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特開2023-149583動作状態表示システム、及び、ナースコールシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149583
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】動作状態表示システム、及び、ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20231005BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231005BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20231005BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
A61G12/00 E
H04N5/232 290
H04N5/232 930
H04N5/225 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058228
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】小川 憲一
【テーマコード(参考)】
4C341
5C122
【Fターム(参考)】
4C341JJ01
4C341LL10
4C341MR18
4C341MS18
4C341MS22
5C122DA11
5C122EA42
5C122FH11
5C122FK08
5C122FK37
5C122FK41
5C122GG01
5C122HB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の起床等を検出する見守り用のカメラにおいて、該カメラの動作状態を手軽に確認できる動作状態表示システムを提供する。
【解決手段】動作状態表示システムは、患者のベッド近傍に設置されたカメラ3と、カメラ3の映像に含まれる人物52及びベッド51を検出する検出部と、人物52のベッド51に対する相対位置を判定する判定部と、相対位置を表示する表示部33を備える。表示部33は、ベッド51を示すベッド領域35と、ベッドの周辺の複数の地点を示す複数のLED36(36a~36e)と、点灯制御部と、から構成され、表示部33(点灯制御部)は複数のLED36の少なくとも一つを点灯することによって、相対位置を表示する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの動作状態を表示する動作表示システムであって、
患者のベッド近傍に設置されたカメラと、前記カメラの映像に含まれる人物及びベッドを検出する検出手段と、前記人物の前記ベッドに対する相対位置を判定する判定手段と、を備え、
前記カメラが、前記相対位置を表示する表示手段を含むことを特徴とする動作状態表示システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記ベッドの周辺の複数の地点の何れか一つを相対位置として出力し、
前記表示手段が、前記ベッドを示すベッド領域と、前記複数の地点を示す照明手段と、を含み、
前記表示手段は、前記相対位置に対応する照明手段を点灯する請求項1に記載の動作状態表示システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記ベッドから所定の距離以上の前記人物について、前記相対位置を判定しない請求項1又は2に記載の動作状態表示システム。
【請求項4】
前記カメラが、前記検出手段と、前記判定手段と、を含む、
請求項1~3の何れか一項に記載の動作状態表示システム。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の動作状態表示システムを備えたナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、患者の起床や離床等の所定の状態を検出するカメラにおいて、カメラの動作状態を表示する動作状態表示システム、及び、該動作状態表示システムを備えたナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院等において、病室にカメラを設け、患者の起床等状態を検出するカメラの技術が開発されている。例えば、特許文献1には、患者のベッド近傍に設置したカメラで患者を撮影し、撮影した映像を解析して、患者の起床等状態を高精度で検出するナースコールシステムの技術が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-209937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、患者の状態を検出するカメラにおいては、転倒事故や徘徊等に迅速に対処できるよう、常に正常に動作していることが望ましい。このため、医療や介護の現場では、カメラの動作状態を手軽に確認したいという要望があった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、患者の起床等状態を検出するカメラにおいて、該カメラの動作状態を表示する動作状態表示システム、及び、動作状態表示システムを備えたナースコールシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の動作状態表示システムは、カメラの動作状態を表示する動作状態表示システムであって、患者のベッド近傍に設置されたカメラと、カメラの映像に含まれる人物及びベッドを検出する検出手段と、人物のベッドに対する相対位置を判定する判定手段と、を備え、カメラが、相対位置を表示する表示手段を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の動作状態表示システムによれば、カメラの映像に含まれる人物のベッドとの相対位置を判定し、相対位置をカメラに表示することとしたため、カメラを目視することにより、手軽にカメラの動作確認をすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態を示すナースコールシステムのシステム図である。
図2】カメラの外観を示す正面図である。
図3】動作状態表示システムの構成を示すブロック図である。
図4】カメラの設置例を示す概要図である。
図5】カメラの映像を示す模式図である。
図6】人物の位置とLEDの点灯状態を示す模式図である。
図7】人物の位置とLEDの点灯状態を示す模式図である。
図8】人物の位置を、(a)判定する場合と(b)判定しない場合を示す模式図である。
図9】動作状態表示部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を、動作状態表示システムを備えたナースコールシステムに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1~3に示すように、この実施形態のナースコールシステム1は、ナースステーションに設置されたナースコール親機6と、看護師が携帯するPHSやスマートフォン等を含む携帯端末10と、管理室等に設置された制御機7と、サーバ室等に設置されたIP-PBX等の中継装置8と、病院内各所に配置された基地局9と、廊下に設置された廊下灯4と、患者ベッド51近傍に設けられたナースコール子機5と、患者ベッド51近傍に設けられたカメラ3と、ナースコールシステム1に関する情報などを提供するナースコールサーバ2とから構成されている。中継装置8と、制御機7と、廊下灯4と、ナースコール親機6と、ナースコールサーバ2は、LAN回線L1により接続され、ナースコール子機5は伝送線L2により廊下灯4に接続され、カメラ3は伝送線L3により廊下灯4に接続されている。
【0011】
カメラ3は、カメラ3を制御するCPU31と、映像12を撮影する撮影部32と、人物52のベッド51に対する相対位置を表示する表示部33と、映像12に基づいて患者の所定の状態を検出する検出部37とを備える。検出部37は、映像12に含まれる人物52及びベッド51を検出する機能を有する。また、検出部37は、人物52のベッド51に対する相対位置を判定する判定部38を含む。表示部33は、ベッド51を模式的に表したベッド領域35と、照明手段としてのLED36(36a~36e)と、LED36を点灯/消灯する点灯制御部34と、を有する。
【0012】
図4に示すように、カメラ3は、ベッド51の枕側壁面(図4(a))、又は、ベッドサイド(図4(b))に設置され、ベッド周辺を常時撮影している。
【0013】
検出部37は、映像12を解析し、映像12に含まれる患者(図示なし)の所定の状態を検出する。映像解析では、公知の映像解析技術を採用可能であり、例えば、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)、SURF(Speeded-Up Robust Features)などを選択できる。患者の状態には、ベッド51に横たわっている状態(横臥)、ベッド51で上半身を起こしている状態(起き上がり)、ベッド51の縁に腰かけている状態(端座)、ベッド51を離れた状態(離床)、立ち上がった状態(立ち上がり)、床に横たわった状態(転倒)、ベッド51から転落した状態(転落)等がある。
【0014】
また、検出部37は、映像12を解析し、映像12に含まれるベッド周辺の人物52及びベッド51を検出する。このとき、患者か患者以外の人物52かの判別を行い、患者以外の人物52のみを検出対象とするように構成してもよい。患者か患者以外の人物52かの判別は、例えば、状態STの検出対象である患者との同一性、ベッド51からの距離d等から行うことができる。
【0015】
図5に、映像12と、映像12の中に検出された人物52及びベッド51を示す。図5では、表示部33との対比を容易にするため、映像12を上下反対に表している。図5に示すように、判定部38は、検出された人物52及びベッド51に基づいて、人物52のベッド51に対する相対位置を判定する。例えば、図5(a)に示すように、判定部38は、人物52と各地点P(Pa~Pe)とを比較し、最も近い地点Paを相対位置とすることができる。あるいは、図5(b)に示すように、ベッド51の周囲を所定のブロックB(Ba~Be)に区画し、人物52が含まれるブロックBaを相対位置とすることも可能である。その他、映像12を用いて判定部38に機械学習を施し、相対位置を判定するようにしてもよい。
【0016】
図6に示すように、表示部33は、相対位置に対応するLED36を点灯する。具体的には、表示部33の点灯制御部34は、相対位置がベッド51の右側の地点Peである場合には、ベッド領域35の右側のLED36eを点灯し(図6(a))、相対位置がベッド51の左側の地点Paである場合には、ベッド領域35の左側のLED36aを点灯し(図6(b))、相対位置がベッド51の足元側の地点Pcである場合には、ベッド領域35の下側のLED36cを点灯する(図6(c))。
【0017】
また、点灯制御部34は、相対位置が右下側角部の地点Pdである場合には、ベッド領域35の右側のLED36e及び下側のLED36cを点灯する(図7(a))。表示部33の右下側角部にLED36dを設け、LED36dを点灯するようにしてもよい(図7(b))。
【0018】
図8に示すように、判定部38は、ベッド51と人物52との距離dが所定の距離D以内(d≦D)である場合に相対位置を判定し、ベッド51と人物52との距離dが所定の距離Dを超える場合(d>D)に相対位置を判定しない。ここで、距離Dは、50cm程度が好ましい。あまりに離れた人物52の相対位置まで表示すると、複数の人物52の相対位置が表示され、動作状態の確認ができなくなるからである。なお、距離dは、病室内のベッド51の配置状態等に応じて適宜変更可能である。
【0019】
次に、上記構成のナースコールシステム1における、動作状態表示システム11の動作を、図9に基づいて説明する。まず、カメラ3の撮影部32が、ベッド周辺を撮影すると(S1)、カメラ3の検出部37は、映像解析を行い、映像12に含まれる人物52及びベッド51を検出する(S2)。ここで、人物52とベッド51の距離dが所定の距離を超えていた場合(d>D)、処理を終了する(S3:No)。
【0020】
一方、人物52とベッド51の距離dが所定の距離以内(d≦D)であった場合は(S3:Yes)、判定部38は、人物52のベッド51に対する相対位置を判定する(S4)。カメラ3の表示部33(点灯制御部34)は、相対位置に対応するLED36を点灯する(S5)。
【0021】
以上のナースコールシステム1によれば、ベッド51の周囲に立つだけでカメラ3の動作状態を確認できるため、医療従事者等が目視により手軽に確認テストをすることができる。また、検出部37のテストとしては、画像解析を用いたジェスチャー認識を用いる方法もあるが、本開示のように人物検知を用いた方が、難易度が低く、安価に開発できる。
【0022】
さらに、人物52のベッド51に対する相対位置を、LED36の点灯によって表示するため、ベッド51が正常に検出できていることが確認できる。言い換えると、ベッド51の周囲に立ってもLED36が点灯しない場合、ベッド51の誤検出が生じている可能性があり、検出部37の設定を見直すきっかけともなる。
【0023】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以下(1)や(2)のように、各部の構成を任意に変更して実施することも可能である。例えば、LED36の数を適宜変更する。
(1)LED36の数や配置を適宜変更する。
(2)検出部37や判定部38の両方、又は、何れか一方をナースコールサーバ2に搭載する。
【符号の説明】
【0024】
1 ナースコールシステム
2 ナースコールサーバ
3 カメラ
4 廊下灯
5 ナースコール子機
6 ナースコール親機
7 制御機
8 中継装置
9 基地局
10 携帯端末
12 映像
31 CPU
32 撮影部
33 表示部
34 点灯制御部
35 ベッド領域
36 LED
37 検出部
38 判定部
51 ベッド
52 人物
B ブロック
P 地点
L1 LAN回線
L2,L3 伝送線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9