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特開2023-149627照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システム
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  • 特開-照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システム 図1
  • 特開-照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システム 図2
  • 特開-照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149627
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058287
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 洋邦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC27
(57)【要約】
【課題】物件情報を元に照明設計を行い、その結果を立体的なモデルとして表示する。
【解決手段】 実施形態に係る照明モデル処理装置は、少なくとも施設に関する3Dモデリングデータを含む物件情報及び照明器具情報を取得する情報管理部と、前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択する照明器具選択部と、前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新する処理部と、前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力するモデル生成部と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも施設に関する3Dモデリングデータを含む物件情報及び照明器具情報を取得する情報管理部と、
前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択する照明器具選択部と、
前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新する処理部と、
前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力するモデル生成部と、
を具備する照明モデル処理装置。
【請求項2】
前記情報管理部は、複数の企業が商品化した前記照明器具に関する照明器具情報を収集する
請求項1に記載の照明モデル処理装置。
【請求項3】
前記情報管理部は、クラウド上のサイトから前記照明器具情報を収集し、
前記モデル生成部は、表示を行う端末装置に対してクラウドを経由して前記立体画像モデルを供給する
請求項1に記載の照明モデル処理装置。
【請求項4】
情報管理部、照明器具選択部、処理部及びモデル生成部を有する照明モデル処理装置の照明モデル処理方法であって、
前記情報管理部が、物件情報及び照明器具情報を取得し、
前記照明器具選択部が、前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択し、
前記処理部が、前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新し、
前記モデル生成部が、前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力する
照明モデル処理方法。
【請求項5】
少なくとも施設に関する3Dモデリングデータを含む物件情報及び照明器具情報を取得する情報管理部と、
前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択する照明器具選択部と、
前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新する処理部と、
前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力するモデル生成部と、
を具備する照明モデル処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物等に関する3次元情報(以下、物件情報という)を利用して建築設計が行われることがある。この物件情報を利用することで、企画、設計、施工、維持管理に関する情報を一元化して管理することが可能である。また、この物件情報を照明設計に利用することもできる。照明設計の担当者は、各種照明器具等の情報と物件情報とを用いて、設計空間に適した照明設計を行う。
【0003】
このような照明設計は決められた担当者によって行われ、照明設計の結果は、施設担当者、施設オーナー、デベロッパー、ゼネコン(ゼネラル・コントラクター)、サブコン(サブ・コントラクター)、代理店等の各担当者に提供される。
【0004】
従って、照明設計の結果を得るまでに要する期間は、照明設計の担当者に依存する度合いが高く、上記各担当者に照明設計の結果が提供されるまでに極めて長い時間を要することがあるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-067392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、物件情報を元に照明設計を行い、その結果を立体的なモデルとして表示することができる照明モデル処理装置、照明モデル処理方法及び照明モデル処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る照明モデル処理装置は、物件情報及び照明器具情報を取得する情報管理部と、前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択する照明器具選択部と、前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新する処理部と、前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力するモデル生成部と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、物件情報を元に照明設計を行い、その結果を立体的なモデルとして表示することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明モデル処理装置を示すブロック図。
図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
図3】本発明の第3の実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係る照明モデル処理装置は、物件情報及び照明器具情報を取得する情報管理部と、前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択する照明器具選択部と、前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新する処理部と、前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力するモデル生成部と、を具備する。
【0011】
また、前記情報管理部は、複数の企業が商品化した前記照明器具に関する照明器具情報を収集する。
【0012】
また、前記情報管理部は、クラウド上のサイトから前記照明器具情報を収集し、
前記モデル生成部は、表示を行う端末装置に対してクラウドを経由して前記立体画像モデルを供給する。
【0013】
本実施形態に係る照明モデル処理方法は、情報管理部、照明器具選択部、処理部及びモデル生成部を有する照明モデル処理装置の照明モデル処理方法であって、前記情報管理部が、物件情報及び照明器具情報を取得し、前記照明器具選択部が、前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択し、前記処理部が、前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新し、前記モデル生成部が、前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力する。
【0014】
本実施形態に係る照明モデル処理システムは、少なくとも施設に関する3Dモデリングデータを含む物件情報及び照明器具情報を取得する情報管理部と、前記物件情報及び照明器具情報に基づいて照明器具を選択する照明器具選択部と、前記照明器具選択部が選択した照明器具の照明器具情報を前記物件情報に重畳させて前記物件情報を更新する処理部と、前記処理部により更新された前記物件情報に基づいて立体画像モデルを生成して表示用として出力するモデル生成部と、を具備する。
【0015】
(実施形態)
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る照明モデル処理装置を示すブロック図である。本実施形態は、物件情報及び照明器具情報を取得して、簡単に照明設計に関する資料、特に3次元画像モデルを生成することを可能にするものである。
【0017】
図1において、照明モデル処理装置10は、情報管理部11、照明器具情報検索部12、表示データ生成部13、表示制御部14、照明器具選択部15、仕様設定情報記憶部15a、モデル生成部16及び照明設計情報記憶部16aを含む。情報管理部11、照明器具情報検索部12、表示データ生成部13、表示制御部14、照明器具選択部15、モデル生成部16は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたプロセッサによって構成されていてもよく、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
【0018】
情報管理部11は、物件情報データベース20及び照明器具情報データベース30に蓄積されている情報を読み出して管理する。
【0019】
物件情報データベース20には、物件情報が記憶される。物件情報は、照明モデルの作成の対象となる照明器具を設置する施設や空間(以下、設計空間という(対象施設ともいう))に関して、その用途、広さ、高さ、施設の仕様書、施設の図面等の情報を含む。物件情報は、少なくとも施設に関する3Dモデリングデータを含み、例えば、設計提案の依頼、施設のコンセプト(空間の印象等の抽象的な情報も含む)、納期、予算、空間の用途・広さ・高さ、住所、施設の仕様書、及び、施設の図面等を含んでもよい。すなわち、物件情報は、依頼主からの照明設計についての依頼情報が含まれても良く、照明設計の対象となる対象施設に関する情報、及び、対象施設の照明についての依頼主の要望に関する情報を含んでもよい。また、依頼情報には、対象施設の照明の施工を依頼する場合の費用についての見積もり依頼が含まれてもよい。対象施設に関する情報には、対象施設の広さ及び高さ等を含む対象施設の寸法、対象施設の住所、対象施設の仕様書、対象施設の図面、及び、対象施設の用途等のいずれかが含まれる。対象施設の図面は、例えば、3Dスキャナ等で取得した対象施設の空間図面であってもよい。対象施設の用途を示す情報としては、例えば、対象施設が屋外又は屋内のいずれであるかを示す情報等が挙げられる。また、対象施設の用途を示す情報は、対象施設がエレベータホールであることを示す情報、又は、対象施設が屋外競技場であることを示す情報等であってもよい。
【0020】
また、物件情報には、対象施設の照明についての依頼主の要望に関する情報である、対象施設に用いられる照明器具に関する要望が含まれていてもよい。照明器具に関する要望としては、照明器具の光の強度、光束、光色、位置、台数、照射方向及び照射位置等のいずれかについての依頼主の要望が挙げられる。照明器具に関する要望には、用いられる照明器具の型番、メーカー、消費電力及び価格等についての依頼主の要望が、含まれてもよい。また、対象施設の照明についての依頼主の要望に関する情報には、予算及び納期等についての依頼主の要望が含まれてもよい。
【0021】
対象施設の照明についての依頼主の要望に関する情報には、対象施設の照明についての依頼主のコンセプト等が含まれる。依頼主のコンセプトには、対象施設において照明によって実現される空間の雰囲気についての要望等の、抽象的な情報が含まれてもよい。なお、対象施設において既設の照明器具が用いられている場合には、既設の照明器具によって実現される空間の雰囲気との比較で、空間の雰囲気についての要望が示されてもよい。この場合、既設の照明器具によって実現される空間の雰囲気を示す画像等が、依頼情報に含まれてもよい。
【0022】
また、照明器具情報データベース30は、各種照明器具に関する情報が記憶される。例えば、照明器具情報は、照明器具の仕様に関する情報等であり、例えば、種類、照度分布、輝度分布、光環境特有の評価結果(空間の明るさ、グレア、色の見え方、視認性、生体リズムの影響など)及び消費エネルギー、立体形状、サイズ、取付け方法、材質等の情報を含む。
【0023】
また、照明器具の情報として、対象施設の照明に利用可能な器具の一覧が示されてもよい。利用可能な照明器具に関する情報では、例えば、利用可能な照明器具について、カタログ情報及び3Dモデリングデータ等のいずれかが示される。利用可能な器具についてのカタログ情報等では、利用可能な器具のそれぞれについて、機種、型番、光の強度、光束、光色及び消費電力等が含まれる。
【0024】
情報管理部11は、物件情報データベース20から物件情報を取得すると共に、照明器具情報データベース30から照明器具情報を取得する。なお、図1では1つの物件情報データベース20及び1つの照明器具情報データベース30を示しているが、物件情報データベース20及び照明器具情報データベース30は、それぞれ複数存在する場合がある。情報管理部11は、この場合には、複数存在する物件情報データベース20及び照明器具情報データベース30から物件情報及び照明器具情報を取得する。
【0025】
例えば、物件情報データベース20及び照明器具情報データベース30がクラウド上に存在する場合がある。この場合には、情報管理部11は、例えばWebスクレイピング技術を用いて、物件情報を記憶し複数のたWebサイトや照明器具情報を記憶した複数のWebサイトから、情報を収集してもよい。
【0026】
こうして、情報管理部11は、様々な企業が提供している、BIM(Building Information Modeling)関連のデータ、電気設備CAD(Computer Aided Design)データ等の3次元の照明器具データを照明器具情報として取得することが可能である。
【0027】
照明器具情報検索部12は、照明モデルの作成の対象となる照明器具を設置する施設や空間である設計空間に適した照明器具を検索する。照明器具情報検索部12は、設計空間に関する物件情報(以下、対象物件情報という)を読み出すと共に、照明器具情報を読み出す。照明器具情報検索部12は、対象物件情報から照明器具を設置する設計空間に関する各種情報を取得する。照明器具情報検索部12は、取得した情報に基づいて、設計空間に適した照明器具の種類、サイズ、照度等の仕様を算出し、当該仕様を満足する照明器具を照明器具情報に基づいて検索する。照明器具情報検索部12は、検索結果である1つ以上の照明器具を特定する情報を照明器具選択部15に出力する。
【0028】
照明器具選択部15は、仕様設定情報記憶部15aに記憶されている情報を読み出す。仕様設定情報記憶部15aには、上述した対象施設の照明についての依頼主の要望に関する情報に基づいて、設計空間に設定すべき照明設計のコンセプト及びこのコンセプトに沿って設置すべき照明器具の光環境特有の評価を与える各種仕様設定を定義した仕様設定情報が記憶されている。
【0029】
詳細には、仕様設定情報は、少なくとも施設に関する3Dモデリングデータを用いた照明設計情報を含み、例えば、過去の物件情報、照明器具の情報(カタログ情報、3Dモデリングデータ)、過去の設計・提案資料、3D施設データ、及び、実測された3D施設データ等を含む。なお、過去に行われた照明設計に関する情報には、過去に照明設計を行った施設に関する情報、過去に行われた照明設計の設計結果、過去に照明設計を行った施設の照明についての解析結果、過去の照明設計において依頼主に提示した資料等のいずれかが含まれる。なお、過去に行われた照明設計は、所定の照明メーカー等である第2のユーザによって行われたものであってもよく、第2のユーザ以外の設計者によって行われたものであってもよい。
【0030】
照明器具選択部15は、照明器具情報検索部12の検索結果によって示される1つ以上の照明器具のうち、仕様設定情報記憶部15aに記憶された仕様設定情報に基づく仕様を満足する照明器具を選択して選択情報を情報管理部11に出力する。
【0031】
なお、照明器具選択部15は、仕様設定情報記憶部15aに格納された仕様設定情報に基づいて、自動的に照明器具を選択する例を説明したが、この選択をユーザが行うようになっていてもよい。例えば、照明器具選択部15の仕様設定情報記憶部15aには、設置すべき照明器具に許容される複数の仕様設定情報が記憶されていることが考えられる。この場合には、ユーザが図示しない入力装置を用いて、複数の仕様設定情報から所望の仕様設定情報を選択することで、照明器具選択部15は、選択された仕様設定情報に対応する照明器具を選択することができる。
【0032】
また、ユーザは、照明器具情報検索部12による1つ以上の検索結果の照明器具についての表示を確認することで、照明器具の選択を行うようになっていてもよい。即ち、照明器具情報検索部12は、検索結果の1つ以上の照明器具についての照明器具情報を表示データ生成部13に出力する。表示データ生成部13は、入力された照明器具情報に基づく表示データを生成して表示制御部14に出力する。表示制御部14は、入力された表示データを表示装置40に対応する形式に変換した後、表示装置40に出力する。表示装置40は、表示データに基づく画像を表示画面上に表示する。
【0033】
こうして、照明器具情報検索部12の検索結果による1つ以上の照明器具に関する情報が表示装置40の表示画面上に表示される。ユーザは、この表示を見ながら、仕様設定に適した照明器具を選択する。
【0034】
なお、この場合には、照明器具選択部15から仕様設定に合致する照明器具に関する情報を照明器具情報検索部12に与え、照明器具情報検索部12は、検索結果の照明器具のうち、仕様設定に合致する照明器具のみを表示データ生成部13に出力して、表示装置40の表示画面上に当該照明器具の情報を表示させるようにしてもよい。この場合には、ユーザは、比較的容易に、仕様設定に合致する照明器具を選択することが可能である。
【0035】
また、照明器具情報としては、様々な企業からの情報が照明器具情報検索部12に与えられており、施設他担当者や照明担当者等のユーザは、特定の企業の照明器具ではなく、多くの選択肢の中から照明設計に合致する照明器具を選択することができる。
【0036】
情報管理部11は、重畳処理部11aを備える。重畳処理部11aは、照明器具選択部15から照明器具を特定する選択情報が与えられる。重畳処理部11aは、選択情報によって指定された照明器具の照明器具情報を、対象物件情報に重畳して、物件情報を更新する。
【0037】
情報管理部11は、照明器具情報を含む更新された対象物件情報を照明器具選択部15に出力する。照明器具選択部15は、更新された対象物件情報をモデル生成部16に出力する。
【0038】
モデル生成部16は、更新された対象物件情報に基づいて、照明設計に関する情報を生成する。照明設計に関する情報としては、例えば、照明器具の台数と機種、照度分布、輝度分布、光環境特有の評価結果(空間の明るさ、グレア、色の見え方、視認性、生体リズムの影響など)消費エネルギー計算書、見積もり書(納期含む)等の情報を含む。モデル生成部16は、生成した照明設計に関する情報を照明設計情報記憶部16aに与えて記憶させる。
【0039】
また、モデル生成部16は、更新された対象物件情報の情報に基づいて、照明器具を含む設計空間の3次元画像モデルを生成する。モデル生成部16は、生成した3次元画像モデルの情報を表示制御部14に与える。表示制御部14は、3次元画像モデルの情報を、照明設計情報記憶部16aに記憶させると共に、表示装置40に与えて3次元画像モデルを表示させる。
【0040】
この3次元画像モデルは、設計空間の形状及び設置された照明器具の形状を3次元で表すだけでなく、設計空間における照明の様子を表現するものである。従って、ユーザは、表示装置40の表示画面上の表示から、設計空間における照明器具の形状だけでなく、明るさの感じや演色性等の感じを理解しやすい。
【0041】
次に、このように構成された実施形態の動作について図2を参照して説明する。図2は実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0042】
情報管理部11は、物件情報を取得し(S1)、照明器具情報を取得する(S2)。照明器具情報検索部12は、情報管理部11から設計空間に関する対象物件情報を読み出すと共に、照明器具情報を読み出す。照明器具情報検索部12は、対象物件情報に基づいて、設計空間に適した照明器具を検索する(S3)。情報管理部11は、複数の企業が商品化している照明器具に関する照明器具情報を保持しており、照明器具情報検索部12は複数の企業の多くの照明器具の中から1つ以上の検索結果を得る。照明器具情報検索部12は、検索結果を照明器具選択部15に出力する。また、照明器具情報検索部12は、検索結果を表示データ生成部13に与えて、表示装置40の表示画面上に、検索結果の照明器具に関する情報を表示させるようにしてもよい。
【0043】
照明器具選択部15は、検索結果の照明器具のうち、仕様設定情報記憶部15aに記憶されている仕様設定情報に基づく仕様設定を満足する照明器具を、自動的に又はユーザの入力操作に応じて選択し(S4)、選択情報を情報管理部11に出力する。
【0044】
重畳処理部11aは、選択情報によって指定された照明器具の照明器具情報を、対象物件情報に重畳して、物件情報を更新する(S5)。更新された物件情報は、照明器具選択部15を経由してモデル生成部16に供給される。モデル生成部16は、更新された物件情報に基づいて、照明設計に関する情報を生成すると共に、その情報の一部として照明器具を含む設計空間の3次元画像モデルを生成する(S6)。モデル生成部16は生成した照明設計情報を、照明設計情報記憶部16aに記憶させると共に、3次元画像モデルを表示制御部14を介して表示装置40に与えて表示画面上に表示させる。
【0045】
こうして、表示装置40の表示画面上には、多くの照明器具の中から仕様設定に沿って選択された照明器具について、その照明器具を設計空間に配置した場合の3次元画像モデルが表示される。ユーザは、この表示を見ることで、容易に照明設計に関する知見を視覚的に得ることが可能である。
【0046】
このように本実施形態においては、物件情報及び複数の企業の照明器具に関する照明器具情報を用いて、簡単に照明設計を実施することが可能である。複数の企業の照明器具に関する照明器具情報を用いていることから、設計の自由度が著しく向上する。また、生成した照明設計に関する情報として、照明器具を含む設計空間の3次元画像モデルを生成して表示用として出力することができ、ユーザにとって、極めて分かりやすい照明設計の資料を提供することができる。また、例えば施設担当者等の照明担当者以外のユーザにおいても、自分で照明設計が可能である。従って、施設担当者、施設オーナー、デベロッパー、ゼネコン、サブコン、代理店等の各担当者は、より迅速に見た目にわかりやすい照明空間の設計結果を知ることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態を示すブロック図である。本実施形態はWebシステムに対応したものである。
【0048】
端末装置50は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)やタブレット端末等により構成され、ユーザにより使用される。端末装置50は、例えばWebブラウザ等によってクラウド60に接続可能である。クラウド60には、照明モデル処理装置10Aが接続される。照明モデル処理装置10Aは、図1の照明モデル処理装置10の表示データ生成部14に代えて、データ出力部17を採用すると共に、クラウド60との間で通信を行うインタフェース部18を有する点が図1の照明モデル処理装置10と異なる。なお、図3においては、照明モデル処理装置10A中のデータ出力部17及びインタフェース部18のみを示している。また、図3では、物件情報データベース20及び照明器具情報データベース30についてもクラウド上に存在する例を示している。
【0049】
データ出力部17は、表示データ生成部13からの表示データ及びモデル生成部16からの3次元画像モデルをインタフェース部18に出力する。インタフェース部18は、クラウド60に接続された端末装置50からの要求を受け付けると共に、データ出力部17からのデータをクラウド60において利用可能なデータ転送方式でクラウド60に送信する。
【0050】
このように構成された実施形態においては、ユーザは、端末装置50を操作して、クラウド60上の照明モデル処理装置10Aの情報管理部11、照明器具情報検索部12、照明器具選択部15を動作させる命令や仕様設定情報を出力させる。例えば、端末装置50で起動するWebブラウザ等を利用することで、端末装置50からの命令及び仕様設定情報をクラウド60上に送信することができる。端末装置50からの命令及び仕様設定情報は、照明モデル処理装置10Aのインタフェース部18において受信される。仕様設定情報は、照明モデル処理装置10Aの仕様設定情報記憶部15aに記憶される。照明器具情報検索部12、照明器具選択部15及びモデル生成部16は、端末装置50からの指示に従って動作して、照明器具の検索処理、照明器具の選択処理及び照明設計情報の生成を行う。
【0051】
表示データ生成部13からの表示データは、データ出力部17及びインタフェース部18からクラウド60を経由して端末装置50に与えられ、端末装置50の表示画面上に表示される。また、モデル生成部16からの3次元画像モデルについても、データ出力部17及びインタフェース部18からクラウド60を経由して端末装置50に与えられる。こうして、端末装置50の表示画面上において、3次元画像モデルが表示される。
【0052】
このように、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果が得られると共に、クラウドに接続可能なPC等の端末装置により、分かりやすい照明空間の設計・提案の資料の提供を簡単に受けることができる。
【0053】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
10…照明モデル処理装置、10A…照明モデル処理装置、11…情報管理部、11a…重畳処理部、12…照明器具情報検索部、13…表示データ生成部、14…表示制御部、15…照明器具選択部、15a…仕様設定情報記憶部、16…モデル生成部、16a…照明設計情報記憶部、17…データ出力部、18…インタフェース部、20…物件情報データベース、30…照明器具情報データベース、40…表示装置、50…端末装置、60…クラウド。
図1
図2
図3