001とCCU5039とを接続する伝送系にメモリを搭載し、メモリに内視鏡5001やCCU5039に関するパラメータを記憶する構成にしてもよい。メモリは、例えば、伝送系の接続部分やケーブル上に配置されてもよい。例えば、内視鏡5001の出荷時のパラメータや通電時に変化したパラメータを伝送系のメモリに記憶し、メモリから読みだしたパラメータに基づいて内視鏡の動作を変更してもよい。また、内視鏡と伝送系をセットにして内視鏡と称してもよい。受光素子50054は、受光した光を画素信号に変換するセンサであり、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプの撮像素子である。受光素子50054は、Bayer配列を有するカラー撮影可能な撮像素子であることが好ましい。また、受光素子50054は、例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)、8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)または正方形4K(水平画素数3840以上×垂直画素数3840以上)の解像度に対応した画素数を有する撮像素子であることが好ましい。受光素子50054は、1枚のセンサチップであってもよいし、複数のセンサチップでもよい。例えば、入射光を所定の波長帯域ごとに分離するプリズムを設けて、各波長帯域を異なる受光素子で撮像する構成であってもよい。また、立体視のために受光素子を複数設けてもよい。また、受光素子50054は、チップ構造の中に画像処理用の演算処理回路を含んでいるセンサであってもよいし、ToF(Time of Flight)用センサであってもよい。なお、伝送系は例えば光ファイバケーブルや無線伝送である。無線伝送は、内視鏡5001で生成された画素信号が伝送可能であればよく、例えば、内視鏡5001とCCU5039が無線接続されてもよいし、手術室内の基地局を経由して内視鏡5001とCCU5039が接続されてもよい。このとき、内視鏡5001は画素信号だけでなく、画素信号に関連する情報(例えば、画素信号の処理優先度や同期信号等)を同時に送信してもよい。なお、内視鏡はスコープとカメラを一体化してもよく、スコープの先端部に受光素子を設ける構成としてもよい。
【0192】
[CCU(Camera Control Unit)]
CCU5039は、接続された内視鏡5001や光源装置5043を統括的に制御する制御装置であり、例えば、図60に示すように、FPGA50391、CPU50392、RAM50393、ROM50394、GPU50395、I/F50396を有する情報処理装置である。また、CCU5039は、接続された表示装置5041や記録装置5053、出力装置5055を統括的に制御してもよい。例えば、CCU5039は、光源装置5043の照射タイミングや照射強度、照射光源の種類を制御する。また、CCU5039は、内視鏡5001から出力された画素信号に対して現像処理(例えばデモザイク処理)や補正処理といった画像処理を行い、表示装置5041等の外部装置に処理後の画素信号(例えば画像)を出力する。また、CCU5039は、内視鏡5001に対して制御信号を送信し、内視鏡5001の駆動を制御する。制御信号は、例えば、撮像部の倍率や焦点距離などの撮像条件に関する情報である。なお、CCU5039は画像のダウンコンバート機能を有し、表示装置5041に高解像度(例えば4K)の画像を、記録装置5053に低解像度(例えばHD)の画像を同時に出力可能な構成としてもよい。
【0193】
また、CCU5039は、信号を所定の通信プロトコル(例えば、IP(Internet Protocol))に変換するIPコンバータを経由して外部機器(例えば、記録装置や表示装置、出力装置、支持装置)と接続されてもよい。IPコンバータと外部機器との接続は、有線ネットワークで構成されてもよいし、一部または全てのネットワークが無線ネットワークで構築されてもよい。例えば、CCU5039側のIPコンバータは無線通信機能を有し、受信した映像を第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G)等の無線通信ネットワークを介してIPスイッチャーや出力側IPコンバータに送信してもよい。
【0194】
[光源装置]
光源装置5043は、所定の波長帯域の光を照射可能な装置であり、例えば、複数の光源と、複数の光源の光を導光する光源光学系と、を備える。光源は、例えばキセノンランプ、LED光源やLD光源である。光源装置5043は、例えば三原色R、G、Bのそれぞれに対応するLED光源を有し、各光源の出力強度や出力タイミングを制御することで白色光を出射する。また、光源装置5043は、通常光観察に用いられる通常光を照射する光源とは別に、特殊光観察に用いられる特殊光を照射可能な光源を有していてもよい。特殊光は、通常光観察用の光である通常光とは異なる所定の波長帯域の光であり、例えば、近赤外光(波長が760nm以上の光)や赤外光、青色光、紫外光である。通常光は、例えば白色光や緑色光である。特殊光観察の一種である狭帯域光観察では、青色光と緑色光を交互に照射することにより、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影することができる。また、特殊光観察の一種である蛍光観察では、体組織に注入された薬剤を励起する励起光を照射し、体組織または標識である薬剤が発する蛍光を受光して蛍光画像を得ることで、通常光では術者が視認しづらい体組織等を、術者が視認しやすくすることができる。例えば、赤外光を用いる蛍光観察では、体組織に注入されたインドシアニングリーン(ICG)等の薬剤に励起波長帯域を有する赤外光を照射し、薬剤の蛍光を受光することで、体組織の構造や患部を視認しやすくすることができる。また、蛍光観察では、青色波長帯域の特殊光で励起され、赤色波長帯域の蛍光を発する薬剤(例えば5-ALA)を用いてもよい。なお、光源装置5043は、CCU5039の制御により照射光の種類を設定される。CCU5039は、光源装置5043と内視鏡5001を制御することにより、通常光観察と特殊光観察が交互に行われるモードを有してもよい。このとき、通常光観察で得られた画素信号に特殊光観察で得られた画素信号に基づく情報を重畳されることが好ましい。また、特殊光観察は、赤外光を照射して臓器表面より奥を見る赤外光観察や、ハイパースペクトル分光を活用したマルチスペクトル観察であってもよい。さらに、光線力学療法を組み合わせてもよい。
【0195】
[記録装置]
記録装置5053は、CCU5039から取得した画素信号(例えば画像)を記録する装置であり、例えばレコーダーである。記録装置5053は、CCU5039から取得した画像をHDDやSDD、光ディスクに記録する。記録装置5053は、病院内のネットワークに接続され、手術室外の機器からアクセス可能にしてもよい。また、記録装置5053は画像のダウンコンバート機能またはアップコンバート機能を有していてもよい。
【0196】
[表示装置]
表示装置5041は、画像を表示可能な装置であり、例えば表示モニタである。表示装置5041は、CCU5039から取得した画素信号に基づく表示画像を表示する。なお、表示装置5041はカメラやマイクを備えることで、視線認識や音声認識、ジェスチャによる指示入力を可能にする入力デバイスとしても機能してよい。
【0197】
[出力装置]
出力装置5055は、CCU5039から取得した情報を出力する装置であり、例えばプリンタである。出力装置5055は、例えば、CCU5039から取得した画素信号に基づく印刷画像を紙に印刷する。
【0198】
[支持装置]
支持装置5027は、アーム制御装置5045を有するベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、アーム部5031の先端に取り付けられた保持部5032とを備える多関節アームである。アーム制御装置5045は、CPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、アーム部5031の駆動を制御する。支持装置5027は、アーム制御装置5045によってアーム部5031を構成する各リンク5035の長さや各関節5033の回転角やトルク等のパラメータを制御することで、例えば保持部5032が保持する内視鏡5001の位置や姿勢を制御する。これにより、内視鏡5001を所望の位置または姿勢に変更し、スコープ5003を患者5071に挿入でき、また、体内での観察領域を変更できる。支持装置5027は、術中に内視鏡5001を支持する内視鏡支持アームとして機能する。これにより、支持装置5027は、内視鏡5001を持つ助手であるスコピストの代わりを担うことができる。また、支持装置5027は、後述する顕微鏡装置5301を支持する装置であってもよく、医療用支持アームと呼ぶこともできる。なお、支持装置5027の制御は、アーム制御装置5045による自律制御方式であってもよいし、ユーザの入力に基づいてアーム制御装置5045が制御する制御方式であってもよい。例えば、制御方式は、ユーザの手元の術者コンソールであるマスター装置(プライマリ装置)の動きに基づいて、患者カートであるスレイブ装置(レプリカ装置)としての支持装置5027が制御されるマスタ・スレイブ方式でもよい。また、支持装置5027の制御は、手術室の外から遠隔制御が可能であってもよい。
【0199】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡システム5000の一例について説明した。例えば、本開示に係る技術は、顕微鏡システムに適用されてもよい。
【0200】
[顕微鏡システム]
図61は、本開示に係る技術が適用され得る顕微鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。なお、以下の説明において、内視鏡システム5000と同様の構成については、同一の符号を付し、その重複する説明を省略する。
【0201】
図61では、術者5067が、顕微鏡手術システム5300を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に対して手術を行っている様子を概略的に示している。なお、図61では、簡単のため、顕微鏡手術システム5300の構成のうちカート5037の図示を省略するとともに、内視鏡5001に代わる顕微鏡装置5301を簡略化して図示している。ただし、本説明における顕微鏡装置5301は、リンク5035の先端に設けられた顕微鏡部5303を指していてもよいし、顕微鏡部5303及び支持装置5027を含む構成全体を指していてもよい。
【0202】
図61に示すように、手術時には、顕微鏡手術システム5300を用いて、顕微鏡装置5301によって撮影された術部の画像が、手術室に設置される表示装置5041に拡大表示される。表示装置5041は、術者5067と対向する位置に設置されており、術者5067は、表示装置5041に映し出された映像によって術部の様子を観察しながら、例えば患部の切除等、当該術部に対して各種の処置を行う。顕微鏡手術システムは、例えば眼科手術や脳外科手術に使用される。
【0203】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡システム5000及び顕微鏡手術システム5300の例についてそれぞれ説明した。なお、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、支持装置5027は、その先端に内視鏡5001又は顕微鏡部5303に代えて他の観察装置や他の術具を支持し得る。当該他の観察装置としては、例えば、鉗子、攝子、気腹のための気腹チューブ、又は焼灼によって組織の切開や血管の封止を行うエネルギー処置具等が適用され得る。これらの観察装置や術具を支持装置によって支持することにより、医療スタッフが人手で支持する場合に比べて、より安定的に位置を固定することが可能となるとともに、医療スタッフの負担を軽減することが可能となる。本開示に係る技術は、このような顕微鏡部以外の構成を支持する支持装置に適用されてもよい。
【0204】
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラ5005に好適に適用され得る。特に、本開示のコンバータレンズは、カメラ5005における、集光光学系50051、ズーム光学系50052、およびフォーカス光学系50053のうち、少なくとも一部の光学系に好適に適用され得る。
【0205】
<6.その他の実施の形態>
本開示による技術は、上記一実施の形態および実施例の説明に限定されず種々の変形実施が可能である。
【0206】
例えば、上記一実施の形態および実施例において示した各部の形状および数値は、いずれも本技術を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本技術の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0207】
また、例えば、上記一実施の形態および実施例において示したレンズ枚数とは異なる枚数のレンズを備えた構成であってもよい。さらに、実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備えた構成であってもよい。
【0208】
例えば、本技術は以下のような構成を取ることもできる。
以下の構成の本技術によれば、小型で汎用性が高く、高画質化を図ることが可能となるように、レンズ構成の最適化が図られている。これにより、小型で汎用性が高く、高画質化を図ることが可能なコンバータレンズ、およびそのようなコンバータレンズを備えた撮像装置を提供することが可能となる。
【0209】
[1]
結像光学系に対して像面側に配置され、前記結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズであって、
少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備え、
前記複数のレンズとして、前記コンバータレンズ内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズを有し、
前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側の面が、前記結像光学系の1次結像点よりも物体側に配置されており、
前記1次結像点は前記コンバータレンズを構成する前記複数のレンズの外部に存在し、
以下の条件式を満足する
コンバータレンズ。
0.01≦da/db≦0.175 ……(1)
0.01≦dc/db≦0.165 ……(2)
ただし、
da:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から前記1次結像点までの距離
db:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から2次結像点までの距離
dc:前記1次結像点に最も近い位置にあるレンズ面頂点から前記1次結像点までの距離
とする。
[2]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]に記載のコンバータレンズ。
-5.0≦db/f1≦5.0 ……(3)
ただし、
f1:前記1次結像点よりも物体側に配置されている前記コンバータレンズのレンズ群の焦点距離
とする。
[3]
前記複数のレンズとして、前記1次結像点の直後に配置された第2の単レンズまたは第2の接合レンズ、をさらに有し、
以下の条件式を満足する
上記[1]または[2]に記載のコンバータレンズ。
0.01≦f2/db≦5.0 ……(4)
ただし、
f2:前記第2の単レンズまたは前記第2の接合レンズの焦点距離
とする。
[4]
さらに、以下の条件式を満足する
上記[1]ないし[3]のいずれか1つに記載のコンバータレンズ。
-1.0≦f3/db≦-0.01 ……(5)
ただし、
f3:前記コンバータレンズにおいて最も像面側に配置されているレンズの焦点距離
とする。
[5]
前記コンバータレンズ内に開口絞りが配置されており、前記結像光学系に前記コンバータレンズが装着された状態において、前記コンバータレンズ内の前記開口絞りによってFナンバーを変更する
上記[1]ないし[4]のいずれか1つに記載のコンバータレンズ。
[6]
垂直方向の焦点距離と水平方向の焦点距離とが異なる
上記[1]ないし[5]のいずれか1つに記載のコンバータレンズ。
[7]
結像光学系に対して像面側に配置され、前記結像光学系によって形成された像を再結像させるコンバータレンズと、前記コンバータレンズによって形成された光学像に応じた撮像信号を出力する撮像素子とを含み、
前記コンバータレンズは、
少なくとも1つの単レンズまたは少なくとも1つの接合レンズを含む複数のレンズを備え、
前記複数のレンズとして、前記コンバータレンズ内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズを有し、
前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側の面が、前記結像光学系の1次結像点よりも物体側に配置されており、
前記1次結像点は前記コンバータレンズを構成する前記複数のレンズの外部に存在し、
以下の条件式を満足する
撮像装置。
0.01≦da/db≦0.175 ……(1)
0.01≦dc/db≦0.165 ……(2)
ただし、
da:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から前記1次結像点までの距離
db:前記第1の単レンズまたは前記第1の接合レンズの物体側面頂点から2次結像点までの距離
dc:前記1次結像点に最も近い位置にあるレンズ面頂点から前記1次結像点までの距離
とする。
[8]
実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備える
上記[1]ないし[6]のいずれか1つに記載のコンバータレンズ。
[9]
前記コンバータレンズは、実質的に屈折力を有さないレンズをさらに備える
上記[7]に記載の撮像装置。
【符号の説明】
【0210】
L11…レンズ(コンバータレンズCL内において最も物体側に配置された第1の単レンズまたは第1の接合レンズ)、L21…レンズ(1次結像点P1の直後に配置された第2の単レンズまたは第2の接合レンズ)、CL…コンバータレンズ、ML…マスターレンズ(結像光学系)、MG1…第1レンズ群、MG2…第2レンズ群、MG3…第3レンズ群、P1…1次結像点、P2…2次結像点、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、St…開口絞り、Z1…光軸、1~6…(コンバータレンズを装着した)光学系、110…カメラブロック、111…撮像レンズ、112…撮像素子、20…カメラ信号処理部、30…画像処理部、40…LCD、50…R/W(リーダ/ライタ)、60…CPU、70…入力部、80…レンズ駆動制御部、100…撮像装置、1000…メモリカード、5005…カメラ、50051…集光光学系、50052…ズーム光学系、50053…フォーカス光学系、50054…受光素子、7410…撮像部、7910,7912,7914,7916,7918…撮像部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図20
図21
図22
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図28
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図30
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図40
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図44
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図57
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図60
図61