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特開2023-149618生成方法、生成システム、並びに制御プログラム、及びゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149618
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】生成方法、生成システム、並びに制御プログラム、及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/44 20140101AFI20231005BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231005BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F13/44
A63F13/814
A63F13/53
A63F13/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058275
(22)【出願日】2022-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.ウェブサイトでの公開 ウェブサイトの掲載日 令和3年11月10日 ウェブサイトのアドレス https://www.konami.com/amusement/topics/20455/ 2.試験の実施による公開 試験日 令和3年11月13日、14日 試験場所 ラウンドワンスタジアム千日前店 3.ウェブサイトでの公開 ウェブサイトの掲載日 令和4年2月24日 ウェブサイトのアドレス https://p.eagate.573.jp/game/around/1st/top/index.html 4.ウェブサイトでの公開 ウェブサイトの掲載日 令和4年2月24日 ウェブサイトのアドレス https://www.youtube.com/watch?v=iKOfbMdKpa4 5.アミューズメント機の稼働による公開 稼働日 令和4年3月3日 対象のアミューズメント機の設置場所 https://p.eagate.573.jp/game/facility/search/p/index.html?gkey=DANCEAROUND 6.ウェブサイトでの公開 ウェブサイトの掲載日 令和4年3月3日 ウェブサイトのアドレス https://p.eagate.573.jp/game/around/1st/top/index.html https://p.eagate.573.jp/game/around/1st/howto/index.html#1
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】田川 義浩
(72)【発明者】
【氏名】石原 誠
(57)【要約】
【課題】基準となる動作データにおける動作と望まれる動作との間にずれがある状態であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成又は表示する。
【解決手段】音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データD1に基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するゲームにおいて使用されるとともに、プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するための指示データD2を、動作データD1に基づいて生成する生成方法において、基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、指示タイミングとを比較し、特定タイミングが指示タイミングと異なる場合、特定タイミングにおける特定動作を表すような指示標識MP1,MP2,MT1,MT2が、比較した指示タイミングにおいて表示されるように指示データD2を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識を表示するための指示データを、前記動作データに基づいて生成する生成方法であって、
前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較し、
前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成する、生成方法。
【請求項2】
前記特定タイミングと前記指示タイミングとの差が所定の範囲内である場合、前記指示タイミングにおける前記基準ダンス動作を表すような前記指示標識が、前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成する、請求項1に記載の生成方法。
【請求項3】
前記動作データの時間軸における前記特定タイミングと前記指示タイミングとの差を、補正値として前記特定タイミングに加算するか、又は前記特定タイミングから減算することによって、前記特定動作の動作タイミングを設定して前記指示データを生成する、請求項1又は2に記載の生成方法。
【請求項4】
前記音楽の音楽データから音楽特徴点を抽出し、
前記音楽特徴点に対応する第1タイミングを、前記指示タイミングとして前記指示データを生成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の生成方法。
【請求項5】
前記動作データから動作特徴点を抽出し、
前記動作特徴点に対応する第2タイミングが、前記第1タイミングよりも早い又は遅い場合に、前記第2タイミングを前記特定タイミングとして前記指示データを生成する、請求項4に記載の生成方法。
【請求項6】
前記指示標識とともに表示され且つ前記動作データに基づいて前記音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトを生成し、
前記特定動作は、前記指示タイミングにおける前記ダンスオブジェクトの動作とは異なる、請求項1から5のいずれか一項に記載の生成方法。
【請求項7】
前記基準ダンス動作を行うダンサーの体の少なくとも一部を模したダンス画像として前記指示標識を生成し、
前記基準ダンス動作を踊る前記ダンサーの動作を模倣して動作するように前記ダンスオブジェクトを生成する、請求項6に記載の生成方法。
【請求項8】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識を表示するための指示データを、前記動作データに基づいて生成するとともに、コンピュータを備える生成システムであって、
前記コンピュータは、
前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較し、
前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成する、生成システム。
【請求項9】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識を表示するための指示データを、前記動作データに基づいて生成するとともに、コンピュータを備える生成システムの制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較させ、
前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成させる、制御プログラム。
【請求項10】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームを提供するとともに、コンピュータを備えるゲームシステムであって、
前記コンピュータは、
前記動作データに基づいて前記音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトを表示させるとともに、所定の指示タイミングにおいて前記指示標識を表示させ、
前記ダンスオブジェクトが前記基準ダンス動作のうちの特定動作を行う特定タイミングが、前記指示タイミングと異なる場合、前記特定動作を表すような前記指示標識を当該指示タイミングにおいて表示させる、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作データに基づいて指示データを生成する生成方法、生成システム、並びに制御プログラム、及びゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、以前のゲームプレイで記録された入力モーションデータを用いてゴースト表示を行うゴーストモードが用意されている音楽ゲームのゲーム装置が開示されている。当該ゲーム装置は、プレイヤがゲームをプレイするたびに当該ゲームプレイに係る入力モーションデータを記録する。また、ゲーム装置は、記録された入力モーションデータを用いて、過去のゲームプレイにおいてプレイヤが操作入力として行った入力モーションのモーション内容を示す表示体を表示制御する。そして、ゴーストモードが選択されて開始されたゲームプレイでは、当該ゲームプレイのプレイ曲について記録されたゴーストデータを用いて、ゴースト表示を行う。そして、プレイ時の各操作入力に係る入力タイミングと、その入力モーションのモーション内容とを再現する表示体を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-170964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
音楽ゲームの一例であるダンスゲームにおいては、人間のダンサーが音楽に合わせてダンスする動作の動作データに基づいて、プレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を作成できる。例えば、ダンサーのポーズを模した指示標識を、動作データにおけるダンサーの体の各部の座標に基づいて作成できる。しかし、ダンサーが人間であるため、音楽に合わせたダンスを完全に正確に行うことは困難である。そのため、指示標識を表示すべきタイミングにおいて、ダンサーが正しくポーズを取れないことがある。すなわち、基準となる動作データにおける動作と、望まれる動作との間にずれが生じることがある。そこで、以下に開示する生成方法等は、基準となる動作データにおける動作と、望まれる動作との間にずれがある状態であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成又は表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様に係る生成方法は、音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識を表示するための指示データを、前記動作データに基づいて生成する生成方法であって、前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較し、前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成する。
【0006】
また、他の一態様に係る生成システムは、音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識を表示するための指示データを、前記動作データに基づいて生成するとともに、コンピュータを備える生成システムであって、前記コンピュータは、前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較し、前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成する。
【0007】
また、他の一態様に係る制御プログラムは、音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識を表示するための指示データを、前記動作データに基づいて生成するとともに、コンピュータを備える生成システムの制御プログラムであって、前記コンピュータに、前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較させ、前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データを生成させる。
【0008】
また、他の一態様に係るゲームシステムは、音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームを提供するとともに、コンピュータを備えるゲームシステムであって、前記コンピュータは、前記動作データに基づいて前記音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトを表示させるとともに、所定の指示タイミングにおいて前記指示標識を表示させ、前記ダンスオブジェクトが前記基準ダンス動作のうちの特定動作を行う特定タイミングが、前記指示タイミングと異なる場合、前記特定動作を表すような前記指示標識を当該指示タイミングにおいて表示させる。
【発明の効果】
【0009】
これにより、基準となる動作データにおける動作と望まれる動作との間にずれがある状態であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成又は表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ゲームシステムの概略図。
図2】一例としてのゲーム画面の概略図。
図3】ゲームシステムの概略ブロック図。
図4】タイミングのずれを説明するための概略図。
図5】生成処理の概略フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、生成システムの一例としてのゲームシステム100を示す。ゲームシステム100は、プレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームを提供する。この指示標識は、音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データに基づいて生成される。一例として、基準ダンス動作は、プレイヤが再現すべき基準となるダンス動作であり、音楽に合わせたプロダンサーによるダンス動作、又は音楽に合わせてゲームをプレイする他のプレイヤによるダンス動作である。そして、ゲームシステム100は、ゲームサーバ10と、プレイヤにゲームを提供するゲーム機60とを備えている。このゲーム機60は、所定のネットワーク50を介してゲームサーバ10に接続可能に構成されている。
【0013】
ゲームサーバ10は、複数のコンピュータとしてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、ゲームサーバ10は、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。あるいは、ゲームサーバ10が、クラウドコンピューティングを利用して論理的に構成されてもよい。なお、ゲームサーバ10は、外部サーバと協働して機能してもよい。
【0014】
また、ゲームサーバ10は、ゲーム装置の一例であるゲーム機60に対して、ゲームサービスを含むゲーム装置用の各種サービスを提供する。このサービスは、ネットワーク50を介してゲーム機60へゲームプログラム或いはデータを配信し且つ更新させる配信サービスを含んでいる。ゲームサーバ10は、この配信サービスを通じて、各ゲーム機60にゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信する。
【0015】
ゲームサービスは、ゲームサーバ10がゲーム機60からユーザを識別するユーザ識別情報を受け取って、ユーザを認証するサービスを含んでいてもよい。また、ゲームサービスは、認証したユーザのプレイ結果を含むプレイデータを、ゲームサーバ10がゲーム機60から受け取って保存するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲームサービスは、ゲームサーバ10が保存するプレイデータを、ゲーム機60に提供するサービスを含んでいてもよい。その他に、ゲームサービスは、ネットワーク50を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際に、ゲームサーバ10がユーザ同士をマッチングするサービスを含んでいてもよい。また、ゲームサービスは、ゲームサーバ10がユーザから料金を徴収するサービスを含んでいてもよい。
【0016】
また、ゲームサーバ10は、ネットワーク50を介してゲーム機60のユーザにウェブサービスを提供してもよい。ウェブサービスは、各種の情報を提供する情報提供サービス、ユーザによる情報発信、交換、及び共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを一意に識別するユーザ識別情報(以下、ユーザIDともいう)を付与するサービス等を含んでいる。さらに、ウェブサービスは、ユーザIDをゲームサーバ10が受け取って、ユーザを認証するサービスを含んでいてもよい。
【0017】
ネットワーク50は、ゲームサーバ10と、ゲーム機60とをそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、ローカルエリアネットワークLANが、ゲームサーバ10と、インターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とローカルエリアネットワークLANとが、ルータ53を介して接続されている。ゲーム機60も、インターネット51に接続されるように構成されている。代替的に、ゲーム機60と、ゲーム機60が設置されている店舗等のルータ53との間にローカルサーバが設置されていてもよい。ゲーム機60は、このローカルサーバを介して、ゲームサーバ10と通信可能に接続できる。
【0018】
また、ゲームサーバ10と、ゲーム機60とは、ローカルエリアネットワークLANに代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。なお、ネットワーク50は、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、その他の通信回線、及びそれらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0019】
ゲーム機60は、所定の対価である料金の支払いと引き換えに、対価に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(又は業務用)のゲーム装置である。このゲーム機60は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。また、ゲーム機60はコンピュータ装置であり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として、店舗等に設置される。一例として、ゲーム機60は、ゲームの音楽に合わせてプレイヤがダンス動作を行う音楽ゲームを提供する。
【0020】
[ゲームの概要]
次に、図2及び図3を参照して、ゲーム機60が提供する音楽ゲームの概要について説明する。図2はゲーム画面GSを示す概略図であり、図3はゲームシステム100の概略ブロック図である。図3に示すように、ゲーム機60は、指示標識及びダンスオブジェクトDOが表示される表示装置64を備えている。表示装置64は、一例として液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及び無機ELディスプレイ等のディスプレイ、又はタッチパネルである。
【0021】
さらに、表示装置64は、マトリクス状に配置された発光装置(例えば、発光ダイオード)、又は筐体の一部にゲーム画面を投影するプロジェクタであってもよい。また、ゲーム機60は、ゲーム時に再生されるゲーム音楽及び効果音等を出力する音声出力装置65を備えている。この音声出力装置65は、一例としてスピーカである。表示装置64及び音声出力装置65は、いずれもゲーム機60の筐体に設けられているが、それぞれ筐体とは別体であってもよい。
【0022】
図2に示すように、ゲーム機60が提供するゲームでは、複数種類の指示標識が表示される。例えば、指示標識は、ポーズマーカーMP1,MP2と、タッチマーカーMT1,MT2とを含む。ポーズマーカーMP1,MP2は、ダンサーのシルエットの形を模した形状を有している。そして、ポーズマーカーMP1,MP2は、ダンサーのポーズ又はダンサーのダンス動作であり、プレイヤが行うべきプレイ動作を表す。また、タッチマーカーMT1,MT2は、ダンサーの手足が移動した位置であり、プレイヤが手足を移動させるべき位置を示す。さらに、指示標識は、ダンサーの手足の動きの軌道であり、プレイヤが手足を動かすべき軌道を示すトレースマーカー(不図示)を含んでいる。
【0023】
また、ゲーム画面GSの上部には、タイムラインTLが表示される。そして、ポーズマーカーMP1は、タイムラインTLに表示される。このポーズマーカーMP1は、プレイヤがどのように体を動かすのかを指示するために、所定の動作を繰り返しながらタイムラインTL上を移動する。図2の例では、ポーズマーカーMP1が、ゲーム画面GSの右端から左に向かって移動する。そして、プレイヤは、ポーズマーカーMP1がタイムラインTLの判定フレームFLに囲まれた領域に到達するタイミングで、ポーズマーカーMP1によって指示されるダンス動作を行う。
【0024】
また、ポーズマーカーMP2は、タイムラインTLの下方に表示される。このポーズマーカーMP2は、プレイヤの決めポーズを指示するために、固定のポーズを模した画像として表されている。ここで、決めポーズとは、音楽の特徴的な部分に対応するタイミングで行うポーズであり、一例として、体の動きを一時的に止める動作である。そして、二つのポーズマーカーMP2の一方は、ゲーム画面GSの右端からゲーム画面GSの中央に向かって移動し、他方はゲーム画面GSの左端からゲーム画面GSの中央に向かって移動する。プレイヤは、ポーズマーカーMP2がゲーム画面GSの中央に到達するタイミングで、ポーズマーカーMP2が示すポーズを取る。
【0025】
なお、ポーズマーカーMP2は一つであってもよく、三つ以上であってもよい。さらに、ポーズマーカーMP2の当初表示位置と移動方向は任意である。例えば、ポーズマーカーMP2は、ゲーム画面GSの上端又は下端からゲーム画面GSの中央に向かって移動してもよい。さらに、ポーズマーカーMP2は、ゲーム画面GSの中央に表示されて、ゲーム画面GSの上端又は下端に向かって移動してもよい。若しくは、ポーズマーカーMP2は、ゲーム画面GSの中央に表示されて、ゲーム画面GSの右端又は左端に向かって移動してもよい。
【0026】
指示標識は特定動作を表し、例えば、特定動作は、動きの終点、動きの始点、又は動きの終点若しくは始点を含む一連の動きである。一例として、右足ステップの場合、上げた右足を下し終えた動き、又は右足を上げ始めてから下し終わるまでの一連の動きが特定動作となる。また、特定動作は、決めポーズ、又は決めポーズを含む一連の動きであってもよい。一例として、決めポーズとは、キープ又はフリーズ等と言われる動きを停止させる体勢、手又は足が伸びた体勢である。例えば、ポーズマーカーMP1,MP2は、特定動作を行うダンサーを模した形状を有しており、これにより特定動作を表している。また、タッチマーカーMT1,MT2は、特定動作を行う際の手又は足の位置を示しており、これにより特定動作を表している。さらに、不図示のトレースマーカーは、特定動作を行う際の手又は足の動きの軌道を示しており、これにより特定動作を表している。
【0027】
タイムラインTLの下方には、ダンスオブジェクトDOが表示される。そして、タッチマーカーMT1,MT2は、ダンスオブジェクトDOの周囲に表示される。具体的に、タッチマーカーMT2は、プレイヤに手を動かす位置を指示し、ダンスオブジェクトDOの手の付近に表示される。また、タッチマーカーMT1は、プレイヤに足を動かす位置を指示し、ダンスオブジェクトDOの足の付近(特に足元)に表示される。なお、図2においては一つのダンスオブジェクトDOとしてメインダンサーを示している。ただし、ダンスオブジェクトDOは、メインダンサーに加えて、バックダンサーを含んでいてもよい。さらに、ダンスオブジェクトDOは、音楽に合わせて動くアイテム若しくは動物等の動作するオブジェクトを含んでいてもよい。
【0028】
ゲームシステム100が提供する音楽ゲームでは、指示データD2に基づいて、所定のタイミング(以下、「指示タイミング」ともいう)に指示標識によってプレイ動作が指示される。一例として、指示タイミングは、音楽の各小節の各拍のタイミング(例えば、一拍目であれば拍頭)に対応する。そして、指示タイミングと、プレイヤがプレイ動作を行った動作タイミングとが比較される。その結果、指示タイミングとプレイ動作のタイミングとのずれが小さいと、適切なプレイ動作を行ったと評価されて高い評価が得られる。また、指示タイミングとプレイ動作のタイミングとのずれが大きいと、プレイヤがプレイ動作に失敗したと評価されて低い評価が得られるか、又は評価を得られない。
【0029】
なお、ずれが大きい場合に加えて、指示タイミングにプレイヤのプレイ動作を行わない場合にも、低い評価結果となる。また、評価対象となるプレイ動作は、指示標識によって指示される動作には限られない。
【0030】
タイムラインTLの上方には、ビューワーゲージVGが表示される。ビューワーゲージVGは、プレイヤが指示標識によって指示されたタイミングで適切なプレイ動作を行うと伸びていく。一方、プレイヤがプレイ動作に失敗すると、ビューワーゲージVGは変化しないか、又は縮んでしまう。そして、ビューワーゲージVGが合格ラインに到達すると、ゲームのステージクリアとなる。さらに、タイムラインTLの上方であって、図2におけるビューワーゲージVGの右方には、スコアSCが表示される。スコアSCは、プレイヤの成績としての点数を表し、プレイヤが指示標識によって指示されたタイミングで適切なプレイ動作を行うと増加する。一方、プレイヤがプレイ動作に失敗すると、スコアSC加算されないか、又は減少してしまう。
【0031】
なお、ビューワーゲージVGに代えて、円形等の他の形状によってプレイヤの成績を表してもよい。また、スコアSCに代えて、アルファベット(例えばA,B,C,D)によってプレイヤの成績を表してもよい。さらに、プレイヤの成績を表す画像(図2の例ではビューワーゲージVG及びスコアSC)は、ゲーム画面GSの任意の位置に表示させてもよい。さらに、プレイヤの成績を表す画像は、ゲーム終了後の結果表示画面に表示させてもよい。
【0032】
また、ゲーム画面GSの下部には、コンボ数CNが表示されている。コンボ数CNは、プレイヤが適切なダンス動作を連続して行うと増加する。そして、プレイヤがダンス動作に失敗すると、コンボ数CNはリセットされてゼロに戻るか、又は減少する。
【0033】
なお、指示標識は、時間の経過とともに種々の態様で変化してもよい。例えば、指示標識の変化態様としては、面積が徐々に小さくなる態様、色が徐々に変化する態様、濃度が徐々に濃く又は薄くなる態様、徐々に明るく又は暗くなる態様、及び徐々にオブジェクトの数が多く又は少なくなる態様が含まれる。さらに、指示標識は、文字、図形、模様、数字、及び記号並びにこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0034】
[ゲームシステムの構成]
図3を参照して、ゲームシステム100の制御系について説明する。ゲームサーバ10は、ゲームサーバ10を制御するサーバ制御部11と、ゲームサーバ10の制御プログラムPG1を記憶した記憶手段の一例であるサーバ記憶部12とを備えている。サーバ制御部11は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0035】
一例として、サーバ制御部11のプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、サーバ記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて、ゲームサーバ10の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、サーバ記憶部12は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。以下では、CPUが、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行する場合を例に説明する。
【0036】
サーバ制御部11には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含むインターフェース(不図示)が、有線接続又は無線接続されている。また、サーバ制御部11には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示するモニタ(不図示)が、有線接続又は無線接続されている。さらに、サーバ制御部11は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0037】
サーバ記憶部12は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体の一例である不揮発性記憶媒体を含んだ、ハードディスク及び半導体記憶装置等の記憶装置である。サーバ記憶部12は、一つの記憶ユニット上に全てのデータを記憶してもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶してもよい。そして、サーバ記憶部12は、必要な各種の処理をサーバ制御部11に実行させるコンピュータプログラムの一例として、制御プログラムPG1を記録している。サーバ制御部11は、制御プログラムPG1を実行することによって、指示標識を表示するための指示データD2を生成する。また、サーバ記憶部12は、ゲームプログラム(不図示)を記憶している。そして、サーバ制御部11は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲーム機60をプレイするプレイヤにゲームサービスを提供する。
【0038】
また、サーバ記憶部12は、音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データD1を記憶している。例えば、動作データD1は、ダンサー又はプレイヤの基準ダンス動作を撮影したダンス動画に基づいて生成される。すなわち、ダンス動画の解析結果からダンサー又はプレイヤの動作データD1が取得される。この動作データD1は、ダンスを開始してから終了するまでの動作を記述した情報である。一例として、動作データD1は、ボーン解析によって取得されるボーン情報である。代替的に、動作データD1は、ダンサー又はプレイヤの体の各部の位置、向き、及び変位量を示すデータであってもよい。なお、以下の説明においては、ダンサーの基準ダンス動作の動作データD1を利用する例について特に説明する。
【0039】
ここで、ボーン情報は、ダンサーの体の一部の位置座標を示す点を結ぶボーンを示す情報を意味しており、ボーン情報においてボーン同士は連結点によって互いに連結されている。そして、ダンス動画におけるダンサーのボーンの位置及び向き、並びに変位量に基づいて、ダンサーの基準ダンス動作を、動作データD1として記録できる。なお、ボーン情報は、ダンス開始からの時間経過に伴う各時点におけるダンサーのボーンを表す。ただし、ボーン情報は、ボーンの位置、向き、及び変位量を予測した情報を一部に含んでいてもよい。なお、サーバ制御部11は、ゲーム機60の撮影装置63が撮影した動画又は外部の記録装置から取得した動画を解析して動作データD1を取得してもよい。代替的に、予めダンス動作を撮影して得られたダンス動画を解析してボーン情報が作成されており、オペレータが、当該ボーン情報をサーバ記憶部12に記憶させてもよい。
【0040】
また、サーバ記憶部12は、音楽ゲーム用のゲームデータを記憶している。そして、ゲームデータには、指示データD2と、音楽データD3とが含まれている。音楽データD3は、ゲーム中に再生される各楽曲であるが、効果音及び演出音等のデータを含んでいてもよい。そして、指示データD2は、ゲームの操作手順を定義したデータであり、例えば、指示標識の表示タイミング、表示位置並びに移動速度、及び指示標識の種類等のデータを含んでいる。さらに、ゲームデータは、画像データを記憶している。画像データは、例えば、指示標識、演出画像、アイコン、各種オブジェクト、及び背景等の画像のデータを含んでいる。
【0041】
[ゲーム機の構成]
図3に示すように、ゲーム機60は、ゲーム機60を制御するゲーム機制御部61と、ゲーム機プログラムPG2を記憶したゲーム機記憶部62とを備えている。ゲーム機制御部61は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータである。プロセッサは、例えばCPU、又はMPUであり、ゲーム機プログラムPG2に基づいて、ゲーム機60の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、ゲーム機記憶部62は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。また、ゲーム機制御部61は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御することもできる。
【0042】
ゲーム機記憶部62は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体の一例である不揮発性記憶媒体を含んだ、ハードディスク及び半導体記憶装置等の記憶装置である。また、ゲーム機記憶部62は、ゲーム機プログラムPG2とともに、ゲームサーバ10から取得したゲーム用のデータを記録している。ゲーム用のデータは、ゲーム機プログラムPG2に従ってユーザに所定のゲームをプレイさせるために使用される。なお、ゲーム用のデータは、サーバ記憶部12が記憶しているゲームデータと同様に、画像データ、音楽データD3、及び指示データD2を含んでいてもよい。さらにゲーム用のデータは、ダンスオブジェクトDOのデータを含んでいてもよい。
【0043】
また、ゲーム機60は、ゲームのプレイ中にプレイヤの動作を検出する検出装置の一例として撮影装置63を有している。撮影装置63は、一例としてカメラであり、複数のカメラから構成されていてもよい。当該カメラは、撮影範囲にプレイヤの体全体が含まれるように配置されている。また、撮影装置63は、プレイヤの動作を撮影してプレイ動画としてゲーム機記憶部62に記憶させてもよい。さらに、ゲーム機60は、ゲーム画面が表示される表示装置64を備えている。また、ゲーム機60は、ゲームのプレイ中に出力される楽曲、判定音、評価音、及び効果音等の音声を出力する音声出力装置65を備えている。
【0044】
ゲーム機制御部61は、撮影装置63が撮影したプレイ動画を解析して、プレイヤの動作情報(例えばボーン情報)を取得する。また、撮影装置63は、プレイヤが体に装着しているマーカーを撮影するカメラであってもよい。この場合、ゲーム機制御部61は、マーカーが映っている映像を解析して、動作情報を取得する。代替的に、検出装置は、プレイヤの体の動きを検出するセンサを含んでいてもよい。この場合、検出装置は、プレイヤの体の動きを検出するジャイロセンサ及び加速度センサ等の慣性センサと、検出された動きを記録する記録装置とから構成されてもよい。さらに、検出装置は、プレイヤの体の動きを検出する磁気式又は機械式のセンサと、検出された動きを記録する記録装置とから構成されてもよい。
【0045】
また、ゲーム機制御部61は、ゲーム機プログラムPG2に基づいてプレイヤにゲームをプレイさせる。そして、ゲーム機制御部61は、ゲームの進行を制御するために、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行する。一例として、ゲーム機制御部61は、判定フレームFLに向かって移動するポーズマーカーMP1の位置及び移動速度によって、指示タイミングとダンス動作とを表示装置64に表示させる。さらに、ゲーム機制御部61は、論理的装置として、表示制御手段の一例である表示制御部66を有している。この論理的装置は、ゲーム機制御部61のハードウェア資源と、ソフトウェア資源としてのゲーム機プログラムPG2との組合せによって実現される。
【0046】
[表示制御手段]
ゲームシステム100は、動作データD1に基づいて生成された指示標識であって、プレイヤへプレイ動作を指示する指示標識を表示するゲームを提供する。そのために、表示制御部66は、動作データD1に基づいて音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを表示させる。さらに、表示制御部66は、指示データD2に基づいて、所定の指示タイミングにおいて指示標識を表示させる。例えば、指示標識は、ポーズマーカーMP1,MP2と、タッチマーカーMT1,MT2とである。これにより、表示制御部66は、プレイ動作を行うタイミングをプレイヤに指示する。プレイヤは、ダンスオブジェクトDOの動作を真似てダンスしてもよいし、指示標識の指示に従ってダンスしてもよい。
【0047】
一例として、表示制御部66は、ゲームサーバ10から予め取得していたダンスオブジェクトDOの画像データ等を利用して、動作データD1に従ってダンスオブジェクトDOが動くゲーム画面GSを生成する。このとき、表示制御部66は、ダンスオブジェクトDOが動くとともに、バックダンサーとなるダンスオブジェクトDOも動くゲーム画面GSを生成してもよい。また、ゲーム画面GSには、指示標識、背景、及び演出画像等の画像又は映像が含まれる。代替的に、表示制御部66は、基準ダンス動作を踊るダンサーの動作を模倣するように動作するダンスオブジェクトDOの動画のデータを、ゲームサーバ10から予め取得していてもよい。
【0048】
ダンスオブジェクトDOの表示態様の一例として、ダンスオブジェクトDOにはボーンが設定されており、表示制御部66は、ゲームサーバ10から予め取得していたダンサーの動作データD1に従って、ダンスオブジェクトDOの隣接するボーン同士の相対的な位置及び向きを変化させる。これにより、ダンスオブジェクトDOの外形も変化する。そして、ダンスオブジェクトDOの外観は、ボーンの位置及び向きの変化に伴って変化するテクスチャによって表現される。ゲーム画面GSでは、ダンサーの基準ダンス動作がダンスオブジェクトDOの動きに反映される。例えば、基準ダンス動作において腕が上下に移動すると、ダンスオブジェクトDOの腕も上下に動く。プレイヤは、表示装置64に表示されるダンスオブジェクトDOを見ながら、指示標識によって指示されるダンス動作を行うように体を動かす。
【0049】
指示標識の表示態様の一例として、表示制御部66は、図2に示すようにポーズマーカーMP1,MP2を表示させる。具体的に、表示制御部66は、予めゲームサーバ10から取得してゲーム機記憶部62が記憶している指示データD2に含まれている指示タイミングを読み出す。そして、表示制御部66は、指示タイミングにポーズマーカーMP1が判定フレームFLに到達して表示されるように、ポーズマーカーMP1を表示させ且つ移動させる。また、表示制御部66は、指示タイミングにポーズマーカーMP2が画面中央又はダンスオブジェクトDOに到達して表示されるように、ポーズマーカーMP2を表示させ且つ移動させる。
【0050】
また、指示標識の表示態様の一例として、表示制御部66は、タッチマーカーMT1,MT2を表示装置64に表示させる。具体的に、表示制御部66は、指示データD2に含まれている指示タイミングを読み出す。そして、指示タイミング又は指示タイミングの直前に、タッチマーカーMT1,MT2を指示データD2に示される位置に表示させる。さらに、ゲーム機制御部61は、音声出力装置65に指示タイミングを示す音を出力させてもよい。また、ゲーム機制御部61は、ゲーム機60に設けられた発光装置を点灯又は消灯させることによって、指示タイミングを示してもよい。さらに、ゲーム機制御部61は、ゲーム機60に設けられた振動装置を振動させることによって、指示タイミングを示してもよい。
【0051】
表示制御部66は、ダンスオブジェクトDOが基準ダンス動作のうちの特定動作を行う特定タイミングが、指示タイミングと異なる場合、特定動作を表すような指示標識を当該指示タイミングにおいて表示する。これを説明すると、まずダンサーによる基準ダンス動作には、特定動作が含まれている。そして、特定動作は、動作データD1にも反映されている。この特定動作が行われるタイミングである特定タイミングは、指示標識によって指示される指示タイミングとは異なることがある。これは、ダンサーが人間であって、指示タイミングと完全に一致するタイミングで特定動作を行うことができない場合があるためである。その結果、動作データD1に基づいて動作するダンスオブジェクトDOが特定動作を行う特定タイミングは、指示タイミングとは異なることがある。
【0052】
この場合、表示制御部66は、特定動作を表すような指示標識を、指示タイミングにおいて表示する。すなわち、表示制御部66は、特定タイミングにおいて指示標識を表示することに代えて、指示標識を指示タイミングに表示する。例えば、表示制御部66は、判定フレームFLにおいて、指示タイミングにポーズマーカーMP1が表示されるように、ポーズマーカーMP1を移動させる。その結果、ポーズマーカーMP1が判定フレームFLに到達するタイミング(すなわち指示タイミング)では、ダンスオブジェクトDOのポーズとポーズマーカーMP1が表すポーズとが異なる。
【0053】
これにより、プレイヤは、ダンスオブジェクトDOを手本としながら、指示標識を参照することができる。そのため、ダンスオブジェクトDOの特定動作とは異なる適切な指示タイミングで、特定動作を行って評価を高めることができる。ここで、プレイヤは、ダンスオブジェクトDOに従ったプレイ動作を行ってもよい。この場合、プレイヤは、ダンサーによる基準ダンス動作を再現できる。ダンサーによる基準ダンス動作は、ダンサー独自の表現である。そのため、プレイヤにとっては、基準ダンス動作を再現することによって、評価が低くなるとしても、より魅力的なダンスを踊ることができる。また、手本となるダンサーにとっても、指示タイミングの厳格な制限を受けずに基準ダンス動作を行うことができる。そのため、より魅力的な、例えばよりダイナミックな基準ダンス動作を行うことができる。そして、このような基準ダンス動作の動作データD1を利用することによって、より魅力的なダンス動作を行うダンスオブジェクトDOが表示される。
【0054】
表示制御部66は、特定動作を表す指示標識を指示タイミングにおいて表示するように記述された指示データD2に従って指示標識を表示する。これにより、特定タイミングが指示タイミングと異なる場合であっても、指示タイミングに指示標識が表示される。代替的に、表示制御部66は、ダンスオブジェクトDOが特定動作を行う特定タイミングが、指示タイミングと異なるか否かを判定してもよい。この場合、表示制御部66は、両タイミングが異なると判定すると、特定動作を表すような指示標識を指示タイミングにおいて表示する。
【0055】
表示制御部66は、プレイヤがプレイ対象として選択可能な複数のプレイ選択肢を表示させてもよい。プレイ選択肢は、一例として、ゲームのステージ、楽曲、又は難易度等である。このプレイ選択肢は、プレイヤが選択したプレイ対象を一意に識別する対象識別情報によって識別できる。なお、対象識別情報は、ステージ、楽曲、又は難易度を識別する識別情報であってもよい。
【0056】
[評価手段]
ゲーム機制御部61は、評価手段としても機能し、指示タイミングに対するプレイ動作の動作タイミングを評価する。具体的に、ゲーム機制御部61は、撮影装置63が撮影したプレイ動画を解析して、プレイヤの動作情報を取得する。そして、ゲーム機制御部61は、解析結果に基づいて、プレイヤのプレイ動作の動作タイミングを評価する。例えば、ゲーム機制御部61は、プレイヤの手がタッチマーカーMT2に到達する動作タイミング、又は到達すると予測される動作タイミングと、指示タイミングとを比較する。そして、ゲーム機制御部61は、比較結果に基づいて、プレイ動作を評価する。同様に、ゲーム機制御部61は、プレイヤの足がタッチマーカーMT1に到達する動作タイミングを評価する。
【0057】
また、ゲーム機制御部61は、プレイヤがプレイ動作を行う動作タイミングと、ポーズマーカーMP1が判定フレームFLに到達する指示タイミングとを比較する。そして、ゲーム機制御部61は、比較結果に基づいて、プレイ動作を評価する。若しくは、ゲーム機制御部61は、プレイ動作を行う動作タイミングとポーズマーカーMP2による指示タイミングを比較して、プレイ動作を評価する。なお、ゲーム機制御部61は、プレイヤの動作情報と動作データD1とを比較して、プレイヤのプレイ動作が適切であるか否かも評価できる。
【0058】
そして、ゲーム機制御部61は、動作タイミングが指示タイミングと近い場合には、高い評価をゲーム機記憶部62に記憶させる。一方、ゲーム機制御部61は、動作タイミングが指示タイミングと遠い場合には、低い評価をゲーム機記憶部62に記憶させる。さらに、ゲーム機制御部61は、評価結果を示す画像又は文字(例えば、「Perfect」、「Good」又は「Bad」の文字)を表示装置64に表示させてもよい。また、ゲーム機制御部61は、音声出力装置65に評価結果を示す音声を出力させてもよい。さらに、ゲーム機制御部61は、ゲーム機60に設けられた発光装置を点灯又は消灯させることによって、評価結果を示してもよい。また、ゲーム機制御部61は、ゲーム機60に設けられた振動装置を振動させることによって、評価結果を示してもよい。
【0059】
また、ゲーム機制御部61は、プレイ動作が高い評価である場合、ゲームの成績が上がるように評価して、ユーザの成績に高い点数を加える。また、ゲーム機制御部61は、プレイ動作が低い評価である場合、ユーザの成績に点数を加えないか、又は低い点数を加える。さらに、ゲーム機制御部61は、プレイ動作が低い評価である場合、ユーザの成績から点数を減じてもよい。そして、ゲーム機制御部61は、ゲームの成績として、スコアSCを表示装置64に表示させる。
【0060】
[サーバ制御手段]
図3に示すように、サーバ制御部11は、ゲーム制御手段の一例としてのゲーム制御部13、比較手段の一例としての比較部14,及び生成手段の一例としての生成部15を有している。ゲーム制御部13は、論理的装置であり、サーバ制御部11のハードウェア資源と、ソフトウェア資源としてのゲームプログラム(不図示)との組合せによって実現される。また、比較部14及び生成部15は、論理的装置であり、サーバ制御部11のハードウェア資源と、ソフトウェア資源としての制御プログラムPG1との組合せによって実現される。
【0061】
ゲーム制御部13は、ゲームサービスを提供するための論理的装置である。そして、ゲーム制御部13は、指示データD2と、ゲームデータ等のゲームの提供に必要なデータとを、ゲーム機60に送信する。さらに、ゲーム制御部13は、ゲーム機60からユーザデータとして、ユーザの個人情報(例えば、ユーザID)、及びゲームの成績等のゲームのプレイに関する情報を取得する。そして、ゲーム制御部13は、ユーザデータをサーバ記憶部12に記憶させる。さらに、ゲーム制御部13は、ユーザの認証等を行ってもよい。
【0062】
生成システムとしてのゲームシステム100は、ゲームにおいて使用される指示データD2であって、プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて指示標識を表示するための指示データD2を生成する。すなわち、ゲームシステム100は、動作データD1に基づいて、指示データD2の少なくとも一部を生成する。そのために、サーバ制御部11は、比較部14及び生成部15を有している。
【0063】
代替的に、比較部14及び生成部15は、生成システムの他の例としての外部サーバ等の他のコンピュータ装置に設けられていてもよい。さらに、他のコンピュータ装置は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置であってもよい。この場合、ゲーム制御部13は、他のコンピュータ装置から指示データD2を取得して、サーバ記憶部12に記憶させる。そして、他のコンピュータ装置の記憶部は、動作データD1、音楽データD3、及び制御プログラムPG1とを記憶している。
【0064】
[比較手段]
比較部14は、基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、指示タイミングとを比較する。上記したように、特定タイミングと指示タイミングとの間には、動作データD1の時間軸上のずれが生じることがある。例えば、図4に示すように、四拍子の音楽の一小節中の一拍目、二拍目、三拍目、及び四拍目と同時に特定動作を行うゲームについて説明する。この例において、基準ダンス動作、すなわちダンサーの基準ダンス動作では、一拍目の右足ステップが適切なタイミングで行われている。この例において、適切なタイミングとは、各拍と同時のタイミングであり、指示タイミングは当該タイミングに対応する。
【0065】
しかし、基準ダンス動作では、二拍目の左足ステップが適切なタイミングよりも早いタイミングで行われている。また、基準ダンス動作では、三拍目の右足ステップが適切なタイミングよりも遅いタイミングで行われている。そして、基準ダンス動作では、四拍目の決めポーズが適切なタイミングよりも遅いタイミングで行われている。そのため、二拍目から四拍目までの特定動作は、適切なタイミングからずれている。
【0066】
指示データD2においては、二拍目から四拍目のそれぞれと同時のタイミングで特定動作を表す指示標識を表示させたい。しかし、四拍目の場合、ダンサーによる基準ダンス動作では、決めポーズを決めるのが八分音符一つ分の長さ(240Tick)だけ遅れてしまっている。そのため、指示タイミングの基準ダンス動作に基づく動作データD1を用いて指示標識、例えば、ポーズマーカーMP1,MP2を生成すると、決めポーズを取る途中のダンサーを模した形状となってしまう。一方、基準ダンス動作に基づく動作データD1の特定タイミングに合わせて指示標識を生成すると、指示タイミングからずれる結果、音楽の進行と合わない指示となる。そのため、プレイヤに違和感を与えてしまう。
【0067】
そこで、比較部14は、ずれを解消するための前処理として、特定タイミングと指示タイミングとを比較して、特定タイミングが指示タイミングと異なるか否かを判定する。具体的に、比較部14は、両タイミングの間に、動作データD1の時間軸上のずれがあるか否かを判定する。ここで、比較部14は、両タイミングの間に所定の範囲(例えば、60Tick)を超える差がある場合に、特定タイミングが指示タイミングと異なると判定する。そして、比較部14は、ずれ量として、動作データD1の時間軸上のずれの長さを算出する。なお、動作データD1の時間軸は、音楽データD3(すなわち各楽曲のデータ)の時間軸と一致しており、両データの開始から終了までの時間の長さは同じである。
【0068】
例えば、比較部14は、ずれ量として、ずれの長さに対応するTick数を算出する。このとき、比較部14は、特定タイミングと指示タイミングとの差が所定の範囲内である場合、両タイミングの間に差はないと判定する。例えば、両タイミングが一致する場合、及び両タイミングの差が僅か(例えば60Tick以内)である場合に、比較部14は、両タイミングの差が所定の範囲内であると判定する。なお、音楽が始まってから終わるまでの時間軸は、動作データD1が始まってから終わるまでの時間軸と一致している。そのため、動作データD1の時間軸上の各拍のタイミングは、音楽データD3上の各拍のタイミングと一致する。代替的に、特定タイミングと指示タイミングとの比較と、ずれ量の算出とは、オペレータが目視により行って、その比較結果をサーバ記憶部12に記憶させてもよい。
【0069】
本明細書において、Tick数は、四分音符の長さを480Tickとする動作データD1の時間軸上の長さである。そのため、1Tickは、十六分音符一つ分の長さの1/120の長さであり、240Tickは、八分音符一つ分の長さとなる。そして、図4の例では、二拍目の場合、ダンサーによる基準ダンス動作では、左足ステップを行うのが120Tickだけ早い。そして、三拍目の場合、ダンサーによる基準ダンス動作では、右足ステップを行うのが120Tickだけ遅い。
【0070】
[生成手段]
生成部15は、特定タイミングが指示タイミングと異なる場合、特定タイミングにおける特定動作を表すような指示標識が、比較した指示タイミングにおいて表示されるように指示データD2を生成する。例えば、比較部14は、特定タイミングが指示タイミングと所定の範囲を超えてずれていると、両タイミングが異なると判定する。この場合、生成部15は、両タイミングのずれ量を参照して、動作データD1において、指示標識の基礎とする特定動作を特定する。例えば、ずれ量に対応する長さだけ早い又は遅いタイミングの動作を、指示標識の基礎とする特定動作として特定する。
【0071】
そして、生成部15は、特定動作に基づいて指示標識を作成する。例えば、生成部15は、特定動作に対応するボーン情報に基づいて、ポーズマーカーMP1,MP2の隣接するボーン同士の相対的な位置及び向きを変化させる。これにより、ポーズマーカーMP1,MP2の外形も変化する。そして、生成部15は、ポーズマーカーMP1,MP2の外観として、ダンサーのシルエットを表すテクスチャを貼り付ける。これにより、特定動作がポーズマーカーMP1,MP2の動きに反映される。
【0072】
さらに、生成部15は、作成した指示標識が、指示タイミングに所望の位置に表示されるように、指示データD2を生成する。これにより、動作データD1において、動きの見栄えが最も良い動作タイミングの動作に基づいて指示標識を作成できる。代替的に、指示標識をオペレータが作成して、指示タイミングに所望の位置に表示されるように、指示データD2を生成してもよい。この場合、オペレータは、ずれ量に対応する長さだけ早い又は遅い特定タイミングの動作を、指示標識の基礎とする特定動作として特定する。そして、オペレータは、ボーン情報からポーズマーカーMP1,MP2を生成する編集プログラムを使用して、特定動作に基づく指示標識を作成する。
【0073】
図4の例では、四拍目において、ダンサーによる基準ダンス動作では240Tickだけ四拍目と同時の指示タイミングから遅れてしまっている。そのため、生成部15は、動作データD1において、指示タイミングよりも240Tickだけ遅いタイミングの動作を特定する。そして、生成部15は、特定した動作に基づいて指示標識を作成する。さらに、生成部15は、作成した指示標識が、四拍目と同時の指示タイミングに所望の位置(例えば、判定フレームFL)に表示されるように、指示データD2を生成する。同様に、生成部15は、二拍目の場合、動作データD1において二拍目よりも120Tickだけ早いタイミングの動作を特定する。また、生成部15は、三拍目の場合、動作データD1において三拍目よりも120Tickだけ遅いタイミングの動作を特定する。
【0074】
これにより、基準となる動作データD1における動作と望まれる動作との間にずれがある状態であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成できる。また、基準ダンス動作に基づく動作データD1において、指示タイミングでは動作が途中である場合であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成できる。例えば、ダンサーのシルエットを模した指示標識を適切な形状にすることができる。また、ダンサーの体の一部の位置を指定する指示標識を適切な位置に表示できる。さらに、ダンサーの動作に従った軌道を描く指示標識を適切な軌道で表示できる。
【0075】
また、生成部15は、特定タイミングと指示タイミングとの差が所定の範囲内である場合、指示タイミングにおける基準ダンス動作を表すような指示標識が、指示タイミングにおいて表示されるように指示データD2を生成する。すなわち、特定タイミングと指示タイミングとが一致する場合、又は両タイミングの差が僅かである場合、生成部15は、動作データD1の時間軸の指示タイミングにおける特定動作を表すような指示標識が、指示タイミングにおいて表示されるように指示データD2を生成する。一例として、両タイミングのずれ量が60Tickよりも短ければ、所定の範囲内とする。これにより、動作データD1において、指示タイミングにおける動作が見栄えが良い動作であれば、その動作に基づいて指示標識を生成できる。
【0076】
また、生成部15は、動作データD1の時間軸における特定タイミングと指示タイミングとの差を、補正値とする。そして、生成部15は、補正値を特定タイミングに加算するか、又は補正値を特定タイミングから減算する。これによって、生成部15は、特定動作の動作タイミングを、指示タイミングに一致するように設定して指示データD2を生成する。
【0077】
例えば、図4の例では、生成部15は、二拍目の特定タイミングから補正値として120Tick1を減算する。すなわち、生成部15は、二拍目の特定タイミングに対するオフセットTick数として、-120Tickを設定する。これにより、生成部15は、特定タイミングでの特定動作である左足ステップの動作タイミングを二拍目と同時の指示タイミングに一致するように設定する。そして、生成部15は、当該タイミングで特定動作を表すような指示標識を作成する。これにより、生成部15は、ずれていた特定タイミングの特定動作を表すような指示標識が、指示タイミングにおいて表示されるように指示データD2を生成する。
【0078】
その結果、生成部15は、指示タイミングから120Tickだけ早い特定タイミングでの特定動作に基づいて、指示タイミングの指示標識を作成できる。同様に、三拍目の場合、生成部15は、指示タイミングから120Tickだけ遅い特定タイミングでの特定動作(すなわち右足ステップ)に基づいて指示標識を作成する。これにより、ずれの量を客観的に特定でき、正確な特定タイミングの特定動作に基づいて指示標識を作成できる。なお、補正値は、Tick数には限定されず、音符の数、拍数、又は秒等の時間であってもよい。また、特定動作のタイミングのみをずらすので、その他の動作のタイミング(例えば、ずれが生じていない特定動作の動作タイミング)での特定動作は、そのまま指示標識の作成に使用される。
【0079】
また、生成部15は、音楽データD3(すなわち各楽曲のデータ)から音楽特徴点を抽出する。そして、生成部15は、音楽特徴点に対応する第1タイミングを、指示タイミングとして特定する。さらに、生成部15は、特定した指示タイミングに基づいて指示データD2を生成する。すなわち、生成部15は、音楽データD3を解析して音楽特徴点を抽出し、特定したタイミングを指示タイミングとして、特定動作の特定タイミングと比較する。そして、生成部15は、比較結果を利用して指示データD2を生成する。これにより、生成部15は、自動的に指示タイミングを特定できる。一例として、音楽特徴点は拍頭であるが、曲調が変更するタイミング等の他のタイミングであってもよい。
【0080】
また、生成部15は、動作データD1から動作特徴点を抽出する。そして、生成部15は、動作特徴点に対応する第2タイミングが、第1タイミングよりも早い又は遅い場合に、第2タイミングを特定タイミングとして特定する。さらに、生成部15は、特定した特定タイミングに基づいて指示データD2を生成する。すなわち、生成部15は、動作データD1を解析して動作特徴点を抽出し、動作特徴点のタイミングを特定タイミングとして、指示タイミングと比較する。そして、生成部15は、比較結果を利用して指示データD2を生成する。これにより、生成部15は、自動的に特定動作と特定タイミングを特定できる。一例として、動作特徴点は、動きを止める動作であり、動きの始点又は動きの終点である。
【0081】
このように、指示タイミングと、特定動作及び特定タイミングとを自動的に特定することにより、生成部15は、リアルタイムで音楽データD3及び動作データD1から指示データD2を生成できる。例えば、ダンサー又は他のプレイヤの基準ダンス動作を撮影すると、生成部15は、撮影と同時に指示データD2を生成できる。さらに、生成した指示データD2をゲーム機60に送信すれば、ダンサー又は他のプレイヤのダンスに合わせて、同時期にゲーム機60において指示標識を表示できる。これにより、プレイヤは、ダンサー又は他のプレイヤと一緒に踊るようにゲームをプレイできる。
【0082】
また、生成部15は、動作データD1に基づいて、音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを生成する。そして、このダンスオブジェクトDOは、指示データD2に含まれてゲーム機60に送信され、表示制御部66によって指示標識とともに表示される。このダンスオブジェクトDOは、動作データD1に基づいて生成されるため、指示標識の特定動作は、指示タイミングにおけるダンスオブジェクトDOの動作とは異なる。これにより、プレイヤは、ダンサーによる基準ダンス動作を示すダンスオブジェクトDOを手本としながら、指示標識による指示に従って基準ダンス動作とは異なる適切な指示タイミングでダンスをすることもできる。
【0083】
一例として、ダンスオブジェクトDOにはボーンが設定されており、生成部15は、動作データD1に従って、ダンスオブジェクトDOの隣接するボーン同士の相対的な位置及び向きを変化させるようにダンスオブジェクトDOを生成する。これにより、ダンスオブジェクトDOの外形も変化する。ここで、ダンスオブジェクトDOの外観は、ボーンの位置及び向きの変化に伴って変化するテクスチャによって表現される。なお、表示制御部66は、ダンスオブジェクトDOのテクスチャを変更できる。そのため、表示制御部66は、複数種類のダンスオブジェクトDOを表示させることができる。代替的に、生成部15ではなく、表示制御部66がダンスオブジェクトDOを生成してもよい。
【0084】
生成部15は、基準ダンス動作を行うダンサーの体の少なくとも一部を模したダンス画像として指示標識を生成する。一例として、ダンス画像は、ダンサーの体のシルエットであるポーズマーカーMP1,MP2である。また、ダンス画像は、ダンサーの手又は足を模したダンス画像であってもよい。例えば、手又は足を模したダンス画像は、タッチマーカーMT1,MT2として利用される。
【0085】
また、表示制御部66は、基準ダンス動作を踊るダンサーの動作を模倣するようにダンスオブジェクトDOを動作させる。具体的に、生成部15は、動作データD1に従って、ダンスオブジェクトDOの隣接するボーン同士の相対的な位置及び向きを変化させるようにダンスオブジェクトDOを生成して指示データD2に含める。そして、表示制御部66は、生成されたダンスオブジェクトDOを指示データD2に従って動作させる。
【0086】
[生成処理フロー]
次に、図5に示すフローチャートを参照して、指示データD2の生成処理について説明する。前処理として、ダンサー又はプレイヤの基準ダンス動作を撮影したダンス動画に基づいて動作データD1が生成される。ここで、動作データD1の生成は、サーバ制御部11が行ってもよく、オペレータが操作する他のコンピュータ装置が行ってもよい。そして、サーバ記憶部12は、生成された動作データD1を記憶する。そして、ゲームサーバ10は、生成された動作データD1を取得する(S101)。すなわち、ゲームサーバ10は、サーバ制御部11が生成した動作データD1を取得するか、又は他のコンピュータ装置から動作データD1を受信して取得する。
【0087】
サーバ制御部11の比較部14は、基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、指示タイミングとを比較する(S102)。そして、タイミングが異ならない場合、すなわち、特定タイミングと指示タイミングとの差が所定の範囲内である場合(S103でNO)、生成部15は、指示タイミングにおける基準ダンス動作を表すような指示標識を作成する(S104)。すなわち、生成部15は、作成した指示標識が指示タイミングにおいて表示されるように、指示データD2を生成する。言い換えると、生成部15は、動作データD1の時間軸上の指示タイミングにおける特定動作を表すような指示標識が、指示タイミングにおいて表示されるように指示データD2を生成する。
【0088】
また、生成部15は、動作データD1に基づいて、音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを生成する(S105)。そして、生成部15は、指示標識とダンスオブジェクトDOとが表示されるように、指示データD2を生成する(S106)。その結果、全ての指示タイミングにおける指示標識の作成が完了すれば(S107でYES)、指示データD2の生成処理が終了する。一方、指示標識の作成が完了していなければ(S107でNO)、次の指示タイミングと特定タイミングとが比較される(S102)。
【0089】
一方、指示タイミングと特定タイミングとが異なる場合、すなわち、特定タイミングと指示タイミングとの差が所定の範囲外である場合(S103でYES)、生成部15は、動作データD1の時間軸における特定タイミングと指示タイミングとの差を、補正値とする。そして、生成部15は、補正値を特定タイミングに加算するか、又は補正値を特定タイミングから減算する(S108)。続いて、生成部15は、比較した指示タイミングにおいて表示される指示標識として、特定タイミングにおける特定動作を表すような指示標識を作成する(S104)。
【0090】
また、生成部15は、動作データD1に基づいて、音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを生成する(S105)。そして、生成部15は、指示標識とダンスオブジェクトDOとが表示されるように、指示データD2を生成する(S106)。その結果、全ての指示タイミングにおける指示標識の作成が完了すれば(S107でYES)、指示データD2の生成処理が終了する。一方、指示標識の作成が完了していなければ(S107でNO)、次の指示タイミングと特定タイミングとが比較される(S102)。
【0091】
以上説明した実施形態によれば、基準となる動作データD1における動作と望まれる動作との間にずれがある状態であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成できる。また、基準ダンス動作に基づく動作データD1において、指示タイミングでは動作が途中である場合であっても、適切な動作に基づいて指示標識を生成できる。例えば、ダンサーのシルエットを模した指示標識を適切な形状にすることができる。また、ダンサーの体の一部の位置を指定する指示標識を適切な位置に表示できる。さらに、ダンサーの動作に従った軌道を描く指示標識を適切な軌道で表示できる。
【0092】
さらに、本実施形態によれば、よりダイナミックなダンス動作をプレイヤに指示できる。すなわち、ダンサーは、指示タイミングに完全に一致することを目指して基準ダンス動作を行う。しかし、指示タイミングに完全に一致することを目指すあまり、ダンサーの表現の自由度が制限されてしまい、基準ダンス動作からダイナミックさが失われてしまう。この点、本実施形態によれば、ダンサーのダンス動作(特に特定動作)が指示タイミングからずれてしまっても、指示標識を適切なタイミングで表示できる。そのため、ダンサーは、完全に一致することを目指す必要がなくなり、表現の自由度を高めて、基準ダンス動作のダイナミックさを保つことができる。そして、そのような基準ダンス動作に基づいて指示標識を作成することによって、プレイヤによりダイナミックなダンス動作を指示できる。
【0093】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態、並びに各実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0094】
例えば、ゲームサーバ10に設けられた論理的装置の少なくとも一部は、ゲーム機60又は他のコンピュータ装置に設けることができる。この場合、ゲーム機60、ゲームサーバ10、及び他のコンピュータ装置の少なくとも二つの装置が協働して生成システム又はゲームシステム100として機能する。
【0095】
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0096】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データD1に基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するための指示データD2を、前記動作データD1に基づいて生成する生成方法は、前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較し、前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データD2を生成する。
【0097】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データD1に基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するための指示データD2を、前記動作データD1に基づいて生成するとともに、コンピュータ11を備える生成システム100において、前記コンピュータ11は、前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較し、前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データD2を生成する。
【0098】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データD1に基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するゲームにおいて使用されるとともに、前記プレイ動作を行うべき指示タイミングにおいて前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するための指示データD2を、前記動作データD1に基づいて生成するとともに、コンピュータ11を備える生成システム100の制御プログラムPG1は、前記コンピュータ11に、前記基準ダンス動作のうちの特定動作が行われる特定タイミングと、前記指示タイミングとを比較させ、前記特定タイミングが前記指示タイミングと異なる場合、前記特定タイミングにおける前記特定動作を表すような前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2が、比較した前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データD2を生成させる。
【0099】
これにより、基準となる動作データD1における動作と望まれる動作との間にずれがある状態であっても、適切な動作に基づいて指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を生成できる。また、基準ダンス動作に基づく動作データD1において、指示タイミングでは動作が途中である場合であっても、適切な動作に基づいて指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を生成できる。
【0100】
音楽に合わせた基準ダンス動作の動作データD1に基づいて生成され且つプレイヤへプレイ動作を指示する指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示するゲームを提供するとともに、コンピュータ11を備えるゲームシステム100において、前記コンピュータ11は、前記動作データD1に基づいて前記音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを表示させるとともに、所定の指示タイミングにおいて前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を表示させ、前記ダンスオブジェクトDOが前記基準ダンス動作のうちの特定動作を行う特定タイミングが、前記指示タイミングと異なる場合、前記特定動作を表すような前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を当該指示タイミングにおいて表示させる。
【0101】
これにより、プレイヤは、ダンスオブジェクトDOを手本としながら、指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を参照することができる。そのため、ダンスオブジェクトDOの特定動作とは異なる適切な指示タイミングで、特定動作を行うことができる。
【0102】
前記特定タイミングと前記指示タイミングとの差が所定の範囲内である場合、前記指示タイミングにおける前記基準ダンス動作を表すような前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2が、前記指示タイミングにおいて表示されるように前記指示データD2を生成する。これにより、動作データD1において、指示タイミングにおける動作が、見栄えが良い動作であれば、その動作に基づいて指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を生成できる。
【0103】
前記動作データD1の時間軸における前記特定タイミングと前記指示タイミングに対応する動作タイミングとの差を、補正値として前記動作タイミングに加算するか、又は前記動作タイミングから減算することによって前記特定タイミングを設定する。これにより、ずれの量を客観的に特定でき、正確な特定タイミングの特定動作に基づいて指示標識MP1,MP2,MT1,MT2を作成できる。
【0104】
前記音楽の音楽データD3から音楽特徴点を抽出し、前記音楽特徴点に対応する第1タイミングを、前記指示タイミングとして前記指示データD2を生成する。これにより、生成部15は、自動的に指示タイミングを特定できる。
【0105】
前記動作データD1から動作特徴点を抽出し、前記動作特徴点に対応する第2タイミングが、前記第1タイミングよりも早い又は遅い場合に、前記第2タイミングを前記特定タイミングとして前記指示データD2を生成する。これにより、生成部15は、自動的に特定動作と特定タイミングを特定できる。
【0106】
前記指示標識MP1,MP2,MT1,MT2とともに表示され且つ前記動作データD1に基づいて前記音楽に合わせて動作するダンスオブジェクトDOを生成し、前記特定動作は、前記指示タイミングにおける前記ダンスオブジェクトDOの動作とは異なる。これにより、プレイヤは、ダンサーによる基準ダンス動作を示すダンスオブジェクトDOを手本としながら、指示標識MP1,MP2,MT1,MT2による指示に従って基準ダンス動作とは異なる適切な指示タイミングでダンスをすることもできる。
【0107】
前記基準ダンス動作を行うダンサーの体の少なくとも一部を模したダンス画像として前記指示標識MP1,MP2を生成し、前記基準ダンス動作を踊る前記ダンサーの動作を模倣して動作するように前記ダンスオブジェクトDOを生成する。これにより、プレイヤは、ダンサーによる基準ダンス動作を示すダンスオブジェクトDOを手本としながら、指示標識MP1,MP2,MT1,MT2による指示に従って基準ダンス動作とは異なる適切な指示タイミングでダンスをすることもできる。
【符号の説明】
【0108】
11 :サーバ制御部(コンピュータ)
100:ゲームシステム(生成システム)
D1 :動作データ
D2 :指示データ
D3 :音楽データ
MP1:ポーズマーカー(指示標識)
MP2:ポーズマーカー(指示標識)
MT1:タッチマーカー(指示標識)
MT2:タッチマーカー(指示標識)
図1
図2
図3
図4
図5