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特開2023-149464特典付与システム、特典付与方法及び特典付与プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149464
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】特典付与システム、特典付与方法及び特典付与プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q30/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058054
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100176773
【弁理士】
【氏名又は名称】坂西 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 浩介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】店舗を利用する顧客による混雑を緩和する。
【解決手段】特典付与システム1は、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与するシステムであって、特典付与装置10は、店舗の顧客である店舗顧客が店舗に入店したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得部11と、店舗顧客が店舗から退店したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得部12と、利用開始情報及び利用終了情報に基づいて、店舗における店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理部13と、滞在状況情報を参照して、店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出部14と、特典を表す特典情報を対象ユーザに関連付けて出力する特典付与部15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムであって、
前記店舗の顧客である店舗顧客の店舗利用状況を示す店舗利用情報を取得する店舗利用情報取得部と、
前記店舗利用情報を管理する管理部と、
前記店舗利用情報に基づいて、前記店舗における店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、前記対象ユーザが前記店舗に滞在していた滞在時間における前記店舗顧客の前記店舗利用状況に基づいて算出する、特典算出部と、
前記特典を表す特典情報を、前記対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与部と、
を備える特典付与システム。
【請求項2】
店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムであって、
前記店舗の顧客である店舗顧客が前記店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得部と、
前記店舗顧客が前記店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得部と、
前記利用開始情報及び前記利用終了情報に基づいて、前記店舗における前記店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理部と、
前記滞在状況情報を参照して、前記店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、前記対象ユーザが前記店舗に滞在していた滞在時間における前記店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出部と、
前記特典を表す特典情報を、前記対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与部と、
を備える特典付与システム。
【請求項3】
前記利用開始情報は、前記店舗顧客が前記店舗に入店したことを示す入店情報であり、
前記利用終了情報は、前記店舗顧客が前記店舗から退店したことを示す退店情報である、
請求項2に記載の特典付与システム。
【請求項4】
前記特典算出部は、前記対象ユーザが前記店舗に滞在していた滞在時間中の少なくとも一時における、前記店舗に滞在している前記店舗顧客の数に基づいて前記特典を算出し、
第1の店舗顧客の数に基づいて第1の特典が算出され、第2の店舗顧客の数に基づいて第2の特典が算出され、前記第1の特典の価値が前記第2の特典の価値より大きい場合には、前記第1の店舗顧客の数は、前記第2の店舗顧客の数より少ない、
請求項2または3に記載の特典付与システム。
【請求項5】
前記特典算出部は、前記対象ユーザの入店時の前記店舗顧客の数、前記対象ユーザの退店時の前記店舗顧客の数、前記対象ユーザの前記滞在時間中における所定時の前記店舗顧客の数、及び、前記対象ユーザの前記滞在時間中における前記店舗顧客の数の時間平均のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、前記特典を算出する、
請求項4に記載の特典付与システム。
【請求項6】
前記利用開始情報取得部は、少なくとも入店時刻を含む前記利用開始情報を取得し、
前記利用終了情報取得部は、少なくとも退店時刻を含む前記利用終了情報を取得し、
前記特典算出部は、前記対象ユーザの前記入店時刻及び前記退店時刻に基づいて算出される前記対象ユーザの前記店舗における滞在時間に基づいて前記特典を算出し、
第1の滞在時間に基づいて第1の特典が算出され、第2の滞在時間に基づいて第2の特典が算出され、前記第1の特典の価値が前記第2の特典の価値より大きい場合には、前記第1の滞在時間は、前記第2の滞在時間より短い、
請求項2~5のいずれか一項に記載の特典付与システム。
【請求項7】
前記利用開始情報取得部は、前記店舗に入店した前記店舗顧客を検知する所定のセンサからの情報、入店した前記店舗顧客による前記店舗の利用のための情報の所定端末からの入力、及び、入店した前記店舗顧客を識別する識別情報の入力の少なくともいずれか一つに基づいて利用開始情報を取得する、
請求項2~6のいずれか一項に記載の特典付与システム。
【請求項8】
前記利用終了情報取得部は、前記店舗から退店する前記店舗顧客を検知する所定のセンサ、前記店舗の利用の終了を示す情報の所定端末からの入力、及び、前記店舗顧客を識別する識別情報の入力の少なくともいずれか一つに基づいて利用開始情報を取得する、
請求項2~7のいずれか一項に記載の特典付与システム。
【請求項9】
店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムにおける特典付与方法であって、
前記店舗の顧客である店舗顧客が前記店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得ステップと、
前記店舗顧客が前記店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得ステップと、
前記利用開始情報及び前記利用終了情報に基づいて、前記店舗における前記店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理ステップと、
前記滞在状況情報を参照して、前記店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、前記対象ユーザが前記店舗に滞在していた滞在時間における前記店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出ステップと、
前記特典を表す特典情報を、前記対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与ステップと、
を有する特典付与方法。
【請求項10】
コンピュータを、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムとして機能させるための特典付与プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記店舗の顧客である店舗顧客が前記店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得機能と、
前記店舗顧客が前記店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得機能と、
前記利用開始情報及び前記利用終了情報に基づいて、前記店舗における前記店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理機能と、
前記滞在状況情報を参照して、前記店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、前記対象ユーザが前記店舗に滞在していた滞在時間における前記店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出機能と、
前記特典を表す特典情報を、前記対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与機能と、
を実現させる特典付与プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システム、特典付与方法及び特典付与プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗の席の予約等の状況を示す空席状況に応じて、店舗で提供するサービスの適性価格を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-70999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店等の店舗においては、店舗の利用者が一定の時間帯に集中することによる混雑を緩和したいという要請があった。しかしながら、混雑緩和のために、店舗におけるサービス及び商品等の価格を変更することにより、店舗の利用を促したり、店舗の利用を避けさせたりすることは、店舗における売り上げ及び店舗利用者における支払い額の予測性の低下を招いていた。また、店舗の利用の予約に基づいて決定されたサービス等の価格は、現実の混雑状況を反映しているとは限らず、適切でない場合があった。
【0005】
そこで、本発明は、店舗を利用する顧客による混雑を緩和することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の一側面に係る特典付与システムは、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムであって、店舗の顧客である店舗顧客の店舗利用状況を示す店舗利用情報を取得する店舗利用情報取得部と、店舗利用情報を管理する管理部と、店舗利用情報に基づいて、店舗における店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間における店舗顧客の店舗利用状況に基づいて算出する、特典算出部と、特典を表す特典情報を、対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与部と、を備える。
【0007】
このような側面によれば、店舗顧客の店舗の利用状況を示す店舗利用情報が管理され、対象ユーザの滞在時間中における店舗顧客の店舗利用状況に基づいて算出された特典を表す特典情報が対象ユーザに関連付けられて出力されることにより対象ユーザに付与される。これにより、付与される特典の多少により、対象ユーザにおける店舗の利用及び滞在を促したり避けさせたりすることができる。また、店舗の利用に対する価格は変動しないので、店舗における売り上げ及び店舗顧客における支払い額の予測性は低下しない。従って、店舗における売り上げ及び店舗顧客における支払い額の予測性の低下を防止しつつ、店舗の混雑を緩和することが可能となる。
【0008】
上記課題を解決するために、本開示の一側面に係る特典付与システムは、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムであって、店舗の顧客である店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得部と、店舗顧客が店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得部と、利用開始情報及び利用終了情報に基づいて、店舗における店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理部と、滞在状況情報を参照して、店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出部と、特典を表す特典情報を、対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与部と、を備える。
【0009】
本開示の一側面に係る特典付与方法は、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムにおける特典付与方法であって、店舗の顧客である店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得ステップと、店舗顧客が店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得ステップと、利用開始情報及び利用終了情報に基づいて、店舗における店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理ステップと、滞在状況情報を参照して、店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出ステップと、特典を表す特典情報を、対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与ステップと、を有する。
【0010】
本開示の一側面に係る特典付与プログラムは、コンピュータを、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与する特典付与システムとして機能させるための特典付与プログラムであって、コンピュータに、店舗の顧客である店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する利用開始情報取得機能と、店舗顧客が店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する利用終了情報取得機能と、利用開始情報及び利用終了情報に基づいて、店舗における店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する滞在状況管理機能と、滞在状況情報を参照して、店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する、特典算出機能と、特典を表す特典情報を、対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する特典付与機能と、を実現させる。
【0011】
このような側面によれば、店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報及び店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報に基づいて、店舗顧客の滞在状況情報が管理され、対象ユーザの滞在時間中における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出された特典を表す特典情報が対象ユーザに関連付けられて出力されることにより対象ユーザに付与される。これにより、付与される特典の多少により、対象ユーザにおける店舗の利用及び滞在を促したり避けさせたりすることができる。また、店舗の利用に対する価格は変動しないので、店舗における売り上げ及び店舗顧客における支払い額の予測性は低下しない。従って、店舗における売り上げ及び店舗顧客における支払い額の予測性の低下を防止しつつ、店舗の混雑を緩和することが可能となる。
【0012】
他の側面に係る特典付与システムでは、利用開始情報は、店舗顧客が店舗に入店したことを示す入店情報であり、利用終了情報は、店舗顧客が店舗から退店したことを示す退店情報であることとしてもよい。
【0013】
このような側面によれば、店舗顧客の店舗への入店及び店舗からの退店といった事象に基づき、利用開始情報及び利用終了情報が容易に取得される。
【0014】
他の側面に係る特典付与システムでは、特典算出部は、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間中の少なくとも一時における、店舗に滞在している店舗顧客の数に基づいて特典を算出し、第1の店舗顧客の数に基づいて第1の特典が算出され、第2の店舗顧客の数に基づいて第2の特典が算出され、第1の特典の価値が第2の特典の価値より大きい場合には、第1の店舗顧客の数は、第2の店舗顧客の数より少ないこととしてもよい。
【0015】
このような側面によれば、対象ユーザの滞在時間中の少なくとも一時における店舗顧客の数が多いほど少ない特典が対象ユーザに付与される。これにより、対象ユーザに対して、店舗顧客が少ない時間帯における店舗の利用が促される。従って、店舗の混雑の緩和が可能となる。
【0016】
他の側面に係る特典付与システムでは、特典算出部は、対象ユーザの入店時の店舗顧客の数、対象ユーザの退店時の店舗顧客の数、対象ユーザの滞在時間中における所定時の店舗顧客の数、及び、対象ユーザの滞在時間中における店舗顧客の数の時間平均のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、特典を算出することとしてもよい。
【0017】
このような側面によれば、対象ユーザの滞在時間中の少なくとも一時における店舗の混雑状況に基づいて特典を算出することが可能となる。
【0018】
他の側面に係る特典付与システムでは、利用開始情報取得部は、少なくとも入店時刻を含む利用開始情報を取得し、利用終了情報取得部は、少なくとも退店時刻を含む利用終了情報を取得し、特典算出部は、対象ユーザの入店時刻及び退店時刻に基づいて算出される対象ユーザの店舗における滞在時間に基づいて特典を算出し、第1の滞在時間に基づいて第1の特典が算出され、第2の滞在時間に基づいて第2の特典が算出され、第1の特典の価値が第2の特典の価値より大きい場合には、第1の滞在時間は、第2の滞在時間より短いこととしてもよい。
【0019】
このような側面によれば、対象ユーザの滞在時間が長いほど少ない特典が対象ユーザに付与される。これにより、対象ユーザに対して、店舗における滞在時間を短くすることが促される。従って、店舗の混雑の緩和が可能となる。
【0020】
他の側面に係る特典付与システムでは、利用開始情報取得部は、店舗に入店した店舗顧客を検知する所定のセンサからの情報、入店した店舗顧客による店舗の利用のための情報の所定端末からの入力、及び、入店した店舗顧客を識別する識別情報の入力の少なくともいずれか一つに基づいて利用開始情報を取得することとしてもよい。
【0021】
このような側面によれば、店舗顧客が現実に入店したことを示す事象に基づいて利用開始情報が適切に取得される。
【0022】
他の側面に係る特典付与システムでは、利用終了情報取得部は、店舗から退店する店舗顧客を検知する所定のセンサ、店舗の利用の終了を示す情報の所定端末からの入力、及び、店舗顧客を識別する識別情報の入力の少なくともいずれか一つに基づいて利用開始情報を取得することとしてもよい。
【0023】
このような側面によれば、店舗顧客が店舗から退店したことを示す事象に基づいて利用終了情報が適切に取得される。
【発明の効果】
【0024】
本開示の一側面によれば、店舗を利用する顧客による混雑を緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】特典付与システムの装置構成及び特典付与装置の機能構成を示す図である。
図2】特典付与装置のハードウェア構成を示す図である。
図3】滞在状況情報記憶部に記憶されている滞在状況情報の構成及び記憶されているデータの例を示す図である。
図4】特典付与システムにおいて実施される特典付与方法の処理内容を示すフローチャートである。
図5】特典付与システムにおいて実施される特典付与方法の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る特典付与システムの装置構成及び特典付与装置の機能構成を示す図である。図1に示されるように、特典付与システム1は、特典付与装置10を含んで構成される。特典付与装置10は、POSレジスタ20と通信可能に構成されていてもよい。特典付与システム1は、店舗の利用に応じた特典をユーザに付与するシステムである。
【0028】
具体的には、特典付与システム1は、店舗を利用した顧客である店舗顧客のうちの対象ユーザに対して付与する特典を算出し、算出した特典を表す特典情報を対象ユーザに関連付けることにより、対象ユーザに特典を付与する。特典は、例えば店舗の利用に応じたポイントであってもよい。例えば、店舗が飲食店である場合には、特典の付与は、飲食代に応じたポイントの付与であってもよい。また、特典の付与は、店舗に利用に対して予め設定された一定のポイントの付与であってもよい。
【0029】
本実施形態における店舗は、スーパーマーケット及びコンビニエンスストア等の小売店、並びに図書館及び美術館等の顧客へ特定のサービスを提供する施設であってもよい。
店舗が小売店である場合には、特典は、店舗が飲食店である場合と同様に、当該小売店で利用可能なポイントであってもよい。また、店舗が図書館である場合には、特典は、貸出期間の延長であってもよく、その施設に応じて設定されることができる。
【0030】
POSレジスタ20は、飲食代等の利用代金の会計処理をするための端末である。また、POSレジスタ20は、店舗の店員または店舗顧客による所定の入力等に基づいて、店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を特典付与装置10に送出してもよい。また、店舗の店員または店舗顧客による所定の入力等に基づいて、店舗顧客が店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を特典付与装置10に送出してもよい。
【0031】
POSレジスタ20を構成する装置は限定されず、POSレジスタとして機能するための専用の装置であってもよいし、例えば据置型又は携帯型のパーソナルコンピュータでもよいし、高機能携帯電話機(スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよい。
【0032】
なお、図1では、特典付与システム1を構成する装置として、特典付与装置10及びPOSレジスタ20のみが示されているが、特典付与システム1は、図示されない他の装置及び機能部等を含み得る。
【0033】
特典付与装置10は、プロセッサ101を含むコンピュータにより構成され、機能的には、利用開始情報取得部11、利用終了情報取得部12、滞在状況管理部13、特典算出部14及び特典付与部15を備える。これらの各機能部11~15は、図2を参照して説明されるプロセッサ101にプログラムP1(特典付与プログラム)が読み込まれて、そのプログラムが実行されることにより実現される。各機能部の説明は後述する。なお、本実施形態では、各機能部11~15が、特典付与装置10に構成されることとしているが、複数のコンピュータに分散して構成されることとしてもよい。
【0034】
また、特典付与装置10は、滞在状況情報記憶部16及び特典情報記憶部17といった記憶手段を備える。なお、これらの記憶部16、17は、図1に示す例では、特典付与装置10に構成されることとしているが、特典付与装置10からアクセス可能に構成された他の装置に特典付与システム1の要素として構成されてもよい。
【0035】
図2は、特典付与装置10のハードウェア構成の一例を示す図であって、特典付与装置10として機能するコンピュータ100を示す。
【0036】
一例として、コンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。
【0037】
プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置である。プロセッサの例としてCPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)が挙げられるが、プロセッサ101の種類はこれらに限定されない。例えば、プロセッサ101はセンサおよび専用回路の組合せでもよい。専用回路はFPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラム可能な回路でもよいし、他の種類の回路でもよい。
【0038】
主記憶部102は、特典付与装置10等を実現するためのプログラム、プロセッサ101から出力された演算結果などを記憶する装置である。主記憶部102は例えばROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)のうちの少なくとも一つにより構成される。
【0039】
補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶することが可能な装置である。補助記憶部103は例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、コンピュータ100を特典付与装置10として機能させるためのプログラムP1と各種のデータとを記憶する。本実施形態では、特典付与装置10を実現させる特典付与プログラムはプログラムP1として実装される。また、各記憶部21~26が特典付与装置10に含まれる場合には、各記憶部21~26は、主記憶部102、補助記憶部103及びその他の記憶素子のいずれかに構成されてもよい。
【0040】
通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置である。通信部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0041】
特典付与装置10の各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に、対応するプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。プログラムP1は、特典付与装置10の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。このような処理により、特典付与装置10の各機能要素が実現される。
【0042】
プログラムP1は、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0043】
再び図1を参照して、特典付与装置10の各記憶部を説明する。滞在状況情報記憶部16は、滞在状況情報を記憶している記憶手段である。滞在状況情報は、店舗における店舗顧客の滞在状況を示す情報である。滞在状況情報は、利用開始情報及び利用終了情報に基づいて管理される。滞在状況情報の管理については、後に詳述される。
【0044】
特典情報記憶部17は、対象ユーザに対して付与された特典を表す特典情報を記憶している記憶手段である。特典情報は、例えばユーザを識別するユーザIDと関連付けて記憶されている。特典情報がユーザIDに関連付けられることにより、当該ユーザに対する特典の付与が実現される。なお、特典情報記憶部に特典情報が記憶されることは、特典付与の一例であって、例えば、特典情報がユーザの端末に送信されること等により当該ユーザに対する特典付与が実現されてもよい。
【0045】
ユーザIDの取得の手段は限定されず、例えば、ポイントカードの読み取り等であってもよい。また、ユーザIDの取得は、ユーザの端末との情報の送受信並びに店舗の店員及びユーザによる入力等であってもよい。さらに、ユーザIDの取得は、特典情報と関連付けられたユーザIDがユーザに対して提供され、ユーザがそのユーザIDを入力することにより実現されてもよい。
【0046】
再び図1を参照して、特典付与装置10の各機能部を説明する。利用開始情報取得部11及び利用終了情報取得部12は、本実施形態の特典付与装置10における店舗利用情報取得部の一例を構成する。店舗利用情報取得部は、店舗利用情報を取得する。店舗利用情報は、店舗の顧客である店舗顧客の店舗利用状況を示す情報である。具体的には、店舗利用情報は、少なくとも店舗顧客の店舗における滞在時間を示しうる情報であって、滞在時間を示す情報であってもよいし、滞在時間を導出可能な情報であってもよい。店舗利用情報は、店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報、及び、店舗顧客が店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を含んでもよい。
【0047】
利用開始情報取得部11は、店舗の顧客である店舗顧客が店舗の利用を開始したことを示す利用開始情報を取得する。本実施形態では、利用開始情報取得部11は、店舗顧客が店舗に入店したことを示す入店情報を、利用開始情報の一態様として取得する。入店情報は、店舗顧客の入店時を示す入店時刻を含んでもよい。また、入店情報は、店舗顧客を識別する識別情報を含んでもよい。店舗顧客の識別情報は、当該店舗顧客が着席した座席を識別する情報であってもよい。利用開始情報取得部11は、種々の手段により入店情報を取得できる。
【0048】
利用開始情報取得部11は、店舗顧客の入店時及び店舗内での着席時等に、例えば店舗入り口及び座席等に設けられた所定のセンサ(カメラを含む)により店舗顧客を検知したことに基づいて利用開始情報を取得してもよい。この場合には、店舗顧客の識別情報は、店舗の店員または店舗顧客により操作される所定の端末から入力されてもよい。また、利用開始情報取得部11は、店舗顧客による店舗利用のための情報が、所定の端末を用いて店舗店員または店舗顧客により入力されたことに基づいて利用開始情報を取得してもよい。店舗顧客による店舗利用のための情報は、店舗が飲食店である場合には、飲食物の注文情報であってもよい。
【0049】
このように利用開始情報としての入店情報が取得されることにより、特典付与システム1は、リアルタイムに店舗顧客の入店を認識できると共に、店舗に滞在する顧客を認識できる。
【0050】
利用終了情報取得部12は、店舗顧客が店舗の利用を終了したことを示す利用終了情報を取得する。本実施形態では、利用終了情報取得部12は、店舗顧客が店舗から退店したことを示す退店情報を、利用終了情報の一態様として取得する。退店情報は、店舗顧客の退店時を示す退店時刻を含んでもよい。また、退店情報は、店舗顧客を識別する識別情報を含んでもよい。店舗顧客の識別情報は、当該店舗顧客が着席した座席を識別する情報であってもよい。利用終了情報取得部12は、種々の手段により退店情報を取得できる。
【0051】
利用終了情報取得部12は、店舗顧客の退店時及び退席時等に、例えば店舗出口及び座席等に設けられた所定のセンサ(カメラを含む)により店舗顧客を検知したこと、また、座席に設けられたセンサにより店舗顧客が検出されなくなったこと等に基づいて利用終了情報を取得してもよい。この場合には、退店に係る店舗顧客の識別情報は、店舗の店員または当該店舗顧客により操作される所定の端末から入力されてもよい。
【0052】
また、利用終了情報取得部12は、店舗顧客による店舗利用が終了される旨の情報が、所定の端末を用いて店舗店員または店舗顧客により入力されたことに基づいて利用終了情報を取得してもよい。店舗顧客による店舗利用が終了される情報は、例えば店舗利用に対する会計処理に関する情報であってもよい。
【0053】
このように利用終了情報としての退店情報が取得されることにより、特典付与システム1は、リアルタイムに店舗顧客の退店を認識できると共に、店舗に滞在する顧客を認識できる。
【0054】
滞在状況管理部13は、本実施形態の特典付与装置10における管理部の一例を構成する。管理部は、店舗利用情報を管理する。本実施形態の滞在状況管理部13は、利用開始情報及び利用終了情報に基づいて、店舗における店舗顧客の滞在状況を示す滞在状況情報を管理する。本実施形態では、滞在状況管理部13は、入店情報及び退店情報に基づいて、滞在状況情報を管理する。図3は、滞在状況情報記憶部16の構成及び記憶されているデータの一例を示す図である。図3に示される例では、滞在状況情報は、店舗内の座席ごとの、店舗顧客の入店時刻、入店時混雑度、退店時刻、退店時混雑度及び店舗顧客を識別するユーザIDを含む。
【0055】
滞在状況管理部13は、利用開始情報取得部11により入店情報が取得された場合に、入店情報に係る店舗顧客が着席した座席を識別する座席Noに関連付けて、入店時刻及び店舗顧客のユーザIDを滞在状況情報として滞在情報に記憶させる。また、滞在状況管理部13は、入店時混雑度を滞在状況情報として更に座席Noに関連付けてもよい。入店時混雑度は、当該店舗顧客の入店時における、店舗に滞在している店舗顧客の数に基づき取得される店舗の混雑の度合いを示す情報である。図3に示される例では、入店時混雑度は、店舗の顧客の定員数に対する店舗顧客の数である。滞在状況情報として記憶される入店時混雑度は、店舗顧客の数、及び店舗の顧客の定員数に対する店舗顧客の数の割合であってもよい。
【0056】
滞在状況管理部13は、利用終了情報取得部12により退店情報が取得された場合に、取得された退店情報に示される店舗顧客の退店を、滞在状況情報に反映させる。具体的には、滞在状況管理部13は、退店情報が取得された時刻を、退店情報に係る店舗顧客の滞在状況情報に関連付けて退店時刻として記憶させてもよい。また、滞在状況管理部13は、退店時混雑度を滞在状況情報として更に座席Noに関連付けて記憶させてもよい。退店時混雑度は、当該店舗顧客の退店時における、店舗に滞在している店舗顧客の数に基づき取得される店舗の混雑の度合いを示す情報である。図3に示される例では、退店時混雑度は、店舗の顧客の定員数に対する店舗顧客の数である。滞在状況情報として記憶される退店時混雑度は、店舗顧客の数、及び店舗の顧客の定員数に対する店舗顧客の数の割合であってもよい。また、滞在状況管理部13は、利用終了情報取得部12により退店情報が取得された場合に、当該退店情報に係る店舗顧客の滞在状況情報を滞在状況情報記憶部16から削除してもよい。
【0057】
滞在状況管理部13は、滞在状況情報を参照して、ある一時点における店舗の混雑度(店舗顧客の数)を取得してもよい。滞在状況管理部13は、入店時刻が記録されており且つ退店時刻が記録されていない滞在状況情報をカウントすることにより、店舗の混雑度を取得してもよい。また、滞在状況管理部13は、退店した店舗顧客に関する滞在状況情報が滞在状況情報記憶部16から削除される場合には、滞在状況情報記憶部16に記憶されている滞在状況情報をカウントすることにより、店舗の混雑度を取得してもよい。
【0058】
このように管理された滞在状況情報の一例として、図3に示される滞在状況情報は、ユーザID「U01」の店舗顧客が入店時刻「11:00」に入店し、座席No.1の座席に着席し、入店時における入店時混雑度は、「0/10(座席数10に対する店舗顧客の数が0である)」であり、退店時刻「11:30」に退店したことを示している。
【0059】
また、滞在状況管理部13は、上述の取得手法により滞在状況情報に基づいて各時点における店舗の混雑度を取得することにより、時系列の店舗の混雑度(店舗顧客の滞在人数)を保持してもよい。
【0060】
このように、滞在状況情報を管理することにより、特典付与システム1は、リアルタイムで、店舗顧客の滞在状況を把握できる。
【0061】
特典算出部14は、滞在状況情報を参照して、店舗顧客のうちの一のユーザである対象ユーザの特典を、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出する。
【0062】
ここで対象ユーザの滞在時間は、当該対象ユーザの入店時から退店時までの間の時間であって、特典算出部14は、滞在状況情報の参照により、対象ユーザの滞在時間を取得できる。対象ユーザの特典の算出の根拠となる店舗顧客の滞在状況は、対象ユーザの滞在状況及び当該対象ユーザ以外の顧客の滞在状況を含む。即ち、店舗顧客は、対象ユーザ及び対象ユーザ以外の顧客を含む概念である。
【0063】
特典算出部14は、対象ユーザが店舗に滞在していた滞在時間中の少なくとも一時における、店舗に滞在している店舗顧客の数(混雑度)に基づいて特典を算出してもよい。具体的には、特典算出部14は、例えば、対象ユーザの入店時(店舗の利用開始時)の店舗顧客の数、対象ユーザの退店時(店舗の利用終了時)の店舗顧客の数、対象ユーザの滞在時間中における所定時の店舗顧客の数、及び、対象ユーザの滞在時間中における店舗顧客の数の時間平均等のうちのいずれか一つに基づいて特典を算出してもよい。また、特典算出部14は、対象ユーザの滞在時間中における店舗顧客の数のピーク時及び閑散時の店舗顧客のいずれかに基づいて特典を算出してもよい。
【0064】
ここで算出される特典と店舗顧客の数とは、以下のような関係を有する。即ち、第1の店舗顧客の数に基づいて第1の特典が算出され、第2の店舗顧客の数に基づいて第2の特典が算出され、第1の特典の価値が第2の特典の価値より大きい場合には、第1の店舗顧客の数は、前記第2の店舗顧客の数より少ない。
【0065】
特典の付与が店舗の利用料金(例えば、飲食代)に応じたポイントの付与である場合には、特典算出部14は、例えば、以下のように、顧客数に応じた混雑度が設定された式により対象ユーザに付与されるポイントを算出してもよい。
(ポイント)=(利用料金)×(所与のポイント率)/(混雑度)
※混雑度:1(顧客数少)~3(顧客数多)
【0066】
このような式によりポイントが算出されることにより、対象ユーザの滞在時間中の一時における店舗顧客の数が少ないほど多くのポイントが対象ユーザに付与され、店舗顧客の数が多いほど少ないポイントが対象ユーザに付与される。従って、対象ユーザに対して、店舗顧客が少ない時間帯における店舗の利用が促されることになるので、店舗の混雑の緩和が可能となる。なお、特典の算出は、対象ユーザの滞在時間中の少なくとも一時における店舗顧客の数が多いほど少なくなるように行われてもよい。
【0067】
また、特典算出部14は、対象ユーザの入店時刻及び退店時刻に基づいて算出される対象ユーザの店舗における滞在時間に基づいて特典を算出してもよい。ここで算出される特典と対象ユーザの滞在時間とは、以下のような関係を有する。即ち、第1の滞在時間に基づいて第1の特典が算出され、第2の滞在時間に基づいて第2の特典が算出され、前記第1の特典の価値が前記第2の特典の価値より大きい場合には、前記第1の滞在時間は、前記第2の滞在時間より短い。
【0068】
特典の付与が店舗の利用料金(例えば、飲食代)に応じたポイントの付与である場合には、特典算出部14は、例えば、以下のように、滞在時間に応じて設定された係数を含む式により対象ユーザに付与されるポイントを算出してもよい。
(ポイント)=(利用料金)×(所与のポイント率)/(滞在時間に応じた係数)
※滞在時間に応じた係数:1(滞在時間が長い)~3(滞在時間が短い)
このような式によりポイントが算出されることにより、対象ユーザの滞在時間が短いほど多くのポイントが対象ユーザに付与され、対象ユーザの滞在時間が長いほど少ないポイントが対象ユーザに付与される。従って、対象ユーザに対して、店舗における滞在時間を短くすることが促されるので、店舗の混雑の緩和が可能となる。なお、特典の算出は、対象ユーザの滞在時間が長いほど少なくなるように行われてもよい。
【0069】
また、特典算出部14は、例えば以下の式のように、対象ユーザの滞在時間中の少なくとも一時における店舗の混雑度及び対象ユーザの滞在時間の両方を用いて特典を算出してもよい。
(ポイント)=(利用料金)×(所与のポイント率)/(混雑度)/(滞在時間に応じた係数)
【0070】
特典付与部15は、特典を表す特典情報を、対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて付与する。特典付与部15は、種々の態様で特典情報を付与してもよい。特典付与部15は、例えば、特典算出部14により算出された特典を表す特典情報を、対象ユーザを識別するユーザIDに関連付けて、特典情報記憶部17に記憶させてもよい。即ち、特典情報記憶部17は、ユーザIDと特典とを対応付けたテーブルを記憶していることとしてもよい。
【0071】
また、特典付与部15は、対象ユーザの端末に特典情報を送信してもよい。また、特典付与部15は、POSレジスタ20に特典情報を送信させてもよい。この場合におけるPOSレジスタ20とユーザの端末との間の通信手段は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信であってもよい。また、特典付与部15は、特典情報を表すQRコード(登録商標)を印刷した紙等の媒体をPOSレジスタ20に出力させてもよい。この場合には、対象ユーザの端末によりQRコードが読み取られることにより、対象ユーザに対するポイントの付与が実現される。
【0072】
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態の特典付与システム1の動作の例について説明する。図4は、特典付与システム1において実施される特典付与方法の処理内容を示すフローチャートである。前述のとおり、特典算出部14は、対象ユーザの店舗滞在時間中のいずれのタイミングにおける店舗顧客の数(混雑度)に基づいて特典を算出してもよいが、図4に示される例では、対象ユーザの入店時及び退店時(会計時)の混雑度に基づいて特典が算出される。
【0073】
ステップS1において、利用開始情報取得部11は、入店情報(利用開始情報)を受け付けたか否かを判定する。入店情報を受け付けたと判定された場合には、処理はステップS2に進む。一方、入店情報を受け付けたと判定されなかった場合には、処理はステップS5に進む。
【0074】
ステップS2において、利用開始情報取得部11は、入店情報を取得する。ステップS3において、滞在状況管理部13は、滞在状況情報記憶部16を参照して、入店時の店舗顧客の数を入店時混雑度として取得する。
【0075】
ステップS4において、滞在状況管理部13は、入店情報と入店時混雑度とを関連付けて滞在状況情報記憶部16に記憶させることにより、入店した店舗顧客の滞在状況情報として管理する。
【0076】
ステップS5において、利用終了情報取得部12は、退店情報(利用終了情報)を受け付けたか否かを判定する。退店情報を受け付けたと判定された場合には、処理はステップS6に進む。一方、退店情報を受け付けたと判定されなかった場合には、処理はステップS1に戻る。
【0077】
ステップS6において、利用終了情報取得部12は、退店情報を取得する。ステップS7において、滞在状況管理部13は、滞在状況情報記憶部16を参照して、退店時の店舗顧客の数を退店時混雑度として取得する。
【0078】
ステップS8において、特典算出部14は、退店情報に係る退店する店舗顧客を対象ユーザとして、対象ユーザの入店時混雑度及び退店時混雑度に基づいて特典を算出する。この場合には、特典算出部14は、例えば、入店時混雑度及び退店時混雑度の平均値及び合計値等の集計値が多いほど、特典(ポイント)が少なくなるように算出する。
【0079】
ステップS9において、特典付与部15は、ステップS8において算出された特典を示す特典情報を、当該対象ユーザのユーザIDに関連付けることにより、対象ユーザに対する特典に付与を実現させる。
【0080】
図5は、特典付与システム1において実施される特典付与方法であって、対象ユーザの店舗における滞在時間に基づいて特典が算出される例の処理内容を示すフローチャートである。
【0081】
ステップS11において、利用開始情報取得部11は、入店情報(利用開始情報)を受け付けたか否かを判定する。入店情報を受け付けたと判定された場合には、処理はステップS12に進む。一方、入店情報を受け付けたと判定されなかった場合には、処理はステップS14に進む。
【0082】
ステップS12において、利用開始情報取得部11は、入店情報を取得する。ステップS13において、滞在状況管理部13は、入店情報に基づいて、入店情報に含まれる入店時刻を当該店舗顧客の滞在状況情報として滞在状況情報記憶部16に記憶させることにより管理する。
【0083】
ステップS14において、利用終了情報取得部12は、退店情報(利用終了情報)を受け付けたか否かを判定する。退店情報を受け付けたと判定された場合には、処理はステップS15に進む。一方、退店情報を受け付けたと判定されなかった場合には、処理はステップS11に戻る。
【0084】
ステップS15において、利用終了情報取得部12は、退店情報を取得する。ステップS16において、滞在状況管理部13は、退店する店舗顧客を対象ユーザとして、当該対象ユーザの入店時刻及び退店情報に含まれる退店時刻に基づいて対象ユーザの滞在時間を算出する。
【0085】
ステップS17において、特典算出部14は、ステップS16において算出された滞在時間に基づいて、対象ユーザに対して付与する特典を算出する。
【0086】
ステップS18において、特典付与部15は、ステップS17において算出された特典を示す特典情報を、当該対象ユーザのユーザIDに関連付けることにより、対象ユーザに対する特典に付与を実現させる。
【0087】
以上説明した本実施形態の特典付与システム1、特典付与装置10、特典付与方法及び特典付与プログラムによれば、店舗顧客が入店したことを示す入店情報及び退店したことを示す退店情報に基づいて、店舗顧客の滞在状況情報が管理され、対象ユーザの滞在時間中における店舗顧客の滞在状況に基づいて算出された特典を表す特典情報が対象ユーザに関連付けられて出力されることにより対象ユーザに付与される。これにより、付与される特典の多少により、対象ユーザにおける店舗の利用及び滞在を促したり避けさせたりすることができる。また、店舗の利用に対する価格は変動しないので、店舗における売り上げ及び店舗顧客における支払い額の予測性は低下しない。従って、店舗における売り上げ及び店舗顧客における支払い額の予測性の低下を防止しつつ、店舗の混雑を緩和することが可能となる。
【0088】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0089】
例えば、店舗が飲食店であって、顧客による注文が1回以上行われ、それらの注文に係る注文情報が注文用の端末を介して特典付与装置10により取得される場合には、特典算出部14は、各注文情報の取得時の各々において店舗に滞在している店舗顧客の数(混雑状況)に基づいて特典を算出してもよい。
【0090】
また、店舗が飲食店である場合には、特典算出部14は、対象ユーザの店舗における滞在時間から、注文時から飲食物等の提供時までの時間を除外した時間に基づいて、特典を算出してもよい。
【0091】
また、特典算出部14は、対象ユーザの入店時刻及び/又は退店時刻に応じた重みを用いて特典を算出してもよい。
【0092】
また、滞在状況管理部13は、店舗顧客の店舗滞在の実績に基づいて算出された予想滞在時間、または、店員等のシステムの管理者により設定された予想滞在時間を超えて店舗に滞在している顧客については、既に退店していることとみなして滞在状況情報を管理してもよい。
【0093】
また、本発明における店舗がいわゆるECサイトにより構成される場合には、Webページの閲覧者の数を店舗顧客の混雑度として、店舗顧客のうちの対象ユーザに混雑度に応じた特典を付与することとしてもよい。これにより、アクセス数が少ないページに掲載された商品の購買を喚起することが可能となる。
【0094】
また、本発明の特典付与システムにおいて、滞在状況情報として取得される店舗顧客の滞在時間を、所定のルールに従って加工してもよい。例えば、所定の属性を有する店舗顧客の滞在時間に所定の係数を乗じてもよい。そして、加工された滞在時間に基づいて特典が算出されることとしてもよい。
【0095】
また、本発明の特典付与システムにおいて、所定の属性を有する店舗顧客の店舗における滞在時間の傾向に関する情報を、ユーザの端末に出力したり、店舗の表示装置に表示させたりすること等により、ユーザに提供してもよい。これにより、例えば、ユーザに対して、ある時間帯における店舗への来店を促したり、来店を避けることを促したりすることができる。
【符号の説明】
【0096】
1…特典付与システム、10…特典付与装置、11…利用開始情報取得部、12…利用終了情報取得部、13…滞在状況管理部、14…特典算出部、15…特典付与部、16…滞在状況情報記憶部、17…特典情報記憶部、20…POSレジスタ。
図1
図2
図3
図4
図5