(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014957
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】多重IME構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/14 20060101AFI20230124BHJP
B29C 45/16 20060101ALI20230124BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20230124BHJP
F21V 33/00 20060101ALI20230124BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230124BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20230124BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20230124BHJP
F21V 15/00 20150101ALI20230124BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230124BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230124BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230124BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C45/16
H05K3/00 W
F21V33/00 300
F21V23/00 200
F21V8/00 330
F21V3/00 100
F21V15/00 100
F21V19/00 170
F21S2/00 250
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153749
(22)【出願日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094326
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517245958
【氏名又は名称】イントップス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ソン-フン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,テ ヨン
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
3K244
4F206
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013CA02
3K013CA09
3K013CA16
3K014AA01
3K244AA05
3K244AA09
3K244AA10
3K244BA31
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA22
3K244EA01
3K244EA08
3K244EA12
3K244EE02
3K244FA03
3K244FA04
3K244HA10
3K244JA03
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD09
4F206AD10
4F206AD19
4F206AD20
4F206AD24
4F206AD35
4F206AH26
4F206AH33
4F206AH73
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB19
4F206JB20
4F206JN25
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】自動車や家電製品に広範囲に適用可能であり、堅固で耐久性に優れ、LED素子から放出される光を効率的に調整することができるIME構造を提供する。
【解決手段】IME(In-mold electronics)構造であって、前記構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、前記第2プラスチック樹脂の上面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、前記電子素子はLED光源を含み、照明の分布及び方向をガイドする突起型の光ガイドが第2プラスチック樹脂の上面に複数形成され、光ガイドが提供する空間にLED光源が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IME(In-mold electronics)構造であって、
前記IME構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、
前記第2プラスチック樹脂の上面又は下面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、
前記電子素子は、LED、ICチップ、抵抗チップ、キャパシタ、タッチによってオン/オフするスイッチデバイス、タッチドラッグ、アンビエントライト又はハプティック機能のための振動マイクロモーターなどが適用される、IME構造
【請求項2】
IME(In-mold electronics)構造であって、
前記IME構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、
前記第2プラスチック樹脂の上面又は下面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、
前記電子素子はLED光源を含み、
照明の分布及び方向をガイドする突起型の光ガイドが第2プラスチック樹脂の上面に複数形成され、
光ガイドが提供する空間にLED光源が設けられる、IME構造。
【請求項3】
前記第2プラスチック樹脂に外側に突出した組立部材が形成され、これと整合するように前記第1プラスチック樹脂の対向面に収容部が形成されることにより、第1及び第2プラスチック樹脂が組み立てられる、請求項2に記載のIME構造。
【請求項4】
前記第2プラスチック樹脂の上面に接着層が形成されて第1及び第2プラスチック樹脂を接合する、請求項2に記載のIME構造。
【請求項5】
前記LED素子を取り囲むように封止材又はレンズが前記第2プラスチック樹脂上に形性されてカプセル構造をなす、請求項2に記載のIME構造。
【請求項6】
前記第1プラスチック樹脂の下面のうちLED素子と対向する位置に曲面形の微細な凹凸部が形成されたパターン部が形成される、請求項2に記載のIME構造。
【請求項7】
LED素子を取り囲む光ガイドの内側面にパターン部が形成される、請求項2に記載のIME構造。
【請求項8】
射出成形工程で前記第1プラスチック樹脂のベースを用意し、ベースの表面をコーティングし、所定形状のデザインを形成するように蒸着及びメッキ工程で金属層を形成し、デザインの形状に合うように金属層を食刻し、塗装作業を実施することにより、第1プラスチック樹脂にデザインが形成される、請求項2に記載のIME構造。
【請求項9】
前記第2プラスチック樹脂に外側に突出した組立部材が形成され、これと整合するように前記第1プラスチック樹脂の対向面に収容部が形成されることにより、第1及び第2プラスチック樹脂が組み立てられるか、又は、前記第2プラスチック樹脂の上面に接着層が形成されることにより、第1及び第2プラスチック樹脂が接合される、請求項8に記載のIME構造。
【請求項10】
前記第1プラスチック樹脂に組立部材が形成され、これと前記整合するように第2プラスチック樹脂の対向面に収容部が形成されることにより、第1及び第2プラスチック樹脂が組み立てられる、請求項2に記載のIME構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子回路メッキ工法を用いた多重IME(In-mold electronics)構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IME(In-mold electronics)技術は印刷された伝導性インクとインモールド装飾技法を統合して3D形状及び機能を具現する技術であり、比較的最近に胎動した。自動車分野では2012年フォード社がオーバーヘッドコンソール(overhead console)に最初に商用化して以来、飛躍的に発展して現在には家電製品、医療装備、携帯用電子機器、国防及び航空などの分野に拡張されている。
【0003】
IME技術は、普通、装飾(decoration)、タッチ制御部やアンテナをプラスチックフィルム上に印刷する1段階、フィルム上に多様な電子部品を実装(surface mounting)する2段階、フィルムを熱成形(thermoforming)して3D形状に製作する3段階、及び3Dフィルムをプラスチック樹脂とともにインサート成形で一体化する段階からなる。このように製造された完成品は、自動車分野では、例えば運転席のダッシュボードやドアトリムに美麗な外装フィルムとして視認可能に装着され、スマートフォンの画面タッチやプッシュ動作と類似した操作でフィルムをタッチして自動車ドアを開放するかウィンドウを昇降させることができる。IME製品は自動車に必要な大部分の電気電子の機能を提供することができ、機械式のボタン、ノブ、リンク、シャフト又はモーターのような部品が要らなく、空間を減らすことができ、デザインに優れた外装品を提供するなど、多くの利点を有する。
【0004】
IMEに関連した従来技術として二枚のフィルムを用いて製作する工程は次のようである。
【0005】
まず、上部フィルムAにデザインを印刷した後、所定形状になるように成形し、フィルムAをカットする。デザインは、デコレーション、ロゴ、エンブレム、アイテムの作動や機能を示すボタンデザインなどであり、制限されない。
【0006】
これとは別に、下部フィルムBには伝導性インクで電子回路を印刷した後、電子素子を実装し、リフロー(reflow)工法で電子素子を接合し、上部フィルムAと同じ形状に下部フィルムBを成形してカットする。
【0007】
そして、上部フィルムA、プラスチック樹脂及び下部フィルムBをインサート射出成形して最終製品を完成する。
【0008】
ところが、このような方法によれば、下部フィルムBの形状によって伝導性回路の構成に制約が多く、工程が非常に複雑な欠点がある。
【0009】
IMEに関連した先行特許を見ると、韓国公開特許第10-2016-0094936号公報は、フィルムを生成し、フィルム上に伝導体及びグラフィックを形成し、フィルム上に電子素子を付着した後、3次元形状を成すように射出成形する内容を開示している。韓国公開特許第10-2017-0130395号公報は、基板上に導電体をスクリーン印刷し、電子素子を実装した後、3次元形状に射出成形する内容を開示している。米国特許出願公開第2018/0213651号明細書は、フィルム上に導電性回路を形成し、電子素子を実装し、フィルムを熱成形して立体構造を作る工程を開示している。これらの特許は、単一フィルム上に電子回路パターン及び電子素子を実装し、フィルムをフォーミング(forming)する一般的な内容を開示するという限界がある。
【0010】
発明者らは、以上の先行技術及び特許を考慮して、2020年12月14日付で出願した韓国特許出願第10-2020-0174369号で、デザインが形成されたフィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、第2プラスチック樹脂の上面又は両面にはメッキ工法で電子回路を形成し、電子素子を実装することにより、フィルム、第1プラスチック樹脂、電子回路及び電子素子が形成された第2プラスチック樹脂を一体化したIME構造を提案した。この構造は、電子回路の部分と電気的に連結され、第2プラスチック樹脂の貫通ホールを通過して下方に延びた端子部をさらに含むことができる。
【0011】
本発明は前記構造を多くの面でより改良したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2016-0094936号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2017-0130395号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2018/0213651号明細書
【特許文献4】韓国特許出願第10-2020-0174369号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は自動車や家電製品に広範囲に適用可能であり、堅固で耐久性に優れ、LED素子から放出される光を効率的に調整することができるIME構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するために、本発明は、IME(In-mold electronics)構造であって、前記構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、前記第2プラスチック樹脂の上面又は下面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、前記電子素子は、LED、ICチップ、抵抗チップ、キャパシタ、タッチによってオン/オフするスイッチデバイス、タッチドラッグ、アンビエントライト又はハプティック機能のための振動マイクロモーターなどが適用されるIME構造を提供する。
【0015】
また、本発明は、IME(In-mold electronics)構造であって、前記構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、前記第2プラスチック樹脂の上面又は下面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、前記電子素子はLED光源を含み、照明の分布及び方向をガイドする突起型の光ガイドが第2プラスチック樹脂の上面に複数形成され、光ガイドが提供する空間にLED光源が設けられるIME構造を提供する。
【0016】
第2プラスチック樹脂に外側に突出した組立部材が形成され、これと整合するように第1プラスチック樹脂の対向面に収容部が形成されることにより、第1及び第2プラスチック樹脂が組み立てられることができる。
【0017】
第2プラスチック樹脂の上面に接着層が形成されて第1及び第2プラスチック樹脂を接合することができる。
【0018】
前記LED素子を取り囲むように封止材又はレンズが第2プラスチック樹脂上に形性されてカプセル構造をなすことができる。
【0019】
前記第1プラスチック樹脂の下面のうちLED素子と対向する位置に曲面形の微細な凹凸部が形成されたパターン部が形成されることができる。
【0020】
LED素子を取り囲む光ガイドの内側面にパターン部が形成されることができる。
【0021】
射出成形工程で第1プラスチック樹脂のベースを用意し、ベースの表面をコーティングし、所定形状のデザインを形成するように蒸着及びメッキ工程で金属層を形成し、デザインの形状に合うように金属層を食刻し、塗装作業を実施することにより、第1プラスチック樹脂にデザインが形成されることができる。
【0022】
第2プラスチック樹脂に外側に突出した組立部材が形成され、これと整合するように第1プラスチック樹脂の対向面に収容部が形成されることにより、第1及び第2プラスチック樹脂が組み立てられることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は先行技術に比べて簡素化した工程を提供し、メッキ工法を適用したプラスチック樹脂表面に電子回路を具現して製品形状による制約を最小化し、堅固で接合力に優れ、耐久性が強く、電子素子がLED光源の場合、照明を案内して調整することができる構造を提供して多様な光パターンを実現することができる改善したIME構造及びその製造方法を提供することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】(a)は本発明のIME構造の構成要素を示す組立前の断面図であり、(b)は(a)の組立後の断面図である。
【
図2】(a)は本発明の他の実施例によるIME構造の構成要素を示す組立前の断面図であり、(b)は(a)の組立後の断面図である。
【
図3】(a)は本発明の他の実施例によるIME構造の構成要素を示す組立前の断面図であり、(b)は(a)の組立後の断面図である。
【
図4】本発明のカプセル構造の一実施例を示す断面図である。
【
図5】本発明のカプセル構造の他の実施例を示す断面図である。
【
図6】(a)は本発明の光パターン構造を備えたIME構造の組立前の断面図であり、(b)は(a)の組立後の断面図である。
【
図7】本発明の光パターン構造を備えたIME構造の他の実施例を示す断面図である。
【
図8】本発明の第1プラスチック樹脂にデザインを形成する製作工程及びそれぞれの工程による第1プラスチック樹脂の斜視図を順に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明による各実施例は本発明の理解を助けるための一例に過ぎなく、本発明がこのような実施例に限定されるものではない。本発明は各実施例に含まれる個別構成及び個別機能の中で少なくとも一つ以上の組合せからなることができる。
【0026】
<IME構造1>
図1(a)は本発明のIME構造1の構成要素を示す組立前の断面図、
図1bは組立後の断面図である。IME構造1は自動車、家電製品、携帯電話などのどの分野にも適用可能であるが、以下では主に自動車を前提として説明する。
【0027】
IME構造1は、上から順に、フィルム2と、フィルム2の下側に位置する第1プラスチック樹脂4と、第1プラスチック樹脂4の下側に位置する第2プラスチック樹脂6とを含む。第2プラスチック樹脂6の上面6a及び/又は下面には電子回路8及び電子素子10が形成される。IME構造1は、デザインが形成されたフィルム2と、第1プラスチック樹脂4と、電子回路8及び電子素子10などが形成された第2プラスチック樹脂6とが一体化した構造を有する。
【0028】
フィルム2には、デコレーション、ロゴ、エンブレム、アイテムの作動や機能を表すボタンアイコンなどのデザインが形成されている。フィルム素材は、PC、PMMA、PET、TPUなどの多様な素材が適用可能であり、制限されない。フィルム2は中央が膨らんでいる曲面、左右両側が平面である全体的にディスク形を例示したが、これに限定されない。フィルム2は、照明部が透過することができるように、印刷層又はデザイン構成層に貫通部22が形成される。貫通部22を通して、例えばLEDのような電子素子10の光が発光することができる。
【0029】
第1プラスチック樹脂4は全体的にフィルム2の形状と類似しており、上面はフィルム2の下面と結合されるが、側面の高さは十分に大きいので、第1プラスチック樹脂4は第2プラスチック樹脂6の上面6a全体と側面を完全に取り囲んで密封する堅固で厚い構造を有する。樹脂の種類は、PC、アクリル、ABS、AES、PMMA、PI、PPAなどのプラスチック系樹脂のいずれも適宜使うことができ、制限されない。
【0030】
電子回路8は電子素子10に電流又は電源を供給するための回路パターン、ケーブル又は導電性インクなどを含み、特に制限されない。電子回路8は第2プラスチック樹脂6の上面6aだけでなく下面6bにも形成されることができる。
【0031】
電子素子10は、静電容量センサー、チップ、プロセッサ、電気スイッチなどを含み、IME構造1の用途によっていずれも適宜選択して実装(surface mounting)することができる。フィルム2にタッチ部を備えて静電容量方式でLED素子Lをオン/オフするスイッチデバイス又はハプティック機能のための振動マイクロモーターを電子素子10として実装することも可能である。
【0032】
電子回路8と図示しないメインボードとの接続のために電子回路8の部分と電気的に連結され、第2プラスチック樹脂6の上面6aに形成された電子回路の一部と貫通ホール6’を介して連結された端子部100が第2プラスチック樹脂6の下面6bに装着される。
【0033】
以下の説明では電子素子10が光源のLED素子Lの場合を対象として説明する。
【0034】
本発明の実施例では、第2プラスチック樹脂6の上面に、上方に延びて照明の分布及び方向をガイドする突起型の光ガイド200が形成される。そして、左側の2個の光ガイド200の間と、右側の2個の光ガイド200の間とに提供される空間のそれぞれにはLED素子Lが装着される。光ガイド200は、それぞれのLED素子Lから放出される光が周囲に散乱せずに貫通部22に向かって直進して発光するように案内する。光ガイド200の形状及び個数は本発明の権利範囲を制限しなく、LED素子Lによって適宜選択することができる。第1プラスチック樹脂4の下面には、光ガイド200を収容するための複数のガイド収容部200aが形成される。
【0035】
本発明のIME構造1の製作工程は、フィルム2、第1プラスチック樹脂4及び第2プラスチック樹脂6の二重インサート射出工程が好ましい。第1及び第2プラスチック樹脂4、6を最終製品の形状に合うように、かつ光ガイド200とガイド収容部200aが適切に立体的に具現されるように射出成形した後、その上にフィルム2を置き、金型内に樹脂を供給してIME構造1を一体に完成する(
図1(b))。
【0036】
本発明のIME構造1は
図2(a)及び
図2(b)に示す他の実施例によって製作することができる。
図1との相違点は、第1プラスチック樹脂4の側面にフック収容部4cを形成し、これと整合するように第2プラスチック樹脂6の側面にフック6cを形成した点である。すると、二重射出成形構造に加え、フック6cを組み立てる組立式結合構造を追加して第1及び第2プラスチック樹脂4、6を堅く一体に作ることができる。フックの代わりにボスを具現してスクリュー締結方式を選択的に適用することができる。フックのような組立部材とこれと当接して結合するか収容する収容部とは螺合方式、締まりばめ方式などのいずれも適宜選択することができる。また、他の実施例の変形例としては、第1プラスチック樹脂に組立部材を形成し、これと整合するように第2プラスチック樹脂の対向面に収容部を形成することにより、第1及び第2プラスチック樹脂を組み立てることも可能であるというのは言うまでもない。
【0037】
本発明のIME構造1は
図3(a)及び
図3(b)のさらに他の実施例によって製作することができる。
図1との相違点は第2プラスチック樹脂6の上面6aに接着層6dを形成した点である。すると、二重射出成形構造に加え、接着層6dでボンディングする接着式結合構造を追加して第1及び第2プラスチック樹脂4、6を堅く一体に作ることができる。
【0038】
<IME構造1における光源部のカプセル化構造>
次に、
図4及び
図5を参照して本発明のLED素子Lのカプセル化構造について説明する。これらの構造は
図1~
図3のIME構造1のいずれにも適用可能である。
【0039】
図4で、第2プラスチック樹脂6の上面6aの光ガイド200の間に配置されたLED素子Lをカプセル構造を成すように封止材50が取り囲んでいる。封止材50はエポキシ、シリコン、セラミックなどのさまざまな素材から製作されて接着されることができる。封止材50は分配装備を用いて所望の地点に適正量を吐き出し、熱硬化又はUV硬化などの多様な硬化工程で製作される。
【0040】
図5で、第2プラスチック樹脂6の上面6aの光ガイド200の間に配置されたLED素子Lをカプセル構造を成すようにレンズ60が取り囲んでいる。レンズ60は射出成形可能ないずれの素材も適用可能であり、仕様によって形状及び構造の変形が可能である。レンズ60は所望の地点に組立式又はボンディングによる接着式で形成されることができる。
【0041】
このような本発明によれば、カプセル構造により、熱や圧力からLED素子Lを含めた部品を保護し、光の拡散機能を付与することができ、光の分布など、進行角を調整することができるという優れた効果を発揮する。
【0042】
<IME構造1における光パターン構造>
次に、本発明のさらに他の実施例として光パターン構造を導入した実施例を説明する。
【0043】
図6(a)は本発明の光パターン構造を備えたIME構造1の組立前の断面図、
図6(b)は組立後の断面図を示す。
【0044】
第1プラスチック樹脂4の下面には、第2プラスチック樹脂6のLED素子Lと対向する位置に上方に凹んでいる半球形のパターン部Pが曲面を成すように形成されている。パターン部Pの表面には微細な凹凸部が形成される。第1及び第2プラスチック樹脂4、6が結合すれば、図示のように、LED素子Lを取り囲むようにパターン部Pが位置する。パターン部Pによって光の方向、散乱、集中、反射及び拡散などの効果を適宜調整して制御することができる。パターン部Pの形状は所望の光効果を考慮して多様に製作して室内の補助灯のように外部又は内部に露出される製品に適用することができる。また、凹凸部は尖っているチップ形又は半球形に多様に製作することができる。次に、
図7は本発明のさらに他の実施例による光パターン構造を備えたIME構造1の第2プラスチック樹脂6の断面図を示す。
【0045】
図6とは違い、
図7ではLED素子Lを取り囲む光ガイド200の内側面にパターン部Pが形成されている。パターン部Pの表面には微細な凹凸部が形成される。この場合、光はパターン部Pを通過しながら多数の平行光が一つに集まって側面に進行し、よって光の側面拡散効果を期待することができる。
図7の構造も
図6と同じ効果を発揮する。
【0046】
<IME構造1におけるデザイン具現構造>
図1ではデザインがフィルム2に形成されるものを説明したが、本発明のさらに他の実施例によれば、第1プラスチック樹脂4にデザインを形成することが可能である。
図8(a)~
図8(e)は本発明の第1プラスチック樹脂4にデザインを形成する製作工程及びそれぞれの工程による第1プラスチック樹脂4の斜視図を順に示す。
【0047】
まず、射出成形工程によって第1プラスチック樹脂4のベース400を完成する。ベース400の材料は、PC、PMMA(アクリル)、ABS、AESなどを含む成形可能な全てのプラスチック樹脂を含む。
【0048】
次いで、ベース400の表面にコーティング作業を実施してコーティング層を形成する。コーティング作業は、プライマーコーティング(下塗りコーティング)を含めた多くの工程を、又は一回の上塗りコーティング(top coating)を実施する。上塗りコーティングは下側に置かれた材料上に密封材として透明性塗料を被せるものであり、製品の外表面を保護し、太陽光露出による変形を防止するためのものである。
【0049】
次いで、所定デザインの具現のために、第1プラスチック樹脂4にインジウム(In)、アルミニウム又はニッケルなどの金属を用いて金属層を形成する。金属層は蒸着又はメッキ工程で形成することができる。
【0050】
次いで、蒸着又はメッキ工程で形成された金属層を、例えばレーザーを用いてデザイン形状に合うように食刻(エッチング)する。
図8(d)の例は“M”のデザインを表示するように、これを除いた金属層の残り部分を食刻した。
【0051】
最後に、美麗な色相の具現のために、塗料を用いて塗装作業を実施する(
図8(e))。
【0052】
IME構造1を完成するためには、デザインの具現された第1プラスチック樹脂4と第2プラスチック樹脂6を
図2及び
図3で説明した組立又は接着工程で結合することができる。
【0053】
以上のデザイン製作工程は前述した本発明の実施例に同様に適用することができる。
【0054】
以上で本発明の実施例を説明したが、これは本発明を限定しなく、本発明の多様な変形及び修正が可能である。本発明の権利範囲は以下で記述する請求範囲と同一又は均等な範囲まで及ぶのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1 IME構造
2 フィルム
4 第1プラスチック樹脂
4c 収容部
6 第2プラスチック樹脂
6a 第2プラスチック樹脂の上面
6b 第2プラスチック樹脂の下面
6c フック
6d 接着層
6’ 貫通ホール
8 電子回路
10 電子素子
22 貫通部
50 封止材
60 レンズ
100 端子部
200 光ガイド
200a ガイド収容部
400 ベース
L LED素子
P パターン部
【手続補正書】
【提出日】2022-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IME(In-mold electronics)構造であって、
前記IME構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、
前記第2プラスチック樹脂の上面又は下面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、
前記電子素子はLED光源を含み、
照明の分布及び方向をガイドする突起型の光ガイドが第2プラスチック樹脂の上面に複数形成され、
光ガイドが提供する空間にLED光源が設けられ、
前記第1プラスチック樹脂又は前記第2プラスチック樹脂に外側に突出した組立部材が形成され、これと整合するように残りの前記第2プラスチック樹脂又は前記第1プラスチック樹脂の対向面に収容部が形成されることにより、前記第1プラスチック樹脂及び前記第2プラスチック樹脂が組み立てられ、
射出成形工程で前記第1プラスチック樹脂のベースを用意し、前記ベースの表面をコーティングし、所定形状のデザインを形成するように蒸着及びメッキ工程で金属層を形成し、デザインの形状に合うように金属層を食刻し、塗装作業を実施することにより、第1プラスチック樹脂にデザインが形成される、IME構造。
【請求項2】
前記LED素子を取り囲むように封止材又はレンズが前記第2プラスチック樹脂上に形性されてカプセル構造をなす、請求項1に記載のIME構造。
【請求項3】
前記第1プラスチック樹脂の下面のうちLED素子と対向する位置に曲面形の微細な凹凸部が形成されたパターン部が形成される、請求項1に記載のIME構造。
【請求項4】
LED素子を取り囲む光ガイドの内側面にパターン部が形成される、請求項1に記載のIME構造。
【請求項5】
IME(In-mold electronics)構造であって、
前記IME構造は、フィルムと、フィルムの下側に位置する第1プラスチック樹脂と、第1プラスチック樹脂の下側に位置する第2プラスチック樹脂とを含み、
前記第2プラスチック樹脂の上面又は下面にはメッキ工法で電子回路が形成され電子素子が実装され、
前記電子素子はLED光源を含み、
照明の分布及び方向をガイドする突起型の光ガイドが第2プラスチック樹脂の上面に複数形成され、
光ガイドが提供する空間にLED光源が設けられ、
射出成形工程で前記第1プラスチック樹脂のベースを用意し、前記ベースの表面をコーティングし、所定形状のデザインを形成するように蒸着及びメッキ工程で金属層を形成し、デザインの形状に合うように金属層を食刻し、塗装作業を実施することにより、第1プラスチック樹脂にデザインが形成される、IME構造。