(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149439
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
B06B 1/04 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058015
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】土橋 将生
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA16
5D107CC09
5D107CC10
(57)【要約】
【課題】アクチュエータのケースに対するコイルホルダのガタつきを抑制し、コイルホルダの位置精度を高め、ケースの外形寸法の精度低下を抑制する。
【解決手段】アクチュエータ1は、磁石7を備える可動体5と、ケース2、コイルホルダ17、およびコイル10を備える支持体3と、接続体4を備える。コイルホルダ17は第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16の2部品からなる。ケース2は、可動体5にZ1方向から対向する第1端板部31と、第1端板部31のY方向の両端に配置される第1ケース第1側板部32および第1ケース第2側板部33を備える。第1端板部31に形成した第1切り起こし部36と第1ケース第1側板部32との間、および、第2切り起こし部37と第1ケース第2側板部33との間に、それぞれ、コイルホルダ17の第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162を挟んで位置決めする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動体と、
前記可動体を収容する金属製のケースおよび樹脂製のコイルホルダを備える支持体と、
前記可動体および前記支持体に接続される接続体と、
前記コイルホルダに保持されるコイルおよび前記コイルに第1方向で対向する磁石を備え、前記可動体を前記支持体に対して前記第1方向に交差する第2方向に振動させる磁気駆動回路と、を有し、
前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、
前記コイルホルダは、前記コイルに対して前記第3方向の一方側において前記第1方向に延びる第1ホルダ側板部を備え、
前記ケースは、前記可動体に前記第1方向の一方側から対向する第1端板部を備える第1ケース部材と、前記可動体に前記第1方向の他方側から対向する第2端板部を備える第2ケース部材と、を備え、
前記第1ケース部材は、前記第1端板部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第1側板部と、前記第1ケース第1側板部の前記第3方向の他方側において前記第1端板部から前記第1方向の他方側に切り起こした第1切り起こし部を備え、
前記第1ホルダ側板部の前記第1方向の一方側の端部は、前記第1ケース第1側板部と前記第1切り起こし部との間に挟まれていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記第1ホルダ側板部と前記第1端板部の一方側部材は、前記第1方向に突出する第1位置決め凸部を備え、
前記第1ホルダ側板部と前記第1端板部の他方側部材は、前記第1位置決め凸部が嵌まる第1位置決め穴を備えることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記コイルホルダは、
前記コイルに対して前記第3方向の一方側に配置される第1コイル保持部、および、前記第1コイル保持部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向へ延びる前記第1ホルダ側板部を備える第1ホルダ部材と、
前記コイルに対して前記第3方向の他方側に配置される第2コイル保持部、および、前記第2コイル保持部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向へ延びる第2ホルダ側板部を備える第2ホルダ部材と、を備え、
前記第1ケース部材は、前記第1端板部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第2側板部と、前記第1ケース第2側板部の前記第3方向の一方側において前記第1端板部から前記第1方向の他方側に切り起こした第2切り起こし部を備え、
前記第2ホルダ側板部の前記第1方向の一方側の端部は、前記第1ケース第2側板部と前記第2切り起こし部との間に挟まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記第2ホルダ側板部と前記第1端板部の一方側部材は、前記第1方向に突出する第2位置決め凸部を備え、
前記第2ホルダ側板部と前記第1端板部の他方側部材は、前記第2位置決め凸部が嵌まる第2位置決め穴を備えることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記可動体は、前記磁石を保持するヨークを備え、
前記ヨークは、前記コイルに前記第1方向の一方側から対向する第1対向部、および、前記コイルに前記第1方向の他方側から対向する第2対向部を備え、前記第1対向部と前記第2対向部の少なくとも一方に前記磁石が固定され、
前記第1切り起こし部と前記第2切り起こし部は、前記第1対向部に前記第3方向の両側から対向して前記ヨークの前記第3方向の可動範囲を規定する第1ストッパ部を備えることを特徴とする請求項3または4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1ケース部材は、前記第1端板部の前記第2方向の一方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第3側板部と、前記第1端板部の前記第2方向の他方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第4側板部を備え、
前記ヨークは、前記コイルの前記第2方向の両側において前記第1方向に延びて前記第1対向部と前記第2対向部とを接続する一対の接続部、および、前記一対の接続部の前記第3方向の両側において前記第1対向部の前記第2方向の両端から前記第1方向の他方側へ延びる一対の第1立ち上がり部を備え、
前記第1ケース第3側板部および前記第1ケース第4側板部は、前記一対の第1立ち上がり部の前記第2方向の両側に配置されて前記ヨークの前記第2方向の可動範囲を規定する第2ストッパ部を備えることを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記支持体は、
前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の一方側から重なる金属製の第1プレートと、
前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の他方側から重なる金属製の第2プレートと、を備え、
前記接続体は、前記第1対向部と前記第1プレートとを接続する第1接続体、および、前記第2対向部と前記第2プレートとを接続する第2接続体を備えることを特徴とする請求項5または6に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記第2ケース部材は、前記第2端板部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる前記第2ケース第1側板部、および、前記第2端板部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる前記第2ケース第2側板部を備え、
前記第1ホルダ側板部は、前記第2ケース第1側板部の先端が前記第1方向の他方側から当接する第1受け部を備え、
前記第2ホルダ側板部は、前記第2ケース第2側板部の先端が前記第1方向の他方側から当接する第2受け部を備えることを特徴とする請求項3から7の何れか一項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体を振動させるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁石を備えた可動体と、コイルを備えた支持体とを備え、コイルに駆動電流を流すことにより、可動体を支持体に対して振動させるアクチュエータが開示される。この種のアクチュエータは、支持体と可動体とを接続する接続体として弾性体や粘弾性体を用いる。可動体を振動させると、接続体を介して可動体の振動に対応する反力が支持体に加わる。その結果、支持体に触れたユーザは振動を体感することができる。
【0003】
特許文献1のアクチュエータでは、支持体は、アクチュエータの外形を規定する金属製のケースと、樹脂製のコイルホルダを備える。コイルは空芯コイルであり、コイルホルダに設けられたコイル配置穴に配置される。可動体は、コイルに一方側から対向する第1ヨークと、コイルに他方側から対向する第2ヨークを備えており、第1ヨークおよび第2ヨークにそれぞれ磁石が固定される。
【0004】
特許文献1のアクチュエータにおいて、ケースは、コイルホルダに一方側から被さる第1ケース部材と、コイルホルダに他方側から被さる第2ケース部材を備える。コイルホルダは、コイル配置穴が設けられた板部の外縁に形成される側板部を備える。金属板を曲げて製造した第1ケース部材と第2ケース部材の内側に側板部を組み付けることにより、ケースとコイルホルダが組み立てられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、金属製のケースと樹脂製のコイルホルダを備えるアクチュエータでは、部品の寸法公差を考慮してケースとコイルホルダの組み付け不可が発生しないように部品間に隙間ができる寸法に設計していた。しかしながら、ケースとコイルホルダとのガタつきが生じやすく、ケースに対するコイルホルダの位置精度が低下してアクチュエータの振動特性にばらつきが発生するという問題がある。一方、ケースにコイルホルダを圧入して位置決めすることによりガタつきをなくす構成が提案されているが、ケースの変形によりアクチュエータの外形の寸法精度が低下するという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、以上の問題点に鑑みて、アクチュエータのケースに対するコイルホルダのガタつきを抑制し、コイルホルダの位置精度を高めるとともに、ケースの外形寸法の精度低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明のアクチュエータは、可動体と、前記可動体を収容する金属製のケースおよび樹脂製のコイルホルダを備える支持体と、前記可動体および前記支持体に接続される接続体と、前記コイルホルダに保持されるコイルおよび前記コイルに第1方向で対向する磁石を備え、前記可動体を前記支持体に対して前記第1方向に交差する第2方向に振動させる磁気駆動回路と、を有し、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、前記コイルホルダは、前記コイルに対して
前記第3方向の一方側において前記第1方向に延びる第1ホルダ側板部を備え、前記ケースは、前記可動体に前記第1方向の一方側から対向する第1端板部を備える第1ケース部材と、前記可動体に前記第1方向の他方側から対向する第2端板部を備える第2ケース部材と、を備え、前記第1ケース部材は、前記第1端板部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第1側板部と、前記第1ケース第1側板部の前記第3方向の他方側において前記第1端板部から前記第1方向の他方側に切り起こした第1切り起こし部を備え、前記第1ホルダ側板部の前記第1方向の一方側の端部は、前記第1ケース第1側板部と前記第1切り起こし部との間に挟まれていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、アクチュエータのケースとコイルホルダは、コイルホルダの第3方向の端に設けられた側板部(第1ホルダ側板部)を、ケースの第3方向の端に設けられた側板部(第1ケース第1側板部)とその内側に配置される第1切り起こし部との間に挟むことにより位置決めされる。従って、ケースに対するコイルホルダの第3方向のガタつきを抑制できる。また、ケースの側板部を基準としてコイルホルダを位置決めできるので、ケースに対するコイルの第3方向の位置精度を高めることができる。さらに、ケースの内側に設けた切り起こし部を位置決めに使用するので、コイルホルダの位置決めに伴うケースの側板部(第1ケース第1側板部)の変形を抑制できる。従って、ケースの第3方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0010】
本発明において、前記第1ホルダ側板部と前記第1端板部の一方側部材は、前記第1方向に突出する第1位置決め凸部を備え、前記第1ホルダ側板部と前記第1端板部の他方側部材は、前記第1位置決め凸部が嵌まる第1位置決め穴を備えることが好ましい。このように、第1方向の凹凸を嵌合させることにより、ケースに対するコイルホルダの第2方向のガタつきを抑制できるとともに、ケースに対するコイルホルダの第2方向の位置精度を高めることができる。また、コイルホルダの側板部(第1ホルダ側板部)とケースとの間に第2方向の隙間を設けることができるので、ケースの第2方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0011】
本発明において、前記コイルホルダは、前記コイルに対して前記第3方向の一方側に配置される第1コイル保持部、および、前記第1コイル保持部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向へ延びる前記第1ホルダ側板部を備える第1ホルダ部材と、前記コイルに対して前記第3方向の他方側に配置される第2コイル保持部、および、前記第2コイル保持部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向へ延びる第2ホルダ側板部を備える第2ホルダ部材と、を備え、前記第1ケース部材は、前記第1端板部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第2側板部と、前記第1ケース第2側板部の前記第3方向の一方側において前記第1端板部から前記第1方向の他方側に切り起こした第2切り起こし部を備え、前記第2ホルダ側板部の前記第1方向の一方側の端部は、前記第1ケース第2側板部と前記第2切り起こし部との間に挟まれていることが好ましい。
【0012】
このように、コイルホルダを第3方向に分割して2部材に分けることにより、コイルの第2方向の両側を覆う部分が不要になるので、アクチュエータの第2方向の外形寸法を小型化できる。あるいは、アクチュエータの外形を大きくすることなくコイルを大型化でき、磁気駆動回路の推力を増大させて大きな振動を発生させることができる。また、第1ホルダ側板部と第2ホルダ側板部は、それぞれ、ケースの第3方向の両端においてケースの側板部とその内側に設けられた切り起こし部との間に挟まれて位置決めされる。従って、コイルホルダを2部材に分けた場合でも、ケースに対するコイルホルダの第3方向のガタつきを抑制できるとともに、ケースに対するコイルの第3方向の位置精度を高めることができる。また、ケースの第3方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0013】
本発明において、前記第2ホルダ側板部と前記第1端板部の一方側部材は、前記第1方向に突出する第2位置決め凸部を備え、前記第2ホルダ側板部と前記第1端板部の他方側部材は、前記第2位置決め凸部が嵌まる第2位置決め穴を備えることが好ましい。このようにすると、ケースに対する第1ホルダ部材および第2ホルダ部材の第2方向のガタつきを抑制できるとともに、ケースに対する第1ホルダ部材および第2ホルダ部材の第2方向の位置精度を高めることができる。また、ケースの第2方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0014】
本発明において、前記可動体は、前記磁石を保持するヨークを備え、前記ヨークは、前記コイルに前記第1方向の一方側から対向する第1対向部、および、前記コイルに前記第1方向の他方側から対向する第2対向部を備え、前記第1対向部と前記第2対向部の少なくとも一方に前記磁石が固定され、前記第1切り起こし部と前記第2切り起こし部は、前記第1対向部に前記第3方向の両側から対向して前記ヨークの前記第3方向の可動範囲を規定する第1ストッパ部を備えることが好ましい。このようにすると、落下等の衝撃により可動体が振動方向と異なる第3方向に大きく動いてアクチュエータが壊れるおそれを少なくすることができる。また、コイルホルダを位置決めするための切り起こし部をストッパとして兼用できるので、部品形状を簡素化できる。
【0015】
本発明において、前記第1ケース部材は、前記第1端板部の前記第2方向の一方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第3側板部と、前記第1端板部の前記第2方向の他方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる第1ケース第4側板部を備え、前記ヨークは、前記コイルの前記第2方向の両側において前記第1方向に延びて前記第1対向部と前記第2対向部とを接続する一対の接続部、および、前記一対の接続部の前記第3方向の両側において前記第1対向部の前記第2方向の両端から前記第1方向の他方側へ延びる一対の第1立ち上がり部を備え、前記第1ケース第3側板部および前記第1ケース第4側板部は、前記一対の第1立ち上がり部の前記第2方向の両側に配置されて前記ヨークの前記第2方向の可動範囲を規定する第2ストッパ部を備えることが好ましい。このようにすると、落下等の衝撃により可動体が振動方向に過度に大きく動いてアクチュエータが壊れるおそれを少なくすることができる。また、ヨークの重量を大きくするために設けた立ち上がり部をストッパとして兼用できるので、部品形状を簡素化できる。
【0016】
本発明において、前記支持体は、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の一方側から重なる金属製の第1プレートと、前記コイル、前記第1コイル保持部、および前記第2コイル保持部に前記第1方向の他方側から重なる金属製の第2プレートと、を備え、前記接続体は、前記第1対向部と前記第1プレートとを接続する第1接続体、および、前記第2対向部と前記第2プレートとを接続する第2接続体を備えることが好ましい。このようにすると、第1プレートと第2プレートによってコイルを保護できるので、磁石との衝突によりコイルが損傷するおそれが少ない。また、第1プレートと第2プレートの間に第1ホルダ部材、第2ホルダ部材、およびコイル10を保持させることによりコイル組として取り扱うことができるので、コイルホルダを2部材に分割した場合でも、アクチュエータ1の組立容易性の低下を抑制できる。また、ヨークの内側に接続体を配置してコイル組とヨークとを接続できる。従って、ケースとヨークとの隙間に接続体を配置するスペースを確保する必要がないので、アクチュエータの第1方向の寸法を小さくすることができる。
【0017】
本発明において、前記第2ケース部材は、前記第2端板部の前記第3方向の一方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる前記第2ケース第1側板部、および、前記第2端板部の前記第3方向の他方側の端から前記第1方向の他方側へ延びる前記第2ケース第2側板部を備え、前記第1ホルダ側板部は、前記第2ケース第1側板部の先端が前記第1方向の他方側から当接する第1受け部を備え、前記第2ホルダ側板部は、前記第2ケース第2側
板部の先端が前記第1方向の他方側から当接する第2受け部を備えることが好ましい。このようにすると、樹脂製のコイルホルダに対して、第1ケース部材と第2ケース部材がZ方向に当接させて位置決めされる。従って、第1ケース部材と第2ケース部材のZ方向の位置精度を高めることができる。よって、ケースのZ方向の外形寸法の精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、アクチュエータのケースとコイルホルダは、コイルホルダの第3方向の端に設けられた側板部(第1ホルダ側板部)を、ケースの第3方向の端に設けられた側板部(第1ケース第1側板部)とその内側に配置される第1切り起こし部との間に挟むことにより位置決めされる。従って、ケースに対するコイルホルダの第3方向のガタつきを抑制できる。また、ケースの側板部を基準としてコイルホルダを位置決めできるので、ケースに対するコイルの第3方向の位置精度を高めることができる。さらに、ケースの内側に設けた切り起こし部を位置決めに使用するので、コイルホルダの位置決めに伴うケースの側板部(第1ケース第1側板部)の変形を抑制できる。従って、ケースの第3方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明を適用したアクチュエータをZ2方向およびZ1方向から見た斜視図である。
【
図2】アクチュエータを長手方向に切断した場合の断面図(
図1(a)のA-A位置で切断した断面図)である。
【
図3】アクチュエータを長手方向と直交する方向に切断した場合の断面図(
図1(a)のB-B位置で切断した断面図)である。
【
図4】ケースから可動体およびコイル組を取り外した状態を示す分解斜視図である。
【
図5】Z2方向から見た可動体およびコイル組の分解斜視図である。
【
図6】Z1方向から見た可動体およびコイル組の分解斜視図である。
【
図7】第1切り起こし部および第2切り起こし部の位置で切断したアクチュエータの断面図(
図1(a)のC-C位置で切断した断面図)である。
【
図8】第1ケース部材とコイル組をZ1方向から見た分解斜視図である。
【
図9】第2ケース部材を取り外したアクチュエータをZ2方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したアクチュエータの実施形態を説明する。
【0021】
(全体構成)
図1(a)は、本発明を適用したアクチュエータ1をZ2方向から見た斜視図である。
図1(b)は、本発明を適用したアクチュエータ1をZ1方向から見た斜視図である。
図2は、アクチュエータ1を長手方向に切断した場合の断面図であり、
図1(a)のA-A位置で切断した断面図である。
図3は、アクチュエータ1を長手方向と直交する方向に切断した場合の断面図であり、
図1(a)のB-B位置で切断した断面図である。
図4は、ケース2から可動体5およびコイル組13を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図5は、Z2方向から見た可動体5およびコイル組13の分解斜視図である。
図6は、Z1方向から見た可動体5およびコイル組13の分解斜視図である。
【0022】
アクチュエータ1は、振動によって情報を伝達する触覚デバイスとして用いられる。
図1(a)、
図1(b)に示すように、アクチュエータ1の外形は直方体形状である。アクチュエータ1は、その外形の短手方向に振動を発生させる。以下の説明では、振動が発生する短手方向をX方向(第2方向)、アクチュエータ1の長手方向であってX方向と直交
する方向をY方向(第3方向)とし、アクチュエータ1の厚み方向(高さ方向)であって、X方向およびY方向と直交する方向をZ方向(第1方向)とする。また、X方向の一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。Y方向の一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。Z方向の一方側をZ1方向、他方側をZ2方向とする。
【0023】
図1-
図4に示すように、アクチュエータ1は、外形を規定するケース2を備える支持体3と、ケース2の内部に収容される可動体5を有する。また、アクチュエータ1は、支持体3と可動体5とを接続する接続体4と、可動体5を支持体3に対してX方向に相対移動させる磁気駆動回路6(
図2、
図3参照)を備える。
【0024】
(支持体)
支持体3は、ケース2およびコイル組13を備える。
図2、
図3、
図5、
図6に示すように、コイル組13は、コイル10と、コイル10のZ1方向に重ねられた第1プレート11と、コイル10のZ2方向に重ねられた第2プレート12を備える。第1プレート11および第2プレート12は、非磁性の金属からなる。
【0025】
図2、
図3に示すように、コイル10は、ケース2のZ方向の中央に位置する。コイル10は扁平な空芯コイルであり、その厚み方向をZ方向に向けている。
図5、
図6に示すように、コイル10は、Y方向に長い長円状であり、Y方向に平行に延びる一対の長辺部10a、10bを備える。一対の長辺部10a、10bの間には、Y方向に延びる中心穴10cが設けられている。
【0026】
図5、
図6に示すように、コイル組13は、コイル10のY1側に配置される第1ホルダ部材15と、コイル10のY2側に配置される第2ホルダ部材16を備える。第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16は、コイルホルダ17を構成する。第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16は、樹脂からなる。
【0027】
第1ホルダ部材15は、第1プレート11と第2プレート12の間に配置される第1コイル保持部151と、第1コイル保持部151のY1側の端からZ1方向およびZ2方向へ延びる第1ホルダ側板部152を備える。第2ホルダ部材16は、第1プレート11と第2プレート12の間に配置される第2コイル保持部161と、第2コイル保持部161のY1側の端からZ1方向およびZ2方向へ延びる第2ホルダ側板部162を備える。コイル10は、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161の間に配置される。
【0028】
第1ホルダ部材15には、給電基板14が固定される。本形態では、給電基板14はフレキシブルプリント基板である。なお、給電基板14は、リジッド基板であってもよい。コイル10には、給電基板14を介して、電力が供給される。
【0029】
第1プレート11は、コイル10にZ1側から重なる第1板部111と、第1板部111のX方向の両端からZ2方向に屈曲した一対の第1曲げ部112を備える。第2プレート12は、コイル10にZ2側から重なる第2板部121と、第2板部121のX方向の両端からZ1方向に屈曲した一対の第2曲げ部122を備える。
【0030】
第1プレート11において、各第1曲げ部112のY1側およびY2側には、第1板部111からZ2方向に屈曲した第1固定部113が設けられている。第2プレート12において、各第2曲げ部122のY1側およびY2側には、第2板部121からZ1方向に屈曲した第2固定部123が設けられている。
【0031】
第1プレート11と第2プレート12を第1コイル保持部151および第2コイル保持部161に対してZ方向の両側から組み付けると、
図3に示すように、第1曲げ部112
と第2曲げ部122は、コイル10の長辺部10a、10bをX方向の両側から覆う。また、第1曲げ部112と第2曲げ部122のY方向の両側において、第1プレート11の第1固定部113と第2プレート12の第2固定部123とが重なる。第1固定部113と第2固定部123は、Z方向に係止される。また、第1コイル保持部151の側面に設けられた爪部153と、第2コイル保持部161の側面に設けられた爪部163は、X方向に重なり合う第1固定部113と第2固定部123に設けられた切欠き部に係止される(
図8参照)。
【0032】
アクチュエータ1を製造する際、コイル10、第1プレート11、第2プレート12、第1ホルダ部材15、および第2ホルダ部材16からコイル組13を組み立てる。そして、コイル組13を囲むように可動体5を組み立てるとともに、可動体5とコイル組13とを接続体4によって接続する。しかる後に、コイル組13および可動体5をケース2に収容する。ケース2の詳細な構成、および、ケース2に対するコイル組13の位置決め構造については後述する。
【0033】
(可動体)
可動体5は、磁石7およびヨーク8を備える。
図2、
図3に示すように、磁石7は、コイル10とZ方向で対向する。コイル10と磁石7とは、磁気駆動回路6を構成する。可動体5は、磁石7として、第1磁石71および第2磁石72を備える。第1磁石71は、コイル10のZ1方向に位置する。第2磁石72は、コイル10のZ2方向に位置する。第1磁石71および第2磁石72は、X方向で2つに分極されている。
図3に示すように、可動体5と支持体3とを組み立てると、コイル10の長辺部10a、10bには、Z1方向で第1磁石71が対向し、Z2方向で第2磁石72が対向する。
【0034】
ヨーク8は磁性材料からなる。
図3に示すように、ヨーク8は、コイル10に対してZ1方向から対向する第1対向部801と、コイル10に対してZ2方向から対向する第2対向部802を備える。第1対向部801には、第1磁石71が固定される。第2対向部802には、第2磁石72が固定される。また、ヨーク8は、コイル10のX方向の両側においてZ方向に延びる一対の接続部803を備える。一対の接続部803は、第1対向部801と第2対向部802とを接続する。
【0035】
ヨーク8を組み立てる際、第1対向部801のX方向の両端からZ2方向に延びる一対の連結板部804の内側に、第2対向部802のX方向の両端からZ1方向に延びる一対の連結板部805を圧入して固定する。これにより、一対の接続部803が形成され、ヨーク8は、コイル10、第1プレート11、および第2プレート12の外周側を囲む形状に組み立てられる。
【0036】
図4-
図6に示すように、ヨーク8は、一対の接続部803のY方向の両側において、第1対向部801のX方向の両端からZ2方向に延びる一対の第1立ち上がり部806、および、第2対向部802のX方向の両端からZ1方向に延びる一対の第2立ち上がり部807を備える。
【0037】
図3、
図5、
図6に示すように、ヨーク8は、第1ヨーク81および第2ヨーク82を備える。第1ヨーク81は、コイル10にZ1方向から重なる第1内側部材83と、第1内側部材83にZ1方向から重なる第1外側部材84の2部材を接合して構成される。第2ヨーク82は、コイル10にZ1方向から重なる第2内側部材85と、第2内側部材85にZ1方向から重なる第2外側部材86の2部材を接合して構成される。
【0038】
ヨーク8の第1対向部801は、第1外側部材84と第1内側部材83とをZ方向に積層して構成される。
図5に示すように、一対の連結板部804、および、各連結板部80
4のY方向の両側に配置される4箇所の第1立ち上がり部806は、第1外側部材84に設けられている。
図2に示すように、第1対向部801は第1磁石71のY方向の両側に延びており、第1接続体9Aを介して第1プレート11に接続される。
【0039】
ヨーク8の第2対向部802は、第2外側部材86と第2内側部材85とをZ方向に積層して構成される。
図6に示すように、一対の連結板部805、および、各連結板部805のY方向の両側に設けられている4箇所の第2立ち上がり部807は、第2外側部材86に設けられている。
図2に示すように、第2対向部802は第2磁石72のY方向の両側に延びており、第2接続体9Bを介して第2プレート12に接続される。
【0040】
(接続体)
図2に示すように、接続体4は、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bを備える。第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、X方向に長い直方体形状である。第1接続体9Aは、コイル10のZ1側に位置する。第2接続体9Bは、コイル10のZ2側に位置する。第1接続体9Aは、第1磁石71のY1側およびY2側の2箇所に配置されており、同一形状の2部材からなる。第2接続体9Bは、第2磁石72のY1側およびY2側の2箇所に配置されており、同一形状の2部材からなる。第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、それぞれ、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備える。
【0041】
第1接続体9Aは、上記のように、コイル10のY方向の両側において、ヨーク8の第1対向部801と第1プレート11との間に挟まれている。第1接続体9Aは、第1対向部801と第1プレート11との間でZ方向に圧縮されている。第2接続体9Bは、上記のように、コイル10のY方向の両側において、ヨーク8の第2対向部802と第2プレート12との間に挟まれている。第2接続体9Bは、第2対向部802と第2プレート12との間でZ方向に圧縮されている。
【0042】
本形態では、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、シリコーンゲルからなるゲル状部材である。シリコーンゲルは、伸縮方向に変形する際のばね定数が、せん断方向に変形する際のばね定数の3倍程度になる粘弾性体である。粘弾性体は、厚さ方向と交差する方向(せん断方向)に変形する場合、引っ張られて伸びる方向の変形であるため、非線形の成分よりも線形の成分が大きい変形特性を備える。また、厚さ方向に押圧されて圧縮変形する際は、線形の成分よりも非線形の成分が大きい伸縮特性を備える一方、厚さ方向に引っ張られて伸びる場合は、非線形の成分よりも線形の成分が大きい伸縮特性を備える。
【0043】
あるいは、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bとして、天然ゴム、ジエン系ゴム(例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等)、非ジエン系ゴム(例えば、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、熱可塑性エラストマー等の各種ゴム材料及びそれらの変性材料を用いてもよい。
【0044】
(ケース)
図1-
図4に示すように、ケース2は、Z方向に重ねられた第1ケース部材30および第2ケース部材40を備える。第1ケース部材30は、Z1方向からコイル組13に組み付けられている。第2ケース部材40は、Z2方向からコイル組13および第1ケース部材30に組み付けられている。
【0045】
第1ケース部材30は、コイル10にZ1方向から対向する略長方形の第1端板部31を備える。また、第1ケース部材30は、第1端板部31のY1方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第1側板部32と、第1端板部31のY2方向の端からZ2方向へ延び
る第1ケース第2側板部33と、第1端板部31のX1方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第3側板部34と、第1端板部31のX2方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第4側板部35を備える。
【0046】
第1端板部31は、Y方向の中央部分にX方向の両側へ突出する突出部分が設けられている。そのため、第1ケース第3側板部34と第1ケース第4側板部35は、それぞれ、第1端板部31における突出部分の先端からZ1方向へ延びる側板中央部301と、側板中央部301のY方向の両側において、側板中央部301よりもX方向の中央側へシフトした位置に設けられた側板端部分302を備える。側板中央部301のY方向の両端は、第1ケース部材30のX方向の中央に向かって略直角に屈曲した段差部に接続されており、側板中央部301と側板端部分302は、段差部を介して接続される。
【0047】
第2ケース部材40は、コイル10にZ1方向から対向する略長方形の第2端板部41を備える。また、第2ケース部材40は、第2端板部41のY1方向の端からZ1方向へ延びる第2ケース第1側板部42と、第2端板部41のY2方向の端からZ1方向へ延びる第2ケース第2側板部43と、第2端板部41のX1方向の端からZ1方向へ延びる第2ケース第3側板部44と、第2端板部41のX2方向の端からZ1方向へ延びる第2ケース第4側板部45を備える。
【0048】
第2端板部41は、Y方向の中央部分にX方向の両側へ突出する突出部分が設けられている。そのため、第2ケース第3側板部44と第2ケース第4側板部45は、それぞれ、第2端板部41における突出部分の先端からZ1方向へ延びる側板中央部401と、側板中央部401のY方向の両側において、側板中央部401よりもX方向の中央側へシフトした位置に設けられた側板端部分402を備える。側板中央部401のY方向の両端は、第2ケース部材40のX方向の中央に向かって略直角に屈曲した段差部に接続されており、側板中央部401と側板端部分402は、段差部を介して接続される。
【0049】
(ケースとコイルホルダの位置決め構造)
図7は、第1切り起こし部36および第2切り起こし部37の位置で切断したアクチュエータ1の断面図(
図1(a)のC-C位置で切断した断面図)である。
図8は、第1ケース部材30とコイル組13をZ1方向から見た分解斜視図である。
図1(b)、
図4に示すように、第1ケース部材30は、第1ケース第1側板部32の内側(Y2側)に配置される2箇所の第1切り起こし部36と、第1ケース第2側板部33の内側(Y1側)に配置される2箇所の第2切り起こし部37を備える。第1切り起こし部36は、第1端板部31のY1側の端部におけるX方向の両端に設けられた2箇所の開口部360のY1側の縁からZ2方向に延びる。第2切り起こし部37は、第1端板部31のY2側の端部におけるX方向の両端に設けられた2箇所の開口部370のY2側の縁からZ2方向に延びる。
【0050】
図7に示すように、第1ホルダ部材15は、第1ケース第1側板部32と第1切り起こし部36との間に第1ホルダ側板部152のZ1方向の端部が挟まれることにより、第1ケース部材30に対してY方向に位置決めされる。また、第1ホルダ部材15は、第1ホルダ側板部152のZ1方向の先端が第1端板部31にZ1方向から当接することにより、第1ケース部材30に対してZ方向に位置決めされる。
【0051】
図8に示すように、第1ホルダ部材15は、第1ホルダ側板部152のZ1方向の先端面からZ1方向に突出する第1位置決め凸部154を備える。第1端板部31のY1側の端部には、2箇所の開口部360の中間の位置を貫通する第1位置決め穴38が設けられている。第1ホルダ側板部152のZ1方向の先端を第1ケース第1側板部32と第1切り起こし部36との間に挿入するとき、
図2に示すように、第1位置決め凸部154が第
1位置決め穴38に嵌まるように第1ホルダ部材15を位置決めする。これにより、第1ホルダ部材15が第1ケース部材30に対してX方向に位置決めされる。
【0052】
同様に、第2ホルダ部材16は、第1ケース第2側板部33と第2切り起こし部37との間に第2ホルダ側板部162のZ1方向の端部が挟まれることにより、第1ケース部材30に対してY方向に位置決めされる。また、第2ホルダ部材16は、第2ホルダ側板部162のZ1方向の先端が第1端板部31にZ1方向から当接することにより、第1ケース部材30に対してZ方向に位置決めされる。
【0053】
図8に示すように、第2ホルダ部材16は、第2ホルダ側板部162のZ1方向の先端面からZ1方向に突出する第2位置決め凸部164を備える。第1端板部31のY2側の端部には、2箇所の開口部370の中間の位置を貫通する第2位置決め穴39が設けられている。第2ホルダ側板部162のZ1方向の先端を第1ケース第2側板部33と第2切り起こし部37との間に挿入するとき、
図2に示すように、第2位置決め凸部164が第2位置決め穴39に嵌まるように第2ホルダ部材16を位置決めする。これにより、第2ホルダ部材16が第1ケース部材30に対してX方向に位置決めされる。
【0054】
コイル組13および可動体5をケース2に収容する際、上記の位置決め構造により、第1ホルダ部材15を第1ケース部材30に位置決めするとともに、第2ホルダ部材16を第1ケース部材30に位置決めする。これにより、コイルホルダ17を構成する2部品が第1ケース部材30を基準として位置決めされる。
【0055】
図9は、第2ケース部材40を取り外したアクチュエータ1をZ2方向から見た平面図である。
図9に示すように、第1ケース部材30のY1方向の端部において、第1ケース部材30のX方向の外形寸法を規定する第1ケース第3側板部34と第1ケース第4側板部35のX方向の間隔D1は、第1ホルダ側板部152のX方向の幅D2よりも大きい。本形態では、上記の第1位置決め凸部154と第1位置決め穴38との嵌合により第1ホルダ側板部152を第1端板部31のX方向の中央に位置決めすると、第1ホルダ側板部152と第1ケース第3側板部34との間、および、第1ホルダ側板部152と第1ケース第4側板部35との間には、所定の隙間dが形成される。第1ケース部材30のY2方向の端部においても同様に、第2ホルダ側板部162と第1ケース第3側板部34との間、および、第2ホルダ側板部162と第1ケース第4側板部35との間には、所定の隙間dが形成される。
【0056】
このように、本形態では、第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162は第1ケース第3側板部34と第1ケース第4側板部35の間に圧入されないので、第1ケース部材30のX方向の外形が第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16の組付け時に変形するおそれは少ない。また、第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162は、いずれも、第1ケース部材30の内側に設けられた切り起こし部を用いて、第1ケース部材30のY方向の側板部(第1ケース第1側板部32、第1ケース第2側板部33)を基準として精度良く位置決めされる。また、その際に第1ケース部材30のY方向の側板部(第1ケース第1側板部32、第1ケース第2側板部33)が変形するおそれは少ないので、第1ケース部材30のY方向の外形が第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16の組付け時に変形するおそれは少ない。
【0057】
(第2ケース部材の位置決め構造)
第1ケース部材30に対してコイル組13および可動体5を組み付けた後に、第1ケース部材30、コイル組13、および可動体5に対して第2ケース部材40をZ2方向から被せると、
図2、
図7に示すように、第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162のZ1方向の先端が、第2ケース部材40のY方向の側板部(第2ケース第1側板部42
と第2ケース第2側板部43)の内側に挿入される。従って、第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16を介して、第2ケース部材40がY方向に位置決めされる。
【0058】
また、このとき、
図3に示すように、第2ケース部材40のX方向の側板部(第2ケース第3側板部44と第2ケース第4側板部45)は、第1ケース部材30のX方向の側板部(第1ケース第3側板部34と第1ケース第4側板部35)の外側に嵌まる。これにより、第2ケース部材40は、第1ケース部材30に対してX方向に位置決めされる。
【0059】
図4に示すように、第1ケース部材30のY方向の側板部(第1ケース第1側板部32と第1ケース第2側板部33)は、Z方向の高さがX方向の側板部(第1ケース第3側板部34と第1ケース第4側板部35)よりも低い。
図7に示すように、第1ホルダ側板部152は、Y1側の表面からY1方向に突出する第1受け部156を備えているが、第1ケース第1側板部32の先端は第1受け部156よりもZ1側に位置するため第1受け部156に干渉しない。同様に、第2ホルダ側板部162は、Y2側の表面からY2方向に突出する第2受け部166を備えているが、第1ケース第2側板部33の先端は第2受け部166よりもZ1側に位置するため第1受け部156に干渉しない。
【0060】
図5、
図6に示すように、第1ホルダ部材15には、第1ホルダ側板部152のX方向の中央部分をZ1方向に切り欠いた形状の第1凹部155が設けられている。給電基板14の一端は第1凹部155から第1ホルダ側板部152のY1側に引き出され、Z1側に屈曲している。第1受け部156は、第1凹部155のX方向の両側においてX方向に直線状に延びている。同様に、第2ホルダ部材16には、第2ホルダ側板部162のX方向の中央部分をZ1方向に切り欠いた形状の第2凹部165が設けられている。第2受け部166は、第2凹部165のX方向の両側においてX方向に直線状に延びている。
【0061】
第1ケース部材30、コイル組13、および可動体5に対して第2ケース部材40をZ2方向から被せると、
図7に示すように、第2ケース部材40のY方向の側板部(第2ケース第1側板部42と第2ケース第2側板部43)が第1受け部156と第2受け部166にそれぞれZ2方向から当接する。これにより、第2ケース部材40は、樹脂製の第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16を介して第1ケース部材30に対してX方向に位置決めされる。
【0062】
(第1ストッパ部)
第1ケース部材30、コイル組13、および可動体5を組み立てると、
図7に示すように、ヨーク8の第1対向部801に対してY1側から第1切り起こし部36が対向するとともに、第1対向部801に対してY2側から第2切り起こし部37が対向する。第1対向部801のY1側の端面と第1切り起こし部36との間、および、第1対向部801のY2側の端面と第2切り起こし部37との間には、それぞれ、所定の隙間Wが形成される。従って、第1切り起こし部36と第2切り起こし部37は、可動体5のY方向の可動範囲を規制する第1ストッパ部として機能する。
【0063】
(第2ストッパ部)
図9に示すように、ヨーク8に対しては、X1側から第1ケース第3側板部34が対向し、X2側から第1ケース第4側板部35が対向する。より詳細には、ヨーク8のY方向の中央部分のX方向の側面に配置される一対の接続部803に対しては、側板中央部301がX1方向およびX2方向から対向する。また、ヨーク8のY1方向の端部のX方向の側面に配置される第1立ち上がり部806および第2立ち上がり部807に対しては、それぞれ、側板端部分302がX1方向およびX2方向から対向する。本形態では、接続部803と側板中央部301とのX方向の隙間W1よりも、第1立ち上がり部806および第2立ち上がり部807と側板端部分302とのX方向の隙間W2の方が狭い。そのため
、側板端部分302は、ケース2内における可動体5のX方向の可動範囲を規制する第2ストッパ部として機能する。
【0064】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のアクチュエータ1は、可動体5と、可動体5を収容する金属製のケース2および樹脂製のコイルホルダ17を備える支持体3と、可動体5および支持体3に接続される接続体4を有する。また、アクチュエータ1は、コイルホルダ17に保持されるコイル10およびコイル10にZ方向で対向する磁石7を備え、可動体5を支持体3に対してZ方向に交差するX方向に振動させる磁気駆動回路6を有する。コイルホルダ17は、第1ホルダ部材15と第2ホルダ部材16の2部品からなり、第1ホルダ部材15は、コイル10に対してY1方向においてZ方向に延びる第1ホルダ側板部152を備える。ケース2は、可動体5にZ1方向から対向する第1端板部31を備える第1ケース部材30と、可動体5にZ2方向から対向する第2端板部41を備える第2ケース部材40を備える。第1ケース部材30は、第1端板部31のY1方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第1側板部32と、第1ケース第1側板部32のY2方向において第1端板部31からZ2方向に切り起こした第1切り起こし部36を備える。第1ホルダ側板部152のZ1方向の端部は、第1ケース第1側板部32と第1切り起こし部36との間に挟まれている。
【0065】
このように、本形態では、ケース2と第1ホルダ部材15は、第1ホルダ部材15のY方向の端に設けられた側板部(第1ホルダ側板部152)を、ケース2のY1方向の端に設けられた側板部(第1ケース第1側板部32)とその内側に配置される第1切り起こし部36との間に挟むことにより位置決めされる。従って、ケース2に対する第1ホルダ部材15のY方向のガタつきを抑制できる。また、ケース2の側板部を基準として第1ホルダ部材15を位置決めできるので、第1ホルダ部材15を介して、ケース2に対するコイル10のY方向の位置精度を高めることができる。さらに、ケース2の内側に設けた第1切り起こし部36を位置決めに使用するので、第1ホルダ部材15の位置決めに伴うケース2の側板部(第1ケース第1側板部32)の変形を抑制できる。従って、ケース2のY方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0066】
本形態では、第1ホルダ側板部152は、Z方向に突出する第1位置決め凸部154を備え、第1端板部31は、第1位置決め凸部154が嵌まる第1位置決め穴38を備える。このように、Z方向の凹凸を嵌合させることにより、ケース2に対する第1ホルダ部材15のX方向のガタつきを抑制できるとともに、ケース2に対する第1ホルダ部材15のX方向の位置精度を高めることができる。また、第1ホルダ側板部152とケース2との間にX方向の隙間を設けることができるので、ケース2のX方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0067】
本形態では、ケース2と第1ホルダ部材15との位置決め構造に加えて、ケース2と第2ホルダ部材16との位置決め構造を備える。すなわち、第1ケース部材30は、第1端板部31のY2方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第2側板部33と、第1ケース第2側板部33のY1方向において第1端板部31からZ2方向に切り起こした第2切り起こし部37を備え、第2ホルダ側板部162のZ1方向の端部は、第1ケース第2側板部33と第2切り起こし部37との間に挟まれている。
【0068】
このように、本形態では、第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162は、それぞれ、ケース2のY方向の両端においてケース2の側板部とその内側に設けられた切り起こし部との間に挟まれて位置決めされる。従って、コイルホルダ17を2部材に分けた場合でも、ケース2に対するコイルホルダ17のY方向のガタつきを抑制できるとともに、ケース2に対するコイル10のY方向の位置精度を高めることができる。また、ケース2
のY方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0069】
また、コイルホルダ17をY方向に分割して2部材に分けることにより、コイル10のX方向の両側を覆う部分が不要になるので、アクチュエータ1のX方向の外形寸法を小型化できる。あるいは、アクチュエータ1の外形を大きくすることなくコイル10を大型化でき、磁気駆動回路6の推力を増大させて大きな振動を発生させることができる。
【0070】
本形態では、第2ホルダ側板部162は、Z方向に突出する第2位置決め凸部164を備え、第1端板部31は、第2位置決め凸部164が嵌まる第2位置決め穴39を備える。これにより、ケース2に対する第2ホルダ部材16のX方向のガタつきを抑制できるとともに、ケース2に対する第2ホルダ部材16のX方向の位置精度を高めることができる。また、ケース2のX方向の外形寸法の精度低下を抑制できる。
【0071】
本形態では、第1ケース部材30に第1切り起こし部36および第2切り起こし部37を設けるため、第1端板部31に開口部360、370が形成される。第1ホルダ部材15および第2ホルダ側板部162を第1ケース部材30に組み付ける際、コイル組13の周囲を囲む形状に組み立てた可動体5を同時に第1ケース部材30に収容するが、その際、開口部360、370から第1ケース部材30の内側に治具を挿入して可動体5を位置決めすることができる。従って、開口部360、370を作業穴として利用することにより、アクチュエータ1の組立容易性を高めることができる。
【0072】
本形態では、可動体5は、磁石7を保持するヨーク8を備える。ヨーク8は、コイル10にZ1方向から対向する第1対向部801、および、コイル10にZ2方向から対向する第2対向部802を備える。第1対向部801には第1磁石71が固定され、第2対向部802には第2磁石72が固定される。第1切り起こし部36と第2切り起こし部37は、第1対向部801にY方向の両側から対向してヨーク8のY方向の可動範囲を規定する第1ストッパ部として機能する。これにより、落下等の衝撃により可動体5が振動方向と異なるY方向に大きく動こうとしたときにその動きを規制できるので、可動体5がY方向に過度に大きく動いてアクチュエータ1が壊れるおそれが少ない。また、コイルホルダ17を位置決めするための切り起こし部をY方向のストッパ部として兼用できるので、部品形状を簡素化できる。
【0073】
本形態では、第1ケース部材30は、第1端板部31のX1方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第3側板部34と、第1端板部31のX2方向の端からZ2方向へ延びる第1ケース第4側板部35を備える。ヨーク8は、コイル10のX方向の両側においてZ方向に延びて第1対向部801と第2対向部802とを接続する一対の接続部803、および、一対の接続部803のY方向の両側において第1対向部801のX方向の両端からZ2方向へ延びる一対の第1立ち上がり部806を備える。第1ケース第3側板部34および第1ケース第4側板部35は、一対の第1立ち上がり部806のX方向の両側に配置される側板端部分302を備える。側板端部分302は、ヨーク8のX方向の可動範囲を規定する第2ストッパ部として機能する。これにより、落下等の衝撃により可動体5が振動方向(X方向)に過度に大きく動いてアクチュエータ1が壊れるおそれが少ない。また、ヨーク8の重量を大きくするために設けた第1立ち上がり部806をストッパとして兼用できるので、部品形状を簡素化できる。
【0074】
なお、第1立ち上がり部806を形成しない場合でも、第1対向部801のX方向の両端が側板端部分302と対向するので、側板端部分302を第2ストッパ部として機能させることができる。
【0075】
本形態では、第2ケース部材40は、第2端板部41のY1方向の端からZ2方向へ延
びる第2ケース第1側板部42、および、第2端板部41のY2方向の端からZ2方向へ延びる第2ケース第2側板部43を備える。第1ホルダ側板部152は、第2ケース第1側板部42の先端がZ2方向から当接する第1受け部156を備える。第2ホルダ側板部162は、第2ケース第2側板部43の先端がZ2方向から当接する第2受け部166を備える。このように、本形態では、樹脂製のコイルホルダ17に対して、第1ケース部材30と第2ケース部材40をZ方向に当接させて位置決めするので、第1ケース部材30と第2ケース部材40のZ方向の位置精度を高めることができる。よって、ケース2のZ方向の外形寸法の精度を高めることができる。
【0076】
本形態では、支持体3は、コイル10、第1コイル保持部151、および第2コイル保持部161にZ1方向から重なる金属製の第1プレート11と、コイル10、第1コイル保持部151、および第2コイル保持部161にZ2方向から重なる金属製の第2プレート12を備える。このようにすると、第1プレート11と第2プレート12によってコイル10を保護できるので、磁石7との衝突によりコイル10が損傷するおそれが少ない。また、第1プレート11と第2プレート12の間に第1ホルダ部材15、第2ホルダ部材16、およびコイル10を保持させることによりコイル組13として取り扱うことができるので、コイルホルダ17を2部材に分割した場合でも、アクチュエータ1の組立容易性の低下を抑制できる。
【0077】
本形態では、接続体は、第1対向部801と第1プレート11とを接続する第1接続体9A、および、第2対向部802と第2プレート12とを接続する第2接続体9Bを備える。このように、ヨーク8の内側に接続体4を配置してコイル組13とヨーク8とを接続することにより、ケース2とヨーク8との隙間に接続体4を配置するスペースを確保する必要がないので、アクチュエータ1のZ方向の寸法を小さくすることができる。
【0078】
(変形例)
(1)上記形態は、第1ホルダ側板部152および第2ホルダ部材16が位置決め凸部を備え、第1端板部31が位置決め穴を備えているが、位置決め用の凹凸の配置は逆でもよい。すなわち、第1ホルダ側板部152と第1端板部31の一方側部材は、Z方向に突出する第1位置決め凸部を備え、第1ホルダ側板部152と第1端板部31の他方側部材は、第1位置決め凸部が嵌まる第1位置決め穴を備える構成とすることができる。また、第2ホルダ側板部162と第1端板部31の一方側部材は、Z方向に突出する第2位置決め凸部を備え、第2ホルダ側板部162と第1端板部31の他方側部材は、第2位置決め凸部が嵌まる第2位置決め穴を備える構成とすることができる。
【0079】
(2)上記形態は、コイルホルダ17をY方向に2分割して2部材で構成するものであるが、コイルホルダ17を1部材で構成することもできる。例えば、コイルホルダ17は、第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162を接続する板部にコイル配置穴が設けられた構成とすることができる。この場合は、第1ホルダ側板部152と第2ホルダ側板部162のいずれか一方、もしくは両方が、第1端板部31に形成した切り起こし部と第1ケース部材30のY方向の側板部との間に挟まれて位置決めされる構成とすることができる。
【0080】
(3)上記形態では、磁石7として第1磁石71と第2磁石72を備えているが、第1磁石71と第2磁石72の一方のみを備えている構成であってもよい。
【0081】
(4)上記形態では、接続体4として第1接続体9Aおよび第2接続体9Bを備えているが、第1接続体9Aと第2接続体9Bの一方のみが設けられている構成であってもよい。
【0082】
(5)上記形態では、ヨーク8は、第1ヨーク81と第2ヨーク82がそれぞれ、内側部
材と外側部材を積層して構成されているが、第1ヨーク81と第2ヨーク82のそれぞれを外側部材のみで構成することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…アクチュエータ、2…ケース、3…支持体、4…接続体、5…可動体、6…磁気駆動回路、7…磁石、8…ヨーク、9A…第1接続体、9B…第2接続体、10…コイル、10a、10b…長辺部、10c…中心穴、11…第1プレート、12…第1プレート、13…コイル組、14…給電基板、15…第1ホルダ部材、16…第1ホルダ部材、17…コイルホルダ、30…第1ケース部材、31…第1端板部、32…第1ケース第1側板部、33…第1ケース第2側板部、34…第1ケース第3側板部、35…第1ケース第4側板部、36…第1切り起こし部、37…第2切り起こし部、38…第1位置決め穴、39…第2位置決め穴、40…第2ケース部材、41…第2端板部、42…第2ケース第1側板部、43…第2ケース第2側板部、44…第2ケース第3側板部、45…第2ケース第4側板部、71…第1磁石、72…第2磁石、81…第1ヨーク、82…第1ヨーク、83…第1内側部材、84…第1外側部材、85…第2内側部材、86…第2外側部材、111…第1板部、112…第1曲げ部、113…第1固定部、121…第2板部、122…第2曲げ部、123…第2固定部、151…第1コイル保持部、152…第1ホルダ側板部、153…爪部、154…第1位置決め凸部、155…第1凹部、156…第1受け部、161…第2コイル保持部、162…第2ホルダ側板部、163…爪部、164…第2位置決め凸部、165…第2凹部、166…第2受け部、301…側板中央部、302…側板端部分、360…開口部、370…開口部、401…側板中央部、402…側板端部分、801…第1対向部、802…第2対向部、803…接続部、804…連結板部、805…連結板部、806…第1立ち上がり部、807…第2立ち上がり部