IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理装置及び情報処理方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149460
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058047
(22)【出願日】2022-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】松村 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 美弥子
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】非代替性トークンに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する際に、ユーザやサービス管理者の利便性の向上を図る。
【解決手段】ブロックチェーン上に記録された非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する仮想現実空間処理部と、展示希望ユーザから展示希望デジタルコンテンツの仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付部と、展示希望ユーザの情報と展示希望デジタルコンテンツの情報と仮想現実空間上での展示希望位置と展示希望サイズとのうちいずれかに基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御部と、を備え、仮想現実空間処理部は、展示可能条件が満たされる場合に展示希望位置と展示希望サイズに基づいて展示希望デジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーン上に記録された非代替性トークンであって前記非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理部と、
展示希望ユーザから展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付部と、
前記展示要求に含まれる、前記展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望位置と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望サイズとのうち少なくともいずれか一つに基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御部と、を備え、
前記仮想現実空間処理部は、前記展示制御部が前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示要求に含まれる前記展示希望位置と前記展示希望サイズに基づいて前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記展示制御部は、
前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンについての照会を行い、
当該照会に対する前記非代替性トークン管理システムからの応答に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツが前記非代替性トークンに関連付けられたデジタルコンテンツであり、且つ前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記仮想現実間上での前記展示希望位置に特定のオブジェクトが存在していないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置の周辺に存在する周辺オブジェクトに関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置と前記展示希望サイズが、前記仮想現実空間における前記周辺オブジェクトの視認性に関する条件を満たすか否かを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オブジェクトは、ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツである、
請求項3又は4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示禁止エリアに含まれないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記展示制御部は、前記仮想現実空間上に既に展示されているデジタルコンテンツに関するコンテンツ展示情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示制限エリアに含まれる場合において、前記展示制限エリアに既に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記展示制御部は、前記展示希望ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価が前記展示希望ユーザから支払われたことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記対価は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置の所定の価値に応じた値である、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記対価の支払先は、仮想現実空間サービスの管理者又は前記展示希望位置の権利者である、
請求項9又は10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関連づけられた前記非代替性トークンの売買の取引処理を実行する取引処理部をさらに備える、
請求項1から11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記受付部は、前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関する非代替性トークン購入要求を購入希望ユーザから受付け、
前記取引処理部は、
前記非代替性トークン購入要求に応じて、前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、購入希望非代替性トークンの保有者を前記購入希望ユーザに変更するように要求し、
前記購入希望非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報として前記購入希望ユーザを特定する識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記購入希望非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを、前記非代替性トークン管理システムから取得する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記取引処理部は、
前記購入希望ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの購入代金の決済処理を実行し、
前記購入希望非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツであって前記仮想現実空間上に展示されたデジタルコンテンツの展示要求元ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの売却代金の決済処理を実行する、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記仮想現実空間処理部は、前記取引処理部の取引処理によって売買が成立した前記非代替性トークンに対応する前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツについて前記仮想現実空間上での展示を終了する、
請求項12から14のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ブロックチェーン上に記録された非代替性トークンであって前記非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理ステップと、
展示希望ユーザから展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付ステップと、
前記展示要求に含まれる、前記展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望位置と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望サイズとのうち少なくともいずれか一つに基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御ステップと、を含み、
前記仮想現実空間処理ステップは、前記展示制御ステップが前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示要求に含まれる前記展示希望位置と前記展示希望サイズに基づいて前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカード等のデジタルコンテンツに対して唯一性や保有者を証明することができるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)が注目されている。そして、そのNFTを扱うマーケットプレイス(NFTマーケットプレイス)が開設されており、NFTマーケットプレイスを利用してNFTを購入したり販売したりすることができるようになっている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
非特許文献1に記載された技術は、ユーザが保有者になっているNFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実(Virtual Reality:VR)の空間(仮想現実空間)上に展示し、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを売買するための取引をユーザ間で行うことができるサービスシステムを提供している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「次世代型NFTマーケットプレイスXANALIA(ザナリア)が日本マーケティングリサーチ機構の調査で3冠を獲得しました!」、株式会社日本マーケティングリサーチ機構、2021年5月14日、インターネット<URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000822.000033417.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した非特許文献1に記載された技術では、デジタルコンテンツを展示可能な仮想現実空間上の位置がサービス管理者によって指定される場合があると、ユーザが意図するデジタルコンテンツの展示効果を十分に得ることができない可能性があった。一方で、デジタルコンテンツを展示可能な仮想現実空間上の位置に何ら制限がないと、複数のユーザが仮想現実空間上の同じ位置にデジタルコンテンツを展示したいという展示位置の競合が発生したり、既に仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツの展示の妨げになる位置に他のデジタルコンテンツが展示されてしまったりという問題が生じ、サービス管理者の負担が増大する。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、NFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する際に、ユーザやサービス管理者の利便性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、ブロックチェーン上に記録された非代替性トークンであって前記非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理部と、展示希望ユーザから展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付部と、前記展示要求に含まれる、前記展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望位置と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望サイズとのうち少なくともいずれか一つに基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御部と、を備え、前記仮想現実空間処理部は、前記展示制御部が前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示要求に含まれる前記展示希望位置と前記展示希望サイズに基づいて前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示する、情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンについての照会を行い、当該照会に対する前記非代替性トークン管理システムからの応答に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツが前記非代替性トークンに関連付けられたデジタルコンテンツであり、且つ前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)の情報処理装置である。
(3)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に特定のオブジェクトが存在していないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)又は(2)のいずれかの情報処理装置である。
(4)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置の周辺に存在する周辺オブジェクトに関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置と前記展示希望サイズが、前記仮想現実空間における前記周辺オブジェクトの視認性に関する条件を満たすか否かを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から(3)のいずれかの情報処理装置である。
(5)本発明の一態様は、前記オブジェクトは、ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツである、上記(3)又は(4)のいずれかの情報処理装置である。
(6)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示禁止エリアに含まれないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から(5)のいずれかの情報処理装置である。
(7)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記仮想現実空間上に既に展示されているデジタルコンテンツに関するコンテンツ展示情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示制限エリアに含まれる場合において、前記展示制限エリアに既に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から(6)のいずれかの情報処理装置である。
(8)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記展示希望ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から(7)のいずれかの情報処理装置である。
(9)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価が前記展示希望ユーザから支払われたことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から(8)のいずれかの情報処理装置である。
(10)本発明の一態様は、前記対価は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置の所定の価値に応じた値である、上記(9)の情報処理装置である。
(11)本発明の一態様は、前記対価の支払先は、仮想現実空間サービスの管理者又は前記展示希望位置の権利者である、上記(9)又は(10)のいずれかの情報処理装置である。
(12)本発明の一態様は、前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関連づけられた前記非代替性トークンの売買の取引処理を実行する取引処理部をさらに備える、上記(1)から(11)のいずれかの情報処理装置である。
(13)本発明の一態様は、前記受付部は、前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関する非代替性トークン購入要求を購入希望ユーザから受付け、前記取引処理部は、前記非代替性トークン購入要求に応じて、前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、購入希望非代替性トークンの保有者を前記購入希望ユーザに変更するように要求し、前記購入希望非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報として前記購入希望ユーザを特定する識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記購入希望非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを、前記非代替性トークン管理システムから取得する、上記(12)の情報処理装置である。
(14)本発明の一態様は、前記取引処理部は、前記購入希望ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの購入代金の決済処理を実行し、前記購入希望非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツであって前記仮想現実空間上に展示されたデジタルコンテンツの展示要求元ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの売却代金の決済処理を実行する、上記(13)の情報処理装置である。
(15)本発明の一態様は、前記仮想現実空間処理部は、前記取引処理部の取引処理によって売買が成立した前記非代替性トークンに対応する前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツについて前記仮想現実空間上での展示を終了する、上記(12)から(14)のいずれかの情報処理装置である。
【0008】
(16)本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ブロックチェーン上に記録された非代替性トークンであって前記非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理ステップと、展示希望ユーザから展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付ステップと、前記展示要求に含まれる、前記展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望位置と、前記展示希望ユーザが希望する前記仮想現実空間上での展示希望サイズとのうち少なくともいずれか一つに基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御ステップと、を含み、前記仮想現実空間処理ステップは、前記展示制御ステップが前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示要求に含まれる前記展示希望位置と前記展示希望サイズに基づいて前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示する、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、NFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する際に、ユーザやサービス管理者の利便性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。
図2】一実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
図4】一実施形態に係る情報処理方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る仮想現実空間サービスシステムの構成例を示すブロック図である。図1において、仮想現実空間サーバ(情報処理装置)1は、仮想現実空間サービスを提供するための情報処理を実行する。本実施形態では、仮想現実空間サービスとして、ユーザが保有者になっているNFT(非代替性トークン)に対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するサービスを提供する。また、仮想現実空間サービスとして、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを売買するための取引をユーザ間で行うことができるサービスを提供する。
【0012】
仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用するデバイス(ユーザデバイス)2(2a,2b)との間でデータを送受する。ユーザデバイス2は、例えばヘッドマウントディスプレー(HMD)である。ヘッドマウントディスプレーは、装着者に対して、コンピューターグラフィックスにより作られた仮想現実空間を、リアルな空間(実空間)のように見せることができる。また、ヘッドマウントディスプレーが備える各種センサーによって動きや傾きなどが検出され、装着者が仮想現実空間上を移動しているように見せたり、仮想現実空間上のオブジェクト(物体)を見る方向を変えたりすることができる。
【0013】
ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間サーバ1に対して、仮想現実空間サービスに関する要求を行うことができる。仮想現実空間サービスに関する要求として、例えば、ユーザが保有者になっているNFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する要求(展示要求)がある。仮想現実空間サービスに関する要求として、例えば、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを購入する要求(NFT購入要求)がある。
【0014】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、NFT管理システム4との間でデータを送受する。NFT管理システム4は、NFTを管理するための情報処理システムである。NFT管理システム4が管理するNFTは、ブロックチェーン5上で保有者が管理される。ブロックチェーン5には、NFT管理システム4が管理するNFTの来歴が記録されている。このブロックチェーン5によって、NFT管理システム4が管理するNFTの保有者が証明される。
【0015】
ブロックチェーン5には、NFTに関するメタデータが記録される。NFTに関するメタデータは、当該NFTについての、識別子や作成日時や保有者を特定する保有者アドレス(保有者識別情報(保有者ID))や対象物URL等の情報を有する。対象物URLは、NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)である。NFTが保有者を証明する対象物であるデジタルコンテンツは、例えばデジタルアートやゲームアイテムやトレーディングカードやデジタル写真やデジタル音声やデジタルテキストなど、様々である。
【0016】
なお、NFT管理システム4は、NFTマーケットプレイスの機能を有してもよい。NFTマーケットプレイスの機能は、NFTの購入や販売等の流通に関する機能として、例えばNFTの販売情報の提示やNFTの購入依頼及び売却依頼の受付やNFTの代金の決済等である。
【0017】
仮想現実空間サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、コンテンツデータベース7との間でデータを送受する。コンテンツデータベース7は、NFT管理システム4が管理するNFTに対応するデジタルコンテンツを格納するデータベースである。
【0018】
図2は、本実施形態に係る仮想現実空間サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。図2において、仮想現実空間サーバ1は、仮想現実空間処理部10と、受付部11と、展示制御部12と、取引処理部13と、記憶部20と、を備える。
【0019】
仮想現実空間サーバ1の各機能は、仮想現実空間サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、仮想現実空間サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、仮想現実空間サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、仮想現実空間サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又は仮想現実空間サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、仮想現実空間サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0020】
仮想現実空間処理部10は、ユーザに対して仮想現実空間を見せるための仮想現実空間データをコンピューターグラフィックスにより生成する仮想現実空間処理を実行する。仮想現実空間データは、例えばヘッドマウントディスプレーで表示されることにより、コンピューターグラフィックスにより作られた仮想現実空間を装着者に対して実空間のように見せることができるデータである。
【0021】
本実施形態では、仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間処理としてさらに、NFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための処理を実行する。NFTに対応するデジタルコンテンツは、ブロックチェーン5上に記録されたNFTであって当該NFTを保有する保有者を特定する保有者IDがブロックチェーン5上に記録されたNFTに関連づけられたデジタルコンテンツである。より具体的には、当該NFTに関するメタデータが有する対象物URLによって所在が示されるデジタルコンテンツである。本実施形態では、対象物URLによって、コンテンツデータベース7におけるデジタルコンテンツの所在が示される。
【0022】
受付部11は、ユーザデバイス2から、仮想現実空間サービスに関する各種の要求を受付ける。ユーザは、ユーザデバイス2を使用して、仮想現実空間サーバ1に対して仮想現実空間サービスに関する各種の要求を行うことができる。
【0023】
例えば、NFTの保有者になっているユーザ(NFT保有者)は、ユーザデバイス2aを使用して、自分が保有者になっているNFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する展示要求を仮想現実空間サーバ1に行うことができる。受付部11は、ユーザデバイス2aから展示要求を受付ける。
【0024】
例えば、NFTの購入を希望するユーザ(購入者)は、ユーザデバイス2bを使用して、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに対応するNFTを購入するNFT購入要求を仮想現実空間サーバ1に行うことができる。受付部11は、ユーザデバイス2bからNFT購入要求を受付ける。
【0025】
展示制御部12は、受付部11が受付けた展示要求に関する展示制御処理を実行する。展示制御部12は、展示制御処理において、受付部11が受付けた展示要求に対して、所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する。仮想現実空間処理部10は、当該判定の結果、展示可能条件を満たすと判定された場合に、受付部11が受付けた展示要求に基づいて展示希望デジタルコンテンツを仮想現実空間上の展示希望位置に展示する。
【0026】
取引処理部13は、仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関連づけられたNFTの売買の取引処理を実行する。
【0027】
取引処理部13は、取引処理において、受付部11が受付けたNFT購入要求に応じて、NFT管理システム4に対して、購入希望NFTの保有者を購入希望ユーザに変更するように要求する。NFT管理システム4は、購入希望NFTの保有者の変更の要求に応じて、ブロックチェーン5に対して購入希望NFTの保有者を購入希望ユーザに変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上に記録されている購入希望NFTの保有者が購入希望ユーザに変更される。この後、取引処理部13は、購入希望NFTに関するNFTデータを、NFT管理システム4から取得する。NFTデータは、NFTに関するデータであって、ブロックチェーン5上のメタデータを含むデータである。取引処理部13がNFT管理システム4から取得する購入希望NFTに関するNFTデータは、購入希望NFTを保有する保有者を特定する保有者IDとして購入希望ユーザを特定するID(識別情報)がブロックチェーン5上に記録された購入希望NFTを示すデータである。
【0028】
取引処理部13は、取引処理において、購入希望ユーザに対して購入希望NFTの購入代金の決済処理を実行する。これにより、購入希望ユーザから購入希望NFTの購入代金が支払われる。また、取引処理部13は、取引処理において、購入希望NFTに関連づけられたデジタルコンテンツであって仮想現実空間上に展示されたデジタルコンテンツの展示要求元ユーザに対して購入希望NFTの売却代金の決済処理を実行する。これにより、展示要求元ユーザに対して購入希望NFTの売却代金が支払われる。
【0029】
仮想現実空間処理部10は、取引処理部13の取引処理によって売買が成立したNFTに対応する仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツについて仮想現実空間上での展示を終了する。
【0030】
記憶部20は、仮想現実空間構成情報201、コンテンツ展示情報202、展示可能条件情報203及びユーザ情報204等の各種のデータを記憶する。
【0031】
仮想現実空間構成情報201は、最新の仮想現実空間の構成を示す情報である。仮想現実空間構成情報201は、仮想現実空間上に存在する全てのオブジェクトについて、オブジェクトの形状、位置及び設置方向などの情報を含む。したがって、仮想現実空間構成情報201によって、ユーザに対して現在提供されている仮想現実空間において、どのような形状のオブジェクトがどの位置にどちらの方向に向けて設置されているのかが分かる。仮想現実空間構成情報201は、仮想現実空間処理部10によって、仮想現実空間の構成が変わる度に、直ぐに更新される。
【0032】
コンテンツ展示情報202は、受付部11が受付けた展示要求に応じて仮想現実空間上に既に展示されているデジタルコンテンツ(既展示コンテンツ)に関する情報である。コンテンツ展示情報202は、仮想現実空間上に存在する全ての既展示コンテンツについて、展示要求元のユーザのユーザ識別情報(ユーザID)、既展示コンテンツのコンテンツ識別情報(コンテンツID)、展示位置、展示サイズ、NFTデータ及びNFTの売却希望価格などの情報を含む。コンテンツ展示情報202は、展示制御部12によって、情報の追加や変更の度に更新される。
【0033】
展示可能条件情報203は、展示可能条件を示す情報である。展示可能条件情報203は、仮想現実空間サービスの管理者によって決定された展示可能条件を示す情報であって、予め仮想現実空間サーバ1に設定される。
【0034】
ユーザ情報204は、ユーザに関する情報である。ユーザ情報204は、ユーザ毎に、ユーザID、NFT管理システム4で使用されるユーザID、デジタルコンテンツの展示履歴、デジタルコンテンツに対応するNFTの売買の取引履歴などの情報を含む。なお、ユーザID(仮想現実空間サービスにおけるユーザID)とNFT管理システム4で使用されるユーザIDとは、同じであってもよく、又は異なってもよい。NFT管理システム4で使用されるユーザIDは、ブロックチェーン5上で保有者IDとして記録されるIDである。ユーザ情報204は、仮想現実空間サービスへのユーザ登録時に記憶部20に記憶される。その後、ユーザ情報204は、展示制御部12や取引処理部13などによって、情報の追加や変更の度に更新される。
【0035】
次に図3を参照して本実施形態に係る情報処理方法のうち展示制御方法について説明する。図3は、本実施形態に係る展示制御方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0036】
(ステップS101) NFTの保有者になっている展示希望ユーザ(NFT保有者)は、ユーザデバイス2aを使用して、自分が保有者になっているNFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する展示要求を仮想現実空間サーバ1に行う。ユーザデバイス2aは、展示希望ユーザによる展示要求の操作に応じて、展示要求データを仮想現実空間サーバ1へ送信する。
【0037】
展示要求データは、展示希望ユーザのユーザID(展示希望ユーザID)、展示希望デジタルコンテンツに対応するNFT(展示希望対応NFT)の識別子(展示希望対応NFT_ID)、展示希望対応NFTの売却希望価格などを含むデータである。展示要求データは、仮想現実空間上での展示希望位置及び展示希望サイズをさらに含むデータであってもよい。
【0038】
仮想現実空間サーバ1において受付部11は、ユーザデバイス2aから送信された展示要求データを受信することにより、展示希望ユーザからの展示要求を受付ける。受付部11は、ユーザデバイス2aから受信した展示要求データを記憶部20に記憶させる。
【0039】
(ステップS102) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、受付部11が受付けた展示希望ユーザからの展示要求に応じて、NFT管理システム4に対して、展示希望対応NFT_IDを送信し、展示希望対応NFTの照会を行う。
【0040】
(ステップS103) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1からの展示希望対応NFTの照会に応じて、ブロックチェーン5から展示希望対応NFT_IDに対応するNFTを検索する。この検索の結果、展示希望対応NFT_IDに対応するNFT(展示希望対応NFT)が発見された場合には、NFT管理システム4は、展示希望対応NFTに関するNFTデータ(展示希望対応NFTデータ)を取得し、展示希望対応NFTの照会に対する応答として展示希望対応NFTデータを仮想現実空間サーバ1へ送信する。一方、展示希望対応NFT_IDに対応するNFT(展示希望対応NFT)が発見されなかった場合には、NFT管理システム4は、その旨を仮想現実空間サーバ1へ応答する。
【0041】
仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望対応NFTの照会に対する応答として仮想現実空間サーバ1から展示希望対応NFTデータを受信した場合には、展示希望対応NFTデータを記憶部20に記憶させる。この後、次のステップS104の手順に進む。
【0042】
一方、展示制御部12は、展示希望対応NFTの照会に対する応答として展示希望対応NFTが発見されなかった旨の応答を仮想現実空間サーバ1から受信した場合には、展示希望ユーザのユーザデバイス2aに対してその旨の通知を送信する。この後、図3の処理を終了する。
【0043】
(ステップS104) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望対応NFTデータに含まれるメタデータが有する対象物URLにアクセスし、コンテンツデータベース7に対して展示希望デジタルコンテンツの照会を行う。
【0044】
(ステップS105) コンテンツデータベース7は、仮想現実空間サーバ1からの展示希望デジタルコンテンツの照会に応じて、対象物URLに所在の展示希望デジタルコンテンツのデータ(展示希望デジタルコンテンツデータ)を仮想現実空間サーバ1へ応答する。展示希望デジタルコンテンツデータは、展示希望デジタルコンテンツの本体データ及びメタデータ含むデータである。デジタルコンテンツのメタデータは、当該デジタルコンテンツの作成者名、作成日時及び本体データのサイズなどの情報を有する。
【0045】
仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、コンテンツデータベース7から取得した展示希望デジタルコンテンツデータを記憶部20に記憶させる。
【0046】
(ステップS106) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望ユーザのユーザデバイス2aに対して、展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置及び展示希望サイズの照会を行う。この展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置及び展示希望サイズの照会において、展示制御部12は、仮想現実空間処理部10と連携し、展示希望ユーザが仮想現実空間上で展示希望位置及び展示希望サイズを指定するための展示位置サイズ指定メニューを提供する。これにより、展示希望ユーザは、展示位置サイズ指定メニューによって、仮想現実空間上で展示希望位置及び展示希望サイズを指定することができる。
なお、受付部11が展示希望ユーザのユーザデバイス2aから受信した展示要求データが仮想現実空間上での展示希望位置及び展示希望サイズを含む場合には、展示制御部12は、当該ユーザデバイス2aに対して展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置及び展示希望サイズの照会を行わなくてもよい。
【0047】
(ステップS107) 展示希望ユーザは、ユーザデバイス2aを使用して、展示位置サイズ指定メニューによって仮想現実空間上で展示希望位置及び展示希望サイズを指定する。ユーザデバイス2aは、展示希望ユーザによる展示希望位置及び展示希望サイズの指定の操作に応じて、展示希望位置及び展示希望サイズの指定データを仮想現実空間サーバ1へ応答する。展示希望位置及び展示希望サイズの指定データは、仮想現実空間上において、展示希望デジタルコンテンツを展示するときの展示希望ユーザの希望の展示位置(展示希望位置)と、展示希望デジタルコンテンツを展示するときの展示希望ユーザの希望の展示サイズ(展示希望サイズ)とを示すデータである。
【0048】
仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望ユーザのユーザデバイス2aから展示希望位置及び展示希望サイズの指定データを受信する。
【0049】
(ステップS108) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望ユーザからの展示要求に対して、所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する。展示可能条件は、展示可能条件情報203に示される。
【0050】
ここで、本実施形態に係る展示可能条件についていくつかの例を挙げて説明する。
【0051】
[展示可能条件の例1]
展示可能条件の例1は、展示希望ユーザが展示希望対応NFTの保有者になっていることである。より具体的には、展示希望デジタルコンテンツがブロックチェーン5上に記録されたNFTに関連付けられたデジタルコンテンツであり、且つ展示希望ユーザが展示希望デジタルコンテンツに関連付けられたNFTに対応する保有者IDで特定されるユーザであることである。
【0052】
展示希望デジタルコンテンツがブロックチェーン5上に記録されたNFTに関連付けられたデジタルコンテンツであることは、NFT管理システム4によって展示希望対応NFTがブロックチェーン5から発見された場合には満たされる。一方、展示希望対応NFTがブロックチェーン5から発見されなかった場合には満たされない。
【0053】
展示希望ユーザが展示希望デジタルコンテンツに関連付けられたNFTに対応する保有者IDで特定されるユーザであることは、展示希望対応NFTデータに含まれるメタデータが有する保有者IDが展示希望ユーザを示すIDであることで満たされる。展示希望ユーザの保有者ID(NFT管理システム4で使用されるユーザID)は、ユーザ情報204に含まれる。したがって、展示希望対応NFTデータに含まれるメタデータが有する保有者IDと、ユーザ情報204に含まれる展示希望ユーザの保有者IDとが一致である場合には、展示希望ユーザが展示希望デジタルコンテンツに関連付けられたNFTに対応する保有者IDで特定されるユーザであることが満たされる。一方、不一致である場合には満たされない。
【0054】
[展示可能条件の例2]
展示可能条件の例2は、仮想現実空間上において展示希望位置に特定のオブジェクトが存在していないことである。仮想現実空間上において、既に展示希望位置に特定のオブジェクトが存在している場合には、展示希望位置に展示希望デジタルコンテンツを展示することはできない。仮想現実空間上において展示希望位置に特定のオブジェクトが存在していないことは、仮想現実空間構成情報201において展示希望位置に特定のオブジェクトが設定されていないことで満たされる。一方、仮想現実空間構成情報201において展示希望位置に特定のオブジェクトが設定されている場合には満たされない。
特定のオブジェクトは、例えば他の展示物や広告や建物などである。一方、背景や地面や空など仮想現実空間の基本的構成は、特定のオブジェクトから除外する。
【0055】
[展示可能条件の例3]
展示可能条件の例3は、仮想現実空間上において、展示希望位置に展示希望サイズで展示希望デジタルコンテンツを展示しても、当該展示希望デジタルコンテンツが、展示希望位置の周辺に存在する他のオブジェクトをユーザが視認する妨げにならないことである。仮想現実空間上において、既に展示希望位置の周辺に他のオブジェクトが存在している場合には、展示希望デジタルコンテンツが当該他のオブジェクトのユーザ視認の妨げになることは好ましくない。当該他のオブジェクトとして、例えば、仮想現実空間上に設置された案内表示媒体や広告媒体などが挙げられる。
【0056】
展示希望位置の周辺に既に存在するオブジェクトの情報(オブジェクトの形状、位置及び設置方向など)は、仮想現実空間構成情報201に示される。展示希望位置に展示希望サイズで展示される展示希望デジタルコンテンツが、展示希望位置の周辺に既に存在するオブジェクトのユーザ視認の妨げにならないことは、当該オブジェクトの情報(オブジェクトの形状、位置及び設置方向など)に基づいて、所定の方法により判定される。
【0057】
例えば、仮想現実空間上において、ユーザが所定の位置や方向から当該オブジェクトを見た場合に、当該展示希望デジタルコンテンツによって当該オブジェクトが隠れる(当該展示希望デジタルコンテンツと当該オブジェクトとが重なって見える)場合には当該展示希望デジタルコンテンツがユーザ視認の妨げになると判定する。一方、当該展示希望デジタルコンテンツによって当該オブジェクトが隠れない(当該展示希望デジタルコンテンツと当該オブジェクトとが重なって見えない)場合には当該展示希望デジタルコンテンツがユーザ視認の妨げにならないと判定する。
【0058】
なお、展示可能条件の例3において、仮想現実空間上の展示希望位置の周辺に既に存在する他のオブジェクトは、ユーザからの展示要求に応じて既に仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに限定してもよい。
【0059】
[展示可能条件の例4]
展示可能条件の例4は、展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置が仮想現実空間上での所定の展示禁止エリアに含まれないことである。展示禁止エリアは、展示可能条件情報203に示される。したがって、展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置が展示可能条件情報203に示される展示禁止エリアに含まれない場合には展示可能条件の例4が満たされる。一方、展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置が展示可能条件情報203に示される展示禁止エリアに含まれる場合には展示可能条件の例4が満たされない。
【0060】
[展示可能条件の例5]
展示可能条件の例5は、展示希望デジタルコンテンツの展示希望位置が仮想現実空間上での所定の展示制限エリアに含まれる場合において、展示制限エリアに既に展示されているデジタルコンテンツ(既展示コンテンツ)の個数が所定の上限数未満であることである。展示制限エリア、及び展示制限エリアにおける既展示コンテンツの上限数(制限エリア展示上限数)は、展示可能条件情報203に示される。展示制限エリアに既に展示されている既展示コンテンツは、コンテンツ展示情報202において、展示位置が展示制限エリアに含まれる既展示コンテンツである。したがって、コンテンツ展示情報202において、展示位置が展示可能条件情報203に示される展示制限エリアに含まれる既展示コンテンツの総数が展示可能条件情報203に示される制限エリア展示上限数未満である場合には、展示可能条件の例5が満たされる。一方、当該既展示コンテンツの総数が当該制限エリア展示上限数に達している場合には、展示可能条件の例5が満たされない。
【0061】
[展示可能条件の例6]
展示可能条件の例6は、展示希望ユーザからの展示要求に応じて既に仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツ(既展示コンテンツ)の個数が所定の上限数未満であることである。同一ユーザに対する既展示コンテンツの上限数(同一ユーザ展示上限数)は、展示可能条件情報203に示される。展示希望ユーザからの展示要求に応じて既に仮想現実空間上に展示されている既展示コンテンツは、コンテンツ展示情報202において展示希望ユーザIDに関連付けられた既展示コンテンツである。したがって、コンテンツ展示情報202において展示希望ユーザIDに関連付けられた既展示コンテンツの総数が展示可能条件情報203に示される同一ユーザ展示上限数未満である場合には、展示可能条件の例6が満たされる。一方、当該既展示コンテンツの総数が当該同一ユーザ展示上限数に達している場合には、展示可能条件の例6が満たされない。
【0062】
上述した展示可能条件の例1-例6は、それぞれ単独で用いられてもよく、又は複数が組み合わされて用いられてもよい。
【0063】
展示制御部12が展示希望ユーザからの展示要求に対して所定の展示可能条件を満たすか否かを判定した結果が、展示可能条件を満たすである場合には次のステップS109へ進む。
【0064】
一方、展示制御部12は、展示希望ユーザからの展示要求に対して所定の展示可能条件を満たすか否かを判定した結果が展示可能条件を満たさないである場合には、展示希望ユーザのユーザデバイス2aに対してその旨の通知を送信する。この後、図3の処理を終了する。
【0065】
(ステップS109) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望ユーザのユーザデバイス2aに対して、展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価の支払の要求を行う。当該対価は、仮想現実空間上における展示希望位置の所定の価値に応じた値であって、仮想現実空間サービスの管理者によって決定され、予め仮想現実空間サーバ1に設定される。例えば、仮想現実空間上において、多数のユーザが参集する人気のエリアは、そうではないエリアよりも高い対価が設定される。なお、当該対価の支払先は、予め仮想現実空間サーバ1に設定される。例えば、当該対価の支払先は、仮想現実空間サービスの管理者であってもよい。例えば、当該対価の支払先は、仮想現実空間上において、展示希望位置を含むエリアに関する権利を有するユーザ(権利者)であってもよい。
【0066】
(ステップS110) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望ユーザのユーザデバイス2aとの間で対価決済処理を行う。これにより、展示希望ユーザから対価の支払先へ、対価の支払いが行われる。当該対価の支払いが完了すると、次のステップS111へ進む。一方、当該対価の支払いが完了しない場合には、図3の処理を終了する。なお、ここでの例は、展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価が展示希望ユーザから支払われたことが、展示可能条件に含められている場合である。したがって、展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価が展示希望ユーザから支払われない場合には、仮想現実空間上において、展示希望デジタルコンテンツは展示されない。
【0067】
(ステップS111) 仮想現実空間サーバ1において仮想現実空間処理部10は、記憶部20に記憶されている展示希望デジタルコンテンツデータを使用して、仮想現実空間上において、展示希望ユーザから要求された展示希望位置及び展示希望サイズで展示希望デジタルコンテンツを展示する。
【0068】
(ステップS112) 仮想現実空間サーバ1において展示制御部12は、展示希望ユーザのユーザデバイス2aに対して、仮想現実空間上において展示希望位置に展示希望サイズで展示希望デジタルコンテンツが展示されたことを報告する。
【0069】
(ステップS113) 仮想現実空間サーバ1において各種の記録が行われる。仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間上において展示希望位置に展示希望サイズで展示された展示希望デジタルコンテンツに関する情報を、仮想現実空間構成情報201に追加する。展示制御部12は、仮想現実空間上において展示希望位置に展示希望サイズで展示された展示希望デジタルコンテンツ、展示希望ユーザ、展示希望対応NFTデータ及び展示希望対応NFTの売却希望価格などに関する情報を、コンテンツ展示情報202に追加する。展示制御部12は、ユーザ情報204において、展示希望ユーザに関するデジタルコンテンツの展示履歴に対して展示希望デジタルコンテンツに関する情報を追加する。
【0070】
次に図4を参照して本実施形態に係る情報処理方法のうち取引方法について説明する。図4は、本実施形態に係る取引方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0071】
(ステップS201) 購入希望ユーザ(購入者)は、ユーザデバイス2bを使用して、仮想現実空間上に展示されている既展示コンテンツに対応するNFT(購入希望NFT)のNFT購入要求を仮想現実空間サーバ1に行う。ユーザデバイス2bは、購入希望ユーザによるNFT購入要求の操作に応じて、NFT購入要求データを仮想現実空間サーバ1へ送信する。
【0072】
NFT購入要求データは、購入希望ユーザのユーザID(購入希望ユーザID)及び購入希望NFTに対応する既展示コンテンツのコンテンツID(既展示コンテンツID)を含むデータである。
【0073】
仮想現実空間サーバ1において受付部11は、ユーザデバイス2bから送信されたNFT購入要求データを受信することにより、購入希望ユーザからのNFT購入要求を受付ける。
【0074】
(ステップS202) 仮想現実空間サーバ1において取引処理部13は、購入希望ユーザのユーザデバイス2bとの間で購入代金決済処理を行う。取引処理部13は、購入代金決済処理において、コンテンツ展示情報202から、NFT購入要求データに含まれる既展示コンテンツIDに関連付けられたNFTの売却希望価格を取得する。取引処理部13は、当該売却希望価格の購入代金を所定の購入代金支払先へ支払うように、購入希望ユーザのユーザデバイス2bへ要求する。これにより、購入希望ユーザから購入代金支払先へ、売却希望価格の購入代金の支払いが行われる。当該購入代金の支払いが完了すると、次のステップS203へ進む。一方、当該購入代金の支払いが完了しない場合には、図4の処理を終了する。
【0075】
(ステップS203) 仮想現実空間サーバ1において取引処理部13は、コンテンツ展示情報202からNFT購入要求データに含まれる既展示コンテンツIDに関連付けられたNFTデータを取得し、取得したNFTデータに含まれるメタデータから購入希望NFTのID(購入希望NFT_ID)を取得する。取引処理部13は、NFT管理システム4に対して、購入希望NFT(購入希望NFT_ID)の保有者を購入希望ユーザ(購入希望ユーザID)に変更するように要求する(NFT保有者変更要求)。なお、仮想現実空間サービスでの購入希望ユーザのユーザID(購入希望ユーザID)とNFT管理システム4でのユーザIDとが異なる場合には、取引処理部13は、NFT管理システム4に対して、ユーザ情報204に含まれるNFT管理システム4での購入希望ユーザのユーザIDを通知する。ここでは、説明の便宜上、仮想現実空間サービスにおける購入希望ユーザのユーザID(購入希望ユーザID)とNFT管理システム4で使用されるユーザIDとが同じであるとして以下の説明を行う。
【0076】
(ステップS204) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1からのNFT保有者変更要求に応じて、ブロックチェーン5に対して購入希望NFT(購入希望NFT_ID)の保有者を購入希望ユーザ(購入希望ユーザID)に変更する処理を実行する。これにより、ブロックチェーン5上に記録されている購入希望NFT(購入希望NFT_ID)の保有者が購入希望ユーザ(購入希望ユーザID)に変更される。この保有者の変更後において、購入希望NFT(購入希望NFT_ID)に関するブロックチェーン5上のメタデータには、保有者IDとして購入希望ユーザIDが記録されている。
【0077】
(ステップS205) NFT管理システム4は、仮想現実空間サーバ1に対して、ブロックチェーン5上で保有者が購入希望ユーザに変更された購入希望NFT(購入希望NFT_ID)に関するNFTデータ(購入希望保有者変更済NFTデータ)を応答する(NFT保有者変更応答)。仮想現実空間サーバ1において取引処理部13は、NFT管理システム4から受信した購入希望保有者変更済NFTデータを記憶部20に記憶させる。
【0078】
(ステップS206) 仮想現実空間サーバ1において取引処理部13は、購入希望ユーザのユーザデバイス2bに対して、購入希望保有者変更済NFTデータを送信し、NFT購入報告を行う。購入希望ユーザは、購入希望保有者変更済NFTデータによって、自分が購入希望NFTの保有者として記録されていることを認識したり、対象物URLにアクセスして購入希望NFTに対応するデジタルコンテンツを確認したりすることができる。
【0079】
(ステップS207) 仮想現実空間サーバ1において取引処理部13は、購入希望NFTに対応する既展示コンテンツの展示要求元ユーザのユーザデバイス2aに対して、NFT売却報告を行う。このNFT売却報告は、当該展示要求元ユーザによる展示要求に応じて仮想現実空間上に展示されていた当該既展示コンテンツに対応するNFTの売却が完了したことを示す情報である。これにより、展示要求元ユーザは、自分が展示要求した既展示コンテンツに対応するNFTの売却が完了したことを認識することができる。
【0080】
(ステップS208) 仮想現実空間サーバ1において取引処理部13は、購入希望NFTに対応する既展示コンテンツの展示要求元ユーザのユーザデバイス2aとの間で売却代金決済処理を行う。取引処理部13は、売却代金決済処理において、コンテンツ展示情報202から、購入希望NFTに対応する既展示コンテンツの既展示コンテンツIDに関連付けられたNFTの売却希望価格を取得する。取引処理部13は、当該売却希望価格の売却代金を、展示要求元ユーザの所定の売却代金受取先へ支払う決済処理を行う。これにより、展示要求元ユーザの所定の売却代金受取先へ、売却希望価格の売却代金の支払いが行われる。
【0081】
(ステップS209) 仮想現実空間処理部10は、取引処理部13の取引処理によって売買が成立した購入希望NFTに対応する既展示コンテンツについて仮想現実空間上での展示を終了する。
【0082】
(ステップS210) 仮想現実空間サーバ1において各種の記録が行われる。仮想現実空間処理部10は、仮想現実空間上において展示が終了した既展示コンテンツに関する情報を、仮想現実空間構成情報201から削除する。展示制御部12は、仮想現実空間上において展示が終了した既展示コンテンツに関する情報を、コンテンツ展示情報202から削除する。展示制御部12は、ユーザ情報204において、仮想現実空間上において展示が終了した既展示コンテンツの展示要求元ユーザに関するデジタルコンテンツの展示履歴に対して当該既展示コンテンツの展示終了に関する情報を追加する。取引処理部13は、ユーザ情報204において、購入希望ユーザ及び展示要求元ユーザについて、購入希望NFTの売買の取引履歴を追加する。
【0083】
上述したように本実施形態によれば、NFTに対応するデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示する際に、ユーザの展示希望位置や展示希望サイズを考慮したり、仮想現実空間サービスの管理者の展示可能条件を考慮することができる。これにより、ユーザやサービス管理者の利便性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0084】
なお、これにより、例えば仮想現実空間上でNFTの売買の取引を行うシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0086】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0087】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…仮想現実空間サーバ(情報処理装置)、2a,2b…ユーザデバイス、4…NFT管理システム、5…ブロックチェーン、7…コンテンツデータベース、10…仮想現実空間処理部、11…受付部、12…展示制御部、13…取引処理部、20…記憶部、NW…通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-10-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーン上に記録されたトークンであって保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録されている非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理部と、
展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付部と、
前記展示要求に対応する、展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、に基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御部と、を備え、
前記仮想現実空間処理部は、前記展示制御部が前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示し、
前記展示制御部は、前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記展示制御部は、
前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンについての照会を行い、
当該照会に対する前記非代替性トークン管理システムからの応答に基づいて、前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであるか否かを判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記仮想現実空間処理部は、前記展示要求に対応する展示希望位置及び展示希望サイズに基づいて前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に特定のオブジェクトが存在していないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置の周辺に存在する周辺オブジェクトに関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置と前記展示希望サイズが、前記仮想現実空間における前記周辺オブジェクトの視認性に関する条件を満たすか否かを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項3又は4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記オブジェクトは、ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツである、
請求項又はのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示禁止エリアに含まれないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記展示制御部は、前記仮想現実空間上に既に展示されているデジタルコンテンツに関するコンテンツ展示情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示制限エリアに含まれる場合において、前記展示制限エリアに既に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記展示制御部は、前記展示希望ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価が前記展示希望ユーザから支払われたことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
請求項1からのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記対価は、前記展示要求に対応する前記仮想現実空間上での展示希望位置の所定の価値に応じた値である、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記対価の支払先は、仮想現実空間サービスの管理者又は前記展示要求に対応する前記仮想現実空間上での展示希望位置の権利者である、
請求項10又は11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関連づけられた前記非代替性トークンの売買の取引処理を実行する取引処理部をさらに備える、
請求項1から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記受付部は、前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関する非代替性トークン購入要求を購入希望ユーザから受付け、
前記取引処理部は、
前記非代替性トークン購入要求に応じて、前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、購入希望非代替性トークンの保有者を前記購入希望ユーザに変更するように要求し、
前記購入希望非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報として前記購入希望ユーザを特定する識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記購入希望非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを、前記非代替性トークン管理システムから取得する、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記取引処理部は、
前記購入希望ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの購入代金の決済処理を実行し、
前記購入希望非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツであって前記仮想現実空間上に展示されたデジタルコンテンツの展示要求元ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの売却代金の決済処理を実行する、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記仮想現実空間処理部は、前記取引処理部の取引処理によって売買が成立した前記非代替性トークンに対応する前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツについて前記仮想現実空間上での展示を終了する、
請求項13から15のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項17】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ブロックチェーン上に記録されたトークンであって保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録されている非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理ステップと、
展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付ステップと、
前記展示要求に対応する、展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、に基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御ステップと、を含み、
前記仮想現実空間処理ステップは、前記展示制御ステップが前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示し、
前記展示制御ステップは、前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、
情報処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
(1)本発明の一態様は、ブロックチェーン上に記録されたトークンであって保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録されている非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理部と、展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付部と、前記展示要求に対応する、展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、に基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御部と、を備え、前記仮想現実空間処理部は、前記展示制御部が前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示し、前記展示制御部は、前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、情報処理装置である。
(2)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンについての照会を行い、当該照会に対する前記非代替性トークン管理システムからの応答に基づいて、前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであるか否かを判定する、上記(1)の情報処理装置である。
(3)本発明の一態様は、前記仮想現実空間処理部は、前記展示要求に対応する展示希望位置及び展示希望サイズに基づいて前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示する、上記(1)又は(2)のいずれかの情報処理装置である。
)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置に特定のオブジェクトが存在していないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(3)の情報処理装置である。
)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記仮想現実空間上での前記展示希望位置の周辺に存在する周辺オブジェクトに関する仮想現実空間構成情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置と前記展示希望サイズが、前記仮想現実空間における前記周辺オブジェクトの視認性に関する条件を満たすか否かを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(3)又は(4)のいずれかの情報処理装置である。
)本発明の一態様は、前記オブジェクトは、ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツである、上記()又は()のいずれかの情報処理装置である。
)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示禁止エリアに含まれないことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記()から()のいずれかの情報処理装置である。
)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記仮想現実空間上に既に展示されているデジタルコンテンツに関するコンテンツ展示情報に基づいて、前記展示希望デジタルコンテンツの前記展示希望位置が前記仮想現実空間上での所定の展示制限エリアに含まれる場合において、前記展示制限エリアに既に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記()から()のいずれかの情報処理装置である。
)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記展示希望ユーザからの展示要求に応じて既に前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツの個数が所定の上限数未満であることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から()のいずれかの情報処理装置である。
10)本発明の一態様は、前記展示制御部は、前記展示希望デジタルコンテンツの展示に対する所定の対価が前記展示希望ユーザから支払われたことを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、上記(1)から()のいずれかの情報処理装置である。
11)本発明の一態様は、前記対価は、前記展示要求に対応する前記仮想現実空間上での展示希望位置の所定の価値に応じた値である、上記(10)の情報処理装置である。
12)本発明の一態様は、前記対価の支払先は、仮想現実空間サービスの管理者又は前記展示要求に対応する前記仮想現実空間上での展示希望位置の権利者である、上記(10)又は(11)のいずれかの情報処理装置である。
13)本発明の一態様は、前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関連づけられた前記非代替性トークンの売買の取引処理を実行する取引処理部をさらに備える、上記(1)から(12)のいずれかの情報処理装置である。
14)本発明の一態様は、前記受付部は、前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツに関する非代替性トークン購入要求を購入希望ユーザから受付け、前記取引処理部は、前記非代替性トークン購入要求に応じて、前記非代替性トークンを管理する非代替性トークン管理システムに対して、購入希望非代替性トークンの保有者を前記購入希望ユーザに変更するように要求し、前記購入希望非代替性トークンを保有する保有者を特定する保有者識別情報として前記購入希望ユーザを特定する識別情報が前記ブロックチェーン上に記録された前記購入希望非代替性トークンを示す非代替性トークンデータを、前記非代替性トークン管理システムから取得する、上記(13)の情報処理装置である。
15)本発明の一態様は、前記取引処理部は、前記購入希望ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの購入代金の決済処理を実行し、前記購入希望非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツであって前記仮想現実空間上に展示されたデジタルコンテンツの展示要求元ユーザに対して前記購入希望非代替性トークンの売却代金の決済処理を実行する、上記(14)の情報処理装置である。
(16)本発明の一態様は、前記仮想現実空間処理部は、前記取引処理部の取引処理によって売買が成立した前記非代替性トークンに対応する前記仮想現実空間上に展示されているデジタルコンテンツについて前記仮想現実空間上での展示を終了する、上記(13)から(15)のいずれかの情報処理装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
17)本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、ブロックチェーン上に記録されたトークンであって保有者を特定する保有者識別情報が前記ブロックチェーン上に記録されている非代替性トークンに関連づけられたデジタルコンテンツを仮想現実空間上に展示するための仮想現実空間処理を実行する仮想現実空間処理ステップと、展示希望デジタルコンテンツの前記仮想現実空間上への展示要求を受付ける受付ステップと、前記展示要求に対応する、展示希望ユーザに関する情報と、前記展示希望デジタルコンテンツに関する情報と、に基づいて所定の展示可能条件を満たすか否かを判定する展示制御ステップと、を含み、前記仮想現実空間処理ステップは、前記展示制御ステップが前記展示可能条件を満たすと判定した場合に、前記展示希望デジタルコンテンツを前記仮想現実空間上に展示し、前記展示制御ステップは、前記展示希望ユーザが前記展示希望デジタルコンテンツに関連付けられた前記非代替性トークンに対応する前記保有者識別情報で特定されるユーザであることを、少なくとも前記展示可能条件として判定する、情報処理方法である。