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特開2023-149447無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149447
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/06 20090101AFI20231005BHJP
   G06F 11/36 20060101ALI20231005BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20231005BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20231005BHJP
【FI】
H04W24/06
G06F11/36 196
H04W84/18
H04W16/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058024
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(71)【出願人】
【識別番号】508047288
【氏名又は名称】アーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】リンドン クレイグ
【テーマコード(参考)】
5B042
5K067
【Fターム(参考)】
5B042GB09
5B042HH07
5K067EE02
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】 無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置を提供する。
【解決手段】 汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置であって、シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノード構成部と、この複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間構成部と、からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置であって、
シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノードを構成する仮想ノード構成部と、この複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する仮想ノード配置空間構成部と、からなり、
前記各仮想ノード構成部は、
想定される実機の仮想ハードウェアを構成する仮想ハードウェア構成手段と
想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する仮想ルーティングプログラム構成手段と、
実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する仮想通信部構成手段と、からなり、
前記仮想ノード配置空間構成部は、
実際の空間内での実機の通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を利用して構成され、環境因子を設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する仮想環境因子構成手段を有する
無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置。
【請求項2】
前記仮想ノード構成部は、実機のノード上で通信を利用して実行されるアプリケーションプログラムを仮想的に実行させるためのアプリケーションプログラム仮想実行構成部をさらに有する請求項1に記載の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置。
【請求項3】
前記仮想ノード構成部は、実機のノード上で通信を利用して実行されるアプリケーションプログラムを仮想した仮想アプリケーションプログラムを前記アプリケーションプログラム仮想実行構成部にて実行可能に仮想的に格納したアプリケーションプログラム仮想格納構成部を有する請求項2に記載の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置。
【請求項4】
シミュレーション空間内での仮想ノードのシミュレーション結果を取得するためのシミュレーション結果取得部をさらに有する請求項1から請求項3のいずれか一に記載の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置。
【請求項5】
汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法であって、
シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノードを構成する仮想ノード構成ステップと、この設置された複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する仮想ノード配置空間を設定する仮想ノード配置空間構成ステップと、からなり、
前記各仮想ノード構成ステップは、
想定される実機の仮想ハードウェアを構成する仮想ハードウェア構成サブステップと
想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する仮想ルーティングプログラム構成サブステップと、
実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する仮想通信部構成サブステップと、からなり、
前記仮想ノード配置空間構成ステップは、
実際の空間内での実機の通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を利用して構成され、環境因子を設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する仮想環境因子構成サブステップと、
からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法。
【請求項6】
さらに、複数の仮想ノードを仮想ノード配置空間に仮想的に配置する仮想ノード配置ステップと、
仮想ノードを機能させる仮想ノード機能開始ステップと、
からなる請求項5に記載の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法。
【請求項7】
汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の制御プログラムであって、
シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノードを構成する仮想ノード構成プログラムと、この設置された複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する仮想ノード配置空間を設定する仮想ノード配置空間構成プログラムと、からなり、
前記各仮想ノード構成プログラムは、
想定される実機の仮想ハードウェアを構成する仮想ハードウェア構成サブプログラムと
想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する仮想ルーティングプログラム構成サブプログラムと、
実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する仮想通信部構成サブプログラムと、からなり、
前記仮想ノード配置空間構成プログラムは、
実際の空間内での実機の通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を利用して構成され、環境因子を設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する仮想環境因子構成サブプログラムと、
からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の制御プログラム。
【請求項8】
さらに、複数の仮想ノードを仮想ノード配置空間に仮想的に配置する仮想ノード配置プログラムと、
仮想ノードを機能させる仮想ノード機能開始プログラムと、
からなる請求項7に記載の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ネットワークで特にメッシュネットワークを構成する通信端末のプログラムの評価のためのシミュレータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年無線ネットワークを利用したシステムが拡大しており、その傾向は、今後もさらに加速することが予想される。従来無線ネットワークの構築方法として、インフラストラクチャモードと呼ばれる、方式が一般的であった。インフラストラクチャモードとは、アクセスポイントと呼ばれるネットワークを制御する機器を介して、各通信端末が通信を行うものである。従って、アクセスポイントと通信機器間の通信のみを考えればよく、構成が単純であるため、例えば家庭内などのネットワーク構築には広く普及している。
【0003】
しかしながら、アクセスポイントを介する構成上、利用できる範囲が、アクセスポイントと無線通信が可能な範囲に限られてしまう問題があった。このため、利用範囲を広げようとすると、電波を強くして通信範囲を広げることは可能であるが、その分消費電力に影響する。また、ブリッジといった専用の中継器を設置することで利用できる範囲を拡大できるが、広域になるほど中継器が多数必要になってしまうといった問題がある。
【0004】
こうした中で、メッシュネットワークが注目されている。
メッシュネットワークとは、多様なノードの配置に対応して複数のノード間での通信をするに際してその設置環境の多様性に応じて適切な通信経路を自主的に構築することができるように構成されたネットワークをいう。
しかしながら、多様な設置環境に適切に対応して自主的にルーティング経路を構築するためには、多様な環境に実機を配置して多数回の実証実験を行いながらルーティングプログラムの精度や効率を高める開発が必要であり、多くの時間と多くの費用を費やさなければならないという問題があった。
【0005】
このように、無線通信とそれを利用するプログラムの評価を効率的に行う方法として、特許文献1に開示されているように、導入すべきアプリケーションプログラムを所定の通信環境を想定したシミュレータ装置にて評価するというものはあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-49977
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、そもそも所定の通信環境としてハードウェア上で利用される通信ファームウェアは所与のものであり、この通信ファームウェア自体の開発はすでに終わっていることを前提としており、本件発明が目指すような多様な環境に適応するようなファームウェアレベルの開発には適用できない技術である。
【0008】
本発明は、メッシュネットワークで構成される無線ネットワークを仮想的に構築し、そのメッシュネットワーク上でのネットワークプロトコル、ルーティング、また、ルーティングされたメッシュネットワーク上で動作するアプリケーションプログラムの評価方法および評価システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、斯かる実情を鑑み、無線ネットワークシステムを仮想的に評価および検証が可能なシミュレータ装置を提供する。
【0010】
具体的には、第一の発明として、汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置であって、シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノードを構成する仮想ノード構成部と、この複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する仮想ノード配置空間構成部と、からなり、前記各仮想ノード構成部は、想定される実機の仮想ハードウェアを構成する仮想ハードウェア構成手段と、想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する仮想ルーティングプログラム構成手段と、実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する仮想通信部構成手段と、からなり、前記仮想ノード配置空間構成部は、実際の空間内での実機の通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を利用して構成され、環境因子を設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する仮想環境因子構成手段を有する無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置である。
【0011】
第二の発明として、前記構成に加えて、仮想ノード構成部は、実機のノード上で通信を利用して実行されるアプリケーションプログラムを仮想的に実行させるためのアプリケーションプログラム仮想実行構成部をさらに有する無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置である。
【0012】
第三の発明として、前記構成に加えて、仮想ノード構成部は、実機のノード上で通信を利用して実行されるアプリケーションプログラムを仮想した仮想アプリケーションプログラムを前記アプリケーションプログラム仮想実行構成部にて実行可能に仮想的に格納した仮想アプリケーションプログラム仮想格納構成部を有する無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置である。
【0013】
第四の発明として、前記構成に加えて、シミュレーション空間内での仮想ノードのシミュレーション結果を取得するためのシミュレーション結果取得部をさらに有する無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置である。
【0014】
第五の発明として、前記構成に加えて、汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法であって、シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノードを構成する仮想ノード構成ステップと、この設置された複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する仮想ノード配置空間を設定する仮想ノード配置空間構成ステップと、からなり、前記各仮想ノード構成ステップは、想定される実機の仮想ハードウェアを構成する仮想ハードウェア構成サブステップと、想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する仮想ルーティングプログラム構成サブステップと、実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する仮想通信部構成サブステップと、からなり、前記仮想ノード配置空間構成ステップは、実際の空間内での実機の通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を利用して構成され、環境因子を設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する仮想環境因子構成サブステップと、からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法である。
【0015】
第六の発明として、前記構成に加えて、さらに、複数の仮想ノードを仮想ノード配置空間に仮想的に配置するノード配置ステップと、可能ノードを機能させる仮想ノード機能開始ステップと、からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法である。
【0016】
第七の発明として、前記構成に加えて、汎用コンピュータ上に仮想的に実現される複数の実機を想定した複数の仮想ノードで構成される無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の制御プログラムであって、シミュレータ装置によるシミュレーション空間を構成するための、前記複数の仮想ノードを構成する仮想ノード構成プログラムと、この設置された複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する仮想ノード配置空間を設定する仮想ノード配置空間構成プログラムと、からなり、前記各仮想ノード構成プログラムは、想定される実機の仮想ハードウェアを構成する仮想ハードウェア構成サブプログラムと想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する仮想ルーティングプログラム構成サブプログラムと、実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する仮想通信部構成サブプログラムと、からなり、前記仮想ノード配置空間構成プログラムは、実際の空間内での実機の通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を利用して構成され、環境因子を設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する仮想環境因子構成サブプログラムと、からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の制御プログラムである。
【0017】
第八の発明として、前記構成に加えて、さらに、複数の仮想ノードを仮想ノード配置空間に仮想的に配置するノード配置プログラムと、可能ノードを機能させる仮想ノード機能開始プログラムと、からなる無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の制御プログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置によれば、メッシュネットワーク向けのネットワークプロトコルやルーティング等のネットワーク制御に係るプログラムおよびそれを利用するアプリケーションの評価が仮想で行えるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の概要を示す図
図2】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の基本ハードウェア図
図3】実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の機能の構成を示すブロック図
図4A】実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の無線ネットワークシミュレーション処理の流れを示すフローチャート
図4B】実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の仮想ノード構成ステップの処理の流れを示すフローチャート
図4C】実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の仮想ノード配置空間構成ステップの処理の流れを示すフローチャート
図5】実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
図6A】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のネットワーク構成入力画面(仮想ノード配置時)の一例を示す図
図6B】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のネットワーク構成入力画面(シミュレーション開始後)の一例を示す図
図7】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のルート検索の一例を示す図
図8】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の再ルーティングの一例を示す図
図9】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の仮想ノードの通信可能範囲を表示した画面の一例を示す図
図10】本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のプログラムの動作状態を表示した画面の一例を示す図
図11】実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の機能の構成を示すブロック図
図12】実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
図13】実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の仮想ノード構成ステップの処理の流れを示すフローチャート
図14】実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の機能の構成を示すブロック図
図15】実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の仮想ノード構成ステップの処理の流れを示すフローチャート
図16】実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
図17】実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の機能の構成を示すブロック図
図18】実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の無線ネットワークシミュレーション処理の流れを示すフローチャート
図19】実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
図20】本発明の評価対象となる無線ネットワークシステムの適用の一例を示す図
図21】実施形態5の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置の無線ネットワークシミュレーション処理の流れを示すフローチャート
図22】実施形態5の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
【0020】
<本発明を構成し得るハードウェアについて>
本件発明は、原則的に電子計算機を利用する発明であるが、ソフトウェアによって実現され、ハードウェアによっても実現され、ソフトウェアとハードウェアの協働によっても実現される。本件発明の各構成要件の全部又は一部を実現するハードウェアでは、コンピュータの基本的構成であるCPU、メモリ、バス、入出力装置、各種周辺機器、ユーザーインタフェースなどによって構成される。各種周辺機器には、記憶装置、インターネット等インタフェース、インターネット等機器、ディスプレイ、キーボード、マウス、スピーカ、カメラ、ビデオ、テレビ、実験室又は工場などでの生産状態を把握するための各種センサ(流量センサ、温度センサ、重量センサ、液量センサ、赤外線センサ、出荷個数計数機、梱包個数計数機、異物検査装置、不良品計数機、放射線検査装置、表面状態検査装置、回路検査装置、人感センサ、作業者作業状況把握装置(映像、ID、PC作業量などで)等)、CD装置、DVD装置、ブルーレイ装置、USBメモリ、USBメモリインタフェース、着脱可能タイプのハードディスク、一般的なハードディスク、プロジェクタ装置、SSD、電話、ファックス、コピー機、印刷装置、ムービー編集装置、各種センサ装置などが含まれる。 また、本システムは、必ずしも一つの筐体によって構成されている必要はなく、複数の筐体を通信で結合して構成されるものであってもよい。また、通信は、LANであってもWAN、Wifi、ブルートゥース(登録商標)、赤外線通信、超音波通信であってもよく、さらに、一部が国境を跨いで設置されていてもよい。さらに、複数の筐体のそれぞれが異なる主体によって運営されていてもよく、一の主体によって運営されていてもよい。本件発明のシステムの運用主体は、単数であるか複数であるかは問わない。また、本システムの他に第三者の利用する端末、さらに他の第三者の利用する端末を含むシステムとしても発明を構成することができる。また、これらの端末は国境を越えて設置されていてもよい。さらに、本システムや前記端末の他に第三者の関連情報や、関連人物の登録のために利用される装置、登録の内容を記録するためのデータベースに利用される装置などが用意されてもよい。これらは、本システムに備えてもよいし、本システム外に備えてこれらの情報を利用可能に本システムを構成してもよい。(図2
【0021】
この図にあるように、計算機は、マザーボード上に構成される、チップセット、CPU、不揮発性メモリ、メインメモリ、各種バス、BIOS、USBやHDMI(登録商標)やLANなどの各種インタフェース、リアルタイムクロック等からなる。これらはオペレーティングシステムやデバイスドライバ(USB、HDMI(登録商標)などの各種インタフェース、カメラ、マイク、スピーカ又はヘッドホン、ディスプレイなどの各種機器組込み用)、各種プログラムなどと協働して動作する。本発明を構成する各種プログラムや各種データはこれらのハードウェア資源を効率的に利用して各種の処理を実行するように構成されている。
【0022】
≪チップセット≫
「チップセット」は、計算機のマザーボードに実装され、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとの連絡機能、つまりブリッジ機能を集積した大規模集積回路(LSI)のセットである。2チップセット構成を採用する場合と、1チップセット構成を採用する場合とがある。CPUやメインメモリに近い側をノースブリッジ、遠い側で比較的低速な外部I/Oとのインタフェースの側にサウスブリッジが設けられる。
【0023】
(ノースブリッジ)
ノースブリッジには、CPUインタフェース、メモリコントローラ、グラフィックインタフェースが含まれる。従来のノースブリッジの機能のほとんどをCPUに担わせてもよい。ノースブリッジは、メインメモリのメモリスロットとはメモリバスを介して接続し、グラフィックカードのグラフィックカードスロットとは、ハイスピードグラフィックバス(AGP、PCI Express)で接続される。
【0024】
(サウスブリッジ)
サウスブリッジには、PCIインタフェース(PCIスロット)とはPCIバスを介して接続し、ATA(SATA)インタフェース、USBインタフェース、EthernetインタフェースなどとのI/O機能やサウンド機能を担う。高速な動作が必要でない、あるいは不可能であるようなPS/2ポート、フロッピーディスクドライブ、シリアルポート、パラレルポート、ISAバスをサポートする回路を組み込むことは、チップセット自体の高速化の足かせとなるためサウスブリッジのチップから分離させ、スーパーI/Oチップと呼ばれる別のLSIに担当させることとしてもよい。CPU(MPU)と、周辺機器や各種制御部を繋ぐためにバスが用いられる。バスはチップセットによって連結される。メインメモリとの接続に利用されるメモリバスは、高速化を図るために、これに代えてチャネル構造を採用してもよい。バスとしてはシリアルバスかパラレルバスを採用できる。パラレルバスは、シリアルバスが1ビットずつデータを転送するのに対して、元データそのものや元データから切り出した複数ビットをひとかたまりにして、同時に複数本の通信路で伝送する。クロック信号の専用線がデータ線と平行して設け、受信側でのデータ復調の同期を行う。CPU(チップセット)と外部デバイスをつなぐバスとしても用いられ、GPIB、IDE/(パラレル)ATA、SCSI、PCIなどがある。高速化に限界があるため、PCIの改良版PCI ExpressやパラレルATAの改良版シリアルATAでは、データラインはシリアルバスでもよい。
【0025】
≪CPU≫
CPUはメインメモリ上にあるプログラムと呼ばれる命令列を順に読み込んで解釈・実行することで信号からなる情報を同じくメインメモリ上に出力する。CPUは計算機内での演算を行なう中心として機能する。なお、CPUは演算の中心となるCPUコア部分と、その周辺部分とから構成され、CPU内部にレジスタ、キャッシュメモリや、キャッシュメモリとCPUコアとを接続する内部バス、DMAコントローラ、タイマー、ノースブリッジとの接続バスとのインタフェースなどが含まれる。なお、CPUコアは一つのCPU(チップ)に複数備えられていてもよい。また、CPUに加えて、グラフィックインタフェース(GPU)若しくはFPUによって、処理を行っても良い。なお、実施形態での説明は2コアタイプのものであるが、これに限定されない。またCPU内にプログラムを内蔵することもできる。
【0026】
≪不揮発性メモリ≫
(HDD)
ハードディスクドライブの基本構造は、磁気ディスク、磁気ヘッド、および磁気ヘッドを搭載するアームから構成される。外部インタフェースは、SATA(過去ではATA)を採用することができる。高機能なコントローラ、例えばSCSIを用いて、ハードディスクドライブ間の通信をサポートする。例えば、ファイルを別のハードディスクドライブにコピーする時、コントローラがセクタを読み取って別のハードディスクドライブに転送して書き込むといったことができる。この時ホストCPUのメモリにはアクセスしない。したがってCPUの負荷を増やさないで済む。
【0027】
≪メインメモリ≫
CPUが直接アクセスしてメインメモリ上の各種プログラムを実行する。メインメモリは揮発性のメモリでDRAMが用いられる。メインメモリ上のプログラムはプログラムの起動命令を受けて不揮発性メモリからメインメモリ上に展開される。その後もプログラム内で各種実行命令や、実行手順に従ってCPUがプログラムを実行する。
【0028】
≪オペレーティングシステム(OS)≫
オペレーティングシステムは計算機上の資源をアプリケーションに利用させるための管理をしたり、各種デバイスドライバを管理したり、ハードウェアである計算機自身を管理するために用いられる。小型の計算機ではオペレーティングシステムとしてファームウェアを用いることもある。
【0029】
≪BIOS≫
BIOSは、計算機のハードウェアを立ち上げてオペレーティングシステムを稼働させるための手順をCPUに実行させるもので、最も典型的には計算機の起動命令を受けるとCPUが最初に読取りに行くハードウェアである。ここには、ディスク(不揮発性メモリ)に格納されているオペレーティングシステムのアドレスが記載されており、CPUに展開されたBIOSによってオペレーティングシステムが順次メインメモリに展開されて稼働状態となる。なお、BIOSは、バスに接続されている各種デバイスの有無をチェックするチェック機能をも有している。チェックの結果はメインメモリ上に保存され、適宜オペレーティングシステムによって利用可能な状態となる。なお、外部装置などをチェックするようにBIOSを構成してもよい。以上については、すべての実施形態でも同様である。
【0030】
図に示すように、本発明は基本的に汎用計算機プログラム、各種デバイスで構成することが可能である。計算機の動作は基本的に不揮発性メモリに記録されているプログラムを主メモリにロードして、主メモリとCPUと各種デバイスとで処理を実行していく形態をとる。デバイスとの通信はバス線と繋がったインタフェースを介して行われる。インタフェースには、ディスプレイインタフェース、キーボード、通信バッファ等が考えられる。以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
<本発明の自然法則の利用性の充足>
本発明は、コンピュータと通信設備とソフトウェアとの協働で機能するものである。従来、ライフイベントを目的として資産運用するには、運用者自身がライフイベントの目標金額、期間、未達許容度など様々な要素を考慮する必要があった。これをICTを介して支援したりするなど、ICTならではの処理が含まれているのでいわゆるビジネスモデル特許として成立するものである。本願発明はコンピュータなどのリソースを請求項や明細書に記載された事項と、それらの事項に関係する技術常識に基づいて判断すれば、本願発明は自然法則を利用したものであることとなる。
【0031】
<特許法で求められる自然法則の利用の意義>
特許法で求められる自然法則の利用とは、法目的に基づいて、発明が産業上利用性を有し、産業の発達に寄与するものでなければならないとの観点から、産業上有用に利用することができる発明であることを担保するために求められるものである。つまり、産業上有用であること、すなわち出願に際して宣言した発明の効果がその発明の実施によってある一定の確実性の下再現できることを求めるものである。この観点から自然法則利用性とは、発明の効果を発揮するための発明の構成である発明特定事項(発明構成要件)のそれぞれが発揮する機能が自然法則を利用して発揮されるものであればよい、と解釈される。さらに言えば、発明の効果とはその発明を利用する顧客に所定の有用性を提供できる可能性があればよいのであって、その有用性を顧客がどのように感じたり、考えたりするかという観点で見るべきではない。したがって、顧客が本システムによって得る効果が心理的な効果であったとしても、その効果自体は求められる自然法則の利用性の対象外の事象である。
【0032】
<用語説明:メッシュネットワーク>
本発明の対象となる無線ネットワークとは、無線メッシュネットワークと呼ばれる構成である。
「メッシュネットワーク」とは、通信ネットワークの構成の一つで、複数の中継機器が互いに対等な関係で網の目状の伝送経路を形成することからメッシュと呼ばれる。データの伝送は、バケツリレー式に転送する。有線・無線問わず適用されるが、本発明では、無線が対象となる。さらに、中継機器と通信端末が同一の機器である場合も含まれる。近年では、Wifi(登録商標)やBluetooth(登録商標)を応用した無線メッシュネットワークが特に広がりつつある。
【0033】
メッシュネットワークの特徴として、ネットワークに参加する個々の機器は隣接する機器とだけ通信できればいいので、弱い電波の無線機器で広範囲をカバーすることができる。また、ノードが破損したり、離脱したりしても代替経路を確保しやすく、中心部の障害によりネットワーク全体が停止してしまうスター型等より障害に強い。
ただし、メッシュネットワークは中心が存在しない構造のため、通信経路の探索や伝送制御(無限ループの防止など)を適切に行うために高度なルーティング技術が必要とされる。また、伝送速度や遅延、回線効率などは、ルーティングアルゴリズムの影響を大きく受ける。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<実施形態1:(請求項1に対応)>
<実施形態1: 概要>
実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、汎用コンピュータ上に構成される複数の仮想ノードを、仮想ノード配置空間に配置して、無線ネットワークシステムのシミュレーションを行う。このシミュレーションで、無線ネットワーク上でのルーティンに係る、アルゴリズムやプロトコルの評価および検証を行うことができる。
【0035】
<実施形態1: 構成>
図3は、実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の機能の構成を示すブロック図である。
実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、仮想ノード構成部0310と、仮想ノード配置空間構成部0320と、を有し、さらに、仮想ノード構成部は、仮想ハードウェア構成手段0312と、仮想ルーティングプログラム構成手段0311と、仮想通信構成手段0313と、で構成される。また、仮想ノード配置空間構成部は、仮想環境因子構成手段0322を有する。
【0036】
<実施形態1:各部の繋がりの簡単な説明>
仮想ノード構成部の仮想ルーティングプログラム構成手段は、ルーティングのためのアルゴリズムやプロトコルを実現するためのプログラムである仮想ルーティングプログラムを構成するための手段である。そして、仮想ハードウェア構成手段が構成する仮想ハードウェアと、仮想通信部構成手段が構成する仮想通信部を介して、仮想ノード配置空間(仮想ノード配置空間構成部が構成)内に配置される仮想ノード間でのネットワークのルーティングを行ったり、他の仮想ノードと通信したりする。
仮想ハードウェア構成手段によって構成される仮想ハードウェアは、前記仮想ルーティングプログラムの通信処理を、仮想通信部構成手段によって構成される仮想通信部に伝える。前記仮想通信部は、他の仮想ノードとの無線通信を仮想的に行う。すなわち無線通信をシミュレートする。
【0037】
仮想ノード配置空間構成部は、仮想ノード構成部で構成された複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する。そして、配置した位置と、仮想環境因子構成手段が構成する仮想環境因子と、に基づいて、無線ネットワークシステムの仮想ノード間の通信条件などをシミュレーションする。
【0038】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部>
「仮想ノード構成部」は、シミュレーション空間を構成するための、複数の仮想ノードを構成する。
仮想ノード構成部は、無線ネットワークシステムの評価を行うにあたり、無線ネットワークの中継器の機能を有する通信端末であるノードを仮想した仮想ノードを構成する。
実際の各ノードは、無線通信機能や、ルーティングプログラムや、通信のためのハードウェアで構成される。
仮想ノード構成部は、これら実際の各ノードが持つ機能を、汎用コンピュータ上で同様の作用を奏するプログラムとして仮想ノードを構成する。
そして、構成された複数の仮想ノードに対応するプログラムは、シミュレータ装置を構成する汎用コンピュータ上で、プロセスとして並列に実行される。
【0039】
図1は、無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の、仮想ノード構成部で構成される複数のノードの繋がりを示す概念図である。
複数仮想ノード0110から01n0は、後述する仮想ノード配置空間0101に配置される。
仮想ノードは、仮想通信部0111から01n1と、仮想ハードウェア0112から01n2と、仮想ルーティングプログラム0113から01n3と、アプリケーションプログラム0114から01n4で構成されている。
各仮想ノードは、仮想通信部でお互いに通信を行う。仮想ハードウェアは、仮想ルーティングプログラムが、仮想通信部へのアクセスをおこなうためのインタフェースとしても機能する。
仮想ルーティングプログラムは、仮想通信部を介して、仮想ノード配置空間上に通信を行うためのネットワークのルーティングを行う。
アプリケーションプログラムは、仮想ルーティングプログラム上で動作するプログラムである。アプリケーションプログラムは必須ではなく、実施形態2以降で説明する。
【0040】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部 仮想ハードウェア構成手段>
「仮想ハードウェア構成手段」は、想定される実機の仮想ハードウェアを構成する。
つまり、実際のノードの無線ネットワークに係るハードウェア層を、汎用コンピュータ上で動作するプログラムとして仮想的に構成する。
仮想ハードウェアは、いわゆるコンピュータ(本明細書段落番号0020から0029に示すような構成)コンピュータの周辺機器であってルーティングに関わるハードウェアを仮想したものを含むととともに、ノードの機能を実行するための仮想ハードウェアも含まれる。例えばノードの機能が各種のセンシングであり、そのセンシングに関してもシミュレーションをするのであれば仮想センサが仮想ハードウェアに含まれる。センサの種類としては、温度、湿度、風速、日照量、大気成分、ガス漏れ、画像、映像などのセンサである。また仮想ハードウェアに駆動系のハードウェアを含ませることも可能である。駆動系のハードウェアとしては、モーター、ポンプ、スライダー、エンジン、駆動関節、バルブなどである。仮想ハードウェアとして仮想コンピュータに求められる機能として重要な機能は、仮想コンピュータ上で試験される仮想ルーティングプログラムが実機に搭載されるルーティングプログラムと同一である場合に、実機に利用されるハードウェアと同じ反応をする仮想ハードウェアであることである。例えば、ルーティングプログラムが仮想ハードウェアに渡す引数に対する応答は、ルーティングプログラムが実機のハードウェアに同じ引数を渡した場合と同一の反応を示さなければならない、という点が重要である。また反応の中には引数に応じて返されるアクションが同じである他に、タイミングも同一のタイミングである必要がある。このように、実機に実際のルーティングプログラムを搭載して試験をした場合と同じアクションが惹起される仮想ハードウェアである必要がある。場合によっては、実機のハードウェアの故障率、実機のハードウェアの消耗率、実機のハードウェアの温度上昇や、実機のハードウェアの資源消費量までも仮想ハードウェアが再現できるように構成することが好ましい。
【0041】
また、仮想ハードウェア構成手段は、仮想ルーティングプログラムから見ると、実機の無線ネットワーク通信に係るハードウェア層と同様にアクセスが可能なインタフェースを有している。そして、無線ネットワーク通信のためのハードウェア層へのアクセスが仮想的に実現される。
【0042】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部 仮想ルーティングプログラム構成手段>
「仮想ルーティングプログラム構成手段」は、想定される実機のハードウェア上で実行される設計変更可能なルーティングアルゴリズムによって機能するルーティングプログラムを仮想した仮想ルーティングプログラムを構成する。
仮想ルーティングプログラムは、無線ネットワークシステム評価のためのシミュレーション装置として構成される汎用コンピュータ上で実行可能なプログラムであり、無線ネットワークシステムを仮想した仮想ノード配置空間に配置された複数の仮想ノード間のルーティングを行う。
特にルーティングプログラムを検証するために本装置によるシミュレーションを実行する場合には、実機を利用して試験を行うとすればその試験用実機に搭載するルーティングプログラムと同一(ほぼ同一であってもよい。)のプログラムであることが好ましい。またシミュレーションする観点からは、そのルーティングプログラムがデバッグ可能に構成されていることが好ましい。ルーティングプログラムの動作に影響を与えない範囲でルーティングプログラムの動作が観察可能に構成されていることが好ましい。
仮想ルーティングプログラム構成手段は、実機に実装されるルーティングプログラムを無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置を構成する汎用コンピュータ上で実行可能な仮想ルーティングプログラムとして構成する。仮想ルーティングプログラムは、汎用コンピュータ上で、プロセスとして実行される。
【0043】
ルーティングが確立されると、各仮想ノード間で、データ通信が開始される。
本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置が評価する無線ネットワークは、各仮想ノードが、データ通信の中継器として機能する。
このため、通信データを受信した場合、自身が目的ノードであり終点でない場合は、仮想ルーティングプログラムはルーティングプロトコルに従い、次の仮想ノードにデータを送信する。
【0044】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部 仮想ルーティングプログラム構成手段 ルーティング一例>
図6Aは、ネットワーク構成入力画面(仮想ノード配置時)の一例である。
ネットワーク構成入力画面は、無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置で複数の仮想ノードを、後述する仮想ノード配置空間に配置する場合の配置状況を表示している。
ネットワーク構成入力画面0601に、複数の仮想ノード0602が配置されている。
仮想ノードの配置は、ユーザー操作により行われる。図の例では、7つの仮想ノードが配置されている。
【0045】
無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置でシミュレーションが実施されると、前記配置した仮想ノード間がルーティングされ、ルーティング結果がネットワーク構成入力画面にルーティング結果が表示される。
【0046】
図6Bは、ネットワーク構成入力画面(シミュレーション開始後)の一例である。
ルーティングは、各仮想ノードに実装されている仮想ルーティングプログラムにより行われる。そこで決定されたルートがネットワーク構成入力画面に表示される。従って、仮想ノードを配置しただけでは、仮想ノード間のルーティングが決定されないため、図示した線は引かれない。シミュレーションを実行すると、各仮想ノードでルーティングが行われ、そのルーティングにより決定されたルートが表示される。
図の例では、仮想ノード間で通信が可能な場合は破線で表示されている。また、ルーティングにより決定されたルートには実線で表示されている。
【0047】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部 仮想ルーティングプログラム構成手段 ルート探索の一例>
図7は、無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置が、通信可能なルートを検索する場合の一例を示す図である。仮想ノード配置画面0701に、複数の仮想ノード0702が配置されている。破線で示す円は、中心にある仮想ノード(仮想ノード6)のビーコンが届く範囲を示している。
「ビーコン」とは、各ノードがその存在を他のノードに通知するためのブロードキャストであり、ビーコンを受け取ったノードは、送信元のノードの存在を知るとともに、電波の強度に係る情報も取得する。仮想ノード配置空間構成部では、上記ビーコンを仮想的に、仮想ノード配置空間に配置された複数の仮想ノードで実行する。
本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置がシミュレーション対象とする無線ネットワークでは、各ノードが定期的にビーコンを出すように構成されている。
【0048】
図の例では、仮想ノード6がビーコンを出し、ビーコン範囲0703内にある各仮想ノード0702がビーコンを受け取ると、ビーコン送信元である仮想ノード6と通信が可能であることを検出する。図の例では、仮想ノード1から5が仮想ノード6と通信可能であることを検出する。
【0049】
一方で、仮想ノード6は仮想ノード1から5が発するビーコンを受け取ることになる。ビーコンを受け取った際に、電波の強度も保持する。こうすることで、仮想ノード6が通信可能なノードに対して、電波の強度に関する順位付けが可能になる。図6の例では、仮想ノード5が一番近く電波の強度も高いため、ノード6とノード5の間でルートを設定する。
以上のように、各仮想ノード間で最も電波の強度が高い仮想ノードとルートを構築するようにすることで、安定した通信品質を確保したルートが構築できる。
【0050】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部 仮想ルーティングプログラム構成手段 再ルーティングの一例>
さらに、定期的に送信されるビーコンを常に監視するようにルーティングプログラムが構成されていると、動的に再ルーティングされることをシミュレーションできる。
図8は、ネットワーク構成入力画面でルーティングが更新された場合の一例を示す図である。ネットワーク構成入力画面0801に配置した仮想ノード0802は、シミュレーション実行中に配置を移動させることも可能である。
【0051】
図の例では、仮想ノード3をカーソル0803でドラックアンドドロップして中心方向に移動させて、仮想ノード6に近づけた例を示している。仮想ノード3と仮想ノード4でルートが設定されていたが、仮想ノード3と仮想ノード6のほうが、電波の強度が高くなる。このことを、ルーティングプログラムは、ビーコンを監視することで知ることが出きるので、電波の強度の順位に変化があった場合は、ルートを更新して仮想ノード3と仮想ノード6の間に新たにルートを設定する。さらに、仮想ノード1と仮想ノード5があらたに通信可能な仮想ノードとして認識される。
【0052】
このように、本発明の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置では、シミュレーション実行中にもノードを移動させて、再ルーティングする動作を確認できる。
また、仮想ノードに異常が生じた場合も同様に、再ルーティングが実施される。
このことから、仮想ノードに意図的に障害を発生させ、再ルーティングにより通信を継続して行えるかなどの評価を行うこともできる。
【0053】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード構成部 仮想通信構成手段>
「仮想通信部構成手段」は、実機のハードウェアに含まれる通信部を仮想した仮想通信部を構成する手段である。
仮想通信部は具体的には仮想ハードウェア(仮想ハードウェア構成手段によって構成される仮想ハードウェアとは別)と仮想の通信ソフトウェアから構成されるものである。そして、重要な点は、仮想ノード配置空間によって仮想的に構成される仮想空間内で実際に実機にて試験を行う空間内と同じふるまいをするように構成されなければならない点が重要である。例えば、環境因子として電磁波の散乱、ノイズ電磁波の到来、温度の上昇、湿度の上昇などに応じて実機の通信部にて生じるであろう反応を生じるように構成されなければならない。例えば通信品質が落ちている場合には、実機であればその品質劣化に伴って生じるであろう反応を仮想通信部にも生じるように構成することが重要である。また、ルーティングプログラムとの間のインターアクションに関しても、実機に搭載されるルーティングプログラムと実機の通信部との間で実際に起こるインターアクションを生じるように仮想通信部を構成しなければならない。例えば実機のルーティングプログラムから与えられる引数に対する応答は実機に搭載されるルーティングプログラムと同等でなければならないし、また応答のタイミングやエラーレートなども同様出ることが好ましい。また実機と同等のハードウェアの消耗率、ハードウェアの故障率が再現されるように構成されるのが好ましい。また、実機の通信部と同様に機能しながらも外部から動作状態を観察できるように構成されていることが好ましい。例えば故障が発生した場合には、実機を分解して故障個所を観察する代わりに、仮想通信部を仮想的に分解して故障個所を観察できるように構成されていることが好ましい。
【0054】
その他にも、仮想通信部は、後述する仮想環境因子により影響を受ける無線通信に係る条件を仮想的に取得する。
例えば、仮想ノード配置空間に配置された仮想ノードは、その配置位置により、他の仮想ノードからの電波の強度が変化する。これは、仮想ノード間の距離などにより決まってくるが、仮想環境因子の影響も受ける。
仮想通信部は、このような、電波の強度の検出結果や、通信可能な仮想ノードがいくつあるか、また、その仮想ノードのどのように識別されるかなどの情報を、仮想ノード配置空間から取得し、仮想ルーティングプログラムからの要求に応じて応答することが考えられる。
【0055】
以上のような、仮想通信部からの応答に基づいて、仮想ルーティングプログラム構成手段で構成される仮想ルーティングプログラムにより無線ネットワーク上のルートが決定される。
また、ルート決定後、データ通信が行われるが、仮想通信部を介して仮想ルーティングプログラムで通信の制御が行われる。
【0056】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード配置空間構成部>
「仮想ノード配置空間構成部」は、複数の仮想ノードを配置する仮想ノード配置空間を構成する。
仮想ノード配置空間は、汎用コンピュータ上に構成される仮想ノードを配置するための仮想的な空間である。
使用者は、仮想ノード構成部により構成された複数の仮想ノードを、仮想ノード配置空間構成部に配置する。仮想ノードが配置された位置と、仮想環境因子に基づいて、無線ネットワークシステムを評価する。
【0057】
<実施形態1:構成の説明 仮想ノード配置空間構成部 仮想環境因子構成手段>
「仮想環境因子構成手段」は、実機の実際の空間内での通信試験をシミュレートするための実機の通信に影響を与える因子である環境因子を仮想した設計変更可能な仮想した仮想環境因子を構成する。
「環境因子」とは、無線ネットワークの構成に影響を与える環境的因子で、天気、温度、湿度、障害物、ノイズ源などがある。この環境因子は、実機のノード間の電波の強度や、通信時の伝送効率などに影響を与える。従って、仮想ノード配置空間が持つ、電波の減衰率や電波の指向性などのパラメータに対して、前記環境因子の影響を仮想的に計算することで仮想環境因子を構成する。
【0058】
例えば、電波の強度は、各仮想ノード間の距離に起因し、設定された電波の減衰率に応じて、低下していく。また、アンテナに指向性がある場合、アンテナの向きにより電波の強度も変化してくるので、その影響も考慮するようにしても良い。これに対して、湿度や天気の影響、障害物がある場合は、反射が発生するので、障害物の反射率や透過率も考慮するようにしても良い。また、ノイズ源を仮想的に設定して、伝送効率に影響を与えるようにすることも考えられる。
【0059】
<実施形態:構成の説明 仮想ノード配置空間構成部 仮想環境因子構成手段 仮想環境因子(通信可能範囲)表示の一例>
図9は、ネットワーク構成入力画面でノードの通信可能範囲を表示した一例を示す図である。
減衰率を考慮すると、仮想ノードの通信可能な範囲や、通信品質がどうかを予め知ることも可能である。従って、ネットワーク構成入力画面では、各ノードの通信可能範囲を表示して把握することができるように構成することが望ましい。さらに、仮想環境因子を変化することで、この通信可能範囲が変化するように構成することも考えられる。
【0060】
例えば、天気を要因として電波の減衰率を変化させることが考えられる。雨の日は、雨の影響で減衰率が高くなると考えられる。この場合、使用者に天気を入力させて、表示範囲を変更するようにしても良いし、ワーストケースを考慮した減衰率を標準設定とするようにしても良い。
また、使用者に屋内使用か屋外使用かを選択させて、その結果で雨の影響を考慮するかを決定するようにしても良い。
【0061】
図の例では、仮想ノード6に、カーソル0906を近付けることで、ノード6が通信可能な範囲が表示されるようになっている。実線で示す範囲0903は、電波の強度が良好なことを示しており、一点破線で示す範囲0904は、電波の強度が通信に支障の無い範囲を示しており、破線で示す範囲0405は、電波の強度が低く通信の損失が多い範囲を示している。破線の外側は、通信できない範囲である。この表示を目安にノードを配置していくことで、適切な範囲にノードを配置できるようになる。
【0062】
<実施形態1:ハードウェア構成>
以上が実施形態1の構成であるが、これをプログラムもしくは制御方法として実現する場合も本発明の範囲内である。
図5は、実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、CPU0510と、メインメモリ0520と、不揮発性メモリ0530と、チップセット0540と、グラフィックカード0550と、BIOS0560と、PCIスロット0570と、I/Oコントローラ0580と、LANインタフェース0590と、で構成される。
【0063】
CPUは、メインメモリからプログラムを読み出し、実行することで各種機能を実現する。メインメモリは、CPUから高速アクセス可能な揮発性メモリであり、不揮発性メモリからプログラムやデータをロードし、ロードしたプログラムやデータは、CPUにより読み出される。また、CPUのワーキングメモリとしても利用される。不揮発性メモリは、例えば、HDDでありプログラムや、電源を切っても保持しておくべきデータを記録する。BIOSは、ハードウェアが電源起動時に実行されるプログラムである。グラフィックカードは、画像処理専用のボードであり、画面表示などを行う。PCIスロットは、機能拡張用のボードを挿入する。I/Oコントローラは、キーボードなどと接続し、使用者の操作により入力される内容を取得してCPUに通知する。本実施形態では、仮想ノードの配置や仮想環境因子の入力などに用いられる。LANインタフェースは外部機器と通信を行いデータの送受信を行う。
【0064】
さらに、不揮発性メモリ内に、仮想ノード構成プログラム0531と、仮想ノード配置空間構成プログラム0535と、仮想ハードウェア構成サブプログラム0532と、仮想ルーティングプログラム構成サブプログラム0533と、仮想通信部構成サブプログラム0534と、仮想環境因子構成サブプログラム0536と、を有する。
【0065】
<実施形態1:方法 無線ネットワークシミュレーション処理>
実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法は、無線ネットワークシミュレーション処理として実行される。
図4Aは、実施形態1の無線ネットワークシミュレーション処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態1の無線ネットワークシミュレーション処理は、仮想ノード構成ステップS0410と、仮想ノード配置空間構成ステップS0420と、を有する。
【0066】
仮想ノード構成ステップで、複数の仮想ノードを構成する。
使用者は、仮想ノード配置空間構成ステップで、仮想ノード配置空間に仮想ノード構成ステップで構成した複数の仮想ノードを配置し、配置に基づいた配置空間を構成する。
【0067】
<実施形態1:処理の流れ 仮想ノード構成ステップ>
図4Bは、実施形態1の仮想ノード構成ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態1の仮想ノード構成ステップは、仮想ハードウェア構成サブステップS0411と、仮想ルーティングプログラム構成サブステップS0412と、仮想通信構成サブステップS0413と、を有する。
【0068】
先ず、実機のハードウェアを仮想した仮想ハードウェアを構成する。
次に、仮想ルーティングプログラム構成サブステップで、実機のルーティングプログラムをシミュレータ装置に取り込み可能な、仮想ルーティングプログラムとして構成する。
次に、仮想通信部構成ステップで、無線通信機能を仮想的に構成する。
以上の処理により、仮想ノードを構成する。
【0069】
<実施形態1:処理の流れ 仮想ノード配置空間構成ステップ>
図4Cは、実施形態1の仮想ノード構成配置空間構成ステップの処理の流れを示すフローチャートである。実施形態1の仮想ノード構成配置空間構成ステップは、仮想ノード配置サブステップS0421と、仮想環境因子構成サブステップS0422と、を有する。
【0070】
仮想ノード配置サブステップで、使用者は、仮想ノード配置空間上に、仮想ノード構成ステップで構成した仮想ノードを配置する。
次に、仮想環境因子構成サブステップで、仮想空間上の各仮想ノードの配置位置に基づいて、仮想環境因子を構成する。以上の処理により仮想ノード配置空間を構成する。
【0071】
以上で構成された仮想ノード配置空間上で、各仮想ノードのルーティングプログラムを動作させて、無線ネットワークのルーティングやデータ通信を仮想的に動作させるシミュレーションを実施する。
<実施形態1:効果>
以上、述べてきたように、実施形態1の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置では、仮想ノード配置空間上で無線ネットワークのルーティングやプロトコル、データ通信等の評価や検証が行えるので、様々なネットワーク環境で、ネットワークが正常に動作するかを簡単に検証できる。また、実機を準備することなく評価できるので、評価コストの低減や期間短縮効果もある。
【0072】
<実施形態2:(請求項2に対応)>
<実施形態2: 概要>
実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実機のノード上で動作させるアプリケーションプログラムを含めて仮想的に実行する。従って、仮想ルーティングプログラムによりルーティングされたネットワーク上で、アプリケーションプログラムの動作の確認および評価が可能になる。
【0073】
<実施形態2: 構成>
図11は、実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の機能の構成を示すブロック図である。
実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実施形態1の構成に加えて、アプリケーションプログラム仮想実行構成手段1114と、をさらに有する。
以降、各部の説明を行うが、実施形態1と重複する構成の説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0074】
<実施形態2:各部の繋がりの簡単な説明>
アプリケーションプログラム仮想実行手段は、アプリケーションプログラムを仮想的に実行し、仮想ルーティングプログラムを介して、他の仮想ノードと通信を行う。
【0075】
<実施形態2:構成の説明 仮想ノード構成部 アプリケーションプログラム仮想実行構成手段>
「アプリケーションプログラム仮想実行構成手段」は、実機のノード上で通信を利用して実行されるアプリケーションプログラムを仮想的に実行させる。
アプリケーションプログラムとは、ここでは、無線ネットワークを利用した、特定の目的の機能を達成するためのプログラムである。
【0076】
例えば、ネットワークに接続する各ノード周辺の温度を測定し、空調制御端末がネットワーク経由で各部の温度情報を収集し、空調をコントロールするシステムが考えられる。
この場合、各ノードで定期的に温度センサから温度を取得し、取得した温度をネットワーク経由で空調制御端末に送信するプログラムが、アプリケーションプログラムに該当する。
【0077】
アプリケーションプログラム仮想実行構成手段は、実機のノード上で動作するアプリケーションプログラムをそのまま利用して、無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置を構成する汎用コンピュータ上で実行できるプロセスとして動作することが望ましい。
この場合、アプリケーションプログラムの評価や検証が、実機がなくとも実施できることになる。
【0078】
<実施形態2:構成の説明 仮想ノード構成部 アプリケーションプログラム仮想実行構成手段 無線ネットワークシステムの一例>
図20は、無線メッシュネットワークを利用したシステムの一例である太陽光発電監視システムである。
図で示す太陽光監視システムは、山間部に、通信端末2001と、太陽光パネル2011~2016と、太陽光パネルに付属した通信モジュール2021~2026とで構成されている。
【0079】
<実施形態2:構成の説明 仮想ノード構成部 アプリケーションプログラム仮想実行構成手段 無線ネットワークシステムの概要>
太陽光パネルは、太陽光を電気エネルギーに変換して発電を行う。発電された電力は、商用の送電網を介して電力会社に売電される。通信モジュールは、太陽光パネルの発電状態等を監視し、その情報を通信端末に無線ネットワーク経由で送信する。 通信端末は、各太陽光パネルに付属した通信モジュールと通信して情報を取得し、外部の管理サーバ等にインターネットなどのネットワークを経由して送信する。
【0080】
通信端末および通信モジュールは、無線ネットワークにおけるノードにあたり、無線通信の状態により、最適なルーティングを自律的に構成して通信を行う。
従って、いずれかの太陽光パネルおよび通信モジュールで障害が発生し通信が不可能となった場合は、直ちに新たなルートが構成されて、通信が継続できるようになっている。
【0081】
以上のような構成で、太陽光パネルの状態が常に管理サーバに送信されるので、管理者は遠隔地で状態を監視し、障害が通知された場合に現地に行き障害対応を行えばよいので、多数の太陽光発電所を効率的に運用できるようになる。
また、無線メッシュネットワークを構成することは、特別な通信モジュールを構成する必要なく、広範囲にネットワークを構成でき、さらに、省電や安定性の面でも利点がある。
【0082】
<実施形態2:構成の説明 仮想ノード構成部 アプリケーションプログラム仮想実行構成手段 通信モジュールのアプリケーションプログラムの一例>
通信モジュールは、電流計等の計測器を有して太陽光パネルの発電量をモニターできるようになっている。通信モジュールのアプリケーションプログラムは、定期的に電流計の測定値を取得し、発電電力に変換して、通信端末に送信する。以上が通信モジュールに搭載されるアプリケーションプログラムの、基本機能であるが、障害を監視する機能を有しても良い。例えば、ネットワーク経由で取得した他の太陽光パネルの発電電力に対して、大幅に少ない場合は異常があると判断して、通信端末にアラートを通知するようにすることが考えられる。
以上は、アプリケーションプログラムの一例であって、上記に限定されるものでは無い。
【0083】
<実施形態2:ハードウェア構成>
以上が実施形態2の構成であるが、これをプログラムもしくは制御方法として実現する場合も本発明の範囲内である。
図12は、実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実施形態1の構成に加えて、アプリケーションプログラム仮想実行構成サブプログラム1237をさらに有する。
【0084】
<実施形態2:方法>
図13は、実施形態2の仮想ノード構成ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法は、実施形態1の構成に加えて、仮想ノード構成ステップに、アプリケーションプログラム仮想実行構成サブステップS1314をさらに有する。
以降、各ステップの作用を説明するが、前述した実施形態で説明したステップの説明は省略し、新たに追加されたステップについてのみ説明する。
【0085】
実施形態2の仮想ノード構成ステップのアプリケーションプログラム仮想実行構成サブステップは、アプリケーションプログラムを、無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置を構成する汎用コンピュータ上で実行可能なプロセスとして構成する。その他の処理は、実施形態1と同様に行う。
【0086】
<実施形態2:効果>
以上述べてきたように、実施形態2の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、仮想空間上で無線ネットワークのルーティングやプロトコル、データ通信等の評価や検証が行えることに加えて、ルーティングされた無線ネットワーク上で、実機に実装するアプリケーションプログラムが正常に動作するかの評価や検証も含めて行うことができる。
これにより、それぞれの顧客に対応した、様々なシステムの評価が仮想的におこなうことができ、開発期間の短縮や、評価コストの低減が見込まれる。
【0087】
<実施形態3:(請求項3に対応)>
<実施形態3: 概要>
実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実機の不揮発性メモリ内に格納されたプログラムのデータをそのまま使用して、無線ネットワークシステムの評価および検証を行う。
【0088】
<実施形態3: 構成>
図14は、実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の機能の構成を示すブロック図である。
実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実施形態2の構成に加えて、アプリケーションプログラム仮想格納構成手段1415と、をさらに有する。
以降、各部の説明を行うが、実施形態2と重複する構成の説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0089】
<実施形態3:構成の説明 アプリケーションプログラム仮想格納構成手段>
「アプリケーションプログラム仮想格納構成手段」は、実機のノード上で通信を利用して実行されるアプリケーションプログラムを仮想した仮想アプリケーションプログラムを前記アプリケーションプログラム仮想実行構成手段にて実行可能に仮想的に格納する。
アプリケーションプログラム等は、実機に搭載する場合、バイナリー形式でフラッシュメモリなどの不揮発性メモリに格納される。そして、CPUにより命令として読み出され実行される。
【0090】
アプリケーションプログラム仮想格納構成部は、不揮発性メモリを仮想的に構成し、アプリケーションプログラムのバイナリーデータを格納するように構成することが考えられる。
この場合、アプリケーションプログラム仮想実行構成手段は、ISS(Instruction Set Simulator)等CPUを仮想した構成としても良い。
ISSは、アプリケーションプログラム仮想格納構成から、プログラムのバイナリーコードを読み出し、命令として実行する。
こうすることで、CPUの実行ステップを考慮したハードウェアレベルでの評価および検証をおこなうことができる。
【0091】
なお、アプリケーションプログラム仮想格納構成手段は、以上述べたようなバイナリー形式のデータに限られるものでは無い。
アプリケーションプログラムを模した動作が行えるプログラムを内部が解析不可能なデータファイルとして提供することも含まれる。
これは、アプリケーションプログラムを利用して無線ネットワークシステムを運用する使用者が、ノードの配置や構成検討に使用する場合に適用することが想定される。
【0092】
<実施形態3:ハードウェア構成>
以上が実施形態3の構成であるが、これをプログラムもしくは制御方法として実現する場合も本発明の範囲内である。
図16は、実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実施形態2の構成に加えて、アプリケーションプログラム仮想格納構成サブプログラム1638と、をさらに有する。
【0093】
<実施形態3:方法>
図15は、実施形態3の仮想ノード構成ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法は、実施形態2の構成に加えて、仮想ノード構成ステップに、アプリケーションプログラム仮想格納構成サブステップS1515をさらに有する。
以降、各ステップの作用を説明するが、前述した実施形態で説明したステップの説明は省略し、新たに追加されたステップについてのみ説明する。
【0094】
<実施形態3:処理の流れ 仮想ノード構成ステップ>
実施形態3の仮想ノード構成ステップは、まず、アプリケーションプログラム仮想格納構成サブステップで、不揮発性メモリを仮想的に構成したアプリケーションプログラム仮想格納手段に、実機の不揮発性メモリに書き込むアプリケーションプログラムのバイナリーデータを保持する。以降は、実施形態2と同じ処理を行う。
【0095】
<実施形態3:効果>
以上のべたように、実施形態3の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置によれば、無線ネットワークシステムのアプリケーションプログラムの開発環境やソースコードを持たなくても、無線ネットワークの評価および検証が行える。
これは、無線ネットワークシステムの使用者が、ノードの配置や構成の検討に使用できることを意味している。また、CPUの実行サイクルでのシミュレーションも可能になるため、実機のノードが持つ周辺ハードウェアの動作も含めた評価および検証が行える。
【0096】
<実施形態4:(請求項4に対応)>
<実施形態4: 概要>
実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、仮想ノードのシミュレーション実行結果を取得して、後から、無線ネットワークシステムの評価および解析を行ったり、リアルタイムに実行結果を確認して、アプリケーションプログラムやルーティングプログラムのデバッグを行ったりする。
【0097】
<実施形態4: 構成>
図17は、実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の機能の構成を示すブロック図である。
実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、実施形態1から実施形態3のいずれか一の構成に加えて、シミュレーション結果取得部1730をさらに有する。
以降、各部の説明を行うが、前述した構成と重複する構成の説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。
【0098】
<実施形態4:構成の説明 シミュレーション結果取得部>
「シミュレーション結果取得部」は、シミュレーション空間内での仮想ノードのシミュレーション結果を取得する。
シミュレーション結果とは、ルーティングプログラムまたはアプリケーションプログラムの実行結果および実行中の状態も含む情報である。
【0099】
プログラムの実行結果としては、ルーティングを行った結果、仮想ノードの配置や動作に変化があった場合はそれによる再ルーティングの結果、アプリケーションプログラムで行われる処理の結果などが該当する。
実行中の結果とは、ルーティングプログラムやアプリケーションプログラムが正常に動作しているかなどを表す実行状態や、通信データ量、通信時間、通信に対する応答時間などの情報が考えられる。
また、シミュレーション結果取得方法として、ルーティングプログラムやアプリケーションプログラムのソースコード内に結果を出力するようなコードを埋め込むことも含まれる。
【0100】
シミュレーション結果取得部で取得された結果は、画面に表示してリアルタイムに確認できるようにしても良いし、ログファイルとして、シミュレーション結果をファイルに出力し続けることも考えられる。ログファイルで出力した場合は、後から評価および解析を行うことができる。
【0101】
<実施形態4:構成の説明 シミュレーション結果取得部 プログラムモニター画面の一例>
図10は、実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置でシミュレーション中のプログラムの動作状態をモニターした画面一例である。
プログラムモニター画面は、プログラム表示画面1001と、プログラム実行状態画面1002と、コマンド入力部1003と、プログラム実行状態表示1004とで構成されている。
【0102】
プログラム画面には、プログラム実行状態画面で選択された(図10では、カーソルでID000-005をクリックして選択)プログラムのソースコードを表示している。
この画面で、プログラムがどこで停止したかや、どこを実行中なのかを確認することができる。また、ステップ実行や、ブレークポイントの設定など、プログラムのデバッグや評価に必要な操作が行えることが望ましい。
【0103】
コマンド入力では、プログラムの実行、停止、ステップ実行、動作状態の表示などデバッグに係る様々な命令を入力して実行することができる。
【0104】
プログラム実行状態表示には、図の例では、ID1004aと、プロセス名1004bと、実行状態1004cと、通信状態1004dとで構成されている。
IDは、本発明のシミュレーション装置により付与されるプロセスを特定するための番号である。図の例では、ネットワークの番号と追番で構成されており、どこのネットワークに所属するプロセスかを識別できるようにしている。このように、IDの付与ルールを設けておけば、使用者にも分かり易く識別できる。また、プロセス名は、プログラムの名称などを用いるようにしても良いし、ノード番号などを分かり易いように付与することが考えられる。
【0105】
実行状態は、シミュレーション結果として取得した結果であるプログラムの実行状態を使用者が視認できるようにしたものであり、実行中か停止中かなどの情報を表示するようにすれば良い。こうすることで、停止したプログラムがあれば、なぜ停止したかなどを解析するきっかけとなる。
【0106】
通信状態は、通信速度などの状況を表示しているが、これに限られるものでは無く、通信中か待ちかを示すものであっても良い。通信速度の情報が解れば、通信効率がどこで低下しているかなどの解析を行うことができる。
【0107】
プログラムモニター画面は、以上説明した内容に限らず、評価や解析に必要な情報を適宜表示できるようになっていることが望ましい。
【0108】
<実施形態4:ハードウェア構成>
以上が実施形態4の構成であるが、これをプログラムもしくは制御方法として実現する場合も本発明の範囲内である。
図19は、実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態4無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータの装置は、実施形態1から実施形態3のいずれか一の構成に加えて、シミュレーション結果取得プログラム1973をさらに有する。
【0109】
<実施形態4:方法>
図18は、実施形態4の無線ネットワークシミュレーション処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法は、実施形態1から実施形態3のいずれか一の構成に加えて、シミュレーション結果取得ステップ1830をさらに有する。
以降、各ステップの作用を説明するが、前述した実施形態で説明したステップの説明は省略し、新たに追加されたステップについてのみ説明する。
【0110】
シミュレーション結果取得ステップは、無線ネットワークシミュレーション処理の最後に行われる。
シミュレーション結果取得ステップは、仮想ノード空間配置ステップの後に実行され、シミュレーション結果を取得する。取得したシミュレーション結果は、画面に表示するかまたはファイルに書き出しを行う。
【0111】
<実施形態4:効果>
以上述べてきたように、実施形態4の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置では、シミュレーションの実行結果や実行中の状態を確認できるので、後から結果を用いて評価および検証を行ったり、リアルタイムに結果を確認しながらプログラムのデバッグを行ったりできる。
【0112】
<実施形態5:(請求項6、請求項8に対応)>
<実施形態5: 概要>
実施形態5の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置は、自動で仮想ノードを配置し、シミュレーションを実施する。これにより、様々な配置パターンのルーティングに関する評価および検証を自動で行うことができる。
【0113】
<実施形態5: 構成>
図21は、実施形態5の無線ネットワークシミュレーション処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態5の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置の動作方法および制御プログラムは、実施形態1から実施形態4のいずれか一の構成に加えて、仮想ノード配置ステップS2130と、仮想ノード機能開始ステップS2140と、を有する。
以降、各ステップの作用を説明するが、前述した実施形態で説明したステップの説明は省略し、新たに追加されたステップについてのみ説明する。
【0114】
<実施形態5:構成の説明 仮想ノード配置ステップ>
「仮想ノード配置ステップ」は、複数の仮想ノードを仮想ノード配置空間に仮想的に配置する。
仮想ノード配置ステップで、仮想的に配置する配置位置は、自動的に生成する。
配置位置の生成方法の一例としては、仮想ノード配置空間を平面(3次元でも構わない)として直交座標系で表される座標をランダムに生成することが考えられる。
この時、予め仮想ノード配置空間の範囲を設定しておいて、その範囲内で配置位置を生成することが望ましい。また、通信可能範囲外に仮想ノードが配置されることを防ぐため、以前に配置した仮想ノードの通信可能範囲内にランダムに配置することが考えられる。
【0115】
また、前述した方法の他にも、予め複数の配置パターンを作成しておき、仮想ノード配置ステップで、順次配置パターンを選択するようにしても良い。
【0116】
<実施形態5:構成の説明 仮想ノード機能開始ステップ>
「仮想ノード機能開始ステップ」は、仮想ノードを機能させる。
仮想ノード機能開始ステップでは、シミュレーション装置でのシミュレーションを開始し、仮想ノード配置空間に配置された複数の仮想ノードを動作させる。
これにより、仮想ノードはルーティングを開始し、ネットワークの通信ルートが確立される。
【0117】
<実施形態5:構成の説明 仮想ノード機能開始ステップ 仮想ノード機能終了サブステップ>
仮想ノード機能開始ステップは、開始したシミュレーションを、所定の条件で終了する「仮想ノード機能終了サブステップ」を有しても良い。
シミュレーションを終了する所定の条件とは、例えば、所定時間が経過した場合、ルーティングが終了した場合、障害が発生した場合など、様々な条件が考えられる。
シミュレーションが終了した場合は、再度仮想ノード配置ステップを行い、新たな仮想ノードの配置でシミュレーションを開始することが考えられる。
【0118】
<実施形態5:構成の説明 仮想ノード機能開始ステップ シミュレーション結果評価ステップ>
さらに、仮想ノード機能開始ステップで機能を開始した仮想ノードの実行結果を評価する「シミュレーション結果評価ステップ」を有しても良い。
仮想ノード配置ステップで配置された仮想ノードの位置に基づいて、ルーティングアルゴリズムにより期待されるルーティング結果が求められる。
シミュレーション結果評価ステップでは、ルーティング結果を求め、シミュレーション結果取得部で取得したルーティング結果と比較し、一致しているかを確認する。
結果が一致している場合は正常動作とし、一致しない場合は異常動作と判定するようにすれば良い。
【0119】
また、シミュレーション結果の評価は、ルーティングに限らず、アプリケーションプログラムの機能に係る評価であっても良い。
予め、シミュレーション結果評価ステップで、期待されるアプリケーションプログラムの実行結果を生成しておく。そして、シミュレーション結果取得部で、アプリケーションプログラムの実行結果を、シミュレーション結果として取得し、比較するようにすれば良い。
【0120】
また、仮想ノード配置ステップで与える仮想ノードの配置位置が、予め決められた複数の配置から選択される場合、配置に対応した期待されるルーティング結果も予め準備し、仮想ノードの配置位置に関連付けて取得するようにしても良い。これは、入力パターンに対応した期待値が与えられることを意味している。
【0121】
<実施形態5:処理の流れ>
仮想ノード配置ステップは、仮想ノード構成ステップの後に実施され、仮想ノード構成ステップで構成された複数の仮想ノードの仮想ノード配置空間における配置位置を生成する。
次に、仮想ノード配置空間構成ステップは、仮想ノード配置ステップで生成された仮想ノードの配置位置に基づいて、仮想ノード配置空間を構成する。
次に、仮想ノード機能開始ステップは、仮想ノード配置空間構成ステップで構成された、仮想ノード配置空間に基づいて、シミュレーションを実行する。
シミュレーションが終了したら、再度、異なる仮想ノードの配置でシミュレーションを行うかを判断しS2150、再度行う場合(S2150で「Y」を選択)は、仮想ノード構成ステップに戻って再度同じ処理を繰り返す。
終了する場合(S2150で「N」を選択)は、無線ネットワークシミュレーション処理を終了する。
【0122】
なお、シミュレーション終了の判断は、指定回数実行されたか、予め作成した配置パターンがすべて実行されたか、障害が発生したか、などが考えられる。
【0123】
<実施形態5:ハードウェア構成>
以上が実施形態5の構成であるが、これをプログラムもしくは制御方法として実現する場合も本発明の範囲内である。
図22は、実施形態5の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施形態5無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータの装置は、実施形態1から実施形態4のいずれか一の構成におこなうばあい加えて、仮想ノード配置プログラム2237と、仮想ノード機能開始プログラム2238と、をさらに有する。
【0124】
<実施形態5:効果>
以上述べてきたように、実施形態5の無線ネットワークシステム評価のためのシミュレータ装置によれば、様々な仮想ノードの配置で、無線ネットワークシステムの評価および検証が自動で行うことができる。
【符号の説明】
【0125】
0101 仮想ノード配置空間
0110 仮想ノード1
0111 仮想通信部
0112 仮想ハードウェア
0113 仮想ルーティングプログラム
0114 アプリケーションプログラム
0210 CPU
0220 メインメモリ
0230 不揮発性メモリ
0240 チップセット
0250 グラフィックカード
0260 BIOS
0270 PCIスロット
0280 I/Oコントローラ
0290 LANインタフェース
0300 シミュレータ装置
0310 仮想ノード構成部
0311 仮想ルーティングプログラム
0312 仮想ハードウェア構成手段
0313 仮想通信構成手段
0320 仮想ノード配置空間構成部
0321 仮想ノード
0322 仮想環境因子構成手段
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22