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  • 特開-車両の開扉規制装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149610
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】車両の開扉規制装置
(51)【国際特許分類】
   E05C 17/22 20060101AFI20231005BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E05C17/22 A
B60J5/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058267
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】393020122
【氏名又は名称】トーシンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】佐橋 万由
(57)【要約】
【課題】車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間は負荷をかけてゆっくりと開扉でき、閉鎖時は通常通り抵抗なく閉扉できる様にすると共に、必要に応じて前記負荷を解除し、通常通りの操作力で以て開扉できる様にした車両の開扉規制装置を提供する。
【解決手段】車体のピラーPにヒンジ連結され、先端がピラーPに枢着されたドアチェックリンクLのドアチェックステーL1を前端部D1に水平進退自在に挿通支持した車両扉Dにおいて、前記ドアチェックステーL1の基端に適宜伝動手段3を介して往復揺動自在に連繋した円弧歯車4と、該円弧歯車4に車両扉Dの適宜開放位置から全開するまでの間に噛合すると共に、開扉方向に対応する回転方向にのみ制動力が付与されるロータリーダンパー5付きピニオン6とからなる負荷手段1を設け、該負荷手段1におけるロータリーダンパー5付きピニオン6は円弧歯車4に着脱自在に設ける。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間に開扉に対する負荷を自在に付与し、該負荷は車両扉の閉鎖に対しては付与されないことを特徴とする車両の開扉規制装置。
【請求項2】
車体のピラーにヒンジ連結され、先端がピラーに枢着されたドアチェックリンクのドアチェックステーを前端部に水平進退自在に挿通支持した車両扉において、前記ドアチェックステーの基端に適宜伝動手段を介して往復揺動自在に連繋した円弧歯車と、該円弧歯車に車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間に噛合すると共に、開扉方向に対応する回転方向にのみ制動力が付与されるロータリーダンパー付きピニオンとからなる負荷手段を設け、該負荷手段におけるロータリーダンパー付きピニオンは円弧歯車に着脱自在に設けたことを特徴とする車両の開扉規制装置。
【請求項3】
円弧歯車は、その円周方向に位置調節自在に設け、上記ピニオンとの噛合初期位置を変更可能と成したことを特徴とする請求項2記載の車両の開扉規制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車のドア(以下、車両扉と称する。)が急激に開いてしまうことを防ぐ開扉規制機能を必要に応じて解除可能と成した車両の開扉規制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両扉には通常数段階で所定開度を保持させるためにドアチェックリンク(例えば、特許文献1参照)が既設されている。
【0003】
このドアチェックリンクは、車体のピラーにヒンジ連結された車両扉の前端部内側面と、該内側面に取付けられたドアチェックに水平進退自在に挿通支持されたドアチェックステーの先端部をピラーに枢着し、ドアチェックステーの基端部には車両扉の全開時にドアチェックステーの挿通口が形成されたドアチェック機構部の収容ケース端面に当接されるストッパーを設けている。
【0004】
ドアチェックステーは、その長手方向の複数箇所に上下一対の凹部を設け、上記収容ケース内にはドアチェックステーの上下の夫々に該ドアチェックステーを弾性的に圧接する上下一対のシューが付勢収容され、該シューが車両扉の開閉に応じケース内を進退するドアチェックステーの上下面を摩擦摺接して凹部に係合することにより、車両扉の適宜開放位置を保持する様に成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-177410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ドアチェックリンクによる車両扉の開扉保持力は弱いため、勢いよく開扉したり、ドアチェックで所定開度が保持されている車両扉に乗降者が凭れかかることで開扉保持状態の均衡が崩れたり、開扉中に突然吹き起る強風を受けたりしたときには、所望の開度を超えて車両扉が急激に開放されるため、当該車両にすれ違う通行人や駐車場内の隣接車などに勢いよく接触する危険を招来している。
【0007】
そこで、本発明では、車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間は負荷をかけてゆっくりと開扉でき、閉鎖時は通常通り抵抗なく閉扉できる様にすると共に、必要に応じて前記負荷を解除し、通常通りの操作力で以て開扉できる様にした車両の開扉規制装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明に係る車両の開扉規制装置は、車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間に開扉に対する負荷を自在に付与し、該負荷は車両扉の閉鎖に対しては付与されないことを特徴とする。
具体的には、車体のピラーにヒンジ連結され、先端がピラーに枢着されたドアチェックリンクのドアチェックステーを前端部に水平進退自在に挿通支持した車両扉において、前記ドアチェックステーの基端に適宜伝動手段を介して往復揺動自在に連繋した円弧歯車と、該円弧歯車に車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間に噛合すると共に、開扉方向に対応する回転方向にのみ制動力が付与されるロータリーダンパー付きピニオンとからなる負荷手段を設け、該負荷手段におけるロータリーダンパー付きピニオンは円弧歯車に着脱自在に設けたことを特徴とする。
また、円弧歯車は、その円周方向に位置調節自在に設け、上記ピニオンとの噛合初期位置を変更可能と成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
要するに本発明は、車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間に開扉に対する負荷を自在に付与したので、開扉に対する負荷の付与を必要に応じて解除もでき、通常は前記負荷により車両扉はその開扉の途中から全開するまでの間は通常より重く感じてゆっくりとしか開かないため、開扉時に車両扉が勢いよく開くことがなく、車両扉の急激な開放による従来の上記危険を解消でき、安全であり、また前記負荷は車両扉の閉鎖に対しては付与されないので、車両扉は通常と変わらずスムーズに閉鎖できる。
さらに、開扉時に車両扉に抵抗をかけて開放する必要のない場合には、開扉に対する負荷の付与を解除し、通常通りの操作力で以て開扉でき、車両扉が急激に開いてしまうことを防ぐ上記開扉規制機能を必要に応じて臨機応変に使い分けでき便利である。
【0010】
車体のピラーにヒンジ連結され、先端がピラーに枢着されたドアチェックリンクのドアチェックステーを前端部に水平進退自在に挿通支持した車両扉において、前記ドアチェックステーの基端に適宜伝動手段を介して往復揺動自在に連繋した円弧歯車と、該円弧歯車に車両扉の適宜開放位置から全開するまでの間に噛合すると共に、開扉方向に対応する回転方向にのみ制動力が付与されるロータリーダンパー付きピニオンとからなる負荷手段を設けたので、車両扉の開放に応じ進出するドアチェックステーによって揺動する円弧歯車がピニオンに噛合すると、ロータリーダンパーによりピニオン、円弧歯車、伝動手段及びドアチェックステーを介して車両扉の開扉動作に対し制動力(負荷)が付与されることになり、車両扉はその開扉の途中から全開するまでの間は通常より重く感じてゆっくりとしか開かない。
よって開扉時に車両扉が勢いよく開くことがなく、車両扉の急激な開放による従来の危険を解消でき、安全である。
また、開放された車両扉の閉鎖にあっては、円弧歯車にピニオンが噛合していても、ロータリーダンパーによる制動力(負荷)が付与されないので、車両扉は通常と変わらずスムーズに閉鎖できる。
そして、負荷手段におけるロータリーダンパー付きピニオンは円弧歯車に着脱自在に設けたので、車両扉の開扉に対する負荷を自在に付与でき、開扉時に車両扉に抵抗をかけて開放する必要のない場合には、開扉に対する負荷の付与を解除し、通常通りの操作力で以て開扉でき、車両扉が急激に開いてしまうことを防ぐ上記開扉規制機能を必要に応じて臨機応変に使い分けでき便利である。
【0011】
円弧歯車は、その円周方向に位置調節自在に設け、上記ピニオンとの噛合初期位置を変更可能と成したので、車両扉の負荷が付与される開放位置を希望に応じ調整できる等実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】開扉規制装置を備えた閉鎖時の車両扉内側の一部破断正面図である。
図2】同上要部拡大正面図である。
図3図2の背面図である。
図4】車両扉の開扉に対する負荷付与開始時の開扉規制装置の正面図である。
図5】車両扉の全開時の開扉規制装置の正面図である。
図6図5の背面図である。
図7】円弧歯車よりピニオンを揺動離脱した状態の図5の背面図である。
図8】ドアチェックステーに組み付ける継手ストッパーの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る開扉規制装置は、図示しない車体のピラーPにヒンジ(図示せず)を介して開閉自在と成した車両扉Dの内部に設けられ、車両扉Dの適宜開放位置から全開するまでの間に開扉に対する負荷(抵抗力)を自在に付与(必要に応じ前記負荷を付与したり、その付与を解除する)し、該負荷は車両扉Dの閉鎖に対しては付与されない様に設定している。
【0014】
この開扉規制装置は、ピラーPにヒンジ連結され、先端がピラーPに枢着されたドアチェックリンクLのドアチェックステーL1を、前端部D1に水平進退自在に挿通支持した車両扉Dにおいて、該車両扉Dの適宜開放位置から全開するまでの間に対応したドアチェックステーL1の進出動作に対してのみ負荷を付与し、該負荷は車両扉Dの閉鎖に対応したドアチェックステーL1の後退動作には付与されない負荷手段1を設けている。
【0015】
負荷手段1は車両扉Dの前端部D1内側面に表裏面2a、2bが鉛直方向に沿う様に突設した所定形状の基板2に取付けられ、ドアチェックステーL1の基端に適宜伝動手段3を介して基板2の表面2a上で前後に往復揺動自在に連繋した円弧歯車4と、該円弧歯車4に車両扉Dの適宜開放位置から全開するまでの間に噛合すると共に、開扉方向に対応する回転方向にのみ制動力(負荷)が付与されるロータリーダンパー5付きピニオン6とから構成している。
【0016】
ドアチェックリンクLは、基端に抜止めブロックL2を設けると共に、長手方向の複数箇所に上下一対の凹部を設けたドアチェクステーL1と、ドアチェクステーL1の上下面を摩擦摺接する様に挿通支持するドアチェック機構部(図示せず)を収容してドアチェクステーL1を挿通した車両扉Dの前端部D1内側面に固定されるケースL3とから成り、該ケースL3の前端面と車両扉Dの前端部D1との間には、表面2a側へ直角に突設してドアチェクステーL1を挿通する様に成した基板2の前端面2cを介装し、これにより基板2の固定状態を保持している。
【0017】
伝動手段3は、ドアチェクステーL1基端の抜止めブロックL2を抱持すると共に、車両扉Dの全開時にドアチェックステーL1の挿通口(図示せず)が形成されたケースL3の後端面L4に当接される継手ストッパー7と、自在継手8と、円弧歯車4を備えた揺動レバー9とから成る。
【0018】
図8に示す様に、継手ストッパー7は、上下が開口された方形筒型の枠体7から成り、該枠体7は、ドアチェックステーL1基端を挿通して抜止めブロックL2を係合支持する前方枠部10と、該前方枠部10に抜止めブロックL2を押さえ止めると共に、自在継手8との連結用の舌片11aを後方突設した後方枠部11とから成る。
【0019】
前方枠部10は、後端面L4に当接可能な方形板状の前面部10aと、該前面部10aの左右端に後方突設した左右側面部10b、10cを設け、左側面部10bは右側面部10cより若干長く形成されると共に、その後端側には上下に細長い穿孔10dを設け、右側面部10cはその後端中間部から前面部10aの左側方にわたってドアチェックステーL1基端を挿通可能な鉤溝10eを穿設すると共に、右側面部11cの上下にはねじ孔10fを設け、鉤溝10eにドアチェックステーL1基端を通して抜止めブロックL2を前面部10aの内側面に係合支持する。
【0020】
後方枠部11は、穿孔10dに挿入可能な帯板片11bを左側に設けると共に、該帯板片11bより上下に幅広で前面部10aに対向配置可能な方形板状の後面部11cと、帯板片11bを穿孔10dに挿入して後面部11cを抜止めブロックL2を係合支持する前面部10aに対向配置したときに、右側面部10cの外側面に鉤溝10eを閉塞する様に当接すると共に、ねじ孔10fに連通するねじ挿通孔11dを穿設して成る方形板状の右側被覆部11eを設け、ねじ挿通孔11dを通してねじ孔10fにビス12を螺着することにより、抜止めブロックL2を抱持した継手ストッパー7を構成し、後面部11cの外側面中央に舌片11aを突出している。
【0021】
自在継手8は、所定長さの軸棒13の先端に上下に分離形成した二股クレビス13aで継手ストッパー7の舌片11aを介装して止め輪14にて抜止めされるピン15で枢支し、軸棒13の基端に設けた球形ジャーナル13bを揺動レバー9の上端部9aに設けたジャーナル受け9bでユニバーサルに連結し、車両扉Dの開閉に応じてドアチェックステーL1の進退動作を揺動レバー9に伝動する。
【0022】
揺動レバー9は、円弧歯車4と同心と成して基板表面2a下部に枢着した扇板状の下端部9cと、該下端部9cの後側縁に沿って上方へ帯板状に延設した上端部9aとから成り、下端部9c表面の適宜同心円上の2箇所には円弧歯車4の固定ねじ16を螺着している。
【0023】
円弧歯車4は、その円周方向両端に固定ねじ16挿通用の円弧孔4aを設け、固定ねじ16を緩めて円弧孔4aに沿って円弧歯車4をその円周方向に位置調節自在に設け、ピニオン6との噛合初期位置を変更可能と成し、車両扉Dの負荷が付与される開放位置を希望に応じ調整できる。
【0024】
ロータリーダンパー5付きピニオン6は、一方向の回転(図2において左回り)のみに制動力が発生するロータリー式のワンウェイダンパー5の回転軸5aにピニオン6の中心が固定されている。
【0025】
そして、基板2の前方適所に穿設した略方形状の軸孔2dに回転軸5aを挿通してピニオン6を基板表面2aの前方で円弧歯車4に隣接配置すると共に、基板裏面2bにロータリーダンパー5を配置している。
【0026】
ロータリーダンパー5は、その一直径方向に突設した一方(図2において下方)の突片を基板裏面2bの下部に枢軸17を以て枢着し、該枢軸17を中心とする基板2の適宜円周上に穿設した円弧孔2eに他方(図2において上方)の突片より基板裏面2bへ指向突設した支軸18を移動自在に装着し、ピニオン6を円弧歯車4と噛合可能な後方位置と、噛合しない前方位置との間を揺動自在と成すことにより、ピニオン6を円弧歯車4に着脱自在に設けている。
【0027】
ピニオン6の円弧歯車4に対する着脱(噛合又は離脱)状態の保持は、本体を基板裏面2bの後方中央適所に倒伏固定して前後に直線往復動するロッド19aの先端を支軸18に枢着したアクチュエーター19により成し得る。
【0028】
アクチュエーター19は、ロッド19aを後方に後退させることにより、支軸18を円弧孔2eの後方(図6において右側)に位置させ、ピニオン6を円弧歯車4と噛合可能な後方位置に保持し、ロッド19aを前方に進出させることにより、支軸18を円弧孔2eの前方(図7において左側)に位置させ、ピニオン6を円弧歯車4と未噛合な前方位置に保持する様に成し、アクチュエーター19のロッド19aの前記動作は、図示しないリモ-トコントローラーで操作される。
【0029】
そして、アクチュエーター19により、ピニオン6を円弧歯車4と噛合可能な後方位置に保持した開扉規制可能状態における車両扉Dの閉鎖状態では、円弧歯車4はピニオン6に未噛合で、車両扉Dの所定開度からドアチェックステーL1及び伝動手段3を介して前方揺動する円弧歯車4がピニオン6に噛合する様に設定されている。
【0030】
なお、基板2の上方には、車両扉Dの開閉に応じて進退動作するドアチェックステーL1と伝動手段3が基板表面2aに触突して、その動作の妨げにならない様にドアチェックステーL1と伝動手段3に沿って上下に幅広で前後に長い長穴2fを設けている。
【0031】
上記の様に構成された開扉規制装置にあっては、リモートコントローラーにてアクチュエーター19を遠隔操作することにより、ロッド19aを後退させてピニオン6を円弧歯車4と噛合可能な後方位置に保持した開扉規制可能状態と成す。
【0032】
かかる状態における車両扉Dの閉鎖状態では、ドアチェックステーL1は車両扉D内に後退して継手ストッパー7はケースL3の後方に離間配置しており、自在継手8を介して揺動レバー9は後傾し、円弧歯車4はピニオン6に噛合していない(図1~3参照)。
【0033】
そして、車両扉Dを開放すると、ドアチェックステーL1は進出して車両扉Dの前端部D1より突出し、揺動レバー9は前方へ揺動し、車両扉Dが所定開度に達すると、円弧歯車4はロータリーダンパー5により制動力が付与されたピニオン6と噛合する(図4参照)。
【0034】
これにより、ドアチェックステーL1が車両扉Dの前端部D1より最も長く突出し、ケースL3の後端面L4に継手ストッパー7の前面部10aが触突し、自在継手8を介して揺動レバー9が前傾する車両扉Dの全開までの間は、車両扉Dに負荷が付与され、車両扉Dは通常より重く感じてゆっくりとしか開かない(図5、6参照)。
【0035】
よって、開扉時に車両扉Dが勢いよく開くことがなく、車両扉Dの急激な開放による危険を解消でき、安全である。
【0036】
また、車両扉Dの閉鎖では、上記と逆の手順でドアチェックステーL1は後退し、継手ストッパー7は、ケースL3より離間後退し、自在継手8を介して揺動レバー9は後方へ揺動し、円弧歯車4に噛合しているピニオン6は図4において右回りに回転するため、ピニオン6を介して円弧歯車4、揺動レバー9、自在継手8、及びドアチェックステーL1にはロータリーダンパー5による制動力が付与されないため、車両扉Dは負荷なく通常と変わらずスムーズに閉鎖できる。
【0037】
また、開扉時に車両扉に抵抗をかけて開放する必要のない場合には、リモートコントローラーにてアクチュエーター19を遠隔操作することにより、ロッド19aを前方へ進出させてピニオン6を円弧歯車4と噛合することのない前方位置に保持させ、開扉に対する負荷の付与を解除し、通常通りの操作力で以て開扉することができる(図7参照)。
【符号の説明】
【0038】
1 負荷手段
3 伝動手段
4 円弧歯車
5 ロータリーダンパー
6 ピニオン
D 車両扉
D1 前端部
L ドアチェックリンク
L1 のドアチェックステー
P ピラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8