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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014943
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】塩味増強剤及び塩味増強方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/00 20160101AFI20230124BHJP
   A23L 27/10 20160101ALI20230124BHJP
   A23L 13/40 20230101ALI20230124BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20230124BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/10 C
A23L27/00 D
A23L13/40
A23L13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119187
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000113067
【氏名又は名称】プリマハム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】神崎 理子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 重城
【テーマコード(参考)】
4B042
4B047
【Fターム(参考)】
4B042AC04
4B042AD01
4B042AD02
4B042AD03
4B042AD20
4B042AD21
4B042AD22
4B042AK01
4B042AK11
4B042AP14
4B047LB03
4B047LF10
4B047LG03
4B047LG04
4B047LG37
4B047LP01
4B047LP02
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、塩味を増強するための新規な塩味増強剤及び塩味増強方法を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するため、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物の塩味増強剤を提供する。この塩味増強剤によれば、食品組成物の塩味を増強することができるため、食品組成物の塩化ナトリウムの濃度を低減することができる。また、この塩味増強剤によれば、塩化カリウムの苦みを抑制することができるため、食品組成物中の塩化カリウムの含有量を増加することにより、塩化ナトリウムの含有量を低減することもできる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物の塩味増強剤。
【請求項2】
塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物と、ルイボス又はハニーブッシュを同時に摂取することを特徴とする、食品組成物の塩味増強方法。
【請求項3】
食肉、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、及び、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、食肉加工食品。
【請求項4】
前記ルイボスの含有量は、0.001~3.0質量%であることを特徴とする、請求項3に記載の食肉加工食品。
【請求項5】
前記塩化ナトリウムの濃度は、5.0質量%以下であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の食肉加工食品。
【請求項6】
ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、調味液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物の塩味増強剤及び塩味増強方法に関するものである。また、本発明は、減塩された食肉加工食品及び調味液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、健康増進を目的として、塩化ナトリウムの含有量を低減した食品組成物への需要が高まっている。しかし、塩化ナトリウムの含有量を低減すると、全体的な味のバランスが悪くなり、減塩前の食品組成物と比べて物足りない味気となる。
そこで、減塩した食品組成物の塩味を増強するため、種々の塩味増強剤が開発されている。例えば、特許文献1には、エリスリトールを有効成分とする塩味増強剤が開示されている。
また、減塩した食品組成物の塩味を補填するため、塩味を呈する塩化カリウムが塩化ナトリウムの代替として利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-143748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、エリスリトールを添加することにより、塩味が増強されるという効果が開示されているが、エリスリトールを添加すると、人工的な甘味が付与されるため、味のバランスが崩れるなどの問題がある。そのため、塩味を増強することのできる新たな素材が求められている。
そこで、本発明の課題は、塩味を増強するための新規な塩味増強剤及び塩味増強方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、ルイボス又はハニーブッシュを添加することによって、塩化ナトリウム又は塩化カリウムの塩味を増強するという知見に至り、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の塩味増強剤及び塩味増強方法、食肉加工食品、調味液である。
【0006】
上記課題を解決するための本発明の塩味増強剤は、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物の塩味増強剤である。
この塩味増強剤によれば、食品組成物の塩味を増強することができるため、食品組成物の塩化ナトリウムの濃度を低減することができる。また、この塩味増強剤によれば、塩化カリウムの苦みを抑制することができるため、食品組成物中の塩化カリウムの含有量を増加することにより、塩化ナトリウムの含有量を低減することもできる。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の塩味増強方法は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物と、ルイボス又はハニーブッシュを同時に摂取することを特徴とする、食品組成物の塩味増強方法である。
この塩味増強方法によれば、食品組成物の塩味を増強することができるため、食品組成物の塩化ナトリウムの濃度を低減することができる。また、この塩味増強方法によれば、塩化カリウムの苦みを抑制することができるため、食品組成物中の塩化カリウムの含有量を増加することにより、塩化ナトリウムの含有量を低減することもできる。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の食肉加工食品は、食肉、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、及び、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とするものである。
この食肉加工食品によれば、ルイボス又はハニーブッシュにより塩味が増強されることから、塩化ナトリウムの含有量を低減することができる。また、この食肉加工食品によれば、ルイボス又はハニーブッシュにより塩化カリウムの苦みが低減されるため、塩化カリウムの含有量を増加することにより、塩化ナトリウムの含有量を低減することができる。
【0009】
本発明の食肉加工食品の一実施態様としては、ルイボスの含有量は、0.001~3.0質量%であることを特徴とする。
この特徴によれば、塩味を増強するという本発明の効果を奏しつつ、さらに食肉加工食品の本来の味に対する影響が小さいという効果を奏する。
【0010】
本発明の食肉加工食品の一実施態様としては、塩化ナトリウムの濃度は、5.0質量%以下であることを特徴とする。
この特徴によれば、塩化ナトリウム濃度が低減された食肉加工食品を提供することができる。
【0011】
上記課題を解決するための本発明の調味液は、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、調味液である。
この調味液によれば、ルイボス又はハニーブッシュにより塩味が増強されることから、塩化ナトリウムの含有量を低減することができる。また、この調味液を用いることにより、減塩された食肉加工食品や漬物などを製造することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、塩味を増強するための新規な塩味増強剤及び塩味増強方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ルイボス又はハニーブッシュの添加による塩化ナトリウム水溶液に対する塩味増強効果を示すグラフである。
図2】ルイボス又はハニーブッシュの添加による塩化カリウム水溶液に対する塩味増強効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の塩味増強剤及び塩味増強方法、食品組成物について詳細に説明する。なお、実施態様に記載する事項については、本発明を説明するために例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。また、塩味増強剤及び塩味増強方法、食品組成物の各発明の説明において記載した技術的事項は、いずれの発明にも適用されるものである。
【0015】
<塩味増強剤>
本発明の塩味増強剤は、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とする、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物の塩味増強剤である。
ルイボス又はハニーブッシュは、塩化ナトリウム又は塩化カリウムの塩味を増強する作用があり、ルイボス又はハニーブッシュを、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物に添加することにより、食品組成物の塩味を増強することができる。そして、この塩味増強剤を利用することにより、食品組成物の塩味を増強することができるため、塩化ナトリウムの含有量を低減することができる。
また、ルイボス又はハニーブッシュは、塩化カリウムの苦みを抑制する作用も認められることから、塩化ナトリウムの代替として、塩化カリウムの含有量を増加することができる。
【0016】
本発明の塩味増強剤が適用される食品組成物としては、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品であれば特に制限されない。例えば、醤油、味噌、コンソメ、ドレッシング、マヨネーズ、ソース、ポン酢、ケチャップなどの調味料、バター、マーガリンなどの油脂加工食品、漬物、ミートソース、ビーフシチュー、ラーメン、ふりかけなどの塩分含有加工食品が挙げられる。また、ハム、ベーコン、ソーセージ、ハンバーグなどの食肉加工食品、ハムや漬物などの製造に利用する調味液などが挙げられる。
【0017】
塩味増強剤が適用される食品組成物中の塩化ナトリウムの濃度としては、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上である。塩化ナトリウムの濃度が高い食品組成物は、特に減塩が求められるものであるため、本発明の塩味増強剤を好適に利用することができる。また、塩化ナトリウムの含有量の上限値は、食品の種類によって適宜選択されるが、通常、20.0質量%以下であり、好ましくは10.0質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以下である。例えば、一般的な加熱ハムの場合、塩化ナトリウム濃度(塩分濃度)は1~2質量%程度であり、一般的な生ハムの場合、塩分濃度は4~5質量%程度である。また、一般的な淡口醤油の場合、塩分濃度は18質量%程度であり、一般的な濃口醤油の場合、塩分濃度は16質量%程度であり、一般的なうす塩醤油の場合、塩分濃度は12質量%程度であり、一般的な減塩醤油の場合、塩分濃度は9質量%程度である。
【0018】
食品組成物中の塩化カリウムの濃度としては、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上である。また、苦みを低減するという観点から、塩化カリウムの含有量の上限値は、好ましくは5.0質量%以下である。
【0019】
食品組成物には、塩化ナトリウムと塩化カリウムを含有してもよい。塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに代替することにより、塩化ナトリウムの含有量をより低減することができる。また、本発明の塩味増強剤によれば、塩化ナトリウム及び塩化カリウムの塩味を増強するだけでなく、塩化カリウムの苦みを抑制する効果もあることから、塩化カリウムの割合を増加することが可能となる。
【0020】
次に、本発明で用いるルイボス又はハニーブッシュについて、詳細に説明する。
[ルイボス]
ルイボス(学名:Aspalathus linearis)は、南アフリカ共和国北部セダルバーグ山脈一帯で生産されるマメ科のアスパラトゥス属の植物であり、飲料に使用される素材としては、通常、葉や枝が用いられる。ルイボスは、その茶葉はほのかに甘みがあり、フラボノイド(ポリフェノール)やミネラルを豊富に含み、カフェインを含まず、また、含まれるタンニンの濃度が非常に低いという特徴がある。
【0021】
[ハニーブッシュ]
ハニーブッシュ(学名:Cyclopia)は、マメ科の灌木であり、南アフリカ共和国の東ケープ州から西ケープ州に広がるフィンボス(Fynbos)と呼ばれる灌木の群生エリア内の、ごく限られたエリアにのみ生息する植物である。飲料に使用される素材としては、通常、葉、茎及び花が用いられる。ハニーブッシュは、その茶葉はほのかに甘みがあり、ポリフェノールを豊富に含み、カフェインを含まず、また、含まれるタンニンの濃度が非常に低いという特徴がある。
【0022】
ルイボス又はハニーブッシュの形態は、特に限定はされず、例えば、花、茎、葉、根茎、根皮、根、種子又は全草等を乾燥して粉砕し、粉末としてもよいし、抽出物として用いることもできる。また、葉、茎等を発酵処理したものでもよい。
【0023】
発酵処理は、葉、茎等のルイボス又はハニーブッシュの原料を細かく細断し、小高い丘状に積み上げ、水分を与えて6~8時間程度放置することにより行われる処理であり、葉を発酵すると、緑色から赤褐色へと変色する。発酵処理したルイボス又はハニーブッシュは市場から入手しやすく、コスト面、工業面で利点を有する。
【0024】
抽出物とは、例えば、花、茎、枝、葉、根茎、根皮、根、種子又は全草等から溶媒抽出、超臨界流体抽出、水蒸気蒸留等の蒸留法、圧搾等の周知の抽出方法により抽出後、周知のろ過方法によりろ過して得られる、ろ液に含まれた成分(エキス分)をいう。当該抽出物は抽出・ろ過により得られる物であればよく、揮発性成分、不揮発性成分、また、乾固により構造が変化する成分を含んでよい。また、その形態も液体、固体いずれも使用可能である。なお、抽出物の調製に使用するルイボス又はハニーブッシュの部位としては葉、茎、枝が好ましい。
【0025】
抽出処理に使用するルイボス又はハニーブッシュは、抽出効率を高めるという観点から乾燥物であることが好ましい。乾燥方法としては特に限定されないが、例えば、天日干し、風乾、加熱乾燥、真空乾燥、気流乾燥等が挙げられる。また、ルイボス又はハニーブッシュは、抽出処理の前に粗く破砕することが好ましい。破砕方法としては特に限定されないが、例えば、一軸型破砕機や二軸型破砕機等の破砕機を用いて破砕することができる。なお、抽出効率を高めることができるため、抽出の前処理として乾燥、粗破砕を行うことがより好ましい。
【0026】
ルイボス又はハニーブッシュの抽出に用いる溶媒の種類は特に限定されない。例えば、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、酢酸エチル、アセトン、エーテル類、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等を挙げることができ、これらの1種、又は2種以上を混合して用いることができる。なお、上記の抽出溶媒のうち、特に、水、エタノール又はこれらの混合物が好ましい。さらに、そのまま食品に添加することが可能であり、使いやすいという観点から、水により抽出した水性抽出物が特に好ましい。
【0027】
一方、エタノール含有溶媒を抽出に使用することにより、腐敗が生じにくいエタノール抽出物を得ることができる。このエタノール抽出物は、製造過程において、抽出液の濃縮時間が短い、抽出後の容器の洗浄性に優れる等の利点を有する。なお、エタノール含有溶媒としては、水とエタノールの混合溶媒が好ましく、この混合溶媒中のエタノールの含有量は、1~99体積%が好ましく、20~80体積%がさらに好ましく、40~60体積%が特に好ましい。
【0028】
抽出温度は、抽出溶媒の種類により適宜設定することができる。水で抽出する場合は、好ましくは5~100℃であり、より好ましくは30~98℃であり、さらに好ましくは60~95℃である。エタノール含有溶媒で抽出する場合は、好ましくは5~60℃であり、より好ましくは10~40℃である。
抽出時間は適宜設定することができるが、好ましくは1分間以上であり、より好ましくは10分間以上であり、さらに好ましくは30分間以上である。抽出時間の上限は特に限定されないが、水で抽出する場合には、抽出液が腐敗しないように、好ましくは24時間以内であり、より好ましくは3時間以内であり、さらに好ましくは2時間以内である。なお、エタノール含有溶媒で抽出する場合には、作業日数を考慮して適宜設定することができ、好ましくは1ヶ月以内、より好ましくは1週間以内である。
【0029】
抽出工程における抽出溶媒の使用量は、例えば、ルイボス又はハニーブッシュの重量に対して1~1000倍量である。また、最適な溶媒量は溶媒の種類に応じて適宜設定され、水の場合には、ルイボス又はハニーブッシュの重量に対して、好ましくは10~500倍量であり、より好ましくは20~300倍量である。エタノール含有溶媒の場合には、ルイボスの重量に対して、好ましくは5~500倍量であり、より好ましくは10~300倍量である。
【0030】
ルイボス又はハニーブッシュと抽出溶媒の混合物は、ろ過によりルイボス又はハニーブッシュの抽出液と残渣に分離される。ろ過工程では、目開きが0.05~5mmの範囲の篩いを複数種類使用し、目開きの大きい篩いから小さい篩いの順にろ過することが好ましい。最後の篩いの目開きは、0.05~0.2mmであることが好ましい。
【0031】
本発明で用いるルイボス又はハニーブッシュは、ルイボス又はハニーブッシュの抽出物を含む粉末組成物としてもよい。粉末組成物とすることにより、流通や計量等の取扱い性に優れるという利点がある。粉末組成物は、例えば、ルイボス又はハニーブッシュの抽出物(エキス分)を0.1~99重量%含有し、賦形剤を1~99.9重量%含有することができる。粉末組成物中におけるルイボス又はハニーブッシュの抽出物(エキス分)の含有量の下限値は、好ましくは30重量%以上であり、特に好ましくは40重量%以上である。一方、上限値は、粉末組成物の固結防止や、流動性の向上の観点から、好ましくは90重量%以下であり、特に好ましくは70重量%以下である。
【0032】
賦形剤とは、ルイボス又はハニーブッシュの抽出物(エキス分)を粉末状態に維持するために添加される不活性の添加剤であり、例えば、デキストリン、でんぷん、乳糖等が挙げられる。賦形剤は、1種でもよいし、2種以上を使用してもよい。
【0033】
粉末組成物は、ルイボス又はハニーブッシュの抽出液に賦形剤を添加後、この抽出液を乾燥することにより得ることができる。このとき、賦形剤の添加量を調整することにより、粉末組成物中のルイボス又はハニーブッシュの抽出物のエキス分含量を調整することができる。なお、賦形剤を添加する前にルイボス抽出液を濃縮することが好ましい。濃縮工程を設けることにより、効率的に乾燥することができる。乾燥方法としては、公知の乾燥手段により行えばよいが、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥等が挙げられる。なお、凍結乾燥等で処理された場合等、必要に応じて粉砕処理を行って粉末化してもよい。
【0034】
本発明の塩味増強剤の形態は、流通や使用の態様に合わせて適宜設定されるものであり、例えば、ルイボス又はハニーブッシュの乾燥茶葉、ルイボス又はハニーブッシュの植物体の粉砕物、ルイボス又はハニーブッシュの抽出液、ルイボス又はハニーブッシュの抽出物の粉末組成物、当該粉末組成物の顆粒剤又は錠剤などが挙げられる。
【0035】
<塩味増強方法>
本発明の塩味増強方法は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを含有する食品組成物と、ルイボス又はハニーブッシュを同時に摂取することを特徴とする、食品組成物の塩味増強方法である。
この塩味増強方法によれば、食品組成物の塩味を増強することができるため、食品組成物の塩化ナトリウムの濃度を低減することができる。また、この塩味増強方法によれば、塩化カリウムの苦みを抑制することができるため、食品組成物中の塩化カリウムの含有量を増加することにより、塩化ナトリウムの含有量を低減することもできる。
【0036】
食品組成物とルイボス又はハニーブッシュを同時に摂取する手段としては、食品組成物にルイボス又はハニーブッシュを添加して同時に摂取してもよいし、食品組成物とルイボス又はハニーブッシュを別々に同時に摂取してもよい。ここで、「別々に同時に摂取」とは、食事中に、食品組成物とルイボス又はハニーブッシュを一緒に喫食するという概念であり、例えば、食品組成物を咀嚼しながらルイボス又はハニーブッシュを口中に含む場合や、ルイボス又はハニーブッシュを摂取後すぐに食品組成物を喫食する場合などが挙げられる。
【0037】
本発明の塩味増強方法において、ルイボス又はハニーブッシュを食品組成物と別々に同時に摂取しても塩味を増強する作用が認められる理由は、ルイボス又はハニーブッシュの香気成分が官能的に刺激し、塩味を増強して感じると推察される。
【0038】
本発明の塩味増強方法において、食品組成物にルイボスを添加する場合、ルイボスの添加量としては、特に制限されないが、例えば、食品組成物100質量部に対して、ルイボス抽出物(エキス分)として0.001質量部以上、0.5質量部以下である。下限値として、好ましくは0.005質量部以上であり、より好ましくは0.01質量部以上である。上限値として、好ましくは0.1質量部以下である。0.001質量部以上の場合、食品組成物の塩味を増強するという本発明の効果を一層発揮する。0.5質量部以下の場合、食品組成物の本来の味に対して影響が小さいという効果がある。
【0039】
本発明の塩味増強方法において、食品組成物にハニーブッシュを添加する場合、ハニーブッシュの添加量としては、特に制限されないが、例えば、食品組成物100質量部に対して、ハニーブッシュ抽出物(エキス分)として0.001質量部以上、0.5質量部以下である。下限値として、好ましくは0.005質量部以上であり、より好ましくは0.01質量部以上である。上限値として、好ましくは0.1質量部以下である。0.001質量部以上の場合、食品組成物の塩味を増強するという本発明の効果を一層発揮する。0.5質量部以下の場合、食品組成物の本来の味に対して影響が小さいという効果がある。
【0040】
<食品組成物>
本発明の食品組成物は、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、及び、ルイボス又はハニーブッシュを含有する食品であり、好ましくは、減塩を目的とする減塩食品組成物である。本発明における「減塩食品組成物」とは、塩濃度が一般的な食品より低減されて設計されたものであり、商品パッケージ等において、「減塩」や「塩分ひかえめ」など、表示を付して販売する商品である。
【0041】
食品組成物の具体例としては、例えば、醤油、味噌、コンソメ、ドレッシング、マヨネーズ、ソース、ポン酢、ケチャップなどの調味料、バター、マーガリンなどの油脂加工食品、漬物、ミートソース、ビーフシチュー、ラーメン、ふりかけなどの塩分含有加工食品が挙げられる。また、ハム、ベーコン、ソーセージ、ハンバーグなどの食肉加工食品、ハムや漬物などの製造に利用する調味液などが挙げられる。これらの食品組成物は、ルイボス又はハニーブッシュを含有することにより、塩分濃度を低減することができる。
【0042】
(食肉加工食品)
本発明の食肉加工食品は、食肉、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、及び、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とするものである。
食肉加工食品としては、主として食肉を含有する加工食品であり、例えば、ハム、ベーコン、ソーセージ、ビーフジャーキー、ローストチキン、コーンドビーフ、ハンバーグ、ミートボール、生ハム、ラックスハムなどの食肉製品が挙げられる。また、食肉加工食品は、食肉製品以外にも、生ハンバーグなどの食肉部分が生の状態のものや、焼き鳥、とんかつ、肉の佃煮などの惣菜などでもよい。食肉加工食品中の食肉の含有量は、特に制限されないが、例えば、10質量%以上であり、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは70質量%以上である。
【0043】
食肉製品は、食品別の規格基準に基づいて、乾燥食肉製品、非加熱食肉製品、特定加熱食肉製品、加熱食肉製品に大別される。乾燥食肉製品は、乾燥させた食肉製品であり、例えば、サラミソーセージ等が挙げられる。非加熱食肉製品は、食肉を塩漬けした後、燻煙し、又は乾燥させ、かつ、その中心部の温度を63℃で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法による加熱殺菌を行っていない食肉製品であり(ただし、乾燥食肉製品を除く。)、例えば、生ハム、ラックスハム等が挙げられる。特定加熱食肉製品は、その中心部の温度を63℃で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法以外の方法による加熱殺菌を行った食肉製品であり(ただし、乾燥食肉製品及び非加熱食肉製品を除く。)、例えば、ローストビーフ等が挙げられる。加熱食肉製品は、乾燥食肉製品、非加熱食肉製品及び特定加熱食肉製品以外のものであり、例えば、ベーコン、ローストハム等が挙げられる。
【0044】
本発明で用いる食肉は特に限定されない。例えば、家禽、家畜、野生鳥獣(狩猟肉、ジビエ)、魚類、魚介類、海洋哺乳類等でもよい。入手のしやすさから家禽、家畜、魚類、魚介類が適しており、より具体的には、鶏、鴨、七面鳥、牛、豚、羊、馬、サンマ、マグロ、イカ、タコ等が挙げられる。野生鳥獣の具体例としては、例えば、猪、鹿、熊等が挙げられる。海洋哺乳類の具体例としては、例えば、クジラが挙げられる。また、原料とする家禽、家畜、野生鳥獣、魚類、魚介類、海洋哺乳類の部位としては、特に限定されるものではなく、例えば、肉、皮、軟骨、スジ、内臓等でもよい。
【0045】
本発明で用いる食肉原料の状態は、特に限定されるものではなく、例えば、保存、解凍、整形したものでもよい。また、これらの食肉原料は、1種類でもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらに食肉の形状を加工する処理方法は、特に限定されるものではなく、例えば、カット、スライス、ほぐす、裂く等でもよい。また、食肉原料によっては、小塊等原形の形態そのままであってもよい。加工処理された食肉原料の形状は、特に限定されるものではない。食肉原料の形状の具体例としては、例えば、ミンチ状、ブロック状、シート状、チップ状、バー状、くさび形形状、不定形乱切り状等が挙げられる。
【0046】
塩化ナトリウム又は塩化カリウムは、どのような形態で含有してもよく、例えば、調味液などに溶解した水溶液として含有してもよいし、岩塩などの固体として含有してもよい。また、食肉加工食品には、塩化ナトリウムと塩化カリウムを含有してもよい。
【0047】
食肉加工食品中の塩化ナトリウムの濃度としては、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上である。また、減塩を実現するという観点から、塩化ナトリウムの含有量の上限値は、好ましくは6.0質量%以下である。
【0048】
食肉加工食品が乾燥食肉製品又は非加熱食肉製品の場合には、塩化ナトリウムの含有量の上限値は、好ましくは6.0質量%以下であり、より好ましくは5.5質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以下であり、特に好ましくは4.5質量%以下である。
【0049】
食肉加工食品が特定加熱食肉製品又は加熱食肉製品の場合には、塩化ナトリウムの含有量の上限値は、好ましくは2.5質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%であり、特に好ましくは1.0質量%以下である。
【0050】
本発明の食肉加工食品が非加熱ハム(生ハム、ラックスハムなど)の場合、塩化ナトリウムの含有量の上限値は、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは4.5質量%以下であり、さらに好ましくは4.0質量%以下であり、特に好ましくは3.5質量%以下である。
また、本発明の食肉加工食品が加熱ハム(ローストハムなど)の場合、塩化ナトリウムの含有量の上限値は、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%であり、特に好ましくは0.5質量%以下である。
この塩化ナトリウムの含有量とすることにより、減塩を目的とする減塩食品組成物を提供することができる。
【0051】
食肉加工食品中の塩化カリウムの濃度としては、特に制限されないが、例えば、0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは1.0質量%以上である。また、苦みを低減するという観点から、塩化カリウムの含有量の上限値は、好ましくは5.0質量%以下である。
【0052】
食肉加工食品中のルイボスの含有量は、特に制限されないが、例えば0.001~3.0質量%である。下限値としては、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。上限値としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。
ルイボスの含有量を増加することにより、塩味を増強するという本発明の効果が一層発揮され、ルイボスの含有量を低減することにより、食肉加工食品の本来の味に対する影響が小さくなるという効果を奏する。
【0053】
食肉加工食品中のハニーブッシュの含有量は、特に制限されないが、例えば0.001~3.0質量%である。下限値としては、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.05質量%以上である。上限値としては、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。
ハニーブッシュの含有量を増加することにより、塩味を増強するという本発明の効果が一層発揮され、ハニーブッシュの含有量を低減することにより、食肉加工食品の本来の味に対する影響が小さくなるという効果を奏する。
【0054】
本発明の食肉加工食品には、食肉、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、ルイボス又はハニーブッシュ以外の成分を含有してもよい。例えば、食肉の代替として大豆たんぱく等の植物性たんぱくを添加してもよい。
また、食肉加工食品の風味等を向上させる調味料を添加してもよい。調味料としては、例えば、砂糖、酢、しょう油、味噌、みりん、アミノ酸、肉エキス、野菜エキス、香辛料、着色料、酸化防止剤等が挙げられる。これらの調味料は、調味液として添加してもよい。なお、調味液には、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、ルイボス又はハニーブッシュを含有してもよい。
食肉加工食品への調味液の添加方法としては、特に制限されないが、食肉を調味液に浸漬する手段や、食肉に調味液を注入(インジェクション)する手段などが挙げられる。
【0055】
(調味液)
本発明の調味液は、ルイボス又はハニーブッシュを含有することを特徴とするものである。
調味液は、調味料を含有する水溶液であり、食品素材に味付けをするために利用されるものである。例えば、ハムなどの食肉加工食品の調味に使用する調味液や、野菜などの浅漬けに使用する調味液や、うどんやそばのつゆに利用するだし醤油や、すき焼きのたれに利用する割り下などが挙げれる。この調味液によれば、ルイボス又はハニーブッシュにより塩味が増強されることから、塩化ナトリウムの含有量を低減することができる。また、この調味液を用いることにより、減塩された食品組成物を製造することができる。
【0056】
なお、調味液中におけるルイボス又はハニーブッシュの含有量は、調味液の使用時の希釈率を考慮して、食品組成物における好適な含有量に調整すればよい。
【実施例0057】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0058】
[試験例1]
1%塩化ナトリウム(NaCl)水溶液又は1%塩化カリウム(KCl)水溶液の試験液に、ルイボス又はハニーブッシュを添加し、味覚センサーによりルイボス又はハニーブッシュの塩味増強効果について評価した。
【0059】
試験液として、以下の試験液1A~1C、2A~2Cを調製した。なお、試験液における濃度は、質量体積パーセント(w/v%)を示す。
(試験液1A)コントロール:1%NaCl水溶液
(試験液1B)ルイボス:1%NaCl、0.075%ルイボスを含む水溶液
(試験液1C)ハニーブッシュ:1%NaCl水溶液、10%ハニーブッシュを含む水溶液
(試験液2A)コントロール:1%KCl水溶液
(試験液2B)ルイボス:1%KCl、0.075%ルイボスを含む水溶液
(試験液2C)ハニーブッシュ:1%KCl水溶液、10%ハニーブッシュを含む水溶液
【0060】
ルイボスは、発酵処理したルイボスの茶葉約2.5gを500mLの沸騰水で5分間抽出することによりルイボスの水性抽出物として調製した。ルイボスの濃度は、濃縮又は加水により適宜調整した。
ハニーブッシュは、発酵処理したハニーブッシュの茶葉約2.5gを500mLの沸騰水で5分間抽出することによりハニーブッシュの水性抽出物として調製した。ハニーブッシュの濃度は、濃縮又は加水により適宜調整した。
なお、水性抽出物中におけるルイボス又はハニーブッシュの濃度は、水性抽出物を乾固することにより残留したエキス分の重量から算出した。
【0061】
上記試験液について、味覚センサー(味認識装置TS-5000Z、株式会社インテリジェントセンサーテクノロジー)の塩味センサー(CT0)を用いて評価し、出力値を比較した。結果を図1図2に示す。
図1を見ると、1%NaCl水溶液にルイボス又はハニーブッシュを添加することにより、塩味が増強されることが分かった。
図2を見ると、1%KCl水溶液にルイボス又はハニーブッシュを添加することにより、塩味が増強されることが分かった。また、KClの場合、ハニーブッシュの添加により特に塩味が増強されることが分かった。
【0062】
[試験例2]
モデルハムにルイボスを添加し、官能評価によりルイボスの塩味増強効果について評価した。
(1)NaClに対する塩味増強効果
表1に示す配合で、モデルハム3A、3Bを作製した。詳細には、豚ひき肉50gに調味液10gを加え、三方袋に真空密封した。次いで、ウォーターバスを用いて75℃で30分間加熱した。その後、氷水に入れ、30分間冷却処理することで、種々のNaCl濃度のモデルハムを作製した。NaClの濃度は0.1%間隔で作製し、差分は精製水で調整した。なお、モデルハムの配合における濃度は、質量パーセント(w/w%)を示す。
【0063】
【表1】
【0064】
モデルハム3A及び3Bについて官能評価試験を行った。官能評価試験は、訓練されたパネラー5名が食べた時に塩味の強さについて評価した。評価基準は、NaCl濃度が2.0%~1.1%のモデルハム3Aを10点~1点の基準に設定して、モデルハム3Bの塩味の強さを点数で評価した。なお、モデルハム3Bの塩味の強さの評価は、5名のパネラーの平均点である。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
表2に示すとおり、すべてのNaCl濃度において、ルイボスを含有するモデルハム3Bは、ルイボスを含有しないモデルハム3Aより塩味が増強されていることがわかる。換言すると、ルイボスを含有することにより、塩濃度を減少することができる。例えば、NaClの濃度が1.2%であるモデルハム3Aと同程度の塩味(評価2)を得るためには、ルイボスを含有するモデルハム3Bであれば、NaClの濃度を1.1%程度まで減少することができる。
【0067】
(2)KClに対する塩味増強効果
表3に示す配合で、モデルハム4A、4Bを作製した。モデルハムの作製は、モデルハム3A、3Bと同様に行った。
【0068】
【表3】
【0069】
モデルハム4A及び4Bについて官能評価試験を行った。官能評価試験は、訓練されたパネラー5名が食べた時に塩味の強さについて評価した。評価基準は、KCl濃度が1.3%と1.2%のモデルハム4Aを2点と1点の基準に設定して、モデルハム4Bの塩味の強さを点数で評価した。KCl濃度が1.3%のモデルハムよりも塩味が強いと評価した場合は3点とした。なお、モデルハム4Bの塩味の強さの評価は、5名のパネラーの平均点である。結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
表4に示すとおり、すべてのKCl濃度において、ルイボスを含有するモデルハム4Bは、ルイボスを含有しないモデルハム4Aより塩味が増強されていることがわかる。換言すると、ルイボスを含有することにより、KCl濃度を減少することができることから、KClに起因する苦みを抑制することにもなる。
【0072】
[試験3]
上記試験例2に記載のモデルハム3A(ルイボス無添加)と、ルイボスの水性抽出物を別々に同時に摂取した。具体的には、水で適切に希釈したルイボスの水性抽出物を摂取後、続けてモデルハム3Aを喫食した場合と、モデルハム3Aのみを喫食した場合を比較した。その結果、ルイボスの水性抽出物の摂取後にモデルハム3Aを喫食した場合の方が、塩味が増強されていた。この結果から、本発明の塩味増強剤の効果は、食品組成物に混合して同時に摂取しても、食品組成物と別々に同時に摂取しても効果を発揮することがわかる。また、別々に摂取しても効果があることから、ルイボスが塩分に対して作用するのではなく、ルイボスの成分が官能的に塩味を増強することが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の塩味増強剤及び塩味増強方法は、食品組成物の塩味を増強することができるため、食品組成物の減塩に利用することができる。特に、食肉加工食品や調味液などの食品組成物に好適に利用することができる。

図1
図2