(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149506
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】スイッチユニット
(51)【国際特許分類】
H01H 9/02 20060101AFI20231005BHJP
H01H 23/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01H9/02 A
H01H23/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058116
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】弓座 章吾
(72)【発明者】
【氏名】小松 慶輔
【テーマコード(参考)】
5G035
5G052
【Fターム(参考)】
5G035CB04
5G052AA32
5G052BB03
5G052HA01
5G052HA21
5G052HB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多種の車両へ流用や共用化することが可能となるスイッチユニットを提供する。
【解決手段】本発明のスイッチユニットは、複数のスイッチ30,40と、複数のスイッチが一方向に沿って並んで配置されるパネル10と、スイッチの少なくとも1つが取り付けられた状態でパネルに取り付けられるアタッチメント20と、を備え、パネル10は、複数のスイッチが並ぶ方向である並列方向Lに沿って表面が屈曲して形成されており、アタッチメント20は、スイッチ30の周囲を囲ってスイッチに取り付けられる壁面部22,23を有し、パネル10の並列方向Lに沿った側面部12は、係合部12aを有し、アタッチメント20の壁面部のうち、アタッチメント20がパネル10に取り付けられた状態で側面部12に対向する側方壁面部22は、係合部12aが係合する被係合部22aを有する、よう構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチと、
前記複数のスイッチが一方向に沿って並んで配置され、表面に形成された開口部から前記スイッチの操作部が露出されるパネルと、
前記スイッチの少なくとも1つが取り付けられた状態で前記パネルに取り付けられるアタッチメントと、を備え、
前記パネルは、前記複数のスイッチが並ぶ方向である並列方向に沿って表面が屈曲して形成されており、
前記アタッチメントは、前記スイッチの周囲を囲って当該スイッチに取り付けられる壁面部を有し、
前記パネルの前記並列方向に沿った側面部は、係合部を有し、
前記アタッチメントの前記壁面部のうち、前記アタッチメントが前記パネルに取り付けられた状態で前記側面部に対向する側方壁面部は、前記係合部が係合する被係合部を有する、
スイッチユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチユニットであって、
前記アタッチメントの前記壁面部のうち、前記並列方向に対して交差する方向に設けられ、前記側方壁面部の前記並列方向における端部を接続する第2壁面部は、第2係合部を有し、
前記スイッチは、当該スイッチが前記アタッチメントに取り付けられた状態で前記第2壁面部に対向する部位に、前記第2係合部が係合する第2被係合部を有する、
スイッチユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチユニットであって、
前記アタッチメントの前記側方壁面部は、第2係合部を有し、
前記スイッチは、当該スイッチが前記アタッチメントに取り付けられた状態で前記側方壁面部に対向する部位に、前記第2係合部が係合する第2被係合部を有する、
スイッチユニット。
【請求項4】
請求項1に記載のスイッチユニットであって、
前記パネルの屈曲箇所を境に、前記並列方向に沿って一方側と他方側とのそれぞれに、前記スイッチが少なくとも1つ配置される、
スイッチユニット。
【請求項5】
請求項1に記載のスイッチユニットであって、
前記アタッチメントに取り付けられる前記スイッチの前記操作部は、揺動操作可能であり、前記操作部の揺動に伴い揺動する当接部を有し、
前記側方壁面部は、前記当接部が当接することにより前記操作部の揺動を規制する規制部を有し、
前記当接部は、前記操作部の揺動によって相互に反対方向に動く第1当接部および第2当接部からなり、
前記スイッチは、前記当接部が当接することにより前記操作部の揺動を規制する第2規制部を有し、
前記第1当接部が前記規制部に当接するときには前記第2当接部が前記第2規制部に当接し、前記第1当接部が前記第2規制部に当接するときには前記第2当接部が前記規制部に当接するよう構成されている、
スイッチユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両内部のパネルには、種々のスイッチが設けられている。例えば、車両内のドアパネルには、複数のパワーウィンドウスイッチが設けられている。このとき、パネルへのスイッチの取り付けは、パネルをスイッチの表面側から被せ、パネルの周囲の壁部をスイッチの側面に嵌合させることで行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に記載のように、複数のスイッチが異なる角度で配置されることがある。この場合、取り付けられるパネルも屈曲した形状となるが、上述したようにパネルの周囲の壁部をスイッチの側面に嵌合させるよう取り付ける場合には、成型金型の構造からパネルの壁部がアンダーカットとなる場合があり、パネル自体を成形することができないことが生じうる。このため、アンダーカットが生じないようパネルを新たに設計することとなるが、新たなパネルに装着できるようスイッチも新たに設計する必要が生じることもあり、コストと時間がかかる、という問題が生じる。
【0005】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、複数のスイッチを異なる角度でパネルに取り付ける構造とした場合に、コストと時間がかかる、ことを解決することにある。
また、本発明の別の目的は、パネルの角度が変わる毎に、スイッチの取り付け部位を新規設計しなくてはならなかったことを解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態であるスイッチユニットは、
複数のスイッチと、
前記複数のスイッチが一方向に沿って並んで配置され、表面に形成された開口部から前記スイッチの操作部が露出されるパネルと、
前記スイッチの少なくとも1つが取り付けられた状態で前記パネルに取り付けられるアタッチメントと、を備え、
前記パネルは、前記複数のスイッチが並ぶ方向である並列方向に沿って表面が屈曲して形成されており、
前記アタッチメントは、前記スイッチの周囲を囲って当該スイッチに取り付けられる壁面部を有し、
前記パネルの前記並列方向に沿った側面部は、係合部を有し、
前記アタッチメントの前記壁面部のうち、前記アタッチメントが前記パネルに取り付けられた状態で前記側面部に対向する側方壁面部は、前記係合部が係合する被係合部を有する、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上のように構成されることにより、複数のスイッチを異なる角度でパネルに取り付ける構造とした場合であっても、製造にかかるコストと時間を削減することができる。また、本発明は、アタッチメントによって、パネルの角度によらず、同じスイッチを用いることができ、すなわち、多種の車両へ流用や共用化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態におけるスイッチユニットの構成を示す図である。
【
図2】
図1に開示したスイッチユニットの分解図である。
【
図3】
図1に開示したスイッチユニットのうち、パネルの構成を示す図である。
【
図4】
図1に開示したスイッチユニットのうち、アタッチメントの構成を示す図である。
【
図5】
図1に開示したスイッチユニットのうち、スイッチとアタッチメントとを組み付けた構成を示す図である。
【
図6】
図1に開示したスイッチユニットのうち、スイッチとアタッチメントとを組み付けたときの部分断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態におけるスイッチユニットの構成を示す図である。
【
図8】
図7に開示したスイッチユニットの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図6を参照して説明する。
図1乃至
図2は、スイッチユニット全体の構成を説明するための図であり、
図3乃至
図6は、スイッチユニットの各パーツの構成を説明するための図である。
【0010】
[構成]
本発明におけるスイッチユニットは、自動車などの車両内部に設けられたパネルにスイッチが取り付けられたものである。例えば、本実施形態では、車両内のドアパネルにパワーウィンドウスイッチといった複数のスイッチが取り付けられた構成のスイッチユニットを一例に挙げて説明する。但し、本発明のスイッチユニットは、車両のいかなる部位に装備されるスイッチユニットであってもよく、また、車両に限らずいかなる装置に装備されるスイッチユニットであってもよ。
【0011】
図1に、組み立てた状態のスイッチユニットの斜視図を示す。また、
図2に、スイッチユニットを分解した分解図を示す。
図1及び
図2に示すように、スイッチユニットは、パネル10と、アタッチメント20と、複数のスイッチ30,40と、が組み付けられることで構成される。以下、各構成について詳述する。
【0012】
まず、
図2及び
図3を参照して、パネル10の構成を説明する。ここで、
図2における上方を向く面を、パネル10の表面側とし、
図3には、パネル10を背面側から見た図を示す。また、
図2における左側を一方側とし、右側を他方側とする。
【0013】
パネル10は、外形が略長方形形状に形成された板状の表面部11を有し、その周囲に背面側に向かって延びるよう立設し、対向する一対の側面部12および対向する一対の側面部13を有する。表面部11は、略長方形形状における長手方向Lに沿って屈曲して形成されている。具体的に、表面部11は、長手方向Lにおける所定位置に屈曲部10Cが形成されており、かかる屈曲部10Cを境として、長手方向Lの一方側に位置する一方側表面部10Aと他方側に位置する他方側表面部10Bとが形成されている。特に、本実施形態では、表面部11は、一方側表面部10Aの面に対して、他方側表面部10Bの面が所定の角度を成し、屈曲部10Cを境として凹状となるよう屈曲している。但し、表面部11は、屈曲部10Cを境として凸状に屈曲していてもよい。
【0014】
また、パネル10の表面部11には、開口部11aが形成されている。具体的に、パネル10の表面部11に、長手方向Lに沿って並んで配置された2つの開口部11aが形成されている。特に、本実施形態では、表面部11の一方側表面部10Aと他方側表面部10Bとに、それぞれ1つずつ開口部11aが形成されている。そして、各開口部11aには、後述するように各スイッチ30,40の操作部35,45が表面側に露出されるように、パネル10に対して背面側からスイッチ30,40が組み付けられることとなる。このため、スイッチユニットには、複数のスイッチ30,40が一方向に沿って並んで配置されることとなり、略長方形状の表面部11の長手方向L(
図2の略左右方向)が、複数のスイッチ30,40の並び方向である並列方向となる。
【0015】
なお、本実施形態では、パネル10の表面部11に2つの開口部11aが形成されている場合を示しているが、開口部11aは3つ以上形成されて、3つ以上のスイッチが組み付けられてもよい。このとき、パネル10の表面部11の一方側表面部10Aと他方側表面部10Bとのいずれかあるいは両方に、複数の開口部11aが形成され、それぞれに対応するよう複数のスイッチが組み付けられてもよい。
【0016】
また、パネル10の側面部12,13は、略長方形形状の表面部11の4辺にそれぞれ対応して設けられており、4つの側面部12,13からなる。具体的に、側面部12,13は、略長方形形状の表面部11の各長辺にそれぞれ連結し、パネル10の長手方向Lに沿って相互に対向して位置する2つの第一側面部12と、略長方形形状の表面部11の各短辺にそれぞれ連結し、パネル10の長手方向Lの両端に相互に対向して位置する2つの第二側面部13と、からなる。そして、第一側面部12には、厚み方向に貫通する矩形の貫通孔で形成された複数の係合部12aが形成されている。このとき、係合部12aは、パネル10の屈曲部10Cを境とした一方側(
図2の左側)では、後述するようにスイッチ30に組み付けられたアタッチメント20と係合し、パネル10の屈曲部10Cを境とした他方側(
図2の右側)では、スイッチ40と係合する。つまり、相互に対向して位置する2つの第一側面部12の間には、スイッチ30が組み付けられたアタッチメント20と、スイッチ40と、がそれぞれ配置されることとなり、アタッチメント20とスイッチ40との第一側面部12の内面に対向する面が、各第一側面部12に係合されることとなる。
【0017】
次に、
図2及び
図4を参照して、アタッチメント20の構成を説明する。アタッチメント20は、スイッチ30の周囲に取り付けられるものであり、
図2に示すように、スイッチ30の周囲を囲う壁面部22,23を有する。つまり、壁面部22,23は、4枚の板状部材が筒状に連結して構成されたものであり、内部にスイッチ30が挿入された状態で組み付けられることとなる。また、アタッチメント20は、スイッチ30が組み付けられた状態で、パネル10の一方側表面部10Aに組み付けられるものである。このとき、アタッチメント20の4つの壁面部22,23は、パネル10の長手方向Lに沿って各第一側面部12にそれぞれ対向して係合する2つの第一壁面部22(側方壁面部)と、当該2つの第一壁面部22の長手方向Lにおける両端部をそれぞれ接続する2つの第二壁面部23(第2壁面部)と、からなる。このため、2つの第二壁面部23は、パネル10の長手方向Lに対して交差する方向に沿って設けられており、その一つが、パネル10の長手方向Lにおける一方側の端部に位置する第二側面部13の内面に対向することとなる。なお、
図4の左図は、パネル10の一方側の端部に位置する第二側面部13に対向する壁面部23(一方側の壁面部23)を正面としたアタッチメント20の正面図であり、
図4の右図は、その背面側から見たアタッチメント20の斜視図である。
【0018】
そして、
図2及び
図4に示すように、アタッチメント20の第一壁面部22には、外側に向かって突出する複数の爪部22a(被係合部)が形成されている。爪部22aは、上方から下方に向かうにつれて徐々に突出高さが高くなるよう突出して形成されている。そして、爪部22aは、上述したパネル10の第一側面部12に形成された貫通孔である係合部12aに挿入されて係合される。また、アタッチメント20の第二壁面部23は、一方側の壁面部23よりも他方側の壁面部23の方が、その高さが低く形成されている。そして、第二壁面部23には、厚み方向に貫通する矩形の貫通孔で形成された複数のスイッチ係合部23a(第2係合部)が形成されている。
【0019】
また、
図2及び
図4右図に示すように、第一壁面部22の内面の上端付近には、内面側に突出した規制部25が形成されている。規制部25は、分岐して下方に延びる2つの分岐部25aを有しており、各分岐部25aの下端面25bが、後述するように、スイッチ30の操作部35の揺動を規制するよう機能する。
【0020】
次に、
図2及び
図5,6を参照して、スイッチ30,40の構成を説明する。このうち、まず、アタッチメント20に取り付けられるスイッチ30について説明する。なお、
図5は、スイッチ30をアタッチメント20に取り付けたときの斜視図を示し、
図6は、スイッチ30をアタッチメント20に取り付けた状態における断面図の概略を示す。具体的に、
図6は、パネル10の長手方向Lに沿って、アタッチメント20の第一壁面部22付近で断面したときの概略を示しており、本来は現れない線も実線で示している。
【0021】
図2に示すように、スイッチ30は、スイッチ本体31と、これに揺動可能なよう取り付けられる操作部35と、を備える。
図2の例では、スイッチ本体31は、略直方体形状に形成されており、4つの側面32,33を有する。具体的に、4つの側面32,33は、パネル10の長手方向Lに沿って位置し、アタッチメント20の各第一壁面部22にそれぞれ対向して係合する2つの第一スイッチ側面32と、パネル10の長手方向Lにおけるスイッチ本体31自体の一方側と他方側にそれぞれ位置し、アタッチメント20の各第二壁面部23にそれぞれ対向して係合する2つの第二スイッチ側面33と、からなる。
【0022】
そして、
図2に示すように、スイッチ本体31の第二スイッチ側面33には、外側に向かって突出する複数のスイッチ側爪部33a(第2被係合部)が形成されている。スイッチ側爪部33aは、上方から下方に向かうにつれて徐々に突出高さが高くなるよう突出して形成されている。そして、スイッチ側爪部33aは、上述したアタッチメント20の第二壁面部23に形成された貫通孔であるスイッチ係合部23aに挿入されて係合される。
【0023】
また、
図2及び
図6に示すように、スイッチ本体31の上方には、スイッチ30の操作面を形成する操作部35が設けられる。このため、スイッチ本体31の第一スイッチ側面32には、操作部35を揺動可能なよう軸支する揺動軸36が設けられる。揺動軸36は、パネル10の長手方向Lに対して略直交する方向に延びて配置されており、かかる揺動軸36に軸支されるよう操作部35を設けることで、当該操作部35は、
図6の矢印Rに示すよう揺動可能となる。具体的に、パネル10の長手方向における他方側の操作部35の端部が、下方に押されたり、上方に引き上げられたりするよう操作可能であり、揺動軸36を中心とした回転方向に揺動することとなる。
【0024】
また、
図2及び
図6に示すように、アタッチメント20の第一壁面部22に対向する、操作部35の側面には、さらに外側に向かって突出する当接部37が設けられる。具体的に、当接部37は、操作部35の揺動軸36による軸支箇所よりも下方に、当該揺動軸36を間に挟むよう位置する2つの突出片にて形成されている。そして、2つの当接部37は、
図6に示すように、スイッチ30がアタッチメント20に組み付けられた際には、アタッチメント20の第一壁面部22に設けられた規制部25の2つの分岐部25aの下端面25bよりもさらに下方に、当該下端面25bに対して所定の隙間を空けて配置されることとなる。
【0025】
また、
図2及び
図6に示すように、スイッチ本体31の第一スイッチ側面32には、上述したように装備される操作部35の当接部37よりも下方に位置し、上方に向かって突出する第2規制部34が設けられる。具体的に、
図6に示すように、スイッチ本体31に操作部35が装備された際には、第2規制部34の上端面34aが、操作部35の2つの当接部37よりもさらに下方に、当該当接部37に対して所定の隙間を空けて配置されるよう形成されている。特に、第2規制部34の上端面34aは、2つの傾斜面にて形成されており、それぞれが各当接部37に対向する位置に形成されている。
【0026】
次に、
図2を参照して、アタッチメント20に取り付けられることなく、直接、パネル10に取り付けられるスイッチ40について説明する。
図2に示すように、スイッチ40は、スイッチ本体41と、操作部45と、を備える。
図2の例では、スイッチ本体41は、略直方体形状に形成されており、4つの側面42を有する。そして、4つの側面42のうち、パネル10の長手方向Lに沿って位置し、パネル10の各第一側面部12にそれぞれ対向して係合する2つの側面42には、外側に向かって突出する複数のスイッチ側爪部42aが形成されている。スイッチ側爪部42aは、上方から下方に向かうにつれて徐々に突出高さが高くなるよう突出して形成されている。そして、スイッチ側爪部42aは、上述したパネル10の第一側面部12に形成された貫通孔である係合部12aに挿入されて係合される。
【0027】
[組み付け]
次に、上述したように構成されたスイッチユニットの組み付けについて説明する。まず、
図2の矢印Y1に示すように、アタッチメント20の下方から、スイッチ30をアタッチメント20の内部に挿入させる。このとき、スイッチ30の第二スイッチ側面33に形成されたスイッチ側爪部33aを、アタッチメント20の第二壁面部23に形成された貫通孔であるスイッチ係合部23aに挿入されて係合させる。これにより、
図5に示すように、スイッチ30の周囲に、アタッチメント20が取り付けられることとなる。
【0028】
このとき、スイッチ30の操作部35の動作について、
図6を参照して説明する。操作部35は、パネル10の長手方向Lに対して略直交する方向に延びて設けられた揺動軸36に軸支されているため、
図6の矢印Rに示すよう揺動可能となる。具体的に、操作部35は、パネル10の長手方向における他方側の端部が、上方に引き上げられたり、下方に押されたりして、揺動軸36を中心とした回転方向に揺動することとなる。このとき、操作部35に設けられた当接部37は、操作部35に揺動に伴い揺動する。具体的に、当接部37を構成する2つの突出片は、操作部35の揺動によって相互に反対方向に動くこととなる。つまり、一方の当接部37a(第1当接部)が上方に移動すると、他方の当接部37b(第2当接部)は下方に移動することとなる。すると、一方の当接部37aは、揺動により所定の距離だけ上方に移動した後に、アタッチメント20の第一壁面部22に形成された規制部25の分岐部25aの下端面25bに当接することとなり、他方の当接部37bは、揺動により所定の距離だけ下方に移動した後に、スイッチ本体31に形成された第2規制部34の上端面34aに当接することとなる。このように、操作部35は、揺動軸36を中心としてシーソの動きをする。また、一方の当接部37aが下方に移動すると、他方の当接部37bは上方に移動することとなる。この場合、一方の当接部37aは、揺動により所定の距離だけ下方に移動した後に、スイッチ本体31に形成された第2規制部34の上端面34aに当接することとなり、他方の当接部37bは、揺動により所定の距離だけ上方に移動した後に、アタッチメント20の第一壁面部22に形成された規制部25の分岐部25aの下端面25bに当接することとなる。このように、操作部35の揺動動作は、所定の回転角度だけ揺動が許容され、それ以上は揺動しないよう規制されることとなる。また、一方の当接部37aと他方の当接部37bが揺動時に規制部25の下端面25bまたは第2規制部34の上端面34aに必ず当接するため、操作部35を操作したときの操作応力を分散させることが出来る。これにより操作部35の破損を抑制する。
【0029】
続いて、
図2の矢印Y2に示すように、パネル10の一方側表面部10Aの下方から、スイッチ30が組み付けられたアタッチメント20を挿入させる。このとき、アタッチメント20の第一壁面部22に形成された爪部22aを、パネル10の第一側面部12に形成された貫通孔である係合部12aに挿入されて係合させる。これにより、
図1に示すように、パネル10の一方側表面部10Aに、アタッチメント20を介してスイッチ30が取り付けられることとなる。
【0030】
また、
図2の矢印Y3に示すように、パネル10の他方側表面部10Bの下方から、スイッチ40を挿入させる。このとき、スイッチ40の2つの側面42に形成されたスイッチ側爪部42aを、パネル10の第一側面部12に形成された貫通孔である係合部12aに挿入されて係合させる。これにより、
図1に示すように、パネル10の他方側表面部10Bに、スイッチ40が取り付けられることとなる。
【0031】
以上のように、本実施形態によると、スイッチ30にアタッチメント20を取り付け、かかるアタッチメント20をパネル10の長手方向Lに沿った第一側面部12に取り付けることで、アタッチメント20を介してスイッチ30をパネル10に取り付けることができる。このため、パネル10の長手方向Lの端部に位置する第二側面部13に、スイッチ30との係合部を形成する必要がなくなる。その結果、複数のスイッチを異なる角度で配置するようパネル10を屈曲した形状に形成する場合であっても、パネル10の側面部にアンダーカットが生じないようパネル10を新たに設計することによって、既存のスイッチ30を利用することができ、製造にかかるコストと時間を抑制することができる。
【0032】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図7乃至
図8を参照して説明する。なお、以下では、実施形態1のスイッチユニットと異なる構成について、主に説明する。
【0033】
[構成]
図7に、本実施形態における組み立てた状態のスイッチユニットの斜視図を示す。また、
図8に、スイッチユニットを分解した分解図を示す。
図7及び
図8に示すように、スイッチユニットは、パネル110と、アタッチメント120と、複数のスイッチ130,140と、が組み付けられることで構成される。以下、各構成について詳述する。
【0034】
パネル110は、外形が略長方形形状に形成された板状の表面部111を有し、その周囲に背面側に向かって延びるよう立設する壁面部112,113を有する。表面部111は、実施形態1と同様に、略長方形形状における長手方向Lに沿って屈曲して形成されており、かかる屈曲部110Cを境として、長手方向Lの一方側に位置する一方側表面部110Aと他方側に位置する他方側表面部110Bとが形成されている。そして、表面部111の一方側表面部110Aと他方側表面部110Bとに、それぞれ1つずつ開口部111aが形成されている。このように、本実施形態におけるパネルユニットも、複数のスイッチ130,140が一方向に沿って並んで配置されることとなり、略長方形状の表面部111の長手方向L(
図7の略左右方向)が、複数のスイッチ130,140の並び方向である並列方向となる。
【0035】
また、パネル110の側面部112,113は、略長方形形状の表面部11の4辺にそれぞれ対応して設けられている。このうち、パネル110の長手方向Lに沿って位置する2つの第一側面部112のうち、
図7及び
図8の手前側に示す一方の第一側面部112には、段差が形成されている。つまり、一方の第一側面部112は、表面部側とは反対側の部分が、表面部側の部分よりも、他方の第一側面部112側に位置している。そして、一方の第一側面部112には、実施形態1と同様に、厚み方向に貫通する矩形の貫通孔で形成された複数の係合部112aが形成されている。
【0036】
アタッチメント120は、スイッチ130の周囲に取り付けられるものであり、
図8に示すように、スイッチ130の周囲を囲う壁面部122,123を有する。壁面部122,123は、パネル110の長手方向Lに沿って各第一側面部112にそれぞれ対向して係合する2つの第一壁面部122(側方壁面部)と、当該2つの第一壁面部122の長手方向Lにおける両端部をそれぞれ接続する2つの第二壁面部123(第2壁面部)と、からなる。
【0037】
そして、アタッチメント120の第一壁面部122には、外側に向かって突出する複数の爪部122a(被係合部)が形成されている。また、第一壁面部122には、厚み方向に貫通する矩形の貫通孔で形成された複数のスイッチ係合部123a(第2係合部)も形成されている。つまり、本実施形態では、実施形態1とは異なり、2つの第一壁面部122の長手方向Lにおける両端部をそれぞれ接続する2つの第二壁面部123には、貫通孔のスイッチ係合部123aは形成されていない。
【0038】
スイッチ130は、
図8に示すように、スイッチ本体131と、操作部135と、を備えており、実施形態1のスイッチ30と同一のスイッチである。なお、本実施形態では、パネル110に対してスイッチ130を取り付ける向きが、実施形態1とは異なるスイッチ本体131は、略直方体形状に形成されており、4つの側面を有する。このうち、パネル110の長手方向Lに沿って位置し、アタッチメント120の各第一壁面部122にそれぞれ対向して係合する2つの第二スイッチ側面133には、外側に向かって突出する複数のスイッチ側爪部133a(第2被係合部)が形成されている。つまり、本実施形態では、実施形態1と同様に、上述した第二スイッチ側面133とは異なる第一スイッチ側面132には、スイッチ側爪部は形成されていない。
【0039】
スイッチ140は、
図8に示すように、スイッチ本体141と、操作部145と、を備える。スイッチ本体141は、略直方体形状に形成されており、4つの側面を有し、そのうち、パネル110の長手方向Lに沿って位置し、パネル110の各第一側面部112にそれぞれ対向して係合する2つの側面142には、外側に向かって突出する複数のスイッチ側爪部142aが形成されている。
【0040】
[組み付け]
次に、上述したように構成されたスイッチユニットの組み付けについて説明する。まず、
図8の矢印Y11に示すように、アタッチメント120の下方から、スイッチ130をアタッチメント120の内部に挿入させる。このとき、スイッチ130の第二スイッチ側面133に形成されたスイッチ側爪部133aを、アタッチメント120の第一壁面部122に形成された貫通孔であるスイッチ係合部122bに挿入されて係合させる。これにより、スイッチ130の周囲に、アタッチメント120が取り付けられることとなる。
【0041】
続いて、
図8の矢印Y12に示すように、パネル110の一方側表面部110Aの下方から、スイッチ130が組み付けられたアタッチメント120を挿入させる。このとき、アタッチメント120の第一壁面部122に形成された爪部122aを、パネル110の第一側面部112に形成された貫通孔である係合部112aに挿入されて係合させる。これにより、
図7に示すように、パネル110の一方側表面部110Aに、アタッチメント120を介してスイッチ130が取り付けられることとなる。
【0042】
また、
図8の矢印Y13に示すように、パネル110の他方側表面部110Bの下方から、スイッチ140を挿入させる。このとき、スイッチ140の2つの側面142に形成されたスイッチ側爪部142aを、パネル110の第一側面部112に形成された貫通孔である係合部112aに挿入されて係合させる。これにより、
図7に示すように、パネル110の他方側表面部10Bに、スイッチ140が取り付けられることとなる。
【0043】
以上のように、本実施形態においても、スイッチ130にアタッチメント120を取り付け、かかるアタッチメント120をパネル110の長手方向Lに沿った第一側面部112に取り付ける構成としている。このため、パネル110の長手方向Lの端部に位置する第二側面部113に、スイッチ130との係合部を形成する必要がなくなる。その結果、複数のスイッチを異なる角度で配置するようパネル110を屈曲した形状に形成する場合であっても、パネル110の側面部にアンダーカットが生じないようパネル110を新たに設計することによって、既存のスイッチ130を利用することができ、製造にかかるコストと時間を抑制することができる。
【0044】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるスイッチユニットの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
複数のスイッチと、
前記複数のスイッチが一方向に沿って並んで配置され、表面に形成された開口部から前記スイッチの操作部が露出されるパネルと、
前記スイッチの少なくとも1つが取り付けられた状態で前記パネルに取り付けられるアタッチメントと、を備え、
前記パネルは、前記複数のスイッチが並ぶ方向である並列方向に沿って表面が屈曲して形成されており、
前記アタッチメントは、前記スイッチの周囲を囲って当該スイッチに取り付けられる壁面部を有し、
前記パネルの前記並列方向に沿った側面部は、係合部を有し、
前記アタッチメントの前記壁面部のうち、前記アタッチメントが前記パネルに取り付けられた状態で前記側面部に対向する側方壁面部は、前記係合部が係合する被係合部を有する、
スイッチユニット。
(付記2)
付記1に記載のスイッチユニットであって、
前記アタッチメントの前記壁面部のうち、前記並列方向に対して交差する方向に設けられ、前記側方壁面部の前記並列方向における端部を接続する第2壁面部は、第2係合部を有し、
前記スイッチは、当該スイッチが前記アタッチメントに取り付けられた状態で前記第2壁面部に対向する部位に、前記第2係合部が係合する第2被係合部を有する、
スイッチユニット。
(付記3)
付記1に記載のスイッチユニットであって、
前記アタッチメントの前記側方壁面部は、第2係合部を有し、
前記スイッチは、当該スイッチが前記アタッチメントに取り付けられた状態で前記側方壁面部に対向する部位に、前記第2係合部が係合する第2被係合部を有する、
スイッチユニット。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載のスイッチユニットであって、
前記パネルの屈曲箇所を境に、前記並列方向に沿って一方側と他方側とのそれぞれに、前記スイッチが少なくとも1つ配置される、
スイッチユニット。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載のスイッチユニットであって、
前記アタッチメントに取り付けられる前記スイッチの前記操作部は、揺動操作可能であり、前記操作部の揺動に伴い揺動する当接部を有し、
前記側方壁面部は、前記当接部が当接することにより前記操作部の揺動を規制する規制部を有し、
前記当接部は、前記操作部の揺動によって相互に反対方向に動く第1当接部および第2当接部からなり、
前記スイッチは、前記当接部が当接することにより前記操作部の揺動を規制する第2規制部を有し、
前記第1当接部が前記規制部に当接するときには前記第2当接部が前記第2規制部に当接し、前記第1当接部が前記第2規制部に当接するときには前記第2当接部が前記規制部に当接するよう構成されている、
スイッチユニット。
【0045】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 パネル
10A 一方側表面部
10B 他方側表面部
11 表面部
11a 開口部
12 第一側面部
12a 係合部
13 第二側面部
20 アタッチメント
22 第一壁面部
22a 爪部
23 第二壁面部
23a スイッチ係合部
25 規制部
25a 分岐部
25b 下端面
30 スイッチ
31 スイッチ本体
32 第一スイッチ側面
33 第二スイッチ側面
33a スイッチ側爪部
34 第2規制部
34a 上端面
35 操作部
36 揺動軸
37 当接部
40 スイッチ
41 スイッチ本体
42 側面
42a スイッチ側爪部
45 操作部
110 パネル
110A 一方側表面部
110B 他方側表面部
111 表面部
111a 開口部
112 第一側面部
112a 係合部
113 第二側面部
120 アタッチメント
122 第一壁面部
122a 爪部
122b スイッチ係合部
123 第二壁面部
130 スイッチ
131 スイッチ本体
132 第一スイッチ側面
133 第二スイッチ側面
133a スイッチ側爪部
140 スイッチ
141 スイッチ本体
142 側面
142a スイッチ側爪部
145 操作部