(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149605
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ICチップ搭載装置、ICチップ搭載方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20231005BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G06K19/077 136
G06K19/077 212
H01L21/60 311S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058260
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】前田 禎光
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK03
5F044KK17
5F044LL07
5F044PP16
(57)【要約】
【課題】ICチップを基材上に搭載する際に、加熱硬化と光硬化の切り替えが容易で、加熱硬化と光硬化を兼用可能なICチップ搭載装置を提供する。
【解決手段】本発明のある態様は、基材上にインレイ用の複数のアンテナが連続的に形成されているアンテナ連続体を搬送する搬送部と、アンテナ連続体の各アンテナの所定の基準位置に設けられた接着剤上にICチップを配置するICチップ配置部と、接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で光を照射することで接着剤を硬化させる光硬化ユニット、及び、接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で加熱することで接着剤を硬化させる加熱硬化ユニットを、交換可能に取り付けるユニット取付部と、を備えたICチップ搭載装置である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上にインレイ用の複数のアンテナが連続的に形成されているアンテナ連続体を搬送する搬送部と、
前記アンテナ連続体の各アンテナの所定の基準位置に設けられた接着剤上にICチップを配置するICチップ配置部と、
前記接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で光を照射することで前記接着剤を硬化させる光硬化ユニット、及び、前記接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で加熱することで前記接着剤を硬化させる加熱硬化ユニットを、交換可能に取り付けるユニット取付部と、を備えた、
ICチップ搭載装置。
【請求項2】
前記光硬化ユニット及び前記加熱硬化ユニットは、前記ICチップをアンテナ側に押圧する押圧面とは反対側に、同一の形態をなす被取付部を有し、
前記ユニット取付部は、各ユニットの前記被取付部を位置決めしつつ保持する保持部を有する、
請求項1に記載されたICチップ搭載装置。
【請求項3】
各ユニットの前記被取付部には磁石が設けられ、
前記保持部は、強磁性を有する材料で形成された保持面を有し、前記光硬化ユニット又は前記加熱硬化ユニットのいずれかを磁力により保持する、
請求項2に記載されたICチップ搭載装置。
【請求項4】
前記ユニット取付部は、前記アンテナ連続体の搬送方向に沿って複数の前記光硬化ユニット又は複数の前記加熱硬化ユニットを所定間隔で取り付け、
前記保持部は、前記アンテナ連続体の搬送方向に沿って前記所定間隔で形成され、複数のユニットの各々の前記被取付部を受け入れて保持する複数の開口を有する開口形成板を備える、
請求項2又は3に記載されたICチップ搭載装置。
【請求項5】
前記開口形成板は、着脱可能である、
請求項4に記載されたICチップ搭載装置。
【請求項6】
前記光硬化ユニットは、前記接着剤上に配置されたICチップを押圧し、かつ前記光を透過させるガラス製の押圧面を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載されたICチップ搭載装置。
【請求項7】
基材上にインレイ用の複数のアンテナが連続的に形成されているアンテナ連続体を搬送し、
前記アンテナ連続体の各アンテナの所定の基準位置に設けられた接着剤上にICチップを配置し、
前記接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で光を照射する光硬化ユニット、又は、前記接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で加熱する加熱硬化ユニットのいずれかを選択的にユニット取付装置に取り付けて、前記接着剤を硬化させる、
ICチップ搭載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップ搭載装置、および、ICチップ搭載方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグの普及に伴い、アンテナと当該アンテナに電気的に接続されるICチップとを有するシート状のインレイの生産が拡大している。インレイを製造するには、ベース基材上に形成されたアンテナにおいて、ICチップを搭載するための基準となるアンテナ上の所定の基準位置に対して接着剤を設けるとともにICチップを当該基準位置に配置し、次いで接着剤を硬化させてICチップを固定する。
例えば、特許文献1には、ICチップの接合方法において、導電接着剤が塗布された基材上にICチップを搭載する搭載工程と、基材に搭載されたICチップと基材を、上下方向から上ヘッドと下ヘッドにより挟み込んで加圧し、塗布された導電接着剤を加熱することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来のICチップ搭載装置では、接着剤が塗布された基材上(例えばPETフィルムに形成したアンテナ)にICチップを搭載する際に加熱硬化を行っていた。一方、近年では感熱層を有するサーマル基材の裏面にアンテナを形成してICチップを搭載する省資源型のRFIDタグが普及しつつある。これは、インレイのベース基材としてサーマル基材を用いることによりインレイとRFIDタグの基材を兼用し、インレイの片面(感熱層)をRFIDタグの印字面として利用するものである。しかし、ICチップ搭載後の接着剤を加熱硬化する際に感熱層が発色する問題がある。そこで、発色防止のために熱を用いず、例えば紫外線を照射して光硬化により接着剤を硬化させる方法が考えられた。しかし、接着剤を硬化させる工程はICチップを搭載する工程と一体不可分であるため、熱硬化用のICチップ搭載装置と、光硬化用のICチップ搭載装置を別々に用意する必要が生じ、生産性に影響を与えてしまう。
本発明のある態様は、ICチップを基材上に搭載する際に、加熱硬化と光硬化の切り替えが容易で、加熱硬化と光硬化を兼用可能なICチップ搭載装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、基材上にインレイ用の複数のアンテナが連続的に形成されているアンテナ連続体を搬送する搬送部と、
前記アンテナ連続体の各アンテナの所定の基準位置に設けられた接着剤上にICチップを配置するICチップ配置部と、
前記接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で光を照射することで前記接着剤を硬化させる光硬化ユニット、及び、前記接着剤上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で加熱することで前記接着剤を硬化させる加熱硬化ユニットを、交換可能に取り付けるユニット取付部と、を備えたICチップ搭載装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のある態様によれば、単一のICチップ搭載装置で接着剤の加熱硬化と光硬化の切り替えが可能になり、ICチップ搭載の生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態のアンテナの平面図とそのICチップ搭載前後の部分拡大図である。
【
図2】アンテナシートと、アンテナシートを巻回したロール体とを示す図である。
【
図3】実施形態のICチップ搭載装置においてICチップ配置工程に対応する部分を示す図である。
【
図4】チップ包含テープとその拡大断面を示す図である。
【
図5】実施形態のICチップ搭載装置におけるロータリーマウンタの側面図である。
【
図6】ロータリーマウンタとアンテナシートとの関係を概略的に説明する図である。
【
図7】チップ包含テープが分離ローラによって分離される状態を示す斜視図である。
【
図8】チップ包含テープからノズルユニットにICチップが供給される動作を説明する図である。
【
図9】一実施形態の硬化装置においてアンテナシートの搬送方法を示す図である。
【
図10】一実施形態の硬化装置において硬化処理を実行している状態を示す図である。
【
図11】一実施形態の硬化装置において紫外線硬化ユニットを取り付けた状態を示す図である。
【
図12】一実施形態の硬化装置において、紫外線硬化ユニットと加熱硬化ユニットの構成を示す図である。
【
図13】一実施形態の硬化装置において、押圧ユニットの構成を示す図である。
【
図14】一実施形態の硬化装置の上側ユニット取付部の側面図と底面図である。
【
図15】一実施形態の硬化装置を制御する制御部の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係るICチップ搭載装置およびICチップ搭載方法について、図面を参照して説明する。
実施形態に係るICチップ搭載装置1は、RFIDインレイ等の非接触通信用インレイを製造する際に、薄膜状のアンテナに対してICチップを搭載する装置である。
図1には、所定のアンテナパターンを有する例示的なアンテナANが示されるが、当該アンテナパターンに限定する意図ではない。
図1にはまた、アンテナANにICチップCが搭載される前と搭載された後のE部の拡大図を示している。この例では、アンテナパターンを基準として予め決定されている所定の基準位置PrefにICチップCが搭載される。ICチップCは、例えば縦および横のサイズは数百μmと極めて小さく、この極小サイズのICチップCを正確に基準位置Prefに搭載することが求められる。
【0009】
アンテナANにICチップCを搭載するには、アンテナANの基準位置Prefに向けて接着剤を塗布し、当該接着剤上にICチップCを配置するICチップ配置工程と、接着剤を硬化させてアンテナANとICチップCの接続を強固にする硬化工程とが必要となる。
【0010】
後述するICチップ配置工程には、
図2に示すように、複数のアンテナANが一定のピッチで基材BM上に形成された帯状のアンテナシートAS(アンテナ連続体の一例)を巻回したロール体PRが設置される。ロール体PRから継続的にアンテナシートASが引き出され、ICチップ配置工程のラインに投入される。
基材BMの材料は、特に限定されるものではないが、例えば、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)を素材とした合成樹脂フィルムや、前記の合成樹脂を複数種組み合わせたシート、合成樹脂フィルムと紙とを合わせた複合シートも使用できる。
アンテナANは、例えば、基材BMに金属箔を貼り付ける、又は、基材BMに導電材料を所定のパターンでスクリーン印刷若しくは蒸着すること等により形成される。
【0011】
なお、以下の説明では、
図2に示すように、XYZ座標系を定義する。以下の説明では、各工程に配置された状態の図について言及するときには、YZ平面で見た図を正面図、XY平面で見た図を平面図、XZ平面で見た図を側面図という。
X方向は、ロール体PRから引き出されたアンテナシートASが以下で説明される各工程において搬送される方向であり、適宜、搬送方向D1ともいう。また、Y方向は、アンテナシートASの幅方向であり、適宜、幅方向D2ともいう。Z方向は、アンテナシートASと直交する方向である。
【0012】
(1)ICチップ配置工程
以下、ICチップ配置工程について、
図3~
図8を参照して説明する。
図3は、実施形態のICチップ搭載装置1においてICチップ配置工程に対応する部分を示す図である。
図4は、チップ包含テープCTの平面図とそのA-A断面の拡大図を示す。
ICチップ配置工程では、ICチップ搭載装置1により、アンテナシートAS上の各アンテナANの基準位置Pref(
図1参照)に対して、極めて小さいICチップを精度良く配置することが可能である。
【0013】
図3に示すように、ICチップ配置工程においてICチップ搭載装置1は、コンベア81と、ディスペンサ2と、ロータリーマウンタ3と、紫外線照射器41と、撮像装置CA1~CA3と、テープフィーダ71と、テープ本体巻取りリール72と、フィルム巻取りリール73と、分離ローラ74と、を含む。
【0014】
コンベア81(搬送部の一例)は、ロール体PR(
図2参照)から引き出されるアンテナシートASを、工程の下流に向けて所定の搬送速度で搬送する。コンベア81の上面が搬送面に相当する。
ディスペンサ2は、搬送される各アンテナANの基準位置Prefに向けて定量の異方性導電ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste);以下、単に「導電ペースト」という。)を吐出する。この導電ペーストは、紫外線硬化型の接着剤の一例である。ディスペンサ2は、各アンテナANの基準位置Prefに対して正確に吐出位置を位置決めするために、吐出位置を幅方向に調整可能に構成されている。
【0015】
撮像装置CA1は、ディスペンサ2よりも上流に設けられ、導電ペーストを塗布する位置を決定するために、各アンテナANの基準位置Prefの近傍の部分の画像を撮像する。撮像装置CA2は、ディスペンサ2よりも下流に設けられ、各アンテナANに対する導電ペーストの塗布の有無を検査するとともに、導電ペーストが正確に基準位置Prefを含む領域に塗布されたか否かを検査するために、各アンテナANの基準位置Prefの近傍の部分の画像を撮像する。
【0016】
ロータリーマウンタ3(ICチップ配置部の一例)は、各アンテナANに塗布された導電ペースト上にICチップを配置するチップマウンタであり、
図3の反時計回りに回転する。ロータリーマウンタ3は懸架板86に取り付けられており、懸架板86が支持台85に固定される。つまり、ロータリーマウンタ3は、支持台85に上から懸架された構造となっている。
後述するように、ロータリーマウンタ3は、チップ包含テープからICチップを吸着し、アンテナシートAS上の各アンテナANの基準位置Prefに向けて、吸着したICチップを放出して配置(搭載)する。
【0017】
テープフィーダ71は、ICチップを包含するチップ包含テープが巻回された状態で装填され、
図3の矢印の方向にロータリーマウンタ3と同期した速度で順次、チップ包含テープを引き出すように構成される。
ここで、
図4を参照して、チップ包含テープの一例について説明する。
図4に示すように、チップ包含テープCTは、ICチップCを包含する凹みTdが一定の間隔で形成されたテープ本体Tと、凹みTdを塞ぐようにしてテープ本体Tに貼着されている被覆フィルムCFと、を含む。凹みTdは、例えば、テープ本体Tにエンボス加工を施すことにより形成される。チップ包含テープCTの延伸方向に沿ってICチップCが各凹みTd内に包含されている。チップ包含テープCTの延伸方向には、一定の間隔で取付孔Hが形成されている。この取付孔Hは、分離ローラ74の周面に対する正確な位置決めを行うために設けられており、チップ包含テープCTが分離ローラ74に搬送されるときに、分離ローラ74に設けられる突起74p(後述する)に挿入される。
【0018】
図4に示すように、凹みTdの底面とテープ本体Tの裏面(被覆フィルムCFが接着されている面とは反対側の面)の間には、吸着孔Tsが形成されている。吸着孔Tsは、被覆フィルムCFを剥離したときに凹みTdからICチップCが落下しないように、分離ローラ74によってICチップCを吸着するために設けられている。
【0019】
再度
図3を参照すると、分離ローラ74において、テープフィーダ71から1又は複数の補助ローラを経て供給されるチップ包含テープCTから被覆フィルムCFが剥離され、テープ本体Tと被覆フィルムCFに分離される。被覆フィルムCFが剥離されて露出したICチップCは、ロータリーマウンタ3に設けられる各ノズルに順次吸着される。
分離ローラ74によってチップ包含テープCTがテープ本体Tと被覆フィルムCFに分離された後、テープ本体Tは、1又は複数の補助ローラを経てテープ本体巻取りリール72に巻き取られ、被覆フィルムCFは、1又は複数の補助ローラを経てフィルム巻取りリール73に巻き取られる。
【0020】
次に、
図5~
図6を参照して、ロータリーマウンタ3について説明する。
図5は、実施形態のICチップ搭載装置1におけるロータリーマウンタ3の側面図である。
図6は、ロータリーマウンタ3とアンテナシートASとの関係を概略的に説明する図である。
【0021】
図5に示すように、ロータリーマウンタ3には、ロータリーヘッド3Hから放射状に複数(図示の例では12個)のノズルユニット30-1~30-12が配設される。以下の説明では、ノズルユニット30-1~30-12に対して共通する事項に言及するときには、総称してノズルユニット30と表記する。
ロータリーヘッド3Hについて詳細は図示しないが、
図5の反時計回りにノズルユニット30-1~30-12を回転させる回転駆動モータと、ノズルユニット30にICチップを吸着させるための真空ポンプと、ノズルユニット30からICチップを放出するためのブロワと、に接続されている。
【0022】
図6を参照すると、図示しない回転駆動モータによってロータリーヘッド3Hが反時計回りに回転させられ、それによって各ノズルユニット30のロータリーヘッド3Hの周上における位置が順次切り替わる。つまり、特定のノズルユニット30は、ロータリーヘッド3Hの回転に応じて、搬送面に直交する平面上で環状軌道を動くように、位置PAから反時計回りに位置PLまでのロータリーヘッド3Hの周上の12個の位置PA~PLの各々に順に位置することになる。
【0023】
ここで、位置PAは、ノズルユニット30がチップ包含テープCTから新たにICチップCを吸着する位置である。位置PEは、ノズルユニット30のノズルに吸着された状態のICチップCの画像が撮像装置CA3によって撮像される位置である。
位置PKは、搬送されるアンテナシートAS上のアンテナANに塗布されている導電ペースト上に、吸着したICチップCを放出する位置である。位置PKでは、ノズル先端の移動方向がアンテナシートASの搬送方向D1と一致する。位置PKでは、ICチップCを放出するためにノズルユニット30のノズルから空気を排出する。
位置PLでは、ICチップCを位置PKで放出済みであるため、ノズルユニット30はICチップCを吸着していない。なお、位置PLでは、ノズルに付着しうるゴミを除去するためにノズルから空気を放出してもよい。
図6には、ノズルから放出されうるゴミを収集するために位置PLにゴミ収集トレイTRが配置された例が示される。
【0024】
例えば、
図6において位置PAにあるノズルユニット30-1は、そこでICチップCを新たに吸着し、ICチップCを吸着したまま反時計回りに回転して、位置PKに達するとICチップCを放出し、位置PAに戻ると再度新たなICチップCを吸着することを繰り返し行う。かかるICチップ搭載方法では、アンテナシートASの搬送を止めることなく連続的にICチップを各アンテナANに配置することができ、生産性が高い。
【0025】
順に位置PKに到達するノズルユニット30が、上流から搬送されるアンテナシートASの各アンテナANの基準位置Prefに向けてICチップCを放出するように、ロータリーヘッド3Hの角速度とアンテナシートASの搬送速度が設定され、又は制御される。確実なICチップCの配置のために、位置PKに近傍のノズルユニット30の先端の速度とアンテナシートASの搬送速度とが等速となる区間を設けることが好ましい。
【0026】
なお、本実施形態では、ロータリーヘッド3Hに12個のノズルユニット30が配設されている例が示されるが、その限りではない。ロータリーヘッド3Hに配設されるノズルユニット30の数は任意に設定可能である。
【0027】
次に、
図7および
図8を参照して、ICチップCがノズルユニット30によって吸着される動作について説明する。
図7は、チップ包含テープCTが分離ローラ74によって分離される状態を示す斜視図である。
図8は、分離ローラ74の近傍の側面図であり、チップ包含テープCTからノズルユニット30にICチップCが供給される動作を説明する図である。
図8では、チップ包含テープCTの状態がわかるように、チップ包含テープCTのみ断面で示してある。
【0028】
図7に示すように、テープフィーダ71から供給されるチップ包含テープCTの取付孔Hに分離ローラ74の突起74pが挿入されることで、チップ包含テープCTの幅方向の位置決めが行われた状態でチップ包含テープCTが搬送される。このとき、分岐部材75によってチップ包含テープCTの被覆フィルムCFが剥離されてフィルム巻取りリール73に向かう。他方、チップ包含テープCTのテープ本体Tは、テープ本体巻取りリール72に向かう。
【0029】
図8に示すように、被覆フィルムCFが剥離されて露出したICチップCは、直ちにノズルユニット30によって吸着される。このとき、ICチップCが露出してからノズルユニット30によって吸着されるまでの僅かな時間にICチップCが落下しないように、分離ローラ74には、分離ローラ74の回転中心に向かってICチップCを吸引するための吸引路(図示せず)が設けられる。この吸引路とテープ本体Tに設けられている吸着孔Ts(
図4参照)を通してICチップCが吸引される。
【0030】
(2)硬化工程
次に、硬化工程について、
図9~
図15を参照して説明する。
硬化工程では、上述したICチップ配置工程を経た各アンテナに塗布されている導電ペーストを硬化させて、アンテナとICチップの物理的な接続を強固にするとともに、アンテナとICチップの電気的な導通を確実にする。
【0031】
一実施形態の硬化工程を
図9及び
図10に示す。各図には、一実施形態の硬化工程で使用される硬化装置4が示される。硬化装置4は、アンテナシートAS上の複数のアンテナANに塗布されている導電ペーストを同時に硬化可能に構成されている。
図9及び
図10では、8個のアンテナAN上の導電ペーストを同時に硬化するように構成されているが、その限りではない。導電ペーストを同時に硬化可能なアンテナANの数は任意に設定できる。
【0032】
硬化装置4は、複数のアンテナANに塗布されている導電ペーストを同時に硬化させるための複数の硬化ユニットを設置可能に構成されている。硬化装置4に設置される複数の硬化ユニットは、複数の紫外線硬化ユニット43(光硬化ユニットの一例)又は複数の加熱硬化ユニット45のいずれかであり、両者を交換可能に硬化装置4は構成される。
図9及び
図10では、硬化装置4に複数の紫外線硬化ユニット43と各紫外線硬化ユニット43に対応する複数の押圧ユニット46が設置されている例が示される。
【0033】
図9を参照すると、硬化装置4は、複数の紫外線硬化ユニット43を取り付けるための上側ユニット取付部41U(ユニット取付部の一例)と、昇降部42Uと、複数の押圧ユニット46を取り付けるための下側ユニット取付部41Lと、昇降部42Lと、を備える。昇降部42Uは、図示しないアクチュエータにより上側ユニット取付部41Uを昇降させる。昇降部42Lは、図示しないアクチュエータにより下側ユニット取付部41Lを昇降させる。
ICチップ配置工程から搬送されてくるアンテナシートASは、搬送ローラ96~98を介して硬化工程に送られる。
【0034】
一実施形態の硬化工程では、アンテナシートASを搬送させる搬送状態と、アンテナシートASを停止させて導電ペーストの硬化を行う停止状態と、が繰り返し行われる。
図9は搬送状態のときの硬化装置4を示しており、
図10は停止状態のときの硬化装置4を示している。
図9に示すように搬送状態のときには、各硬化ユニットがアンテナシートASの搬送を妨げないように、上側ユニット取付部41Uを上昇させ、かつ下側ユニット取付部41Lを下降させることで、各硬化ユニットを退避させる。
図10に示すように停止状態のときには、上側ユニット取付部41Uを下降させ、かつ下側ユニット取付部41Lを上昇させることで、各硬化ユニットをアンテナシートASの表側及び裏側から押圧し、硬化処理(紫外線硬化又は加熱硬化)が行われる。
【0035】
停止状態(つまり、硬化装置4による硬化が行われている状態)のときにおいてもICチップ配置工程からアンテナシートASが搬送されてくるため、硬化処理が行われている間は搬送ローラ97が自重で降下し、搬送されてきたアンテナシートASを搬送ローラ96と搬送ローラ98の間で吸収する。硬化処理が終了すると、アンテナシートASを下流に急速に搬送させ、未硬化のアンテナANが各硬化ユニットの直下に位置するようにしてアンテナシートASを停止させる。つまり、アンテナシートASを急速に搬送する際、搬送ローラ97は、アンテナシートASに加わった張力により上昇する。
【0036】
図11に、一実施形態の上側ユニット取付部41Uを示す。
図11に示す例では、複数の紫外線硬化ユニット43が上側ユニット取付部41Uに取り付けられている例が示されている。
上側ユニット取付部41Uは、同時に取り付けることが可能な紫外線硬化ユニット43の数に相当する数のコネクタ411及び継ぎ手412が設けられている。各コネクタ411を通して対応する紫外線硬化ユニット43に電源が供給される。各継ぎ手412を通して対応する紫外線硬化ユニット43に対してエアが供給される。紫外線硬化ユニット43には、各コネクタ411に対応するコネクタと各継ぎ手412に対応する継ぎ手が設けており、それぞれコネクタ411と継ぎ手412にワンタッチで嵌合させることが可能である。なお、コネクタ及び継ぎ手は、ユニット側及びユニット取付部のいずれが雌型でも雄型でもよい。
後述するように、紫外線硬化ユニット43には磁石が設けられており、上側ユニット取付部41Uに対して磁力によりワンタッチで取り付け可能である。
【0037】
図12に、紫外線硬化ユニット43と加熱硬化ユニット45の構成例を示す。
図12に示すように、紫外線硬化ユニット43は、エアばね収容部431、回路基板432、紫外線照射部433、ガラス板434、ケーブル435、エア配管436、及び、被取付部437を有する。
【0038】
エアばね収容部431は、エア配管436と連通している。エアばね収容部431により、紫外線硬化ユニット43をアンテナANに押圧させるときのエアによる加圧力が提供される。エア配管436の先端には継ぎ手436Fが取り付けられている。継ぎ手436Fは、上側ユニット取付部41Uの継ぎ手412(
図11参照)と嵌合可能である。
回路基板432は、ケーブル435によって供給される電源によって動作し、赤外線通信部を有する。赤外線通信部が外部の制御装置と非接触で通信を行うことで、紫外線照射部433による紫外線の照射時間の設定、紫外線照射部433の動作状態のモニタ等が可能となる。回路基板432は、ケーブル435に接続されている。ケーブル435の先端にはコネクタ435Cが取り付けられている。コネクタ435Cは、上側ユニット取付部41Uのコネクタ411(
図11参照)と嵌合可能である。
【0039】
紫外線照射部433は、アンテナAN上の導電ペーストに紫外線を照射するための光源(例えばLED光源)を内蔵する。紫外線照射部433内の光源は、回路基板432から給電される。紫外線照射部433は、光源によって照射される紫外線を集光する集光レンズを設けてもよい。
ガラス板434は、紫外線照射部433から照射される紫外線を透過させるとともに、紫外線硬化ユニット43の下降に伴ってアンテナAN上のICチップCを押圧する押圧面を有する。
被取付部437は、上側ユニット取付部41Uに取り付けられる部分である。一実施形態では、被取付部437は磁石437Mを内蔵しており、磁力により上側ユニット取付部41Uに取り付けられる。
【0040】
紫外線硬化ユニット43は、導電ペースト上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で、紫外線照射部433からの紫外線をアンテナAN上の導電ペーストに照射することで導電ペーストを硬化させ、アンテナとICチップの接続を強固にする。
【0041】
図12に示すように、加熱硬化ユニット45は、エアばね収容部451、回路基板452、加熱部453、ケーブル435、エア配管456、及び、被取付部457を有する。
【0042】
エアばね収容部451は、エア配管456と連通している。エアばね収容部451により、加熱硬化ユニット45をアンテナANに押圧させるときのエアによる加圧力が提供される。エア配管456の先端には継ぎ手456Fが取り付けられている。継ぎ手456Fは、紫外線硬化ユニット43の継ぎ手436Fと同じであり、上側ユニット取付部41Uの継ぎ手412(
図11参照)と嵌合可能である。
回路基板452は、ケーブル455によって供給される電源によって動作し、赤外線通信部を有する。赤外線通信部が外部の制御装置と非接触で通信を行うことで、加熱部453での温度の設定、加熱部453の動作状態のモニタ等が可能となる。回路基板452は、ケーブル455に接続されている。ケーブル455の先端にはコネクタ455Cが取り付けられている。コネクタ455Cは、紫外線硬化ユニット43のコネクタ435Cと同じであり、上側ユニット取付部41Uのコネクタ411(
図11参照)と嵌合可能である。
【0043】
加熱部453は、アンテナAN上の導電ペーストを加熱するためのヒータを内蔵する。加熱部453内のヒータは、回路基板432から給電される。加熱部453は、加熱硬化ユニット45の下降に伴ってアンテナANを押圧する。
被取付部457は、上側ユニット取付部41Uに取り付けられる部分であり、紫外線硬化ユニット43の被取付部437と同じである。一実施形態では、被取付部457は磁石457Mを内蔵しており、磁力により上側ユニット取付部41Uに取り付けられる。
【0044】
加熱硬化ユニット45は、導電ペースト上に配置されたICチップをアンテナ側に押圧した状態で、加熱部453によりアンテナAN上の導電ペーストを加熱することで導電ペーストを硬化させ、アンテナとICチップの接続を強固にする。
【0045】
上述したように、紫外線硬化ユニット43のコネクタ435Cと加熱硬化ユニット45のコネクタ455Cは同一である。各コネクタは、基本的に同一電源の電源端子とグランド端子が含まれていればよく、紫外線硬化ユニット43と加熱硬化ユニット45の間でコネクタに関する電気的仕様は同じである。紫外線硬化ユニット43と継ぎ手436Fと加熱硬化ユニット45の継ぎ手456Fは同一である。紫外線硬化ユニット43と加熱硬化ユニット45はいずれも上側ユニット取付部41Uから供給されるエアの流量やエア圧を共通化することができる。
紫外線硬化ユニット43の被取付部437と加熱硬化ユニット45の被取付部457は同一の形態をなしている。
すなわち、紫外線硬化ユニット43と加熱硬化ユニット45は、上側ユニット取付部41Uに対して電気的及び機械的に互換性のあるユニットとなっている。
【0046】
下側ユニット取付部41Lに取り付けられる押圧ユニット46は、紫外線硬化ユニット43又は加熱硬化ユニット45が上側ユニット取付部41Uに取り付けられたときに、アンテナシートASを硬化ユニットとともに挟み、アンテナANに配置されたICチップCを押圧する。
図13に、押圧ユニット46の構成例を示す。
図13に示すように、押圧ユニット46は、本体部461、回路基板462、加熱部463、ケーブル465、及び、被取付部467を有する。
【0047】
本体部461は、上側で加熱部463を支持し、下側で被取付部467を支持するとともに、回路基板462を内蔵する。
回路基板462は、ケーブル465によって供給される電源によって動作し、赤外線通信部を有する。赤外線通信部が外部の制御装置と非接触で通信を行うことで、加熱部463での温度の設定、加熱部463の動作状態のモニタ等が可能となる。回路基板462は、ケーブル465に接続されている。ケーブル465の先端にはコネクタ465Cが取り付けられている。コネクタ465Cは、下側ユニット取付部41Lの図示しないコネクタと嵌合可能である。
加熱部463は、押圧面463pを有し、上側ユニット取付部41Uに加熱硬化ユニット45が取り付けられたときに、アンテナAN上の導電ペーストを下側から押圧しながら加熱するためのヒータを内蔵する。加熱部463内のヒータは、回路基板462から給電される。上側ユニット取付部41Uに紫外線硬化ユニット43が取り付けられたときには、押圧面463pによりアンテナAN上の導電ペーストを下側から押圧するが、加熱は行わない。
被取付部467は、下側ユニット取付部41Lに取り付けられる部分である。上側ユニット取付部41Uに紫外線硬化ユニット43及び加熱硬化ユニット45のいずれを取り付ける場合でも押圧ユニット46を取り替える必要はない。被取付部467の下側ユニット取付部41Lに対する取り付け方法は問わないが、紫外線硬化ユニット43及び加熱硬化ユニット45と同様に磁力を利用してもよいし、ねじによる締結であってもよい。
【0048】
上側ユニット取付部41Uに各硬化ユニットを取り付ける部分の構造について
図14を参照して説明する。
図14は、上側ユニット取付部41Uの側面図と底面図を示している。
図14に示すように、上側ユニット取付部41Uの底部の露出した部分には、開口形成板413が着脱可能に取り付けられている。例えば、開口形成板413はねじにより、上側ユニット取付部41Uの本体に締結されている。
開口形成板413には、複数の開口413hを有する。開口413hは、アンテナシートASの搬送方向に沿って所定間隔で形成されており、複数の硬化ユニットの各々の被取付部437,457を受け入れる。開口の大きさは、被取付部437,457よりも僅かに大きいだけであり、被取付部437,457が上側ユニット取付部41Uに取り付けられたときに各硬化ユニットを位置決めすることができる。
【0049】
開口形成板413において隣接する開口413hの間隔は、アンテナシートAS上に配置される隣接するICチップCの間隔に合せて設定されている。そのため、ICチップ搭載装置1に搬送する様々なアンテナシート(隣接するICチップの間隔が異なるシート)に適合するように、開口のピッチが異なる複数の開口形成板を用意しておき、搬送するアンテナシートに応じた開口形成板を硬化装置4に着脱できるように構成するとよい。上側ユニット取付部41Uの本体に対する開口形成板413の着脱方法は問わないが、例えばねじによる締結である。
【0050】
上側ユニット取付部41Uの内部では、開口形成板413よりも上方に、各硬化ユニットの被取付部437,457を位置決めしつつ保持する保持部414が設けられている。
図14に示すように、下から見ると、保持部414の保持面414Pが開口形成板413の開口413hから露出している。一実施形態では、保持面414Pは、強磁性を有する材料で形成されており、各硬化ユニットの被取付部が開口413hに挿入されると、被取付部に設けられた磁石と間で生ずる磁力により、紫外線硬化ユニット43又は加熱硬化ユニット45のいずれかを保持する。
【0051】
次に、
図15を参照して、硬化装置4を制御する制御部200によって行われる制御について説明する。
図15は、制御部200の機能ブロック図である。
制御部200は、硬化装置4に備わる回路基板(図示せず)に実装されており、シート搬送用モータM41、昇降用アクチュエータ47、エアアクチュエータ48、紫外線硬化ユニット43、加熱硬化ユニット45、及び、押圧ユニット46と電気的に接続されている。
制御部200は、マイクロコンピュータ、メモリ(RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory))、ストレージ、駆動回路群を含む。マイクロコンピュータは、メモリに記録されているプログラムを読み出して実行し、シート搬送手段201、昇降制御手段202、空気圧制御手段203、および、硬化制御手段204の各機能を実現する。
【0052】
シート搬送手段201は、シート搬送用モータM41の駆動回路に制御信号を送出することで、ICチップ配置工程から送られるアンテナシートASを後工程に搬送するか、あるいはアンテナシートASを停止させるか制御する。
昇降制御手段202は、昇降部42U,42Lを制御し、それによって上側ユニット取付部41U及び上側ユニット取付部41Uを上昇又は降下させる。
シート搬送手段201及び昇降制御手段202は、アンテナシートASを搬送させる搬送状態と、アンテナシートASを停止させて導電ペーストの硬化を行う停止状態と、が繰り返し行われるように、タイミング制御されている。
【0053】
空気圧制御手段203は、上側ユニット取付部41Uに取り付けられた硬化ユニットに対して、予め設定された空気圧のエアを図示しない空気タンクから供給するように、エアアクチュエータ48及び制御弁(図示せず)を制御する。
硬化制御手段204は、紫外線硬化ユニット43の回路基板432、加熱硬化ユニット45の回路基板452、及び、押圧ユニット46の回路基板462と赤外線通信を行い、紫外線の照射時間や加熱時の温度等のパラメータの設定を行う。また、硬化制御手段204は、各硬化ユニット及び各押圧ユニットから動作状態を示すデータを取得し、図示しないディスプレイに表示させることも行う。
【0054】
以上説明したようにして、複数のアンテナが一定のピッチで基材上に形成された帯状のアンテナシートがラインに投入され、ICチップ配置工程と硬化工程を経て、各アンテナ上にICチップが搭載される。本実施形態のICチップ搭載装置は、ICチップ配置工程においてアンテナの基準位置に向けて接着剤(導電ペースト)を塗布するとともに当該接着剤上にICチップを配置し、硬化工程において接着剤を硬化させてアンテナとICチップの接続を強固にする。
特に上述した硬化工程では、紫外線硬化ユニットと加熱硬化ユニットで電気的仕様と取付及びエア供給に関する機械的仕様を共通化したため、加熱硬化と光硬化の切り替えが容易で、加熱硬化と光硬化を兼用可能とすることができる。
【0055】
一実施形態のICチップ搭載方法は、以下の各ステップを含む。
(a)基材BM上にインレイ用の複数のアンテナANが連続的に形成されているアンテナシートASを搬送するステップ
(b)アンテナシートASの各アンテナANの所定の基準位置に設けられた導電ペースト上にICチップCを配置するステップ
(c)導電ペースト上に配置されたICチップCをアンテナAN側に押圧した状態で紫外線を照射する紫外線硬化ユニット43、又は、導電ペースト上に配置されたICチップCをアンテナAN側に押圧した状態で加熱する加熱硬化ユニット45のいずれかを選択的に上側ユニット取付部41Uに取り付けて、導電ペーストを硬化させるステップ
【0056】
以上、ICチップ搭載装置、ICチップ搭載方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
【0057】
例えば、上述した実施形態では、磁力を利用して各硬化ユニットをユニット取付部に取り付ける場合について説明したが、取付方法はその限りではない。各硬化ユニットの被取付部にねじ切り加工を行い、ユニット取付部の保持部にねじ切り加工を行うことで、両者を締結させてもよい。
上述した実施形態では、紫外線により接着剤を硬化する場合に言及したが、その限りではなく、紫外線以外の光、例えば可視光によって硬化する接着剤を利用してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…ICチップ搭載装置、2…ディスペンサ、3…ロータリーマウンタ、3H…ロータリーヘッド、4…硬化装置、30…ノズルユニット、41U…上側ユニット取付部、411…コネクタ、412…継ぎ手、413…開口形成板、413h…開口、414…保持部、414P…保持面、41L…下側ユニット取付部、42U,42L…昇降部、43…紫外線硬化ユニット、431…エアばね収容部、432…回路基板、433…紫外線照射部、434…ガラス板、435…ケーブル、435C…コネクタ、436…エア配管、436F…継ぎ手、437…被取付部、437M…磁石、45…加熱硬化ユニット、451…エアばね収容部、452…回路基板、453…加熱部、455…ケーブル、455C…コネクタ、456…エア配管、456F…継ぎ手、457…被取付部、457M…磁石、46…押圧ユニット、461…本体部、462…回路基板、463…加熱部、463p…押圧面、465…ケーブル、465C…コネクタ、467…被取付部、71…テープフィーダ、72…テープ本体巻取りリール、73…フィルム巻取りリール、74…分離ローラ、74p…突起、75…分岐部材、81…コンベア、85…支持台、86…懸架板、96~98…搬送ローラ、200…制御部、AN…アンテナ、AS…アンテナシート、BM…基材、C…ICチップ、CA1~CA3…撮像装置、CF…被覆フィルム、CT…チップ包含テープ、H…取付孔、PR…ロール体、T…テープ本体、TR…ゴミ収集トレイ、Td…凹み、Ts…吸着孔